JP2017118185A - 半導体集積回路 - Google Patents
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Description
図3において、従来の半導体集積回路で使用する電流ミラー回路の構成例(その1)は、特許文献1に開示のものと同様、PchMOSトランジスタのゲート電圧を同一にすることでbias電流を受け渡す電流ミラー回路(Pchミラー)の構成を示すものである。以下にその構成・動作について説明する。
P1_Id=(1/2)×μp×Cox×((W/L)×n)×(P1_Vgs-Vth)2 (1)
ここで、
μp :選択した半導体集積回路プロセスでのホールの移動度
Cox :選択した半導体集積回路プロセスでのPchMOSのゲート酸化膜容量
Vth :選択した半導体集積回路プロセスでのPchMOSのスレッシュ電圧
P1_Vgs :MOSトランジスタP1(71)のゲート・ソース間電圧(P1_Vgs=P1_Vg-P1_Vs)
抵抗R1(63)に流れる電流(V_IN/R1)=P1_Idから(P1_Vgs)が決まり、そして(P1_Vgs)=(P1_Vg-P1_Vs)=(P1_Vg-P1_Vdd)から、MOSトランジスタP1(71)のゲート電圧(P1_Vg)=(Vdd+(P1_Vgs))が決まる。ここで、(P1_Vgs)は負の値になっている。
P2_Id=(1/2)×μp×Cox×(W/L)×(P2_Vgs-Vth)2 (2)
ここで、電流ミラー回路70のソースに印加される電源Vddに電圧ノイズが生じていない場合には、(P2_Vgs)=(P2_Vg-P2_Vs)=(P1_Vg-Vdd)=(P1_Vgs)であるから、
P2_Id=(1/2)×μp×Cox×(W/L)×(P1_Vgs-Vth)2 (3)
すなわち、MOSトランジスタP2(72)にはMOSトランジスタP1(71)の(1/n)(MOSゲート・サイズ比)の電流が流れる。
Vdd = 5V
V_IN = 1.2V
Vbe = 0.7V
R1 = 25kΩ
μp×Cox = 30μA/V2
W/L = 12μm/6μm
n = 4
Vth = -0.7V
とすると、
P1_Id=(1.2V/25kΩ)= 48μA
=(1/2)×30μA/V2×((12μm/6μm)×4)×(P1_Vgs-(-0.7V))2
∴P1_Vgs= -1.332V (∵ P1_Vgs< Vth = -0.7V)
∴P1_Vg=((P1_Vgs)+Vdd)= -1.332V+5V=3.668V(∵P1_Vgs=P1_Vg-P1_Vs= P1_Vg-Vdd
また、P2_Vgs=P2_Vg-Vdd=P1_Vg-Vdd= Vdd=3.667V-5V= -1.332V(∵P2_Vg= P1_Vg,P2_Vs=Vdd)から、
∴P2_Id=(1/2)×30μA/V2×(12μm/6μm)×(-1.332V-(-0.7V))2=12μA
∴P2_Id=(1/4)×P1_Id
いま、図3に示した従来の電流ミラー回路の構成例(その1)において、電源Vddにノイズ電圧が入り、MOSトランジスタP2(72)側のVddのみがVdd-0.1Vになったとすると、
(P2_Vgs)=(P2_Vg-P2_Vs)=(P1_Vg-Vdd)=(P1_Vgs)が成り立たず、
(P2_Vgs)=(P2_Vg-P2_Vs)=((P1_Vg)-(Vdd-0.1V))となる。
∴P2_Id=(1/2)×30μA/V2×(12μm/6μm)×(-1.232V+0.7V)2=8.5μA ≒ (1/6)×(P1_Id)
となってしまい、MOSトランジスタP2(72)に流れる電流が設計値のMOSトランジスタP1(71)の(1/4)×(P1_Id)から大きくずれてしまうことになる。
図4に示される電流ミラー回路の構成例(その2)は、NchMOSトランジスタを用いる電流ミラー回路(Nchミラー)90であって、使用する半導体MOSトランジスタとしてNchMOSトランジスタを使用するものであるが、上記図3に示したPchミラー70と実質的同様に、ゲート電圧を使ったbias電流の受け渡し動作を行うものであるためその説明を割愛する。ただし、図3では電源Vddにノイズ電圧が入る場合を想定しているが、図4ではGND(グランド)にノイズが入る場合を想定する。
