JP5778409B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
[1]操縦部の運転座席側からサイドパネルボックスを設けた側の横側方の下方を目視する要望を達成するために、サイドパネルボックスが存在する側における運転キャビンの一部をフィーダの上方に重合させて構成したもの(特許文献1参照)。
[2]運転座席の横側部の存在するサイドパネルボックスの前端側が、運転キャビンの前端縁から離れた箇所に位置するように、サイドボックスの前後長さを短くして運転キャビン内で前端から離れた後方側に寄せて位置させることにより、運転キャビンの前端とサイドボックスの前端との間から運転キャビンの側部下方を目視するように、また、運転キャビンの床面に形成した窓部から運転キャビンの直下方を目視するようにしたもの(特許文献2参照)。
また、操縦部においてサイドパネルボックスが存在する側の運転キャビンの一部をフィーダの上方に重合させて構成しているため、サイドパネルボックスに設ける操作レバー類の配設に制約を受けて構造上の複雑化を招く虞がある。
これによって、サイドパネルボックスに設ける操作レバー類の配設に制約を受けるような構造の複雑化を招くことなく、前記間隔を通してサイドパネルボックスが存在する側の運転キャビンの側部下方を目視し易くなる点では有用である。しかしながら、前記間隔を設けるためにサイドパネルボックスの前端側を後退させているので、サイドパネルポックス上に配設する機器の数や位置に制約を受け、特に、前方を目視して運転を行いながら監視したい計器類を前方側に配設することができず、サイドパネルボックス自体が機能上の制約を受けるという問題があった。
〔解決手段1〕
運転座席を有する運転部と、
前記運転部の前方を覆うフロントガラスを有する運転キャビンと、を備え、
前記フロントガラスは、前記運転部の上方部から前記運転部の下方部まで達しており、
前記運転座席の横側部にサイドパネルボックスを配備し、前記サイドパネルボックスには、走行用の変速レバーが配設されたボックス主部と、前記ボックス主部の前端側に位置して電装品が配設された電装品配置部とを備え、
前記ボックス主部の前端を前記フロントガラスの背面から後方に離間させた状態で、前記電装品配置部を前記ボックス主部の前端部から片持ち状態で前方側へ延出させてあり、
前記電装品配置部を前記運転キャビンの床面との間に間隔を隔てて位置させることにより、前記電装品配置部の下側に、前記電装品配置部の下端から前記運転部の下方部まで達し、前記運転座席側から前記サイドパネルボックスが存在する側の側部下方を目視可能な開放空間を形成するとともに、前記電装品配置部を前記ボックス主部の前端部から前記運転座席の前方側に向けて屈曲させてあることを特徴とする。
上記解決手段1で示した特徴構成によると、サイドパネルボックスのうち、走行用の変速レバーが配設されるボックス主部は走行用の変速装置に対するリンク機構等を配設する必要からボックス状に形成しているが、電装品配置部ではリンク機構等の、他の装置との機械的な連係機構を配設する必要がなくハーネスを配設するだけでよいので、この電装品配置部の下方には空間を形成することが可能である。
そこで解決手段1では、サイドパネルボックスのうち、電装品が配設された電装品配置部が、運転座席に搭座する操縦者が視認し易いところのサイドパネルボックスの前端側に位置するものでありながら、その電装品配置部が運転キャビンの床面との間に間隔を隔てて位置させることによって、この電装品配置部の下側に、サイドパネルボックスが存在する側の運転キャビンの側部下方を目視可能な開放空間を形成している。
これによって、サイドパネルボックスに設ける変速レバー等の配設に制約を受けるような構造上の複雑化を招くことなく、運転座席側から、電装品配置部の視認性が良好な状態を維持しながら前記開放空間を通して運転キャビンの側部下方を目視することが可能となる利点がある。
これによって、電装品配置部の前記ボックス主部から離れた側に位置するものほど運転座席からの距離が遠くなって視認し難いというような不具合を招くことなく、目視し易くなる利点がある。
〔解決手段2〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の手段は、
前記運転部に、操向レバーを有する操向操作部が備えられ、
前記運転部において、前記操向操作部が機体左右方向の一方側に配設されると共に、前記電装品配置部が機体左右方向の他方側に配設され、
前記フロントガラスと前記運転座席の前端との間、かつ、前記操向操作部のうち前記電装品配置部側の端部と前記電装品配置部のうち前記操向操作部側の端部との間において、前記運転座席に着座した運転者の前方の視界を阻害する障害物が存在しないように、前方空間が形成され、
