JP2017107182A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気絶縁性等の基本特性を損なうことなく、直描装置による露光であっても、塗膜内部光硬化性、良好な感度、硬化物のライン形状の劣化を防止する感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)エポキシ化合物と、(D)着色剤とを含む感光性樹脂組成物であって、前記(B)光重合開始剤が、オキシムエステル系化合物であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、被覆材料、例えば、プリント配線板等の基板に形成された導体回路パターンを被覆するための被覆材料に適した感光性樹脂組成物、及びこれを硬化させた硬化物を被覆したプリント配線板等の配線基板に関するものである。
プリント配線板にソルダーレジスト膜を形成するにあたり、従来、プリント配線板の塗膜上にフォトマスクを設け、プリント配線板全面を露光する一括露光の方法にて、露光工程を行っていた。しかし、近年、プリント配線板上に塗工した感光性樹脂組成物を露光する際、CADデータを用いて直接画像を描く直描装置による露光が注目されている。
従来の一括露光に使用する感光性樹脂組成物は、光重合開始剤として、α-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤(特許文献1)、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(特許文献2)等が使用されていた。
しかし、直描露光では、露光の際、酸素分子による障害を受けるので、塗膜の内部では、光重合反応が進みにくく、良好な感度が得られない。また、感光性樹脂組成物に着色剤を配合すると、塗膜の隠蔽力が高くなるので、塗膜の内部ではさらに光重合反応が進みにくくなってしまう。結果として、塗膜の深部では十分な光硬化が得られず、硬化塗膜にアンダーカットが発生してライン形状が劣化してしまうという問題があった。また、ライン形状が劣化してしまうので、ファインピッチの回路パターンに対応できず、場合によってはラインの剥離や欠損等が生じてしまうという問題があった。さらに、着色剤を配合すると上記問題がより顕著となっていた。このライン形状劣化の問題に対応するためには、一括露光よりも光硬化工程における露光量を増やすことによって、塗膜の深部でも十分に光硬化させなければならない。しかし、露光量を増大させると、生産効率の向上を妨げてしまう、という問題があった。
特開2010−276859号公報 特開2011−232402号公報
上記事情に鑑み、本発明の目的は、電気絶縁性等の基本特性を損なうことなく、直描装置による露光であっても、一括露光と同様に、塗膜の内部まで光硬化性を有する良好な感度が得られ、硬化物のライン形状の劣化を防止し、優れた解像性が得られる感光性樹脂組成物を提供することである。
本発明の態様は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)エポキシ化合物と、(D)着色剤とを含む感光性樹脂組成物であって、前記(B)光重合開始剤が、下記一般式
Figure 2017107182
(式中、Rは、水素、炭素数1〜17のアルキル基または炭素数1〜17のアルコキシ基を表し、Rは、フェニル基、または炭素数1〜5のアルキル基、−O−C2m−CH及び−O−C2n−O−C2p−CHからなる群から選択された少なくとも1つの置換基で置換されたフェニル基を表し、mは0または1〜5の整数、nは1〜5の整数、pは0または1〜5の整数を表す。)で表される化合物であることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(B)光重合開始剤が、(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキスムであることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(B)光重合開始剤が、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.1〜2.5質量部含むことを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、上記感光性樹脂組成物の光硬化膜を有するプリント配線板である。
本発明の態様によれば、光重合開始剤として、1分子中にニトロ基を有するカルバゾール骨格を1つ有するオキシムエステル化合物である、上記一般式で表される化合物を使用することにより、電気絶縁性等の基本特性を損なうことなく、直描装置による露光であっても、一括露光と同様に、塗膜の内部まで光硬化性を有する良好な感度が得られるので、硬化塗膜にアンダーカットが発生してライン形状が劣化してしまうのを防止できる。また、直描装置による露光であっても硬化塗膜のライン形状の劣化を防止できるので、ファインピッチの回路パターンであっても、ラインの剥離や欠損等を防止でき、優れた解像性が得られる。さらに、直描装置による露光量を一括露光の露光量と同程度にできるので、直描装置の露光工程を短縮化でき、生産効率がより向上する。
また、光重合開始剤として、上記一般式で表される、1分子中にニトロ基を有するカルバゾール骨格を1つ有するオキシムエステル化合物を使用することにより、塗膜深部までの光硬化性がさらに向上し、特に、波長365nmとその近傍、波長385nmとその近傍、波長405nmとその近傍の各活性エネルギー線に対する感度が向上し、より優れた解像性が得られる。
本発明の態様によれば、上記一般式で表される、1分子中にニトロ基を有するカルバゾール骨格を1つ有するオキシムエステル化合物として、(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキスムを使用することにより、塗膜深部での光硬化性がさらに向上して優れた感度が得られる。
