JP2010134024A - トナー、並びに、該トナーを用いたフルカラー画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

トナー、並びに、該トナーを用いたフルカラー画像形成方法及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】高速のフルカラー画像形成方法において、定着性が良好で、転写効率を向上させ、各々の転写時に画像欠陥をなくし、長期的に再現性の良い画像を出力することができるトナー、並びに、該トナーを用いたフルカラー画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供の提供。
【解決手段】本発明のトナーは、トナー母体表面の最表層として形成され、樹脂微粒子Aからなる層と、該層の内部側に形成された樹脂微粒子Bとを備えることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、トナー、並びに、該トナーを用いたフルカラー画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。
近年、電子写真方式の画像形成技術分野では、高速の画像形成が可能で、しかも画像品位の高いカラー画像形成装置の開発競争が激化している。このため、フルカラー画像を高速で得るために、画像形成方法において複数の電子写真感光体を直列に並べ、それぞれの電子写真感光体において各色成分ごとの画像を形成し、中間転写体上で重ね合わせ記録材上へ一括転写するいわゆるタンデム方式が多く採用されている(例えば、特許文献1及び2参照)。中間転写体を用いた場合には、現像時に電子写真感光体上に地肌汚れが発生したときには、直接紙などの記録材に地肌汚れが転移することを防止する効果はあるが、中間転写体を用いる方式は、電子写真感光体から中間転写体への転写工程(一次転写)と、中間転写体から最終画像を得る記録材上への転写工程(二次転写)という2回にわたる転写工程を経るため転写効率が低下する。
一方、上記のような問題に加え、より高画質のフルカラー画像形成が要求されており、高画質化への現像剤設計がなされてきている。高画質化、特にフルカラー画質への要求に対応するために、トナーとしてはますます小粒径化が進み、潜像を忠実に再現することが検討されている。この小粒径化に対しては、トナーを所望のトナー形状及び表面構造に制御することを可能とする手段として、重合法によるトナー製造方法が提案されている(例えば、特許文献3及び4参照)。重合法トナーでは、トナー粒子の粒径制御に加えて形状制御も可能である。また、これと併せて粒径を小さくすることにより、ドットや細線の再現性が良くなり、パイルハイト(画像層厚)も低くすることが可能となり、より高画質化が期待できる。
しかしながら、小粒径トナーを用いた場合には、トナー粒子と電子写真感光体、又はトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力が増加するため、転写効率がさらに低下し易い。このため、高速のフルカラー画像形成装置において小粒径トナーを使用した場合には、特に二次転写での転写効率の低下が顕著となる。その理由は、トナー小粒径化によりトナー1粒子あたりの中間転写体との非静電的付着力が増加している上に、二次転写では複数色のトナーが重ねあった状態で存在していることと、高速化に伴い二次転写のニップ部においてトナー粒子が転写電界を受ける時間が短くなるため、より転写されにくい条件となるためである。
前記問題点に対処するためには、二次転写の転写電界をさらに強くすることが考えられるが、転写電界を強くしすぎると、かえって転写効率が低下してしまい限界がある。また、二次転写のニップ部の幅を広くすることでトナー粒子が転写電界を受ける時間を長くすることが考えられるが、バイアスローラ等による接触式の電圧印加方式の場合は、ニップ幅を広くするにはバイアスローラの当接圧力を高くするか、あるいは、バイアスローラのローラ径を大きくするかの何れかの方法しかない。当接圧力を高くするのは画像品質との関係から、ローラ径を大きくするのは装置の小型化との関係から、それぞれ限界がある。また、チャージャ等による非接触式の電圧印加方式の場合は、チャージャの数を増やすなどして二次転写のニップ幅を稼がなければならないため、やはり限界がある。そのため、特に高速機では、これ以上の転写効率を得るまでニップ幅を拡げることは実質的には不可能であると言える。
これに対し、トナー粒子と電子写真感光体、又はトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力を低減する手段として、添加剤の種類や添加量を調整する(特に粒径の大きい添加剤を添加する)方法が提案されている(例えば、特許文献5及び6参照)。この方法により、トナー粒子は非静電的付着力低減効果を得て転写効率を向上させることが可能となるとともに、現像の安定性、クリーニングの向上といった効果も得ることが可能となる。
上述のトナー粒子は、初期的には、画像形成装置の転写効率を向上させることが可能となる。しかしながら、画像形成装置の現像装置内でトナーが長期間攪拌等の機械的ストレスを受けていると、添加剤がトナー母体中に埋没してしまい、添加剤による付着力低減効果が発揮されなくなり、画像形成装置の転写効率が低下してしまう。特に、高速機の場合、現像装置内での攪拌が激しいため、この機械的ストレスが大きく、添加剤のトナー母体中への埋没が加速され易い。このため、比較的早い段階で転写効率の低下に繋がることが想定される。
このため、高速機において長期に渡り安定して高い転写効率を維持するためには、機械的ストレスを受けても添加剤がトナー母体中に埋没することなく表面に存在できるようにトナーの表面性(機械強度)を制御する必要がある。さらに、トナーの表面性(機械強度)を強く(硬く)しすぎると、定着時にトナーの溶融を阻害したり、ワックス等の離型剤が含有されたトナーの場合には、定着時の定着ローラに対する離型剤の染み出しが不十分となり、定着性が悪化してしまうという副作用にも注意が必要である。
特開平07−209952号公報 特開2000−075551号公報 特許第3640918号公報 特開平06−250439号公報 特開2001−066820号公報 特許第3692829号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高速のフルカラー画像形成方法において、定着性が良好で、転写効率を向上させ、各々の転写時に画像欠陥をなくし、長期的に再現性の良い画像を出力することができるトナー、並びに、該トナーを用いたフルカラー画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> トナー母体表面の最表層として形成され、樹脂微粒子Aからなる層と、該層の内部側に形成された樹脂微粒子Bとを備えることを特徴とするトナーである。
<2> 樹脂微粒子Bが架橋された樹脂であり、該樹脂微粒子Bが粒子の形態で存在する前記<1>に記載のトナーである。
<3> 100℃における粘度が100mPa・s以下のワックスを離型剤として含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> トナー母体のBET比表面積が0.5m/g〜4.0m/gである前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> 少なくとも結着樹脂を含むトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散してトナー材料の溶解液乃至分散液を作製する工程Aと、前記トナー材料の溶解液乃至分散液を樹脂微粒子Bが膨潤可能な有機溶媒の含まれる水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化液乃至分散液を作製する工程Bと、前記乳化液乃至分散液から有機溶媒を除去する工程Cとを含み、前記工程B及び前記工程Cのいずれかにおいて、水系媒体中に樹脂微粒子Bを添加するトナーの製造方法により製造された前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> トナー材料は、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂とを含む前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> 電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像が形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録材上に転写する二次転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した後の電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを含み、前記現像工程において用いられたトナーが前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするフルカラー画像形成方法である。
<8> 二次転写工程において、トナー像の記録材への転写の線速度は300mm/sec〜1,000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間は0.5msec〜20msecである前記<7>に記載のフルカラー画像形成方法である。
<9> タンデム方式の電子写真画像形成プロセスを採用した前記<7>から<8>のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法である。
<10> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録材上に定着させる定着手段と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体及び記録材上のいずれかに転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置における各手段のうち、少なくとも前記電子写真感光体、及び請求項1から6のいずれかに記載のトナーを備えた前記現像手段を、一体に支持して前記画像形成装置本体に着脱自在としたことを特徴とするプロセスカートリッジである。
<11> 帯電手段、転写手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも1つの手段をさらに含む前記<10>に記載のプロセスカートリッジである。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、高速のフルカラー画像形成方法において、定着性が良好で、転写効率を向上させ、各々の転写時に画像欠陥をなくし、長期的に再現性の良い画像を出力することができるトナー、並びに、該トナーを用いたフルカラー画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態を必要に応じて図面を参照にして説明する。なお、いわゆる当業者は上記に示した本発明の態様について適宜変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正は本発明に含まれるものであり、以下の説明はこの発明の好ましい実施形態における例であって、本発明を限定するものではない。
(トナー)
前記トナーは、少なくとも、樹脂微粒子Aからなる層と、樹脂微粒子Bとを備えてなり、さらに必要に応じて、例えば、離型剤などを含む。例えば、図1Cに示すように、トナー(1)は、トナー粒子本体(2)と、トナー粒子本体(2)の表面側に形成された樹脂微粒子B(3)と、トナー最表面に形成された樹脂微粒子Aからなる被膜(4)とを備える。
<樹脂微粒子Aからなる層>
前記樹脂微粒子Aからなる層は、トナー母体表面の最表層として形成された層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。トナー最表面に樹脂微粒子Aからなる層を設けることにより、後述する樹脂微粒子Bの分散層の隙間を埋めることができる。また、極性の高い樹脂微粒子Aを用いて帯電性の機能を持たせることが好ましい。流動化剤を付着させる前のトナー母体のBET比表面積を低くすることができ、もって帯電性向上効果が発揮できる。
<<樹脂微粒子A>>
前記樹脂微粒子Aとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、成膜性及び強度の観点から、架橋されていないことが好ましい。また、前記樹脂微粒子Aとしては、分子量がある程度高い樹脂(Mw10万〜100万)が好ましく、成膜性の観点から、粒子径が小さい樹脂粒子(5nm〜50nm)が好ましく、帯電機能の観点から、極性がある程度高いアニオン性乃至カチオン性の官能基を有することが好ましい。また、前記樹脂微粒子Aを熱によって融解して成膜して層を形成することができる(前記樹脂微粒子Aとしては、ガラス転移点が50℃〜120℃の樹脂が好ましい)。
<<樹脂微粒子B>>
前記樹脂微粒子Bは、前記樹脂微粒子Aからなる層よりも内部側に形成されたものあれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。樹脂微粒子Bを設けることにより、トナー表面を保護することができる。樹脂微粒子は、硬いだけでなく、定着性(転写媒体との接着性)及び離型性を同時に満足する必要がある。そのためには、加熱時にトナー表面にトナー内部の結着樹脂及び離型剤が融解して、染み出すことが必要である。
したがって、樹脂微粒子Bは、微粒子同士が融合した連続層を形成するのではなく、樹脂微粒子Bが粒子の形態をとどめた分散層を形成する必要がある。
ここで、仮に、樹脂微粒子Bの分散層がトナー最表面に形成されていると、表面凹凸により表面積が著しく大きくなる。また、トナー外表面に付着させる流動化剤が凹部(溝)に入り込んで機能しなくなったり、機械的ストレスによって、樹脂微粒子Bの分散層が形態変化し、連続層になって定着性能が低下することがある。
前記樹脂微粒子Bとしては、トナーを構成する結着樹脂と相溶しない樹脂が好ましい。また、強度の観点から、架橋させた樹脂が好ましい。前記樹脂微粒子Bは、樹脂微粒子Aよりも粒子径が大きいと(30nm〜200nm)、機械的強度を向上することができる。なお、樹脂微粒子Bの架橋の程度は、有機溶剤への溶解成分を測定することにより判断することができる。
<<樹脂微粒子Aと樹脂微粒子Bの極性>>
樹脂微粒子Aの極性は、樹脂微粒子Bの極性よりも高いことが好ましい。樹脂微粒子の極性は、極性官能基の量、樹脂組成などで調節できる。極性の判断基準としては、例えば、有機溶媒として酢酸エチル、樹脂微粒子の含まれる水を用意し、両者を混合し、静置相分離させたときに水側に樹脂微粒子が留まり、完全に分離するものが極性が高いと判断することができる。また、樹脂微粒子が酢酸エチル側に進入して白濁層が増加したり、3層に分離したりするのを観察することによって、樹脂微粒子の極性を判断することができる。
<<離型剤(ワックス)>>
前記離型剤(ワックス)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、樹脂微粒子Bの分散層を加熱溶融時に容易に通過して、染み出すことができるもの、即ち、結着樹脂とは相溶せず、溶融粘度が低い(100℃での粘度が100mPa・s以下)ものが好ましい。また、トナー内部で微分散していることが好ましい。
通常、電子写真式の画像形成装置において、小粒径トナーを用いた場合には、トナー粒子と電子写真感光体、又はトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力が増加するため、より転写効率が低下する。特に、高速機において小粒径トナーを使用した場合には、トナーの小粒径化により中間転写体との非静電的付着力が増加した上に、高速化に伴い転写のニップ部、特に二次転写のニップ部においてトナー粒子が転写電界を受ける時間が短くなるため、二次転写での転写効率の低下が顕著となることが知られている。しかし、本発明のトナーにおいては、トナー表面に比較的大粒径の微粒子(樹脂微粒子B)が付着していることと、この大粒径の微粒子がある程度の硬さを有することで、トナー粒子の非静電的付着力が低減され、高速機のように転写時間が短くなった場合においても、定着性を阻害することなく十分な転写効率を得ることができる。さらに、大粒径の微粒子が十分な硬さを有しているため、高速機のように経時での機械的ストレスの大きい場合においても、トナー表面に付着した大粒径の微粒子がトナー中に埋没することなく存在し続けることができるため、長期的にも十分な転写効率を維持することが可能である。同時にトナー表面に付着させる外添剤の埋没も防止することができる。
前記樹脂微粒子Aは、トナー表面に付着して融着、融合し、比較的硬い表面を形成する。したがって、さらに内部側の層の樹脂微粒子Bの機械的ストレスによる埋没や移動を防止する効果がある。また、樹脂微粒子Aは、極性を持たせることが多く、トナー材料を含む液滴に吸着し、液滴同士の合一を抑える効果があり、トナーの粒度分布を制御する。さらに、トナーの負帯電性を与えることもできる。これらの効果を発揮するために、極性の高い樹脂微粒子Aは、平均粒子径が樹脂微粒子Bより小さいもの(平均粒子径が5nm〜50nmであるもの)が好ましい。
トナーの粒径は、本発明の目的を達成するために、重量平均粒径が1μm〜6μmとなるように制御されることが好ましく、2μm〜5μmであることがより好ましい。トナーの重量平均粒径が1μmよりも小さい場合には、一次転写及び二次転写においてトナーチリが発生しやすく、逆に、トナーの重量平均粒径が6μmよりも大きい場合には、ドット再現性が不十分になり、ハーフトーン部分の粒状性も悪化して高精細な画像が得られなくなってしまう。
トナーの表面内層には、一次平均粒径が10nm〜500nmの大粒径微粒子(樹脂微粒子B)が付着固定化されていることが好ましく、特に、50nm〜200nmの大粒径微粒子(樹脂微粒子B)が付着固体化されていることが好ましい。これにより、スペーサ効果によりトナー粒子の非静電的付着力を低減することができるとともに、高速機のように経時での機械的ストレスの大きい場合においても微粒子がトナーの表面に埋没することによる非静電的付着力の増加を抑制することが可能となり、長期に渡り十分な転写効率を維持することができる。特に、中間転写方式での一次転写工程と二次転写工程と二度の転写工程を有す場合において、本発明のトナーは非常に有効である。比較的高速の画像形成プロセス(転写線速300mm/sec〜1,000mm/sec、二次ニップ部での転写時間が0.5msec〜20msec)において、特にその効果が大きく発揮できる。これよりも低速の線速や二次転写時間が短いプロセスでは、本発明のトナーと表面に樹脂微粒子Bを配置しないトナーとの差は大きくはない。また、これ以上の高速機であると転写効率の低下は防ぎきれない傾向がある。
