種々の実施の形態を、添付の図面を参照して、以下で説明する。これらの実施の形態は、例示であり、あくまでも例として説明され、本発明を限定しようとするものではない。
システムの概説
図1を参照すると、本発明によるモジュール式カメラシステム10が概略的に示されている。本明細書においては、カメラシステムを、主として動画カメラシステムとして説明するが、本発明の原理が、デジタル静止画カメラ、デジタルビデオカメラ、およびデジタル静止画/動画カメラ(DSMC)へと適用可能であることを、理解すべきである。
さらに、本明細書における説明は、主として本発明のカメラシステムの物理的な電子モジュールおよび光学モジュールに向けられる。しかしながら、追加のモジュール、構成部品、およびアクセサリも、本発明のシステムにおいて想定される。それらとして、例えば、レンズ、レンズマウント、安定化モジュールまたは安定化の造作、減光フィルタまたは減光フィルタを含むモジュール、別個の電子モジュールを備えても、備えなくてもよい頭脳モジュール、ユーザインターフェイスモジュール、入力/出力モジュール、種々のシステムバス構成、記録モジュール、LCDディスプレイなどの種々の表示装置、冷却ユニット、電子ビューファインダ、光学ビューファインダ、およびハンドルのいずれか、あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。
本発明のカメラに、レール、ロッド、肩マウント、三脚マウント、ヘリコプタマウント、マットボックス、フォローフォーカス制御部、ズーム制御部、ならびにこの技術分野において公知の他の造作またはアクセサリを設けることもでき、あるいは本発明のカメラを、これらと互換にすることができる。
本明細書に提示されるカメラシステムのあらかじめ較正済みのモジュール式の態様は、ユーザがさまざまな構成でモジュール式のカメラを構築することを可能にする。例えば、第1の頭脳モジュールが、第1の小さなセンササイズを有することができる。より大きなセンサ、記録領域、記録速度、などが望まれる場合には、ユーザは、本明細書において説明される種々の他の機能モジュールを第1のセンササイズを有する頭脳モジュールから切り離し、第2のより大きなセンササイズを有する第2の頭脳モジュールを使用して、モジュール式のシステムを再び組み立てることができる。第2の頭脳モジュールを含む再組み立てされたモジュールのすべてを、余分な較正または調整の工程を必要とせず、途切れることなく機能できるように、自動的に較正することができる。これにより、ユーザは、新たなカメラまたはカメラシステムを購入する必要なく、センサまたは他の頭脳部品を更新することができる。
同じ交換/更新の可能性が、本発明のシステムの各々のモジュールについても存在する。すなわち、新しい技術が利用可能になったときにモジュールを単純に取り外して交換することができるため、種々のモジュールにおいて使用される特定の技術の重要性が、従来技術のいくつかのシステムと比べて軽くなる。さらに、カメラシステム110を、頭脳モジュール112の周囲のモジュールを交換および/または配置変更し、あるいは頭脳モジュール112そのものを他の頭脳モジュールと交換することによって、特定の用途に合わせてあつらえることができるさまざまな構図で構成することができる。例えば、特定の実施の形態のカメラシステム110を、静止画の撮影に適した第1の構図(例えば、DSLRの構図)、および動画の撮影に合わせて設定された第2の構図(例えば、スタジオまたはENGの構図)での使用に合わせて構成することができる。他の例として、さらなる設定においては、システムを、スタジオでの使用に合わせたスタジオの構図および携帯での使用に合わせた可搬の構図で構成することができる。ユーザが、特定の用途に応じて、幅広くさまざまな異なる構図から広く選択を行うことができる。さらに、同じモジュールあるいは同じモジュールの組み合わせまたは部分的組み合わせを、種々の構図にまたがって使用することができ、ユーザが、状況または用途に特有のカメラを購入する必要なく、種々の状況において撮影を行うことができる。例えば、種々の実施の形態によるカメラシステム110を、これらに限られるわけではないが静止画、動画、携帯、スタジオ、固定、手持ち、プロフェッショナル、および一般消費者の各構図、あるいはこれらの任意の部分集合を含む一連の構図に合わせて構成することができる。
モジュール式のカメラシステム110は、センサ/電子機器モジュール(あるいは、頭脳モジュール)112およびレンズ116を備えている。さらに、モジュール式のカメラシステム110は、少なくとも1つの記録モジュール120、少なくとも1つのユーザインターフェイスモジュール122、少なくとも1つの電源モジュール124、少なくとも1つの入力/出力モジュール126、およびアダプタモジュール128など、1つ以上の随意によるモジュールを含むことができ、これらのモジュールと機能的に係合できるように構成される。いくつかの実施の形態においては、システム110が、それぞれの種類のモジュールを2つ以上含んでもよく、図1に関して示したモジュールのうちの1つ以上を含まなくてもよい。さらには、システム110は、図1に存在しない幅広くさまざまな他の種類のモジュールを含むことができる。
頭脳モジュール
頭脳モジュール112に収容される画像センサは、例えばCCD、CMOS、FOVEON(登録商標)センサなどの垂直積層CMOSデバイス、あるいはセンサ間で光を分割するためにプリズムを使用するマルチセンサアレイなど、さまざまな映像検出デバイスのいずれかを備えることができる。いくつかの実施の形態においては、画像センサが、約1200万個の光電セルを有するCMOSデバイスを含むことができる。しかしながら、他のサイズのセンサまたはセンサ技術も、使用することが可能である。
いくつかの構成においては、カメラを、映像を「2k」(例えば、16:9(2048×1152画素)、2:1(2048×1024画素)、など)、「3k」(例えば、16:9(3072×1728画素)、2:1(3072×1536画素)、など)、「4k」(例えば、4096×2540画素、16:9(4096×2304画素)、2:1(4096×2048画素)、など)、「4.5k」水平解像度、Quad HD(例えば、3840×2160画素)、「5k」(例えば、5120×2700)水平解像度、またはさらに高い解像度で出力するように設定することができる。本明細書において使用されるとき、xkという形式(上述の2kおよび4kなど)で表現される用語において、「x」という量が、おおよその水平解像度を指している。したがって、「4k」という解像度は、およそ4000個以上の水平方向の画素に相当し、「2k」は、およそ2000個以上の画素に相当する。
センサは、0.5’’(8mm)という小ささから、2/3’’、S35(シネ)、35mm フルフレームスチル、および645までの範囲に及ぶことができるが、少なくとも1.0インチ、6cm×17cm、あるいはそれよりも大きくてよい。頭脳モジュールの一系列においては、少なくとも10.1×5.35mm、24.4×13.7mm、30×15mm、36×24mm、56×42mm、および186×56mmのサイズを有するセンサが想定される。さらには、画像センサを、センサの所定の部分だけを選択的に出力することによって、可変の分解能をもたらすように構成することができる。例えば、センサおよび/または画像処理モジュールを、ユーザが出力される画像データの解像度を特定できるように構成することができる。
特定の実施の形態の頭脳モジュール112を、例えばカメラシステム110の「頭脳」と称することができる。すなわち、本明細書において説明されるとおり、ユーザが、異なる頭脳モジュール112または「頭脳」を選択することができ、選択した頭脳モジュール112または「頭脳」を中心にして多数の考えられる構成を有するカメラシステムを構築することができる。
カメラを、映像出力を2K、1080p、720p、または任意の他の解像度でもたらすように、センサの出力のダウンサンプリングおよび後続の処理などによって解像度を縮小するように構成することも可能である。例えば、センサからの画像データに「ウインドウ」を適用することで、出力画像のサイズを小さくし、より高い読み出し速度を可能にすることができる。あるいは、種々のセンササイズを有する頭脳モジュールを、所望の効果に応じて交換することができる。さらには、カメラを、センサの出力をアップサンプリングして映像出力をより高い分解能でもたらすように構成することができる。いくつかの実施の形態においては、センサが、Bayerパターンフィルタを備えることができる。すなわち、センサが、自身のチップセット(図示されていない)によって、画像センサの個々の光電セルによって検出される赤色、緑色、および青色の光の強さを表わすデータを出力する。さまざまなセンササイズおよび他のセンサ特性の任意のいずれかを、本発明のモジュール式カメラシステムにおいて利用することができる。
センサ/電子機器モジュール112に含まれる電子機器は、センサによって取得された画像データを処理するためのデジタル信号処理電子機器である。頭脳モジュールを、さまざまな所望の性能特性の任意のいずれかをもたらすように構成することができる。例えば、センサによって受光される光を、少なくとも約23フレーム/秒(fps)の速度で生のデジタル画像データへと変換することができ、ここで生のデータが、少なくとも約23(fps)の速度で記録モジュール120へと圧縮および記録される。種々の実施の形態において、約1fps〜約250fps、あるいはそれ以上のフレームレートを達成することができる。例えば、フレームレートは、解像度の設定に依存することができる。いくつかの実施の形態においては、カメラ10が、「5k」解像度のモードにおいて約1fps〜約100fps、「4k」解像度のモードにおいて約1〜約125fps、Quad HDのモードにおいて約1〜約125fps、「3k」解像度のモードにおいて約1〜約160fps、および「2k」解像度のモードにおいて約1〜約250fpsのフレームレートに設定される。カメラ10は、別個の圧縮モジュールを備えることができ、あるいは圧縮の電子機器を、頭脳モジュール112に保持することができる。圧縮の電子機器は、別個のチップの形態であってよく、あるいはソフトウェアおよび別のプロセッサで実現することができる。汎用プロセッサ、DSP、特注チップ、または画像処理に特化したプロセッサを、使用することが可能である。例えば、圧縮の電子機器は、JPEG 2000規格による圧縮技法または他の圧縮技法を実行する市販の圧縮チップの形態であってよい。
いくつかの実施の形態においては、圧縮モジュールが、特注のASICまたはFPGAを使用することができ、あるいは多数の市販の圧縮チップまたはチップセットのうちの1つを使用することができる。圧縮モジュールは、画像データの並列圧縮を可能にするための従属部品を含むことができる。例えば、圧縮モジュールは、第1の波長に対応するピクチャ要素を圧縮するための第1のプロセッサまたは圧縮チップと、第2の波長に対応するピクチャ要素を圧縮するための第2のプロセッサまたは圧縮チップとを使用することができる。
いくつかの実施の形態においては、圧縮モジュールが、1つ以上のJPEG 2000圧縮チップを備えている。いくつかの実施の形態においては、圧縮モジュールが、Analog Devices社から入手することができる1つ以上のADV202またはADV212 JPEG 2000 Video Codecチップを備えている。いくつかの実施の形態においては、圧縮モジュールが、QuVIS,Inc.から入手することができる1つ以上のQuVlS Digital Mastering Codecを備えている。いくつかの実施の形態においては、圧縮モジュールが、Ricoh社から入手することができる1つ以上のRB5C635 JPEG 2000 Coderを備えている。
頭脳モジュール112を、センサからのデータについて多数の種類の圧縮プロセスを実行するように構成することができる。いくつかの実施の形態においては、頭脳モジュール112が、画像処理システムによって実行される技法を利用する圧縮技法を実行する。例えば、画像処理システムを、緑色画像データの大きさを差し引くことによって赤色および青色データの値の大きさを減らすことで、より多数のゼロ値および他の効果をもたらすことができる。さらに、画像処理システムは、画像データのエントロピを使用する生データの操作を実行することができる。このように、頭脳モジュール112によって実行される圧縮技法は、そこから出力される圧縮データのサイズを小さくするために、より長いゼロの列の存在を利用する種類の技法であってよい。
さらに、頭脳モジュール112を、視覚的な劣化のない出力がもたらされるようにセンサからの画像データを圧縮するように構成することができる。頭脳モジュール112を、これらに限られるわけではないがJPEG 2000、Motion JPEG、任意のDCTベースのコーデック、RGB画像データを圧縮するように設計された任意のコーデック、H.264、MPEG4、ハフマン、または他の技法など、任意の公知の圧縮技法を適用するように構成することができる。さらに、システムの他のモジュール式の構成部品と同様に、頭脳モジュール112がモジュール式であることで、技術が進歩して新たな技法が出現するときに、他の圧縮および/または処理技法を取り入れることが可能である。
使用される圧縮技術の種類に応じて、圧縮技法の種々のパラメータを、視覚的な劣化のない出力がもたらされるように設定することが可能である。例えば、上述の圧縮技術の多くは、異なる圧縮率へと調節することが可能であり、解凍時に得られる画像は、より低い圧縮率の場合にはより高品質であり、より高い圧縮率の場合にはより低品質である。したがって、圧縮の能力を、視覚的な劣化のない出力をもたらすやり方で画像データを圧縮するように構成でき、あるいは、視覚的な劣化のない出力を得るべくユーザが種々のパラメータを調節できるように構成することが可能である。例えば、頭脳モジュール112を、約6:1、7:1、8:1、あるいはさらに高い圧縮率で画像データを圧縮するように構成することが可能である。いくつかの実施の形態においては、頭脳モジュール112を、12:1あるいはさらに高い比率まで画像データを圧縮するように構成することが可能である。いくつかの実施の形態においては、頭脳モジュール112が、約2:1、3:1、4:1、または5:1の圧縮比を達成する。
さらに、頭脳モジュール112を、圧縮比をユーザが調整することができるように構成することが可能である。例えば、カメラ110は、頭脳モジュール112による圧縮比の変更を生じさせる指令をユーザが入力できるよう、ユーザインターフェイスモジュール122に位置するようなユーザインターフェイスを備えることが可能である。このようにして、いくつかの実施の形態においては、カメラ110が可変な圧縮を提供することが可能である。
本明細書において使用されるとき、「視覚的な劣化がない」という用語は、同じ表示装置において元の(圧縮されていない)画像データと横並びで比較されたときに、当業者がどちらの画像が元の画像であるかを、拡大されていない画像の視覚検査だけでは妥当な確度で判断することができないと考えられる出力を含むように意図されている。好ましい圧縮された生のオンボード画像データの取り扱いの可能性のさらなる態様が、Jannardらの「Video Camera」という名称の2008年4月11日付の米国特許出願第12/101,882号に開示されており、この米国特許出願の全体は、ここでの言及によって本明細書に援用される。
拡張インターフェイス138に設けられるコネクタに加えて、いくつかの実施の形態の頭脳モジュール112は、種々の入力および/または出力を備えている。例えば、図1Bを参照すると、一実施の形態においては、頭脳モジュール112が、データの入力および/または出力をもたらすための種々のコネクタ101を備えている。種々の実施の形態において、そのようなコネクタ101は、1つ以上の映像(例えば、HDMI、BNC)、オーディオ入出力、データ、および/または電源のコネクタを備えている。いくつかの実施の形態においては、頭脳モジュール112が、電源ボタン102などの1つ以上の制御部を備えている。