前記開放空間と前記前方空間とが、前記フロントガラスに沿って左右方向に連続していることである。
〔解決手段3〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の手段は、
前記運転部に、操向レバーを有する操向操作部が備えられ、
前記運転部において、前記操向操作部が機体左右方向の一方側に配設されると共に、前記電装品配置部が機体左右方向の他方側に配設され、
前記操向操作部の下側に、前記運転座席側から前記操向操作部が存在する側の側部下方を目視可能な別の開放空間が形成されていることである。
〔解決手段4〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の手段は、
前記フロントガラスと前記運転座席の前端との間、かつ、前記操向操作部のうち前記電装品配置部側の端部と前記電装品配置部のうち前記操向操作部側の端部との間において、前記運転座席に着座した運転者の前方の視界を阻害する障害物が存在しないように、前方空間が形成され、
前記開放空間と前記前方空間と前記別の開放空間とが、前記フロントガラスに沿って左右方向に連続していることである。
〔解決手段5〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の手段は、
前記運転キャビンは、前記運転部の上方を覆う屋根部と、前記屋根部の前部を支持する左右一対の前支柱と、を有し、
前記フロントガラスは、左右一対の前記前支柱よりも前方側に位置していることである。
〔解決手段6〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の手段は、前記電装品配置部は、前記フロントガラスと左右一対の前記前支柱との間まで前方側へ延出されていることである。
〔解決手段7〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の手段は、前記電装品配置部は、前記運転キャビンの床面の前縁よりも前方側へ延出されていることである。
〔解決手段7にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段7で示した構成によると、電装品配置部は、ボックス主部の前端部を取付箇所として、そのボックス主部から片持ち状態で前方側へ延出されているので、その前端側を支持するための特別な支持部材も要さず、運転キャビンの床面の前縁よりも前方側へ位置させることができる。
これによって、電装品配置部の前端側を支持するための支持部材によって運転キャビン前方側の視界を妨げられることなくサイドパネルボックスを機体前方側へ寄せて配設し得る利点がある。
〔解決手段8〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の手段は、前記ボックス主部の前端は、左右一対の前記前支柱よりも後方側に位置していることである。
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記電装品配置部は、平面視で前記フロントガラスの背面に沿って屈曲形成されていることである。
上記解決手段9で示した特徴構成によると、ボックス主部の前端側に位置する電装品配置部を、平面視で運転キャビンのフロントガラスの背面に沿わせて、最大限機体前方側へ寄せた状態に配設することが可能となる。
これによって、電装品配置部の見やすい状態を確保しながら、電装品配置部を最大限機体前方側へ寄せるに伴って運転座席も極力前方側へ寄せて配設することができ、より一層の運転キャビン側部下方の視認性の向上を図り得るとともに、運転キャビン全体の小型化をも図り得る利点がある。
〔解決手段10〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の手段は、前記電装品配置部の上面は、前記運転座席の座面よりも下方側に位置していることである。
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記電装品配置部、もしくは電装品配置部と前記ボックス主部との接続箇所に、平面視で運転座席から離れる方向に凹入する形状の凹入部を形成してあることである。
上記の解決手段11で示した構成によると、平面視で運転座席から離れる方向に凹入する形状の凹入部を通して、電装品配置部やボックス主部よりも高い位置から、運転キャビンの前方側の側部下方をさらに目視し易くすることができる利点がある。
〔全体構成〕
図1乃至図3は本発明のコンバインの一例である普通型コンバインの全体を示している。
