以下に添付図面を参照して、情報処理装置及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、本発明の情報処理装置及びプログラムをスーパーマーケット等の店舗に適用した例について説明するが、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る店舗内システム1の構成を模式的に示す図である。店舗内システム1は、レジ端末10と、管理サーバ20と、店員端末30とを有する。レジ端末10と管理サーバ20とは、ネットワークN1を介して接続される。また、管理サーバ20と、店員端末30とは、ネットワークN2を介して接続される。ここで、ネットワークN1及びN2は、同一のネットワークであってもよい。
レジ端末10は、店舗内に設置されるPOS(Point Of Sale)レジスタ装置である。レジ端末10は、店舗内で販売される各商品の商品コード、単価等が格納された商品マスタ(図示せず)を参照しながら、一取引にかかる商品の登録と会計(精算)とを行う。
本実施形態の店舗内システム1は、レジ端末10を複数台備える。店舗内システム1は、これら複数のレジ端末10により複数のレジ形態を実現する。レジ形態は、商品の登録及び会計の仕方や、チェッカー及びキャッシャーの配置形態等を意味する。
より詳細には、店舗内システム1は、複数種類(機器種別)のレジ端末10を備えることで、複数のレジ形態を実現する。例えば、店舗内システム1は、レジ端末10の種類として、店員が商品の登録及び会計を行うレジ形態である通常レジ10aを備える。また、店舗内システム1は、レジ端末10の種類として、店員が商品の登録を行った後、客自身が会計を行うレジ形態であるセミセルフレジ10bを備える。
また、同一種類のレジ端末10であっても、運用方法等を切り替えることで複数のレジ形態を実現することがきる。例えば、店舗内システム1では、通常レジ10aを一人制と二人制とに切り替えて稼働させることで、二つのレジ形態を実現する。ここで、一人制は、一人の店員が商品の登録及び会計を行うレジ形態を意味する。また、二人制は、二人の店員が協力し、商品の登録と会計とを個別に行うレジ形態を意味する。
レジ端末10は、例えば図2に示すような構成を有している。ここで、図2は、レジ端末10の構成例を示す図である。図2に示すように、レジ端末10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成されるコンピュータ構成の制御部11を備える。また、制御部11は、RTC(Real Time Clock)等の計時機能を備える。
制御部11には、バス12を介して、通信I/F(インタフェース)13と、入力部14と、コードスキャナ15と、表示部16と、プリンタ17と、報知部18と、記憶部19とが接続される。
通信I/F13は、ネットワークN1に接続するための、有線又は無線の通信I/Fである。入力部14は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスを有する。入力部14は、入力デバイスを介して操作者からの操作入力を受け付け、その操作内容に応じた信号を制御部11に通知する。例えば、入力デバイスは、金額や売上点数等を入力するための置数キーや、1商取引として販売登録が行われた商品の合計出力を指示する現計キー等を有する。また、入力デバイスは、会計待ちの行列が発生した場合等に応援依頼を出力するための応援依頼キーを有する。
コードスキャナ15は、バーコードや二次元コード等のコードシンボルを光学的に読み取るスキャナ装置である。コードスキャナ15は、商品に付されたコードシンボルから、当該商品を特定可能な商品ID等を読み取る。
表示部16は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを有する。表示部16は、制御部11の制御に従い、各種の情報を表示する。プリンタ17は、サーマルプリンタ等のプリンタ装置である。プリンタ17は、制御部11の制御に従い、レシートやジャーナル等の印字を行う。報知部18は、例えば警報ランプやインジケータ等の報知装置によって構成される。報知部18は、制御部11の制御に従い、ランプを点灯させる等の報知を行う。なお、報知部18及び後述する報知制御部115は、レジ端末10の電源がオフ状態であっても動作できるよう独立した装置として構成してもよい。