樹脂微粒子Bの一次平均粒径が10nmよりも小さい場合には、スペーサ効果が十分に得られないためトナー粒子の非静電的付着力を低減することができず、さらに、高速機のように経時での機械的ストレスの大きい場合には、トナーの表面に樹脂微粒子Bや外添剤が埋没しやすくなり、長期に渡り十分な転写効率を維持することができない恐れがある。また、樹脂微粒子Bの一次平均粒径が500nmよりも大きい場合には、トナーの流動性が悪くなり、均一転写性を阻害する場合がある。
一般に、現像機に充填されたトナーは、主に現像機内部での機械的ストレスによってトナー表面の樹脂微粒子はトナーの内部に埋め込まれたり、トナー粒子本体の表面の凹部に移動したりして、付着力の低減効果が失われる。また外添剤が同様のストレスにさらされることによってトナー内部に埋没し、トナーの付着力が増大する。
しかし、本発明のトナーは、樹脂微粒子Bの粒子径が比較的大きく、トナー粒子本体に埋没しにくい。樹脂微粒子Bが、スチレン重合体、アクリル酸エステル重合体、及びメタクリル酸エステル重合体のいずれかを含む架橋樹脂の微粒子であることが好ましい。このような樹脂微粒子Bは、架橋されていて比較的硬いため、現像器内での機械的ストレスによってトナー粒子表面で変形することなく、スペーサ効果も保つため外添剤の埋没も防止し、上述の付着力維持にはさらに適している。
さらに、本発明のトナーを次のように評価した。
<<トナー表面の樹脂微粒子の透過型電子顕微鏡による観察及び評価方法>>
トナーの表面の構造は以下の方法で特定可能である。
透過型電子顕微鏡による観察及び評価を以下のように実施した。
本発明のトナーを、市販の四酸化ルテニウム5%水溶液を用いて、蒸気染色を行った。染色後、エポキシ樹脂中に包埋し、ミクロトーム(Ultracut−E)を用いてダイヤモンドナイフで切片化した。切片の厚さは、エポキシ樹脂の干渉色を用いて、100nm前後に調整した。さらに、切片は、銅のグリッドメッシュに載せ、市販の四酸化ルテニウム5%水溶液を用いて、蒸気染色を行った。透過型電子顕微鏡(日本電子製 JEM−2100F)を用いて観察を行い、切片におけるトナー断面の画像を記録した。約20のトナー断面を観察することによって、樹脂微粒子A及び樹脂微粒子Bによって形成されたトナー表面部分(トナー断面の輪郭部分)を観察し、樹脂微粒子A及び樹脂微粒子Bの存在状態を評価した。
まず、トナー粒子の状態で染色してから、切片を作製することにより、トナー表面から染色材料が染み込み、撮影するトナー粒子の最表面部分に存在する樹脂微粒子Aで構成される被膜が、より明確なコントラストの差として得られる。例えば、樹脂微粒子Aで構成された被膜成分と、その被膜より内部の有機成分とが異なる場合、被膜を構成する樹脂微粒子Aとトナー内部の樹脂とを見分けることができる。
次に、切片化した後の染色によって、樹脂微粒子Bが明瞭なコントラストとして得られる。樹脂微粒子Bはトナー内部を構成する有機成分よりも、弱く染色される。これは、樹脂微粒子Bの中への染色材料の染み込みが、密度の差などが有るために、トナー内部の有機成分よりも弱いためと考えられる。
このように、染色の強弱によって、ルテニウム原子の量が異なるため、強く染色される部分は、これらの原子が多く存在し、電子線が透過せずに、観察像上では黒くなり、弱く染色される部分は、電子腺が透過されやすく、観察像上では白くなる。
本発明のトナーの観察例を図1A及び図1Bに示す。図1Aがトナー全体の像を示す図であり、図1Bはトナー表面付近に相当する一部分を拡大した像を示す図である。図1Bより、トナーの最表面は、一様に染色された厚さ約20nm〜30nm程度の樹脂微粒子Aの被膜で覆われていることが判る。また、矢印で示したように、樹脂微粒子Aの被膜の内部側に約40nm〜70nm程度の直径を持つ白いコントラストの円形状の形態が観察されている箇所があることが判る。これが樹脂微粒子Bに相当する。断面観察のため、樹脂微粒子の直径を含む面が切片に含まれていない粒子のサイズは、観察上、樹脂粒子の設計値よりも小さくなる。図1Aから、樹脂微粒子Bは、トナーの輪郭全体ではなく部分的に存在している。さらに図1Bから、表面に樹脂微粒子Aの被膜があり、そのすぐ内部側に樹脂微粒子Bが存在していることが判る。従って、この断面は、本願発明の要件を満たしていることが判る。
本発明のトナーは、ナノインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さの値が1GPa〜3GPaであることが好ましく、1.2GPa〜2.6GPaであることがより好ましい。また、本発明のトナーは、マイクロインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さの値が40N/mm〜120N/mmであることが好ましく、60N/mm〜110N/mmであることがより好ましい。ナノインデンテーション法は、ミクロ的な硬さを測定するためトナー最表面の硬さを表し、マイクロインデンテーション法は、マクロ的な硬さを測定するためトナー全体の硬さを表す。したがって、ナノインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さの値は、トナー表面に添加された微粒子の埋没しにくさを表す指標となる。
ナノインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さの値が1GPaよりも小さいと、トナー表面に添加された微粒子が機械的ストレスを受けると埋没しやすい恐れがある。ナノインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さの値が3GPaよりも大きいと、トナーが機械的ストレスを受けてもトナー表面に添加された微粒子は埋没しにくいが、トナー表面が硬すぎるため、定着においてトナーが十分に溶融できずに定着性が悪化する恐れがある。さらに、ナノインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さの値が1GPa〜3GPaであると、トナー1粒子表面の粘着性が適度であるためか、弾性が適度であるためかは定かではないが、大粒径微粒子(樹脂微粒子B)が添加されていない場合でもトナー粒子の非静電的付着力が低減される傾向にある。この特性と大粒径微粒子(樹脂微粒子B)によるスペーサ効果が相まって、トナー粒子の非静電的付着力をより低減することができる。なお、ナノインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さの値が1GPa〜3GPaの範囲外であると、大粒径微粒子が添加されていない場合のトナー粒子の非静電的付着力の低減の傾向は見られない。
また、マイクロインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さの値は、トナーの定着での溶融しにくさを表す指標となる。マイクロインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さの値が40N/mmよりも小さいと、トナー1粒子全体としては軟らかいため定着性は良好であるが、現像部での攪拌や転写部での転写圧等によりトナーが変形しやすくなって画像品質が乱れたり、トナー粒子中にワックスなどの離型剤が含有されている場合は、離型剤が析出してキャリアや感光体などにスペントし汚染してしまう恐れがある。マイクロインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さの値が120N/mmよりも大きいと、トナー1粒子全体としては硬いためトナーが機械的ストレスを受けてもトナー表面に添加された微粒子は埋没しにくいが、トナー表面が硬すぎるため定着においてトナーが十分に溶融できずに定着性が悪化する恐れがある。
このように、機械的ストレスによるトナー表面に添加された樹脂微粒子Bや外添剤の埋没と、定着性の悪化とを抑制するためには、トナーはナノインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さの値の範囲と、マイクロインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さの値の範囲の双方を満たすように制御されることが好ましい。実際に双方の値の範囲を満たすためには、トナー母体表面の最表層として形成され、帯電性機能を有する樹脂微粒子層Aからなる層と、該層の内部側に形成され、機械的強度付与機能を有する樹脂微粒子B(スペーサ部分)とを設け、トナー粒子本体は比較的軟らかくして機能分離を達成させるようなトナー構造が好ましい。
本発明のトナーの表面積は、流動化剤付着前のトナー母体としてBET比表面積が0.5m/g〜4.0m/gであることが好ましく、BET比表面積が0.5m/g未満である場合には、表面が平滑すぎてクリーニング性が不足したり、流動化剤の埋め込みが急速であるという弊害がある。また、BET比表面積が4.0m/gを超える場合には、現像時の画像均一性が悪化したり、電子写真感光体から中間転写体もしくは中間転写体から記録材へのトナー転写効率が低下し均一転写が得られなくなる。
本発明のトナーの平均円形度は、0.95〜0.99であることが好ましい。平均円形度が0.95未満である場合には、現像時の画像均一性が悪化したり、電子写真感光体から中間転写体もしくは中間転写体から記録材へのトナー転写効率が低下し、均一転写が得られなくなる。また、本発明のトナーは、水系媒体中で乳化処理をして作製されたものであり、特にカラートナーにおける小粒径化や、平均円形度が上記の範囲の形状を得るために効果的である。
本発明のトナーは、重量平均粒径(Dw)と個数平均粒径(Dn)との比(Dw/Dn)が、1.30以下が好ましく、1.00〜1.30がより好ましい。重量平均粒径と個数平均粒径との比(Dw/Dn)が、1.00未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力の低下や、クリーニング性の悪化につながり易い。一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがある。また、Dw/Dnが1.30を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
また、トナーの重量平均粒径と個数平均粒径との比(Dw/Dn)が、1.00〜1.30であると、保存安定性、低温定着性、及び耐ホットオフセット性のいずれにも優れたトナーとなりやすい。特に、フルカラー複写機に使用した場合に画像の光沢性に優れる。二成分現像剤では長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の攪拌においても良好で安定した現像性が得られ、一成分現像剤ではトナーの収支が行われてもトナーの粒子径の変動が少なくなるとともに、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するブレード等への部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期使用(攪拌)においても良好で安定した現像性が得られ、高画質の画像を得ることが可能となる。
なお、トナーの特性の測定方法は以下のように行った。
<重量平均粒径(Dw)、体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)>
トナーの重量平均粒径(Dw)、体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Multisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。具体的には、ガラス製100mLビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.5mL添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を、前記マルチサイザーIIIを用いて、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
<平均円形度>
トナーの平均円形度は、平均円形度SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%で定義される。フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」;シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program For FPIA Version00−10)を用いて解析を行った。具体的には、ガラス製100mLビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.1mL〜0.5mL添加し、各トナー0.1g〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。前記分散液を、前記FPIA−2100を用いて濃度を5,000個/μL〜15,000個/μLが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5,000個/μL〜15,000個/μLにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、すなわち添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分にぬらすことができないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径のより異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3μm〜7μmの場合、トナー量を0.1g〜0.5g添加することにより分散液濃度を5,000個/μL〜15,000個/μLにあわせることが可能となる。
<ナノインデンテーション法>
ナノインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さは、Hysitron Inc.製のTribo Indenterを使用して測定する。詳細条件は、以下に示す通りである。
使用圧子:Berkovich(三角錐形)
最大押込み深さ:20nm
上記条件にて、トナー1粒子の表面から圧子を押込み、最大圧入時の圧痕の大きさから硬さH[GPa]を測定する。なお、実際の測定では、製品形態のトナー100粒子(1粒子については、測定箇所を変えてN=10にて測定し、平均値化。)について測定し、その平均値をナノインデンテーション法でのトナー1粒子の硬さとした。
<マイクロインデンテーション法>
マイクロインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さは、(株)フィッシャー・インストルメンツのフィッシャースコープ H100(微小硬さ試験システム)を使用して測定する。詳細条件は、以下に示す通りである。
使用圧子:ビッカース圧子
最大押込み深さ:2μm
最大押込み荷重:9.8mN
クリープ時間:5sec
負荷(除荷)時間:30sec
上記条件にて、トナー1粒子の表面からビッカース圧子を押込み、マルテンス硬度[N/mm]を測定する。なお、実際の測定では、製品形態のトナー100粒子について測定し、その平均値をマイクロインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さとした。
<BET比表面積>
トナーのBET比表面積は、自動比表面積/細孔分布測定装置TriStar3000(島津製作所製)を用いて測定した。トナー1gを専用セルに入れ、TriStar用脱ガス専用ユニット、バキュプレップ061(島津製作所製)を用いて、前記専用セル内の脱気処理を行った。脱気処理は室温下で行い、少なくとも100mtorr以下の減圧条件下で20時間行った。脱気処理を行った専用セルは、TriStar3000を用いて自動でBET比表面積を得ることができる。なお、吸着ガスとしては窒素ガスを用いて行った。
本発明のトナーと共に用いるキャリアの粒径は、重量平均粒径が15μm〜40μmであることが好ましい。重量平均粒径が15μmよりも小さい場合には、転写工程においてキャリアも一緒に転写されてしまうキャリア付着が起こりやすくなり、逆に40μmよりも大きい場合には、キャリア付着は起こりにくいものの、高画像濃度を得るためにトナー濃度を高くした場合、地汚れが発生しやすくなる恐れがある。また、潜像のドット径が小さい場合、ドット再現性のバラツキが大きくなり、ハイライト部の粒状性が悪くなる恐れもある。
なお、キャリアの特性の測定方法は以下のように行った。
<重量平均粒径>
キャリアの重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。この場合の重量平均粒径Dwは、式(1)で表わされる。
Dw={1/Σ(nD)}×{Σ(nD)}・・・(1)
式(1)中、Dは、各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を示す。なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を等分に分割するための長さを示すもので、本発明においては、2μmを採用した。また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子の粒径の下限値を採用した。
また、キャリア及びキャリアの芯材粒子における個数平均粒径Dpは、個数基準で測定された粒子の粒径分布に基づいて算出されたものである。この場合の個数平均粒径Dpは、式(2)で表わされる。
Dp=(1/ΣN)×(ΣnD)・・・(2)
式(2)中、Nは、計測した全粒子数を示し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を示し、Dは、各チャネル(2μm)に保存する粒子の粒径の下限値を示す。
粒径分布を測定するための粒度分析計としては、マイクロトラック粒度分析計モデルHRA9320−X100(Honewell社製)を用いることができる。その測定条件は以下の通りである。
[1]粒径範囲:8μm〜100μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
<トナーの製造方法>
本発明のトナーは、以下の工程により製造できる。
(1)少なくとも結着樹脂を含むトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散してトナー材料の溶解液乃至分散液を作製する工程A
(2)前記トナー材料の溶解液乃至分散液を樹脂微粒子Bとが膨潤可能な有機溶媒の含まれる水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化液乃至分散液を作製する工程B
(3)前記乳化液乃至分散液から有機溶媒を除去する工程C
