JP2010244033A - 静電荷像現像用トナー及び画像形成装置 - Google Patents

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Tsutomu Sugimoto
強 杉本
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Abstract

【課題】クリーニング性に優れ、転写効率を向上させた再現性の良い画像を出力するトナーの提供
【解決手段】少なくとも着色剤及び離型剤と結着樹脂で構成される母体粒子と外添剤からなる静電荷像現像用トナーであって、該トナーが下記式(1)及び式(2)を満たし、かつ外添剤としてBET比表面積値が40〜110m/gの無機微粒子が添加されてなり、トナー付着力Faが下記式(3)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー(Sm:トナー母体粒子のBET比表面積、Dv:体積平均粒子径、ρ:トナーの真比重、Ra:トナーの円形度)。
1.2≦6Sm/(Dv・ρ)≦2.0 (1)
0.95≦Ra≦0.98 (2)
Fa≦40nN (3)
【選択図】なし

Description

本発明は複写機、静電印刷、プリンター、ファクシミリ、静電記録等の電子写真方式の画像形成に用いられるトナー、並びに該トナーを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
近年、電子写真方式の画像形成技術分野では、高速の画像形成が可能で、しかも画像品位の高いカラー画像形成装置の開発競争が激化している。このため、フルカラー画像を高速で得るために、画像形成方法において複数の電子写真感光体を直列に並べ、それぞれの電子写真感光体において各色成分ごとの画像を形成し、中間転写体上で重ね合わせ記録材上へ一括転写するいわゆるタンデム方式が多く採用されてきている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。中間転写体を用いた場合には、現像時に電子写真感光体上に地肌汚れが発生したときには、直接紙などの記録材に地肌汚れが転移することを防止する効果はあるが、中間転写体を用いる方式は、電子写真感光体から中間転写体への転写工程(一次転写)と、中間転写体から最終画像を得る記録材上への転写工程(二次転写)という2回にわたる転写工程を経るため転写効率が低下する。
一方、上記のような問題に加え、より高画質のフルカラー画像形成が要求されており、高画質化への現像剤設計がなされてきている。高画質化、特にフルカラー画質への要求に対応するために、トナーとしてはますます小粒径化が進み、潜像を忠実に再現することが検討されている。この小粒径化に対しては、トナーを所望のトナー形状及び表面構造に制御することを可能とする手段として、重合法によるトナー製造方法が提案されている。(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。重合法トナーでは、トナー粒子の粒径制御に加えて形状制御も可能である。また、これと併せて粒径を小さくすることにより、ドットや細線の再現性が良くなり、パイルハイト(画像層厚)も低くすることが可能となり、より高画質化が期待できる。
しかしながら、小粒径トナーを用いた場合には、トナー粒子と電子写真感光体、又はトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力が増加するため、転写効率がさらに低下し易い。このため、高速のフルカラー画像形成装置において小粒径トナーを使用した場合には、特に二次転写での転写効率の低下が顕著となる。その理由は、トナー小粒径化によりトナー1粒子あたりの中間転写体との非静電的付着力が増加している上に、二次転写では複数色のトナーが重ねあった状態で存在していることと、高速化に伴い二次転写のニップ部においてトナー粒子が転写電界を受ける時間が短くなるため、より転写されにくい条件となるためである。
上記問題点に対処するためには、二次転写の転写電界をさらに強くすることが考えられるが、転写電界を強くしすぎると却って転写効率が低下してしまい限界がある。また、二次転写のニップ部の幅を広くすることでトナー粒子が転写電界を受ける時間を長くすることが考えられるが、バイアスローラ等による接触式の電圧印加方式の場合は、ニップ幅を広くするにはバイアスローラの当接圧力を高くするか、あるいは、バイアスローラのローラ径を大きくするかの何れかの方法しかない。当接圧力を高くするのは画像品質との関係から、ローラ径を大きくするのは装置の小型化との関係から、それぞれ限界がある。また、チャージャ等による非接触式の電圧印加方式の場合は、チャージャの数を増やすなどして二次転写のニップ幅を稼がなければならないため、やはり限界がある。そのため、特に高速機では、これ以上の転写効率を得るまでニップ幅を拡げることは実質的には不可能であると言える。
これに対し、トナー粒子と電子写真感光体、又はトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力を低減する手段として、添加剤の種類や添加量を調整する(特に粒径の大きい添加剤を添加する)方法が提案されている。(例えば、特許文献5、特許文献6参照)。この方法により、トナー粒子は非静電的付着力低減効果を得て転写効率を向上させることが可能となるとともに、現像の安定性、クリーニングの向上といった効果も得ることが可能となる。
しかしながら、近年のトナーの小粒径化、トナー粒子の形状制御に伴い、外添剤の添加量は増加し、フィルミング、キャリア汚染といった問題が生じている。また、初期的には高品質な画像を出力可能であったとしても、トナー粒子の形状が複雑な構造であると外添剤の埋没や凹部への外添剤の転動によって経時では高品質な画像を維持するのが困難となってくる。特にトナー表面の微細な凹凸構造が大きくなる場合において外添剤の埋没や転動による外添剤機能の消失が大きくなる。また、粒径の大きい添加剤を添加した場合にはトナーの流動性の向上効果が小さいためトナーの補給性に及ぼすことがある。
上述のトナー粒子は、初期的には、画像形成装置の転写効率を向上させることが可能となる、しかしながら、画像形成装置の現像装置内でトナーが長期間攪拌等の機械的ストレスを受けていると、添加剤がトナー母体中に埋没したり、トナー母体表面の凹部へ転動したりしてしまい、添加剤による付着力低減効果が発揮されなくなり、画像形成装置の転写効率が低下してしまう。特に高速機の場合、現像装置内での攪拌が激しいため、この機械的ストレスが大きく、添加剤のトナー母体中への埋没が加速され易い。このため、比較的早い段階で転写効率の低下に繋がることが想定される。
このため、高速機において長期に渡り安定して高い転写効率を維持するためには、機械的ストレスを受けても添加剤がトナー母体中に埋没することなく表面に存在できるようにトナーの表面性(機械強度)を制御する必要がある。さらに、トナーの表面性(機械強度)を強く(硬く)しすぎると、定着時にトナーの溶融を阻害したり、ワックス等の離型剤が含有されたトナーの場合には、定着時の定着ローラに対する離型剤の染み出しが不十分となり、定着性が悪化してしまうという副作用にも注意が必要である。さらに、トナーを単純に球形化処理するだけでは高い転写率の維持は可能になるが、トナーのクリーニング性が悪くなるという副作用が生じる。
本発明の目的は、上記課題を踏まえ、高速のフルカラー画像形成方法において、トナー補給性、クリーニング性に優れ、転写効率を向上させ、各々の転写時に画像欠陥をなくし長期的に再現性の良い画像を出力するトナーの製造方法、及び前記トナーを用いたフルカラー画像形成装置、プロセスカートリッジを提供することである。
上記課題を解決するため本発明者等が鋭意検討を進めた結果、本発明者等は、少なくとも着色剤及び離型剤と結着樹脂で構成される母体粒子と外添剤からなる静電荷像現像用トナーにおいて、トナー母体粒子のBET比表面積、体積平均粒子径(Dv)及び、トナーの真比重(ρ)が特定の関係を有すると共に、特定のBET比表面積を有する無機微粒子を添加されており、トナー付着力(Fa)が一定以上の値を示す場合に上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本件発明は以下に記載するとおりの静電荷像現像用トナー及びこのトナーを用いたプロセスカートリッジ、画像形成装置に関する。
(1)少なくとも着色剤及び離型剤と結着樹脂で構成される母体粒子と外添剤からなる静電荷像現像用トナーであって、該トナーが下記式(1)及び式(2)を満たし、かつ外添剤としてBET比表面積値が40〜110m/gの無機微粒子が添加されてなり、このトナー10gに対してキャリア20gをロッキングミル攪拌装置にて混合攪拌した後のトナーの遠心法にて測定されるトナー付着力Faが下記式(3)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