本発明の態様によれば、上記一般式で表される光重合開始剤が、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.1〜2.5質量部含むことにより、直描装置による露光量を一括露光の露光量と同程度にしても良好な感度が得られ、硬化塗膜のライン形状の劣化を確実に防止できる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物について、詳細に説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)エポキシ化合物と、(D)着色剤とを含む感光性樹脂組成物であって、前記(B)光重合開始剤が、上記一般式で表される、1分子中にニトロ基を有するカルバゾール骨格を1つ有するオキシムエステル化合物である。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
カルボキシル基含有感光性樹脂は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する感光性のカルボキシル基含有樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂の例として、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能性エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得、生成した水酸基にさらに多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を挙げることができる。
前記多官能性エポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であればいずれでも使用可能である。多官能性エポキシ樹脂のエポキシ当量は特に限定されないが、2000g/eq以下が好ましく、1000g/eq以下がより好ましく、100〜500g/eqが特に好ましい。多官能性エポキシ樹脂には、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、о−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂にBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものも使用可能である。これらのエポキシ樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などを挙げることができ、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法は特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸とを適当な希釈剤中で加熱することにより反応させることができる。
多塩基酸、多塩基酸無水物は、前記エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応により生成した水酸基に反応することで、樹脂に遊離のカルボキシル基を導入させるものである。多塩基酸又はその無水物は特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。具体的な多塩基酸としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、具体的な多塩基酸無水物としては、これらの無水物が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
上記した多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂もカルボキシル基含有感光性樹脂として使用できるが、必要に応じて、上記した多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入して、感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂を用いてもよい。
この感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂は、前記グリシジル化合物の反応によって、ラジカル重合性不飽和基が多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂骨格の側鎖に結合することから、光重合反応性がより向上し、優れた感光特性を有する樹脂となる。1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、グリシジル基は1分子中に複数有していてもよい。上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
さらに、カルボキシル基含有感光性樹脂として、例えば、a)1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂のエポキシ基に、b)カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種の脂肪酸とc)エチレン性不飽和基含有カルボン酸を反応させることで、反応生成物である長鎖脂肪酸変性エチレン性不飽和基含有変性エポキシ樹脂を得、さらに長鎖脂肪酸及び/またはエチレン性不飽和基含有カルボン酸のカルボキシル基とエポキシ樹脂のエポキシ基との反応により生成する水酸基(主に2級)に、d)多塩基酸無水物を付加させて上記樹脂に遊離のカルボキシル基を導入したものを挙げることができる。
a)1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であればいずれでも使用可能である。1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂のエポキシ当量は特に限定されないが、エチレン性不飽和基含有カルボン酸と長鎖脂肪酸の導入割合の低下による感光性と柔軟性の低下を防止する点から、2000g/eq以下が好ましく、1000g/eq以下がより好ましく、100〜500g/eqが特に好ましい。
