JP2017123881A - 自脱型コンバイン - Google Patents
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Description
運転者が搭乗するキャビンを備える自脱型コンバインであって、
前記キャビン内に、運転者が着座する運転座席と、機体の操向操作を行うための操向操作具と、計器類が配設された計器盤と、が設けられ、
前記キャビンの前面に、前記キャビンのルーフ部から前記運転座席の下面よりも下方まで延びるフロントガラスが設けられ、
前記計器盤と前記操向操作具とは、前記キャビン内における左右一方側と左右他方側とに振り分けて配置されていることにある。
前記計器盤は、前記サイドパネルに片持ち支持されていると好適である。
前記操向操作具は、左右一対の前記前支柱のうちの左右他方側に片持ち支持されていると好適である。
前記キャビンは、前記刈取部の後方における左右他方側に配置され、
前記刈取部は、刈取穀稈を左右他方側から左右一方側への斜め後方に搬送する搬送装置を有し、
前記キャビンの前面のうち左右一方側における前記計器盤の下方の部位に、前記搬送装置が入り込む凹部が形成されていると好適である。
前記刈取部は、植立穀稈を引き起こす引起装置を有し、かつ、前記キャビンの前方で昇降可能に構成され、
前記フロントガラスは、その上下中間部が後方側に膨出するように屈曲していると好適である。
図1及び図2には、自脱型コンバインを示している。コンバインにおける前部には、植立穀稈を刈り取る刈取部1が設けられている。刈取部1の後方には、機体を走行させるクローラ式の走行装置2が設けられている。走行装置2の上部には、機体フレーム3が設けられている。機体フレーム3上における左側には、刈取穀稈を脱穀する脱穀装置4が設けられている。
刈取部1は、キャビン5の前方で昇降可能に構成されている。具体的には、刈取部1は、油圧シリンダ(図示省略)によって左右向きの軸心周りに揺動されることにより、下降した刈取作業位置と、上昇した非刈取作業位置とに切り替わるように構成されている。また、刈取部1は、植立穀稈を分草する分草具8と、植立穀稈を引き起こす引起装置9と、引き起こされた植立穀稈を切断する切断装置10と、刈取穀稈を後方に搬送する搬送装置11と、を有している。搬送装置11は、刈取穀稈を右側から左側への斜め後方に搬送するものであって、刈取部1の右側に位置して右側二条分の刈取穀稈の穂先を右側から左側への斜め後方に搬送する右搬送装置11A(本発明に係る「搬送装置」に相当)を有している。
図3から図6に示すように、キャビン5の前面には、フロントガラス13が設けられている。キャビン5の右側部には、開閉可能なドア14及びバックミラー83が設けられている。また、キャビン5の前部には、ルーフ部12Aを支持する左右一対の前支柱15が設けられている。キャビン5の後部には、ルーフ部12Aを支持する左右一対の後支柱16及びドアフレーム56が設けられている。左右一対の後支柱16の間には、リヤガラス88の後窓枠89が設けられている。後窓枠89には、プレクリーナ102がステー102Aを介して支持されている。
サイドパネル21は、キャビン5内の左側部に設けられている。サイドパネル21には、シフトレバー24、クラッチレバー25、サイド操作パネル26、アンローダリモコン27が配設されている。シフトレバー24は、静油圧式無段変速装置(図示省略)の変速操作をするためのものである。クラッチレバー25は、脱穀装置4への動力を伝達又は遮断するクラッチ(図示省略)の切替操作、刈取部1への動力を伝達又は遮断するクラッチ(図示省略)の切替操作をするためのものである。アンローダリモコン27は、アンローダ7を操作するためのものである。
操向レバー18は、キャビン5内における右側に配置されている。操向レバー18は、左右一対の前支柱15のうちの右側に片持ち支持されている。具体的には、左右一対の前支柱15のうちの右側に、パワステユニット部28が固定され、操向レバー18がパワステユニット部28に十字方向(前後方向及び左右方向)に揺動自在に支持されている。パワステユニット部28には、キースイッチ29、コンビネーションスイッチ30が設けられていると共に、操向レバー18を操作する運転者の手首を置くアームレスト31が設けられている。
計器盤20は、キャビン5内における左側に配置されている。計器盤20は、サイドパネル21に片持ち支持されている。具体的には、計器盤20は、サイドパネル21の前端部に連結され、サイドパネル21から前右方に向けて張り出している。また、計器盤20には、計器類19として、例えば、中央部に実際の作業車速を表示する作業速度計19Aが配設され、その両側にエンジン回転計19Bや燃料計19Cが配設されている。