1.2≦6Sm/(Dv・ρ)≦2.0 ・・・ (1)
0.95≦Ra≦0.98 ・・・ (2)
Fa≦40nN ・・・ (3)
(但し、Smは外添剤添加前のトナー母体粒子のBET比表面積(m/g)、Dvは体積平均粒子径(μm)、ρはトナーの真比重、Raはトナーの円形度を示す。)
(2)トナー付着力Faが下記式(4)を満たすことを特徴とする前記(1)記載のトナー。
Fa≦20nN ・・・ (4)
(3)外添剤としてBET比表面積値が50〜90m/gの無機微粒子が添加されてなる前記(1)または(2)記載のトナー。
(4)前記無機微粒子が疎水性シリカ微粒子であることを特徴とする前記(3)記載のトナー。
(5)少なくとも結着樹脂又は結着樹脂前駆体を含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散してトナー材料の溶解又は分散液を作成する工程と、前記トナー材料の溶解又は分散液を安定化剤を含む水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を作成する工程と、前記乳化乃至分散液から有機溶媒を除去する工程とを含む製造工程によって得られたことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のトナー。
(6)加熱処理によりトナー表面を平滑化処理したことを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかにのトナー。
(7)前記トナーが層状無機鉱物が有する層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有することを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のト
ナー。
(8)トナーの体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)が、1.30以下である前記(1)〜(7)のいずれかに記載のトナー。
(9)前記トナーに含有される結着樹脂は、少なくとも2種の結着樹脂を含有することを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載のトナー。
(10)前記結着樹脂に含有される第一の結着樹脂は、ポリエステル骨格を有する樹脂であることを特徴とする前記(9)に記載のトナー。
(11)該第一の結着樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載のトナー。
(12)前記ポリエステル樹脂は、未変性ポリエステル樹脂であることを特徴とする前記(11)に記載のトナー。
(13)前記結着樹脂前駆体は、変性ポリエステル系樹脂であることを特徴とする前記(5)〜(12)のいずれかに記載のトナー。
(14)静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記(1)〜(13)のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
(15)静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を前記(1)〜(13)のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する
現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
(16)前記(1)〜(13)のいずれかに記載のトナーを収納したトナー収納容器中のトナーを粉体ポンプによって移送チューブを介して現像手段へ補給する剤移送手段と、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を該トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、高速でフルカラー画像を形成するに際して、トナー補給性、クリーニング性に優れ、転写効率を向上させ、各々の転写時に画像欠陥をなくし長期的に再現性の良い画像を出力するトナー、及び前記トナーを用いたフルカラー画像形成装置、プロセスカートリッジを提供することができる。
トナーの付着力測定方法で用いる測定セルの説明図である。 トナーの付着力測定方法で用いる遠心分離装置の一部断面である。 接触式のローラ式帯電装置の一例の概略構成図である。 接触式のブラシ式帯電装置の一例の概略構成図である。 磁気ブラシ式帯電装置の一例の概略構成図である。 現像器の一例の概略構成図である。 定着装置の一例の概略構成図である。 定着ベルトの層構成を示す図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例の概略構成図である。 本発明の画像形成装置の一例の概略構成図である。 本発明の画像形成装置の他の例の概略構成図である。 本発明の画像形成装置の概略構成を示す図である。 図12に示す画像形成装置のプロセスカートリッジの構成を示す図である。 本発明の画像形成装置に用いる他の形態の定着装置の構成を示す概略図である。 剤移送装置の概略構成を示すブロック図である。 剤移送装置の構成を示す概略図である。 他の実施形態の剤移送装置の構成を示す概略図である。 トナー補給時の各部のON−OFFのタイミングを示すチャートの図である。 フレキシブル材料を用いたトナー収納容器を示す図である。
本発明を実施するための最良の形態を必要に応じて図面を参照して説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲に記載された本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に記載された本発明に含まれるものであり、以下の説明はこの発明の好ましい実施形態における例であって、この特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものではない。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明においては着色剤と結着樹脂で構成されるトナー母体粒子と外添剤からなる静電
荷像現像用トナーであって、トナー母体粒子のBET比表面積値が下記式(1)を満たし、かつ外添剤としてBET比表面積値が40〜110m/gの無機微粒子が添加されてなる静電荷現像用トナーであり、トナーの円形度(Ra)が下記式(2)を見たし、このトナー10gに対してキャリア20gをロッキングミル攪拌装置にて混合攪拌した後のトナーの遠心法にて測定されるトナー付着力が下記式(3)を満たすことを特徴とする。
1.2≦6Sm/(Dv・ρ)≦2.0 ・・・ (1)
0.95≦Ra≦0.98 ・・・ (2)
Fa≦40nN ・・・ (3)
(但し、Smは外添剤添加前のトナー母体粒子のBET比表面積(m/g)、Dvは体積平均粒子径(μm)、ρはトナーの真比重、Raはトナーの円形度を示す。)
上記の特性を備えた本発明のトナーは、現像器内にて攪拌されるなどトナーに負荷が与えられた場合においても外添剤の埋没や転動が抑制されることで経時での高転写率を維持することが可能となる。
通常、電子写真式の画像形成装置において、小粒径トナーを用いた場合には、トナー粒子と電子写真感光体、又はトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力が増加するため、より転写効率が低下する。特に、高速機において小粒径トナーを使用した場合には、トナーの小粒径化により中間転写体との非静電的付着力が増加した上に、高速化に伴い転写のニップ部、特に二次転写のニップ部においてトナー粒子が転写電界を受ける時間が短くなるため、二次転写での転写効率の低下が顕著となることが知られている。
しかし、本発明のトナーにおいては、トナー表面は平滑化されている母体に特定の外添剤が組み合わされることにより、十分なトナー補給性を維持した状態で、トナー粒子の非静電的付着力が低減され、高速機のように転写時間が短くなった場合においても、定着性を阻害することなく十分な転写効率を得ることができる。さらに、高速機のように経時での機械的ストレスの大きい場合においても、トナー表面に微細な凹凸が無いことや外添剤自身が転動しにくいために外添剤が凹部に転がり、外添剤の機能が消失することが無くなり、長期的にも十分な転写効率を維持することが可能である。