1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂には、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、о−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を含有するエポキシ樹脂、アダマンタン骨格を導入したエポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂にBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものも使用可能である。
これらのうち、感光性樹脂組成物の感度、硬化物の解像性、柔軟性及び低反り性に優れ、さらに、良好な絶縁性と耐熱性が得られる点から、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましい。
b)カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸
カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸は、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂のエポキシ基と反応して、該樹脂に上記脂肪酸由来の長鎖炭化水素構造が導入されることで、感光性樹脂組成物の硬化物の柔軟性(フレキシブル性)と絶縁性を向上させることができる。カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸は、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能であり、また、直鎖状、分岐状のいずれも使用可能である。上記脂肪酸には、例えば、炭素数が10以上の一塩基酸、炭素数20以上の二塩基酸が挙げられ、柔軟性と指触乾燥性のバランスの点から、上記一塩基酸及び二塩基酸は、直鎖状または炭素数2以下の側鎖を2本以下有する分岐状が好ましい。
また、長鎖脂肪酸構造をエポキシ樹脂に導入しつつ、さらに、上記エポキシ樹脂の異なるエポキシ基が脂肪酸を介して相互に結合することで、エポキシ樹脂が有する比較的剛直な骨格を長鎖脂肪酸由来の柔軟性の高い長鎖炭化水素骨格にて共有結合により架橋された構造とすることができ、ひいては該構造が硬化塗膜の柔軟性及びはんだ耐熱性に寄与する点から、脂肪酸は少なくとも1種の二塩基酸を含有することが好ましい。
さらに、長鎖脂肪酸に由来する柔軟性と絶縁性の高い長鎖炭化水素骨格をより多く導入することで硬化塗膜の柔軟性と絶縁性をより向上させることができるところ、上記したカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である二塩基酸に加えて、カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である一塩基酸を併用することにより、脂肪酸と多官能エポキシ樹脂とエチレン性不飽和基含有カルボン酸との反応生成物の分子量を、長鎖脂肪酸に由来する成分の組成比率を向上させながら適度に制御することができる。このように、前記分子量を適度に制御することで、乾燥後の塗膜の指触乾燥性と弱アルカリ現像液への溶解性(すなわち現像性)と感度とをバランスよく確実に向上させることができる。また、一塩基酸と二塩基酸を併用することで絶縁性とはんだ耐熱性のバランスのよい向上にも確実に寄与することができる。
前記分子量をより適度に制御することで、上記諸特性をよりバランスよく向上させる点から、カルボキシル基1つあたりの炭素数が18以上である直鎖状飽和一塩基酸を含むことが特に好ましい。
カルボキシル基1つあたりの炭素数は、硬化物に柔軟性と絶縁性を付与する点から8以上であり、10以上が好ましい。一方、カルボキシル基1つあたりの炭素数の上限値は、特に限定されないが、良好な現像性を維持する点から24以下が好ましく、22以下が特に好ましい。
カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸の具体例には、一塩基酸としては、カプリン酸(デカン酸:C10)、ウンデカン酸(C11)、ラウリン酸(ドデカン酸:C12)、トリデシル酸(C13)、ミリスチン酸(テトラデカン酸:C14)、ペンタデシル酸(C15)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸:C16)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸:C17)、ステアリン酸(C18)、イソステアリン酸(C18)、ツベルクロスステアリン酸(C19)、アラキジン酸(C20)、ベヘニン酸(C22)、トリコシル酸(C23)、テトラコサン酸(C24)、ヘキサコサン酸(C26)、オクタコサン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等が挙げられる。
二塩基酸としては、エイコサン二酸(C20)、エチルオクタデカン二酸(C20)、エイコサジエン二酸(C20)、ビニルオクタデカエン二酸(C20)、ジメチルエイコサジエン二酸(C22)、ジメチルエイコサン二酸(C22)、ジフェニルヘキサデカン二酸(C28)、オレイン酸(C18)等の不飽和脂肪酸の二量体化反応によるC36ダイマー酸、該ダイマー酸のオレフィン性二重結合を水素化してなることを特徴とする水添C36ダイマー酸等を挙げることができる。
上記したカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種の脂肪酸との反応方法は、公知の方法でよく、例えば、上記エポキシ樹脂と上記脂肪酸を適当な希釈剤中で加熱する反応方法が挙げられる。
カルボキシル基含有感光性樹脂中におけるカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸の割合(仕込み割合)は、特に限定されないが、例えば、その下限値は、硬化物の柔軟性と絶縁性をより向上させる点から10質量%が好ましく、柔軟性と絶縁性を確実に向上させる点から15質量%が特に好ましい。一方で、その上限値は、エチレン性不飽和基含有カルボン酸の導入量を適度に維持することで優れた感光性と解像性を維持する点から50質量%が好ましく、40質量%が特に好ましい。
c)エチレン性不飽和基含有カルボン酸