いくつかの実施の形態においては、頭脳モジュール112の内部の種々の構成部品を、取り外すことが可能である。そのような構成部品として、例えばフィルタ(例えば、光学ローパスフィルタ(OLPF))、ケーブルコネクタ、などを挙げることができる。一実施の形態においては、センサを頭脳モジュール112から取り外し、別のセンサと交換することが可能である。
レンズマウントモジュール
図1Cを参照すると、特定の実施の形態の頭脳モジュール112に、レンズマウントモジュール114上の対をなす頭脳モジュールインターフェイス115へと着脱可能につながるレンズマウントモジュールインターフェイス113が設けられている。図1Cは、カメラシステム110のレンズマウントモジュール114を、分解された状態で図示している。レンズマウントモジュール114は、レンズ116上の対をなすインターフェイス134へと着脱可能につながるレンズインターフェイス117を備えている。
例えば、ユーザは、複数の取り付けボルト121を使用して、レンズマウントモジュール114をカメラシステム110へと着脱可能に接続することができる。他の実施の形態においては、レンズマウントモジュール114およびレンズマウントモジュールインターフェイス113の該当の部位が、スナップ式または摩擦式のはめ合い機構、ねじ式のマウント、など、他の取り付け機構を備えている。
頭脳モジュール112のレンズマウントモジュールインターフェイス113は、特定の実施の形態においては、電気コネクタ103などの電気インターフェイスを備えている。この電気インターフェイスが、レンズマウントモジュール114の頭脳モジュールインターフェイス115上の対応する電気インターフェイス(図示されていない)につながる。電気インターフェイスは、さまざまな電気接続の種類を含むことができ、例えば頭脳モジュールとマウントモジュール114およびレンズ116のうちの1つ以上との間の通信を可能にする。一実施の形態においては、電気インターフェイスによって、頭脳モジュール112が、レンズ116の焦点を自動的に合わせるべくレンズ116へと駆動信号を伝えることができる。
いくつかの実施の形態においては、レンズインターフェイス117が、固定リング118と、レンズ116を受け入れるための開口を定めている内面119とを備えている。固定リング118が、開口へのレンズ116の挿入後にユーザによって締められて、レンズ116が動かぬように固定されるが、レンズ116を所定の場所に固定するためのさまざまな機構が可能である。
モジュール式のカメラシステム110は、好ましくは、さまざまなレンズ製造者から市販されているさまざまなレンズシステムのいずれかと協働できるように構成される。すなわち、それぞれが頭脳モジュール112への着脱可能な接続のための頭脳モジュールインターフェイスを有しており、かつそれぞれがRED−PL MountまたはRED Mini PL Mount(Red Digital Cinema Camera Company)、PL Mount、Canon Mount、Nikon Mount、Medium Format Mount、Mamiya Mount、RED 617 Mount、Linhof Mount、あるいはAlpa Mountなどといった独自のレンズインターフェイスを有している複数のレンズマウントモジュール114を、用意することができる。
さらに、レンズマウントモジュール114のレンズマウントインターフェイスが、好ましくは、例えばこれらに限られるわけではないが50〜100ミリメートル(T3)ズームレンズ、50〜150ミリメートル(T3)ズームレンズ、18〜50ミリメートル(T3)ズームレンズ、18〜85ミリメートル(T2.9)ズームレンズ、300ミリメートル(T2.8)レンズ、18ミリメートル(T2.9)レンズ、25ミリメートル(T1.8)レンズ、35ミリメートル(T1.8)レンズ、50ミリメートル(T1.8)レンズ、85ミリメートル(T1.8)レンズ、85ミリメートル(T1.8)レンズ、100ミリメートル(T1.8)レンズ、および/または任意の他のレンズを含む種々のサイズのレンズシステムなど、同じレンズマウント形式の複数の異なる種類のレンズシステムの任意のいずれかを受け入れるように構成される。特定の実施の形態では、50〜100ミリメートル(F2.8)ズームレンズ、18〜50ミリメートル(F2.8)ズームレンズ、300ミリメートル(F2.8)レンズ、15ミリメートル(F2.8)レンズ、25ミリメートル(F1.9)レンズ、35ミリメートル(F1.9)レンズ、50ミリメートル(F1.9)レンズ、85ミリメートルおよび/または(F1.9)レンズが用いられる。各々のレンズマウントモジュールは、対をなすどのレンズマウントモジュール−レンズアセンブリが取り付けられても、画像の焦点を頭脳モジュール112の画像センサの感光面に正しく合わせることができるよう、該当のレンズに専用化される。
モジュール式のカメラシステムの焦点距離は、レンズマウントモジュールのレンズインターフェイスとセンサ面との間の光路に沿った直線距離である。これは、頭脳モジュール内の背面焦点距離とレンズマウントモジュールの焦点距離との合計を含む。複数のレンズマウントモジュールを、モジュール式のカメラシステムと協働するように用意することができ、各々のレンズマウントが、市販のレンズを本発明のモジュール式のカメラシステムに取り付けるように構成される。本発明によるレンズマウントモジュールは、対をなすレンズマウントモジュールおよび頭脳モジュールの合計の焦点距離が約17mm、35mm、46mm、48mm、52mm、または他の所望の焦点距離であるような焦点距離を有する。好ましくは、センサモジュールの背面焦点距離が、約16mmまでであり、いくつかの実施の形態においては約14mmまでであり、一実施の形態においては約12mmである。
上述のように、本発明のカメラシステムのあらかじめ較正されたモジュール式の態様は、ユーザが例えば第1の小さなセンササイズを有する第1の頭脳モジュールによってモジュール式のカメラを構築することを可能にする。より大きなセンサが望まれる場合、ユーザは、レンズマウントモジュールおよび電子機器モジュールを第1のセンササイズを有する頭脳モジュールから切り離し、第2のより大きなセンササイズを有する第2の頭脳モジュールを使用してモジュール式のシステムを再び組み立てることができる。第2の頭脳モジュールを含む再組み立てされたモジュールのすべては、余分な較正または調整の工程を必要とせず、途切れることなく機能できるように、自動的に較正される。これにより、ユーザは、新たなカメラまたはカメラシステムを購入する必要なく、センサを更新することができる。同じ交換/更新の可能性が、システムの各々のモジュールについて存在する。
システムは、とくにはレンズ交換時の機械的公差の小さな変化または温度変化などの因子に起因する焦点距離の変化を考慮して、カメラのレンズ116とセンサとの間の焦点距離について細かい調節を可能にする焦点較正装置をさらに備えることができる。そのような較正装置は、レンズ較正プロセスを簡単化および迅速化すべくユーザが容易に操作することができる合焦リングなど、比較的単刀直入な制御を有することができる。
いくつかの実施の形態においては、焦点較正装置または焦点較正装置の一部分が、レンズマウントモジュール114、センサモジュール112、またはこれらの組み合わせに含まれてもよい。一実施の形態においては、較正装置の全体が、レンズマウントモジュール114に含まれる。例えば、焦点較正装置は、センサとレンズとの間の光路に沿った長さについて、いくつかの実施の形態においては約0.002インチ以下、いくつかの実施の形態においては約0.001インチ以下、いくつかの実施の形態においては0.0005インチ以下の制御された調節を可能にする。調節は、連続的な原理にもとづいても、段のある関数であってもよい。本明細書に記載のカメラシステムにおいて使用することができる焦点較正装置の例を、ここでの言及によってその全体が本明細書に援用される2009年11月24日付の米国特許出願第12/625,451号(‘451号出願)に記載されている。
さらには、本明細書に開示のモジュール式のカメラシステムの拡張モジュールを、任意の順序で互いに接続することができ、さらには/あるいは任意の順序で頭脳モジュールへと接続することができる。この機能が、種々のモジュールを含むカメラシステム200の概略図である図2に関して説明される。モジュール式のカメラシステム210が、センサ/電子機器モジュール212、レンズ216、ならびに記録モジュール220、ユーザインターフェイスモジュール222、電源モジュール224、入力/出力モジュール226、および随意によるアダプタモジュール228を含む種々の拡張モジュールを備えている。
破線によって示されるように、種々のモジュールは、おおむね任意の順序で相互の接続および頭脳モジュール212への接続が可能である。さらに、カメラシステム200は、レンズマウントモジュール214を備えることができる。さらに図2を参照すると、随意による画像安定化モジュール218を、この技術分野において知られるとおりの画像の安定化を可能にするために設けることができる。一実施例では、画像安定化モジュール218が、頭脳モジュール212とレンズマウントモジュール214との間に接続されるように構成される。
種々の実施の形態においては、頭脳モジュール212、記録モジュール220、ユーザインターフェイスモジュール222、電源モジュール224、入力/出力モジュール226、およびアダプタモジュール228を含む図2のカメラシステム210のモジュールが、図1のカメラシステム110の該当のモジュールとおおむね同様または同一であってよい。あるいは、他の実施の形態においては、図2のカメラシステム210のモジュールのうちの1つ以上が、図1のカメラシステム110のモジュールと異なっている。
アダプタモジュール
再び図1Aおよび1Bを参照すると、互換な頭脳モジュールは、さまざまな物理的寸法、機械的接続の種類、および/または電気的接続の種類を有することができる。他方で、システムの種々の他のモジュールは、おおむね共通のインターフェイスの種類を有しており、本明細書に記載されるとおり、任意の順番での相互接続または積み重ねを可能にしている。
頭脳モジュールと他のモジュールに含まれる共通なインターフェイスとの間の接続を可能にする特定の実施の形態におけるアダプタモジュール128が、さまざまなインターフェイスの種類を有するさまざまなセンサモジュールをモジュール式にて拡張できるようにする。随意によるアダプタモジュール128が、頭脳モジュール112とカメラシステム110の種々の拡張モジュール(例えば、記録モジュール120、ユーザインターフェイスモジュール122、電源モジュール124、および/または入力/出力モジュール126)との間のインターフェイスを提供する。アダプタモジュール128を、本明細書においては、入れ換え可能にアダプタモジュール128またはアダプタプレート128と称することができる。
例えば、いくつかの実施の形態におけるアダプタモジュール128は、機械的なインターフェイスが異なる頭脳モジュール112と種々の他のモジュールとの間の機械的な変換を提供する。いくつかの実施の形態においては、アダプタモジュール128が、頭脳モジュール112の電気インターフェイスとシステム110の種々の他のモジュールの電気インターフェイスとの間の電気的な変換を提供する。
頭脳モジュール112は、拡張インターフェイス138を備えており、入力/出力モジュール126、記録モジュール120、および電源モジュール124を含む拡張モジュールが、これらのモジュールの各々に共通の第1のインターフェイス142を備えている。いくつかの構成においては、頭脳モジュール112が、例えば頭脳モジュール112の側面などに、1つ以上のさらなる拡張インターフェイス138を備えてもよい。
頭脳モジュール112の拡張インターフェイス138は、特定の構成においては、拡張モジュールの第1のインターフェイス142と機械的、電気的、またはそのほかの点で、必ずしも互換でなくてもよい。例えば、拡張インターフェイス138が、第1のインターフェイス142と機械的に協働しない。この非互換性に対処するために、アダプタモジュール128が、頭脳モジュール112の拡張インターフェイス138と協働するように構成された頭脳モジュールインターフェイス136と、カメラシステム110の特定の拡張モジュールに共通の第1のインターフェイス142と協働するように構成されたモジュールインターフェイス140とを備えている。すなわち、アダプタモジュール128が、頭脳モジュール112と例えば入力/出力モジュール126、記録モジュール120、電源モジュール124、および他のモジュールのうちの1つ以上を含む拡張モジュールとの間の協働を、可能にする。
上述のように、アダプタモジュールを、さまざまな頭脳モジュールとともに使用されるように設計することができる。例えば、いくつかの実施の形態においては、第1のアダプタモジュールが、第1の頭脳モジュールと一緒に使用されるように設計され、第2のアダプタモジュールが、第2の頭脳モジュールと一緒に使用されるように設計される。図3Aおよび3Bが、図1の頭脳モジュール112とは異なる頭脳モジュール312を含んでいるモジュール式のカメラシステム310の別の構成の前方および後方からの斜視分解図である。さらに、モジュール式のカメラシステム310は、レンズ316およびアダプタモジュール328を含んでいる。また、モジュール式のカメラシステム310は、例えば図1の記録モジュール120、ユーザインターフェイスモジュール122、電源モジュール124、および入力/出力モジュール126など、種々のモジュールを含むことができる。
図示のとおり、図3の頭脳モジュール312は、拡張モジュール120、124、126よりも細い。したがって、アダプタモジュール328が、頭脳モジュール312上のインターフェイス338と協働するように構成された第1のインターフェイス336を終端とする狭い部分344を含んでいる。さらに、アダプタモジュール328は、拡張モジュール120、124、126の幅と同様の幅を有する幅広い部分346を含んでいる。幅広い部分346は、拡張モジュール120、124、126の第1のインターフェイス142と協働するように構成された第2のインターフェイス340を終端としている。
このように、図1のカメラシステム110のアダプタモジュール128が、第1の頭脳モジュール112と一緒に使用されるように設計され、図3の第2のアダプタモジュール328が、第2の頭脳モジュール312と一緒に使用されるように設計される。したがって、各々が共通の拡張モジュールインターフェイスおよび固有の頭脳モジュールインターフェイスへの着脱可能な接続のためのインターフェイスを有しているさまざまなアダプタモジュールを用意することができる。
頭脳モジュールインターフェイスの種類に応じて、さまざまなアダプタモジュールの構成が可能である。例えば、比較的幅広く、背が高く、あるいは不規則な形状である頭脳モジュールと一緒に使用されるアダプタモジュールなど、種々の物理的特徴を有する頭脳モジュールと一緒に使用されるように設計されたアダプタモジュールを、用意することができる。いくつかの実施の形態においては、アダプタモジュールが、拡張モジュールの電気接続の種類とは異なる電気接続の種類を有する頭脳モジュールと取り合うように設計される。
種々の実施の形態において、モジュールのうちの1つ以上が、アダプタモジュールを使用することなく頭脳モジュールのインターフェイスに直接的に着脱可能に接続可能かつ他の点で互換であってよい。例えば、ユーザインターフェイスモジュール122が、図1の頭脳モジュール112の拡張インターフェイス138および図3の頭脳モジュール312のインターフェイス338に着脱可能に係合できるインターフェイス148を備えることができる。そのような実施の形態において、さらにユーザインターフェイスモジュール122が、図1のアダプタモジュール128のモジュールインターフェイス140および/または図3のアダプタモジュール328のインターフェイス340に着脱可能に係合可能であってよい。