本製造方法によれば式(1)の値が1.0〜2.0の範囲にあることが望ましく、これが1.0より小さい場合にはトナーの形状がほぼ真球状態となるため十分なクリーニング性が得られなくなる。また2.0より大きい場合にはトナー表面の微細凹凸が多く存在するため十分なトナー流動性、転写性を得られなくなる。
トナーに添加される外添剤としてはBET比表面積として40〜110m/gの無機微粒子が1重量部から3重量部添加されてなることが望ましく、BET比表面積が40m/gより小さい場合は外添剤のトナーからの遊離性が高くなるため、感光体への外添剤フィルミングやキャリア汚染といったものが引き起こされやすい。またBET比表面積が110m/gより大きい場合には外添剤のトナーへの埋没が顕著となり、経時での現像性、画像均一性の維持が難しい。また添加量が1重量部より少ない場合は経時での現像性、画像均一性の維持が難しくなり、添加量が3重量部より多い場合には感光体への外添剤フィルミングやキャリア汚染といった点で副作用を及ぼしやすくなる。外添剤は上記の他に複数種のものと組み合わせて使用しても良い。さらに外添剤のBET比表面積は50〜90m/gであることが好ましい。
また、本トナー10gに対してキャリア20gをロッキングミル攪拌装置にて混合攪拌した後のトナーの遠心法にて測定されるトナー付着力Faが下記式(3)を満足することが望ましい。ここで用いられるキャリアとしては平均粒子径として50〜100μmのものでノンコートの芯材キャリアを使用することが望ましい。攪拌時間は60〜100分で行うことが望ましい。攪拌された剤を目開き500meshの篩いを用いてトナーのみを5g程度回収行い、そのトナーについて遠心法によるトナー付着力測定を行う。
Fa≦40nN ・・・ (3)
Faが40nN(ナノニュートン)より大きい場合には経時でのトナーの非静電的付着力が高くなることより転写性の維持が非常に困難となり、特に凹凸紙などでは転写性が非常に悪化することになる。さらに転写性を維持するためにはFaが20nN以下となることがより好ましい。
トナーの表面の平滑化処理は母体粒子の比表面積が処理前後で式(1)を満たすように実施されることが好ましい。式(1)がトナー表面の微細な凹凸を示す指標となる。式(1)の値が1に近いほど表面の凹凸が小さく、また全体のトナーの形状が球形に近い状態となる。式(1)が1.2未満となる場合では表面が滑らかになり過ぎるため外添剤の離脱が大きくなり、感光体フィルミングを引き起こしやすいことやクリーニング性が悪くなってしまう。式(1)の値が2.0を超える場合には表面の平滑化が不十分となるため経時で高転写効率を維持することが困難となる。トナーの表面の平滑化処理は母体粒子の平均円形度が処理前後で式(2)を満たすことが望ましい。Raが0.95以下となる場合にはトナーのマクロ的な構造が異形化しすぎるためにトナーの流動性が極端に悪くなり、トナーの補給性などに悪影響を及ぼす。Raが0.98以上になるとクリーニング性が悪くなってしまう。式(3)を満たす範囲においてはトナー粒子の非静電的付着力を低減することができるとともに、高速機のように経時での機械的ストレスの大きい場合においても微粒子がトナーの表面に埋没することによる非静電的付着力の増加を抑制することが可能となり、長期に渡り十分な転写効率を維持することができる。特に中間転写方式での一次転写工程と二次転写工程と二度の転写工程を有す場合に本発明の製造方法で製造したトナーは非常に有効である。比較的高速の画像形成プロセス(転写線速300〜1000mm/sec、二次ニップ部での転写時間が0.5〜20msec)において特にその効果が大きく発揮できる。本トナーの製造においては従来のトナーの製造方法において表面を平滑化する工程を経ることを特徴としており、具体的には粒子が形成された時点で加熱工程を経ることになる。この際、加熱工程はトナー母体粒子が形成され、その表面に存在する異物を除去した後に加熱工程を入れることが重要となる。
また、外添剤として比表面積が110m/g以上のものを使用した場合はトナーへの流動性への付与性は非常に高く、トナー母体粒子が非常に異形化されていたとしても流動性付与性は高い。しかし、この種の外添剤は流動性付与は高いものの経時での耐久性は非常に悪い。即ち母体粒子表面への埋没が顕著となるために経時での現像性能、転写性能の維持は困難となる。それに対して外添剤として110m/gより小さいものを使用すると経時での耐久性は非常に良くなることから経時での現像性能、転写性能の維持が可能となる。その反面トナーへの流動性付与が劣ってしまうが、トナー母体粒子の表面を式(1)および(2)のように制御することにより、この外添剤との組み合わせでもトナーの流動性を維持することが可能となる。特にトナーに高い流動性が求められるトナー補給システム(例えば特開2006−39424号公報)に示されるような粉体ポンプを用いたシステム)においても対応可能となる。
本発明は特に中間転写方式での一次転写工程及び二次転写工程の二度の転写工程を有する場合に本発明のトナーは非常に有効である。
以下本発明におけるトナー付着力(Fa)について説明する。
遠心分離によるトナー付着力の測定方法について以下説明するが、IS&T NIP7th p.200(1991)などに記載されている方法が知られている。
まず、トナー付着力測定を実施する際の装置について説明する。
図1、図2は、本発明に係るトナー付着力測定装置の測定セル、遠心分離装置の一例を示す図である。
図1は、トナー付着力測定装置の測定セルの説明図である。図1において、1は測定セルであり、測定セル1は、トナーを付着させた試料面2aを有する試料基板2と、試料基板2から分離したトナーを付着させる付着面3aを有する受け基板3と、試料基板2の試料面2aと受け基板3の付着面3aの間に設けられたスペーサ4から構成される。
図2は、遠心分離装置の一部断面図である。図2において、5は遠心分離装置であり、遠心分離装置5は、測定セル1を回転させるロータ6と、保持部材7を備えている。ロータ6は、自身の回転中心軸9に対して垂直な断面で穴形状であり保持部材7を設置する試料設置部8を有している。保持部材7は、棒状部7aと、棒状部7aに設けられ測定セル1を保持するセル保持部7b、測定セル1をセル保持部7bから押し出すための穴部7c、棒状部7aを試料設置部8に固定する設置固定部7dを備えている。セル保持部7bは、測定セル1を設置したときに、測定セル1の垂直方向がロータの回転中心軸9に垂直となるように構成される。
次に、上記の装置を用いてトナーの付着力を測定する方法を説明する。
まず、試料基板2上に直接感光体を形成するか、または感光体の一部を切り出して試料基板2上に接着剤で貼り付ける。次に、未帯電又は帯電したトナーを、試料基板2上の感光体(試料面2a)上に付着させる。次に、図1のように、試料基板2、受け基板3及びスペーサ4を用いて測定セル1を構成する。測定セル1を、保持部材7をロータ6の試料設置部8に設置したときに、試料基板2が受け基板3とロータ6の回転中心軸9の間になるように、保持部材7のセル保持部7bに設置する。保持部材7を、測定セル1の垂直方向がロータの回転中心軸9に垂直となるように、ロータ6の試料設置部8に設置する。遠心分離装置5を稼働してロータ6を一定の回転数で回転させる。試料基板2に付着したトナーは回転数に応じた遠心力を受け、トナーの受ける遠心力がトナーと試料面2a間の付着力よりも大きい場合は、トナーが試料面2aから分離し、付着面3aに付着する。
トナーの受ける遠心力Fは、トナーの重量m、ロータの回転数f(rpm)、ロータの中心軸から試料基板のトナー付着面までの距離rを用いて、式(I)より求められる。
F=m×r×(2πf/60) (I)
トナーの重量mは、トナーの真比重ρ、円相当径dを用いて、式(II)より求められる。

m=(π/6)×ρ×d (II)
式(I)と式(II)より、トナーの受ける遠心力Fは、式(III)から求められる。
F=(π/5400)×ρ×d×r×f (III)
遠心分離終了後、保持部材7をロータ6の試料設置部8から取り出し、保持部材7のセル保持部7bから測定セル1を取り出す。受け基板3を交換し、測定セル1を保持部材7に設置し、保持部材7をロータ6に設置し、ロータ6を前回よりも高回転数で回転させる。トナーの受ける遠心力が前回よりも大きくなり、付着力の大きなトナーが、トナーが試料面2aから分離して付着面3aに付着する。
遠心分離装置の設定回転数を低回転数から高回転数へ変えて同様の操作を実施することにより、各回転数で受ける遠心力と付着力の大小関係に応じて、試料面2a上のトナーが付着面3aに移動する。
全ての設定回転数について遠心分離を実施後、各回転数の受け基板3の付着面3aに付着したトナーの粒径を計測する。トナー粒径の測定は、光学顕微鏡で付着面3a上のトナーを観察し、CCDカメラを通して付着面の画像を画像処理装置に入力し、画像処理装置を用いて各トナーの粒径測定をおこなうことができる。