エチレン性不飽和基含有カルボン酸は、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂のエポキシ基と反応して、エポキシ樹脂に光重合開始剤により発生するフリーラジカルによって重合することができる光硬化性基を導入する。エチレン性不飽和基含有カルボン酸は、エポキシ樹脂に光硬化性を付与するものであれば、特に限定されず、例えば、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を挙げることができ、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、β−アクリロキシプロピオン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン−(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸など、アクリロイル基またはメタクリロイル基をエポキシ樹脂に導入できるカルボン酸を挙げることができる。このうち、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、アクリル酸が特に好ましい。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
カルボキシル基含有感光性樹脂中におけるエチレン性不飽和基含有カルボン酸の割合(仕込み割合)は、特に限定されないが、例えば、その下限値は、硬化物の優れた感光性と解像性を維持する点から2.0質量%が好ましく、3.0質量%が特に好ましい。一方で、その上限値は、カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸の導入量を適度に維持することで優れた柔軟性と絶縁性を得る点から10質量%が好ましく、8.0質量%が特に好ましい。
1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とエチレン性不飽和基含有カルボン酸との反応方法は特に限定されず、例えば、上記エポキシ樹脂とエチレン性不飽和基含有カルボン酸を適当な希釈剤中で加熱する反応方法が挙げられる。
d)多塩基酸無水物
多塩基酸無水物は、前記エポキシ樹脂とカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種の脂肪酸との反応により生成した水酸基及び前記エポキシ樹脂とエチレン性不飽和基含有カルボン酸との反応により生成した水酸基に反応して、前記エポキシ樹脂に遊離のカルボキシル基を導入する。多塩基酸無水物としては、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸無水物には、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等の多塩基酸の無水物が挙げられる。なお、これらの化合物は単独で使用してもよく、現像性を適度に調整するために、2種以上混合して使用してもよい。
カルボキシル基含有感光性樹脂中における多塩基酸無水物の割合(仕込み割合)は、特に限定されないが、例えば、その下限値は、現像性の向上の点から5.0質量%が好ましく、8.0質量%が特に好ましい。一方で、その上限値は、優れた絶縁性を得る点から25質量%が好ましく、20質量%が特に好ましい。
さらに、カルボキシル基含有感光性樹脂として、例えば、酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を使用してもよい。酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、例えば、まず、上記のようにしてエポキシ(メタ)アクリレートを得、生成した水酸基に、上記した多塩基酸またはその無水物と1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物とを反応させることで得られる。
1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネアート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トリメチルヘキサメチルジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ヘキサメチルアミンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネート、1,3−ジフェニルプロパンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネートなどのジイソシアネートが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
本発明においては、上記した酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂もカルボキシル基含有感光性樹脂として使用できるが、必要に応じて、上記した酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂のカルボキシル基に、上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入し、感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂としてもよい。
カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価は、特に限定されないが、その下限値は、確実なアルカリ現像の点から30mgKOH/gが好ましく、40mgKOH/gが特に好ましい。一方、酸価の上限値は、アルカリ現像液による露光部の溶解防止の点から200mgKOH/gが好ましく、硬化物の耐湿性と電気特性の劣化防止の点から150mgKOH/gが特に好ましい。
また、カルボキシル基含有感光性樹脂の質量平均分子量は、特に限定されないが、その下限値は、硬化物の強靭性及び指触乾燥性の点から3000が好ましく、5000が特に好ましい。一方、質量平均分子量の上限値は、円滑なアルカリ現像性の点から200000が好ましく、50000が特に好ましい。
