JP2017107182A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)エポキシ化合物と、(D)着色剤とを含む感光性樹脂組成物であって、前記(B)光重合開始剤が、オキシムエステル系化合物であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
カルボキシル基含有感光性樹脂は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する感光性のカルボキシル基含有樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂の例として、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能性エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得、生成した水酸基にさらに多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を挙げることができる。
1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であればいずれでも使用可能である。1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂のエポキシ当量は特に限定されないが、エチレン性不飽和基含有カルボン酸と長鎖脂肪酸の導入割合の低下による感光性と柔軟性の低下を防止する点から、2000g/eq以下が好ましく、1000g/eq以下がより好ましく、100〜500g/eqが特に好ましい。
カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸は、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂のエポキシ基と反応して、該樹脂に上記脂肪酸由来の長鎖炭化水素構造が導入されることで、感光性樹脂組成物の硬化物の柔軟性(フレキシブル性)と絶縁性を向上させることができる。カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸は、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能であり、また、直鎖状、分岐状のいずれも使用可能である。上記脂肪酸には、例えば、炭素数が10以上の一塩基酸、炭素数20以上の二塩基酸が挙げられ、柔軟性と指触乾燥性のバランスの点から、上記一塩基酸及び二塩基酸は、直鎖状または炭素数2以下の側鎖を2本以下有する分岐状が好ましい。
エチレン性不飽和基含有カルボン酸は、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂のエポキシ基と反応して、エポキシ樹脂に光重合開始剤により発生するフリーラジカルによって重合することができる光硬化性基を導入する。エチレン性不飽和基含有カルボン酸は、エポキシ樹脂に光硬化性を付与するものであれば、特に限定されず、例えば、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を挙げることができ、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、β−アクリロキシプロピオン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン−(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸など、アクリロイル基またはメタクリロイル基をエポキシ樹脂に導入できるカルボン酸を挙げることができる。このうち、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、アクリル酸が特に好ましい。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
多塩基酸無水物は、前記エポキシ樹脂とカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種の脂肪酸との反応により生成した水酸基及び前記エポキシ樹脂とエチレン性不飽和基含有カルボン酸との反応により生成した水酸基に反応して、前記エポキシ樹脂に遊離のカルボキシル基を導入する。多塩基酸無水物としては、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸無水物には、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等の多塩基酸の無水物が挙げられる。なお、これらの化合物は単独で使用してもよく、現像性を適度に調整するために、2種以上混合して使用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物では、(B)成分の光重合開始剤として、1分子中にニトロ基を有するカルバゾール骨格を1つ有するオキシムエステル化合物である、下記一般式
エポキシ化合物は、硬化物の架橋密度を上げて、十分な機械的強度を有する硬化塗膜等の硬化物を得るためのものである。エポキシ化合物には、例えば、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂の構造は、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型エポキシ樹脂等)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型のエポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
着色剤は、顔料、色素等、特に限定されず、また、白色着色剤、青色着色剤、黄色着色剤、黒色着色剤等、いずれの色も使用可能である。上記着色剤には、例えば、白色着色剤である酸化チタン、黒色着色剤であるカーボンブラック等の無機系着色剤や、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、リオノールブルー等のフタロシアニン系、アントラキノン系等の有機系着色剤等を挙げることができる。これらの着色剤は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜12、比較例1〜3にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示し、また、配合量の空欄は、配合が0質量部であることを意味する。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・ZAR−2000:日本化薬(株)製(固形分65質量%、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート25質量%、ソルベントナフサ10質量%)。