いくつかの実施の形態においては、アダプタモジュール128が含まれず、頭脳モジュール112が、カメラシステム110の拡張モジュール(例えば、記録モジュール120、電源モジュール124、および/または入力/出力モジュール126)の第1のインターフェイス142と協働するように構成される。
拡張モジュール
再び図1Aおよび1Bを参照すると、モジュール式のカメラシステム110の拡張モジュールは、任意の順序で相互の接続および/または頭脳モジュール112への接続が可能である。本発明のカメラシステムにおいて使用されるモジュールとして、これらに限られるわけではないが、少なくとも1つの記録モジュール120、少なくとも1つのユーザインターフェイスモジュール122、少なくとも1つの電源モジュール124、および少なくとも1つの入力/出力モジュール126が挙げられる。これらの拡張モジュールは、本明細書において、入れ換え可能に機能モジュール、拡張モジュール、およびモジュールと称される。
いくつかの実施の形態の少なくとも1つの記録モジュール120は、第1の記録モジュール120aおよび第2の記録モジュール120bを含んでいる。一実施の形態においては、第1の記録モジュール120aが、ソリッドステートディスク(「SSD」)を備え、第2のモジュール120bが、CFメモリカードを含む。種々の構成において、おおむね任意の互換のストレージ技術を使用することができる。例えば、記録モジュール120は、ハードドライブ、回転ドライブ、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ、RAID装置、光ディスク、またはこの技術分野において開発されうる他の技術など、種々のメモリ技術のいずれかを含むことができる。本発明のシステムの他のモジュールと同様に、新しい技術が利用可能になったときにモジュールを単純に取り外して交換することができるため、現在のモジュールにおいて使用される特定の媒体の重要性は、従来技術のいくつかのシステムと比べて軽い。カメラシステム110が、2つの記録モジュール120a、120bからなる組を示しているが、用途に応じ、記録モジュールを1つだけ使用しても、3つ以上の記録モジュールを使用してもよい。
いくつかの実施の形態においては、記録モジュール120のストレージ媒体またはその一部が、記録モジュール120のハウジングには一体化されない。そのような実施の形態においては、記録モジュール120を、1つ以上のメモリデバイスを取り外し可能に受け入れるように構成することができる。例えば、図1Bを参照すると、一実施の形態の第1の記録モジュール120aが、1つ以上のソリッドステートハードドライブ105を受け入れるためのドライブベイ104を備えている。一実施の形態においては、第2の記録モジュール120bが、CFカード107を取り外し可能に受け入れるためのスロット106を備える。他の実施の形態においては、おおむね任意の種類のストレージ媒体および対応する受け入れの機構を、使用することができる。
いくつかの実施の形態においては、ストレージデバイスのサイズを、12メガピクセルの解像度、12ビットの色分解能、および毎秒60フレームの少なくとも約30分の映像に対応する圧縮回路からの画像データを保存するために充分に大きくすることができる。しかしながら、ストレージデバイスは、任意の所望のサイズを有することができる。本発明の一実施例では、記録モジュール20が、1つまたは2つ以上の2.5’’160GBラップトップハードドライブをハードウェアにもとづくRAIDに配置して含むことができる。
いくつかの実施の形態においては、記録モジュールを、モジュール式のカメラの外側に取り付けることができる。第2のストレージデバイスを、カメラへと取り付けられ、あるいはカメラの外部に位置するさらなる記録モジュールによって保持することができる。ストレージデバイスを、これらに限られるわけではないが、例えばEthernet、USB、USB2、USB3、IEEE 1394(これらに限られるわけではないがFireWire 400、FireWire 800、FireWire S3200、FireWire S800T、i.LINK、DV、など)、SATA、およびSCSIなどの標準的な通信ポートまたは特注の通信ポートを介して、他の構成部品へと接続することができる。さらには、いくつかの実施の形態においては、ストレージデバイスが、RAIDプロトコルのもとで動作するものなど、複数のハードドライブを含むことができる。しかしながら、任意の種類のストレージデバイスが使用可能である。
図1Bを参照すると、ユーザインターフェイス122が、取得した画像を検査するための観察画面123およびカメラを操作するための制御部146など、種々の標準的なユーザインターフェイスの特徴の任意のいずれかを含んでいる。画面123は、制御部146が一体化されてなるタッチ式画面であってよく、あるいはつまみ、キーパッド、などといった別個の制御部146が使用されてもよい。制御部146は、例えばカメラを動画モードと静止画モードとの間で切り換え、記録モードを入力し、表示装置またはカメラシステム110の他の構成部品のうちの1つ以上を操作するなど、種々の機能を提供することができる。ユーザインターフェイスモジュール122は、例えば、いくつかの実施の形態においては、カメラをDSLRモードへと切り換えることができる。
いくつかの実施の形態においてはユーザインターフェイス122および/または頭脳モジュール112が、画像データの解像度を下げてユーザインターフェイスモジュール122のモニタへと出力するように構成されたサブサンプリングスシステムを備えることができる。例えば、そのようなサブサンプリングシステムを、2K、1080p、720p、または任意の他の解像度をサポートすべく映像データを出力するように構成することができる。いくつかの実施の形態においては、デモザイキングに使用されるフィルタを、ダウンサンプリングおよびフィルタ処理を同時に実行できるよう、ダウンサンプリングのフィルタ処理も実行するように構成することができる。頭脳モジュール112を、センサからのデータへと任意の種類のデモザイキングプロセスを実行するように構成することができる。その後に、デモザイキング後の画像データを、モニタ上に表示することができる。
ユーザインターフェイスモジュール122の表示装置123は、任意の種類の観察装置を含むことができる。例えば、これに限られるわけではないが、表示装置は、ユーザインターフェイス122によってサポートされる4インチのLCDパネルであってよい。特定の実施の形態においては、カメラ110が、ユーザインターフェイスモジュール122に組み込まれた表示装置123に代え、あるいはこの表示装置123に加えて、別の表示装置を備える。種々の他の実施の形態においては、表示装置が、2.8、5、7、または9インチのLCDパネルである。いくつかの実施の形態においては、表示装置を、ユーザがカメラ110に対する任意の角度において表示装置を眺めることができるよう、表示装置をユーザインターフェイスモジュール122およびカメラシステム110のハウジングに対して任意の位置へと調節できるように構成された無限の調節が可能な取り付け具へと、接続することが可能である。いくつかの実施の形態においては、表示装置を、例えばRGBまたはYCC形式の映像ケーブルなど、任意の種類の映像ケーブルによってモニタモジュールへと接続することができる。後述される図12が、視認の角度を調節できる別個の表示装置を備えている典型的なカメラの構成を含んでいる。
好ましくは、ユーザインターフェイスモジュール122が、頭脳モジュール112との無線通信のための無線トランシーバを備えている。一実施の形態においては、ユーザインターフェイスモジュール122が、ユーザインターフェイス122が頭脳モジュール112の特定の距離(例えば、100フィート)の範囲内にある場合に、頭脳モジュール112と通信するように構成される。これは、後述されるように、システムへの物理的な接続のためのユーザインターフェイスモジュール122内の有線バスと並列である。これにより、ユーザインターフェイスモジュール122を、モジュール式のカメラへと直接に取り付けて有線接続することができ、あるいはモジュール式のカメラから取り外し、カメラの機能を制御すべく遠隔で動作させることができる。他の実施の形態においては、ユーザインターフェイスモジュール122が、頭脳モジュール112への無線接続を備えず、物理的な接続だけを備えており、あるいはその反対である。
いくつかの実施の形態においては、ユーザインターフェイスモジュールの機能の種々の態様を、頭脳モジュール112または他のモジュールなどといったカメラシステムの他の部分に分散させ、さらには/あるいは複製させることができる。例えば、頭脳モジュール112が、ユーザインターフェイスモジュール122に設けられる制御部と同様の1つ以上の制御部を備えることができる。
本発明の特定の実施例においては、モジュール式のカメラが、デジタル静止画および動画モード(DSCM)の各々で動作する。このモードにおいて、ユーザインターフェイスモジュール122は、好ましくは、カメラが動画カメラとして使用される場合には、動画のための適切な設定、制御部、およびフィードバックを表示するように構成され、ユーザインターフェイスモジュール122は、カメラが静止画モードで利用される場合には、あらかじめ設定された表示および制御の様態へと自動的に切り換わる。表示および制御部を、動画モードの撮影を有効にするための第1のスイッチまたはボタンならびに静止画の撮影を有効にするための第2のスイッチまたはボタンなどといった制御部の操作に応答して、動画モードと静止画モードとの間で自動的に切り換えることができる。このやり方で、撮影者は、単純に右のシャッタ制御部を選択することによって静止画撮影と動画撮影との間を所望のとおりに切り替えることができ、ユーザインターフェイスの設定が自動的に変更され、あるいはユーザインターフェイスが適切なフィードバックおよび制御部の間を交互に切り替わる。シャッタ制御スイッチは、種々のトリガスイッチ、押しボタン、トグルスイッチ、スライダスイッチ、つまみ、タッチ画面センサ、またはこの技術分野において公知のとおりの他のスイッチのいずれかであってよい。第1および第2のスイッチを、互いに隣接して位置させることができ、異なるサイズ、形状、肌理、またはこれら制御部の取り付け先のモジュール本体の隣接部分からの高さなどによって、区別することができる。
例えば、ユーザは、5K、ISO 500、絞り優先、F5.6、平均測光、連続オートフォーカスモード、5FPS、およびソフトウェアの選択など、静止画撮影の好みを設定することができる。これらの変数のいずれも、ユーザが特定の用途に合わせた所望の好みを設定するまで、所望のとおりに変更することができる。同じ設定で動画を撮影するために、ユーザは、4K、ISO500、手動露出補正、60FPS、および異なるソフトウェアの選択を選択することができる。両方の設定の組がカメラに保持される。ユーザが「静止画」記録ボタンを押すと、静止画の好みのすべてが実行され、さらには/あるいはLCDまたは他のモニタ上に表示される。その後に、ユーザが「動画」記録ボタンを押すと、カメラは、前もって選択された動画関連の好みを自動的に実行および/または表示し、したがってユーザが手動でカメラの設定をやり直す必要がない。好ましくは、ユーザが、モニタまたはEVFから目を離さなくてもモードの切り替えを行うことができるよう、触覚によるフィードバックまたは他の機構などによって動画記録および静止画記録の制御部を区別することができる。
電源モジュール124が、電池、燃料電池、太陽、変圧器またはスタジオ電源などからのライン入力、あるいは他の電源、もしくはこれらの組み合わせなど、公知のさまざまな電源の任意のいずれかを備えることができる。モジュール式のカメラシステム110は、1つ、2つ、3つ、または4つ以上の電源モジュール124を備えることができ、それらを、システムの所望の物理的構成に応じて、他のモジュールに対して任意の順序でモジュールアセンブリへと積み重ねることができる。いくつかの実施の形態においては、単一の電源モジュール124が、2つ、3つ、または4つ以上の個別の電源(例えば、電池)を備えることができる。いくつかの実施の形態においては、個々の電源が、電源モジュール124から取り外し可能であってよい。一実施の形態においては、電源モジュール124が、4つの個別の電池を備える四連電池パックを備える。電源モジュール124は、多くの場合に、種々のモジュールのうちで最も重い。したがって、電源モジュール124をシステムの光軸に沿って他のモジュールに対して前方方向または後方方向に移動させると、システムの重心が変化する。これを、ENGモードに対してDSLRモードに設定された場合など、意図される構成にとってカメラのバランスを最適にするために利用することができ、および/または、より大型または小型のレンズの使用において所望のバランスをもたらすために利用することができる。そのようなバランスを、電源モジュール124に代え、あるいは電源モジュール124に加えて、本明細書に記載の拡張モジュールのおおむね任意のいずれかを動かすことによって実現することができる。
本発明のモジュール式のカメラシステムにおけるさらなる選択肢は、モジュールの積層へと物理的に接続することが可能である1つ、2つ、または3つ以上のダミーモジュール(図示されていない)を設けることである。ダミーモジュールは、ダミーモジュールが積層の後部よりも頭脳モジュールの近くに配置される場合などに、ダミーモジュールを通ってバスを完成させるための内部の電子機器を備えている。ダミーモジュールは、好ましくは、貫通のバス配線を有するが、追加の重量または電子機器は有さず、あるいは所定の重量格付けを有するモジュールハウジングを備えている。これにより、システム全体の重心を、特定の構成について所望されるとおりにさらに移動させることができる。加えて、1つ以上のダミーモジュールを使用することで、残りのモジュールの頭脳モジュールに対する配置を変更することができ、これは後述のように望ましいかもしれない。
さらにダミーモジュールは、モジュール式のカメラシステムのさらなる拡張を可能にする機械的な接続点または取り付け点を備えることができる。例えば、ダミーモジュールまたは本明細書に記載の他のモジュールが、レール、ハンドル、ビューファインダ、肩パッド、または任意の他の適切なカメラ部品、などといった部品のための取り付け部を備えることができる。種々の実施の形態において、取り付け部は、取り付け棒、留め金、クランプ、雄ねじまたは雌ねじ部、はめ込みまたは押し込み機構、などを備えることができる。
上述のように、本発明によるモジュール式のカメラを、動画撮影、静止画撮影、またはDSMC(デジタル静止画および動画)の仕事に合わせて入れ換え可能に構成することができる。デジタル静止画撮影においては、入力/出力モジュール126を、ユーザの好みに応じて利用しても、利用しなくてもよい。しかしながら、動画モードでの撮影の場合には、入力/出力モジュール126が好ましくは設けられる。システムの他のモジュールと同様に、入力/出力モジュール126は、頭脳モジュール112へと直接的または間接的に任意の順序で取り付けられるように構成される。
入力/出力モジュール126は、例えばオーディオ信号、同期信号、デュアルリンクHD−SDIモニタリング、および映画制作環境において有用な他の接続部など、さまざまな入力および/または出力接続部108を含むことができる。一般に、特定の入力/出力モジュール126の構成を、制作の要件およびユーザの好みに合わせて特注することができる。
さらには、いくつかの実施の形態の入力/出力モジュール126は、電子ビューファインダの表示画面など、本明細書に記載の表示画面のうちの1つを接続するためのインターフェイス109を備える。