ある回転数で分離したトナーの付着力は、トナーが分離した回転数における遠心力よりも小さく、分離する前の回転数における遠心力よりも大きいので、上記式(III)により両者の遠心力を計算しその平均値をトナーの付着力とした。
本発明のトナーの平均円形度は、0.95〜0.98であり、0.95よりも低い場合には、現像時の画像均一性が悪化したり、電子写真感光体から中間転写体もしくは中間転写体から記録材へのトナー転写効率が低下し均一転写が得られなくなる。また、本発明の製造方法によるトナーは、水系媒体中で乳化処理をして作成されたものであり、特にカラートナーにおける小粒径化や、平均円形度が上記の範囲の形状を得るために効果的である。
本発明の製造方法において製造したトナーにおける体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、例えば、1.30以下が好ましく、1.00〜1.30がより好ましい。体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.00未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力の低下や、クリーニング性の悪化につながり易い。一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがある。また、Dv/Dnが1.30を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
また、トナーの体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.00〜1.30であると、保存安定性、低温定着性、及び耐ホットオフセット性のいずれにも優れたトナーとなりやすい。特に、フルカラー複写機に使用した場合に画像の光沢性に優れる。二成分現像剤では長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の攪拌においても良好で安定した現像性が得られ、一成分現像剤ではトナーの収支が行われてもトナーの粒子径の変動が少なくなるとともに、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するブレード等への部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期使用(攪拌)においても良好で安定した現像性が得られ、高画質の画像を得ることが可能となる。
本発明によって製造されたトナーと共に用いるキャリアの粒径は、重量平均粒径が15〜40μmであることが好ましく、15μmよりも小さい場合には、転写工程においてキャリアも一緒に転写されてしまうキャリア付着が起こりやすくなり、逆に40μmよりも大きい場合には、キャリア付着は起りにくいものの、高画像濃度を得るためにトナー濃度を高くした場合、地汚れが発生しやすくなる恐れがある。また、潜像のドット径が小さい場合、ドット再現性のバラツキが大きくなり、ハイライト部の粒状性が悪くなる恐れもある。
本発明のトナーを用いるフルカラー画像形成方法は、電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録材上に転写する二次転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを備えている。そして、現像工程におけるトナーが上述の本発明の製造方法で製造されたトナーである。このフルカラー画像形成方法においては、二次転写工程におけるトナー像の記録材への転写の線速度、所謂印字速度は300〜1000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間は0.5〜20msecであることが好ましい。
さらに、本発明のトナーを用いるフルカラー画像形成方法は、電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、一次転写手段、及びクリーニング手段のセットを複数有するタンデム型であることが好ましい。電子写真感光体を複数個配備して、各々の回転時に1色ずつ現像するいわゆるタンデム型では、潜像形成工程と現像・転写工程とが各色毎に行なわれて各色のトナー像が形成されるため、単色の画像形成速度とフルカラーの画像形成速度との差が小さく、高速印字に対応できる利点を有している。しかし、各色のトナー像を別々の電子写真感光体に形成し、各色トナー層の積層(色重ね)を行なうことによりフルカラー画像を形成するため、各色のトナー粒子間での帯電性等が異なるなど、特性にばらつきがあると各色のトナー粒子による現像トナー量に差が生じ、色重ねによる二次色の色相の変化が大きくなり、色再現性が低下する。
タンデム型による画像形成方法に使用されるトナーにおいては、各色のバランスを制御するための現像トナー量を安定化すること(各色のトナー粒子間でばらつきがないこと)、各色のトナー粒子間で電子写真感光体及び記録材に対する付着性が均一であることが必要である。この点に関しては、本発明のトナーは好適である。
帯電手段は、少なくとも交番電圧を重畳した直流電圧を印加するのが好ましい。交番電圧を重畳した直流電圧を印加することにより、直流電圧のみを印加する場合に比べて電子写真感光体の表面電圧を所望の値に安定化させることができるため、より均一帯電させることが可能となる。さらに、帯電手段は、電子写真感光体に帯電部材を接触させ、帯電部材に電圧を印加することによって帯電を行なうのが好ましい。電子写真感光体に帯電部材を接触させ、帯電部材に電圧を印加して帯電を行なうことによって、特に交番電圧を重畳した直流電圧を印加することで得られる均一帯電性の効果をさらに向上させることが可能となる。
定着手段は、磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱される加熱ローラと、加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、加熱ローラと定着ローラとに張り渡され、加熱ローラにより加熱されるとともにこれらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体(加熱ベルト)と、加熱ベルトを介して定着ローラに圧接されるとともに、加熱ベルトに対して順方向に回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有することにより、定着ベルトの温度が短時間で上昇し、かつ安定した温度制御が可能となる。また、表面の粗い記録材を使用した場合にも、定着時にある程度転写紙の表面に応じた状態で定着ベルトが作用するため、十分な定着性が得られるようになる。
定着手段は、オイルレスあるいはオイル微量塗布タイプであることが好ましい。これを達成するために、トナー粒子中に離型剤(WAX)を含有し、さらにそれがトナー粒子中に微分散しているものを定着することが好ましい。離型剤がトナー粒子中に微量分散しているトナーにより、定着時に離型剤が浸み出しやすく、オイルレス定着装置において、あるいは微量オイル塗布定着装置でオイル塗布効果が少なくなってきた場合においても、トナーのベルト側への転移を抑制することができる。離型剤がトナー粒子中に分散した状態で存在するためには、離型剤と結着樹脂とは相溶しないことが好ましい。また、離型剤がトナー粒子中に微分散するためには、例えばトナー製造時の混練の剪断力を利用する方法がある。離型剤の分散状態は、トナー粒子の薄膜切片をTEMで観察することにより判断できる。離型剤の分散径は小さい方が好ましいが、小さすぎると定着時の染み出しが不十分な場合がある。従って、倍率1万倍で離型剤が確認できれば、離型剤が分散した状態で存在していると判断する。1万倍で離型剤が確認できない大きさでは、微分散していたとしても、定着時の染み出しが不十分な場合がある。
[トナーの特性測定方法]
<重量平均粒径(Dw)、体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)>
トナーの重量平均粒径(Dw)、体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Multisizer 3 Version3.51)にて解析を行なった。具体的にはガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用いて、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用いて測定を行なった。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