記憶部19は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を有する。記憶部19は、制御部11(CPU)が実行する各種プログラムや設定情報等を記憶する。
また、レジ端末10は、制御部11(CPU)と、ROMや記憶部19に記憶されたプログラムとの協働により実現される機能部を備える。具体的には、制御部11(CPU)がプログラムを実行することで、会計処理部111、状態通知部112、応援依頼部113、表示制御部114及び報知制御部115等の機能部がRAM上に実現される。
会計処理部111は、商品の登録(売上登録)及び会計に係る会計処理を行う。例えば、会計処理部111は、コードスキャナ15によって商品から読み取られた商品IDに基づき、当該商品IDに対応する商品情報を商品マスタから読み出す。また、会計処理部111は、商品情報に含まれる単価や、入力部14を介して入力される販売個数等から商品の販売価格を算出する。また、会計処理部111は、一取引分の登録及び会計が完了すると、それら商品の商品IDや販売価格等を、図示しない売上マスタファイル等に記録することで売上登録を行う。そして、会計処理部111は、その取引の内訳を示すレシートを、プリンタ17から出力させる。
状態通知部112は、通信I/F13と協働し、当該レジ端末10の状態を管理サーバ20に通知する。例えば、状態通知部112は、当該レジ端末10が非稼働状態から稼働状態に移行する際に、稼働状態を示す状態情報を管理サーバ20に送信する。また、状態通知部112は、当該レジ端末10が稼働状態から非稼働状態に移行する際に、非稼働状態を示す状態情報を管理サーバ20に送信する。
ここで、稼働状態は、会計処理部111による会計処理を実行することが可能な状態を意味する。また、非稼働状態は、例えば電源オフの状態やスタンバイ状態等、会計処理を実行することのできない状態を意味する。状態情報は、稼働状態又は非稼働状態を示す情報の他、当該レジ端末10を識別可能な識別情報(以下、レジナンバーという)を含む。なお、レジ端末10は、当該レジ端末10が通常レジ10aで且つ稼働状態の場合には、レジ形態(一人制又は二人制)を示す情報を状態情報に含めて送信する。また、レジ端末10は、当該レジ端末10が稼働状態の場合、当該レジ端末10を操作する店員を識別可能な識別情報(店員ID)を、状態情報に含めてもよい。
応援依頼部113は、入力部14を介して応援依頼キーの入力を受け付けると、通信I/F13と協働し、応援依頼情報を管理サーバ20に送信する。ここで、応援依頼情報は、当該レジ端末10のレジナンバーを少なくとも含む。
表示制御部114は、表示部16の画面表示を制御する。例えば、表示制御部114は、レジ端末10の操作に係る操作画面を表示部16に表示させる。また、表示制御部114は、管理サーバ20から送信される各種情報に応じた画面を表示部16に表示させる。
報知制御部115は、当該レジ端末10の状態が所定の条件を満たす場合に、報知部18を動作させることで報知を行う。例えば、報知制御部115は、管理サーバ20から後述する指示情報を受信したことを条件に、報知部18を動作させる。
図1に戻り、管理サーバ20は、本実施形態の情報処理装置に対応するサーバ装置である。管理サーバ20は、例えば図3に示すような構成を有している。ここで、図3は、管理サーバ20の構成例を示す図である。図3に示すように、管理サーバ20は、CPU、ROM、RAM等で構成されるコンピュータ構成の制御部21を備える。また、制御部21は、RTC等の計時機能を備える。
制御部21には、バス22を介して、第1通信I/F23と、第2通信I/F24と、入力部25と、表示部26と、記憶部27とが接続される。
第1通信I/F23は、ネットワークN1に接続するための、有線又は無線の通信I/Fである。また、第2通信I/F24は、ネットワークN2に接続するための、有線又は無線の通信I/Fである。
入力部25は、キーボード等の入力デバイスを有する。入力部25は、入力デバイスを介して操作者からの操作入力を受け付け、その操作内容に応じた信号を制御部21に通知する。表示部26は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを有する。表示部26は、制御部21の制御に従い各種の情報を表示する。
記憶部27は、HDDやSSD等の記憶装置を有する。記憶部27は、制御部11(CPU)が実行する各種のプログラムや各種の設定情報を記憶する。
