JP2017124730A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤのゴム部材の低ロス化を図った場合でも、他性能や製造工程に悪影響を及ぼすことなく、電気抵抗を低下させることができる空気入りタイヤを提供する。【解決手段】カーカス1のクラウン部タイヤ半径方向外側に配置されたベルト層2と、そのタイヤ半径方向外側に配置され、ベルト層のタイヤ幅方向全体を覆うキャップ層8と、を備える空気入りタイヤである。ベルト層のタイヤ半径方向外側に、クッションゴム13C、および、踏面部を形成するトレッドゴム13Gが順次配設されており、少なくともビード部11からクッションゴムまたはベルトアンダークッションに接する位置まで、カーカスの、タイヤ外側および内側のうちの少なくとも一方の表面に露出するように、導電性繊維と非導電性繊維とを含む複合繊維が配設され、キャップ層のコーティングゴムのうちの少なくとも一部に、抵抗値1×109Ω/cm以下の導電性ゴム9が配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は空気入りタイヤに関し、詳しくは、導電性を改良した空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関する。
近年、タイヤの低燃費性への要求の高まりに伴い、タイヤのゴム部材について、トレッドゴムのみならずサイドゴム等のケース部材についても、低ロス化による転がり抵抗の低下が進んできている。しかし、タイヤ用ゴムの低ロス化のために、カーボンブラックに代えてシリカを高部数で配合したり、カーボンブラックを大粒径化して配合量を低部数とすると、ゴムの電気抵抗値が上昇してしまう。よって、タイヤに使用するゴム組成物全体の低ロス化を進めると、タイヤの電気抵抗が上昇して、ラジオノイズや、車両のドアを開閉する際の静電気発生等につながるため、タイヤの電気抵抗を低下させる技術が必要となる。
タイヤの電気抵抗を下げるためには、一部の部材を高ロス部材にすることが考えられるが、その場合、転がり抵抗が悪化してしまうため、ゴムの低ロス化と電気抵抗とのバランスの改善が望まれている。これに対し、従来、導電性繊維を配置することによりタイヤの電気抵抗を下げる試みが種々なされてきている。例えば、特許文献1には、車体に発生する静電気を円滑に路面にアースできる導電タイヤとして、カーカスプライのうちブレーカに最も近い側のカーカスプライのカーカスコードとブレーカコードとを、それぞれ少なくとも1本の金属フィラメントと多数本の有機繊維フィラメントとの集合体で形成した導電タイヤが開示されている。
また、特許文献2には、トレッド部が、リム組み時にリムと導通する導電性のトレッド導電層と、その半径方向外側に配され外周面がトレッド接地面をなすトレッドゴムとを具え、トレッドゴムが、トレッド中央領域に配されトレッド導電層からトレッドゴムを貫通してトレッド接地面まで立ち上がるとともにタイヤ周方向に連続してのびる環状の導電端子部と、そのタイヤ軸方向両外側に配されるトレッドゴム本体とを具え、導電端子部が、導電性ゴムからなる端子用ストリップを、トレッド導電層からトレッド接地面まで半径方向外側に向かって連続して巻き重ねられることにより形成された空気入りタイヤが開示されている。
特開平3−169711号公報(特許請求の範囲等) 特開2013−144527号公報(特許請求の範囲等)
上述のように、従来、タイヤの電気抵抗を低下させる試みは多数なされているが、十分なものではなかった。例えば、ブリーダーコードに導電コードを用いて導電性パスを確保することも考えられるが、ケース部材の全てを低ロス配合にした場合、ブリーダーコードに導電コードを用いても、トレッド部においてベルト層やキャップレイヤー層内を電気が通ることができないために、導電パスが切断されてしまい、タイヤとしての電気抵抗は下がらない。また、各種導電性材料をサイドウォール部などの外皮部材に混入させることで電気抵抗は下げられるが、タイヤ耐久性を悪化させてしまう。
また、例えば、上記特許文献1におけるように、カーカスコードに金属繊維を用いた場合、耐久性の低下や、伸びのない繊維を適用したことによる生産性の著しい悪化などの問題が生ずる。よって、タイヤに求められる各種性能や製造工程を大きく変えることなく、タイヤの電気抵抗を低下できる技術の確立が求められていた。さらに、特許文献2では、トレッド補強コード層の全体が導電性ゴムにより形成されているため、より低ロス化を図る点で十分でない。
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、タイヤのゴム部材の低ロス化を図った場合でも、他性能や製造工程に悪影響を及ぼすことなく、電気抵抗を低下させることができる空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、タイヤ内部に、導電性繊維と非導電性繊維とを含む複合繊維を配設することで、タイヤの導電性を改善できることを見出した。また、本発明者は、タイヤ内部における導電パスを確保するためには、この複合繊維を、カーカスプライの少なくとも一方の表面に露出させるとともに、キャップ層のコーティングゴムのうちの一部に導電性ゴムを配置することが重要となることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを骨格とし、該カーカスのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置された少なくとも一枚のベルト層と、該ベルト層のタイヤ半径方向外側に配置され、該ベルト層のタイヤ幅方向全体を覆う少なくとも一枚のキャップ層と、を備える空気入りタイヤにおいて、