前記工程B及び工程Cのいずれかにおいて、水系媒体中に樹脂微粒子Bを添加する。工程Bにおいてトナー粒子としての大きさが形成(決定)された後に、樹脂微粒子Bを添加することが好ましい。また、樹脂微粒子Bにはあらかじめ樹脂微粒子Bを膨潤させる有機溶媒(膨潤助剤)を添加粒子内に拡散しておくことが好ましい。
また、樹脂微粒子層Aを連続化させ、トナー表面の表面積を調節するために、得られたトナースラリーを加熱処理してもよい。
また、樹脂微粒子Bが膨潤可能な有機溶媒を水系媒体中に添加することによって、樹脂微粒子Bが添加されたときに、有機溶媒を水系媒体中で吸収、膨潤し、乳化したトナー粒子(油滴)への進入を容易とし、さらにトナー表面で樹脂微粒子Bの粒子形状を保ったまま結着樹脂と融合しやすくなる。
さらに、本発明のトナーは、懸濁重合の製法で作製してもよい。すなわち、少なくとも結着樹脂、着色剤からなるトナー材料を重合性単量体に溶解乃至分散し、該溶解物乃至分散物を樹脂微粒子Aを含む水系媒体中で乳化分散し、得られた乳化分散液を重合して得られるトナーであって、前記樹脂微粒子Bを乳化分散工程中又は重合工程中の水系媒体に添加して(存在させて)得られるトナーであってもよい。トナー粒子としての大きさが形成(決定)された後の該溶解物乃至分散物を水系媒体中で乳化分散した後に、樹脂微粒子Bを添加することが好ましい。
また、本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤からなるトナー材料を水系媒体中で分散し、該分散物を水系媒体中で凝集させ、該凝集物を加熱融着させて得られるトナーであって、前記樹脂微粒子Bを、凝集工程中又は加熱融着工程中の水系媒体に添加して(存在させて)得られる。トナー粒子としての大きさが形成された後の該分散物を水系媒体中で凝集させた後に、樹脂微粒子Bを添加することが好ましい。樹脂微粒子Bを添加した後、樹脂微粒子Aを添加することにより、トナー最表面に樹脂微粒子Aからなる層を形成することができる。
製造されたトナーの重量平均粒径は、1μm〜6μmであることが好ましい。
<<トナー材料の溶解液乃至分散液>>
前記トナー材料の溶解液乃至分散液は、トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製する。前記トナー材料としては、トナーを形成可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結着樹脂もしくは活性水素基含有化合物、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)と着色剤を含み、さらに必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等のその他の成分を含んでいてもよい。トナー材料の溶解液乃至分散液は、トナー材料を有機溶媒に溶解乃至重合性単量体に分散させて調製することが好ましい。なお、有機溶媒は、トナーの造粒時ないし造粒後に除去することが好ましい。
<<有機溶媒>>
前記有機溶媒としては、トナー材料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーの造粒時乃至造粒後の除去の容易性の点で沸点が150℃未満のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。この中でも、エステル系溶剤が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。有機溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対し40質量部〜300質量部が好ましく、60質量部〜140質量部がより好ましく、80質量部〜120質量部が特に好ましい。なお、トナー材料の溶解液乃至分散液の調製は、有機溶媒中に、活性水素基含有化合物、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、未変性ポリエステル樹脂、離型剤、着色剤、帯電制御剤、等のトナー材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。また、トナー材料の中で、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、後述する水系媒体の調製において、水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、トナー材料の溶解液乃至分散液を水系媒体に添加する際に、溶解液乃至分散液と共に水系媒体に添加してもよい。
<<水系媒体>>
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられるが、これらの中でも、水が特に好ましい。前記水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。また、低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水系媒体の調製は、例えば、アニオン性界面活性剤の存在下で樹脂微粒子Aを水系媒体に分散させることにより行う。アニオン性界面活性剤と樹脂微粒子Aの水系媒体中への添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、それぞれ0.5質量%〜10質量%が好ましい。樹脂微粒子Bは、その後、水系媒体に加えられる。樹脂微粒子Bがアニオン性界面活性剤と凝集性を有する場合は、水系媒体を乳化前に高速せん断分散機にて分散させておくことが好ましい。
<<乳化乃至分散>>
トナー材料の溶解液乃至分散液の水系媒体中への乳化乃至分散は、トナー材料の溶解液乃至分散液を水系媒体中で攪拌しながら分散させることが好ましい。分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができる。分散機としては、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機などが挙げられる。このトナーの製造方法においては、乳化ないし分散の際、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、を伸長反応ないし架橋反応させると、接着性基材が生成する。樹脂微粒子Bは乳化中または乳化後に水系媒体に加えてもよい。高速せん断分散機にて分散させながら行うか乳化後低速攪拌に切り替えて添加するか適宜トナーへの樹脂微粒子Bの付着性、固定化状況を見ながら行われる。
<<結着樹脂>>
前記結着樹脂としては、紙等の記録材に対し接着性を示し、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、を水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーを含むことが好ましい。結着樹脂の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3,000以上が好ましく、5,000〜1,000,000がより好ましく、7,000〜500,000が特に好ましい。何故なら、重量平均分子量が、3,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
前記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、30℃〜70℃が好ましく、40℃〜65℃がより好ましい。何故なら、ガラス転移温度(Tg)が30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがあるからである。架橋反応、伸長反応したポリエステル樹脂が共存していると、従来のポリエステル系トナーと比較してガラス転移温度が低くても良好な保存性を示す。
ここで、ガラス転移点(Tg)とは、具体的に次のような手順で決定される。測定装置として島津製作所製TA−60WS、及びDSC−60を用い、次に示す測定条件で測定した。
測定条件
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50mL/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
測定した結果は、前記島津製作所製データ解析ソフト(TA−60、バージョン1.52)を用いて解析を行った。解析方法は2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線のもっとも低温側に最大ピークを示す点を中心として±5℃の範囲を指定し、解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次にDSC曲線で前記ピーク温度+5℃、及び−5℃の範囲で解析ソフトのピーク解析機能をもちいてDSC曲線の最大吸熱温度を求める。ここで示された温度がトナーのTgに相当する。
トナーに含有される結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリエステル樹脂などが好ましい。前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレア変性ポリエステル系樹脂と未変性ポリエステル樹脂、などが特に好適なものとして挙げられる。ウレア変性ポリエステル系樹脂は、活性水素基含有化合物としてのアミン類(B)と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としてのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)とを水系媒体中で反応させて得られる。ウレア変性ポリエステル系樹脂は、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよい。この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。何故なら、ウレタン結合90に対してウレア結合が10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
ウレア変性ポリエステル樹脂と未変性ポリエステル樹脂の好ましい具体例としては、以下のものが挙げられる。
(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物
(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(3)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(5)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーを、ヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(6)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(7)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをエチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物
(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸/ドデセニルコハク酸無水物の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物
ウレア変性ポリエステル樹脂は、例えば、(1)活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含むトナー材料の溶解液乃至分散液を、活性水素基含有化合物(例えば、アミン類(B))と共に、水系媒体中に乳化乃至分散させ、油滴を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、(2)トナー材料の溶解液乃至分散液を、予め活性水素基含有化合物を添加した水系媒体中に乳化乃至分散させ、油滴を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよい。あるいは(3)トナー材料の溶解液乃至分散液を、水系媒体中に添加混合させた後で、活性水素基含有化合物を添加し、油滴を形成し、該水系媒体中で粒子界面から両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよい。なお、(3)の場合、生成するトナー表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子に濃度勾配を設けることが可能となる。
乳化乃至分散により、結着樹脂を生成させるための反応条件としては、特に制限はなく、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と活性水素基含有化合物との組み合わせに応じて適宜選択することができる。なお、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
水系媒体中において、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む分散体を安定に形成する方法としては、例えば、水系媒体中に、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))、着色剤、離型剤、帯電制御剤、未変性ポリエステル樹脂等のトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散させて調製したトナー材料の溶解液乃至分散液を添加し、せん断力により分散させる方法、等が挙げられる。
乳化乃至分散において、水系媒体の使用量としては、トナー材料100質量部に対し、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。何故なら、使用量が50質量部未満であると、トナー材料の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなるからである。
水系媒体には界面活性剤、樹脂微粒子Aの他に以下の無機化合物分散剤や高分子系保護コロイドを併用することができる。難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、等が挙げられる。
高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。
ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。また、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。また、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。
クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。また、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。
ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。また、セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能な分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することが可能となる。
<<有機溶媒の除去>>
乳化乃至分散により得られた乳化スラリーから、有機溶媒を除去する。有機溶媒の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、等が挙げられる。有機溶媒の除去が行われるとトナー粒子が形成される。形成されたトナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行い、さらにその後、所望により分級等を行う。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行う。なお、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
こうして得られたトナー粒子を、着色剤、離型剤、帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、さらに機械的衝撃力を印加したりすることにより、トナー粒子の表面から離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所株式会社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢、等が挙げられる。
トナー本体表面に樹脂微粒子Bが付着固定化した構造を取るには、あらかじめ水系媒体中に樹脂微粒子Bを存在させておけばよい。もしくは、トナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散し、このトナー前駆体の溶解液乃至分散液を、界面活性剤と、必要であれば、樹脂微粒子Aとが含まれる水系媒体中で乳化乃至分散した後に有機溶媒を除去してトナーを製造する際に、有機溶媒を除去前または除去している途中、終了後に水系媒体中へ樹脂微粒子Bを添加してもよい。
<<トナーの製造方法に用いる原料>>
<<<樹脂微粒子A及びB>>>
前記樹脂微粒子A及びBに用いられる樹脂としては、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができる。前記樹脂微粒子A及びBに用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂微粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されるのが好ましい。なお、ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。特に、樹脂微粒子Bは架橋体を作製するために2官能以上の架橋性モノマー、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタアクリレートなどを一部共重合することが好ましい。
樹脂微粒子Aには中にカルボン酸基、スルホン酸基などのアニオン性基を導入することが本トナー表面構成及びトナーへの帯電性の付与のために好ましい。なお、粒子径はSEM、TEM、光散乱法などによって測定できる。好ましくは、レーザー散乱測定法による堀場製作所製LA−920によって、測定レンジに入るように適切な濃度に希釈して測定すればよい。粒子径は体積平均径として求められる。
樹脂微粒子A及びBは、目的に応じて適宜選択した公知の方法に従って重合させることにより得ることができるが、樹脂微粒子A(B)の水性分散液として得ることが好ましい。樹脂微粒子A(B)の水性分散液の調製方法としては、例えば、以下の方法が好適に挙げられる。