映画の技術分野において理解されているとおり、動画カメラは、支持フレーム、ケーブル、レール、ロッド、肩マウント、三脚マウント、および他の設備が小さな空間または余裕のない空間に密に詰め込まれた環境に取り付けられ、使用されることが多い。したがって、入力/出力モジュール126を他のモジュールに対して光軸に沿って前方または後方へと動かすことができることは、モジュール126へと接続される入力/出力ケーブルの配置を、隣接のケーブルおよび構造物による妨げを最小限にするやり方で変更できるという価値ある利益をもたらす。これは、上述の機能モジュールを配置し直すことによって達成でき、さらにはモジュールの積層に1つ以上のダミーモジュールを配置することによって達成できる。
図1〜3は、現時点において想定されるいくつかの典型的なモジュール種を含む特定の典型的な構成を示している。特定のユーザの要求に従って専用設計されたモジュールなど、他の種類のモジュールも使用可能である。さらには、種々の構成において、使用される拡張モジュールの個数が、他の個数であってもよい。例えば、再充電までの動作時間を長くするために、多数の電源モジュール124を使用することができる。さらなる種類の入力および出力を有している入力/出力モジュール126などの第2の入力/出力モジュール126を使用し、入力/出力の能力の向上をもたらすことができる。他の構成においては、図1〜3に図示したモジュールのうちの1つ以上が含まれず、あるいは図示のモジュールが、別の物理的な配置に配置される。
本明細書に記載のとおり、図1に示されていない種々の他の種類のモジュールを実現することができる。一例として、一実施の形態においては、図示のモジュールのうちの1つ以上または他の何らかのモジュールが、例えばファンなどの冷却ユニットを備える。さらには、特定のモジュールの機能を、ただ1つの着脱式のモジュールへと結合させることができる。例えば、種々の実施の形態において、個々のモジュールが電源、記録の能力、入力/出力機能、ユーザインターフェイスの能力、または他の能力のうちの2つ以上を含むことができる。さらに、本明細書に記載のカメラシステム110のモジュールの態様のいくつかが、いくつかの別の実施の形態においては、フィルム記録と互換であってよい。例えば、一実施の形態においては、頭脳モジュール112が、デジタルセンサの代わり、またはデジタルセンサに加えて、写真用フィルムを受け入れて露光するように構成される。
モジュールインターフェイス
図4を参照すると、本発明による1つのモジュール430の一実施の形態の概略図が示されている。図4のモジュール430は、本明細書に記載の電子機器モジュールのいずれかであってよい。これは、光学信号を受け取るように構成される頭脳モジュール112、レンズマウントモジュール114、および画像安定化モジュール118(存在する場合)などといった光学モジュールから区別されるが、これらのモジュールも、モジュール430のインターフェイスおよび造作と同様のインターフェイスおよび造作を備えることができ、逆もまた然りである。
図4を参照すると、モジュール430は、ハウジング432を備えている。ハウジング432に、隣のモジュールへの着脱可能な接続のための第1のインターフェイス434が少なくとも設けられている。上述の図において理解されるとおり、ハウジング432は、好ましくは、モジュールを積層において2つの他のモジュールの間に配置し、積層において2つの他のモジュールの間に電気的および機械的に関係させることができるよう、2つ以上のインターフェイスを備えている。第1および第2のインターフェイスを、モジュールの反対向きの表面に設けることができ、あるいはモジュールを非直線の構成に積み重ねることができるよう、モジュールの隣り合わせの表面に設けることができる。
図示の実施の形態においては、第1のインターフェイス434が、ハウジング432の第1の表面436に設けられ、第2のインターフェイス(図示されていない)が、好ましくは図4では見て取ることができないハウジングの第2の反対向きの表面に設けられる。第1のインターフェイス434および第2のインターフェイスのうちの1つ以上を、本明細書に記載の頭脳モジュールのうちの1つなどの頭脳モジュールのインターフェイスと協働するように構成することができる。このようにして、1つ以上のモジュールを、頭脳モジュールへと積層することができる。さらに、アダプタモジュールが使用される実施の形態においては、第1のインターフェイス434および第2のインターフェイスのうちの1つ以上を、頭脳モジュールと直接協働するのではなく、アダプタモジュールと協働するように構成することができる。インターフェイスは、隣のモジュールとの電気通信をもたらすために、多機能の電気コネクタ438を備える。さらにインターフェイスは、隣のモジュールの着脱可能な機械的固定を容易にするために、機械コネクタ440を備える。あるいは、多機能の電気コネクタ438を、隣接モジュール間の機械的な連結を実行するためにも利用することができる。
図5が、図1の頭脳モジュール112の後面図を示しており、図6Aが、図1のアダプタモジュール128の正面図を示している。頭脳モジュール112の拡張インターフェイス138が、対応するアダプタモジュール128の頭脳モジュールインターフェイス136と協働するように構成されている。インターフェイスは、頭脳モジュール112とアダプタモジュール128との間の着脱可能かつ堅固な電気通信および機械的連結を果たすように構成されている。
図5および6Aを参照すると、頭脳モジュール112の拡張インターフェイス138が、アダプタモジュール128の頭脳モジュールインターフェイス136の該当のインターフェイスと着脱可能に係合するように構成された機械インターフェイスを有している。一実施の形態の機械インターフェイスは、取り付け面139と、固定用の切り欠き151を有する支持部150と、穴152とを備えている。
拡張インターフェイス138は、第1および第2のコネクタ154、156を含む電気インターフェイスをさらに備えている。特定の実施の形態の第1および第2のコネクタ154、156は、アダプタモジュール128およびアダプタモジュールを介して取り付けられるおおむね任意の拡張モジュールとの電気通信を提供するための多機能電気コネクタを備えている。他のいくつかの実施の形態においては、電気インターフェイスが、ただ1種類の電気コネクタを備え、あるいは2種類以上の電気コネクタを備える。
一実施の形態においては、アダプタモジュール128の該当する頭脳モジュールインターフェイス136が、取り付け面156、支持用の凹所158、およびペグ160を備えている機械インターフェイスを含む。機械インターフェイスが、頭脳モジュール112の取り付け面139、支持部150、および穴152などといった、頭脳モジュール112の拡張インターフェイス138の該当する造作のそれぞれと協働するように構成されている。このようにして、対応する機械インターフェイスが、頭脳モジュール112とアダプタモジュール128との間の着脱可能な機械的連結を提供する。
さらに図5および6Aを参照すると、支持部150および対応する支持用の凹所158が、等脚台形として形作られ、組み立てられた状態においてアダプタモジュール128および取り付けられたあらゆる拡張モジュールの重量の頭脳モジュール112への効率的な分布をもたらしている。他の構成においては、矩形、正方形、円形、および他の形状など、さまざまな形状を支持部150および凹所158に使用することができる。支持部150および凹所158が端部に角がある形状(例えば、矩形、正方形、三角形)を備える特定の実施の形態においては、そのような角を鈍くし、丸くし、あるいは他のやり方で滑らかにし、支持部150と凹所138との間の応力(例えば、破壊力)を最小にすることが好ましい。例えば、支持部150および凹所158が、おおむね三角形であるが、平たい上部および丸みを帯びた下部の角をそれぞれ備える。
アダプタモジュール128は、コネクタ164を含む電気インターフェイスをさらに備えている。コネクタ164は、頭脳モジュール112の第2のコネクタ156と協働し、頭脳モジュール112とアダプタモジュール128との間の電気通信をもたらすように構成されている。凹所162が、頭脳モジュール112の第1のコネクタ154を物理的に受け入れる。いくつかの実施の形態においては、凹所164が、頭脳モジュール110の第1のコネクタ154との電気通信を行うように構成された電気コネクタを備える。他の実施の形態においては、凹所が、電気通信を行うようには構成されていない。
頭脳モジュール112の第1および第2の電気コネクタ154、156ならびにアダプタモジュール128の対応する凹所162およびコネクタ164が、頭脳モジュール112とアダプタモジュール128との間の機械的な連結をさらに提供してもよい。
頭脳モジュール112の拡張インターフェイス138は、特定の実施の形態においては、中間のアダプタモジュール128を必要とせずに、拡張モジュールのうちの1つ以上と直接取り合うように構成される。例えば、ユーザインターフェイスモジュール122が、いくつかの実施の形態においては、図8に関して後述されるように、頭脳モジュール112と直接取り合う。他の実施の形態においては、アダプタモジュール128が使用されず、他の拡張モジュールが、頭脳モジュール112に直接結合するように構成される。
図6Bが、図1のアダプタモジュール128の後面図を示している。図7Aおよび7Bが、図1の第2の記録モジュール120bの正面図および後面図を示している。第2の記録モジュール120bは、第1のインターフェイス142および第2のインターフェイス144を備えている。記録モジュール120bが、例示の目的で示されているが、他の拡張モジュール(例えば、第1の記録モジュール120a、電源モジュール124、および入力/出力モジュール126)のうちの1つ以上が、記録モジュール120bのものとおおむね同一の第1のインターフェイス142および第2のインターフェイス144を備え、拡張モジュールの互換性を可能にしている。
アダプタモジュール140のモジュールインターフェイス140および第1のインターフェイス142が、アダプタモジュール128と種々の拡張モジュール(第2の記録モジュール120bなど)との間の着脱可能かつ確実な電気通信および機械的連結を果たすように構成されている。
アダプタモジュール128のモジュールインターフェイス140が、拡張モジュール(記録モジュール120bなど)の第1のインターフェイス142の該当の機械インターフェイスと着脱可能に係合するように構成されている。一実施の形態の機械インターフェイスは、取り付け面166と、下部穴168a、168bと、固定用の切り欠き171を有する支持部170と、凹所172a、172bと、上部スロット174とを備えている。
モジュールインターフェイス140は、第1および第2の電気コネクタ176、178を含む電気インターフェイスをさらに備えている。第1および第2のコネクタ176、178は、拡張モジュールとの電気通信をもたらすための多機能電気コネクタを備えている。他のいくつかの実施の形態においては、電気インターフェイスが、ただ1種類の電気コネクタを備え、あるいは2種類以上の電気コネクタを備える。
第1のインターフェイス142が、取り付け面180と、ペグ181a、181bと、支持用の凹所183と、リブ182a、182bと、上部スウッシュ184とを有する機械インターフェイスを備えている。インターフェイスは、取り付け面166、下部スロット168a、168b、支持部170、凹所172a、172b、および上部スロット174などといったモジュールインターフェイス140の機械インターフェイスの該当の造作のそれぞれと対をなすように構成されている。
第1のインターフェイス142は、電気コネクタ186を有する電気インターフェイスをさらに備えている。電気コネクタ186が、アダプタモジュール128の第2のコネクタ178と協働し、頭脳モジュール112とアダプタモジュール128との間の電気通信をもたらすように構成されている。凹所185は、アダプタモジュール128の第1のコネクタ176を物理的に受け入れる。いくつかの実施の形態においては、凹所185が、アダプタモジュール128の第1のコネクタ176に動作可能に結合できる電気コネクタをさらに備える。アダプタモジュール128の第1および第2のコネクタ176、178、ならびに記録モジュール120bおよび他の拡張モジュールの対応する凹所185およびコネクタ186が、アダプタモジュール128と拡張モジュールとの間の機械的な連結をさらにもたらしてもよい。
図7Bを参照すると、記録モジュール120bおよび他の拡張モジュールは、第2のインターフェイス144を備える。上述のように、特定の実施の形態においては、図1に示されているように、拡張モジュールの各々が、好ましくは、記録モジュール120bの第1のインターフェイス142および第2のインターフェイス144と実質的に同じ第1のインターフェイス142および第2のインターフェイス144を、モジュールの反対向きの面に備えている。いくつかの実施の形態においては、第2のインターフェイス144が、第1のインターフェイス142と協働するように構成された形式のインターフェイスである。したがって、拡張モジュールを、本明細書に記載のとおりにユーザがカスタマイズできる構成に合わせて、おおむね任意の順序で積層することができる。
さらに、上述したように、第2のインターフェイス144およびアダプタモジュール128のモジュールインターフェイス140の両方が、拡張モジュールの第1のインターフェイス142と協働するように構成される。すなわち、第2のインターフェイス144が、アダプタモジュール128のモジュールインターフェイス140と実質的に同じであってよく、あるいはアダプタモジュール128のモジュールインターフェイス140と実質的に同様の機械的および電気的インターフェイスを備えることができる。例えば、第2のインターフェイス144が、第1のインターフェイス142の該当の機械インターフェイスと着脱可能に係合するように構成された機械インターフェイスを有する。一実施の形態の機械インターフェイスは、取り付け面187と、下部穴188a、188bと、固定用の切り欠き199を有する支持部190と、凹所189a、189bと、上部スロット191とを備える。
いくつかの実施の形態の第2のインターフェイス144は、第1および第2の電気コネクタ192、193を含む電気インターフェイスをさらに備えている。第1および第2のコネクタ192、193は、他の拡張モジュールとの電気通信をもたらすための多機能電気コネクタを備えている。他のいくつかの実施の形態においては、電気インターフェイスが、ただ1種類の電気コネクタを備え、あるいは2種類超の電気コネクタを備える。第2のインターフェイス144の機械および電気インターフェイスは、アダプタモジュール128のモジュールインターフェイス140とおおむね同様のやり方で、第1のインターフェイス142の該当の造作との機械的な連結および電気的な接続を果たす。
図8が、ユーザインターフェイスモジュール122のインターフェイス194の詳細図を示している。インターフェイス194は、ユーザインターフェイスモジュール122とモジュール式のカメラシステム110の種々の拡張モジュールとの間の着脱可能かつ確実な電気通信および機械的連結を果たすように構成されている。例えば、ユーザインターフェイスモジュール122は、拡張モジュールの第2のインターフェイス144、アダプタモジュール128のモジュールインターフェイス、および/または頭脳モジュール112の拡張インターフェイス138につながるように構成されている。したがって、ユーザインターフェイスモジュールを、アダプタモジュール128を使用することなく頭脳モジュール112とともに使用することができる。他のいくつかの実施の形態においては、インターフェイス194が、第2の記録モジュール120bおよび他の拡張モジュールの第1のインターフェイス142と同じである。