カルボキシル基含有感光性樹脂として市販されているものには、例えば、サイクロマーP(ACA)Z−251(ダイセル・オルネクス(株)製)、ZCR−1601H、ZAR−2000、ZFR−1122、FLX−2089、ZCR−1569H(以上、日本化薬(株)製)、リポキシ SP−4621(昭和高分子(株)製)等を挙げることができる。これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(B)光重合開始剤
本発明の感光性樹脂組成物では、(B)成分の光重合開始剤として、1分子中にニトロ基を有するカルバゾール骨格を1つ有するオキシムエステル化合物である、下記一般式
Figure 2017107182
(式中、Rは、水素、炭素数1〜17のアルキル基または炭素数1〜17のアルコキシ基を表し、Rは、フェニル基、または炭素数1〜5のアルキル基、−O−C2m−CH及び−O−C2n−O−C2p−CHからなる群から選択された少なくとも1つの置換基で置換されたフェニル基を表し、mは0または1〜5の整数、nは1〜5の整数、pは0または1〜5の整数を表す。)で表される化合物を使用している。
上記一般式で表されるオキシムエステル化合物を使用することにより、直描装置による露光であっても、一括露光と同様に、塗膜の内部まで光硬化性を有する良好な感度が得られるので、硬化塗膜にアンダーカットが発生してライン形状が劣化してしまうのを防止できる。また、上記一般式で表されるオキシムエステル化合物を使用することにより、特に、波長365nmとその近傍、波長385nmとその近傍、波長405nmとその近傍の各活性エネルギー線に対する感度が向上するので、上記各波長の活性エネルギー線を用いると、優れた塗膜深部までの光硬化性、すなわち、塗膜深部での優れた感度が得られ、解像性が向上する。
光重合開始剤は、上記一般式のオキシムエステル化合物であれば、特に限定されないが、例えば、下記化学構造を有する(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキスムを挙げることができる。
Figure 2017107182
上記一般式のオキシムエステル化合物の含有量は特に限定されず、例えば、その下限値は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部(固形分、以下同じ)に対して、直描装置による露光量を一括露光の露光量と同程度にしても、着色剤が含まれる塗膜でもライン形状の劣化を確実に防止する点から0.1質量部が好ましく、現像時の感度とライン形状をより向上させる点から0.2質量部が特に好ましい。一方、その上限値は、例えば、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、加熱処理時にミストが発生するのを抑制する点から4.0質量部が好ましく、ライン形状の点から2.5質量部が特に好ましい。
また、上記一般式のオキシムエステル化合物に加えて、必要に応じて、さらに、他の光重合開始剤を配合してもよい。他の光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、チオキサントン系光重合開始剤を挙げることができる。チオキサントン系光重合開始剤を配合することで、ライン形状のアンダーカットを低減して解像性をより向上させることができる場合がある。チオキサントン系光重合開始剤としては、チオキサントン構造を有する光重合開始剤であれば特に限定されず、例えば、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン等を挙げることができる。
チオキサントン系光重合開始剤の含有量は特に限定されず、例えば、その下限値は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、解像性が確実に向上する点から0.05質量部が好ましく、0.1質量部が特に好ましい。一方、その上限値は、例えば、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、ライン太りの防止の点から1.0質量部が好ましく、0.5質量部が特に好ましい。
チオキサントン系光重合開始剤以外の他の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2‐メチル‐1‐〔4‐(メチルチオ)フェニル〕‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2、4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイド、(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルフォスフィンオキサイド、1,2-オクタンジオン等を挙げることができる。
他の光重合開始剤も配合する場合における、上記一般式のオキシムエステル化合物と他の光重合開始剤の配合割合(質量比)は、特に限定されないが、加熱処理時にミストが発生するのを抑制する点から、上記一般式のオキシムエステル化合物:他の光重合開始剤=1.0:0.5〜20が好ましく、優れた感度とライン形状を得る点から、上記一般式のオキシムエステル化合物:他の光重合開始剤=1.0:1.0〜10が特に好ましい。
(C)エポキシ化合物
エポキシ化合物は、硬化物の架橋密度を上げて、十分な機械的強度を有する硬化塗膜等の硬化物を得るためのものである。エポキシ化合物には、例えば、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂の構造は、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型エポキシ樹脂等)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型のエポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
エポキシ化合物の含有量は、特に限定されないが、柔軟性を損なうことなく十分な機械的強度の硬化塗膜を得る点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、20〜70質量部が特に好ましい。