前記ベルト層のタイヤ半径方向外側に、クッションゴム、および、踏面部を形成するトレッドゴムが順次配設されており、少なくとも前記ビード部から該クッションゴムまたは前記ベルト層のタイヤ幅方向外端部に配設されたベルトアンダークッションに接する位置まで、前記カーカスの、タイヤ外側および内側のうちの少なくとも一方の表面に露出するように、導電性繊維と非導電性繊維とを含む複合繊維が配設されるとともに、前記キャップ層のコーティングゴムのうちの少なくとも一部に、抵抗値1×10Ω/cm以下の導電性ゴムが配置されていることを特徴とするものである。
本発明においては、前記導電性ゴムが、タイヤ周方向の少なくとも一部において、タイヤ幅方向に、タイヤ赤道線からトレッド半幅TE/2の0〜85%の領域内に配置されていることが好ましい。また、好適には、前記複合繊維が、前記カーカスの、タイヤ外側および内側の両表面に露出するように配設されているものとする。さらに、本発明においては、前記複合繊維の、タイヤ外側に露出した部分と、タイヤ内側に露出した部分とが、少なくとも1箇所以上で導通していることが好ましい。
さらにまた、本発明においては、前記非導電性繊維が有機物であって、前記複合繊維が該非導電性繊維を50質量%以上含有することが好ましい。また、本発明において、前記複合繊維は、前記カーカスに縫い込まれていることが好ましく、この場合、前記複合繊維の縫込みピッチは、好適には2〜40mmである。さらに、本発明において、前記複合繊維は、前記カーカスに対し巻き付けられていることも好ましく、具体的には、前記複合繊維が、前記カーカスに対し、前記クッションゴムまたは前記ベルトアンダークッションのタイヤ幅方向の一方側の端部に接する位置から、前記ビード部を経由して、該カーカスのタイヤ内側を通り、該クッションゴムまたは該ベルトアンダークッションのタイヤ幅方向の他方側の端部まで巻き付けられていることが好ましい。また、前記ビード部のタイヤ幅方向外表面にゴムチェーファーが配設されており、前記カーカスが、前記一対のビード部に延在する本体部と、該一対のビード部にそれぞれ埋設されたビードコアの周りに内側から外側に折り返され巻き上げられた折返し部とからなり、前記複合繊維が、該カーカスに対し、一方側の該折返し部のタイヤ幅方向外側であって前記ゴムチェーファーと接する位置から、該折返し部のタイヤ幅方向内側および該本体部のタイヤ幅方向外側を経由して、該カーカスのタイヤ外側を通り、他方側の該折返し部のタイヤ幅方向外側であって前記ゴムチェーファーと接する位置まで巻き付けられていることも好ましい。前記複合繊維は、前記カーカスに対し螺旋状に巻き付けられているものとすることもできる。この場合、前記複合繊維の巻付けピッチは、好適には1〜12回/mである。さらにまた、本発明においては、前記複合繊維が、タイヤ周方向において打込み数0.04本/5cm以上で配置されていることが好ましい。
さらにまた、本発明のタイヤにおいては、少なくとも前記ビード部から前記クッションゴムまたは前記ベルトアンダークッションに接する位置まで、ブリーダーコードが配設されてなり、かつ、前記複合繊維が、該ブリーダーコードのうち3〜100%に代えて配設されているものとすることができる。
さらにまた、本発明において、前記複合繊維の繊度は、好適には20〜1000dtexである。さらにまた、前記複合繊維は、タイヤ周方向に対し30〜150°をなす角度で配設されていることが好ましく、より好ましくは、タイヤ周方向に対し50〜130°をなす角度で配設されているものとする。より好ましくは、タイヤ周方向に対し80〜100°をなす角度で配設されているものとする。
さらにまた、本発明においては、前記導電性繊維が、金属含有繊維、カーボン含有繊維および金属酸化物含有繊維のうちのいずれか1種以上を含むことが好ましく、前記非導電性繊維が、綿、ナイロン、ポリエステルおよびポリプロピレンのうちのいずれか1種以上を含むことも好ましい。さらにまた、本発明において、前記複合繊維の破断伸びEbは、好適には5%以上であり、前記複合繊維の抵抗値は、好適には1.0×10Ω/cm以下のものが好ましく、より好ましくは1.0×10Ω/cm以下のものである。さらにまた、本発明においては、前記キャップ層のコーティングゴムが、窒素吸着比表面積が30〜43m/gであるカーボンブラックを含むことが好ましく、トレッド踏面部から前記クッションゴムのタイヤ半径方向外側面までにわたり、導電性ゴム部が設けられていることも好ましい。
本発明によれば、タイヤのゴム部材の低ロス化を図った場合でも、他性能や製造工程に悪影響を及ぼすことなく、電気抵抗を低下できる空気入りタイヤを実現することが可能となった。
本発明の空気入りタイヤの一例を示す幅方向片側断面図である。 成形前のキャップトリートに対する導電性ゴムの配置状態の具体例を示す説明図である。 成形前のカーカストリートに対する複合繊維の配置状態の具体例を示す説明図である。 本発明の空気入りタイヤの他の例を示す幅方向片側断面図である。 本発明の空気入りタイヤのさらに他の例を示す幅方向片側断面図である。 タイヤの電気抵抗値の測定方法に係る説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明の空気入りタイヤの一例を示す幅方向片側断面図を示す。図示する空気入りタイヤは、一対のビード部11と、一対のビード部11からそれぞれタイヤ半径方向外側に連なる一対のサイドウォール部12と、一対のサイドウォール部12間に跨って延びて接地部を形成するトレッド部13とからなる。また、図示するタイヤは、一対のビード部11間に跨ってトロイド状に延在する少なくとも1枚、例えば1〜3枚、図示する例では1枚のカーカスプライからなるカーカス1を骨格とし、そのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚、例えば2〜4枚、図示する例では2枚のベルト層2と、そのタイヤ半径方向外側に配置され、ベルト層2のタイヤ幅方向全体を覆う少なくとも1枚、例えば1〜2枚、図示する例では1枚のキャップ層8と、を備えている。さらに、ベルト層2のタイヤ半径方向外側には、クッションゴム13C、および、踏面部を形成するトレッドゴム13Gが、順次配設されている。さらにまた、ビード部11のタイヤ幅方向外表面には、ゴムチェーファー4を配設することができる。