<平均円形度>
トナーの平均円形度は、平均円形度SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%で定義される。フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」;シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA-2100 Data Processing Program for FPIA version00-10)を用いて解析を行なった。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。前記分散液を前記FPIA−2100を用いて濃度を5000〜15000個/μlが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5000〜15000個/μlにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、すなわち添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分にぬらすことができないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径のより異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3〜7μmの場合、トナー量を0.1〜0.5g添加することにより分散液濃度を5000〜15000個/μlにあわせることが可能となる。
<比表面積>
トナー母体粒子のBET比表面積は自動比表面積/細孔分布測定装置(TriStar3000:島津製作所製)を用いて計測した。サンプルセルに試料を約1.0g秤量し、これを前処理スマートプレップ(島津製作所製)にて24時間真空乾燥させ、試料表面の不純物、水分を取り除いた。前処理後のサンプルをTriStar3000にセットし、窒素ガス吸着量と相対圧の関係を求める。この関係からBET多点法によって試料のBET比表面積を求めることができる。
[キャリアの特性測定方法]
<重量平均粒径>
キャリアの重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。この場合の重量平均粒径Dwは、下記式(i)で表わされる。
Dw={1/Σ(nD3)}×{Σ(nD4)} … (i)
式(i)中、Dは、各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を示す。なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を等分に分割するための長さを示すもので、本発明においては、2μmを採用した。また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子の粒径の下限値を採用した。
また、キャリア及びキャリアの芯材粒子における個数平均粒径Dpは、個数基準で測定された粒子の粒径分布に基づいて算出されたものである。この場合の個数平均粒径Dpは、下記式(ii)で表わされる。
Dp=(1/ΣN)×(ΣnD) … (ii)
式(ii)中、Nは、計測した全粒子数を示し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を示し、Dは、各チャネル(2μm)に保存する粒子の粒径の下限値を示す。
本発明において、粒径分布を測定するための粒度分析計としては、マイクロトラック粒度分析計モデルHRA9320−X100(Honewell社製)を用いることができる。その測定条件は以下の通りである。
[1]粒径範囲:8〜100μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
以下、本発明のトナーの製造方法例について具体的に説明する。
[本発明のトナー製造に用いる原料]
本発明のトナーに用いる結着樹脂としては、特に制限はなく、少なくとも2種類以上の樹脂を含むことが好ましく、ポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等、公知の結着樹脂を用いることができる。
この中でも本発明のトナ用の樹脂相には、定着時にシャープメルトし、画像表面を平滑化できる点で、低分子量化しても十分な可とう性を有しているポリエステル樹脂が好ましく、ポリエステル系樹脂にさらに他の樹脂を組み合せて用いても良い。
本発明で用いるポリエステル系樹脂とは、下記一般式(1)で表される1種若しくは2種以上のポリオールと、
A−(OH) ・・・ 一般式(1)
[式中、Aは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。mは2〜4の整数を表す。]
下記一般式(2)で表される1種若しくは2種以上のポリカルボン酸とをポリエステル化したものである。
B−(COOH) ・・・ 一般式(2)
[式中、Bは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。nは2〜4の整数を表す。]
一般式(1)で表される具体的なポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールA酸化エチレン付加物、ビスフェノールA酸化プロピレン付加物、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA酸化エチレン付加物、水素化ビスフェノールA酸化プロピレン付加物等が挙げられる。
一般式(2)で表される具体的なポリカルボン酸としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(トリメリット酸)等が挙げられる。
(活性水素基含有化合物)
活性水素基含有化合物は、水系媒体中で、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体がイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、アミン類(B)が好適である。
活性水素基としては、活性水素基を有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基が特に好ましい。
アミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)、などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物、が特に好ましい。
ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、等が挙げられる。該芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。該脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4'−ジアミノ−3,3'ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、等が挙げられる。また、アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、等が挙げられる。また、アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、等が挙げられる。また、アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、等が挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、B1からB5のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、等が挙げられる。
活性水素基含有化合物と活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応、架橋反応等を停止させるには、反応停止剤を用いる。反応停止剤を用いると、接着性基材の分子量等を所望の範囲に制御することができる点で好ましい。該反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)、などを用いることができる。