また、記憶部27は、過去の客数が記録された客数履歴データD1を記憶する。具体的には、客数履歴データD1は、所定の単位時間(例えば1時間)毎に記録された過去の客数を履歴として保持する。ここで客数は、実際に取引(会計処理)を行った客数(取引数)であってもよいし、来店した客数であってもよい。また、客数履歴データD1は、少なくとも過去1年分の履歴を保持することが好ましい。
なお、客数履歴データD1に記録する客数の取得方法は特に問わず、公知の方法を用いてもよい。また、管理サーバ20が、各レジ端末10で取引が行われた客数を1時間毎に集計し、その集計結果を現在の年月日及び時間帯と対応付けて客数履歴データD1に登録する構成としてもよい。また、客数履歴データD1には、客数とともに、その時間帯の天候や気温等の他の要素を記録してもよい。
また、記憶部27は、レジ端末10の各々を識別するレジナンバーや店員端末30の各々を識別する端末IDに対応付けて、これら端末との通信に用いるアドレス等を格納した端末情報テーブルT1を記憶する。制御部21は、この端末情報テーブルT1を参照することで、各種情報の送信先となるレジ端末10及び店員端末30のアドレスを特定する。
また、記憶部27は、レジ端末10の種類毎の台数を記録したレジ管理テーブルT2を記憶する。図4は、レジ管理テーブルT2のデータ構成の一例を模式的に示す図である。図4に示すように、レジ管理テーブルT2は、レジ端末10の種類に対応付けて、当該種類のレジ端末10のレジナンバーを格納する。ここで、種類毎に格納されたレジナンバーの個数は、当該種類のレジ端末10の台数に対応する。また、レジ端末10の種類は、レジ形態に対応する。例えば、セミセルフレジ10bは、レジ形態「セミセルフ」に対応する。なお、通常レジ10aの台数は、一人制及び二人制の各レジ形態が相補的に台数を占めるため、一人制及び二人制のレジ端末10(通常レジ10a)の合計値を意味する。なお、レジ管理テーブルT2のデータ構成はこれに限らず、例えば、レジ端末10の種類毎に、その台数を直接対応付けて格納してもよい。
さらに、記憶部27は、レジ端末10のレジ形態毎の処理能力を記録した能力管理テーブルT3を記憶する。図5は、能力管理テーブルT3のデータ構成の一例を模式的に示す図である。図5に示すように、能力管理テーブルT3は、レジ端末10のレジ形態に対応付けて、当該レジ形態の処理能力を格納する。処理能力は、一台のレジ端末10で単位時間(例えば1時間)あたりに処理することが可能な客数(取引数)を意味する。
処理能力は、各レジ形態の実績値に基づいて設定することが好ましい。例えば、処理能力は、各レジ形態のレジ端末10で処理された客数の単位時間あたりの平均値や上限値等としてもよい。図5の例の場合、能力管理テーブルT3は、1時間当たりの処理能力が、一人制で40人、二人制で60人、セミセルフで50人であることを示している。なお、処理能力の表記方法は、図5の例に限らないものとする。例えば、二人制の処理能力は、一人制の処理能力に対する比率(150%等)で表してもよい。
また、管理サーバ20は、制御部21(CPU)と、ROMや記憶部27に記憶されたプログラムとの協働により実現される機能部を備える。具体的には、図3に示すように、制御部21(CPU)がプログラムを実行することで、状態管理部211、稼働計画部212及び出力制御部213等の機能部がRAM上に実現される。
状態管理部211は、レジ端末10から送信される状態情報に基づいて、各レジ端末10の状態を管理する。より詳細には、状態管理部211は、レジ端末10の各々のレジナンバーに対応付けて、当該レジ端末10が稼働状態及び非稼働状態の何れにあるかを二値情報等により管理する。また、状態管理部211は、稼働状態にあるレジ端末10が通常レジ10aの場合、そのレジナンバーに対応付けて、レジ形態(一人制又は二人制)を示す情報を管理する。なお、状態管理部211は、レジ管理テーブルT2を用いて各レジ端末10の状態を管理してもよい。
稼働計画部212は、現在又は将来の所定期間に発生する客数(以下、見込客数という)を推測し、当該見込客数を処理することが可能なレジ端末10の稼働計画を導出する。
稼働計画部212は、所定のトリガを検知すると処理を開始する。ここで、トリガは特に問わず、種々の形態が可能である。例えば、稼働計画部212は、レジ端末10から送信される応援依頼情報をトリガとして検知してもよい。また、稼働計画部212は、入力部25で所定の操作が行われたことをトリガとして検知してもよい。