本発明においては、少なくともビード部11からクッションゴム13Cまたはベルト層のタイヤ幅方向外端部に配設されたベルトアンダークッションに接する位置まで、導電性繊維と非導電性繊維とを含む複合繊維3が配設されている点が重要である。この複合繊維3は、カーカス1の、タイヤ外側および内側のうちの少なくとも一方の表面に露出するように配設されている。このように複合繊維3を配設したことで、タイヤ内部における導電パスを確保することができ、タイヤの電気抵抗を低下させることができる。
また、本発明においては、キャップ層8のコーティングゴムのうちの少なくとも一部に、導電性ゴム9が配置されている。すなわち、本発明においては、キャップ層8のコーティングゴムを非導電性ゴムとすることで、タイヤの低ロス化を図るとともに、その一部に導電性ゴム9を配置したことで、複合繊維3および導電性ゴム9により、カーカス1のタイヤ外側表面に露出する部分でタイヤ踏面部との導通を確保することができる。ここで、導電性ゴム9は、抵抗値1×10Ω/cm以下とすることが必要であり、好適には、1×10〜1×10Ω/cmとする。導電性ゴム9の抵抗値が高すぎると、良好な導通が得られない。なお、本発明において、キャップ層8が2枚以上である場合には、2枚以上のキャップ層8のそれぞれに、層間の少なくとも一部において重なり合う導電性ゴム9を設けることが必要である。
導電性ゴム9は、キャップ層8のコーティングゴムのうちの少なくとも一部に配置すれば、複合繊維3と、後述する導電性ゴム部5との間で、導電性パスを形成することができる。但し、低ロス化の観点からは、キャップ層8のコーティングゴムのうちの、できるだけ狭い領域に配置することが好ましい。例えば、少なくともタイヤ幅方向において6〜12mmで、かつ、少なくともタイヤ周方向において半周〜全周で、配置することが好ましい。また、タイヤ幅方向において6〜12mmで、タイヤ周方向において連続するストリップ状で設けることも好ましい。
図2は、成形前のキャップトリート22に対する導電性ゴム9の配置形態の具体例を示す説明図である。導電性ゴム9は、具体的には例えば、図1および図2(a)に示すように、キャップ層8のコーティングゴムのうちの、タイヤ幅方向の少なくとも一部、図示する例ではタイヤ赤道線上に、タイヤ周方向の全体にわたり、配置することができる。また、導電性ゴム9は、図2(b)に示すように、キャップ層8のコーティングゴムのうちの、タイヤ周方向の少なくとも一部に、タイヤ幅方向の全体にわたり、配置することもできる。さらに、導電性ゴム9は、図2(c)に示すように、キャップ層8のコーティングゴムのうちの、タイヤ周方向の全体にわたり、タイヤ幅方向に傾斜させて配置することもできる。さらにまた、導電性ゴム9は、図2(a)の変形例として、図2(d)に示すように、キャップ層8のコーティングゴムのうち、タイヤ幅方向の少なくとも一部であって、タイヤ周方向の一部において配置することもでき、図2(b)の変形例として、図2(e)に示すように、キャップ層8のコーティングゴムのうち、タイヤ周方向の少なくとも一部であって、タイヤ幅方向の一部において配置することもできる。
本発明において、導電性ゴム9は、図示するように、タイヤ周方向の少なくとも一部において、タイヤ幅方向に、タイヤ赤道線CLからトレッド半幅TE/2の0〜85%、特には0〜50%の領域内に配置されていることが好ましい。後述するタイヤ踏面部に配設される導電性ゴム部5は、通常、タイヤ赤道線近傍に位置するので、導電性ゴム9についてもタイヤ赤道線の近傍に配置することで、導電パスを短くすることができ、好ましい。なお、トレッド半幅とは、空気入りタイヤを適用リムに装着し、所定空気圧とし、無負荷状態としたときのトレッド模様部分の両端間の直線距離の1/2を意味する。また、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation)STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定されたリムを意味し、「所定空気圧」とは、適用サイズのタイヤにおけるJATMA等の規格のタイヤ最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)を意味する。
このように一部に導電性ゴム9を配置したキャップトリート22は、トリート作製時のカレンダー工程の際に、2種のゴムを用いることで、製造することができ、また、非導電性ゴムを用いたゴム引きコードのストリップ材と、導電性ゴムを用いたゴム引きコードのストリップ材とを準備して、2種のストリップ材を用いてトリートを作製することによっても、製造することができる。さらに、常法に従い製造されたキャップトリート22の上からテープ状の導電性ゴムを貼り付け、圧着することで、非導電性ゴムからなるキャップトリート22が導電性ゴム9により侵食されることによっても、製造することができる。