アミン類(B)と、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)との混合比率としては、イソシアネート基含有プレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3〜3/1であることが好ましく、1/2〜2/1であることがより好ましく、1/1.5〜1.5/1であることが特に好ましい。何故なら、混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
(活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)
活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等を用いることができる。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。なお、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
プレポリマーにおける活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。プレポリマーの中でも、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)が特に好ましい。
ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基、等が挙げられる。ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)における該ウレア結合生成基が該イソシアネート基である場合、該ポリエステル樹脂(RMPE)としては、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)等が特に好適である。イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの、等が挙げられる。ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジオール(DIO)単独、又はジオール(DIO)と少量の3価以上のポリオール(TO)との混合物、が好ましい。ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。また、脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。また、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。また、ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。また、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物が特に好ましい。
3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、3価以上の多価脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。また、3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。また、3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノール体(本州化学工業株式会社製のトリスフェノールPAなど)、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。また、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物におけるジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
ポリカルボン酸(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はジカルボン酸(DIC)と少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
ジカルボン酸(DIC)としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、等が挙げられる。また、アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。また、アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。また、芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
3価以上のポリカルボン酸(TC)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸、等が挙げられる。また、芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
ポリカルボン酸(PC)としては、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、及び、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いることもできる。低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。
ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物におけるジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)とを重縮合反応させる際の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリオール(PO)における水酸基[OH]と、ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])が、通常、2/1〜1/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1であるのがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であるのが特に好ましい。
ポリオール(PO)のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。何故なら、含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがあるからである。
ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。また、脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジイソシアナト−3,3'−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。また、イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。これらは、1種単独でも使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート(PIC)と、活性水素基含有ポリエステル樹脂(例えば水酸基含有ポリエステル樹脂)とを反応させる際の混合比率としては、ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と水酸基含有ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1であるのが好ましく、4/1〜1.2/1でるのがより好ましく、3/1〜1.5/1であるのが特に好ましい。何故なら、イソシアネート基[NCO]が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがあるからである。
ポリイソシアネート(PIC)のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。何故なら、含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化するからである。
イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)の1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4がより好ましい。何故なら、イソシアネート基の平均数が1未満であると、ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化するからである。