左右一対のクローラ式走行装置10を備えた機体フレーム11上に、脱穀装置2、穀粒タンク3、及び運転キャビン5を搭載した走行機体1の前部に、刈取搬送装置4を昇降操作自在に装備させて普通型コンバインが構成されている。前記機体フレーム11上では、図3に示すように、右前部に運転キャビン5が配設され、その後方側の右後部に穀粒タンク3が設けられ、その穀粒タンク3の左方側である左後部に脱穀装置2が配設されている。
前記刈取部41は、植立茎稈を刈り取るバリカン型の刈刃41aと、刈り取られることによって被処理物となった茎稈をフィーダ40の入り口部40a側へ向けて寄せ集めるための横送りオーガ41bとを備え、前記フィーダ40はチェーン式の掻き揚げコンベア40bを内装している。
したがって、倒伏状態の茎稈はリール装置42である程度掻き上げられ、刈刃41aで刈り取られた後、オーガ41bでフィーダ40の入り口部40aへ向けて搬送され、前記入り口部40aに到達した茎稈(被処理物)が掻き揚げコンベア40bによってフィーダ40の底面に沿って掻き揚げ搬送され、脱穀装置2の前端部に投入される。
穀粒タンク3では、脱穀装置2側から送り込まれた穀粒を含む被処理物を一時的に貯留し、穀粒タンク3から穀粒排出用オーガ30を介して外部へ穀粒を含む被処理物が回収されるように構成されている。
エンジンルーム13の右外側には、図4に示すように防塵カバー16を配設してあり、右外側から外気を吸引するラジエータ15が、吸気時に外部の塵埃等を吸入するのを防止するように構成してあり、ラジエータ15を通過した吸入外気はエンジン14を冷却したのち、エンジンルーム13の左側方(図7中の左側)へ排気されるように構成してある。
図4乃至図11に示すように、運転キャビン5は、機体フレーム11に固設された支持材11aによって支持された床板51の上面側に床面5Aを備えており、前記床板51の上側に四本の支柱52が立設され、その支柱52によって屋根部53が支持されている。
上記四本の支柱52のうち、機体前方側の左右一対の支柱52a,52b(フロントピラーに相当する)(本発明に係る「前支柱」に相当)は、床板51の最下部の床面5Aから立設されているが、左右の後方側の支柱52c,52dは、床板51のうち、運転座席50の支持台及びボンネット隔壁を兼ねる床板上部51aから立設されている(図9乃至図11参照)。
このフロントガラス54は前記床面5Aから屋根部53までの全範囲にわたって設けてあり、図10及び図11に示すように、前記床面5Aの前縁よりも前方側へ膨出させてあるとともに、フロントガラス54が、側面視で水平面に対する下方側部分の傾斜角度θ1よりも上方側部分での傾斜角度θ2が大きくなるように、下端側ほど後側に位置するように前側に凸状に湾曲した傾斜面に形成してある。
また、前記フロントガラス54は、平面視でも、図8に示すように、左右方向での中央部箇所が左右方向での両端部箇所よりも前方側へ膨出する突曲形状に形成してある。したがって、フロントガラス54は、単なる水平方向もしくは上下方向の何れかの軸線周りでの曲率を有した単曲面ではなく、上下方向と左右方向との互いに交差する複数の軸線周りでの曲率を有した複曲面によって構成されている。
上記のように、フロントガラス54の最大前方突出位置Pを、フロントガラス54の上端よりも少し下方側の位置としているのは、運転キャビン5の前方下方を覗き込むとき、操縦者の頭部を最大限フロントガラス54に近づける際に、この最大前方突出位置Pがフロントガラス54の上端と一致している場合よりも、少しでも前方に近づけられるからである。
ただし、これはあくまでも一例であり、前記フロントガラス54の平面視での曲面形状を、左右方向の全体にわたって一定の曲率で形成したものを採用することも可能である。
つまり、この支柱52a,52bは、側面視で水平面に対する下方側部分の傾斜角度θ1よりも上方側部分での傾斜角度θ2が大きくなるように形成されたフロントガラス54の湾曲形状と同様に、下端側ほど後側に位置するように前側に凸状に湾曲した傾斜を有しており、前記運転キャビン5の床面5Aへの取付箇所よりも上部側が前方側に位置するように設けてある。
この乗降用ドア55の機体前方側の端縁は、前記フロントガラス54の傾斜面の傾斜と同様な傾斜を有した右前方側の支柱52aの湾曲形状に沿った端縁形状に形成してあり、この端縁部分では、下端側よりも上端側が大きく前方側へ張り出している。
上記横桟部材55cの上下方向の高さ位置は、運転キャビン5内の運転座席50の座面50aよりも高く、後述する操作ボックス6の上面よりも低い高さ位置に設定してある。
