JP2017157505A - リチウム空気二次電池 - Google Patents

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雅章 平山
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Abstract

【課題】リチウム空気二次電池の充放電サイクル性能をより高くすると共に放電容量をより高くする。
【解決手段】ガス拡散型の空気極101と、リチウムを含んで構成された負極102と、空気極101と負極102とに挾まれて配置された電解質103とを備える。空気極101は、複数のカーボン微粒子からなる粉末が一体とされた担体より構成されている。カーボン微粒子は、多孔体である。カーボン微粒子は、ナノサイズの空隙(細孔)が3次元的にカーボン微粒子内に形成されている多孔体である。また、カーボン微粒子は、粒径がμmサイズである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、正極活性物質として酸素を用いるリチウム空気二次電池に関する。
正極活物質として空気中の酸素を用いるリチウム空気二次電池は、電池外部から常に酸素が供給され、電池内に大量の負極活物質である金属リチウムを充填することができる。このため、電池の単位重量当たりの放電容量の値を非常に大きくできることが報告されている。
ところで、例えば、非特許文献1では、放電生成物であるLi22が絶縁体であり、放電時に大きく成長することで、充電時に分解しづらくサイクル特性が悪くなることが示唆されている。これに対し、カーボン粉末を主体とするガス拡散型空気極(正極)に種々の触媒を添加して、放電容量、サイクル特性などの電池性能を改善することが試みられている。例えば、触媒によってLi22の分解を促進することで電池性能を改善しようとする研究が行われている(非特許文献2参照)。
F. Marchini et al., Langmuir, Vol.31, p.9236, 2015. A. K. Thapa et al., Electrochemical and Solid-State Letters, Vol.13, no.11, p. A165, 2010.
しかしながら、現段階では、リチウム空気二次電池の電池性能改善について満足な結果が得られていない。現状では、リチウム空気二次電池の充放電サイクル性能を高くすると共に放電容量を高くすることが容易ではないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、リチウム空気二次電池の充放電サイクル性能をより高くすると共に放電容量をより高くすることを目的とする。
本発明に係るリチウム空気二次電池は、複数のカーボン微粒子からなる粉末が一体とされた担体より構成された空気極と、リチウムを含んで構成された負極と、空気極と負極とに挾まれて配置された電解質とを備え、カーボン微粒子は多孔体である。例えば、カーボン微粒子は、ナノサイズの細孔による多孔体である。
上記リチウム空気二次電池において、空気極に担持された触媒を備え、触媒は、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Sn、In、Ir、Auから選ばれる金属とPtとRuとから構成されている。
以上説明したように、本発明によれば、多孔体としたカーボン微粒子による粉末で空気極を構成したので、より低コストでリチウム空気二次電池の充放電サイクル性能を高くすると共に放電容量を高くすることができるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態におけるリチウム空気二次電池の構成を示す構成図である。 図2は、リチウム空気二次電池のより詳細な構成例を示す断面図である。 図3は、多孔体カーボン微粒子の電子顕微鏡写真である。 図4は、実施例1のサンプル1におけるリチウム空気二次電池の初回の放電および充電の状態を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるリチウム空気二次電池の構成を示す構成図である。
このリチウム空気二次電池は、一般的なよく知られたリチウム空気二次電池と同様に、正極でありガス拡散型の空気極101と、リチウムを含んで構成された負極102と、空気極101と負極102とに挾まれて配置された電解質103とを備える。空気極101の一方の面は大気に曝され、他方の面は電解質103と接する。また、負極102の電解質103の側の面は、電解質103と接する。なお、電解質103は、電解液または固体電解質のいずれであってもよい。電解液とは、電解質が液体形態である場合をいう。また、固体電解質とは、電解質がゲル形態または固体形態である場合をいう。
また、空気極101は、複数のカーボン微粒子からなる粉末が一体とされた担体より構成されている。本発明では、上記カーボン微粒子が多孔体であることが大きな特徴である。このカーボン微粒子は、ナノサイズの空隙(細孔)が3次元的にカーボン微粒子内に形成されている多孔体である。また、カーボン微粒子は、粒径がμmサイズである。なお、空気極101は、必要に応じて触媒や結着剤などの添加剤を含むことができる。