一実施の形態において、ユーザインターフェイスモジュール122のインターフェイス194は、取り付け面195と、支持用の凹所197と、固定用の突出部198とを有する機械インターフェイスを備えている。さらにインターフェイス194は、電気コネクタ196を含む電気インターフェイスを備えている。機械インターフェイスは、頭脳モジュール112、アダプタモジュール128、および拡張モジュールの第2のインターフェイス144の機械インターフェイスと協働し、ユーザインターフェイスモジュール122を該当のモジュールへと固定するように構成されている。
図5および8を参照すると、支持用の凹所197が、頭脳モジュール112の支持部150を受け入れるように構成されている。さらに、固定用の突出部198が、頭脳モジュール112の支持部150の対応する固定用の切り欠き151に係合し、ユーザインターフェイスモジュール122と頭脳モジュール112との固定を向上させる。図6B、7B、および8を参照すると、ユーザインターフェイスモジュールは、同様のやり方でアダプタモジュール128および拡張モジュールの支持部170、195および対応する固定用の切り欠き171、199と機械的に結合する。
特定の実施の形態においては、アダプタモジュール128および拡張モジュールの支持用の凹所158、183も、ユーザインターフェイス122の固定用の突出部198と同様の機構を備える。
図5、6B、7B、および8を参照すると、ユーザインターフェイスモジュール122の電気コネクタ196を、頭脳モジュール112、アダプタモジュール128、および拡張モジュールのそれぞれの第1の電気コネクタ154、176、および192に動作可能に接続し、ユーザインターフェイスモジュール122とモジュール式のカメラシステム110の残りの部分との間の電気通信をもたらすことができる。電気コネクタ196が、ユーザインターフェイスモジュールとカメラシステム110の他のモジュールとの間の機械的な連結をさらにもたらしてもよい。
図5、6B、および7Bを参照すると、頭脳モジュール112、アダプタモジュール128、および記録モジュール120b(または、他の拡張モジュール)のそれぞれの第1の電気コネクタ154、176、および192は、種々さまざまな種類のコネクタを備えることができる。例えば、一実施の形態においては、第1の電気コネクタが、Mill−Max Mfg.Corp.が製造するばね付勢式の一列表面取り付け相互接続ヘッダ(例えば、製品番号812−22−003−30−003101)を備える。図8を参照すると、特定の実施の形態においては、ユーザインターフェイスモジュール122の電気コネクタ196が、そのようなコネクタと電気的および/または機械的に係合するように構成された対応するソケットを備える。図示の実施の形態には示されていないが、アダプタモジュール128および記録モジュール120b(または、他の拡張モジュール)の凹所162、185も同様に、第1の電気コネクタ154、176、192と電気的および/または機械的に係合するように構成された対応するソケットを備えることができる。
再び図5、6B、および7Bを参照すると、他の種類のコネクタも使用可能であるが、一実施の形態においては、頭脳モジュール112、アダプタモジュール128、および記録モジュール120b(ならびに/あるいは他の拡張モジュール)のそれぞれの第2の電気コネクタ156、178、193が、Samtec社が製造する雌のSEARAY(商標)という銘柄の180ピンのコネクタソケット(例えば、型番SEAF−30−06.5−X−06−X)を備える。次に図5、6A、および7Aを参照すると、そのような実施の形態においては、アダプタモジュール140および記録モジュール120b(ならびに/あるいは、他の拡張モジュール)のそれぞれの電気コネクタ164、186が、Samtec社が製造する雄のSEARAY(商標)という銘柄の180ピンの端子(例えば、型番SEAM−30−06.5−X−06−X)であってよい。さらに、カメラシステム110において使用される種々のコネクタを、比較的多数回の結合サイクルに耐えるように機械的に設計し、耐久性の向上をもたらすことができる。
モジュール式のカメラシステム110の種々の機械的連結の造作は、使用時に堅固かつ確実な接続をもたらすように設計される。例えば、いくつかの拡張モジュールを含む構成などにおいて、比較的大きな荷重が、種々のモジュールの間の機械的接続に加わる。さらに、機械的な接続は、当然ながら、ユーザがカメラを取り扱うときに種々の応力を被る。本明細書に記載のインターフェイスの各々は、相乗的に働くように選択および空間的に配置された種々の相補的な連結機構を提供する。結果として、そのような条件下でも、接続の不具合、モジュール間の大きな機械的遊び、または他の望ましくない影響を生じることなく、カメラシステムの種々のモジュールの間に堅固な接続が維持される。
さらに、機械的な結合は、種々のモジュールの互いの単刀直入な接続および切り離しを可能にする。これは、所望のモジュール構成へのカメラシステムの効率的かつ単刀直入な配置を提供する。
例えば、図7Aおよび7Bを参照すると、一実施の形態において、ユーザは、最初に第1のモジュールの第1のインターフェイス142のスウッシュ184を第2のモジュールの第2のインターフェイス144の上部スロット191へと挿入することによって、第1の拡張モジュールを第2の拡張モジュール(例えば、カメラシステムの最も後方のモジュール)へと取り付ける。次いで、ユーザは、第1のインターフェイス142を第2のインターフェイス144と同一面にする。結果として、ペグ181a、181bが、摩擦を伴うはまり合いにて穴188a、188bに係合し、リブ182a〜cが、部位189a〜cに係合し、2つのモジュールの電気インターフェイスが互いに結合する。モジュールを切り離すために、ユーザは、一実施の形態において、第1のモジュールのペグ181a、181bと隣のモジュールの穴188a、188bとの間の摩擦によるはまり合いに打ち勝ち、さらに残りの連結部品を切り離すように、最も後方のモジュールを隣のモジュールから遠ざかるように引っ張る。ユーザは、おおむね同様のやり方で、アダプタモジュール128の頭脳モジュール112への接続および頭脳モジュール112からの切り離し、あるいは拡張モジュールのアダプタモジュール128への接続およびアダプタモジュール128からの切り離しを行うことができる。
一実施の形態において、ユーザは、ユーザインターフェイスモジュール122を、所望のモジュールの適切なインターフェイス(システム110の最も後方の拡張モジュールの第2のインターフェイス144など)へと下向きの様相で滑らせることによって接続する。取り付け用の凹所197および固定用の突出部198が、第2のインターフェイス144の取り付け部170および固定用のそれぞれの切り欠き171に係合し、ユーザインターフェイスモジュール122を所定の位置に固定する。電気コネクタ196も、第2のインターフェイス144の電気コネクタ176に結合する。例えば、図示のように、特定の実施の形態のコネクタ196は、第2のインターフェイス144の第1の電気コネクタ176の該当のピンを受け入れる複数のスラットを備えている。図示の実施の形態のスラットは細長く、ユーザインターフェイスモジュール122を隣接するモジュールの該当のインターフェイスへと下方に滑らして、モジュールを所望のとおりの場所に着脱可能に固定できるように構成されている。特定の実施の形態において、ユーザは、同様なやり方で、ユーザインターフェイスモジュール122をアダプタモジュール128のモジュールインターフェイス140または頭脳モジュール112の拡張インターフェイス138へと取り付ける。
他の実施の形態においては、種々の他のインターフェイスの構成ならびにそれに対応するシステム構成要素の接続および切り離しの方法が可能である。例えば、いくつかの実施の形態においては、種々の機構を、頭脳モジュール112と拡張モジュールとの間、拡張モジュールと他の拡張モジュールとの間、などの接続をさらに固定するために使用することができる。例えば、1つ以上のスライドロック機構を使用することができる。図7Aおよび7Bを参照すると、モジュールのうちの1つ以上を、取り付けられる隣接モジュールのペグ181a、181bに係合する固定ピンを受け入れるように構成することができる。そのようなピンは、いくつかの実施の形態においては、ボビーピン、コッタピン、Rクリップ、割ピン、などを備えることができ、あるいは別のやり方で構造および機能においてそのような種類のピンと同様であってよい。例えば、ユーザは、第1のモジュールを第2の隣接するモジュールへと接続することができる。次いで、ユーザは、第1のモジュールの片側に位置し、第1のモジュールの幅を横方向に横切って延びるスロットへのアクセスを提供する開口(図示されていない)へと、ピンを挿入することができる。他の構成も可能であるが、一実施の形態においては、スロットがモジュールの全幅を横切って延び、モジュールの反対側に位置する第2の開口を終端としている。さらに、スロットを、ピンがスロットへの挿入時に隣接の第2のモジュールのペグ181a、181bに係合し、ピンを取り外さない限りはモジュールを分離できないように、第1のモジュールの穴188a、188bに交わるように構成することができる。
さらに、いくつかの実施の形態においては、別個の支持構造(図示されていない)を、組み立てられたカメラシステムまたはその一部を支持するために使用することができる。例えば、種々の実施の形態において、細長いトレイ、レールの組、または他の構造体を、拡張モジュールの重量を支持して、センサモジュール112と拡張モジュールとの間の接続への応力を緩和するために使用することができる。一実施の形態においては、例えば、細長いトレイが、センサモジュール112へと着脱可能に固定され、拡張モジュールの下面に沿って延びる。
さらに、インターフェイスまたはインターフェイスの一部分の向きを、特定の構成において、全体として反対にすることが可能である。一実施の形態においては、モジュールの雄および雌の機械的連結の造作および電気コネクタが、全体として反対にされる。さらに、図示の実施の形態の機械的連結の造作および/または電気コネクタに代え、あるいはそれらに加えて、他の種類の機械的連結の造作および/または電気コネクタも考えられる。例えば、いくつかの実施の形態においては、粘着性の接続または磁気による接続を使用することができる。いくつかの実施の形態においては、アダプタモジュール128が使用されず、頭脳モジュール112が拡張モジュールに直接適合し、拡張インターフェイス138が、拡張モジュールの第2のインターフェイス144と同様または同じである。
さらなるモジュールインターフェイスの実施の形態
図9Aおよび9Bが、カメラシステムの別の実施の形態の拡張モジュール920bを示している。図示のとおり、拡張モジュール920bの機械的連結の造作のいくつかは、図1および5〜8のカメラシステム110あるいは図3のカメラシステム310のものと異なっている。拡張モジュール920bは、例えば本明細書に記載の記録モジュールのうちの1つ以上と同様の記録モジュール920bであってよい。
ただ1つの拡張モジュール920bが示されているが、拡張モジュール920は、他の拡張モジュール、頭脳モジュール、および/またはアダプタモジュールなどといった種々の他の構成要素を含むカメラシステムと互換であってよい。
第2の記録モジュール920bは、第1のインターフェイス942および第2のインターフェイス944を備えている。第2のインターフェイス944は、第1のインターフェイス942と協働するように構成された形式のインターフェイスである。さらに、他の拡張モジュールのうちの1つ以上が、記録モジュール920bのものとおおむね同じ第1のインターフェイス942および第2のインターフェイス944を備えている。したがって、拡張モジュールを、本明細書に記載のとおりのユーザがカスタマイズできる構成に合わせて、おおむね任意の順序で積層することができる。さらに、第1のインターフェイス942は、特定の実施の形態において、アダプタモジュールおよび/または頭脳モジュール(図示されていない)の対応するインターフェイスとの間の着脱可能かつ確実な電気通信および機械的連結を果たすように構成される。
拡張モジュールの第1のインターフェイス942は、取り付け面980と、フック981a、981bと、支持用の凹所983と、リブ982a、982bと、上部スウッシュ984とを有する機械インターフェイスを備えている。さらに、第1のインターフェイス942は、アダプタモジュール928の第2のコネクタ978と協働して、頭脳モジュール912とアダプタモジュール928との間の電気通信をもたらすように構成された電気コネクタ986を含む電気インターフェイスを備えている。
第2のインターフェイス944は、第1のインターフェイス942の該当の機械インターフェイスに着脱可能に係合するように構成された機械インターフェイスを有している。機械インターフェイスは、取り付け面987と、下部フックスロット988a、988bと、固定用の切り欠き995を有する支持部990と、凹所989a、989bと、上部スロット991とを備えている。さらに第2のインターフェイス144は、第1および第2の電気コネクタ992、993を含む電気インターフェイスを備えている。第1および第2のコネクタ992、993は、他の拡張モジュールとの電気通信を提供するための多機能電気コネクタを備えている。
一実施の形態において、ユーザは、最初に第1のモジュールの第1のインターフェイス942のスウッシュ984を第2のモジュールの第2のインターフェイス944の上部スロット991へと挿入することによって、第1の拡張モジュールを第2の拡張モジュール(例えば、カメラシステムの最も後方のモジュール)へと取り付ける。次いで、ユーザは、第1のインターフェイス942を第2のインターフェイス944と同一面にする。一実施の形態においては、フック981a、981bの各々が、第2のインターフェイス944のスロット988a、988bに位置する該当のキャッチ(図示されていない)に接触したときに変位させられるように、ばね機構に接続されている。ユーザがモジュールを互いに同一面にするとき、フック981a、981bがそれぞれのキャッチを過ぎて移動し、キャッチの背後で元の位置へと跳ね戻り、モジュールを所定の位置に着脱可能に固定する。
モジュールを切り離すために、ユーザは、一実施の形態においては、フック981a、981bのばねの作用に打ち勝つように、最も後方のモジュールを隣のモジュールから離れる方向に引っ張る。別の実施の形態においては、フックを解放するための解放機構がモジュールに設けられる。例えば、ばね機構へと接続された解放ボタンまたはスライダスイッチが設けられ、ユーザが、ボタンまたはスイッチを操作してモジュールを切り離す。ユーザは、おおむね同様のやり方で、アダプタモジュールの頭脳モジュールへの接続および頭脳モジュールからの切り離し、あるいは拡張モジュールのアダプタモジュールへの接続およびアダプタモジュールからの切り離しを行うことができる。
さらなるモジュールおよび構成
上述のように、本明細書に記載の種々のモジュールは、モジュールをおおむね任意の順序で重ね合わせることができるよう、両面におおむね同型のインターフェイスを備えている。特定のそのような実施の形態においては、これらのモジュールを、頭脳モジュールの後ろ側に(例えば、アダプタモジュールを介して)鎖状につなぎ合わせることができる。さらには、異なる種類のインターフェイスを有するいくつかのモジュールをカメラシステム内の種々の点に取り付けて、ユーザの好みに応じたシステムの構成の柔軟性を高めることができる。種々の実施の形態において、これらのモジュールは、例えば頭脳モジュールの種々の点または他の拡張モジュールへと取り付けられる。
図10Aおよび10Bが、頭脳モジュール1012に着脱可能に取り付けることができる種々の随意によるモジュールを備えている構成1000を示している。構成1000は、横ハンドル1002、下部ハンドル1004、記録部1006、および電子ビューファインダ(EVF)モジュール1008を含んでいる。特定の実施の形態においては、さらに随意による光学ビューファインダモジュール(図示されていない)を構成1000に組み合わせることが可能であってよい。さらに、電子ビューファインダおよび光学ビューファインダの両方が備えられる構成など、いくつかの実施の形態においては、本明細書に記載のカメラシステムを、電子ビューファインダモードと光学ビューファインダモードとの間で切り換えることができる。