そして、この横桟部材55cのドア内面側には、図8及び図9に示すように、運転キャビン5の室内側から乗降用ドア55を開閉操作する際に把持する内側把持部材55fを備えてある。尚、図4及び図5図中の符号55gは、外方側から開閉操作する際に用いる取っ手であり、運転キャビン5の機体前方側の支柱52aに沿った傾斜姿勢で取り付けてある。
この引き違い戸で構成された開閉可能な横窓56aは、下端側が前記乗降用ドア55の横桟部材55cの上下方向高さと同様に、運転キャビン5内の運転座席50の座面50aよりも高く、後述する操作ボックス6(本発明に係る「操向操作部」に相当)の上面よりも低い高さ位置に設定してあり、上端側は屋根部53の下縁に達する上下方向高さ位置に設定してある。
また、運転キャビン5の後面側箇所では、図7、図8、及び図11に示すように、後壁58の一部に、前記固定窓57が形成された箇所よりも左側で、かつ、運転座席50のシートバック50bの上端よりも上方側から屋根部53の下縁にわたって、左右一対の透明ガラス製の引き違い戸でスライド操作により開閉可能に構成された後窓58aが形成されている。
突曲形状に形成されている。
そして、その床面5Aの前縁近くには、図8乃至図11に示すように、床面5Aの少し上方に位置するように足置き部51bを設けてある。この足置き部51bは、床面5Aに対して左右両端側のステー51cを介して、機体前方側が高く後方側が低い傾斜姿勢で取り付けてあり、運転座席50の直前方に位置して、運転座席50の座面50aの左右方向幅と同程度、もしくは少し短い程度の左右方向幅を有している。
また、前記足置き部51bは、機体前方側の左右一対の支柱52a,52b(フロントピラーに相当する)の下端位置よりも、当該足置き部51bの少なくとも前辺部分が前方側に位置するように、床面5Aの前縁の中央部箇所が左右方向での両端部箇所よりも前方側へ膨出する突曲形状の前記前縁の中央部箇所で、その前縁に近接させて位置させることにより、できるだけ前方側に配設してある。
これによって、運転座席50も相対的に前方側へ寄せて配設することが可能となり、運転キャビン5の前方下方を覗き込む際に有利である。
そして、キャビンガード59は、前記右前方側の支柱52aに対して、横外方側に所定間隔を隔てて位置する第1棒状ガード部59aと、さらにその第1棒状ガード部59aの前方側へ所定間隔を隔てて位置する第2棒状ガード部59bとを有して構成されている。
このキャビンガード59は、その第1棒状ガード部59a、及び第2棒状ガード部59bが、前記乗降用ドア55を開放して操縦者が乗り降りする際に、手摺りとして把持しながら乗り降りすることが可能であるように十分な強度を有して、掴みやすい位置に設けてある。
また、上記のキャビンガード59に対しては、図4及び図5に示すように、バックミラー81が、前記第2棒状ガード部59bの横外側で、かつ、上下方向では運転座席50のシートバック50bの上端と同程度、もしくはそれよりも高い位置に位置するように取り付けてある。
さらに前記キャビンガード59の第1棒状ガード部59aの上端部箇所には、アンテナ82が上方に向けて延出した状態で取り付けてある。
図5に示すように、フロントガラス54の上部外面には、ワイパー83が配設されている。
図8に示すように、操縦部である運転キャビン5の内部では、運転座席50が左右方向でのほぼ中央に配設してあるとともに、前記運転座席50の右前方側にステアリング操作等を行うための操作ボックス6が設けられ、左側に変速操作等を行うためのサイドパネルボックス7が設けられている。
この乗降用取っ手50cは、図8及び図10に示すように、運転キャビン5内の床板上部51aにおける運転座席50の搭載箇所とその背部側に立設されている箇所とにわたって設けられた側面視で逆L字型の取付部材51dに対して取り付けられた側面視でコの字状の部材によって構成してある。
運転キャビン5の右横側端部に設けられる操作ボックス6は、図8及び図12に示されるように、ボックス本体60の上面側にステアリングレバー61(本発明に係る「操向レバー」に相当)、コンビネーションスイッチ62、及びキースイッチ63が装備されている。そしてこの操作ボックス6のボックス本体60が、運転座席50の右前方側で、運転キャビン5の乗降用ドア55が設けられた側である右前方側の支柱52aに対して、取付部材6aを介して片持ち状に固定支持されている。
この操作ボックス6は、そのボックス本体60が支柱52aに支持された状態で、平面視でボックス本体60の前側に、運転キャビン5の左右方向での端部側ほど前方寄りで運転キャビン5の左右方向での中央側ほど後方寄りとなるように傾斜した前面60aを備え、後側にも、平面視で運転キャビン5の左右方向での端部側ほど前方寄りで運転キャビン5の左右方向での中央側ほど後方寄りとなるように傾斜した傾斜後面60bを備えている。