このように、多孔体のカーボン微粒子による粉体からなる担体で空気極101を構成することで、リチウム空気二次電池の充放電サイクル性能を高くすると共に放電容量を高くすることができる。また、Auなどの高価な材料を用いる必要が無いので、コストの低減が見込める。
空気極101は、次に示すようにすることで調整することができる。まず、多孔体のカーボン微粒子によるカーボン粉末を用意し、このカーボン粉末に、必要に応じて白金-ルテニウム(Pt−Ru)、酸化ルテニウム(RuO2)のような触媒、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)のようなバインダー粉末を混合する。混合することで得られた混合物を、チタンメッシュなどの支持体上に圧着することにより、空気極101を成形することができる。また、上述した混合物を有機溶剤などの溶媒中に分散してスラリー状にし、このスラリーを金属メッシュまたはカーボンクロスやカーボンシート上に塗布して乾燥することによっても、空気極101を形成することができる。また、電極の強度を高め電解質の漏洩を防止するために、冷間プレスだけでなく、ホットプレスを適用することによっても、より安定性に優れた空気極101を作製することができる。
多孔体のカーボン微粒子の合成方法はどのようなものであってもよく、また、遊星ボールミルなどを用いて粉砕処理を加えてもよい。例えば、以下の方法で合成できる。球状のシリカナノ粒子を構造鋳型とし、これに、例えば、フリフリルアルコール(2−フリルメタノール:C562)などの炭素源を加えて重合化させる。この後、加熱することなどにより炭素化させ、フッ酸で鋳型であるシリカナノ粒子を溶解・除去する。この後、蒸留水で洗浄し、乾燥させればよい。
次に、負極102について説明する。負極102は、負極活物質を含んで構成されている。負極活物質は、リチウム二次電池の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば負極活物質は、金属リチウムである。また、負極活物質は、リチウム含有物質として、リチウムイオンを放出および吸蔵することができる物質であるリチウムと、シリコンまたはスズとの合金、あるいは、Li2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物であってもよい。
負極102は、公知の方法で作製することができる。例えば、リチウム金属を負極とする場合には、複数枚の金属リチウム箔を重ねて所定の形状に成形することで、負極を作製すればよい。
なお、上記のシリコンまたはスズの合金を負極102として用いる場合、負極102を作成する時にリチウムを含まないシリコンまたはスズなどを用いることもできる。しかし、この場合には、空気電池の作製に先立って、化学的手法または電気化学的手法(例えば、電気化学セルを組んで、リチウムとシリコンまたはスズとの合金化を行う方法)によって、シリコンまたはスズが、リチウムを含む状態にあるように処理しておく必要がある。
具体的には、作用極にシリコンまたはスズを含み、対極にリチウムを用い、電解質中で還元電流を流すことによって合金化を行うなどの電気化学的な処理をしておくことが好ましい。
金属リチウムから構成した負極102における放電時の反応は、以下のように表すことができる。
(放電反応)
Li→Li++e-・・・(1)
なお、充電時の負極102においては、式(1)の逆反応であるリチウムの析出反応が起こる。
次に、電解質103について説明する。電解質103は、空気極101(正極)および負極102間でリチウムイオンの移動が可能な物質であればよい。例えば、リチウムイオンを含む金属塩を溶解した非水溶媒(有機溶媒)を電解質103とすればよい。具体的には、リチウムイオンを含む金属塩としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド(LiTFSA)[(CF3SO22NLi]などのリチウムイオンを含む金属塩を挙げることができる。
また、非水溶媒としては、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸メチルエチル(MEC)、炭酸メチルプロピル(MPC)、炭酸メチルイソプロピル(MIPC)、炭酸メチルブチル(MBC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルプロピル(EPC)、炭酸エチルイソプロピル(EIPC)、炭酸エチルブチル(EBC)、炭酸ジプロピル(DPC)、炭酸ジイソプロピル(DIPC)、炭酸ジブチル(DBC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸1,2−ブチレン(1,2−BC)などの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)などのエーテル系溶媒、γ−ブチロタクトン(GBL)などのラクトン系溶媒、またはジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド系溶媒、あるいはこれらの中から2種類以上を混合した溶媒を挙げることができる。2種類以上を混合した溶媒としては、例えば炭酸エチレン(EC)および炭酸ジメチル(DMC)(体積比1:1)の混合溶媒、ECおよび炭酸ジエチル(DEC)などのような混合溶媒を挙げることができる。