特定の実施の形態のシステム1000は、DSLRモードで動作することができ、図示の構成を、DSLR構成と称することができる。例えば、システム1000は、物理的な外形が比較的小さくなるように構成され、手持ちでの使用を容易にするハンドル1002、1004、およびストラップ1012などの構成部品を備えている。そのような構成は、DSLRモードでの使用に適した構成の一例であってよい。システム1000が、頭脳モジュール1012へと取り付けられる拡張モジュールまたはアダプタモジュールを持たないものとして描かれているが、1つ以上の拡張モジュールまたはアダプタモジュールを取り付けることも可能である。例えば、記録モジュールが備えられ、頭脳モジュール102に取り付けられてもよい。
図10Aおよび10Bの構成を、DSLR構成と称することができるが、本明細書の各所において示される他の構成も、DSLRモードが可能であってよく、さらには/あるいはDSLRの構成であってよい。理解されるとおり、DSLR構成を、静止画の撮影に使用することができる。いくつかの実施の形態においては、本明細書に記載のカメラシステムを、静止画の撮影(例えば、オートフォーカスかつ自動露出のデジタル撮影)に適した他の構成に配置することができる。さらなる構成として、全体として静止画の撮影により適すると当業者であれば理解することができる構成を挙げることができる。例えば、静止画向きの構成として、動画向きの構成に比べてあまりかさばらない構成、記録空間が比較的少ない構成、および/または入出力の能力が比較的低い構成、1つ以上のハンドルモジュール、光学ビューファインダ、ストラップ、などを備える構成を挙げることができる。これらの特徴および構成部品を、とくに動画向きの構成にも組み合わせることができるが、特定の実施の形態においては、特定の動画向きの構成が、これらの特徴または構成部品のうちの1つ以上を含んでもよいことを、理解できるであろう。
横ハンドル1002は、横ハンドル1002を頭脳モジュール1012の該当のインターフェイス(図示されていない)へと機械的および/または電気的に接続するための造作を備えるインターフェイス(図示されていない)を備えている。例えば、横ハンドル1002を、摩擦を伴うはまり合い、スナップ式のはめ込み、ねじ山付きの部品、など、種々の機構によって頭脳モジュール1012に着脱可能に取り付けることが可能であってよい。一実施の形態においては、ハンドル1002が、フック部およびカムロックねじを備える。さらには、種々の電気コネクタを使用することができる。
いくつかの実施の形態においては、横ハンドル1002が、カメラシステムを制御するための種々の制御部1010をさらに備えている。制御部1010として、ユーザによって定めることが可能であってよく、静止画および/またはビデオの用途における使用に適することができる露出制御部、フォーカス制御部、などを挙げることができる。さらに、ハンドル1002は、いくつかの実施の形態においては、人間工学的かつしっかりとした取り扱いのインターフェイスをユーザに提供するハンドストラップ1012および把持部1014を有する。横ハンドル1002は、手持ちおよび軽量三脚の使用にとくに適することができる。特定の実施の形態においては、横ハンドル1002が、別個の電源モジュールまたは他の電源を必要としない軽量かつ小型な遠方での使用を可能にする充電式の電池を備える。
下部ハンドル1004は、下部ハンドル1004を頭脳モジュール1012の該当のインターフェイス(図示されていない)へと機械的および/または電気的に接続するための造作を備えるインターフェイス(図示されていない)を備えている。例えば、下部ハンドル1004を、摩擦を伴うはまり合い、スナップ式のはめ込み、ねじ山付きの部品、あるいはこれらの組み合わせなど、種々の機構によって頭脳モジュール1012に着脱可能に取り付けることが可能であってよい。さらには、種々の電気コネクタを使用することができる。
下部ハンドル1004は、カメラシステムを制御するための種々の制御部1030をさらに備える。制御部1030として、ユーザによって定めることが可能であってよく、静止画および/またはビデオの用途における使用に適することができる露出制御部、フォーカス制御部、などを挙げることができる。さらに、ハンドル1004は、人間工学的かつしっかりとした取り扱いのインターフェイスをユーザに提供する把持部1032を有する。横ハンドル1004は、例えば手持ちでの使用にとくに適することができる。特定の実施の形態においては、横ハンドル1004が、別個の電源モジュールまたは他の電源を必要としない軽量かつ小型な遠方での使用を可能にする充電式の電池を備える。カメラシステム1000のハンドルモジュール(例えば、下部および横ハンドル1002、1004)またはカメラシステム1000の他のいずれかの構成部品が電源を備える場合、そのような部品を、電源モジュールと称することができる。
特定の他の構成においては、横および/または下部ハンドル1002、1004のうちの1つ以上が、別個の制御部、電池、または他の電気部品を備えず、純粋にそれぞれの取り扱いのインターフェイスという機械的な利益だけを提供する。いくつかの実施の形態においては、横および下部ハンドル1002、1004のうちの1つだけが使用される。両方のハンドル1002、1004を備える構成においては、ハンドル1002、1004の機能が互いに相補的であり、カメラシステムの取り扱いおよび/または電子制御の改善を提供する。さらに他の実施の形態においては、頭脳モジュール1012の上部、頭脳モジュール1012の他のいずれかの点、またはシステムの他のいずれかの点(本明細書に記載の拡張モジュールのうちの1つ以上など)に取り付けられるハンドルが設けられる。
特定の実施の形態においては、記録部1006が、頭脳モジュール1012の側面など、頭脳モジュール1012へと着脱可能に取り付けられる。記録部1006は、記録部1006を頭脳モジュール1012の該当のインターフェイスへと機械的および電気的に接続するための造作を備えるインターフェイスを有している。一実施の形態においては、機械的なインターフェイスが、頭脳モジュール1012の該当のねじ穴と協働する一式のねじボルト1040を備えることができる。記録部1006を、摩擦を伴うはまり合い、スナップ式のはめ込み、他の種類のねじ山付きの部品、あるいはこれらの組み合わせなど、他のさまざまな機構によって頭脳モジュール1012へと着脱可能に取り付けることが可能であってよい。さらには、記録部1006を頭脳モジュール312へと電気的に接続するために、種々の電気コネクタ(図示されていない)を使用することができる。一実施の形態においては、SATAインターフェイスが使用される。
記録部1006は、メモリ部品1046を受け入れるように構成されたメモリカードスロットを備え、メモリ部品1046をイジェクトボタン1044によって解放することができるが、他の種類の解放機構も使用可能である。一実施の形態のメモリデバイススロットは、コンパクトフラッシュ(「CF」)カードを受け入れるように構成されるが、ハードドライブ、回転ドライブ、他の種類のフラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ、RAIDドライブ、光ディスク、またはこの技術分野において開発される可能性がある他の技術など、種々の他のメモリ技術も使用可能である。
EVFユニット1008が、頭脳モジュール1012の下部に取り付けられた随意による取り付けブラケット1070へと取り付け可能であり、EVFユニット1008を頭脳モジュール1012の該当のインターフェイスに電気的に接続するためのインターフェイス(図示されていない)を備えている。EVFユニット1008は、摩擦を伴うはまり合い、スナップ式のはめ込み、ねじ山付きの部品、あるいはこれらの組み合わせなど、種々の機構によって頭脳モジュール1012へと着脱可能に取り付け可能であってよい。さらに、センサユニット1012への電気的接続のために、種々の電気コネクタを使用することができる。
EVFユニット1008は、EVFユニット1008の本体の内部に配置された表示装置を備えている。アイピース1060によって、ユーザが表示装置を眺めることができる。センサが、レンズを通した光景を記録する。光景が処理され、EVFユニット1008の表示装置に投影され、これをアイピース1060を介して眺めることができる。処理を、頭脳モジュール1012またはEVFユニット1008のプロセッサや、他の何らかのプロセッサで行うことができる。表示装置上の画像が、カメラの照準を助けるために使用される。
本明細書に記載のカメラは、さまざまなレール、ロッド、肩マウント、三脚マウント、ヘリコプタマウント、マットボックス、フォローフォーカス制御部、ズーム制御部、ならびにこの技術分野において公知の他の造作および他のアクセサリと互換である。図11が、本明細書に記載の種々のモジュールおよび他の構成部品を含んでいる典型的なカメラシステム1100を示している。カメラシステム1100は、延長ハンドル1106、上部ハンドル1107、横ハンドル1108、マルチツール1110、および肩マウント1112、1114などといった種々の構成部品のための取り付け点を提供する上部および下部ロッド組1102、1103をさらに備えている。カメラシステム1100の構成を、特定の実施の形態においては、ENG構成と称することができる。ENG構成は、プロフェッショナルによる持ち運んでの使用に適する構成を含むことができ、いくつかの実施の形態においては、ENG構成を、テレビカメラ構成と称することができる。例えば、ENG構成は、持ち運んでの使用の際にカメラをカメラマンの肩に乗せるための肩マウントまたは銃床を備えることができる。システム1100をENG構成と称することができるが、本明細書に記載される他の構成も、ENG構成であってよい。
図12が、下部および上部ロッド組1204、1206を備えるカメラシステム1200のさらに別のモジュール構成を示している。カメラシステム1202は、マットボックス1208および調節式の表示装置1210をさらに備えている。図示のとおり、表示装置1210を、保管時、輸送時、または他の非使用時に、カメラ本体に対しておおむね平坦に位置させることができる。代わって、表示装置1210を、使用時に所望の視認角度へとピン1211を中心にして回転させることができる。一実施の形態においては、表示装置1210が、図1のI/Oモジュール126のポート109など、I/Oモジュールのポートへと接続される。種々の実施の形態においては、表示装置の配置または接続のための他の機構が使用される。カメラシステム1200の構成を、特定の実施の形態においては、スタジオ構成と称することができる。スタジオ構成は、三脚、台車、またはクレーンに搭載することができる構成など、スタジオの環境におけるプロフェッショナルによる撮影に合わせておおむね構成された構成を含むことができる。例えば、そのような構成には、比較的多数のモジュールが取り付けられ、ケージ、マウント、レール、などといった他のアクセサリが比較的多く含まれる。システム1200を、スタジオ構成を有すると称することができるが、本明細書に記載の他の構成も、スタジオ構成であることができる。
図11および12の構成を、それぞれENGおよびスタジオ構成と称することができるが、本明細書の各所に示される他の構成も、ENGおよび/またはスタジオ構成を備えることができる。理解されるとおり、ENGおよびスタジオ構成は、動画の撮影に使用することが可能であって、動画の撮影にとくに適することができる。いくつかの実施の形態においては、本明細書に記載のカメラシステムを、動画の撮影に適した他のモード、設定、または構成に合わせて構成することができる。当業者であれば理解できるとおり、動画向けの構成は、通常はカメラの移動使用に適した構成を含む。そのような構成は、例えば図1の電源モジュール124などの1つ以上の電源モジュールを備える構成など、比較的大量の記録空間を取り入れた構成を含むことができる。また、動画向けの構成は、図1の入力/出力モジュール126などの1つ以上の入力/出力モジュールを取り入れてなる構成、表示装置1210などの表示装置を取り入れてなる構成、または動画の撮影におおむね適する他の任意の機能を取り入れてなる構成を含むことができる。これらの特徴および構成部品を、動画向けの構成にとくに組み合わせることができるが、特定の静止画向けの構成が、特定の実施の形態においてこれらの特徴のうちの1つ以上を含んでもよいことを、理解できるであろう。
上述のように、静止画向けの設定、静止画モード、静止画向けの構成、などという用語は、本明細書において使用されるとき、静止画の撮影にとくに適すると考えられるモジュールの構成を指すことができる。しかしながら、いくつかの実施の形態において、静止画向けの構成が静止画および動画の両方を撮影できることを理解できるであろう。同様に、動画向けの構成、動画モード、動画向けの設定などといった用語は、本明細書において使用されるとき、動画の撮影にとくに適するモード、構成、または設定を指すことができる。しかしながら、いくつかの実施の形態において、動画向けの構成が静止画および動画の両方を撮影できることを理解できるであろう。
モジュールのシステムバス
上述のように、カメラシステムは、例えば画像および他のデータ、制御および電力、などの電気信号を通信するためのシステムバスを備える。さらに、上述のように、カメラシステムはモジュール式であり、モジュールが、通常は、積層構成などのさまざまな構成に配置される。例えば、さまざまな種類のモジュールを、互いの間に積層することができる。システムバスが、好都合には、カメラシステムにおけるモジュールの物理的な配置にかかわらず、モジュールの任意の部分集合の間の通信を可能にするように構成され、カメラシステムのモジュール性を維持する。例えば、バスは、特定の実施の形態においては、モジュールにまたがって好都合にセグメント化される。
次に、システムバスの態様を、図1および5〜8のカメラシステム110および拡張モジュール120bに関して説明する。この説明は、例えば図2および3のカメラシステム210、310や、図4のモジュール430など、本明細書に記載の他のカメラシステムおよびモジュールのシステムバスにも適用可能である。カメラシステム110のモジュール120bが、第1のインターフェイス142および第2のインターフェイス142の多機能電気コネクタ(コネクタ186、192、193など)のうちの1つ以上に電気的に接続されたバスセグメント(図示されていない)を備えている。好ましくは、バスセグメントの設計が、カメラシステム110のモジュール間で共通であることで、モジュールの任意の部分集合および/またはモジュールへと接続されたカメラシステム110の他の構成部品の間の情報の受け渡しが好都合に可能にされる。
例えば、いくつかの実施の形態においては、カメラシステム110の拡張モジュールの各々が、バスセグメントを含んでいる。いくつかの実施の形態においては、図1のシステム110のアダプタモジュール128、入力/出力モジュール126、記録モジュール120a、120b、および電源モジュール124の各々が、バスセグメントを含んでいる。一実施の形態のユーザ入力モジュール122は、バスセグメントを含まず、あるいはセグメント化されたシステムバスの一部分のみを実行する。例えば、特定の実施の形態においては、セグメント化されたバスの選択された部分集合だけをユーザインターフェイスモジュール122へと案内することができ、ユーザインターフェイスモジュール122から案内することができる。他の実施の形態においては、ユーザ入力モジュール122がバスセグメントを含む。