図1は、本発明の実施形態に係る半導体集積回路で使用する電流ミラー回路の構成例(その1)を示す図である。
P1_Id=(1/2)×μp×Cox×((W/L)×n)×(P1_Vgs-Vth)2 (1)
またPchMOSを使った電流ミラー回路(PchMOSミラー回路)20で、MOSトランジスタP2(22)のゲート・サイズをW/Lとすると、下式が成り立つ。
ここで、
P1_Vgs=P1_Vg-P1_Vs=P1_Vg-(Vdd-R2×P1_Id)=P1_Vg+R2×P1_Id-Vdd
P2_Vgs=P2_Vg-P2_Vs=P2_Vg-(Vdd-R3×P2_Id)=P1_Vg+R3×P2_Id-Vdd
から、
P1_Id=(1/2)×μp×Cox×(W/L×n)×(P1_Vg+R2×P1_Id-Vdd-Vth)2 (3)
P2_Id=(1/2)×μp×Cox×(W/L)×(P1_Vg+R3×P2_Id-Vdd-Vth)2 (4)
なお、上記において(P1_Vgs)、(P2_Vgs)は負の値になっている。
R3=n×R2(抵抗値R2をn個直列接続)に設定すれば、P2_Id=(1/n)×P1_Idとなる。
なお上記において、従来回路と同様に、
μp :選択した半導体集積回路プロセスでのホールの移動度
Cox :選択した半導体集積回路プロセスでのPchMOSのゲート酸化膜容量
Vth :選択した半導体集積回路プロセスでのPchMOSのスレッシュ電圧(負値、例えば−0.7V)
P1_Vgs :MOSトランジスタP1(21)のゲート・ソース間電圧(P1_Vgs=P1_Vg-P1_Vs)
である。
(1)PchMOSミラー回路20の抵抗R3(24)のVdd側の端子だけにノイズ△Vが乗った場合を考える。その一方で抵抗R2(23)のVdd側の端子電圧は変動していないものとする。
R2=25kΩ
R3=4×25kΩ
また図3におけるのと同様に、
Vdd = 5V
V_IN = 1.2V
Vbe = 0.7V
R1 = 25kΩ
μp×Cox = 30μA/V2
W/L = 12μm/6μm
n = 4
Vth = -0.7V
とすると、
P1_Id=(1.2V/25kΩ)= 48μA
=(1/2)×30μA/V2×((12μm/6μm)×4)×(P1_Vgs-(-0.7V))2
∴P1_Vgs= -1.332V (∵ P1_Vgs< Vth = -0.7V)
∴P1_Vg=P1_Vgs+Vdd-(R2×P1_Id)= -1.332V+(5V-25kΩ×48μA)=2.468V
(∵P1_Vgs=P1_Vg-P1_Vs= P1_Vg-(Vdd- R2×P1_Id))
また、P2_Vgs=P2_Vg-P2_VS=P1_Vg-(Vdd-R3×P2_Id)=2.468V-(5V-4×25kΩ×P2_Id) (∵P2_Vg= P1_Vg,P2_Vs=Vdd-(R3×P2_Id))から、
∴P2_Id=(1/2)×30μA/V2×(12μm/6μm)×(4×25kΩ×P2_Id-2.532V+0.7V)2
∴P2_Id=12μA
∴P2_Id=(1/4)×P1_Id
いま、図1に示した本発明の実施形態に係る電流ミラー回路の構成例(その1)で電源Vddにノイズ電圧が入り、MOSトランジスタP2(22)側のVddのみがVdd-0.1Vになったとすると、P2_Vgs=P2_Vg-P2_Vs=P1_Vg-(Vdd-0.1V-R3×P2_Id)となる。
∴P2_Id=(1/2)×30μA/V2×(12μm/6μm)×(4×25kΩ×P2_Id-2.432V+0.7V)2
∴P2_Id≒11.2μA ≒ (1/4.28)×(P1_Id)
になり、MOSトランジスタP2(22)に流れる電流が、図3に示した従来の電流ミラー回路の構成例(その1)で電源Vddにノイズ電圧が入り、MOSトランジスタP2(72)のVddにのみVdd-0.1Vになった場合のP2_Id≒ (1/6)×(P1_Id)から大きく改善され、設計値である、P2_Id=(1/4)×(P1_Id)に近づいて出力部30に出力されることがわかる。