(1)ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子A(B)の水性分散液を製造する方法。
(2)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子A(B)の水性分散液を製造する方法。
(3)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子A(B)を得た後、適当な分散剤の存在下、水中に分散させる方法。
(5)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子A(B)を得た後、該樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させる方法。
(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子A(B)を析出させ、次に溶剤を除去して樹脂微粒子を得た後、樹脂微粒子A(B)を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法。
(7)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法。
(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
樹脂微粒子Bは、イオン性界面活性剤を含む水系媒体中で凝集体を生成する性質を有してもよい。本発明のトナーを製造する製造方法において、トナー材料の溶解液乃至分散液を樹脂微粒子Bとが膨潤可能な有機溶媒の含まれる水系媒体中に添加して乳化させる乳化工程において、乳化前又は乳化後に樹脂微粒子Bが添加されたときに、樹脂微粒子Bがトナー材料の液滴に付着せずに独立して安定に存在することは好ましくない。イオン性界面活性剤を含む水系媒体中で樹脂微粒子Bが凝集体を作る性質を有することによって、乳化時又は乳化後に水相側に存在していた樹脂微粒子がトナー材料の粒子表面に移動し、容易にトナー材料の粒子表面に付着することができる。すなわち、イオン性界面活性剤を含む水系媒体中では、樹脂微粒子Bが不安定で、通常であれば樹脂微粒子Bが凝集してしまうが、トナー材料の粒子とトナー材料の液滴との引力が強い場合、異種粒子の複合体が形成される。
得られた複合体はそのままでも強固な接着力を示すが、乳化後の樹脂微粒子がトナー材料の粒子表面に移動し、トナー材料の粒子表面に付着した後に加熱工程を経ることによって、より強固にトナー表面に固定化できる。固定化させる温度はトナーに用いた樹脂のガラス転移点よりも高い温度が好ましい。
トナー材料は、結着樹脂前駆体として活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。トナー材料の液滴中に活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂が含まれることにより、得られるトナーの機械的強度が高まり樹脂微粒子Bや外添剤の埋没を抑制することができる。活性水素基含有化合物がカチオン性の極性を有す場合には、樹脂微粒子Bを静電的に引き寄せることもできる。またトナーの加熱定着時の流動性を調節でき定着温度幅を広げることもできる。
樹脂微粒子Bの添加量は、トナー100質量%に対して0.5質量%〜20質量%であることが好ましく、1質量%〜10質量%であることがより好ましい。樹脂微粒子Bの添加量が0.5質量%よりも少ない場合には、スペーサ効果が十分に得られないためトナー粒子の非静電的付着力を低減することができず、樹脂微粒子Bの添加量が20質量%よりも多い場合には、トナーの流動性が悪くなり、均一転写性を阻害したり、微粒子がトナーに充分固定化できずに離脱しやすくなり、キャリアや感光体などに付着し、感光体などを汚染してしまう恐れがある。
樹脂微粒子Bが酢酸エチルなどの有機溶媒に対する膨潤性を有していれば、安定した転写率及び目的の定着上下限温度が期待できることのみならず、0.950〜0.990の円形度を有し、且つ、BET比表面積0.5m2/g〜4.0m2/g程度の滑らかな表面性状を有するクリーニング性に優れた異形化トナーを作製することができる。しかし、膨潤性の程度が大きすぎると、円形度が低くなり過ぎる傾向があり、また、膨潤性の程度が小さすぎると、BET比表面積が大きく、転写率の劣るトナーが作製される傾向がある。
<<<界面活性剤>>>
前記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤が好ましい。前記フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)、等が挙げられる。
<<<結着樹脂>>>
前記結着樹脂は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等、公知の結着樹脂を用いることができるが、定着時にシャープメルトし、画像表面を平滑化できる点で、低分子量化しても十分な可とう性を有しているポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエステル系樹脂にさらに他の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
また、前記結着樹脂は、樹脂微粒子Bと非相溶であることが重要であり、ポリエステル系樹脂は、特に、樹脂微粒子Bがスチレン重合体、アクリル酸エステル重合体、又はメタクリル酸エステル重合体を含む架橋樹脂の微粒子である場合ほとんど相溶性がない。トナー材料の溶解液乃至分散液を樹脂微粒子Bが膨潤可能な有機溶媒の含まれる水系媒体中に添加して乳化させる乳化工程において、乳化前又は乳化後に樹脂微粒子Bが添加されたときに、トナー材料の液滴に有機溶媒や重合性単量体が含まれているため、樹脂微粒子Bは液滴表面に付着した後に溶解してしまう場合がある。トナーを構成する樹脂成分がポリエステル樹脂であり、樹脂微粒子Bがスチレン重合体、アクリル酸エステル重合体、又はメタクリル酸エステル重合体を含む架橋樹脂の微粒子である場合、結着樹脂及び樹脂微粒子Bの相溶性が悪いため、樹脂微粒子Bはトナー材料の液滴と相溶せずに付着した状態で存在する。したがって、液滴表面からある程度進入し、有機溶媒が除去されたり、重合が進行した後に、トナー表面に付着固定化されるといった望ましい形態を実現することができる。
前記ポリエステル系樹脂とは、下記一般式(1)で表される1種若しくは2種以上のポリオールと、
A−(OH)m・・・(1)
[式中、Aは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。mは2〜4の整数を表す。]
下記一般式(2)で表される1種若しくは2種以上のポリカルボン酸とをポリエステル化したものである。
B−(COOH)n・・・(2)
[式中、Bは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。nは2〜4の整数を表す。]
一般式(1)で表される具体的なポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールA酸化エチレン付加物、ビスフェノールA酸化プロピレン付加物、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA酸化エチレン付加物、水素化ビスフェノールA酸化プロピレン付加物等が挙げられる。
一般式(2)で表される具体的なポリカルボン酸としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(トリメリット酸)等が挙げられる。
<<<活性水素基含有化合物>>>
本発明のトナー材料中に活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂が含まれることにより、得られるトナーの機械的強度が高まり、樹脂微粒子Bや外添剤の埋没を抑制することができる。活性水素基含有化合物がカチオン性の極性を有す場合には、樹脂微粒子Bを静電的に引き寄せることもできる。また、トナーの加熱定着時の流動性を調節でき定着温度幅を広げることもできる。なお、活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂は、結着樹脂前駆体であるともいえる。
活性水素基含有化合物は、水系媒体中で、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体がイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、アミン類(B)が好適である。
活性水素基としては、活性水素基を有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)、などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物、が好ましい。
ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、等が挙げられる。該芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。該脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4'−ジアミノ−3,3'ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、等が挙げられる。また、アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、等が挙げられる。また、アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、等が挙げられる。また、アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、等が挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、B1からB5のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、等が挙げられる。
活性水素基含有化合物と活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応、架橋反応等を停止させるには、反応停止剤を用いる。反応停止剤を用いると、接着性基材の分子量等を所望の範囲に制御することができる点で好ましい。該反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)、などを用いることができる。
アミン類(B)と、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)との混合比率としては、イソシアネート基含有プレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3〜3/1であることが好ましく、1/2〜2/1であることがより好ましく、1/1.5〜1.5/1であることが特に好ましい。何故なら、混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
<<<活性水素基含有化合物と反応可能な重合体>>>
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば、特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が好ましい。なお、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
プレポリマーにおける活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が好ましい。プレポリマーの中でも、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)が好ましい。
ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基、等が挙げられる。ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)における該ウレア結合生成基が該イソシアネート基である場合、該ポリエステル樹脂(RMPE)としては、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)等が好ましい。イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの、等が挙げられる。ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジオール(DIO)単独、又はジオール(DIO)と少量の3価以上のポリオール(TO)との混合物、が好ましい。
ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のもの、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。また、脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。また、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。また、ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。また、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物がより好ましい。
3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のもの、例えば、3価以上の多価脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。また、3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。また、3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノール体(本州化学工業株式会社製のトリスフェノールPAなど)、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。また、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物におけるジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜100:10が好ましく、100:0.01〜100:1がより好ましい。
ポリカルボン酸(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はジカルボン酸(DIC)と少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
ジカルボン酸(DIC)としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、等が挙げられる。また、アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。また、アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。また、芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
3価以上のポリカルボン酸(TC)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸、等が挙げられる。また、芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
ポリカルボン酸(PC)としては、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、及び、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いることもできる。低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。
ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物におけるジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜100:10が好ましく、100:0.01〜100:1がより好ましい。
ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)とを重縮合反応させる際の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリオール(PO)における水酸基[OH]と、ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])が、通常、2/1〜1/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1であるのがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であるのが特に好ましい。
ポリオール(PO)のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。何故なら、含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがあるからである。
ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。また、脂環式ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジイソシアナト−3,3'−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。また、イソシアヌレート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。これらは、1種単独でも使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート(PIC)と、活性水素基含有ポリエステル樹脂(例えば水酸基含有ポリエステル樹脂)とを反応させる際の混合比率としては、ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と水酸基含有ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1であるのが好ましく、4/1〜1.2/1でるのがより好ましく、3/1〜1.5/1であるのが特に好ましい。何故なら、イソシアネート基[NCO]が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがあるからである。