また、電解質103を構成する他の材料として、リチウムイオンを通す固体電解質(例えば、Li2SやP25を含む硫化物系固体電解質など)、リチウムイオンを通すポリマー電解質(例えば、ポリエチレンオキシド系、具体的には、例えば、上記有機電解液とポリエチレンオキシドをコンポジット化した物質など)等を挙げることができる。ただし、電解質103を構成する材料は、これらに限定されず、リチウム空気二次電池で使用される公知のリチウムイオンを通す固体電解質またはリチウムイオンを通すポリマー電解質であれば好適に使用することができる。
なお、リチウム空気二次電池は、上記構成に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、また、リチウム空気二次電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
例えば、リチウム空気二次電池は、図2に示すように構成することができる。このリチウム空気二次電池は、空気極201,負極202,電解質203,セパレータ204,空気極支持体205、空気極固定用リング206,負極固定用リング207,負極固定用座金208,負極支持体209,固定ねじ210,Oリング211,空気極端子221,負極端子222を備える。
空気極201,負極202,電解質203,セパレータ204は、円筒形状の空気極支持体205に収容されている。空気極支持体205は、円筒内中央部に仕切り251があり、仕切り251により空気極201が配置される第1領域205aと、負極202およびセパレータ204が配置される第2領域205bとに区画されている。また、仕切り251は中央部が開口しており、開口部により第1領域205aと第2領域205bが連通している。
液状の電解質203は、仕切り251の開口に配置され、空気極201および塩橋となるセパレータ204に挟まれている。セパレータ204には電解質203が含浸している。なお、セパレータ204の周囲にも電解質203は配置されている。電解質203は、1mol/Lのリチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド/炭酸プロピレン[(CF3SO22NLi/PC]溶液である。
また、空気極201は、ポリテトラフルオロエチレン (PTFE)より構成された空気極固定用リング206と仕切り251とに挟まれて、空気極支持体205の円筒内の第1領域205aに固定されている。空気極固定用リング206の開口内において、空気極101と空気との接触する電極の有効面積は、2cm2とされている。一方、セパレータ204は、PTFEより構成された負極固定用リング207と仕切り251とに挟まれて、空気極支持体205の円筒内の第2領域205bに固定されている。このようにして、液状の電解質203が、仕切り251の開口において空気極201とセパレータ204との間に封入されている。
また、負極202は、負極固定用リング207の内部で、負極固定用座金208が積層され、この上に金属から構成された負極支持体209が被せられている。負極202は、厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔が同心円上に重ねられて構成され、負極固定用座金208に圧着されている。負極202は、有効面積が2cm2とされている。負極支持体209は、固定ねじ210により空気極支持体205に固定されている。また、空気極支持体205と負極支持体209との間には、Oリング211が配置されている。
固定ねじ210により空気極支持体205の側に押しつけられている負極支持体209により、負極固定用座金208を介し、負極202がセパレータ204の方向に押圧され、セパレータ204に圧接されている。これら構成としたリチウム空気二次電池は、露点が−60℃以下の乾燥空気中で作製した。
なお、空気極支持体205は、金属から構成されているが、図示していないが、PTFEに被覆され、電解質203,セパレータ204などと絶縁分離されている。なお、空気極201と空気極支持体205が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施さない。また、金属から構成された固定ねじ210も、図示していないが、PTFEに被覆され、空気極支持体205と負極支持体209とが、電気的に分離された状態としている。
以下、実施例を用いて詳細に説明する。
[実施例1]
はじめに、実施例1について説明する。はじめに、セルの作製について説明する。なお、以下の各実施例では、図2を用いて説明した円柱形のリチウム空気二次電池セルを作製した。
まず、多孔体のカーボン微粒子によるカーボン粉末に、PVdF粉末を混合し、これをN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶媒に分散させてスラリーを作製する。カーボン粉末とPVdF粉末とは、9:1の重量比で混合した。作製したスラリーをチタンメッシュに塗布して乾燥させる。これにより、空気極担体となるカーボン担体がチタンメッシュに保持されたメッシュ状電極が得られる。このメッシュ状電極を直径16mmの円形に切り抜いて空気極201を作製した。