本発明においては、複合繊維3が、カーカス1の、タイヤ外側および内側の両表面に露出するように配設されていることが好ましい。これにより、カーカス1のタイヤ外側表面に露出する部分でタイヤ踏面部との導通を確保するとともに、カーカス1のタイヤ内側表面に露出する部分で、折返し部1Bにおいて、導電性ゴムからなるゴムチェーファー4を介してリム20との導通を確保することができ、結果として、タイヤ内部における導電パスを確保することができるものとなる。
また、本発明において、キャップ層8のコーティングゴムには、窒素吸着比表面積が30〜43m/g、特には33〜38m/gであるカーボンブラックを含有させることが好ましい。これにより、より確実に導電パスを確保することができる。このようなカーボンブラックとしては、例えば、N660等を挙げることができる。
また、本発明において、複合繊維3は導電性繊維とともに非導電性繊維を含むので、従来の金属繊維やカーボンファイバーとは異なり、ある程度の伸びを確保することができることから、タイヤ製造工程における応力負荷時や車両走行時における歪入力時にも破断することがない。また、本発明において、複合繊維3はカーカスプライ等の骨格部材に代えて配置するものではないため、タイヤ耐久性を損なう等の問題も生じない。よって、本発明によれば、他性能や製造工程に悪影響を及ぼすことなく電気抵抗を低下させることができるので、タイヤゴム部材を低ロス化することにより低燃費化を図っても、電気抵抗の上昇による不具合を生じない空気入りタイヤを実現することができる。
本発明に用いる複合繊維3は、導電性繊維と非導電性繊維とを含むものであればよい。具体的には例えば、導電性繊維としては、金属含有繊維、カーボン含有繊維、および、金属酸化物含有繊維などを挙げることができ、これらのうちのいずれか1種以上を用いることができる。ここで、本発明において金属含有繊維とは、金属含有量が5〜100質量%である繊維をいい、金属および金属酸化物としては、例えば、ステンレス、スチール、アルミ、銅およびこれらの酸化物等が挙げられる。また、非導電性繊維としては、綿、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、および、ポリプロピレンなどの有機物を挙げることができ、これらのうちのいずれか1種以上を用いることができる。これらの導電性繊維と非導電性繊維とからなる複合繊維は、良好な伸びを有し、密着性にも優れることから、好ましい。
本発明に用いる複合繊維3における導電性繊維と非導電性繊維との比率としては、特に制限されないが、好適には、非導電性繊維を50質量%以上、例えば、80〜98質量%含有するものとする。非導電性繊維を上記比率で含むことで、複合繊維3の伸びを良好に確保することができ、好ましい。
本発明における複合繊維3としては、具体的には例えば、べカルトジャパン(株)製のベキノックス(Bekinox、登録商標)や、クラレトレーディング(株)製のクラカーボ(登録商標)KC−500R、KC−793R等を用いることができる。また、カーボンディップコードも好適に用いることができる。
また、複合繊維3の繊度としては、エア抜き性と導電性、耐久性を両立させる観点から、20〜1000dtexとすることが好ましく、より好ましくは150〜600dtexとする。
複合繊維3としては、破断伸びEbが、5%以上であれば製造時における破断を抑制することができるため好ましく、6%以上であれば、タイヤ使用時の異常入力時にも破断しにくいため、より好ましい。破断伸びEbは、例えば、5〜15%とすることができる。ここで、複合繊維3の破断伸びEbは、23℃において、JIS K 6251:2010に規定の「切断時伸び」の測定方法に準拠して測定することができる。
また、複合繊維3の抵抗値は、好適には1.0×10Ω/cm以下であり、より好適には1.0×10Ω/cm以下、さらに好適には10〜1.0×10Ω/cmである。導電パスを確実に確保する観点から、複合繊維3の抵抗値は上記範囲であることが好ましい。
本発明において複合繊維3は、少なくともビード部11からクッションゴム13Cまたはベルトアンダークッションに接する位置まで配設することが必要であり、好ましくは、図示するように、ビード部11からトレッド部13までにわたって配設する。クッションゴム13Cおよびベルトアンダークッションには、通常、導電性ゴムを使用するため、少なくともビード部11からクッションゴム13Cまたはベルトアンダークッションに接する位置まで複合繊維3を配設すれば、導電パスを確保することができるが、クッションゴム13Cからトレッド踏面部までの導電パスは、通常タイヤ赤道線CLの近傍に設けられる、導電性ゴム部5により確保するため、導電パスを短くする観点からは、複合繊維3をビード部11からトレッド部13までにわたって配設することが好ましい。ここで、本発明においてクッションゴム13Cは、少なくともタイヤ赤道線CL上において、トレッドゴム13Gとベルト層2のコーティングゴム(キャップ層を設ける場合はキャップ層のコーティングゴム)との間に配置されるゴム部材であり、通常、タイヤショルダー部付近まで延在しており、トレッドゴム13G、および、配設形態によってはサイドウォールゴムにも覆われるため、タイヤ外表面には露出しないゴム部材である。また、ベルトアンダークッションとは、ベルト層2のタイヤ幅方向外端部に配設された導電ゴム部材である。
ここで、導電性ゴム部5は、図示するように、トレッド踏面部からクッションゴム13Cのタイヤ半径方向外側面までにわたり、タイヤ周方向の全周に設けることができる。すなわち、導電性ゴム部5は、トレッド踏面部から、トレッドゴム13Gを貫通するように設ける。