ポリイソシアネート(PIC)のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。何故なら、含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化するからである。
イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)の1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4が特に好ましい。何故なら、イソシアネート基の平均数が1未満であると、ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化するからである。
活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、3,000〜40,000が好ましく、4,000〜30,000がより好ましい。何故なら、重量平均分子量(Mw)が、3,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、40,000を超えると、低温定着性が悪化することがあるからである。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mLの流速で流し、試料濃度を0.05質量%〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50μL〜200μL注入して測定する。試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×102、4×102、1.75×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、及び4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
<<<その他の成分>>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
<<<<着色剤>>>>
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤のトナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。着色剤の含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレンービニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレンーアクリロニトリルーインデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
マスターバッチは、マスターバッチ用樹脂と、着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練して製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶媒成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。着色剤は2樹脂に対する親和性の差を利用することで、第一の樹脂相、第二の樹脂相いずれにも任意に含有させることができる。着色剤はトナー表面に存在した際にトナーの帯電性能を悪化させることが良く知られている。そのため内層に存在する第一の樹脂相に選択的に着色剤を含有させることで、トナーの帯電性能(環境安定性、電荷保持能、帯電量等)を向上させることができる。
<<<<離型剤>>>>
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が50℃〜120℃の低融点の離型剤が好ましい。低融点の離型剤は、前記樹脂と分散されることにより、離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好である。
離型剤としては、例えば、ロウ類、ワックス類、等が好適に挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜120℃が好ましく、60℃〜90℃がより好ましい。融点が、50℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、120℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より100℃での測定値として、5mPa・s〜100mPa・sが好ましく、10mPa・s〜100mPa・sがより好ましい。溶融粘度が、5mPa・s未満であると、離型性が低下することがあり、100mPa・sを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0質量%〜40質量%が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
離型剤は分散させてトナー内部に存在させるほうがよい。離型剤の染み出しが定着時の短い加熱時間でも充分生じるため、充分な離型性を得ることができる。また、離型剤を樹脂微粒子Bの層の内部側に選択的に含有させることで、感光体、キャリア等の他の部材への離型剤のスペントを抑制させることができる。本発明では、離型剤の配置を比較的自由に設計することがあり、各々の画像形成プロセスに応じて任意の配置を取ることができる。
<<<<帯電制御剤>>>>
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、等が挙げられる。
帯電制御剤のトナーに対する含有量としては、前記樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、結着樹脂100質量部に対し、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。帯電制御剤の含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎる。
<<<<無機微粒子>>>>
前記無機微粒子は、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として使用する。この無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための無機微粒子としては、80nm〜500nmの一次平均粒径を有する大粒径の無機微粒子の他にも、小粒径の無機微粒子を好ましく用いることができる。特に、疎水性シリカおよびまたは疎水性酸化チタンが好ましい。この無機微粒子の一次平均粒径は、5nm〜50nmであることが好ましく、10nm〜30nmであることがより好ましい。また、BET法による比表面積は、20m/g〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01重量%〜5重量%であることが好ましく、特に、0.01重量%〜2.0重量%であることがより好ましい。
<<<<流動性向上剤>>>>
前記流動性向上剤とは、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止する剤のことであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。シリカ、酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが好ましい。
<<<<クリーニング性向上剤>>>>
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加される剤のことであり、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
<<<<磁性材料>>>>
磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
以下、本発明のトナーの製造方法例について具体的に説明する。なお、本発明は、ここに例示されるトナーの製造方法に限定されるものではない。
<<凝集法によるトナー製造方法>>
本発明のトナーは、水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、例えば、通常の乳化重合もしくは樹脂分散体の製法によりラテックスを合成し、別途、着色剤、離型剤等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることにより得られる。
また、本発明のトナーは、例えば、調整した樹脂粒子分散液を、着色剤粒子分散液及び離型剤粒子分散液と混合し、さらに凝集剤を添加しヘテロ凝集を生じさせることによりトナー径の凝集粒子を形成し、その後、樹脂粒子のガラス転移点以上又は融点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一し洗浄、乾燥することによって得られる。なお、トナー形状は不定形から球形までのものが好ましく用いられる。また、凝集剤としては界面活性剤の他、無機塩、2価以上の金属塩を好適に用いることができる。特に金属塩を用いる場合、凝集性制御及びトナー帯電性の特性において好ましい。
また前述の凝集工程において、樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液を予め凝集し、第一の凝集粒子形成後、樹脂微粒子Bの分散液を添加し、さらに、樹脂微粒子Aの分散液を添加して粒子表面にシェル層を形成することも可能である。
凝集粒子の形成方法としては、特に限定されるものではなく、従来静電荷像現像トナーの乳化重合凝集法において用いられている公知の凝集法、例えば、昇温、pH変化、塩添加等によってエマルジョンの安定性を低減化させてディスパーザー等で撹拌する方法等が用いられる。更に、凝集処理後、粒子表面からの着色剤の滲出を抑える等の目的で、熱処理を施す等により粒子表面を架橋せしめてもよい。なお、用いた界面活性剤等は、必要に応じて、水洗浄、酸洗浄、或いはアルカリ洗浄等によって除去してもよい。
なお、本発明のトナーを製造する製造方法には、必要に応じて、この種のトナーに用いられる帯電制御剤を用いてもよく、その場合、帯電制御剤は、前記単量体粒子エマルジョンの製造開始時、あるいは重合開始時、又は、前記樹脂粒子の凝集開始時等に、水性分散液等としてもよい。帯電制御剤の添加量は、単量体又は重合体100質量部に対して、1質量〜25質量部であることが好ましく、5質量部〜15質量部であることがより好ましい。
<<ポリマー懸濁法>>
本発明のトナーは、結着樹脂又は結着樹脂前駆体と着色剤とを主成分としたトナー材料を有機溶媒中に溶解乃至分散させて形成した溶解物乃至分散物を、必要であれば樹脂微粒子Aを含む水系媒体中で乳化乃至分散させて乳化液乃至分散液を調製し、造粒し、乳化乃至分散したトナー材料を含むトナー前駆体に樹脂微粒子Bを付着させることにより得られる。好ましくは、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料の溶解液乃至分散液を、水系媒体中に乳化乃至分散させ、水系媒体中で活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させた接着性基材を含むトナー前駆体粒子を生成させて、樹脂微粒子Bを付着させる。
<<懸濁重合法>>
前記懸濁重合法は、先に述べたポリマー懸濁法における結着樹脂の他に油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で乳化法によって乳化分散し、その後重合反応を行ない粒子化する方法であるが、樹脂微粒子Bを同様にトナー表面に付着させることができる。
(フルカラー画像形成方法)
本発明のフルカラー画像形成方法は、電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像が形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録材上に転写する二次転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した後の電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを含む。そして、現像工程において用いられたトナーが、上述の本発明のトナーである。このフルカラー画像形成方法においては、二次転写工程におけるトナー像の記録材への転写の線速度、所謂印字速度が300mm/sec〜1,000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間が0.5msec〜20msecであることが好ましい。
さらに、本発明のフルカラー画像形成方法は、タンデム方式の電子写真画像形成プロセスを採用すること、すなわち、電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、一次転写手段、及びクリーニング手段のセットを複数有するタンデム型の画像形成装置によって行われることが好ましい。電子写真感光体を複数個配備して、各々の回転時に1色ずつ現像するいわゆるタンデム型では、潜像形成工程と現像・転写工程とが各色毎に行なわれて各色のトナー像が形成されるため、単色の画像形成速度とフルカラーの画像形成速度との差が小さく、高速印字に対応できる利点を有している。しかし、各色のトナー像を別々の電子写真感光体に形成し、各色トナー層の積層(色重ね)を行うことによりフルカラー画像を形成するため、各色のトナー粒子間での帯電性等が異なるなど、特性にばらつきがあると各色のトナー粒子による現像トナー量に差が生じ、色重ねによる二次色の色相の変化が大きくなり、色再現性が低下する。
タンデム型によるフルカラー画像形成方法に使用されるトナーにおいては、各色のバランスを制御するための現像トナー量を安定化すること(各色のトナー粒子間でばらつきがないこと)、各色のトナー粒子間で電子写真感光体及び記録材に対する付着性が均一であることが必要である。この点に関して、本発明のトナーは好適である。
帯電手段は、少なくとも交番電圧を重畳した直流電圧を印加するのが好ましい。交番電圧を重畳した直流電圧を印加することにより、直流電圧のみを印加する場合に比べて電子写真感光体の表面電圧を所望の値に安定化させることができるため、より均一帯電させることが可能となる。さらに、帯電手段は、電子写真感光体に帯電部材を接触させ、帯電部材に電圧を印加することによって帯電を行うのが好ましい。電子写真感光体に帯電部材を接触させ、帯電部材に電圧を印加して帯電を行うことによって、特に交番電圧を重畳した直流電圧を印加することで得られる均一帯電性の効果をさらに向上させることが可能となる。
定着手段は、磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱される加熱ローラと、加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、加熱ローラと定着ローラとに張り渡され、加熱ローラにより加熱されるとともにこれらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体(加熱ベルト)と、加熱ベルトを介して定着ローラに圧接されるとともに、加熱ベルトに対して順方向に回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有することにより、定着ベルトの温度が短時間で上昇し、かつ安定した温度制御が可能となる。また、表面の粗い記録材を使用した場合にも、定着時にある程度転写紙の表面に応じた状態で定着ベルトが作用するため、十分な定着性が得られるようになる。
定着手段は、オイルレスあるいはオイル微量塗布タイプであることが好ましい。これを達成するために、トナー粒子中に離型剤(ワックス)を含有し、さらにそれがトナー粒子中に微分散しているものを定着することが好ましい。離型剤がトナー粒子中に微量分散しているトナーにより、定着時に離型剤が浸み出しやすく、オイルレス定着装置において、あるいは微量オイル塗布定着装置でオイル塗布効果が少なくなってきた場合においても、トナーのベルト側への転移を抑制することができる。離型剤がトナー粒子中に分散した状態で存在するためには、離型剤と結着樹脂とは相溶しないことが好ましい。また、離型剤がトナー粒子中に微分散するためには、例えばトナー製造時の混練の剪断力を利用する方法がある。離型剤の分散状態は、トナー粒子の薄膜切片をTEMで観察することにより判断できる。離型剤の分散径は小さい方が好ましいが、小さすぎると定着時の染み出しが不十分な場合がある。従って、倍率1万倍で離型剤が確認できれば、離型剤が分散した状態で存在していると判断する。1万倍で離型剤が確認出来ない大きさでは、微分散していたとしても、定着時の染み出しが不十分な場合がある。
<帯電装置>
本発明のフルカラー画像形成方法において用いられる帯電装置としては、例えば図2及び図3に示した接触式の帯電装置を用いることができる。
<<ローラ式帯電装置>>
図2に接触式帯電装置の一種であるローラ式帯電装置(500)の一例の概略構成を示した。被帯電体である像担持体としての感光体(505)は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体(505)に接触させた帯電部材である帯電ローラ(501)は芯金(502)とこの芯金(502)の外周に同心一体にローラ上に形成した導電ゴム層(503)を基本構成とし、芯金の両端を不図示の軸受け部材などで回転自由に保持させるとともに、不図示の加圧手段によって感光ドラムに所定の加圧力で押圧させており、本図の場合はこの帯電ローラ(501)は感光体(505)の回転駆動に従動して回転する。帯電ローラ(501)は、直径9mmの芯金上に100,000Ω・cm程度の中抵抗の導電ゴム層(503)を被膜して直径16mmに形成されている。帯電ローラ(501)の芯金(502)と図示の電源(504)とは電気的に接続されており、電源(504)により帯電ローラ(501)に対して所定のバイアスが印加される。これにより感光体(505)の周面が所定の極性、電位に一様に帯電処理される。
<<ファーブラシ式帯電装置>>
本発明で使われる帯電装置の形状としてはローラ式帯電装置の他にも、磁気ブラシ式帯電装置、ファーブラシ式帯電装置など、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシ式帯電装置を用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。また、ファーブラシ式帯電装置を用いる場合、例えばファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属、および金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電装置とする。