(D)着色剤
着色剤は、顔料、色素等、特に限定されず、また、白色着色剤、青色着色剤、黄色着色剤、黒色着色剤等、いずれの色も使用可能である。上記着色剤には、例えば、白色着色剤である酸化チタン、黒色着色剤であるカーボンブラック等の無機系着色剤や、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、リオノールブルー等のフタロシアニン系、アントラキノン系等の有機系着色剤等を挙げることができる。これらの着色剤は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
着色剤の含有量は特に限定されず、例えば、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、1〜10質量部が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、上記した(A)〜(D)成分の他に、必要に応じて、種々の添加成分、例えば、反応性希釈剤、消泡剤、体質顔料、難燃剤、溶剤、各種添加剤等を、適宜、含有させることができる。
反応性希釈剤とは、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つの重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化を十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する硬化物を得るために使用する。
反応性希釈剤は、上記化合物であれば特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールモノ(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシ‐3‐フェノキシプロピル(メタ)アクリルレート、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
消泡剤は、特に限定されないが、例えば、シリコーン系、炭化水素系、アクリル系等を挙げることができる。体質顔料は、硬化物の強度と剛性を上げるためのものであり、例えば、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、タルク、マイカ等を挙げることができる。
難燃剤を配合することで、本発明の感光性樹脂組成物の硬化物に難燃性を付与することができる。難燃剤は特に限定されず、公知のものを使用できる。難燃剤としては、例えば、リン元素含有化合物等を挙げることができる。リン元素含有化合物の具体例としては、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート等のノンハロゲン系脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、3−グリシジルオキシプロピレンジフェニルホスフィンオキシド、3−グリシジルオキシジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルビニルホスフィンオキシド、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、2−(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−オキサイド−10−ホスファフェナントレン−10−イル)メチルコハク酸ビス−(2−ヒドロキシエチル)−エステル重合物などのノンハロゲン系芳香族リン酸エステル;トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンなどのホスフィン酸の金属塩、環状フェノキシホスファゼン、環状シアノフェノキシホスファゼンなどの、置換若しくは非置換のフェノキシ基または置換若しくは非置換のナフトキシ基を有する環状若しくは鎖状のホスファゼン系化合物、トリアリルホスフィン等が挙げられる。
溶剤(非反応性希釈剤)は、感光性樹脂組成物の粘度や乾燥性を調節するためのものである。溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルジグリコールアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
各種添加剤には、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、メラミン及びその誘導体等の潜在性硬化剤、酸化防止剤、カップリング剤、硬化物に対して柔軟性を付与することに寄与するウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記した本発明の感光性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されず、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温にて、三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、またはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段により混練または混合して製造することができる。また、前記混練または混合の前に、必要に応じて、予備混練または予備混合してもよい。
次に、上記した本発明の感光性樹脂組成物の使用方法について説明する。ここでは、本発明の感光性樹脂組成物を、回路基板上にソルダーレジスト膜として塗工する場合を例にとって説明する。