これによって、運転座席50に搭座した操縦者がボックス本体60を見たときのボックス本体60の水平方向幅が短く見えるようになる。つまり、平面視で操縦者の存在位置となる運転座席50の座面50aの中央を視点としたボックス本体60への投影線の方向に沿うように前記前面60a及び傾斜後面60bが傾斜しているので、このような傾斜した面を備えていない単なる矩形のものでボックス本体60を形成した場合に比べて、水平方向での幅が短く見えるようになる。
また、前記ボックス本体60の上面側に設けられるステアリングレバー61とコンビネーションスイッチ62とは、前記ステアリングレバー61が運転座席50に近く、後方側寄りに位置し、前記コンビネーションスイッチ62が前記ステアリングレバー61よりも遠く前方側寄りに設けられている。
前記操作ボックス6の取付位置は、図5,9,11に示すように、運転座席50の座面50aよりも高い位置で、かつ、前記乗降用ドア55の室内側に取り付けられた内側把持部材55fよりも少し高い位置にボックス本体60の上面が位置するように設けてある。
また、この操作ボックス6の平面視での位置は、図8に示されているように、操作ボックス6に設けてある操向操作用のステアリングレバー61が、運転座席50の前方よりも少し右外側に外れて位置している。
また、ステアリングレバー61を前方に揺動操作すると、ボックス本体60に内装されている図示しない位置検出体の検出結果に基づいて、フィーダ40及び刈取部41が、ステアリングレバー61の操作位置に対応した速度で下降する。同様に、ステアリングレバー61を後方に揺動操作すると、フィーダ40及び刈取部41が、ステアリングレバー61の操作位置に対応した速度で上昇する。中立位置からの揺動操作量が多い程、下降速度または上昇速度が速くなる。ステアリングレバー61の揺動操作を止めて中立位置に保持すると、フィーダ40及び刈取部41はその位置で停止する。
さらに前記操作ボックス6には、キーを差し込んでエンジン14を始動及び停止可能なスタータスイッチを操作するためのキースイッチ63も装備されている。
したがって、ハーネス66の配線や点検等の必要が生じた場合には、前記支柱52aを分解するような作業を要さず、ハーネスカバー64を着脱あるいは分解することで簡単に内部のハーネス66に対する作業を行うことができる。
したがって、運転キャビン5への乗降時には、前記運転キャビン5の右前方側の支柱52aの下端よりも機体後方側に存在する運転キャビン5内の床面5Aの上方に存在する領域に対して乗り降りするものであるところの操縦者が、前記領域から外れた前方側に設けてある操作ボックス6のボックス本体60の後端よりもさらに機体前方側に位置するドアキャッチャ65に接触する可能は少なくて済む。
運転キャビン5内での運転座席50の左横側部には、図8乃至図10に示すようにサイドパネルボックス7が設けられている。
このサイドパネルボックス7は、図9及び図10に示すように、その上面が前記運転座席50の座面50aよりも低く形成されているとともに、走行用の主変速レバー72(変速レバーに相当する)等が配設されたボックス主部70と、前記ボックス主部70の前端側に位置して電装品が配設された電装品配置部71とを備えている。
さらに前記ボックス主部70では、前記運転座席50から遠い側で走行用の主変速レバー72や副変速レバー73などの各種レバー類が配設された外側部分70Aと、運転座席50に近い側で各種のスイッチ操作具74が配設されている内側部分70Bとを備えている。前記主変速レバー72及び副変速レバー73などの各種レバー類の握り部は前記座面50aよりも高い位置にあるように取り付けられている。
前記計器表示部71aでは、例えば、中央部に実際の作業車速を表示する作業速度計やエンジン回転数からの負荷を表示する負荷表示メータなどが設けられ、その両側には、例えばエンジン回転計や燃料計が設けられている。
この電装品配置部71は、各種計器部分を液晶などの画像表示手段で表示するようにしたものであってもよい。
したがって、電装品配置部71の下面と運転キャビン5の床面5Aとの間には上下方向での間隔が生じ、また、ボックス主部70の前端縁70aと前方のフロントガラス54の内面との間にも前後方向での間隔が生じている。つまり、前記電装品配置部71の下側に相当する箇所には、運転座席50側からサイドパネルボックス7が存在する側の運転キャビン5の側部下方を目視可能な開放空間S1が形成されている。
前記ボックス主部70の前端縁70aは、図6及び図10に示されるように、フロントガラス54の内面の傾斜に沿って、下方側ほど機体後方側に位置するように傾斜する形状に形成されている。