稼働計画部212は、処理を開始すると、見込客数の推測対象となる対象期間(月日及び時間帯)について記録された過去の客数を客数履歴データD1から読み出す。ここで、対象期間は特に問わず、任意の月日及び時間帯とすることが可能である。また、稼働計画部212は、トリガの種別に応じて対象期間を設定する構成としてもよい。
例えば、応援依頼情報をトリガとする場合、稼働計画部212は、その応援依頼情報を受けた現在の日時に対応する月日及び時間帯を対象期間としてもよい。一例として、2016年2月10日15時10分に応援依頼情報を受けた場合を想定する。この場合、稼働計画部212は、2月10日の15時−16時の時間帯を対象期間とし、この対象期間について記録された過去の客数を客数履歴データD1から読み出す。
また、例えば、将来の期間(月、日、時間帯)を指定する操作をトリガとする場合、稼働計画部212は、その指定された期間を対象期間としてもよい。一例として、2016年の2月10日−15日が指定された場合を想定する。この場合、稼働計画部212は、2月10日−15日の各時間帯(1時間単位)を対象期間とし、これら対象期間について記録された過去の客数を客数履歴データD1からそれぞれ読み出す。
稼働計画部212は、客数履歴データD1から過去の客数を読み出すと、その客数に基づいて対象期間に発生する見込客数を推測する。ここで、見込客数の推測方法は特に問わないものとする。例えば、稼働計画部212は、対象期間について読み出した過去数年分の客数の平均値や最大値を、その対象期間の見込客数としてもよい。また、稼働計画部212は、天候や気温等の他の要素が客数履歴データD1に記録されている場合には、それらの要素を加味して見込客数を推測してもよい。
また、稼働計画部212は、見込客数を推測すると、見込客数を処理することが可能なレジ端末10の稼働計画を、レジ管理テーブルT2及び能力管理テーブルT3に格納されたデータに基づいて導出する。具体的には、稼働計画部212は、レジ端末10のレジ形態(種類)毎の台数と、当該レジ端末10のレジ形態毎の処理能力とを乗算することで、対象期間で処理可能な客数を算出する。次いで、稼働計画部212は、その乗算結果が見込客数以上となるレジ端末10のレジ形態(種類)とその台数を稼働計画として導出する。そして、稼働計画部212は、稼働計画に基づき、稼働対象とするレジ端末10のレジナンバー及びレジ形態を特定する。なお、処理能力を表す単位時間が、対象期間の時間間隔と相違する場合には、稼働計画部212は、対象期間の時間間隔に合わせて処理能力の正規化を行うものとする。
出力制御部213は、レジ端末10の稼働等を指示した指示情報の出力を制御する機能部である。例えば、出力制御部213は、第2通信I/F24と協働することで、稼働対象のレジ端末10を指示する指示情報(稼働指示情報)を、店員端末30の各々に送信する。なお、稼働指示情報には、稼働計画部212により稼働対象とされたレジ端末10のレジナンバーやレジ形態が指示されているものとする。
また、出力制御部213は、第1通信I/F23と協働することで、稼働計画部212で稼働対象とされたレジ端末10宛に、稼働を指示する稼働指示情報を送信する。なお、稼働指示情報の送信先は上記例に限らないものとする。例えば、出力制御部213は、応援依頼情報を送信したレジ端末10宛に、稼働対象のレジ端末10を指示する稼働指示情報を送信してもよい。
図1に戻り、店員端末30は、店舗の店員が所持するスマートフォンや腕時計型等の携帯端末である。店員端末30は、例えば図6に示すような構成を有している。ここで、図6は、店員端末30の構成例を示す図である。図6に示すように、店員端末30は、CPU、ROM、RAM等で構成されるコンピュータ構成の制御部31を備える。また、制御部31は、RTC等の計時機能を備える。
制御部31には、バス32を介して、通信I/F33と、入力部34と、表示部35と、報知部36と、記憶部37とが接続される。
通信I/F33は、ネットワークN2に接続するための、無線の通信I/Fである。入力部34は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスを有する。入力部34は、入力デバイスを介して操作者からの操作入力を受け付け、その操作内容に応じた信号を制御部31に通知する。