・FLX−2089:日本化薬(株)製(固形分65質量%、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート35質量%)。
・ZCR−1569H:日本化薬(株)製(固形分65質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート35質量%)。
撹拌機、還流冷却管を備えた500mLセパラブルフラスコに、窒素・空気(2:1)雰囲気下でジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下「EDGAC」)86.45g、8−エチルオクタデカン二酸(岡村製油(株)製、SB−20)26.54g(6.3質量部)、ベヘニン酸45.35g(10.7質量部)、ステアリン酸9.71g(2.3質量部)、アクリル酸14.36g(3.4質量部)、トリフェニルホスフィン(TPP)0.65g(0.1質量部)、メトキシハイドロキノン(MEHQ)0.43g(0.1質量部)を仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.3mL/sec吹き込みながら、110℃で溶解するまで加熱撹拌した。別途、EDGAC溶媒59.8g中にビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC−3000、エポキシ当量265〜285g/eq)137.65g(32.6質量部)を80℃まで加熱して均一に溶解して上記フラスコ内に投入し、115℃にて15〜17時間、加熱撹拌させ、反応溶液の酸価が6mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物に、さらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn)を42.23g(9.9質量部)加え空気雰囲気下100℃で2〜3時間撹拌した。酸無水物が消失したことを、FT−IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、上記表1に示す固形分65質量%、酸価85mgKOH/gの合成樹脂A−1を得た。
・NCI−831:ADEKA社製。
・EPICRON860:DIC社製。
・デンカブラック:電気化学工業(株)製。
・リオノールブルー FG−7351:東洋インキ製造(株)製。
・OXE−02、Irgacure369、Irgacure907:BASF社製。
・chemcureDETX:日本シイベルヘグナー社製。
添加剤
・EBECRYL8405:ダイセル・オルネクス(株)製。
体質顔料
・ハイジライト H−42STV:昭和電工(株)製。
溶剤
・ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート:三洋化成品(株)製。
消泡剤
・KS−66:信越化学工業(株)製。
難燃剤
エクソリットOP−935:クラリアントジャパン社製。
基板(ガラスエポキシ基板、「FR4」、Cu厚み25μm)を、希硫酸(5質量%)により表面処理後、スクリーン印刷法にて、上記のように調製した実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、それぞれ塗布した。塗布後、BOX炉にて80℃で20分の予備乾燥を行った。予備乾燥後、塗膜上に、下記表2に示す直描露光機1〜3の露光条件にて、下記表2に示す所定波長の活性エネルギー線を所定量露光した。露光後、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて、現像温度30℃、現像圧力0.2MPaのスプレー圧にて現像した。現像後、BOX炉にて150℃で60分のポストキュアを行うことで、基板上に硬化塗膜を形成した。硬化塗膜の厚みは、20〜23μmであった。
(1)感度
上記試験片作製工程の予備乾燥工程まで行った基板に対し、感度測定用ステップタブレット(コダック社製、21段)を塗膜上に密着させ、このステップタブレットを通して、表2に示す直描露光機1〜3の露光条件にて照射したものをテストピ−スとした。このテストピースに、上記試験片作製工程と同様にして現像を行った。現像後の感度段数が100%残っている最大の段数を感度として評価した。段数が大きいほど感度が良好であることを示す。
ライン幅30μm〜200μmのパターンを持つフォトマスクを用いて露光し、硬化塗膜の厚みが40μmであること以外は、上記試験片作製工程に準じて感光性樹脂組成物を塗工した。作製した硬化塗膜について、ラインとして完全な形状で基板上に残存している最も細いライン幅(μm)を、目視にて観察し、解像性として評価した。
基板を櫛形テストパターン(線幅100μm、線間100μm、ガラスエポキシ基板(板厚1.6mm、導体厚18μm))に変更して、上記試験片作製工程に準じて感光性樹脂組成物を塗工し、硬化塗膜を形成した。得られた試験片を、温度85℃、湿度85%の雰囲気の槽中で、直流50V印加して1000時間放置後、試験片を槽外に取り出し、HIGH RESISTANCE METER(Agilent社製)にて絶縁抵抗値(単位:Ω)を測定し、電気絶縁性を評価した。
Claims (4)
- 前記(B)光重合開始剤が、(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキスムであることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)光重合開始剤が、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.1〜2.5質量部含むことを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の光硬化膜を有するプリント配線板。
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