前記電装品配置部71は、平面視で運転座席50に近い後方側が直線的な側縁を有し、フロントガラス54に近い前方側がフロントガラス54の内面形状に近い湾曲した側縁を備えている。
これによって、前記電装品配置部71を、例えば、その計器表示部71aで各種計器部分が機体前後方向に並べて配設してある構造のものに比べ、前記計器表示部71aでの各種計器部分がフロントガラス54の背面に沿う方向で並ぶ状態となる。このため、前述のように各種計器部分が機体前後方向に並ぶ構造のものに比べ、運転座席50から各計器部分が配置されている箇所までの距離の差を少なくし得て、機体前方側に位置するものほど運転座席50からの距離が遠くなって見難いというような不具合を招くことなく、目視し易くなる利点がある。
それでいて、前記電装品配置部71はボックス主部70側から片持ち状で延出され、電装品配置部71の下側には前記開放空間S1が存在し、電装品配置部71の下側に前方視界を遮るものが存在していないので、運転座席50側から電装品配置部71の下側を通して運転キャビン5の前方側の側部下方を目視し易いものである。
そして、図8、9、及び図10に示すように、前記外側部分70Aは運転キャビン5の床板51から立設された箱状に形成されているものであるが、前記内側部分70Bは、外側部分70Aの上部から運転座席50側に張り出すように膨出形成してあり、その内側部分70Bの下方側には、前記運転座席50から離れる方向に凹入するに凹入空間S2を設けてある。
つまり、前記外側部分70Aの上面のレバーガイドから上向きに突出した主変速レバー72のレバー基部が前方右方に屈曲し、前記外側部分70Aの上面のレバーガイドから上向きに突出した副変速レバー73などのレバー基部が運転座席50側に屈曲している。
これによって、前記内側部分70Bの前端部76と前記電装品配置部71の内向きの側縁との間で、電装品配置部71とボックス主部70との接続箇所75を含んでその前後に位置するキャビン室内側の側縁部分に、平面視で運転座席50から離れる方向に凹入する形状の凹入部S3が形成されている。
このように、電装品配置部71とボックス主部70との接続箇所75を含む位置のキャビン室内側の側縁部分に凹入部S3が形成されたことで、電装品配置部71やボックス主部70よりも高い位置である運転座席50に塔座している操縦者の視点から、運転キャビン5の前方側の側部下方をさらに目視し易くすることができる。
これによって、運転座席50に搭座する操縦者が駐車ブレーキペダル84を踏み込む際に、運転座席50の座面50aよりも低い位置にあるサイドパネルボックス7の存在によって邪魔されることなく、前記凹入部S3に脚部を入り込ませた状態で駐車ブレーキペダル84を踏み込み操作することができる。
これによって、図3に示すように、刈取搬送装置4の刈取部41における右端(既刈り側)で、運転キャビン5と刈取部41との間から刈取搬送装置4の通過後における地面の刈り残しの有無を見るための一つのチェックポイントCP1、及び、刈取部41からフィーダ40への受け継ぎ箇所での受け継ぎ状態が良好であるか否かを確認するための他のチェックポイントCP2での目視を行い易くなったものである。
フロントガラス54は、実施の形態で示したように、上下方向と左右方向との互いに交差する複数の軸線周りでの曲率を有した複曲面によって構成されたものに限らず、例えば水平方向の軸線周りでの曲率を有した単曲面で構成されたものであってもよい。
この場合、運転キャビン5の床面5Aの前端縁は直線形状になるが、機体前方側の左右一対の支柱52a,52b(フロントピラーに相当する)は、フロントパネル54の左右方向の両端縁形状に沿って、側面視で水平面に対する下方側部分の傾斜角度θ1よりも上方側部分での傾斜角度θ2が大きくなるように湾曲した形状となるように形成すればよい。
その他の構成は前述した実施形態のものと同様である。
フロントガラス54は、実施の形態で示したように、上下方向と左右方向との互いに交差する複数の軸線周りでの曲率を有した複曲面によって構成されたもの、あるいは単曲面で形成されたものに限らず、例えば、側面視で水平面に対する下方側部分の傾斜角度θ1よりも上方側部分での傾斜角度θ2が大きい屈折形状となるように、複数の扁平ガラスを組み合わせて形成してもよい。
この場合も、運転キャビン5の床面5Aの前端縁は直線形状になるが、機体前方側の左右一対の支柱52a,52b(フロントピラーに相当する)は、フロントパネル54の左右方向の両端縁形状に沿って、側面視で水平面に対する下方側部分の傾斜角度θ1よりも上方側部分での傾斜角度θ2が大きくなるように屈折した形状となるように形成すればよい。