上記のようにして得られた本発明の感光性樹脂組成物を、例えば、銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するプリント配線板上に、スクリーン印刷、スプレーコータ、バーコータ、アプリケータ、ブレードコータ、ナイフコータ、ロールコータ、グラビアコータ等、公知の塗工方法を用いて所望の厚さに塗布する。塗布後、感光性樹脂組成物に溶剤(非反応性希釈剤)を配合した場合には、感光性樹脂組成物中の溶剤を揮散させるために、60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行ってタックフリーの塗膜を形成する。次に、感光性樹脂組成物上に、直描装置にて、直接、活性エネルギー線(例えば、紫外線)を所望のパターンに応じて照射して、該パターン状に塗膜を光硬化させる。次に、希アルカリ水溶液で非露光領域を除去することにより塗膜を現像する。上記現像方法には、例えば、スプレー法、シャワー法等が用いられ、希アルカリ水溶液としては、例えば、0.5〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液が挙げられる。次に、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュアを行うことにより、現像した塗膜を熱硬化させて、目的とするパターンを有する硬化塗膜をプリント配線板上に形成させることができる。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜12、比較例1〜3
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜12、比較例1〜3にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示し、また、配合量の空欄は、配合が0質量部であることを意味する。
Figure 2017107182
なお、表1中の各成分についての詳細は、以下の通りである。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・ZAR−2000:日本化薬(株)製(固形分65質量%、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート25質量%、ソルベントナフサ10質量%)。
・FLX−2089:日本化薬(株)製(固形分65質量%、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート35質量%)。
・ZCR−1569H:日本化薬(株)製(固形分65質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート35質量%)。
合成樹脂A−1
撹拌機、還流冷却管を備えた500mLセパラブルフラスコに、窒素・空気(2:1)雰囲気下でジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下「EDGAC」)86.45g、8−エチルオクタデカン二酸(岡村製油(株)製、SB−20)26.54g(6.3質量部)、ベヘニン酸45.35g(10.7質量部)、ステアリン酸9.71g(2.3質量部)、アクリル酸14.36g(3.4質量部)、トリフェニルホスフィン(TPP)0.65g(0.1質量部)、メトキシハイドロキノン(MEHQ)0.43g(0.1質量部)を仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.3mL/sec吹き込みながら、110℃で溶解するまで加熱撹拌した。別途、EDGAC溶媒59.8g中にビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC−3000、エポキシ当量265〜285g/eq)137.65g(32.6質量部)を80℃まで加熱して均一に溶解して上記フラスコ内に投入し、115℃にて15〜17時間、加熱撹拌させ、反応溶液の酸価が6mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物に、さらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn)を42.23g(9.9質量部)加え空気雰囲気下100℃で2〜3時間撹拌した。酸無水物が消失したことを、FT−IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、上記表1に示す固形分65質量%、酸価85mgKOH/gの合成樹脂A−1を得た。
(B)光重合開始剤
・NCI−831:ADEKA社製。
(C)エポキシ化合物
・EPICRON860:DIC社製。
(D)着色剤
・デンカブラック:電気化学工業(株)製。
・リオノールブルー FG−7351:東洋インキ製造(株)製。
(B)成分以外の光重合開始剤
・OXE−02、Irgacure369、Irgacure907:BASF社製。
・chemcureDETX:日本シイベルヘグナー社製。
添加剤
・EBECRYL8405:ダイセル・オルネクス(株)製。
体質顔料
・ハイジライト H−42STV:昭和電工(株)製。
溶剤
・ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート:三洋化成品(株)製。
消泡剤
・KS−66:信越化学工業(株)製。
難燃剤
エクソリットOP−935:クラリアントジャパン社製。
試験片作製工程
基板(ガラスエポキシ基板、「FR4」、Cu厚み25μm)を、希硫酸(5質量%)により表面処理後、スクリーン印刷法にて、上記のように調製した実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、それぞれ塗布した。塗布後、BOX炉にて80℃で20分の予備乾燥を行った。予備乾燥後、塗膜上に、下記表2に示す直描露光機1〜3の露光条件にて、下記表2に示す所定波長の活性エネルギー線を所定量露光した。露光後、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて、現像温度30℃、現像圧力0.2MPaのスプレー圧にて現像した。現像後、BOX炉にて150℃で60分のポストキュアを行うことで、基板上に硬化塗膜を形成した。硬化塗膜の厚みは、20〜23μmであった。
Figure 2017107182
評価
(1)感度
上記試験片作製工程の予備乾燥工程まで行った基板に対し、感度測定用ステップタブレット(コダック社製、21段)を塗膜上に密着させ、このステップタブレットを通して、表2に示す直描露光機1〜3の露光条件にて照射したものをテストピ−スとした。このテストピースに、上記試験片作製工程と同様にして現像を行った。現像後の感度段数が100%残っている最大の段数を感度として評価した。段数が大きいほど感度が良好であることを示す。