図3に接触式のブラシ式帯電装置(510)の一例の概略構成を示した。被帯電体としての像担持体としての感光体(515)は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体(515)に対して、ファーブラシによって構成されるファーブラシローラ(511)が、ブラシ部(513)の弾性に抗して所定の押圧力をもって所定のニップ幅で接触させてある。
本例における接触式帯電装置としてのファーブラシローラ(511)は、電極を兼ねる直径6mmの金属製の芯金(512)に、ブラシ部(513)としてユニチカ(株)製の導電性レーヨン繊維REC−Bをパイル地にしたテープをスパイラル状に巻き付けて、外径14mm、長手方向長さ250mmのロールブラシとしたものである。ブラシ部(513)のブラシは300デニール/50フィラメント、1平方ミリメートル当たり155本の密度である。このロールブラシを内径が12mmのパイプ内に一方向に回転させながらさし込み、ブラシと、パイプが同心となるように設定し、高温多湿雰囲気中に放置してクセ付けで斜毛させた。
ファーブラシローラ(511)の抵抗値は印加電圧100Vにおいて1×10Ωである。この抵抗値は、金属製の直径φ30mmのドラムにファーブラシローラをニップ幅3mmで当接させ、100Vの電圧を印加したときに流れる電流から換算した。このブラシ式帯電装置(510)の抵抗値は、被帯電体である感光体(515)上にピンホール等の低耐圧欠陥部が生じた場合にもこの部分に過大なリーク電流が流れ込んで帯電ニップ部が帯電不良になる画像不良を防止するために10Ω以上必要であり、感光体(515)表面に十分に電荷を注入させるために10Ω以下である必要がある。
ブラシの材質としては、ユニチカ(株)製のREC−B以外にも、REC−C、REC−M1、REC−M10、さらに東レ(株)製のSA−7、日本蚕毛(株)製のサンダーロン、カネボウ製のベルトロン、クラレ(株)のクラカーボ、レーヨンにカーボンを分散したもの、三菱レーヨン(株)製のローバル等が考えられる。ブラシは一本が3デニール〜10デニールで、10フィラメント/束〜100フィラメント/束、80本/mm〜600本/mmの密度が好ましい。毛足は1mm〜10mmが好ましい。
このファーブラシローラ(511)は感光体(515)の回転方向と逆方向(カウンター)に所定の周速度(表面の速度)をもって回転駆動され、感光体面に対して速度差を持って接触する。そしてこのブラシローラ(511)に電源(514)から所定の帯電電圧が印加されることで、回転感光体面が所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
本例では該ファーブラシローラ(511)による感光体(515)の接触帯電は直接注入帯電が支配的となって行なわれ、回転感光体表面はファーブラシローラ(511)に対する印加帯電電圧とほぼ等しい電位に帯電される。
本発明で使われる帯電部材の形状としてはファーブラシローラ(511)の他にも、帯電ローラ、ファーブラシなど、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。帯電ローラを用いる場合、芯金上に100,000Ω・cm程度の中抵抗ゴム層を被膜して用いるのが一般的である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。
<<磁気ブラシ式帯電装置>>
図3は、磁気ブラシ式帯電装置の例の概略構成を示した図でもある。被帯電体、像担持体としての感光体(515)は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体(515)に対して、磁気ブラシによって構成されるブラシローラ(511)が、ブラシ部(513)の弾性に抗して所定の押圧力をもって所定のニップ幅で接触させてある。
本例における接触帯電部材としての磁気ブラシとしては、平均粒径:25μmのZn−Cuフェライト粒子と、平均粒径10μmのZn−Cuフェライト粒子を、重量比1:0.05で混合して、それぞれの平均粒径の位置にピークを有する、平均粒径25μmのフェライト粒子を、中抵抗樹脂層でコートした磁性粒子を用いた。接触帯電部材は、上述で作製された被覆磁性粒子、および、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成され、前記被覆磁性粒子をスリーブ上に、厚さ1mmでコートして、感光体との間に幅約5mmの帯電ニップを形成した。また、該磁性粒子保持スリーブと感光体との間隙は、約500μmとした。さらに、マグネットロールは、スリーブ表面が、感光体表面の周速に対して、その2倍の速さで逆方向に摺擦するように、回転され、感光体と磁気ブラシとが均一に接触するようにした。
<現像装置>
本発明のフルカラー画像形成方法において使用される現像装置としては、例えば図4に示した現像装置を用いることができる。
本発明において感光体の潜像を現像するに際しては、交互電界を印加することが好ましい。図4に示した現像器(600)において、現像時、現像スリーブ(601)には、電源(602)により現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。背景部電位と画像部電位は、前記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって現像部(603)に向きが交互に変化する交互電界が形成される。この交互電界中で現像剤のトナーとキャリアが激しく振動し、トナー(605)が現像スリーブ(601)およびキャリアへの静電的拘束力を振り切って感光体(604)に飛翔し、感光体の潜像に対応して付着する。なお、トナー(605)は、上述の本発明のトナーである。
振動バイアス電圧の最大値と最小値の差(ピーク間電圧)は、0.5kV〜5kVが好ましく、周波数は1kHz〜10kHzが好ましい。振動バイアス電圧の波形は、矩形波、サイン波、三角波等が使用できる。振動バイアスの直流電圧成分は、上記したように背景部電位と画像部電位の間の値であるが、画像部電位よりも背景部電位に近い値である方が、背景部電位領域へのかぶりトナーの付着を防止する上で好ましい。
振動バイアス電圧の波形が矩形波の場合、デューティ比を50%以下とすることが望ましい。ここでデューティ比とは、振動バイアスの1周期中でトナーが感光体に向かおうとする時間の割合である。このようにすることにより、トナーが感光体に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を大きくすることができるので、トナーの運動がさらに活発化し、トナーが潜像面の電位分布に忠実に付着してざらつき感や解像力を向上させることができる。またトナーとは逆極性の電荷を有するキャリアが感光体に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を小さくすることができるので、キャリアの運動を沈静化し、潜像の背景部にキャリアが付着する確率を大幅に低減することができる。
<定着装置>
本発明のフルカラー画像形成方法において使用される定着装置としては、例えば、図5に示した定着装置を用いることができる。図5に示す定着装置は、誘導加熱手段(760)の電磁誘導により加熱される加熱ローラ(710)と、加熱ローラ(710)と平行に配置された定着ローラ(720)(対向回転体)と、加熱ローラ(710)と定着ローラ(720)とに張り渡され、加熱ローラ(710)により加熱されるとともに少なくともこれらの何れかのローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の定着ベルト(耐熱性ベルト、トナー加熱媒体)(730)と、定着ベルト(730)を介して定着ローラ(720)に圧接されるとともに定着ベルト(730)に対して順方向に回転する加圧ローラ(740)(加圧回転体)とから構成されている。
加熱ローラ(710)は、例えば鉄、コバルト、ニッケルまたはこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材からなり、外径を例えば20mm〜40mm、肉厚を例えば0.3mm〜1.0mmとして、低熱容量で昇温の早い構成となっている。
定着ローラ(720)(対向回転体)は、例えばステンレススチール等の金属製の芯金(722)と、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして芯金(722)を被覆した弾性部材(721)とからなる。そして、加圧ローラ(740)からの押圧力でこの加圧ローラ(740)と定着ローラ(720)との間に所定幅の接触部を形成するために、定着ローラ(720)の外径を20mm〜40mm程度として、加熱ローラ(710)の外径より大きくしている。弾性部材(721)は、その肉厚を4mm〜6mm程度としている。この構成により、加熱ローラ(710)の熱容量は定着ローラ(720)の熱容量より小さくなるので、加熱ローラ(710)が急激に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。
加熱ローラ(710)と定着ローラ(720)とに張り渡された定着ベルト(730)は、誘導加熱手段(760)により加熱される加熱ローラ(710)との接触部位(W1)で加熱される。そして、加熱ローラ(710)と定着ローラ(720)の回転によって定着ベルト(730)の内面が連続的に加熱され、結果としてベルト全体に渡って加熱される。
図6に定着ベルト(730)の層構成を示す。ベルト(730)の構成は、内層から表層に向かって下記4層であり、以下のようにすることができる。
・基体(731):ポリイミド(PI)樹脂などの樹脂層
・発熱層(732):Ni,Ag,SUS等の導電材料層
・中間層(733):均一定着のための弾性層
・離型層(734):離型効果とオイルレス化のための弗素樹脂材料等の樹脂層
離型層(734)の厚さとしては、10μmから300μm程度が望ましく、特に200μm程度が望ましい。このようにすれば、図5に示すような定着装置(700)において、記録媒体(記録材)(770)上に形成されたトナー像(T)を定着ベルト(730)の表層部が十分に包み込むため、トナー像(T)を均一に加熱溶融することが可能になる。離型層(734)の厚さ、即ち表面離型層は経時耐磨耗性を確保するためには最低10μmは必要である。また、離型層(734)の厚さが300μmよりも大きい場合には、定着ベルト(730)の熱容量が大きくなってウォームアップにかかる時間が長くなる。さらに、トナー像定着工程において定着ベルト(730)の表面温度が低下しにくくなって、定着部出口における融解したトナーの凝集効果が得られず、定着ベルト(730)の離型性が低下してトナー像(T)のトナーが定着ベルト(730)に付着し、いわゆるホットオフセットが発生する。なお、定着ベルト(730)の基体として、前記金属からなる発熱層(732)としてもよいが、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂などの耐熱性を有する樹脂層を用いてもよい。
加圧ローラ(740)は、たとえば銅またはアルミ等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金(741)と、この芯金(741)の表面に設けられた耐熱性およびトナー離型性の高い弾性部材(742)とから構成されている。芯金(741)には前記金属以外にSUSを使用してもよい。加圧ローラ(740)は定着ベルト(730)を介して定着ローラ(720)を押圧して定着ニップ部(N)を形成しているが、本実施の形態では、加圧ローラ(740)の硬度を定着ローラ(720)に比べて硬くすることによって、加圧ローラ(740)が定着ローラ(720)(及び定着ベルト(730))へ食い込む形となり、この食い込みにより、記録媒体(770)は加圧ローラ(740)表面の円周形状に沿うため、記録媒体(770)が定着ベルト(730)表面から離れやすくなる効果を持たせている。この加圧ローラ(740)の外径は定着ローラ(720)と同じ20mm〜40mm程度であるが、肉圧は0.5mm〜2.0mm程度で定着ローラ(720)より薄く構成されている。
電磁誘導により加熱ローラ(710)を加熱する誘導加熱手段(760)は、図5に示すように、磁界発生手段である励磁コイル(761)と、この励磁コイル(761)が巻き回されたコイルガイド板(762)とを有している。コイルガイド板(762)は加熱ローラ(710)の外周面に近接配置された半円筒形状をしており、励磁コイル(761)は長い一本の励磁コイル線材をこのコイルガイド板(762)に沿って加熱ローラ(710)の軸方向に交互に巻き付けたものである。なお、励磁コイル(761)は、発振回路が周波数可変の駆動電源(図示せず)に接続されている。励磁コイル(761)の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア(763)が、励磁コイルコア支持部材(764)に固定されて励磁コイル(761)に近接配置されている。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録材上に定着させる定着手段と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体及び記録材上のいずれかに転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置における各手段のうち、少なくとも電子写真感光体、及び現像手段を、一体に支持して画像形成装置本体に着脱自在としたものである。そして、現像手段は、上述の本発明のトナーを備えている。現像手段及び帯電手段としては、前記現像手段及び前記帯電手段としては、上述の現像装置及び帯電装置が好適に使用できる。
本発明のプロセスカートリッジの例を図7に示す。図7に示したプロセスカートリッジ(800)は、感光体(801)、帯電手段(802)、現像手段(803)、クリーニング手段(806)を備えている。このプロセスカートリッジ(800)の動作を説明すると、感光体(801)が所定の周速度で回転駆動される。感光体(801)は回転過程において、帯電手段(802)によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の不図示の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体(801)の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段(802)によりトナー像化され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体(801)と不図示の転写手段との間に感光体(801)の回転と同期されて給送された記録媒体(記録材)に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた記録媒体は感光体面から分離されて不図示の像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体(801)の表面は、クリーニング手段(806)によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
<フルカラー画像形成装置>
本発明のフルカラー画像形成方法において使用されるフルカラー画像形成装置としては、例えば図8、図9に示したタンデム方式の画像形成装置(100)を用いることができる。図8において、画像形成装置(100)は電子写真方式によるカラー画像形成を行なうための画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)、画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)、給紙部(140)から主に構成されている。画像信号を元に、画像処理部(図示せず)で画像処理を行い、画像形成用の黒(Bk),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色信号に変換し、画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)に送信する。画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)は、例えば、レーザ光源、回転多面鏡等の偏向器、走査結像光学系及びミラー群(いずれも図示せず)からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)に各色信号に応じた画像書込を行なう。
画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)は、黒,シアン,マゼンタ,イエロー用の各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)を備え、これらの各色用の感光体(210Bk,210C,210M,210Y)には通常OPC感光体が用いられる。各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)の周囲には、帯電装置(215Bk,215C,215M,215Y)、前記画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)からのレーザ光の露光部、各色用の現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)、1次転写装置(230Bk,230C,230M,230Y)、クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)、除電装置(図示せず)等が配設されている。なお、前記現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)には、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。また、中間転写ベルト(220)が各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)と1次転写装置(230Bk,230C,230M,230Y)との間に介在し、この中間転写ベルト(220)に各感光体から各色のトナー像が順次重ね合わせて転写され、各感光体上のトナー像を担持する。
場合によっては、この中間転写ベルト(220)の外側で、最終色の1次転写位置通過後で2次転写位置通過前の位置に転写前帯電手段としてのプレ転写チャージャ(280)が配設されるのが好ましい。このプレ転写チャージャ(280)は、前記1次転写部で感光体(210)に転写された中間転写ベルト(220)上のトナー像を記録材としての転写紙に転写する前に、トナー像をトナー像と同極性に均一に帯電するものである。