また、本発明において、複合繊維3は、カーカス1の、タイヤ外側および内側のうちの少なくとも一方の表面に露出するように配設することが必要であり、好適には、タイヤ外側および内側の両表面に露出するように配設する。図3は、成形前のカーカストリート21に対する複合繊維3の配置状態の具体例を示す説明図である。複合繊維3は、具体的には例えば、図1および図3(a)に示すように、カーカス1に対し、いわゆるなみ縫いの形態で、縫い込まれているものとすることができる。縫い込む形態については、カーカス1の両表面のうちの少なくとも一方に複合繊維が露出するものであれば、特に制限はない。この場合、複合繊維3は、その延在方向に沿って、カーカス1を貫通して、カーカス1の外側および内側の両表面に配設される。これにより、カーカスの折返し部1Bにおいて、タイヤや部材のサイズにかかわらず、ゴムチェーファー4側に複合繊維3が確実に露出するものとなり、導電パスを確実に確保することができる。
この場合、複合繊維3の縫込みピッチは、複合繊維3の延在方向に沿って、通常2〜40mm、特には5〜25mmとすることができる。導電パスをより確実に確保する観点から、この範囲が好ましい。
また、複合繊維3は、図3(b)に示すように、カーカス1に対し巻き付けられているものとすることもできる。すなわち、この場合、成形前のカーカストリート21に対し複合繊維3を、その幅方向に沿って、つまり、カーカスプライコードと同じ方向に少なくとも一周分巻き付けて、その外周に配置する。これによっても、カーカスの折返し部1Bにおいて、タイヤや部材のサイズにかかわらず、ゴムチェーファー4側に複合繊維3が確実に露出するものとなり、導電パスを確実に確保することができる。
さらに、複合繊維3は、図3(c)に示すように、カーカス1に対し螺旋状に巻き付けられているものとすることもできる。この場合は、成形前のカーカストリート21に対し複合繊維3を、その幅方向に対し傾斜させて、つまり、カーカスプライコードに対して傾斜する方向に巻き付けてその外周に配置するが、螺旋状に連続して巻き付けることができるので、図3(b)の形態よりも製造効率が良くなるメリットがある。これによっても、カーカスの折返し部1Bにおいて、タイヤや部材のサイズにかかわらず、ゴムチェーファー4側に複合繊維3が確実に露出するものとなり、導電パスを確実に確保することができる。
なお、複合繊維3は、図3(d)に示すように、成形前のカーカストリート21に対し複合繊維3を、その幅方向に沿って、つまり、カーカスプライコードと同じ方向に、ビード部11からクッションゴム13Cまたはベルトアンダークッションに接する位置までの範囲に位置するように、幅方向両端部について巻き付けて、その外周に配置するものとしてもよい。すなわちこの場合、タイヤ赤道線CL近傍には複合繊維3は配設されない。これによっても、カーカスの折返し部1Bにおいて、タイヤや部材のサイズにかかわらず、ゴムチェーファー4側に複合繊維3が確実に露出するものとなり、導電パスを確実に確保することができる。
さらにまた、複合繊維3は、図3(b)の変形例として、図3(e)に示すようにカーカスに対し巻き付けられているものとすることもできる。図4,5に、図3(e)に対応する、本発明の空気入りタイヤの他の例を示す幅方向片側断面図を示す。この場合、成形前のカーカストリート21に対し複合繊維3を、その幅方向に沿って、つまり、カーカスプライコードと同じ方向に、部分的に巻き付けている。図4に示す例では、複合繊維3が、カーカス1に対し、クッションゴム13Cまたはベルトアンダークッションのタイヤ幅方向の一方側の端部に接する位置から、ビード部11を経由して、カーカス1のタイヤ内側を通り、クッションゴム13Cまたはベルトアンダークッションのタイヤ幅方向の他方側の端部まで巻き付けられている。また、図5に示す例では、カーカス1を、一対のビード部11に延在する本体部1Aと、一対のビード部11にそれぞれ埋設されたビードコア6の周りにタイヤ内側から外側に折り返され巻き上げられた折返し部1Bとからなるものとしたとき、複合繊維3が、カーカス1に対し、一方側の折返し部1Bのタイヤ幅方向外側であってゴムチェーファー4と接する位置から、折返し部1Bのタイヤ幅方向内側および本体部1Aのタイヤ幅方向外側を経由して、カーカス1のタイヤ外側を通り、他方側の折返し部1Bのタイヤ幅方向外側であってゴムチェーファー4と接する位置まで、巻き付けられている。これによっても、カーカス1の折返し部1Bにおいて、タイヤや部材のサイズにかかわらず、ゴムチェーファー4側に複合繊維3が確実に露出するものとなり、導電パスを確実に確保することができる。
さらにまた、複合繊維3は、図3(a)の変形例として、図3(f)に示すように、カーカス1に対し、ミシン機構により、上糸3aと下糸3bとで編込むように縫い込まれているものとすることもできる。この場合も、複合繊維3は、その延在方向に沿って、カーカス1を貫通して、カーカス1の外側および内側の両表面に配設される。これにより、カーカスの折返し部1Bにおいて、タイヤや部材のサイズにかかわらず、ゴムチェーファー4側に複合繊維3が確実に露出するものとなり、導電パスを確実に確保することができる。
本発明においては、製造のしやすさの観点から、上記のうちでも、図3(a),(c)、(e)に示す配置形態が好ましい。特に、図3(a)、(e)がより好ましい。
この場合、複合繊維3の巻付けピッチは、カーカストリート21の長手方向、すなわち、カーカスプライコードの延在方向に対し直交する方向に沿って、通常1〜12回/m、特には2〜5回/mとすることができる。導電パスをより確実に確保する観点から、この範囲が好ましい。