(2)解像性
ライン幅30μm〜200μmのパターンを持つフォトマスクを用いて露光し、硬化塗膜の厚みが40μmであること以外は、上記試験片作製工程に準じて感光性樹脂組成物を塗工した。作製した硬化塗膜について、ラインとして完全な形状で基板上に残存している最も細いライン幅(μm)を、目視にて観察し、解像性として評価した。
(3)電気絶縁性
基板を櫛形テストパターン(線幅100μm、線間100μm、ガラスエポキシ基板(板厚1.6mm、導体厚18μm))に変更して、上記試験片作製工程に準じて感光性樹脂組成物を塗工し、硬化塗膜を形成した。得られた試験片を、温度85℃、湿度85%の雰囲気の槽中で、直流50V印加して1000時間放置後、試験片を槽外に取り出し、HIGH RESISTANCE METER(Agilent社製)にて絶縁抵抗値(単位:Ω)を測定し、電気絶縁性を評価した。
評価結果を、下記表3に示す。
Figure 2017107182
表3の実施例1〜12から、光重合開始剤として、上記一般式で表される化合物である(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキスムを使用すると、露光量50〜100mJ/cm での直描露光機における露光であっても、電気絶縁性を損なうことなく、感度が4段以上に向上し、解像性が30〜60μmと、細いライン幅であっても、完全な形状のラインを得ることができた。また、実施例1、2、5、6、7から、(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキスムが、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部(固形分)に対して、約0.5質量部含むと、約0.2質量部含む実施例3と比較して、感度がさらに向上し、同等以上の解像性が得られた。特に、波長365nm、385nm及び405nmの活性エネルギー線からなる露光、波長375nm及び405nmの活性エネルギー線からなる露光では、解像性もさらに向上した。また、実施例4、12から、(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキスムが、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部(固形分)に対して、約2.0質量部含むと、他の実施例と比較して、さらに優れた感度と解像性が得られた。
また、実施例1と実施例8、実施例5と実施例9、実施例6と実施例10、実施例7と実施例11の対比から、(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキスムが、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部(固形分)に対して、約0.5質量部含むと、(B)成分以外の光重合開始剤をさらに配合しなくても、(B)成分以外の光重合開始剤をさらに配合した場合と同等の感度が得られた。また、実施例4と実施例12の対比から、(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキスムが、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部(固形分)に対して、約2.0質量部含むと、(B)成分以外の光重合開始剤をさらに配合しなくても、(B)成分以外の光重合開始剤をさらに配合した場合と同等の感度と解像性が得られた。
また、表3から、波長365nm、385nm及び405nmの活性エネルギー線からなる露光では、露光量が50mJ/cmに低減されても、他の波長の活性エネルギー線における露光量70〜100mJ/cmと同等以上の感度と解像性が得られた。従って、波長365nm、385nm及び405nmの活性エネルギー線を用いると、生産性がより向上することが判明した。
一方、比較例2、3から、上記一般式で表される化合物ではない、1分子中に1つのカルバゾール骨格を有するオキシムエステル系光重合開始剤を使用すると、解像性が80μm以上と、細いライン幅では、完全な形状のラインを得ることができなかった。また、比較例1から、上記一般式で表される光重合開始剤を配合しないと、感度が1段以下、解像性が200μm以上となり、感度、解像性とも得られなかった。
本発明の感光性樹脂組成物は、露光の際、塗膜の光重合反応が従来よりも促進され、塗膜の深部までより十分な光硬化が得られるので、特に、直描露光にて塗膜を光硬化する分野で利用価値が高い。

Claims (4)

  1. (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)エポキシ化合物と、(D)着色剤とを含む感光性樹脂組成物であって、
    前記(B)光重合開始剤が、下記一般式
    Figure 2017107182
    (式中、Rは、水素、炭素数1〜17のアルキル基または炭素数1〜17のアルコキシ基を表し、Rは、フェニル基、または炭素数1〜5のアルキル基、−O−C2m−CH及び−O−C2n−O−C2p−CHからなる群から選択された少なくとも1つの置換基で置換されたフェニル基を表し、mは0または1〜5の整数、nは1〜5の整数、pは0または1〜5の整数を表す。)で表される化合物であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記(B)光重合開始剤が、(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキスムであることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(B)光重合開始剤が、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.1〜2.5質量部含むことを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の光硬化膜を有するプリント配線板。
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