その他の構成は前述した実施形態のものと同様である。
上記実施形態では、フロントガラス54を屋根部53から床面5Aに達する範囲に設けたものであるが、これに限られるものではなく、例えば、フロントガラス54の下端が運転座席50の座面50aよりも下側で前記床面5Aよりも高い位置にまで達する範囲としてもよい。
この場合、フロントガラス54の下端が床面5Aに達する範囲にまで設けたものに比べれば運転キャビン5の前方下方側の視野は狭くなるが、フロントガラス54が単なる扁平ガラスではなく、側面視で水平面に対する下方側部分の傾斜角度θ1よりも上方側部分での傾斜角度θ2が大きくなるような傾斜を有したものであることによって、運転座席50を運転キャビン5内でかなり前方側へ配設できるものであるから、フロントガラス54が着座した操縦者の腰部付近にまでしか達していないような構造のものと比べて、運転キャビン5の前方下方側の視野をかなり大きく確保して、運転キャビン5の直前の下方に近い側まで操縦者は視線を落とすことができる。
その他の構成は前述した実施形態のものと同様である。
運転キャビン5内に配設される足置き部51bとしては、実施の形態で示したように、床面5Aの上に別途足置き用の部材を取り付けた構造のものに限らず、図14に示すように、運転キャビン5の床面5Aの前端部に、前上がりに傾斜した部分を設けることによって足置き部51bを形成してもよい。その他の構成は前述した実施形態のものと同様である。
操縦部を構成するサイドパネルボックス7の電装品配置部71は、実施の形態で示したように、平面視でフロントガラス54の背面に沿うように屈曲形成され、延出端側が運転座席50の前方側(斜め右方前方側)へ向かうように屈曲した形状のものに限らず、例えば、図15に示すように、サイドパネルボックス7の電装品配置部71はボックス主部70の前方側に直線的に延出された構造のものであってもよい。
この場合、電装品配置部71とボックス主部70との接続箇所75を含む位置のキャビン室内側の側縁部分には、平面視で運転座席50から離れる方向に凹入する形状の凹入部S3は形成されなくなるが、運転座席50に近い側で各種のスイッチ操作具74が配設されている内側部分70Bの前端部76が電装品配置部71とボックス主部70との接続箇所75よりも機体後方側に位置していることで運転キャビン5の前方側における側部下方を覗き込み易くなる。
また、前記駐車ブレーキペダル84を、運転座席50に近い側で各種のスイッチ操作具74が配設されている内側部分70Bの前端部76よりも前方側に配設することで、座面50aよりも低い位置にあるサイドパネルボックス7の存在によって邪魔されることなく駐車ブレーキペダル84を踏み込み操作することができる。
尚、図示しないが、電装品配置部71が左右方向に向けられた計器表示部71aを備えて前記ボックス主部70の前端部から運転座席50の前方側へ延出されて、ボックス主部70と電装品配置部71との平面視での形状がL字状に屈曲した形状となるように形成されたものであってもよい。
その他の構成は前述した実施形態のものと同様である。
操縦部を構成するサイドパネルボックス7は、実施の形態で示したように、電装品配置部71とボックス主部70との接続箇所75を含む位置のキャビン室内側の側縁部分に、平面視で運転座席50から離れる方向に凹入する形状の凹入部S3を形成したものに限らず、例えば、図16示すように、前記接続箇所75から前方側に離れた位置で、サイドパネルボックス7の電装品配置部71側に、平面視で運転座席50から離れる方向に凹入する形状の凹入部S3を形成してもよい。
その他の構成は前述した実施形態のものと同様である。
操作ボックス6は、実施の形態で示したように、機体前方側の右前方側の支柱52a(フロントピラーに相当する)に支持させた構造のものに限らす、例えば、運転キャビン5の床面5Aから前記右前方側の支柱52aの近くに支持脚を立設して、その支持脚に操作ボックス6を支持させるようにしてもよい。
その他の構成は前述した実施形態のものと同様である。
運転キャビン5の乗降用ドア55は、実施の形態で示したように、機体後方側のヒンジ55aを揺動支点として開閉作動するものに限らず、例えば前記ヒンジ55aを右前方側の支柱52aに設けて、機体前方側の揺動支点周りで開閉作動するように構成されたものであってもよい。
その他の構成は前述した実施形態のものと同様である。
実施の形態では、乗降用ドア55に設けたドア窓55eや、運転キャビン5の左側面箇所に設けた横窓56aや、運転キャビン5の後側面箇所に設けた後窓58aを、それぞれ一対の透明ガラス製の引き違い戸でスライド操作により開閉可能な構成としたが、このような構造に限らず、例えば、水平方向で揺動開閉自在、あるいは上下方向で揺動自在な構造によって構成してもよい。
