JP2017107076A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】静電潜像現像用トナーが、コアと、コアの表面を覆うシェル層とを備えるトナー粒子を、複数含む。コアはポリエステル樹脂を含有する。シェル層は樹脂粒子を含む。シェル層に含まれる樹脂粒子を構成する高分子の主鎖骨格は、50mol%以上の割合で(メタ)アクリル酸エステルに由来する1種以上の繰返し単位を含む。(メタ)アクリル酸エステルに由来する1種以上の繰返し単位のうち、60mol%以上の繰返し単位は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピルのいずれかに由来する繰返し単位である。
【選択図】図1
Description
静電潜像現像用トナーが、トナーコア及びシェル層を備えるトナー粒子を、複数含む。トナーコアはポリエステル樹脂を含有する。シェル層は樹脂粒子を含む。その樹脂粒子を構成する高分子の主鎖骨格は、50mol%以上の割合で(メタ)アクリル酸エステルに由来する1種以上の繰返し単位を含む。また、(メタ)アクリル酸エステルに由来する1種以上の繰返し単位のうち、60mol%以上の繰返し単位は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピルのいずれかに由来する繰返し単位である。以下、(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰返し単位を、特定骨格単位と記載する。また、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピルのいずれかに由来する繰返し単位を、特定エステル単位と記載する。
トナー粒子(特に、トナーコア及びシェル層)を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、又はN−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂を好適に使用できる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)も、トナー粒子を構成する熱可塑性樹脂として好適に使用できる。
トナーコアは、結着樹脂を含有する。また、トナーコアは、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含有してもよい。
トナーコアでは、一般的に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、水酸基価、酸価、Tg、又はTm等)を調整することができる。例えば、結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナーコアはアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基又はアミド基を有する場合には、トナーコアはカチオン性になる傾向が強くなる。結着樹脂が強いアニオン性を有するためには、結着樹脂の水酸基価及び酸価がそれぞれ10mgKOH/g以上であることが好ましい。
トナーコアは、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナーコアは、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーコアのアニオン性を強めるためには、アニオン性を有するワックスを用いてトナーコアを作製することが好ましい。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
トナーコアは、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナーコアは、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、又はニッケル等)もしくはその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、又は二酸化クロム等)、又は強磁性化処理(より具体的には、熱処理等)が施された材料を好適に使用できる。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
本実施形態に係るトナーでは、シェル層が、前述の基本構成の要件を満たす高分子から実質的に構成される樹脂粒子を含む。トナーの帯電安定性(特に、高温高湿環境下での安定性)を向上させるためには、樹脂粒子を構成する高分子が非水溶性熱可塑性樹脂であることが好ましい。トナーの正帯電性を向上させるためには、樹脂粒子を構成する高分子が正帯電性の電荷制御剤を含有することが好ましい。樹脂粒子に電荷制御剤を含有させるためには、樹脂中に電荷制御剤に由来する繰返し単位を組み込んでもよいし、樹脂中に帯電粒子を分散させてもよい。樹脂粒子を構成する高分子に含有させる正帯電性の電荷制御剤の好適な例としては、アジン化合物(より具体的には、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オキサジン、チアジン、トリアジン、オキサジアジン、チアジアジン、テトラジン、フタラジン、キナゾリン、又はキノキサリン等)、ニグロシン、又は4級アンモニウム化合物が挙げられる。
トナー母粒子の表面に、外添剤として無機粒子を付着させてもよい。外添剤は、例えばトナーの流動性又は取扱性を向上させるために使用される。トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の量が、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。また、トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の粒子径は0.01μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
以下、上記構成を有する本実施形態に係るトナーを製造する方法の一例について説明する。