表示部35は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを有する。表示部35は、制御部31の制御に従い各種の情報を表示する。報知部36は、光や音、振動等によって報知を行う。記憶部37は、HDDやSSD等の記憶装置を有する。記憶部37は、制御部31(CPU)が実行する各種プログラムや設定情報等を記憶する。
また、店員端末30は、制御部31(CPU)と、ROMや記憶部37に記憶されたプログラムとの協働により実現される機能部を備える。具体的には、図6に示すように、制御部31(CPU)がプログラムを実行することで、報知制御部311及び表示制御部312等の機能部がRAM上に実現される。
報知制御部311は、当該店員端末30の状態が所定の条件を満たす場合に、報知部36を動作させることで報知を行う。例えば、報知制御部311は、管理サーバ20から指示情報を受信したことを条件に、報知部36を動作させる。なお、報知制御部311は、表示制御部312と協働することで、画面表示により報知を行ってもよい。
表示制御部312は、表示部35の画面表示を制御する。例えば、表示制御部312は、自装置の操作に係る操作画面等を表示部35に表示させる。
次に、上記したレジ端末10、管理サーバ20及び店員端末30の動作について説明する。まず、図7を参照して、稼働計画の導出に係る管理サーバ20の動作について説明する。図7は、管理サーバ20で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
まず、稼働計画部212は、応援依頼情報等のトリガを検知するまで待機する(ステップS11;No)。稼働計画部212は、トリガを検知すると(ステップS11;Yes)、客数履歴データD1に格納された過去の客数に基づいて、対象期間の見込客数を推定する(ステップS12)。次いで、稼働計画部212は、一人制の通常レジ10aで対象期間に間に処理可能な客数を、一人制処理数として算出する(ステップS13)。具体的には、稼働計画部212は、レジ管理テーブルT2に記録された通常レジ10aの台数と、能力管理テーブルT3に記録された一人制の処理能力とを乗算することで、一人制処理数を算出する。なお、一人制以外のレジ形態で稼働中のレジ端末10が存在する場合には、当該レジ端末10の台数や当該レジ端末10で処理可能な客数を除外して、一人制処理数を算出してもよい。
次いで、稼働計画部212は、見込客数と一人制処理数とを比較し、一人制処理数が見込客数以上か否かを判定する(ステップS14)。ここで、一人制処理数が見込客数以上の場合、全ての通常レジ10aを一人制で稼働させることで見込客数を処理可能なことを意味する。そこで、稼働計画部212は、一人制処理数が見込客数以上であることを条件に(ステップS14;Yes)、見込客数を処理することが可能な通常レジ10aの最小台数を一人制台数として算出する(ステップS15)。例えば、稼働計画部212は、見込客数を一人制の処理能力で除算し、その少数点以下の値を切り上げた値を一人制台数として算出する。なお、一人制台数の算出方法はこれに限らず、例えば、少数点以下を四捨五入した値を一人制台数としてもよい。
続いて、稼働計画部212は、各レジ端末10の状態に基づいて、稼働対象とする通常レジ10aのレジナンバーを特定し(ステップS16)、ステップS28に移行する。具体的には、稼働計画部212は、一人制台数から稼働状態にある通常レジ10aの台数を減算することで、新たに稼働させる通常レジ10aの台数を算出する。また、稼働計画部212は、非稼働状態にある通常レジ10aのレジナンバーから、新たに稼働させる通常レジ10aの台数分のレジナンバーを選定する。なお、レジナンバーの選定方法は特に問わないものとする。例えば、所定の優先度に基づいて選定してもよいし、ランダムに選定してもよい。
また、ステップS14において、一人制処理数が見込客数未満となる場合、全ての通常レジ10aを一人制で稼働させても見込客数を処理できないことを意味する。そこで、稼働計画部212は、一人制処理数が見込客数未満となることを条件に(ステップS14;No)、見込客数から一人制処理数を減算した残りの客数(以下、第1残り客数という)を算出する(ステップS17)。
続いて、稼働計画部212は、セミセルフレジ10bで対象期間に間に処理可能な客数をセミセルフ処理数として算出する(ステップS18)。より詳細には、稼働計画部212は、レジ管理テーブルT2に記録されたセミセルフレジ10bの台数と、能力管理テーブルT3に記録されたセミセルフの処理能力とを乗算することで、セミセルフ処理数を算出する。