次に、リチウム空気電池セルを、露点が−60℃以下の乾燥空気中で、以下の手順で作製した。作製した空気極201を、空気極支持体205の第1領域205aにおいて、仕切り251に接する状態に配置して空気極固定用リング206で固定した。空気極201と空気極支持体205が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施していない。
次に、空気極支持体205の第2領域205bにおいて、仕切り251に接する状態にセパレータ204を配置した。次に、負極固定用リング207に負極202として厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔(有効面積:2cm2)を同心円上に重ねて圧着した。次に、負極固定用リング207を、空気極支持体205の第2領域205bに配置し、この中央部に、負極202が圧着された負極固定用リング207を勘合した。
次に、空気極201と負極202との間に電解質203を構成する有機電解液を充填し、この状態で、空気極支持体205の底面にOリング211を配置して負極支持体209を被せ、固定ねじ210で空気極支持体205に固定した。有機電解液としては、1mol/リットルのLiTFSA/TEGDME溶液を用いた。この後、空気極端子221を空気極支持体205に接続して固定し、負極端子222を負極支持体209に接続して固定した。
次に、実際に作製したリチウム空気二次電池セルの電池性能を測定について説明する。なお、空気極端子221および負極端子222を、電池性能の測定試験に用いた。電池のサイクル試験は、充放電測定システム(VMP3,Bio Logic社製)を用い、空気極の有効面積当たりの電流密度で0.1mA/cm2を通電し、開回路電圧から電池電圧が、2.0Vに低下するまで放電電圧の測定を行った。また、電池の充電試験は、放電時と同じ電流密度で、電池電圧が4.2Vに増加するまで行った。電池の放電試験は、通常の生活環境下で行った。充放電容量は空気極(カーボン+PVdF)1重量当たりの値(mAh/g)で表した。
実施例1では、空気極201として、次に示す5つのサンプルを作製した。使用したカーボン粉末におけるカーボン微粒子の細孔の平均孔径が、14nmのサンプル1。使用したカーボン粉末におけるカーボン微粒子の細孔の平均孔径が、50nmのサンプル2。使用したカーボン粉末におけるカーボン微粒子の細孔の平均孔径が、100nmのサンプル3。使用したカーボン粉末におけるカーボン微粒子の細孔の平均孔径が、150nmのサンプル4。使用したカーボン粉末におけるカーボン微粒子の細孔の平均孔径が、200nmのサンプル5。実施例1では、触媒を用いていない。図3に、サンプル1で用いたカーボン微粒子の電子顕微鏡像を示す。図3に示すより暗い部分が孔部である。
なお、平均孔径は、多孔体のカーボン微粒子の作製に用いた鋳型であるシリカナノ粒子の径をもとに判断している。また、サンプル1における多孔体のカーボン微粒子は、電子顕微鏡の観察により、粒径1〜20μmである。
ます、サンプル1の初回の放電および充電曲線を図4に示す。図4に示すように、空気極を多孔体のカーボン微粒子による粉末で構成すると、平均放電電圧2.67V、放電容量1746mAh/gという値が得られることが分かる。
次に、サンプル1〜5における放電容量のサイクル依存性を以下の表1に示す。なお、表1では、各サンプルの空気極を構成しているカーボン微粒子の隣り合う孔間の距離および比表面積も示している。なお、公知のN2吸着によるBET法により求めた比表面積である。また、多孔体における隣り合う孔間の距離(厚さ)は、電子顕微鏡の観察により求めた。
いずれのサンプルにおいても、充放電サイクルを100回繰り返しても、放電容量(mAh/g)の減少はほとんど見られず、従来に比較してサイクル性能が向上している。従って、多孔体カーボン微粒子の細孔の平均孔径が、少なくとも14〜200nmの範囲であれば、サイクル性能の向上が得られることが分かる。なお、細孔の平均孔径14〜200nmは、細孔の体積が、4200nm3〜35×106nm3に相当する。また、多孔体カーボン微粒子の隣り合う細孔の間の間隔が、5nm以下であれば、サイクル性能の向上が得られることが分かる。
本発明によれば、空気極における放電時のLi22生成が、多孔体カーボン微粒子のナノサイズの細孔で行われるため、生成されるLi22のサイズが制限され、充電時に容易に分解されるようになり、上述したようにサイクル特性が向上したものと考えられる。また、空気極に用いた多孔体のカーボン微粒子は、いわゆる生活環境下で安定であり、上述した状態が安定して得られる。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。実施例2では、空気極201として、Pt−Ru触媒を担持させた次に示す5つのサンプルを作製した。使用したカーボン粉末におけるカーボン微粒子の平均孔径が、14nmのサンプル6。使用したカーボン粉末におけるカーボン微粒子の平均孔径が、50nmのサンプル7。使用したカーボン粉末におけるカーボン微粒子の平均孔径が、100nmのサンプル8。使用したカーボン粉末におけるカーボン微粒子の平均孔径が、150nmのサンプル9。使用したカーボン粉末におけるカーボン微粒子の平均孔径が、200nmのサンプル10。