上述のように、モジュール120bの電気コネクタ186、192、193のうちの1つ以上が、カメラシステム110のモジュールの各々と共通である。カメラシステム110の機能モジュールの各々は、セグメント化されたバスに関する1つ以上の機能を実行するように構成された共通の動作モジュール(図示されていない)をさらに備えることができる。動作モジュールは、例えば機能モジュール120bのプロセッサ上で動作するソフトウェアモジュールを含むことができる。他の実施の形態においては、動作モジュールが、ハードウェアモジュールを含んでおり、あるいはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを含むことができる。
例えば、或る構成においては、電源モジュール124が、少なくとも1つの記録モジュール120と頭脳モジュール112との間に積層される。電源モジュール124そのものは、かならずしも画像データを処理したり、保存したり、あるいは他のやり方で利用したりはしないが、電源モジュール124に組み合わせられた共通バスセグメントは、画像データを受信および送信するように構成される。したがって、画像データを、電源モジュール124を介して頭脳モジュール112と記録モジュール124との間で受け渡すことができる。本明細書において記載されるとおり、1つ以上の記録モジュール120、ユーザインターフェイスモジュール122、電源モジュール124、入出力モジュール126、および/またはダミーモジュールを含むモジュールの積層について、他の構成も可能である。
特定の実施の形態のセグメント化されたシステムバスは、相補的な機能性を提供し、高度の柔軟性、性能、および効率を可能にする複数のバスインターフェイスを備えるように構成される。加えて、システムバスを、バスインターフェイスのうちの1つ以上を非使用時にオフにすることで、バスの電力効率を改善し、カメラシステム110の電池の持ちを改善するように構成することができる。
システムバスは、特定の構成においては、複数のクラスのバスインターフェイスを備える。例えば、いくつかの実施の形態においては、システムバスが、1つ以上の高帯域のバスインターフェイスと、1つ以上のサポートまたは制御バスインターフェイスとを備えることができる。高帯域のインターフェイスが、きわめて高スループットのデータパイプを提供できる一方で、制御バスインターフェイスが、比較的低電力かつオーバヘッドの少ない制御インターフェイスを提供する。このようにして、インターフェイスの組み合わせが、映像の記録、ビデオストリーミング、持ち運んでの使用、などといったカメラの用途に合わせてあつらえられたバスを提供する。例えば1つ以上のオーディオインターフェイスなど、専門化されたインターフェイスが備えられてもよい。セグメント化されたシステムバスが、本明細書において、バスアーキテクチャに関する特定の利点を説明するために、インターフェイスの分類、クラス、種類、などに関して説明される。しかしながら、これらの特徴は、本発明を限定しようとするものではない。
さらに、特定の実施の形態のセグメント化されたシステムバスは、クラスの中に複数の種類のバスインターフェイスを備えている。例えば、システムバスが、種々の構成において、高帯域のインターフェイス、制御インターフェイス、および/または専門化されたインターフェイスの各々を、2種類または3種類以上含むことができる。
システムバスにさまざまなクラスおよび種類のバスインターフェイスを設けることで、カメラシステム110の柔軟性、性能、および効率が、さまざまなやり方で好都合に改善される。例えば、異なるバスインターフェイスが、特定の目的によりよく適することができる。いくつかのモジュールまたは外部装置が、大量のデータを送信、受信、および/または処理することができ、したがって特定の高帯域のバスインターフェイスが有利である。例えば、他のモジュールまたは外部装置は、きわめて小さいレイテンシパラメータにて動作する可能性があり、したがって低レイテンシのシリアルのプロトコルが有利となりうる。さらに、特定の外部部品は、特定の種類のインターフェイスだけにしか対応していないかもしれない。上述のように、モジュール式のカメラシステム110のセグメント化されたシステムバス110を、いくつかのバスインターフェイスの選択肢を提供するように構成することができる。これにより、カメラシステム110を、幅広くさまざまな外部装置およびモジュールと広く相互運用可能にし、システム110の柔軟性を高めることができる。さらに、各々が特定のモジュールまたは外部装置にとって容認可能なパラメータの範囲内のバス機能を提供することができる複数のバスインターフェイスが、セグメント化されたバスにおいて利用可能であってよい。そのような状況においては、システムの設計者またはシステム110自身が、そのモジュールまたは外部装置との通信により適切なバスを選択することができる。例えば、利用可能な特定のバスインターフェイスを使用して、やはりシステムバスにおいて利用可能である他の容認できるバスインターフェイスと比べ、より高い速度および/または効率を達成することができる。システムの設計者またはシステム110自身が、より適切なバスを選択し、性能および効率を改善することができる。
高帯域のバスインターフェイスを、例えばシステム110によって、画像データ、他の種類のデータ、制御情報、などの転送など、リソースを多く使用する仕事に使用することができる。制御バスインターフェイスは、例えば1つ以上のシリアルインターフェイスを含むことができ、システム110によって、モジュールおよび周辺機器の特定および/または制御など、サポートおよび制御の機能を提供するために使用することが可能である。制御バスインターフェイスは、特定の実施の形態において、小レイテンシ(latency)またはゼロレイテンシ(latency)のサポート機能を提供することができ、いくつかの構成において、複数のカメラの同期を実行するために使用することが可能であり、あるいはレンズまたはフラッシュなどの周辺装置を制御するために使用することが可能である。制御バスインターフェイスを、サポートバスインターフェイスとも交換可能に称することができる。さらに、1つ以上の専門化されたインターフェイスが、例えばオーディオデータの伝送などのための専門化された機能を提供することができる。
システムバスの高帯域のインターフェイスは、大量の画像および/または制御データを比較的高速で転送することを可能にできる。例えば、いくつかの実施の形態においては、高帯域のインターフェイスが、最大約12GB/sが可能な拡張可能なデータパイプを備えることができる。他の帯域幅も可能である。いくつかの他の実施の形態においては、高帯域のインターフェイスが、最大約8GB/s、約10GB/s、または約14GB/sを提供することが可能である。例えば、他の実施の形態の高帯域のバスインターフェイスは、いくつかの実施の形態において合計で最大15GB/sの双方向の帯域幅の伝送を可能にすることができる。いくつかの実施の形態においては、高帯域のバスインターフェイスが、例えば約16GB/s、約18GB/s、約20GB/s、約21GB/s、あるいはそれ以上など、より広い帯域を提供することができる。一実施の形態においては、バスが、少なくとも約1GB/sのデータスループットをもたらすことができる3つの高帯域のインターフェイスを実装する。例えば、バスが、一実施の形態においては、PCI Express(「PCIe」)インターフェイス、SATAインターフェイス、およびXAUIベースのインターフェイスを備える。他の構成も可能であるが、一実施の形態においては、PCIeインターフェイスが、PCI 2.0×4インターフェイスを備え、例えば高性能モードにおいて最大約4GB/sの総スループットをもたらすことができる。例えば、一実施の形態においては、PCIeインターフェイスを、各方向に500MB/sのスループットの最大4つの有効チャネルを有するように構成することができる。特定の実施の形態においては、レーンが、レーンの任意の組み合わせを任意の所与の時点における使用のために設定できるように、設定可能である。他の実施の形態においては、PCIeインターフェイスを、例えば5GB/s、10GB/s、またはそれ以上の総データスループットなど、他の総データスループット量に合わせて構成することができる。SATAインターフェイスを、特定の実施の形態においては、最大約3GB/sの帯域に合わせて構成することができる。いくつかの実施の形態においては、SATAインターフェイスを、例えば6GB/sまたはそれ以上の総データスループットなど、他の総スループット量に合わせて構成することができる。いくつかの実施の形態においては、XAUIベースの高帯域のインターフェイスが、最大約5GB/sのスループットをもたらすことができる。例えば、一実施の形態においては、XAUIが、レーン当たり6.25Gbpsが可能な4つのチャネルを有する全二重x4リンクである。いくつかの実施の形態によるXAUIは、10Gの電気プロトコルを使用し、低オーバヘッドのL2およびL3プロトコル層を実装する。いくつかの実施の形態においては、XAUIインターフェイスが、制御データ、画像データ、またはこれらの組み合わせを運ぶために使用される。XAUIインターフェイスを、例えばSATAパケットおよび画面表示(「OSD」)グラフィクスなどといった他の形態のデータを転送するために使用することも可能である。いくつかの実施の形態においては、XAUIインターフェイスが、モニタおよび/または汎用の拡張バスとして機能し、拡張可能であってよい。
さらに、有効なPCIeレーンの数を、特定の用途のデータおよび/または電力の要件にもとづいて設定することができる。種々の高帯域のインターフェイスが、相乗的な機能のセットをもたらし、カメラの用途にとくに適したおおむね相補的な特徴を備えるように選択される。例えば、PCIeが、大きな設定可能性およびきわめて高いスループットを有するデータパイプをもたらす一方で、SATAインターフェイスは、比較的少ないオーバヘッドでありながら、依然として比較的高いスループットのインターフェイスをもたらす。
種々の高帯域のインターフェイスの各々を、おおむね任意の適切な目的のために現時点において想定されるモジュールまたは他のモジュールと併せて使用することができる。例えば、一実施の形態においては、PCIeインターフェイスが、生の画像データをカメラから処理および/または保存のための外部のコンピュータデバイスへとストリーミングするために使用される。例えば、一実施の形態においては、カメラシステム110の積層可能なモジュールのうちの1つが、PCIeデータを出力するように構成されたPCIeポートを有している。生のビデオ画像データが、PCIeインターフェイスにて頭脳モジュール112から任意の介在するモジュールを介してこの拡張モジュールへと伝えられる。次いで、データは、PCIeポートによってカメラシステム110からストリームされる。SATAインターフェイスを、記録モジュール(SATA互換のハードドライブを備える記録モジュールなど)、コンパクトフラッシュモジュール、などへの通信を含む種々の用途のために使用することができる。
別の実施の形態においては、バスが、2つのPCI Express(「PCIe」)インターフェイス、すなわちPCIe2.0x8およびx1と、XAUIインターフェイスとを備える。したがって、組み合わせによるPCIeの機能は、例えば低電力モードにおける最大約1GB/sから高性能モードにおける約8GB/sまでをもたらすことが可能である。さらに、PCIeインターフェイスを、OSIモデル層(例えば、物理層、トランザクション層、および/またはデータリンク層)のためのPCIe標準プロトコル、および例えばOSIモデル層の変種を含む他のプロトコルの両方を実装するように構成することができる。種々の実施の形態においては、上述したインターフェイスに代え、あるいは上述したインターフェイスに加えて、例えばInifiniBand(登録商標)、StarFabric、HyperTransport、RapidIO(登録商標)、または他の何らかのバスインターフェイスなど、他の高帯域のバスインターフェイスを備えてもよい。
いくつかの実施の形態の1つ以上の制御インターフェイスは、複数のシリアルインターフェイスを備える。例えば、いくつかの実施の形態においては、制御インターフェイスが、3つのシリアルインターフェイスを備える。例えば、サポートインターフェイスが、一実施の形態においては、I2Cインターフェイス、Serial Peripheral Interface(「SPI」)インターフェイス、および1−Wire(登録商標)インターフェイスを備える。別の実施の形態においては、制御インターフェイスが、I2Cインターフェイス、SPIインターフェイス、1−Wire(登録商標)インターフェイス、およびRS−232インターフェイスを備える。1つ以上のUART装置が、特定の実施の形態においては、RS−232インターフェイスと併せて使用される。
これらのインターフェイスを、種々の制御およびサポートの特徴を提供することによって柔軟性をもたらすために使用することができる。例えば、特定の実施の形態に設けられる複数の制御インターフェイスに鑑み、システムの設計者は、特定の用途に最も適するインターフェイスを選択することができる。例えば、一実施の形態における1−Wire(登録商標)インターフェイスを、システムがシステム内のモジュールを迅速に特定できるように構成することができる。1−Wire(登録商標)インターフェイスが、例えば共通のマルチドロップバスとして機能することができる。RS−232インターフェイスおよび/またはUART装置を、ユーザインターフェイスモジュール122との通信に使用することができる。例えば、ユーザインターフェイスモジュール122が、特定の実施の形態においては、全体的な共通のバスセグメントを備えずに、セグメント化されたシステムバスを介してカメラシステム110と通信するためのRS−232が可能なインターフェイスを備えることができる。RS−232インターフェイスは、例えばユーザインターフェイスモジュール122のコネクタ196を介してアクセス可能であってよい。
さらに、汎用入力/出力インターフェイス(「GPIO」)が備えられてもよい。GPIOインターフェイスは、例えば、複数のカメラの同期などの制御機能を提供することができ、レンズおよびフラッシュなどの他の外部装置の制御を提供することができる。種々の実施の形態において、RS−485インターフェイスまたは何らかの他の種類のインターフェイスなど、他のサポートインターフェイスを実装することができる。さらに、構成に応じて、おおむね任意の数および組み合わせのインターフェイスが存在できる。特定の実施の形態においては、システムが、少なくとも2つの制御インターフェイスを備える。他の構成においては、システムが、少なくとも3つ、4つ、または5つ以上の制御インターフェイスを含むことができ、あるいはただ1つのシリアルインターフェイスを備えることができる。
上述のように、1つ以上の専門化されたインターフェイスが、システムバスの一部として含まれてもよい。例えば、専門化されたインターフェイスは、カメラシステム10のモジュール、カメラシステム10の他の部品、および/または1つ以上のオーディオ周辺装置の間のオーディオデータの伝達を提供することができる。専門化されたインターフェイスは、システム110の構成部品の間およびシステム110と外部装置との間でサウンドデータを通信するためのInter−IC Sound(「I2C」)インターフェイスを含むことができる。一実施の形態においては、時分割多重式(「TDM」)オーディオインターフェイスを使用することができる。一実施の形態においては、チャネル当たり192KHzまでのモノラルオーディオチャネルを最大で16チャネルまでサポートするように構成されたTDMインターフェイスが使用される。さらには、特定のパラメータを変更し、種々のオーディオ部品との柔軟性および互換性を提供することができる。例えば、サンプリングレートおよびサンプリング幅を、いくつかの実施の形態においては、チャネルごとのやり方でチャネル上で調節することが可能である。種々の実施の形態においては、専門化されたインターフェイスが他の機能を提供することができ、例えばオーディオデータに代え、あるいはオーディオデータに加えて、何らかの他の種類のデータの伝送を可能することができる。