フロントガラス13は、一枚のガラスで構成されている。フロントガラス13は、ルーフ部12Aから運転座席17の下面よりも下方まで延びている。具体的には、フロントガラス13は、キャビン5の床部12Bまで延びている。つまり、フロントガラス13の下部に、キャビン5内の運転者がキャビン5の前方を透視可能な透視部13aが設けられている。また、フロントガラス13の上部には、ワイパー装置22が設けられている。
また、キャビン5の前面のうち左側における計器盤20の下方の部位には、凹部23が形成されている。凹部23は、搬送装置11のうち右搬送装置11Aが入り込むものである。凹部23は、透明な部材で構成されている。例えば、凹部23は、フロントガラス13と連なるガラスで構成したり、フロントガラス13と連なる樹脂で構成したりすることができる。凹部23は、フロントガラス13と一体に構成しても別体に構成してもよい。凹部23をフロントガラス13と別体に構成する場合、凹部23とフロントガラス13との間にシールを設ければよい。
中空間S1は、操向レバー18と計器盤20との間に形成されている。中空間S1は、運転座席17に着座した運転者の前方において、左右方向で計器盤20の右端部とパワステユニット部28の左端部(図5においては、アームレスト31の左端部)とに亘るように存在し、上下方向でフロントガラス13の上端部と下端部とに亘るように存在している。つまり、運転座席17とフロントガラス13との間において、中空間S1には、視界の妨げとなるものが何もなく、運転座席17に着座した運転者の前方及び前下方の視界が確保される。なお、本実施形態においては、アームレスト31の左端部がパワステユニット部28の左端部よりも左側に位置しているため、図5において、S1の右側の境界をアームレスト31の左端部近傍に線引きしたが、パワステユニット部28の形状やアームレスト31の形状及びアームレスト31のパワステユニット部28への取付け方あるいはアームレスト31の有無によっては、S1の右側の境界の線引きは、多少変更されるものである。
右空間S2は、操向レバー18(パワステユニット部28)の下方に形成されている。右空間S2は、運転座席17に着座した運転者の足下において、キャビン5内における右側に存在している。運転座席17とフロントガラス13との間において、右空間S2には、視界の妨げとなるものが何もなく、運転座席17に着座した運転者の前下方における右側(前右下方)の視界が確保される。したがって、運転座席17に着座した運転者は、右空間S2を通して右端に位置する分草具8を見ることができるため、分草具8による条合わせを容易に行うことができる。
左空間S3は、計器盤20の下方に形成されている。左空間S3は、運転座席17に着座した運転者の足下において、キャビン5内における左側に存在している。運転座席17とフロントガラス13との間において、左空間S3には、視界の妨げとなるものが何もなく、運転座席17に着座した運転者の前下方における左側(前左下方)の視界が確保される。したがって、運転座席17に着座した運転者は、左空間S3を通して右搬送装置11Aを見ることができるため、右搬送装置11Aによる刈取穀稈の搬送状況を容易に確認することができる。
自脱型コンバインによる作業では、上述したように、刈取部1の条合わせを行ったり、刈跡や刈取穀稈の搬送状況を確認したりするため、運転者の視線が前下方になることが多くなると共に、運転者がフロントガラス13の一点を凝視することが多くなる。そこで、本発明では、フロントガラス13を上下方向に湾曲させている。これにより、フロントガラス13に対する運転者の前下方の視線が少しでも直角に近付くので、視線とフロントガラス13とが直角から大きくかけ離れているのと比べて像の歪みが少なくなり、運転者の目が疲れ難くなる。したがって、フロントガラス13は、歪が無い湾曲状に精度良く形成している。なお、フロントガラス13が歪んでいれば、運転者の目が疲れ易くなるところ、フロントガラス13の歪の調整が難しい場合は、左右方向の湾曲を取り止めて、上下方向の湾曲のみの二次元曲面状のガラスを採用してもよい。
図7に示すように、ワイパー装置22は、ワイパーモータ32と、ワイパー33と、を有している。
図8及び図9に示すように、ルーフ部12Aは、キャビン5外側のアウタールーフ39と、キャビン5内側のインナールーフ40と、を有している。アウタールーフ39とインナールーフ40との間は、仕切壁41によって仕切られている。また、ルーフ部12Aは、上部フレーム121によって支持されている。上部フレーム121は、前上部フレーム121Aと、左上部フレーム121Bと、右上部フレーム121Cと、を有している。