本発明において、複合繊維3は、カーカス1の、タイヤ外側および内側のうちの少なくとも一方の表面に露出するように配設されているものであればよく、両表面に露出している場合には、複合繊維3の、タイヤ外側に露出した部分と、タイヤ内側に露出した部分とが、少なくとも1箇所以上で導通していることが好ましい。これにより、導電パスを確保することができる。ここで、導通しているとは、複合繊維3の、タイヤ外側に露出した部分と、タイヤ内側に露出した部分とが、物理的に接続されていなくても、電気的に接続されていればよいことを意味する。
また、複合繊維3の打込み数としては、複合繊維3の抵抗値にもよるが、導電パスをタイヤ周方向にわたり確実に確保する観点から、タイヤ周方向において、0.04本/5cm以上で配置されていることが好ましく、より好ましくは0.1本/5cm以上であり、例えば、0.1〜0.2本/5cmとすることができる。
さらに、複合繊維3の配設角度としては、タイヤ周方向に対し30〜150°をなす角度で配設されていることが好ましく、より好ましくは50〜130°、さらに好ましくは80〜100°をなす角度である。複合繊維3の延在方向がタイヤ周方向に近づきすぎると、導電パスが長くなるため好ましくない。なお、複合繊維3は、図3に示すように直線的に配設する場合に限られず、例えば、ジグザグ状または波状に配設してもよいが、この場合も、複合繊維3が全体として延在する方向を、複合繊維3の延在方向とする。
本発明において、複合繊維3は、従来より加硫時におけるカーカスプライのエア抜き目的で配置されているブリーダーコードに置換して設けることができる。ブリーダーコードは、通常、少なくともビード部11からクッションゴム13Cまたはベルトアンダークッションに接する位置まで配設されるため、このブリーダーコードのうちの一部または全部を複合繊維3に置換することで、新たな部材の追加なしで、複合繊維3の配置による効果を得ることができる。もちろん、ブリーダーコードはそのままで、複合繊維3を追加して配置するものであっても、本発明の所期の効果を得ることができる。
複合繊維3を、従来のブリーダーコードに代えて配置する場合、複合繊維3は、ブリーダーコードのうち3〜100%、好適には20〜50%に代えて配設することができる。この程度の本数を複合繊維3に置き換えれば、本発明の所期の効果を確実に得ることができる。
本発明に用いる複合繊維3は、紡績糸およびフィラメント糸のいずれであってもよいが、好適には、短繊維を紡績してなる紡績糸(混紡糸)とする。複合繊維3とゴムとの接着性を確保するためには、複合繊維3に対し、有機繊維とゴムとの間の接着を確保するための接着剤によるディップ処理を施すことが必要となるが、ディップ処理により複合繊維3に接着剤の表面被覆を設けると、複合繊維3を介してのエア抜き性が悪化する。そのため、複合繊維3をブリーダーコードに代えて配置する際には、ディップ処理を一部分のみ施すことが好ましく、ディップ処理を施さないことがより好ましい。しかし、接着剤の表面被覆がない場合、複合繊維3と未加硫ゴムとの密着力が小さくなって、製造時に抜け落ちてしまうことがある。この場合、紡績糸(混紡糸)を用いることで、短繊維のアンカー効果により、ディップ処理なしでもゴムとの密着性が確保でき、エア抜き性も維持される点で好ましい。なお、フィラメント糸を用いる場合には、エア抜き性を保持するために撚りを加えることが好ましく、この場合の撚り数は、好適には10回/10cm以上、例えば、30〜60回/10cmとすることができる。
一方、ブリーダーコードのうちの一部を複合繊維3に置き換えるような場合には、例えば綿糸からなる残りのブリーダーコードにより、エア抜き性を確保することができるので、複合繊維3がディップ処理されていても、ゴムとの密着性とエア抜き性とを両立することができる。よって、本発明においては、複合繊維3は、ディップ処理されていてもよいが、ブリーダーコードをすべて複合繊維3に置き換えるなど、設計の自由度を確保する観点からは、ディップ処理されていないことが好ましい。
本発明においては、上記複合繊維3を配設した点のみが重要であり、これにより、本発明の所期の効果を得ることができるものであって、タイヤ構造の他の部分については、上方に従い適宜構成することができ、特に制限されるものではない。
本発明においては、例えば、導電性ゴム部5から、キャップ層8の導電性ゴム9、および、導電性ゴムで形成したベルト層2のコーティングゴムを介して、カーカス1に配設した複合繊維3と導通させることにより、導電パスを形成することができる。また、ベルト層2のコーティングゴムを非導電性ゴムにより形成して低ロス化を図る場合には、導電性ゴム部5からキャップ層8の導電性ゴム9を介して、キャップ層8のタイヤ幅方向端部で導電性ゴム9を、カーカス1に配設した複合繊維3と導通させることにより、導電パスを形成することもできる。この場合、キャップ層8の導電性ゴム9を、例えば、図2(b),(c)に示すように、タイヤ幅方向の全体にわたり配設することが必要である。
さらに、ベルト層2のコーティングゴムを非導電性ゴムにより形成して低ロス化を図る場合、ベルト層2のコーティングゴムにおいて、キャップ層8のコーティングゴムと同様に、少なくとも一部に導電性ゴムを配設することにより、導電パスを形成することもできる。この場合、導電性ゴム部5から、キャップ層8の導電性ゴム9、および、ベルト層2の導電性ゴム(図示せず)を介して、カーカス1に配設した複合繊維3と導通させることにより、導電パスを形成することができる。コーティングゴムの一部に導電性ゴムを用いたベルトトリートは、前述したキャップトリートと同条件で、同様に形成することができる。