上述のインターフェイスに加えて、セグメント化されたシステムバスは、特定の目的に専用の種々の信号または信号群を含むことができる。例えば、1つ以上の信号が、システム110のモジュールのうちの1つ以上の割り込み機能を提供する割り込み線として構成される。1つ以上の専用の存在検出信号を、システム110における拡張モジュールまたは他の部品の有無を検出するために使用することができる。セグメント化されたシステムバスは、種々の専用のクロック信号も同様に含むことができる。
いくつかの実施の形態においては、1つ以上の専用のストレージインターフェイスが、システムバスに含まれる。そのようなインターフェイスは、例えば上述したようなSATAインターフェイスを含むことができる。他の実施の形態においては、SCSIインターフェイスなど、他の種類のストレージインターフェイスを使用することができる。
種々の実施の形態において、これらに限られるわけではないがEthernet、USB、USB2、USB3、IEEE 1394(これらに限られるわけではないが、FireWire 400、FireWire 800、FireWire S3200、FireWire S800T、i.LINK、DV)、など、さまざまな他のインターフェイスの種類を、セグメント化されたバスに取り入れることができる。
セグメント化されたシステムバスは、システム110の構成部品に電力を供給するように構成された共通の電源インターフェイスをさらに備える。例えば、電源インターフェイスは、利用可能な電源一式のうちの所望の1つ以上をカメラモジュールへと自動的に導くことを可能にできる。利用可能な電源一式は、システム110の特定のモジュールの構成に応じてさまざまであってよく、特定の実施の形態の電源インターフェイスを、おおむね任意の数の可能な入力電源から電力を供給するように延ばすことができる。
電源インターフェイスを、電源のうちの1つ以上が利用不可能になる場合や、何らかの理由で別の電源から電力を供給することが望ましくなる場合に、自動的な停電保護を提供するように構成することができる。種々の仕組みが利用可能であるが、一実施の形態の電源は、優先順位にしたがって論理的に従属接続される。最も高い優先度の電源が利用できず、あるいは他の理由で電源の切り替えが望まれる場合、電源インターフェイスが、次に高い優先度を有する電源からシステムへと電力を自動的に導く。
或る構成においては、電源インターフェイスが、頭脳モジュール112の入力ジャックに接続された外部の電源、モジュールのハンドル(例えば、図10Aおよび10Bの横ハンドル1002)に組み込まれた電池、および四連電池パックを有する電源モジュール12の4つの電池からなる組を含む6つの利用可能な電源のうちの1つから電力を供給するように構成される。他の構成においては、電源の数および/または種類が、別の数および/または種類である。例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、または7つ以上の電源が存在してよい。さらに別の実施の形態においては、電源が1つだけ存在する。一実施の形態においては、頭脳モジュール112の入力ジャックが、最も高い優先度のレベルを有し、次が横ハンドルに組み込まれた電池であり、その次が、電源モジュール124の4つの電池の各々である。或る使用の筋書きにおいては、ユーザが頭脳モジュール112の入力ジャックから電源ケーブルを引き、電源インターフェイスが、横ハンドルの電池からカメラシステム110へと電力を導く。その後に、ユーザが、横ハンドルまたは電源モジュール124の電池のうちの1つ以上を取り外すことができ、電源インターフェイスが、適切な電源へと自動的に切り換わる。いくつかの実施の形態においては、電源インターフェイスが、電源間の自動的な移行の際に、中断のない電力の供給をもたらし、したがって中断のないカメラの動作をもたらす。
いくつかの実施の形態の電源インターフェイスは、セグメント化されたバスに設けられた通信インターフェイスのうちの1つによって、利用可能な電源の追加を検出する。例えば、さらに詳しく後述されるセグメント化されたバスの制御インターフェイス、またはセグメント化されたバスにおける1つ以上の他の信号を、使用することができる。利用可能な電源を検出する他の方法も使用可能であるが、一実施の形態においては、電源を有しつつ取り付けられるモジュールから、頭脳モジュール112へとメッセージが送信される。頭脳モジュール112上で動作しているプロセッサが、メッセージを受信することができる。このようにして、システム110に電源の存在が通知される。次いで、どのような選択の仕組み(例えば、ランキングまたは他の優先順位の仕組み)が実装されているかに応じて、システム110が、利用可能な電源からシステム110を動作させるためにどの電源を使用するかを決定すべく選択を行うことができる。
例えば、いくつかの実施の形態においては、電力が、一般に、頭脳モジュール112を通って案内された後で、カメラシステム110の残りの部分へと届けられて消費される。したがって、頭脳モジュール112が、電力を分配するためのハブとして機能することができる。
例えば、そのような実施の形態による電源インターフェイスは、積層可能なモジュールを通って案内されて、頭脳モジュール112によって受け取られる第1の電力バスを備えることができる。第1の電源バスは、積層可能なモジュールの各々を通って延び、1つ以上の電力信号を積層可能なモジュールから頭脳モジュール112へと案内する。頭脳モジュール112は、積層可能でない電源(例えば、頭脳モジュール112の入力ジャック、ハンドルモジュールに組み込まれた電池)からの1つ以上のさらなる電力信号を受け取ることができる。さらに電源インターフェイスは、頭脳モジュール112から消費のためにシステム110のモジュールを通って案内される第2の電力バスを備える。任意の所与の時点においてシステムを動作させるためにどの電源が選択されるかに応じて、頭脳モジュールは、第1の電力バスからの電力信号または追加の積層可能でない電源のうちの1つからの電力信号のいずれかを第2の電力バスへと位置させる。
一実施の形態においては、積層可能なモジュールからの第1の電力バスが、ただ1つの電源線を備える一方で、積層可能なモジュールが、複数の電源を含むことができる。この筋書きにおいては、頭脳モジュール112が、システム110内のモジュールの各々にアービトレーションメッセージを送信することによって、複数の電源のうちのどれをただ1つの電源線に位置させるかのアービトレーションを行なう。受信されたメッセージにもとづき、モジュールは、ただ1つだけの電源がバスに配置されて頭脳モジュール112へと届けられ、したがって衝突が回避されるよう、第1の電力バスを支配し、あるいは他のモジュールに従うことができる。例えば、1つの筋書きにおいては、頭脳モジュール112が、四連電池の電源モジュール124の第1の電池要素を第1の電力バスに配置するように指示するメッセージを送信することができる。メッセージに応答し、電源モジュール124は、自身の第1の電池要素の出力をバスに配置し、システム110の残りのモジュールは、第1の電力バスの制御を電源モジュール124に委ねる。他の実施の形態においては、第1の電力バスが複数の電源線を備え、積層可能なモジュールの電源の各々からの電力信号が、頭脳モジュール112へと送信される。
図1に示した典型的な積層の構成においては、第1の電力バスを、電源モジュール124から途中のモジュールの各々のバスセグメントを通って最終的に頭脳モジュール112へと導くことができる。反対に、第2の電力バスを、頭脳モジュール112から途中のモジュールの各々を通って電源モジュール124で終わるように導くことができる。そのような実施の形態において、ユーザ入力モジュール122は、組み込まれた充電式電池など、他の電源から電力を受け取る。他の実施の形態においては、ユーザインターフェイス122が、共通の電源インターフェイスまたはその一部を含まず、電源インターフェイスの第1および第2の電力バスのうちの1つ以上が、それぞれユーザ入力モジュール122から導かれ、ユーザ入力モジュール122へと導かれる。
いくつかの実施の形態においては、頭脳モジュール112によって行われた電源選択の決定を、適切な条件のもとで上書きすることができる。例えば、電源を備えるモジュールが、頭脳モジュール112によって行われた決定を上書きすることができる。電源モジュール124が複数の電池要素を備える一実施の形態においては、電源モジュール124が、システム110を動作させるべく頭脳モジュール112によって選択された電池要素の充電が、不充分である旨を検出する。そのような状況において、電源モジュール124は、別の充分に充電されている電池要素から自動的に電力を導くことができる。さらには、いくつかの構成においては、システム110が、ユーザによる適切な電源の選択を可能にする手動での上書きを備える。
電源インターフェイスのモジュール式のセグメント化された性質ゆえに、電力バスを、おおむね任意の数の縦列の電源入力をサポートするように延長することができる。例えば、特定の実施の形態によれば、ユーザがおおむね任意の物理的配置にて電源モジュール124を他の種類のモジュールとともに積層することができ、所望のモジュール構成を生成するうえでの柔軟性がもたらされる。さらには、いくつかの実施の形態によれば、ユーザがおおむね任意の数の電源モジュール124をモジュールの配置へと積層することができる。このようにして、ユーザが、所望される電池の持ちに応じてモジュールの構成をカスタマイズすることができる。さらに、現時点において想定される電源に加え、電源インターフェイスを、いくつかの実施の形態において、他の電源を取り入れてなる種々の他のモジュール設計をサポートするように拡張することができる。したがって、電源インターフェイスの拡張可能な性質が、システムの設計者が技術の変化に適合することも可能にする。
さらに、いくつかの構成においては、電源インターフェイスを外部の装置に電力を供給するように構成することも可能である。例えば、一実施の形態においては、電源が、外部のモータまたは他の何らかの装置へと電流の限られた出力電力を供給し、種々の装置とのカメラシステム110の相互運用性を改善することができる。
特定の好ましい実施の形態に関して説明したが、セグメント化されたバスの電源インターフェイスの態様を、別の構成とすることも可能である。例えば、電源を、システム110による自動的な決定に代え、あるいはシステム110による自動的な決定に加えて、ユーザが手動で選択することができる。
本明細書に記載のカメラシステムおよび関連のモジュールの特定の実施の形態の機能を、ソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュール、またはそれらの組み合わせとして実現することができる。種々の実施の形態において、機能を、ハードウェア、ファームウェア、プロセッサ上で実行できるソフトウェアインストラクションの集まり、またはアナログ回路にて具現化することができる。
本明細書において使用されるとき、とりわけ「できる」、「可能」、「かもしれない」、「してもよい」、「例えば」、などといった条件付きの表現は、一般に、とくにそのようではないと明示されず、あるいは使用の文脈においてそのようではないと理解されない限り、特定の実施の形態が或る特徴、要素、および/または状態を含む一方で、別の実施の形態はそのような特徴、要素、および/または状態を含まないことを、伝達しようとしている。したがって、このような条件付きの表現は、通常は、特徴、要素、および/または状態が1つ以上の実施の形態にとって必須ではない旨を意図し、1つ以上の実施の形態が、著者の入力または示唆の有無にかかわらず、これらの特徴、要素、および/または状態が含まれるか否か、または任意の特定の実施の形態において実行されるか否かを決定するための論理を、必ずしも含まない旨を意図しようとしている。
実施の形態に応じて、本明細書に記載のいずれかの方法の特定の行為、事象、または機能を、別の順序で実行することが可能であり、追加、併合、または丸ごと省略することが可能である(例えば、上述の行為または事象のすべてが本方法の実施に必要というわけではない)。さらには、特定の実施の形態において、行為または事象を、例えばマルチスレッド処理、割り込み処理、あるいは複数のプロセッサまたはプロセッサコアによって、順にではなく同時に実行することが可能である。
本明細書に開示の実施の形態に関連して説明された種々の例示の論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムの各段階を、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両者の組み合わせとして実現することができる。このハードウェアおよびソフトウェアの入れ換え可能性を明確に示すために、種々の例示の構成部品、ブロック、モジュール、回路、および段階は、おおむねそれらの機能に関して上述されている。そのような機能がハードウェアとして実現されるのか、あるいはソフトウェアとして実現されるのかは、特定の用途および全体としてのシステムに課せられる設計上の制約に依存して決まる。上述した機能を、各々の特定の用途にあわせてさまざまなやり方で実現することができるが、そのような実現の決定を、本発明の技術的範囲からの逸脱を生じるものと解釈してはならない。
本明細書に開示の実施の形態に関連して説明した種々の例示の論理ブロック、モジュール、および回路を、本明細書に記載の機能を実行するように設計された汎用のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブルなロジックデバイス、ディスクリートなゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートなハードウェア部品、あるいはこれらの任意の組み合わせによって、実現または実行することができる。汎用のプロセッサは、マイクロプロセッサであってよいが、選択肢として、プロセッサは、任意の従来からのプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってよい。プロセッサを、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成など、演算装置の組み合わせとして実現することも可能である。
本明細書に開示の実施の形態に関して説明した方法およびアルゴリズムのブロックを、ハードウェアにて直接具現化でき、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにて具現化でき、あるいは両者の組み合わせにて具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、またはこの技術分野において公知の任意の他の形態のコンピュータにとって読み取り可能なストレージ媒体に位置することができる。典型的なストレージ媒体は、プロセッサがストレージ媒体からの情報の読み出しおよびストレージ媒体への情報の書き込みを実行できるようにプロセッサへと接続される。代案においては、ストレージ媒体がプロセッサと一体であってよい。プロセッサおよびストレージ媒体が、ASICに位置することができる。
以上の詳細な説明は、種々の実施の形態に適用されたとおりの新規な特徴を示し、説明し、指摘しているが、例示の装置またはアルゴリズムの形態および細部において、さまざまな省略、置き換え、および変更を、本発明の技術的思想から離れることなく行うことが可能である。理解されるとおり、いくつかの特徴を他の特徴とは別個に使用または実施することが可能であるため、本明細書に記載の本発明の特定の実施の形態を、本明細書に記載の特徴および利益のすべてを提供するわけではない形態で具現化することが可能である。本明細書に記載の特定の発明の技術的範囲は、以上の説明によってではなく、むしろ添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等の意味および範囲において生じるすべての変更が、特許請求の範囲の技術的範囲に包含される。