次いで、稼働計画部212は、第1残り客数とセミセルフ処理数とを比較し、セミセルフ処理数が第1残り客数以上か否かを判定する(ステップS19)。ここで、セミセルフ処理数が第1残り客数以上の場合、全ての通常レジ10aを一人制で稼働させるとともに、全てのセミセルフレジ10bを稼働させることで見込客数を処理可能なことを意味する。そこで、稼働計画部212は、セミセルフ処理数が第1残り客数以上であることを条件に(ステップS19;Yes)、第1残り客数を処理することが可能なセミセルフレジ10bの最小台数をセミセルフ台数として算出する(ステップS20)。なお、セミセルフ台数の算出方法は、一人制台数の算出方法と同様であるとする。
続いて、稼働計画部212は、各セミセルフレジ10bの状態に基づいて、稼働対象とするセミセルフレジ10bのレジナンバーを特定する(ステップS21)。具体的には、稼働計画部212は、セミセルフ台数から稼働状態にあるセミセルフレジ10bの台数を減算することで、新たに稼働させるセミセルフレジ10bの台数を算出する。また、稼働計画部212は、非稼働状態にあるセミセルフレジ10bのレジナンバーから、新たに稼働させるセミセルフレジ10bの台数分のレジナンバーを選定する。
次いで、稼働計画部212は、現在の非稼働状態にある通常レジ10aのレジナンバーを、一人制での稼働対象として特定し(ステップS22)、ステップS28に移行する。
また、ステップS19において、セミセルフ処理数が第1残り客数未満の場合、全ての通常レジ10aを一人制で稼働させるとともに、全てのセミセルフレジ10bを稼働させても見込客数を処理できないことを意味する。そこで、稼働計画部212は、セミセルフ処理数が第1残り客数未満となることを条件に(ステップS19;No)、見込客数から一人制処理数及びセミセルフ処理数を減算した残りの人数を第2残り客数として算出する(ステップS23)。
続いて、稼働計画部212は、第2残り客数を処理することが可能な二人制の通常レジ10aの台数を二人制台数として算出する(ステップS24)。具体的には、稼働計画部212は、二人制の処理能力から一人制の処理能力を減算した値で第2残り客数を除算し、その少数点以下を切り上げた値を二人制台数として算出する。
次いで、稼働計画部212は、二人制台数と通常レジ10aの台数とを比較し、二人制台数が通常レジ10aの台数以下か否かを判定する(ステップS25)。ここで、二人制台数が通常レジ10aの台数以下である場合、全ての通常レジ10a及びセミセルフレジ10bを稼働させ、また二人制台数分の通常レジ10aを二人制で稼働させることで見込客数を処理可能なことを意味する。
そこで、稼働計画部212は、二人制台数が通常レジ10aの台数以下であることを条件に(ステップS25;Yes)、二人制で稼働させる二人制台数分の通常レジ10aを特定(選定)する(ステップS26)。ここで、通常レジ10aの選定方法は特に問わないものとする。例えば、稼働計画部212は、稼働状態にある通常レジ10a又は非稼働状態にある通常レジ10aから優先的に選定してもよい。なお、二人制として選定された通常レジ10a以外の残りの通常レジ10aは、一人制で稼働させることになる。
続いて、稼働計画部212は、現在の非稼働状態にあるセミセルフレジ10bのレジナンバーを、稼働対象として特定し(ステップS27)、ステップS28に移行する。
続くステップS28において、出力制御部213は、稼働対象として特定されたレジナンバーを指示する稼働指示情報を、店員端末30の各々に送信する(ステップS28)。ここで、レジナンバーの個数が稼働対象のレジ端末10の台数を意味する。また、セミセルフレジ10bのレジナンバーは、セミセルフのレジ形態をも意味する。また、出力制御部213は、稼働対象が通常レジ10aのレジナンバーの場合には、稼働させるレジ形態(一人制又は二人制)を対応付けて指示する。
次いで、出力制御部213は、稼働対象として特定されたレジナンバーのレジ端末10宛に、稼働を指示する稼働指示情報を送信し(ステップS29)、本処理を終了する。