給気路42は、外吸込口44a及び内吸込口47aからの外気をエアコンユニット45に供給するものである。給気路42は、アウタールーフ39と仕切壁41との間において、ルーフ部12Aの外周に沿って形成されている。給気路42のうち、左側の給気路の途中部分と右側の給気路の途中部分とが、左右向きの給気路によって連通接続されている。前記左右向きの給気路内の仕切壁41には、開口部41aが形成されている。これにより、給気路42の外気が開口部41aからエアコンユニット45に供給される。
エアコンユニット45は、ルーフ部12Aにおける後部に配置されている。具体的には、図10から図14に示すように、インナールーフ40と仕切壁41との間に、収容部49が形成され、収容部49に、エアコンユニット45が収容されている。エアコンユニット45は、エバポレータ、ヒータ、ファンを有している。
送風管43は、エアコンユニット45からの冷気をキャビン5内に送風するものである。送風管43は、インナールーフ40と仕切壁41との間に形成され、キャビン5の前部まで延びている。送風管43は、分配部43Aと、左送風管43Bと、右送風管43Cと、を有している。
外吸込口44aは、エアコンユニット45に供給する外気を吸い込むものであり、外庇部44に設けられている。外吸込口44aは、ルーフ部12Aのうち左右方向でドア14と同じ側(右側)に配置されている。外吸込口44aは、ルーフ部12Aのうち前後方向でドア14の存在範囲内、具体的には、窓部68の存在範囲内に配置されている(図3参照)。外吸込口44aは、外庇部44の下部に形成され、下方を向くように開口している。外吸込口44aには、パンチングメタル状のカバー44bが取り付けられている。
内吸込口47aは、エアコンユニット45に供給する外気を吸い込むものであり、内庇部47に設けられている。内吸込口47aは、ルーフ部12Aのうち左右方向でドア14と反対側(左側)に配置されている。内吸込口47aは、内庇部47の下部に形成され、下方を向くように開口している。内吸込口47aには、パンチングメタル状のカバー47bが取り付けられている。
ここで、図16に示すように、キャビン5内には、バックモニター59が設けられているところ、左右一対の前支柱15のいずれにも、バックモニター59を取付可能に構成されている。詳しくは、バックモニター59用のハーネス54Aが、キャビン5内の左後角部からルーフ部12Aの内部の左側部を通ってキャビン5の前部まで延びている。バックモニター59用のハーネス54Aをキャビン5の前部における左右中央部からキャビン5内に取り出すことにより、バックモニター59用のハーネス54Aを左側及び右側のいずれにも配線することができる。また、左右一対の前支柱15のいずれにも、ボルト孔15aが形成され、ボルト孔15aには、タップ加工が施されている。バックモニター59は、ステー60に固定され、ステー60がボルト61によって前支柱15に固定されている。
図17から図19に示すように、ドア14は、その後部が上下二つのヒンジ62を介して、ドアフレーム56に揺動可能に支持されている。キャビン5とドア14との間には、ダンパー63が介設され、ダンパー63によってドア14が開く方向に付勢されている。また、ドア14の前部には、ドア14を閉じた状態でキャビン5に固定するためのドアロック64が設けられている。ドア14におけるキャビン5内側の側面には、グリップ65が設けられている。ドア14の外周には、ドアシール材66、補強フレーム67が取り付けられている。
ダンパー63は、ガススプリング式のダンパーである。ダンパー63の基端部側は、キャビン5側の上下向きの揺動軸69に揺動可能に支持されている。ダンパー63の先端部側は、ドア14側の上下向きの揺動軸70に揺動可能に支持され、ステー71を介してドア14に固定されている。ステー71は、キャビン5外からボルト72によってドア14に固定されている。ドア14におけるステー71が固定される部位は、ドア14のうちサッシ73の近傍に配置されている。具体的には、ドア14におけるステー71が固定される部位は、ドア14のうち前後方向でサッシ73の存在範囲と重複するように配置されている。これにより、ドア14におけるダンパー63を固定する部位の剛性を確保している。
ドアロック64は、ドアロックプレート74を介してドア14に固定されている。ドアロックプレート74には、グリップ65の前端部が連結されている。また、ドアロック64は、キャビン5側のストライカ75(例えば、丸棒部材等)に係合可能な係合部(図示省略)を有している。
ドアシール材66は、ドア14とキャビン5との間をシールするものである。ドアシール材66は、ドア14の外周の全周に亘って取り付けられている。ドアシール材66は、キャビン5に密着されるシール本体部66aと、ドア14の外周端部が差し込まれる差込部66bと、を有している。