図2に示される電流ミラー回路の構成例(その2)は、NchMOSトランジスタのゲート電圧を同一にすることでbias電流を受け渡す電流ミラー回路(Nchミラー)50の構成を示すもので、GND(グランド:供給電源の低電位側)にそれぞれ抵抗R4(54)および抵抗R5(55)を介してソースが接続されたNchMOSトランジスタN1(51)及びN2(52)を有している。NchMOSトランジスタN1(51)のゲートとドレインおよびNchMOSトランジスタN2(52)のゲートは共通接続されている。NchMOSトランジスタN2(52)のドレインは電流ミラー回路(NchMOSミラー回路)50の出力端子となっている。図2の電流源表示された出力部53は、NchMOSトランジスタN2(52)のドレインが電流ミラー回路50の出力端子となっていて、ここから定電流(シンク電流)が出力されることを示している。GND(グランド)にノイズが入って一方のGND(グランド)側の電源電位が変動した場合でも、図1の電流ミラー回路(Pchミラー)20において電源Vddにノイズ電圧が入ってもPchMOSトランジスタP2のゲート・ソース間電圧Vgsの変動を抑えた場合と同様に、NchMOSトランジスタのゲート・ソース間電圧Vgsの変動を抑えることができるので、その説明を割愛する。
具体的には、本発明の実施形態に係る半導体集積回路で使用する電流ミラー回路の構成例(その1)と従来の半導体集積回路で使用する電流ミラー回路の構成例(その1)とにおけるノイズ電圧が入った場合のミラー電流の変動の様子を示す比較例である。
図3に示した従来回路の場合、既述したように、
P1_Id=(1/2)×μp×Cox×((W/L)×n)×(P1_Vgs-Vth)2 (1)
ここで、P1_Vgs=P1_Vg-Vddであることから、(1)式は、下記のようになる。
さらに、P1_Vg-Vdd<Vthから、
P1_Vg=Vdd+Vth-√{(P1_Id)/((1/2)×μp×Cox×(W/L)×n))} (1”)
また、
P2_Id=(1/2)×μp×Cox×(W/L)×(P2_Vgs-Vth)2 (2)
ここで、P2_Vgs=P2_Vg-Vdd’、P2_Vg=P1_Vgであることから、(2)式は、下記のようになる。
P2_Id=(1/2)×μp×Cox×(W/L)×(P1_Vg-Vdd’-Vth)2
P2_Id =(1/2)×μp×Cox×(W/L)×{(Vdd-Vdd’)-√((P1_Id)/((1/2)×μp×Cox×((W/L)×n))}2 (2’)
となる。
P1_Id=(1/2)×μp×Cox×((W/L)×n)×(P1_Vgs-Vth)2 (1)
ここでP1_Vgs=P1_Vg-Vdd+R2×P1_Idであることから、(1)式は、下記のようになる。
また、P1_Vg-Vdd+R2×P1_Id<Vthから、
P1_Vg=Vdd-R2×P1_Id+Vth-{√(P1_Id)/((1/2)×μp×Cox×((W/L)×n))} (3”)
さらに、
P2_Id=(1/2)×μp×Cox×(W/L)×(P2_Vgs-Vth)2 (2)
ここで、P2_Vgs=P2_Vg-Vdd’+R3×P2_Idであることから、(2)式は、下記のようになる。
ここで、P2_Vg=P1_Vg、R3×P2_Id=R2×n×P2_Idであることから、(2”)式は、下記のようになる。
ここに上記した式(3”)を代入することで、
P2_Id=(1/2)×μp×Cox×(W/L)×((Vdd-Vdd’)-{√(P1_Id)/((1/2)×μp×Cox×((W/L)×n))}+R2×(n×P2_Id-P1_Id))2 (5’)
上記の各式に、既述したのと同じ数値を代入すると、
従来回路の式(1’)では、
P1_Id=48μA=(1/2)×30μA/V2×((12μm/6μm)×4)×(P1_Vg-Vdd+0.7V)2
∴P1_Vg=Vdd-0.7V-√(48μA)/{(1/2)×30μA/V2×((2)×4)}
=Vdd-0.7V-√(48/120)
また式(2)を変形した式から、
P2_Id=(1/2)×μp×Cox×(W/L)×(P1_Vg-Vdd’-Vth)2
∴P2_Id=(1/2)×30μA/V2×(12μm/6μm)×(P1_Vg-Vdd’-0.7V)2
=30μA/V2×{Vdd-Vdd’-√(48/120)}2
一方、本発明回路では、
上記式(3)に示した式より、
P1_Id=(1/2)×μp×Cox×(W/L×n)×(P1_Vg+R2×P1_Id-Vdd-Vth)2
具体的に上述の数値を代入すると、