各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)から転写された中間転写ベルト(220)上のトナー像は、ハーフトーン部及びベタ部を含んでいたりトナーの重ね合せ量が異なる部分を含んでいたりするため、帯電量がばらついている場合がある。また、中間転写ベルト移動方向における1次転写部の隣接下流側の空隙に発生する剥離放電により、1次転写後の中間転写ベルト(220)上のトナー像内に帯電量のばらつきが発生する場合もある。このような同一トナー像内の帯電量のばらつきは中間転写ベルト(220)上のトナー像を転写紙に転写する2次転写部における転写余裕度を低下させてしまう。そこで、プレ転写チャージャ(280)で転写紙へ転写する前のトナー像をトナー像と同極性に均一に帯電することにより、同一トナー像内の帯電量のばらつきを解消し、2次転写部における転写余裕度を向上させている。
以上、この画像形成方法によれば、各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)から転写した中間転写ベルト(220)上のトナー像をプレ転写チャージャ(280)で均一に帯電することにより、中間転写ベルト(220)上のトナー像内に帯電量のばらつきがあっても、2次転写部における転写特性を、中間転写ベルト(220)上のトナー像の各部に渡ってほぼ一定にすることができる。従って、転写紙へ転写する時の転写余裕度の低下を抑え、トナー像を安定して転写できる。
なお、この画像形成方法において、プレ転写チャージャ(280)で帯電される帯電量は、帯電対象物である中間転写ベルト(220)の移動速度に依存して変化する。例えば、中間転写ベルト(220)の移動速度が遅ければ、中間転写ベルト(220)上のトナー像の同一部分がプレ転写チャージャ(280)による帯電領域を通過する時間が長くなるので、帯電量が大きくなる。逆に、中間転写ベルト(220)の移動速度が速いと、中間転写ベルト(220)上のトナー像の帯電量が小さくなる。従って、中間転写ベルト(220)上のトナー像がプレ転写チャージャ(280)による帯電位置を通過している途中に中間転写ベルト(220)の移動速度が変化するような場合には、その中間転写ベルト(220)の移動速度に応じて、トナー像に対する帯電量が途中で変化しないようにプレ転写チャージャ(280)を制御することが望ましい。
1次転写装置(230Bk,230C,230M,230Y)の間に導電性ローラ(241),(242),(243)が設けられている。そして、転写紙は給紙部(140)から給紙された後、レジストローラ対(160)を介して転写ベルト(180)に担持され、中間転写ベルト(220)と転写ベルト(180)が接触するところで2次転写ローラ(170)により中間転写ベルト(220)上のトナー像が転写紙に転写され、カラー画像形成が行なわれる。
そして、画像形成後の転写紙は2次転写ベルト(180)で定着装置(150)に搬送され、画像が定着されてカラー画像が得られる。転写されずに残った中間転写ベルト(220)上のトナーは、中間転写ベルトクリーニング装置(201)によってベルトから除去される。
転写紙への転写前の中間転写ベルト(220)上のトナー極性は、現像時と同じマイナス極性であるため、2次転写ローラ(170)にはプラスの転写バイアス電圧が印加され、トナーは転写紙上に転写される。この部分でのニップ圧が転写性に影響し、定着性に大きく影響する。また、転写されずに残った中間転写ベルト(220)上のトナーは、転写紙と中間転写ベルト(220)とが離れる瞬間にプラス極性側に放電帯電され、0〜プラス側に帯電される。なお、転写紙のジャム時や非画像域に形成されたトナー像は、2次転写の影響を受けないため、もちろんマイナス極性のままである。
感光体層の厚みを30μmとし、光学系のビームスポット径を50μm×60μm、光量を0.47mWとしている。感光体(黒)(210Bk)の帯電(露光側)電位V0を−700V、露光後電位VLを−120Vとして現像バイアス電圧を−470Vすなわち現像ポテンシャル350Vとして現像工程が行なわれるものである。感光体(黒)(210Bk)上に形成されたトナー(黒)の顕像はその後、転写(中間転写ベルト及び転写紙)、定着工程を経て画像として完成される。転写は最初、1次転写装置(230Bk,230C,230M,230Y)から中間転写ベルト(220)へ全色転写された後、更に別の2次転写ローラ(170)へのバイアス印加により転写紙へ転写される。
次に、感光体クリーニング装置について詳細に説明する。図8において、各現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)と各クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)とは、各々トナー移送管(250Bk,250C,250M,250Y)で接続されている(図8中の破線)。そして、各トナー移送管(250Bk,250C,250M,250Y)の内部には、スクリュー(図示せず)が入っており、各クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)で回収されたトナーが、各現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)へ移送されるようになっている。
従来の4つの感光体ドラムとベルト搬送との組合わせによる直接転写方式では、感光体と転写紙が当接することにより紙粉が付着しトナーを回収すると紙粉が含有しているので、画像形成時にトナー抜け等の画像劣化をきたし使用することができなかった。更に、従来の一つの感光体ドラムと中間転写とを組合わせたシステムでは、中間転写体の採用で転写紙転写時の感光体への紙粉付着はなくなったが、感光体への残トナーのリサイクルを行おうした場合、混色したトナーを分離することは実用上不可能である。また、混色トナーを黒トナーとして使用する提案があるが、全色混合しても黒にならず、プリントモードにより色が変化するため1つの感光体の構成ではトナーリサイクルは不可能であった。
これに対して、このフルカラー画像形成装置では、中間転写ベルト(220)を使用するので紙粉の混入が少なく、かつ、紙転写時の中間転写ベルト(220)への紙粉の付着も防止される。各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)が独立した色のトナーを使用するので各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)のクリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)を接離する必要もなく、確実にトナーのみを回収することができる。
前記中間転写ベルト(220)上に残ったプラス帯電されたトナーは、マイナス電圧が印加された導電性ファーブラシ(262)でクリーニングされる。導電性ファーブラシ(262)への電圧印加方法は、導電性ファーブラシ(261)と極性が異なるだけで全く同一である。転写されずに残ったトナーも2つの導電性ファーブラシ(261),(262)でほとんどクリーニングされる。ここで、導電性ファーブラシ(262)でクリーニングされずに残ったトナー、紙粉、タルク等は、導電性ファーブラシ(262)のマイナス電圧により、マイナス帯電される。次の黒色の1次転写は、プラス電圧による転写であり、マイナス帯電したトナー等は中間転写ベルト(220)側に引き寄せられるため、感光体(黒)(210Bk)側への移行は防止できる。
次に、この画像形成装置に使用される中間転写ベルト(220)について説明する。中間転写ベルトは前述のとおり、単層の樹脂層であることが好ましいが、必要に応じて、弾性層や、表層を保有してもよい。
前記樹脂層を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上が挙げられる。ただし、前記材料に限定されるものではないことは当然である。
また、前記弾性層を構成する弾性材料(弾性材ゴム、エラストマー)としては、例えば、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上が挙げられる。ただし、前記材料に限定されるものではないことは当然である。
また、前記表層の材料は特に制限は無いが、中間転写ベルト表面へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高めるものが要求される。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行なうことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
前記樹脂層や弾性層には、抵抗値調節用導電剤が添加される。この抵抗値調節用導電剤は特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫,酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。前記導電剤に限定されるものではないことは当然である。
図9は、本発明のフルカラー画像形成方法において使用される画像形成装置の他の例を示すもので、タンデム型間接転写方式の電子写真式の画像形成装置を備えた複写装置(100)である。図9中、(110)は複写装置本体、(200)はそれを載せる給紙テーブル、(300)は複写装置本体(110)上に取り付けるスキャナ、(400)はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体(110)には、中央に、無端ベルト状の中間転写体(50)を設ける。
そして、図9に示すとおり、この例では3つの支持ローラ(14)、(15)、(16)に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラ(15)の左に、画像転写後に中間転写体(50)上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置(17)を設ける。また、3つのなかで第1の支持ローラ(14)と第2の支持ローラ(15)間に張り渡した中間転写体(50)上には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段(18)を横に並べて配置してタンデム画像形成装置(120)を構成する。
このタンデム画像形成装置(120)の上には、図9に示すように、さらに露光装置(21)を設ける。一方、中間転写体(50)を挟んでタンデム画像形成装置(120)と反対の側には、2次転写装置(22)を備える。2次転写装置(22)は、図示例では、2つのローラ(23)間に、無端ベルトである2次転写ベルト(24)を掛け渡して構成し、中間転写体(50)を介して第3の支持ローラ(16)に押し当てて配置し、中間転写体(50)上の画像をシートに転写する。2次転写装置(22)の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置(25)を設ける。定着装置(25)は、無端ベルトである定着ベルト(26)に加圧ローラ(27)を押し当てて構成する。上述した2次転写装置(22)には、画像転写後のシートをこの定着装置(25)へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置(22)として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合はこのシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。なお、図示例では、このような2次転写装置(22)および定着装置(25)の下に、上述したタンデム画像形成装置(120)と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置(28)を備える。
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置(400)の原稿台(130)上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置(400)を開いてスキャナ(300)のコンタクトガラス(32)上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置(400)を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置(400)に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス(32)上へと移動して後、他方コンタクトガラス(32)上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ(300)を駆動し、第1走行体(33)および第2走行体(34)を走行する。そして、第1走行体(33)で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体(34)に向け、第2走行体(34)のミラーで反射して結像レンズ(35)を通して読取りセンサ(36)に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ(14)、(15)、(16)の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体(50)を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段(18)でその感光体(10)を回転して各感光体(10Y、10C、10M、10K)上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体(50)の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体(50)上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル(200)の給紙ローラ(142)の1つを選択回転し、ペーパーバンク(143)に多段に備える給紙カセット(144)の1つからシートを繰り出し、分離ローラ(145)で1枚ずつ分離して給紙路(146)に入れ、搬送ローラ(147)で搬送して複写機本体(100)内の給紙路(148)に導き、レジストローラ(49)に突き当てて止める。
または、給紙ローラ(67)を回転して手差しトレイ(51)上のシートを繰り出し、分離ローラ(58)で1枚ずつ分離して手差し給紙路(53)に入れ、同じくレジストローラ(49)に突き当てて止める。
そして、中間転写体(50)上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ(49)を回転し、中間転写体(50)と2次転写装置(22)との間にシートを送り込み、2次転写装置(22)で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、2次転写装置(22)で搬送して定着装置(25)へと送り込み、定着装置(25)で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪(55)で切り換えて排出ローラ(56)で排出し、排紙トレイ(57)上にスタックする。または、切換爪(55)で切り換えてシート反転装置(28)に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ(56)で排紙トレイ(57)上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写体(50)は、中間転写体クリーニング装置(17)で、画像転写後に中間転写体(50)上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置(120)による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ(49)は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
以下、本発明を実施例及び比較例にて更に詳細に説明する。なお、本発明は、ここに例示される実施例及び比較例に限定されるものではない。なお、実施例中の部は、特に記載がなければ質量部を表わす。
[トナーの製造]
評価に用いたトナーの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるトナーは、これらの例に限定されるものではない。
(トナー材料の溶解液乃至分散液の調製)
<未変性ポリエステル(低分子量ポリエステル)の合成>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を10mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が5,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃であった。
<マスターバッチ(MB)の調製>
水1,000質量部、及びカーボンブラック(「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル1,200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチMB1を調製した。
<プレポリマーの合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10mHg〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
<トナー材料相の調製>
ビーカー内に前記未変性ポリエステル100質量部、酢酸エチル130質量部を、攪拌し溶解させた。次いで、カルナウバワックス100℃の溶融粘度40(mPa・s)(分子量=1,800、酸価=2.5、針入度=1.5mm(40℃))10質量部、及び前記マスターバッチ10質量部を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、前記プレポリマーを40質量部添加し、攪拌した後、トナー材料の溶解液乃至分散液を調製した。
<樹脂微粒子Aの調製>
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)16部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、極性付与剤(極性付与モノマー)としてスチレンスルホン酸モノマーを30部添加した後に1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体の極性樹脂変性体)の水性分散液[樹脂微粒子分散液A1]を得た。[樹脂微粒子分散液A1]の体積平均粒径(堀場製作所製 LA−920で測定)で測定した。