次に、触媒を担持させた空気極201の作製について説明する。実施例2では、次に示すことにより空気極201を作製した。まず、多孔体のカーボン微粒子によるカーボン粉末をギ酸に加え、80℃に加熱して分散させる。このカーボン粉末を混合したギ酸に超音波をかけながら、秤量したH2PtCl6・6H2OおよびRuCl3を少量ずつ滴下する。全量を加えた後、室温にて500rpmで攪拌し、これを24時間継続した後、50℃で蒸発乾固する。蒸発乾固することで得た粉末を、Ar雰囲気300℃で12時間焼成し、Pt:Ru=10:90の比率にしたPt−Ru触媒を担持したカーボン粉末を得る。
上述したことにより得た触媒を担持した多孔体のカーボン微粒によるカーボン粉末に、PVdF粉末を混合し、これをNMP溶媒に分散させてスラリーを作製する。なお、カーボン粉末とPt−Ru触媒とPVdF粉末とは、8:1:1の重量比となるように調整した。作製したスラリーをチタンメッシュに塗布して乾燥させる。このメッシュ状電極を直径16mmの円形に切り抜いて空気極201を作製した。
なお、上述した触媒を担持させた空気強201の作製以外は、前述した実施例1と同世にすることでリチウム空気二次電池セルを作製した。また、前述した実施例1とCu世にして測定を実施した。
以下、サンプル6〜10における放電容量のサイクル依存性を表2に示す。いずれのサンプルにおいても、充放電サイクルを100回繰り返しても、放電容量(mAh/g)の減少はほとんど見られず、従来に比較してサイクル性能が向上している。また、触媒を担持しているため、更にサイクル性能が向上している。
[比較例]
次に、比較例について説明する。比較例では、カーボン粉末(KetjenBlack EC600JD;KB、ライオン社製)を用い、前述した実施例2と同様にすることでPt−Ru触媒(Pt:Ru=10:90)を担持した空気極を作製してリチウム空気二次電池セルとした。比較例の結果を、サンプル7の結果とともに表3に示す。
表3に示すように、比較例では、初回放電容量は1114mAh/gであった。またサイクル性能も10サイクル目までは良好であり、10サイクル目の放電容量は1022mAh/gであった。しかしながら、本発明によるサンプル7と比較して、容量が少ないことが分かる。また、10サイクル以降のサイクル性能においても、サンプル7に対し、比較例では放電容量の減少が見られ、100サイクル後の放電容量は905mAh/gであった。この比較例の結果は、触媒を用いていないサンプル1〜5よりも低い性能である。
以上の結果より、本発明における空気極を用いたリチウム空気二次電池は、公知の材料による空気極を用いたリチウム空気二次電池よりも、容量および電圧に関してサイクル特性に優れており、本発明における空気極は、リチウム空気二次電池用空気極として有効であることが確認された。
以上に説明したように、本発明によれば、空気極を複数のカーボン微粒子からなる粉末が一体とされた担体より構成し、このカーボン微粒子を多孔体としたので、より低コストでリチウム空気二次電池の充放電サイクル性能を高くすると共に放電容量を高くすることができる。本発明によれば、充放電サイクル性能に優れたリチウム空気二次電池を作製することができ、様々な電子機器の駆動源として有効利用することができる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、触媒は、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Sn、In、Ir、Auから選ばれる金属とPtとRuとから構成されたものであってもよい。
また触媒は、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、銀、カドミウム、パラジウム、鉛、ルテニウム、ロジウム、プラセオジム、セリウム、ニオブ、イットリウム、タンタル、およびスズの少なくとも1つの金属から構成されていてもよい。
また触媒は、チタン酸化物、バナジウム酸化物、クロム酸化物、マンガン酸化物、鉄酸化物、コバルト酸化物、ニッケル酸化物、銅酸化物、亜鉛酸化物、モリブデン酸化物、銀酸化物、カドミウム酸化物、パラジウム酸化物、鉛酸化物、ルテニウム酸化物、ロジウム酸化物、プラセオジム酸化物、セリウム酸化物、ニオブ酸化物、イットリウム酸化物、タンタル酸化物、およびスズ酸化物の少なくとも1つの金属酸化物から構成されていてもよい。また、金属酸化物は、水分子を含む水和物であってもよい。
101…空気極、102…負極、103…電解質。

Claims (2)

  1. 複数のカーボン微粒子からなる粉末が一体とされた担体より構成された空気極と、
    リチウムを含んで構成された負極と、
    前記空気極と前記負極とに挾まれて配置された電解質と
    を備え、
    前記カーボン微粒子は多孔体であることを特徴とするリチウム空気二次電池。
  2. 請求項1記載のリチウム空気二次電池において、
    前記空気極に担持された触媒を備え、
    前記触媒は、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Sn、In、Ir、Auから選ばれる金属とPtとRuとから構成されていることを特徴とするリチウム空気二次電池。
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