好適なトナーコアを容易に得るためには、凝集法又は粉砕法によりトナーコアを製造することが好ましく、粉砕法によりトナーコアを製造することがより好ましい。
まず、水性媒体(例えば、イオン交換水)を準備する。シェル層形成時におけるトナーコア成分(特に、結着樹脂及び離型剤)の溶解又は溶出を抑制するためには、水性媒体中でシェル層を形成することが好ましい。水性媒体は、水を主成分とする媒体(より具体的には、純水、又は水と極性媒体との混合液等)である。水性媒体は溶媒として機能してもよい。水性媒体中に溶質が溶けていてもよい。水性媒体は分散媒として機能してもよい。水性媒体中に分散質が分散していてもよい。水性媒体中の極性媒体としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール又はエタノール等)を使用できる。
得られたトナー母粒子を洗浄してもよい。トナー母粒子の洗浄方法としては、例えば、トナー母粒子を含む分散液を固液分離して、ウェットケーキ状のトナー母粒子を回収し、回収されたウェットケーキ状のトナー母粒子を水で洗浄する方法が好ましい。また、トナー母粒子の洗浄方法としては、トナー母粒子を含む分散液中のトナー母粒子を沈降させ、上澄み液を水と置換し、置換後にトナー母粒子を水に再分散させる方法が好ましい。
洗浄工程の後、トナー母粒子を乾燥してもよい。例えば、乾燥機(より具体的には、スプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、又は減圧乾燥機等)を用いてトナー母粒子を乾燥することができる。乾燥中のトナー母粒子の凝集を抑制するためには、スプレードライヤーを用いてトナー母粒子を乾燥することが好ましい。スプレードライヤーを用いる場合には、例えば、外添剤が分散した分散液をトナー母粒子に噴霧することで、乾燥工程と後述の外添工程とを同時に行うことが可能になる。
その後、必要に応じて、混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー又はUMミキサー)を用いてトナー母粒子と外添剤とを混合して、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。こうして、トナー粒子を多数含むトナーが得られる。
示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて、試料(例えば、樹脂)の吸熱曲線を求めた。続けて、得られた吸熱曲線から試料のTg(ガラス転移点)を読み取った。得られた吸熱曲線中の比熱の変化点(ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点)の温度が、試料のTg(ガラス転移点)に相当する。
高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)に試料(例えば、樹脂)をセットし、ダイス細孔径1mm、プランジャー荷重20kg/cm2、昇温速度6℃/分の条件で、1cm3の試料を溶融流出させて、試料のS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)を求めた。続けて、得られたS字カーブから試料のTm(軟化点)を読み取った。得られたS字カーブにおいて、ストロークの最大値をS1とし、低温側のベースラインのストローク値をS2とすると、S字カーブ中のストロークの値が「(S1+S2)/2」となる温度が、試料のTm(軟化点)に相当する。
(トナーコアの作製)
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(詳しくは、ビスフェノールAを骨格にしてエチレンオキサイドを付加したアルコール)に、多官能基を有する酸(詳しくは、テレフタル酸)を反応させることにより、ポリエステル樹脂(トナーコアの結着樹脂)を合成した。得られたポリエステル樹脂に関して、水酸基価は20mgKOH/g、酸価は10mgKOH/g、Tmは100℃、Tgは48℃であった。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内に30℃のイオン交換水815mLとアニオン界面活性剤(花王株式会社製「ラテムル(登録商標)WX」、成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、固形分濃度:26質量%)75mLとを入れた。その後、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を80℃に昇温させた後、その温度(80℃)に保った。続けて、80℃のフラスコ内容物に2種類の液(第1の液及び第2の液)をそれぞれ5時間かけて滴下した。第1の液は、スチレン15gとアクリル酸ブチル3gとの混合液であった。第2の液は、過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水30mLに溶かした溶液であった。続けて、フラスコ内の温度を80℃にさらに2時間保って、フラスコ内容物を重合させた。その結果、固形分濃度21質量%の樹脂微粒子(非帯電粒子)のサスペンション(以下、サスペンションAと記載する)が得られた。得られたサスペンションAに含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は32nmであり、Tgは71℃であった。