また、ステップS25において、二人制台数が通常レジ10aの台数を上回る場合、現在のレジ端末10の構成では見込客数を処理できない可能性があることを意味する。そこで、出力制御部213は、二人制台数が通常レジ10aの台数を上回ることを条件に(ステップS25;No)、処理できない可能性があることを警告する指示情報(警告情報)を稼働状態のレジ端末10及び店員端末30の各々に送信し(ステップS30)、本処理を終了する。
なお、上記処理では、出力制御部213は、二人制台数が通常レジ10aの台数を上回る場合、店員端末30宛に警告情報を送信する構成としたが、送信先はこれに限らないものとする。例えば、店員端末30は、稼働状態にあるレジ端末10の各々に警告情報を送信してもよい。また、出力制御部213は、応援依頼情報を送信した店員端末30宛に警告情報を送信してもよい。また、出力制御部213は、警告情報に、全ての通常レジ10aを二人制で稼働させるとともに、全てのセミセルフレジ10bを稼働させることを指示する情報を含めてもよい。
このように、管理サーバ20では、レジ端末10の各レジ形態と処理能力とに基づき、見込客数を処理することが可能なレジ形態とその台数とを稼働計画として導出する。これにより、管理サーバ20は、店舗内で実現可能なレジ形態の範囲で、稼働の対象とするレジ端末10とそのレジ形態を特定することができるため、より適切なレジ端末10の稼働計画を導出することができる。また、管理サーバ20は、稼働指示情報の送信により、レジ端末10や店員端末30にレジ端末10の稼働を指示することができる。
次に、図8を参照して、レジ端末10と、管理サーバ20と店員端末30との連携動作について説明する。図8は、レジ端末10、管理サーバ20及び店員端末30で行われる連携処理の一例を示すシーケンス図である。
まず、管理サーバ20の出力制御部213は、店員端末30の全てと、稼働対象のレジ端末10宛に稼働指示情報を送信する(ステップS41、S42)。ここで、ステップS41、S42は、図7で説明したステップS28、S29の処理に対応する。
稼働指示情報を受信した店員端末30では、報知制御部311が報知部36を動作させることで稼働指示情報の受信を報知する(ステップS43)。次いで、表示制御部312は、稼働指示情報に基づき、稼働対象とされたレジ端末10を指示する画面を表示部35に表示させる(ステップS44)。例えば、表示制御部312は、稼働対象のレジ端末10のレジナンバーとレジ形態とを表した画面(図示せず)を表示部35に表示させる。これにより、店員端末30を所持する店員は、表示部35に表示された稼働指示情報により、稼働対象のレジ端末10とそのレジ形態を確認することができる。
一方、稼働指示情報を受信したレジ端末10では、報知制御部115が報知部36を動作させることで当該レジ端末10が稼働対象となったことを報知する(ステップS45)。これにより、店員は、どのレジ端末10が稼働対象かを容易に把握することができるため、レジ端末10を稼働させる際の利便性の向上させることができる。
なお、管理サーバ20から警告情報が送信された場合、レジ端末10や店員端末30では、その内容を示す警告画面を表示部35に表示させることで店員に注意を促す。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記した稼働計画の導出に係る処理において、店員の人数を加味して稼働対象のレジ端末10を特定してもよい。具体的には、稼働計画部212は、店舗内に存在する店員の人数から、稼働させることが可能なレジ端末10の種類毎の台数を算出する。そして、稼働計画部212は、算出したレジ端末10の種類毎の台数に基づいて、図7で説明した処理を実行することで、稼働対象のレジ端末10を特定する。
また、上記した稼働計画の導出に係る処理では、店舗内に配置されたレジ端末10の全てを用いて稼働計画を導出する例を説明したが、一部のレジ端末10を除外して稼働計画を導出してもよい。例えば、所定台数の通常レジ10aについては、常時一人制で稼働させるよう定められている場合、稼働計画部212は、この台数分の通常レジ10aを除いた残りの台数を用いて稼働計画を導出する。また、稼働計画部212は、常時一人制で稼働させる通常レジ10a分の処理数(処理能力×処理台数)を見込客数から減算した残りの見込客数を用いて稼働計画を導出する。
また、上記実施形態では、稼働計画部212は、一人制、セミセルフ、二人制の優先順位で、稼働対象のレジ端末10を特定したが、その優先順位はこれに限らないものとする。例えば、稼働計画部212は、セミセルフ、一人制、二人制の優先順位で稼働対象のレジ端末10を特定してもよい。