例えば、本発明においては、複合繊維3および導電性ゴム9の配置により、タイヤの電気抵抗を、例えば、最大7桁程度まで低下させることができるので、カーカスプライのコーティングゴム等のタイヤケース部材に用いるゴム組成物として、従来のタイヤ構造よりも低ロス化したゴム組成物を用いることができ、これによりタイヤの低燃費性を向上することができる。
また、図示するタイヤにおいて、カーカス1はビードコア6の周りで折り返されタイヤ半径方向外側に巻き上げられて折返し部1Bを形成しており、ビードコア6のタイヤ半径方向外側には、断面先細り状のビードフィラー7が配置されている。さらに、図示はしないが、本発明のタイヤにおいては必要に応じ、ベルト層6のタイヤ半径方向外側に、キャップ層に加えて、ベルト層6の端部のみを覆うレイヤー層を、1枚以上で配置することもできる。さらにまた、図示はしないが、タイヤの最内面には、通常、インナーライナーが配設されている。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
タイヤサイズ195/65R15にて、一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する1枚のカーカスプライからなるカーカスを骨格とし、そのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置された2枚のベルト層および1枚のキャップ層を備える空気入りタイヤを製造した。このタイヤには、ビード部からトレッド部までにわたって、カーカスの、タイヤ外側および内側の両表面に露出するように、下記の表中に示すブリーダーコードを配設した。ブリーダーコードは、タイヤ周方向に対し90°をなす角度で、縫込みピッチ20mmにて、カーカスに対し、図3(a)に示すようになみ縫いで縫い込むようにして配置した。
また、下記表中に示すように、図2(a)の形態で、キャップ層のコーティングゴムのうちの、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道線CLからトレッド半幅TE/2の0〜85%の領域内に、0°、すなわちタイヤ周方向の全体にわたり、幅8mmの抵抗値1×10Ω/cmの導電性ゴムを配置した。さらに、トレッド踏面部からキャップ層のタイヤ半径方向外側面までにわたり、導電性ゴム部を設けた。
得られた各供試タイヤについて、電気抵抗値を評価した。その結果を、下記の表中に示す。
(電気抵抗値)
タイヤの電気抵抗値は、GERMAN ASSOCIATION OF RUBBER INDUSTRYのWdK 110シート3に準拠して、ヒューレットパッカード(HEWLETT PACKARD)社製のモデルHP4394Aハイレジスタンスメーターを使用し、図6に示すようにして測定した。図中、符号111はタイヤ、112は鋼板、113は絶縁体、114はハイレジスタンスメーターであり、絶縁板113上の鋼板112とタイヤ111のリムとの間に1000Vの電流を流して測定した。
Figure 2017124730
*1)サイドゴム、ビードフィラーゴム等のケース部材に非導電性ゴムを使用しているか否かを示す。
*2)綿
*3)ナイロン/カーボン複合繊維:クラレトレーディング(株)製、クラカーボ(登録商標)
*4)ベキノックス Bekaert社製のベキノックス(Bekinox、登録商標)
*5)キャップ層のコーティングゴムの一部に、導電性ゴムを配置したことを示す。
Figure 2017124730
上記表中に示すように、導電性繊維と非導電性繊維とを含む複合繊維を、ビード部からクッションゴムに接する位置まで、カーカスの少なくとも一方の表面に露出するように配設するとともに、キャップ層のコーティングゴムのうちの一部に、所定の導電性ゴムを配置した各実施例の供試タイヤにおいては、ケース部材に非導電性ゴムを適用しつつ、タイヤの電気抵抗を低下できることが確かめられた。
1 カーカス
1A 本体部
1B 折返し部
2 ベルト層
3 複合繊維
4 ゴムチェーファー
5 導電性ゴム部
6 ビードコア
7 ビードフィラー
8 キャップ層
9 導電性ゴム
11 ビード部
12 サイドウォール部
13 トレッド部
13G トレッドゴム
13C クッションゴム
20 リム
21 カーカストリート
22 キャップトリート

Claims (23)

  1. 一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを骨格とし、該カーカスのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置された少なくとも一枚のベルト層と、該ベルト層のタイヤ半径方向外側に配置され、該ベルト層のタイヤ幅方向全体を覆う少なくとも一枚のキャップ層と、を備える空気入りタイヤにおいて、
    前記ベルト層のタイヤ半径方向外側に、クッションゴム、および、踏面部を形成するトレッドゴムが順次配設されており、少なくとも前記ビード部から該クッションゴムまたは前記ベルト層のタイヤ幅方向外端部に配設されたベルトアンダークッションに接する位置まで、前記カーカスの、タイヤ外側および内側のうちの少なくとも一方の表面に露出するように、導電性繊維と非導電性繊維とを含む複合繊維が配設されるとともに、前記キャップ層のコーティングゴムのうちの少なくとも一部に、抵抗値1×10Ω/cm以下の導電性ゴムが配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記導電性ゴムが、タイヤ周方向の少なくとも一部において、タイヤ幅方向に、タイヤ赤道線からトレッド半幅TE/2の0〜85%の領域内に配置されている請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記複合繊維が、前記カーカスの、タイヤ外側および内側の両表面に露出するように配設されている請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記複合繊維の、タイヤ外側に露出した部分と、タイヤ内側に露出した部分とが、少なくとも1箇所以上で導通している請求項3記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記非導電性繊維が有機物であって、前記複合繊維が該非導電性繊維を50質量%以上含有する請求項1〜4のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記複合繊維が、前記カーカスに縫い込まれている請求項1〜5のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記複合繊維の縫込みピッチが2〜40mmである請求項6記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記複合繊維が、前記カーカスに対し巻き付けられている請求項1〜5のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記複合繊維が、前記カーカスに対し、前記クッションゴムまたは前記ベルトアンダークッションのタイヤ幅方向の一方側の端部に接する位置から、前記ビード部を経由して、該カーカスのタイヤ内側を通り、該クッションゴムまたは該ベルトアンダークッションのタイヤ幅方向の他方側の端部まで巻き付けられている請求項8記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記ビード部のタイヤ幅方向外表面にゴムチェーファーが配設されており、前記カーカスが、前記一対のビード部に延在する本体部と、該一対のビード部にそれぞれ埋設されたビードコアの周りにタイヤ内側から外側に折り返され巻き上げられた折返し部とからなり、前記複合繊維が、該カーカスに対し、一方側の該折返し部のタイヤ幅方向外側であって前記ゴムチェーファーと接する位置から、該折返し部のタイヤ幅方向内側および該本体部のタイヤ幅方向外側を経由して、該カーカスのタイヤ外側を通り、他方側の該折返し部のタイヤ幅方向外側であって前記ゴムチェーファーと接する位置まで巻き付けられている請求項8記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記複合繊維が、前記カーカスに対し螺旋状に巻き付けられている請求項8記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記複合繊維の巻付けピッチが1〜12回/mである請求項8〜11のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記複合繊維が、タイヤ周方向において打込み数0.04本/5cm以上で配置されている請求項1〜12のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  14. 少なくとも前記ビード部から前記クッションゴムまたは前記ベルトアンダークッションに接する位置まで、ブリーダーコードが配設されてなり、かつ、前記複合繊維が、該ブリーダーコードのうち3〜100%に代えて配設されている請求項1〜13のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  15. 前記複合繊維の繊度が20〜1000dtexである請求項1〜14のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  16. 前記複合繊維が、タイヤ周方向に対し30〜150°をなす角度で配設されている請求項1〜15のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  17. 前記複合繊維が、タイヤ周方向に対し50〜130°をなす角度で配設されている請求項16記載の空気入りタイヤ。
  18. 前記導電性繊維が、金属含有繊維、カーボン含有繊維および金属酸化物含有繊維のうちのいずれか1種以上を含む請求項1〜17のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  19. 前記非導電性繊維が、綿、ナイロン、ポリエステルおよびポリプロピレンのうちのいずれか1種以上を含む請求項1〜18のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  20. 前記複合繊維の破断伸びEbが、5%以上である請求項1〜19のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  21. 前記複合繊維の抵抗値が、1.0×10Ω/cm以下である請求項1〜20のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  22. 前記キャップ層のコーティングゴムが、窒素吸着比表面積が30〜43m/gであるカーボンブラックを含む請求項1〜21のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  23. トレッド踏面部から前記クッションゴムのタイヤ半径方向外側面までにわたり、導電性ゴム部が設けられている請求項1〜22のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
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