温度計、冷却管、窒素導入管、及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコ内に、イソブタノール90gと、メタクリル酸メチル100gと、アクリル酸ブチル37gと、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド(Alfa Aesar社製)30gと、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(和光純薬工業株式会社製「VA−086」)6gとを入れた。続けて、窒素雰囲気、温度80℃の条件で、フラスコ内容物を3時間反応させた。その後、フラスコ内に2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(和光純薬工業株式会社製「VA−086」)3gを加えて、窒素雰囲気、温度80℃の条件で、フラスコ内容物をさらに3時間反応させて、重合体を含む液を得た。続けて、得られた重合体を含む液を、減圧雰囲気、温度150℃の条件で乾燥した。続けて、乾燥した重合体を解砕し、正帯電性樹脂を得た。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内にイオン交換水300mLを入れた。その後、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。続けて、塩酸を用いてフラスコ内容物のpHを4に調整した。続けて、フラスコ内に、第1シェル材料(前述の手順で調製したサスペンションA)37gと、第2シェル材料(前述の手順で調製したサスペンションB)1gとを添加し、さらにトナーコア(前述の手順で作製したトナーコア)300gと1−デカンスルホン酸ナトリウム1gとをフラスコ内に加えて、フラスコ内容物を十分攪拌した。
上記のようにして得られたトナー母粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状のトナー母粒子を得た。その後、得られたウェットケーキ状のトナー母粒子をイオン交換水に再分散させた。さらに、分散とろ過とを5回繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。
続けて、得られたトナー母粒子を、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させた。これにより、トナー母粒子のスラリーが得られた。続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中のトナー母粒子を乾燥させた。その結果、トナー母粒子の粉体が得られた。
続けて、得られたトナー母粒子を外添処理した。詳しくは、トナー母粒子100質量部と乾式シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA90」)1.0質量部とを、容量10LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子)を付着させた。その後、得られたトナーを、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、多数のトナー粒子を含むトナーT−1が得られた。
トナーT−2の製造方法は、1−デカンスルホン酸ナトリウム1gの代わりにオクチルデカンスルホン酸ナトリウム10gを用いた以外は、トナーT−1の製造方法と同じであった。
トナーT−3の製造方法は、第2シェル材料の調製において、メタクリル酸メチル100gの代わりにアクリロニトリル100gを用いた以外は、トナーT−1の製造方法と同じであった。得られた第2シェル材料(サスペンション)に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は37nmであり、Tgは92℃であった。
トナーT−4の製造方法は、第2シェル材料の調製において、メタクリル酸メチル100g及びアクリル酸ブチル37gの代わりに、メタクリル酸メチル30g、アクリル酸ブチル32g、及びスチレン47gを用いた以外は、トナーT−1の製造方法と同じであった。得られた第2シェル材料(サスペンション)に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は35nmであり、Tgは86℃であった。
トナーT−5の製造方法は、第2シェル材料の調製において、メタクリル酸メチル100g及びアクリル酸ブチル37gの代わりに、メタクリル酸メチル27g、アクリル酸ブチル29g、及びスチレン52gを用いた以外は、トナーT−1の製造方法と同じであった。得られた第2シェル材料(サスペンション)に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は37nmであり、Tgは88℃であった。
トナーT−6の製造方法は、第2シェル材料の調製において、メタクリル酸メチル100g及びアクリル酸ブチル37gの代わりに、メタクリル酸メチル27g、アクリル酸ブチル36g、及びスチレン47gを用いた以外は、トナーT−1の製造方法と同じであった。得られた第2シェル材料(サスペンション)に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は35nmであり、Tgは83℃であった。
トナーT−7の製造方法は、第2シェル材料の調製において、メタクリル酸メチル100gの代わりにアクリル酸メチル26gを用いた以外は、トナーT−1の製造方法と同じであった。得られた第2シェル材料(サスペンション)に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は35nmであり、Tgは56℃であった。
トナーT−8の製造方法は、第2シェル材料の調製において、メタクリル酸メチル100gの代わりにアクリル酸エチル32gを用いた以外は、トナーT−1の製造方法と同じであった。得られた第2シェル材料(サスペンション)に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は35nmであり、Tgは48℃であった。
トナーT−9の製造方法は、第2シェル材料の調製において、メタクリル酸メチル100gの代わりにアクリル酸ノルマルプロピル35gを用いた以外は、トナーT−1の製造方法と同じであった。得られた第2シェル材料(サスペンション)に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は35nmであり、Tgは61℃であった。