補強フレーム67は、アルミ製の中空部材である。補強フレーム67は、ドア14の外周の全周に亘って取り付けられている。補強フレーム67は、ヒンジ62を跨ぐように、ドア14におけるキャビン5外側の側面に取り付けられている。補強フレーム67は、キャビン5内から固定具76(例えば、サラビス、リベット等)によってドア14に固定されている。補強フレーム67は、ドア14の外周端面よりも外周側に出っ張り、ドア14が閉じられた状態で、ドアシール材66を機体横外方側(右方側)から覆っている。つまり、補強フレーム67とドア14との間には、所定の隙間Aが形成され、隙間Aに、ドアシール材66の差込部66bが入り込んでいる。また、補強フレーム67の上辺部には、ダンパー63のステー71との干渉を回避するための切欠部67aが形成されている。
ヒンジ62は、キャビン5内からボルト77によってドア14に固定されている。ドア14におけるヒンジ62が固定される部位は、ドア14における外周(補強フレーム67)とサッシ73との間に配置されている。
開口部14aは、運転者が通り抜け可能な大きさに構成されている。詳しくは、開口部14aは、上下方向に長い長方形状に形成されている。開口部14aの高さHwは、ドア14の高さHdの半分以上の長さである。開口部14aの幅Bwは、ドア14の下辺部14Cの幅Bdよりも長い。開口部14aの前後方向の中心と、ドア14の前後方向の中心とは、共にCbで一致している。開口部14aは、ドア14の上下方向の中心Chに対して、上方寄りに配置されている。
窓部68は、上下方向に長い長方形状に形成され、運転座席17に着座した運転者の前後方向の中心上に、窓部68の前後方向の中心Cbが位置するように配置されている。窓部68は、側面視においてドア14の半分以上の面積を占めている。また、窓部68は、透明な部材で構成されている。具体的には、窓部68は、ガラスで構成されている。
図20に示すように、トリム78には、ドア14が差し込まれる差込溝78aと、サッシ73が差し込まれる差込溝78bと、クサビ80が嵌め込まれるクサビ溝78cとが、トリム78の全周に亘って形成されている。クサビ溝78cは、トリム78におけるキャビン5内の側の部位に形成されている。クサビ溝78cには、クサビ80が着脱可能に嵌め込まれている。また、トリム78には、トリム78を取外し操作するためのリング81が、キャビン5内に位置する状態でトリム78に設けられている。
リング81は、クサビ80に連結されている。具体的には、リング81は、クサビ80に嵌め通されている。また、リング81は、トリム78のうち上辺部に設けられている。具体的には、リング81は、トリム78の上辺における前後方向の中心Cb上に位置する部位に設けられている。
このような構成により、クサビ80がクサビ溝78cに嵌め込まれている状態では、窓部68がドア14から外れない。一方、リング81を引っ張ることにより、クサビ80がクサビ溝78cから外れると、窓部68をサッシ73ごとドア14から取り外すことができる。具体的には、クサビ80がクサビ溝78cから外れることにより、窓部68を引っ張ると、トリム78が弾性変形して、窓部68がサッシ73ごとドア14から外れることになる。
(1)上記実施形態において、フロントガラス13は、一枚のガラスで構成されているが、複数枚のガラスで構成されていてもよい。また、フロントガラス13は、前方に膨出する湾曲状に形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、フロントガラスは、その上下中間部が後方側に膨出するように屈曲しているものでもよい。詳しくは、図21に示すように、フロントガラス113を上下二分割式に構成してもよい。フロントガラス113は、上ガラス113Aと、下ガラス113Bと、を有している。上ガラス113Aと下ガラス113Bとは、直接連結してもよいし、上ガラス113Aと下ガラス113Bとの間に中間部材を設けて、当該中間部材を介して上ガラス113Aと下ガラス113Bとを連結してもよい。
5 キャビン
9 引起装置
11A 右搬送装置(搬送装置)
12 ルーフ部
13 フロントガラス
15 前支柱
17 運転座席
18 操向レバー(操向操作具)
19 計器類
20 計器盤
21 サイドパネル
23 凹部
S1 空間
S2 空間
Claims (1)
- 運転者が搭乗するキャビンを備える自脱型コンバインであって、
前記キャビン内に、運転者が着座する運転座席と、機体の操向操作を行うための操向操作具と、サイドパネルと、が設けられ、
前記キャビンの前面に、前記キャビンのルーフ部から前記運転座席の下面よりも下方まで延びるフロントガラスが設けられている自脱型コンバイン。
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