P1_Id=48μA=(1/2)×30μA/V2×((12μm/6μm)×4)×(P1_Vg-Vdd+25kΩ×48μA+0.7V)2
∴P1_Vg=Vdd-25kΩ×48μA+0.7V-{√(48μA)/((1/2)×30μA/V2×((2)×4))}
=Vdd-25kΩ×48μA+0.7V-√(48/120)
また、上記式(5)より
∴P2_Id=(1/2)×μp×Cox×(W/L)×{P1_Vg-(Vdd’-R2×n×P2_Id+Vth)}2
=(1/2)×30μA/V2×(12μm/6μm)×{(P1_Vg-(Vdd’-25kΩ×4×P2_Id)-0.7V}2
=30μA/V2×{(Vdd-Vdd’-√(48/120))-25kΩ×48μA+25kΩ×4×P2_Id}2
以上より求めた値に基づき式(4)をグラフ表示すると、図5に示されるようになる。
11 Opamp(オペアンプ)
12 NPNトランジスタ
13 抵抗(R1)
20 PchMOSミラー回路
21 PchMOSトランジスタ(P1)
22 PchMOSトランジスタ(P2)
23 抵抗(R2)
24 抵抗(R3)
30,53 出力部(電流源表示)
50 NchMOSミラー回路
51 NchMOSトランジスタ(N1)
52 NchMOSトランジスタ(N2)
54 抵抗(R4)
55 抵抗(R5)
Claims (8)
- 供給電源の高電位側にそれぞれ第1及び第2の抵抗を介して第1PchMOSトランジスタ及び第2PchMOSトランジスタのソースを接続し、前記第1PchMOSトランジスタ及び第2PchMOSトランジスタのゲートを共通に接続して前記第1PchMOSトランジスタのドレインと接続し、前記第1PchMOSトランジスタのドレインに入力電流を流すことにより前記第2PchMOSトランジスタのドレインから前記入力電流に対し予め定められた電流比を有する出力電流を出力する第1のカレントミラー回路を備えることを特徴とする半導体集積回路。
- 供給電源の低電位(GND)側にそれぞれ第3及び第4の抵抗を介して第1NchMOSトランジスタ及び第2NchMOSトランジスタのソースを接続し、前記第1NchMOSトランジスタ及び第2NchMOSトランジスタのゲートを共通に接続して前記第1NchMOSトランジスタのドレインと接続し、前記第1NchMOSトランジスタのドレインに入力電流を流すことで前記入力電流に対し予め定められた電流比を有する電流を出力部から前記第2NchMOSトランジスタのドレインに引き込み、第2電流路を形成する第2のカレントミラー回路を備えることを特徴とする半導体集積回路。
- 請求項1に記載の第1のカレントミラー回路の出力電流を請求項2記載の第2のカレントミラー回路の入力電流とすることを特徴とする半導体集積回路。
- 前記第2PchMOSトランジスタのゲート幅/ゲート長に対する前記第1PchMOSトランジスタのゲート幅/ゲート長の比率がnのとき、前記第2の抵抗の抵抗値を前記第1の抵抗の抵抗値のn倍とすることを特徴とする請求項1または3に記載の半導体集積回路。
- 前記第2NchMOSトランジスタのゲート幅/ゲート長に対する前記第1NchMOSトランジスタのゲート幅/ゲート長の比率がmのとき、前記第4の抵抗の抵抗値を前記第3の抵抗の抵抗値のm倍とすることを特徴とする請求項2または3に記載の半導体集積回路。
- 前記入力電流とする入力電圧に応じたバイアス電流を生成するバイアス電流生成回路を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の半導体集積回路。
- 前記バイアス電流生成回路は、
NPNトランジスタと、供給電源の低電位(GND)側と前記NPNトランジスタのエミッタを接続する第5の抵抗と、出力端子及び反転入力端子がそれぞれ前記NPNトランジスタのベース及びエミッタに接続されるとともに非反転入力端子に入力電圧が入力されるオペアンプを有し、前記NPNトランジスタのコレクタ電流を前記バイアス電流とすることを特徴とする請求項6に記載の半導体集積回路。 - 前記NPNトランジスタをNchMOSトランジスタに置き換えたことを特徴とする請求項7に記載の半導体集積回路。
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