トナーT−10の製造方法は、第2シェル材料の調製において、メタクリル酸メチル100gの代わりにアクリル酸イソプロピル35gを用いた以外は、トナーT−1の製造方法と同じであった。得られた第2シェル材料(サスペンション)に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は35nmであり、Tgは62℃であった。
トナーT−11の製造方法は、第2シェル材料の調製において、メタクリル酸メチル100gの代わりにメタクリル酸エチル35gを用いた以外は、トナーT−1の製造方法と同じであった。得られた第2シェル材料(サスペンション)に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は35nmであり、Tgは78℃であった。
トナーT−12の製造方法は、第2シェル材料の調製において、メタクリル酸メチル100gの代わりにメタクリル酸ノルマルプロピル39gを用いた以外は、トナーT−1の製造方法と同じであった。得られた第2シェル材料(サスペンション)に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は35nmであり、Tgは65℃であった。
トナーT−13の製造方法は、第2シェル材料の調製において、メタクリル酸メチル100gの代わりにメタクリル酸イソプロピル26gを用いた以外は、トナーT−1の製造方法と同じであった。得られた第2シェル材料(サスペンション)に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は35nmであり、Tgは75℃であった。
測定装置としては、ガスクロマトグラフ質量分析計(株式会社島津製作所製「GCMS−QP2010 Ultra」)及びマルチショット・パイロライザー(フロンティア・ラボ株式会社製「PY−3030D」)を用いた。カラムとしては、金属キャピラリーカラム(フロンティア・ラボ株式会社製「Ultra ALLOY(登録商標)−5(MS/HT)」、内径0.25mm、膜厚0.25μm、長さ30m)を用いた。
(測定条件)
・熱分解温度:加熱炉「600℃」、インターフェイス部「400℃」
・昇温条件:40℃から速度14℃/分で320℃まで昇温(320℃で15分間保持)
・キャリアガス:ヘリウム(He)ガス
・カラムヘッド圧力:53.5kPa
・注入モード:スプリット注入(スプリット比1:200)
・キャリア流量:全流量「204mL/分」、カラム流量「1mL/分」、パージ流量「3mL/分」
各試料(トナーT−1〜T−13)の評価方法は、以下の通りである。
ボールミルを用いて、試料(トナー)及び現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「TASKalfa5550ci」用キャリア)を30分間混合して、評価用現像剤(2成分現像剤)を調製した。試料(トナー)及び現像剤用キャリアはそれぞれ、評価用現像剤全部の質量に対して、試料(トナー)の量が12質量%になるように添加された。
<現像剤中のトナーの帯電量の測定方法>
Q/mメーターの測定セルに現像剤(キャリア及びトナー)0.10gを投入し、投入された現像剤のうちトナーのみを篩(金網)を介して10秒間吸引した。そして、式「吸引されたトナーの総電気量(単位:μC)/吸引されたトナーの質量(単位:g)」に基づいて、現像剤中のトナーの帯電量(単位:μC/g)を算出した。
○(良い):帯電量が20μC/g以上27μC/g以下であった。
×(良くない):帯電量が20μC/g未満又は27μC/g超であった。
トナーT−1〜T−13の各々についての評価結果(耐久性:帯電量の○/×)を、表2に示す。
Claims (8)
- ポリエステル樹脂を含有するコアと、前記コアの表面を覆うシェル層とを備えるトナー粒子を、複数含む静電潜像現像用トナーであって、
前記シェル層は樹脂粒子を含み、
前記樹脂粒子を構成する高分子の主鎖骨格は、50mol%以上の割合で(メタ)アクリル酸エステルに由来する1種以上の繰返し単位を含み、
前記(メタ)アクリル酸エステルに由来する1種以上の繰返し単位のうち、60mol%以上の繰返し単位は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピルのいずれかに由来する繰返し単位である、静電潜像現像用トナー。 - 前記樹脂粒子を構成する前記高分子は、非水溶性熱可塑性樹脂である、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記コアは、乾式法により作製され、
前記シェル層は、湿式法により前記コアの表面に形成される、請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。 - 前記トナー1gに対して0.1nmol以上50nmol以下の割合で、炭素数10以上18以下のアルキル基を有するアルキルスルホン酸及びその塩と、炭素数10以上18以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸及びその塩とからなる群より選択される1種以上の化合物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記樹脂粒子を構成する前記高分子は、電荷制御剤を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記樹脂粒子を構成する前記高分子は、前記電荷制御剤として、(メタ)アクリロイル基含有4級アンモニウム化合物に由来する繰返し単位を含む、請求項5に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記シェル層は、前記樹脂粒子に加えて、電荷制御剤を含有しない樹脂粒子をさらに含む、請求項5又は6に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記コアの表面に存在する水酸基と、前記樹脂粒子を構成する前記高分子のエステル部位とがエステル交換反応により結合している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
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