A1と同様に、以下の表1に示される極性付与モノマー及び架橋剤モノマーを用いて樹脂微粒子A2〜A5を合成した。なお、樹脂微粒子A4の合成には極性付与モノマーのほかに架橋剤モノマーを同時に添加した。
<樹脂微粒子Bの調製>
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10部、スチレン138部、メタクリル酸メチル138部、ジビニルベンゼン3部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度65℃まで昇温し10時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸メチル)の水性分散液[樹脂微粒子分散液B1]を得た。[樹脂微粒子分散液B1]を堀場製作所製 LA−920で体積平均粒径を測定した。得られた樹脂微粒子分散液B1にはメチルエチルケトンを30部添加し、樹脂微粒子B1を膨潤させ、あらかじめ樹脂微粒子B1をトナー内部に取り込ませやすくした。
B1と同様に、以下の表2に示される界面活性剤、架橋剤、及び極性付与モノマーを用いて樹脂微粒子B2〜B5を合成した。なお、B4の合成には架橋剤モノマーを使用せず、またB5の合成には極性付与モノマーを併用して使用した。
(実施例1)
<水系媒体相の調製>
水660質量部、前記微粒子分散液A1:25質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)25質量部、及び酢酸エチル60質量部を混合撹拌し、乳白色の液体(水相)を得た。さらに、固形分20%に調整した樹脂微粒子分散液B1を50質量部加えた。樹脂微粒子B1は凝集したが、水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8,000rpmで攪拌すると該凝集体がほぐれ、分散できることを光学顕微鏡によって確認した。したがって、この後行われるトナー材料の乳化工程においても樹脂微粒子B1は分散してトナー材料成分の液滴に付着することが期待できた。このように樹脂微粒子B1は、初期はある程度不安定で凝集を生じるがせん断によって再分散できる。
<乳化液乃至分散液の調製>
前記水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解液乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化液乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
<有機溶媒の除去>
脱気用配管、攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間減圧下、脱溶剤し脱溶剤スラリーとした。その後分散液を70℃で10時間加熱してトナー表面に存在する樹脂微粒子Aの層を融着、トナーを平滑化した。
<洗浄・乾燥>
前記脱溶剤スラリー全量を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行った。得られた濾過ケーキを順風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、約5μmのトナー母体粒子を得た。
<外添処理>
得られたトナー母体粒子を100質量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を0.8部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナーを得た。
(実施例2〜5及び7〜10、比較例1〜5、参考例6)
実施例1同様に、以下の表4に示される樹脂微粒子A、Bの組み合わせでトナーを製造した。樹脂微粒子A、Bの使用量は実施例1と同量である。ただし、実施例8、9では、表3に示すワックスB又はワックスCを、トナー材料相の調製時、カルナバワックス(ワックスA)の代わりに同量用いた。ここで、ワックスAはカルバナワックスを示し、ワックスBはパラフィンワックスを示し、ワックスCはポリエチレンワックスを示す。
また、実施例10はトナー母体作製時に脱溶剤スラリーの加熱を行わなかった。表4にはトナー表面を断面のTEMで観察した結果とトナー母体のBET比表面積の値も示した。
なお、BET比表面積は、以下のように測定した。
<BET比表面積の測定方法>
トナーのBET比表面積は、自動比表面積/細孔分布測定装置TriStar3000(島津製作所製)を用いて測定した。トナー1gを専用セルに入れ、TriStar用脱ガス専用ユニット、バキュプレップ061(島津製作所製)を用いて、前記専用セル内の脱気処理を行った。脱気処理は室温下で行い、少なくとも100mtorr以下の減圧条件下で20時間行った。脱気処理を行った専用セルは、TriStar3000を用いて自動でBET比表面積を得ることができる。なお、吸着ガスとしては窒素ガスを用いて行った。
なお、ワックスの粘度(mPa・s)は、100℃における粘度であり、B型粘度計(BROOKFIELD社製)を用いて測定した。
得られたトナーの特性を表4に示す。
<キャリアの作製>
次に、トナーの実機評価に用いたキャリアの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるキャリアは、これらの例に限定されるものではない。
<<キャリア>>
アクリル樹脂溶液(固形分50wt%) 21.0部
グアナミン溶液(固形分70wt%) 6.4部
アルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)] 7.6部
シリコーン樹脂溶液 65.0部
[固形分23wt%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
アミノシラン 1.0部
[固形分100wt%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
トルエン 60部
ブチルセロソルブ 60部
前記キャリア原料をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂の被覆膜形成溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2348.0:平均粒径;25μm]に前記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し、乾燥し、被覆フェライト粉を得た。得られた被覆フェライト粉を電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。結着樹脂膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。こうして、重量平均粒径35μmのキャリアAを得た。
<2成分系現像剤の作製>
前記トナーと前記キャリアAを用い、キャリア100質量部に対しトナー7質量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて2成分系現像剤を作製した。
<トナーの評価>
<<転写効率(%)>>
富士ゼロックス社製のDocuColor 8000 Digital Pressを改造して、線速及び転写時間を調整可能にチューニングした評価機を用い、各現像剤について、A4サイズ、トナー付着量0.6mg/cmのベタパターンをテスト画像として出力するランニング試験を行った。テスト画像10万枚、100万枚出力後、一次転写における転写効率を下記式(3)により、二次転写における転写効率を下記式(4)により、それぞれ求めた。なお、評価基準は下記のとおりである。
一次転写効率(%)=(中間転写体上に転写されたトナー量/電子写真感光体上に現像されたトナー量)×100・・・(3)
二次転写効率(%)=(中間転写体上に転写されたトナー量−中間転写体上の転写残トナー量/中間転写体上に転写されたトナー量)×100・・・(4)
表5中の転写初期の欄と転写劣化の欄に、一次転写効率と二次転写効率の結果を示す。
評価基準は、
◎・・・90%以上
○・・・85%以上90%未満
△・・・80%以上85%未満
×・・・80%未満
とした。
<<定着下限温度>>
リコー製フルカラー複合機Imagio NeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(株式会社リコー製のタイプ6000<70W>及び複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.85±0.1mg/cm2のトナー付着量で定着評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
評価基準は、
◎:120℃未満
○:140℃未満120℃以上
△:160℃未満140℃以上
×:160℃以上
とした。
<<定着上限温度>>
<<<ホットオフセット発生温度>>>
リコー製フルカラー複合機Imagio NeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、前記普通紙にベタ画像で0.85±0.3mg/cmのトナーが現像されるように調整した。得られた画像を加熱ローラの温度を変えて定着し、ホットオフセットの発生する定着温度(オフセット発生温度)を測定した。
評価基準は、
◎:210℃以上
○:210℃未満190℃以上
△:190℃未満170℃以上
×:170℃未満
とした。
トナー評価結果を表5に示す。
なお、参考例6では、樹脂微粒子Aが架橋して樹脂微粒子Aからなる層が連続層として形成されず、最表層にも樹脂微粒子Bが露出してしまっているため、所望の転写性能が発揮できないと考えられる。
本発明のトナーは定着性を維持したまま、高速のフルカラー画像形成方法において転写効率を向上させ、転写時に画像欠陥をなくし長期的に再現性の良い画像を出力することを可能にするので、電子写真感光体から中間転写体への転写工程(一次転写)及び中間転写体から最終画像を得る記録材上への転写工程(二次転写)という2回にわたる転写工程を経る電子写真装置において好適に使用できる。
図1Aは、本発明のトナーの断面のTEM観察例を示す図である。 図1Bは、図1Aにおける点線枠の拡大図である。 図1Cは、本発明のトナーの断面を示す模式図である。 図2は、本発明のフルカラー画像形成方法において用いられるローラ式帯電装置の一例を示す概略図である。 図3は、本発明のフルカラー画像形成方法において用いられるブラシ式帯電装置の一例を示す概略図である。 図4は、本発明のフルカラー画像形成方法において用いられる現像装置の一例を示す概略図である。 図5は、本発明のフルカラー画像形成方法において用いられる定着装置の一例を示す概略図である。 図6は、図5における定着ベルトの層構造を示す概略図である。 図7は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 図8は、本発明のフルカラー画像形成方法において用いられる画像形成装置の一例を示す概略図である。 図9は、本発明のフルカラー画像形成方法において用いられる画像形成装置の他の一例を示す概略図である。
符号の説明
(図1Cの符号)
1 トナー
2 トナー粒子本体
3 樹脂微粒子B
4 樹脂微粒子Aからなる被膜
(図2の符号)
500 ローラ式帯電装置
501 帯電ローラ
502 芯金
503 導電ゴム層
504 電源
505 感光体
(図3の符号)
510 ブラシ式帯電装置
511 ブラシローラ(ファーブラシローラ又は磁気ブラシローラ)
512 芯金
513 ブラシ部
514 電源
515 感光体
(図4の符号)
600 現像装置
601 現像スリーブ
602 電源
603 現像部
604 感光体
605 トナー
(図5及び図6の符号)
700 定着装置
710 加熱ローラ
720 定着ローラ(対向回転体)
721 弾性部材
722 芯金
730 定着ベルト(耐熱性ベルト、トナー加熱媒体)
731 基体
732 発熱層
733 中間層
734 離型層
740 加圧ローラ(加圧回転体)
741 芯金
742 弾性部材
750 温度検知部材
760 誘導加熱手段
761 励磁コイル
762 コイルガイド板
763 励磁コイルコア
764 励磁コイルコア支持部材
770 記録媒体(記録材)
A ベルトの回転方向
N 定着ニップ部
W1 接触部位
T トナー像
(図7の符号)
800 プロセスカートリッジ
801 感光体
802 帯電手段
803 現像手段
804 トナー
805 現像ローラ
806 クリーニング手段
(図8の符号)
100 画像形成装置
120Bk 画像書込部(黒)
120C 画像書込部(シアン)
120M 画像書込部(マゼンダ)
120Y 画像書込部(イエロー)
130Bk 画像形成部(黒)
130C 画像形成部(シアン)
130M 画像形成部(マゼンダ)
130Y 画像形成部(イエロー)
140 給紙部
150 定着装置
160 レジストローラ対
170 2次転写ローラ
180 転写ベルト
200Bk 現像装置(黒)
200C 現像装置(シアン)
200M 現像装置(マゼンダ)
200Y 現像装置(イエロー)
210Bk 感光体(黒)
210C 感光体(シアン)
210M 感光体(マゼンダ)
210Y 感光体(イエロー)
215Bk 帯電装置(黒)
215C 帯電装置(シアン)
215M 帯電装置(マゼンダ)
215Y 帯電装置(イエロー)
220 中間転写ベルト
230Bk 1次転写装置(黒)
230C 1次転写装置(シアン)
230M 1次転写装置(マゼンダ)
230Y 1次転写装置(イエロー)
241 導電性ローラ
242 導電性ローラ
243 導電性ローラ
250Bk トナー移送管(黒)
250C トナー移送管(シアン)
250M トナー移送管(マゼンダ)
250Y トナー移送管(イエロー)
261 導電性ファーブラシ
262 導電性ファーブラシ
300Bk クリーニング装置(黒)
300C クリーニング装置(シアン)
300M クリーニング装置(マゼンダ)
300Y クリーニング装置(イエロー)
(図9の符号)
14 第1の支持ローラ
15 第2の支持ローラ
16 第3の支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
21 露光手段
22 2次転写手段
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
10Y、10C、10M、10K 感光体
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 手差しトレイ
53 給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
58 分離ローラ
62 1次転写装置
100 画像形成装置
110 複写装置本体
120 タンデム画像形成装置
130 原稿台
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (11)

  1. トナー母体表面の最表層として形成され、樹脂微粒子Aからなる層と、該層の内部側に形成された樹脂微粒子Bとを備えることを特徴とするトナー。
  2. 樹脂微粒子Bが架橋された樹脂であり、該樹脂微粒子Bが粒子の形態で存在する請求項1に記載のトナー。
  3. 100℃における粘度が100mPa・s以下のワックスを離型剤として含有する請求項1から2のいずれかに記載のトナー
  4. トナー母体のBET比表面積が0.5m/g〜4.0m/gである請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. 少なくとも結着樹脂を含むトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散してトナー材料の溶解液乃至分散液を作製する工程Aと、前記トナー材料の溶解液乃至分散液を樹脂微粒子Bが膨潤可能な有機溶媒の含まれる水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化液乃至分散液を作製する工程Bと、前記乳化液乃至分散液から有機溶媒を除去する工程Cとを含み、前記工程B及び前記工程Cのいずれかにおいて、水系媒体中に樹脂微粒子Bを添加するトナーの製造方法により製造された請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6. トナー材料は、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂とを含む請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
  7. 電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像が形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録材上に転写する二次転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した後の電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを含み、前記現像工程において用いられたトナーが請求項1から6のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
  8. 二次転写工程において、トナー像の記録材への転写の線速度は300mm/sec〜1,000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間は0.5msec〜20msecである請求項7に記載のフルカラー画像形成方法。
  9. タンデム方式の電子写真画像形成プロセスを採用した請求項7から8のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
  10. 電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録材上に定着させる定着手段と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体及び記録材上のいずれかに転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置における各手段のうち、少なくとも前記電子写真感光体、及び請求項1から6のいずれかに記載のトナーを備えた前記現像手段を、一体に支持して前記画像形成装置本体に着脱自在としたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 帯電手段、転写手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも1つの手段をさらに含む請求項10に記載のプロセスカートリッジ。
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