その他の構成は前述した実施形態のものと同様である。
乗降用ドア55のドア内面側に設けた内側把持部材55fとしては、実施の形態で示したような直線状のものに限らず、図17に示すように、運転座席50の近く位置で運転座席50側に近づくように屈曲した部分を備え、その運転座席50側に近づくように屈曲した部分にクッション材50d(肘掛け部に相当する)を装備させて肘掛けとして利用し易く構成してもよい。
その他の構成は前述した実施形態のものと同様である。
5A 床面
6 操作ボックス
7 サイドパネルボックス
40 搬送用フィーダ
41 刈取部
50 運転座席
54 フロントガラス
70 ボックス主部
71 電装品配置部
72 変速レバー
75 接続箇所
S1 開放空間
S3 凹入部
Claims (11)
- 運転座席を有する運転部と、
前記運転部の前方を覆うフロントガラスを有する運転キャビンと、を備え、
前記フロントガラスは、前記運転部の上方部から前記運転部の下方部まで達しており、
前記運転座席の横側部にサイドパネルボックスを配備し、前記サイドパネルボックスには、走行用の変速レバーが配設されたボックス主部と、前記ボックス主部の前端側に位置して電装品が配設された電装品配置部とを備え、
前記ボックス主部の前端を前記フロントガラスの背面から後方に離間させた状態で、前記電装品配置部を前記ボックス主部の前端部から片持ち状態で前方側へ延出させてあり、
前記電装品配置部を前記運転キャビンの床面との間に間隔を隔てて位置させることにより、前記電装品配置部の下側に、前記電装品配置部の下端から前記運転部の下方部まで達し、前記運転座席側から前記サイドパネルボックスが存在する側の側部下方を目視可能な開放空間を形成するとともに、前記電装品配置部を前記ボックス主部の前端部から前記運転座席の前方側に向けて屈曲させてあるコンバイン。 - 前記運転部に、操向レバーを有する操向操作部が備えられ、
前記運転部において、前記操向操作部が機体左右方向の一方側に配設されると共に、前記電装品配置部が機体左右方向の他方側に配設され、
前記フロントガラスと前記運転座席の前端との間、かつ、前記操向操作部のうち前記電装品配置部側の端部と前記電装品配置部のうち前記操向操作部側の端部との間において、前記運転座席に着座した運転者の前方の視界を阻害する障害物が存在しないように、前方空間が形成され、
前記開放空間と前記前方空間とが、前記フロントガラスに沿って左右方向に連続している請求項1記載のコンバイン。 - 前記運転部に、操向レバーを有する操向操作部が備えられ、
前記運転部において、前記操向操作部が機体左右方向の一方側に配設されると共に、前記電装品配置部が機体左右方向の他方側に配設され、
前記操向操作部の下側に、前記運転座席側から前記操向操作部が存在する側の側部下方を目視可能な別の開放空間が形成されている請求項1又は2記載のコンバイン。 - 前記フロントガラスと前記運転座席の前端との間、かつ、前記操向操作部のうち前記電装品配置部側の端部と前記電装品配置部のうち前記操向操作部側の端部との間において、前記運転座席に着座した運転者の前方の視界を阻害する障害物が存在しないように、前方空間が形成され、
前記開放空間と前記前方空間と前記別の開放空間とが、前記フロントガラスに沿って左右方向に連続している請求項3記載のコンバイン。 - 前記運転キャビンは、前記運転部の上方を覆う屋根部と、前記屋根部の前部を支持する左右一対の前支柱と、を有し、
前記フロントガラスは、左右一対の前記前支柱よりも前方側に位置している請求項1から4のいずれか一項に記載のコンバイン。 - 前記電装品配置部は、前記フロントガラスと左右一対の前記前支柱との間まで前方側へ延出されている請求項5記載のコンバイン。
- 前記電装品配置部は、前記運転キャビンの床面の前縁よりも前方側へ延出されている請求項6記載のコンバイン。
- 前記ボックス主部の前端は、左右一対の前記前支柱よりも後方側に位置している請求項5から7のいずれか一項に記載のコンバイン。
- 前記電装品配置部は、平面視で前記フロントガラスの背面に沿って屈曲形成されている請求項1から8のいずれか一項に記載のコンバイン。
- 前記電装品配置部の上面は、前記運転座席の座面よりも下方側に位置している請求項1から9のいずれか一項に記載のコンバイン。
- 前記電装品配置部、もしくは電装品配置部と前記ボックス主部との接続箇所に、平面視で運転座席から離れる方向に凹入する形状の凹入部を形成してある請求項1から10のいずれか一項に記載のコンバイン。
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