活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、3,000〜40,000が好ましく、4,000〜30,000がより好ましい。何故なら、重量平均分子量(Mw)が、3,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、40,000を超えると、低温定着性が悪化することがあるからである。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、及び4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
(安定化剤)
トナー組成物が分散された油性相を水が含まれる液体には、乳化、分散するための各種の安定化剤が用いられる。このような分散剤には、界面活性剤、無機微粒子分散剤、ポリマー微粒子分散剤等が包含される。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102、(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
また、水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等も用いることができる。
また、微粒子ポリマーも無機分散剤と同様な効果が確認された。例えばMMAポリマー微粒子1μm、及び3μm、スチレン微粒子0.5μm及び2μm、スチレン−アクリロニトリル微粒子ポリマー1μm、(PB−200H(花王製)SGP(総研)、テクノポリマーSB(積水化成品工業)、SGP−3G(総研)ミクロパール(積水ファインケミカル))等がある。
また、上記の無機分散剤、微粒子ポリマーと併用して使用可能な分散剤としては、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ピニル、プロピオン酸ピニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる
(層状無機鉱物)
層状無機鉱物は厚さ数nmの層が重ね合わさってできている無機鉱物の事を言い、有機物イオンで変性するとはその層間に存在するイオンに有機物イオンを導入することを言う。具体的には、特表2003−515795号公報、特表2006−500605号公報及び特表2006−503313号公報に述べられている。これを広義にはインターカレーションという。層状無機鉱物としては、スメクタイト族(モンモリロナイト、サポナイトなど)、カオリン族(カオリナイトなど)、マガディアイト、カネマイトが知られている。変性層状無機鉱物はその変性された層状構造により親水性が高い。その為、層状無機鉱物を変性すること無しに水系媒体中に分散して造粒するトナーに用いると、水系媒体中
に層状無機鉱物が移行し、トナーを異形化することが出来ないが、変性することにより、親水性が高くなり、かかる変性層状無機鉱物は、トナーの製造時に微細化すると共に異形化し、トナー粒子の表面部分に特に多く存在し、電荷調節機能を果たすと共に、低温定着にも貢献する。このとき、トナー材料中の変性層状無機鉱物の含有量は、0.05〜5重量%であることが好ましい。
本発明に用いるで変性層状無機鉱物は、スメクタイト系の基本結晶構造を持つものを有機カチオンで変性したものが望ましい。また、層状無機鉱物の2価金属の一部を3価の金属に置換することにより、金属アニオンを導入することが出来る。しかし、金属アニオンを導入すると親水性が高いため、金属アニオンの少なくとも一部を有機アニオンで変性した層状無機化合物が望ましい。
前記層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の、有機物イオン変性剤としては第4級アルキルアンモニウム塩、フォスフォニウム塩やイミダゾリウム塩などが挙げられるが、第4級アルキルアンモニウム塩が望ましい。前記第4級アルキルアンモニウムとしては、トリメチルステアリルアンモニウム、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウム、オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムなどが挙げられる。
前記有機物イオン変性剤としては、さらに分岐、非分岐または環状アルキル(C1〜C44)、アルケニル(C1〜C22)、アルコキシ(C8〜C32)、ヒドロキシアルキル(C2〜C22)、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を有する硫酸塩、スルフォン酸塩、カルボン酸塩、またはリン酸塩が挙げられる。エチレンオキサイド骨格を持ったカルボン酸が望ましい。
層状無機鉱物を少なくとも一部を有機物イオンで変性することにより、適度な疎水性を持ち、トナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を含む油相が非ニュ−トニアン粘性を持ち、トナーを異形化することが出来る。このとき、トナー材料中の一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の含有量は、0.05〜5重量%であることが好ましい。
一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物は、適宜選択することができるが、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト及びこれらの混合物等が挙げられる。中でも、トナー特性に影響を与えず、容易に粘度調整ができ、添加量を少量とすることができることから有機変性モンモリロナイト又はベントナイトが好ましい。
一部を有機物カチオンで変性した層状無機鉱物の市販品としては、Bentone 3、Bentone 38、Bentone 38V(以上、レオックス社製)、チクソゲルVP(United catalyst社製)、クレイトン34、クレイトン40、クレイトンXL(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18ベントナイト;Bentone27(レオックス社製)、チクソゲルLG(United catalyst社製)、クレイトンAF、クレイトンAPA(以上、サザンクレイ社製)等のステアラルコニウムベントナイト;クレイトンHT、クレイトンPS(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18/ベンザルコニウムベントナイトが挙げられる。特に好ましいのはクレイトンAF、クレイトンAPAがあげられる。また一部を有機アニオンで変性した層状無機鉱物としてはDHT−4A(協和化学工業社製)に下記一般式(3)で表される有機アニオンで変性させたものが特に好ましい。下記一般式(3)は例えばハイテノール330T(第一工業製薬社製)が挙げられる。
(OR)nOSOM ・・・ 一般式(3)
[式中、Rは炭素数13を有するアルキル基、Rは炭素数2から6を有するアルキレン基を表す。nは2から10の整数を表し、Mは1価の金属元素を表す]
変性層状無機鉱物を用いることにより、適度な疎水性を持ち、これを有するトナーの製造過程においてトナー組成物を含む油相が非ニュートニアン粘性を持ち、トナーを異形化することが出来る。
(その他の成分)
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
(着色剤)
本発明に使用するトナー用の着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤のトナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。着色剤の含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレンービニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレンーアクリロニトリルーインデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
マスターバッチは、マスターバッチ用樹脂と、着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練して製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶媒成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。着色剤は2樹脂に対する親和性の差を利用することで、第一の樹脂相、第二の樹脂相いずれにも任意に含有させることが出来る。着色剤はトナー表面に存在した際にトナーの帯電性能を悪化させることが良く知られている。そのため内層に存在する第一の樹脂相に選択的に着色剤を含有させることで、トナーの帯電性能(環境安定性、電荷保持能、帯電量等)を向上させることが出来る。
(離型剤)
離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が50〜120℃の低融点の離型剤が好ましい。低融点の離型剤は、前記樹脂と分散されることにより、離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好である。
離型剤としては、例えば、ロウ類、ワックス類、等が好適に挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜120℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。融点が、50℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、120℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
離型剤は2樹脂に対する親和性の差を利用することで、第一の樹脂相、第二の樹脂相いずれにも任意に含有させることが出来る。トナー外層に存在する第二の樹脂相に選択的に含有させることで、離型剤の染み出しが定着時の短い加熱時間でも充分生じるため、充分な離型性を得ることができる。また、離型剤を内層に存在する第一の樹脂相に選択的に含有させることで、感光体、キャリア等の他の部材への離型剤のスペントを抑制させることができる。本発明では、離型剤の配置を比較的自由に設計することがあり、各々の画像形成プロセスに応じて任意の配置を取ることが出来る。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、ニグロシン系染
料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボ
ントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE
−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アン
モニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、等が挙げられる。
帯電制御剤のトナーに対する含有量としては、前記樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。帯電制御剤の含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
(無機微粒子)
無機微粒子は、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として使用する。この無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(流動性向上剤)
流動性向上剤とは、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止する剤のことであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。シリカ、酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
(クリーニング性向上剤)
クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加される剤のことであり、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
(磁性材料)
磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等を用いることができる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
[フルカラー画像形成方法]
本発明のトナーを用いるフルカラー画像形成方法は、電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録材上に転写する二次転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを備えている。そして、現像工程において使用するトナーが、上述の本発明の製造方法で製造されたトナーである。本発明のトナーを用いるフルカラー画像形成方法は、二次転写工程において、トナー像の記録材への転写の線速度は300〜1000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間は0.5〜20msecとすることが好ましい。また、本発明のトナーを用いるフルカラー画像形成方法は、タンデム方式の電子写真画像形成プロセスを採用することが好ましい。
(帯電工程)
本発明の画像形成方法において使用される帯電装置としては、例えば図3、図4及び図5示した接触式の帯電装置を用いることができる。
<ローラ式帯電装置>
図3に接触式帯電装置の一種であるローラ式帯電装置(500)の一例の概略構成を示した。被帯電体である像担持体としての感光体(505)は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体(505)に接触させた帯電部材である帯電ローラ(501)は芯金(502)とこの芯金(502)の外周に同心一体にローラ上に形成した導電ゴム層(503)を基本構成とし、芯金の両端を不図示の軸受け部材などで回転自由に保持させるとともに、不図示の加圧手段によって感光ドラムに所定の加圧力で押圧させており、本図の場合はこの帯電ローラ(501)は感光体(505)の回転駆動に従動して回転する。帯電ローラ(501)は、直径9mmの芯金上に100,000Ω・cm程度の中抵抗の導電ゴム層(503)を被膜して直径16mmに形成されている。帯電ローラ(501)の芯金(502)と図示の電源(504)とは電気的に接続されており、電源(504)により帯電ローラ(501)に対して所定のバイアスが印加される。これにより感光体(605)の周面が所定の極性、電位に一様に帯電処理される。
<ファーブラシ式帯電装置>
本発明で使われる帯電装置の形状としてはローラ式帯電装置の他にも、磁気ブラシ式帯
電装置、ファーブラシ式帯電装置など、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシ式帯電装置を用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。また、ファーブラシ式帯電装置を用いる場合、例えばファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属、および金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電装置とする。
図4に接触式のブラシ式帯電装置(510)の一例の概略構成を示した。被帯電体としての像担持体としての感光体(515)は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体(515)に対して、ファーブラシによって構成されるファーブラシローラ(511)が、ブラシ部(513)の弾性に抗して所定の押圧力をもって所定のニップ幅で接触させてある。
本例における接触式帯電装置としてのファーブラシローラ(511)は、電極を兼ねる直径6mmの金属製の芯金(512)に、ブラシ部(513)としてユニチカ(株)製の導電性レーヨン繊維REC−Bをパイル地にしたテープをスパイラル状に巻き付けて、外径14mm、長手方向長さ250mmのロールブラシとしたものである。ブラシ部(613)のブラシは300デニール/50フィラメント、1平方ミリメートル当たり155本の密度である。このロールブラシを内径が12mmのパイプ内に一方向に回転させながらさし込み、ブラシと、パイプが同心となるように設定し、高温多湿雰囲気中に放置してクセ付けで斜毛させた。
ファーブラシローラ(511)の抵抗値は印加電圧100Vにおいて1×105Ωである。この抵抗値は、金属製の直径φ30mmのドラムにファーブラシローラをニップ幅3mmで当接させ、100Vの電圧を印加したときに流れる電流から換算した。このブラシ式帯電装置(510)の抵抗値は、被帯電体である感光体(515)上にピンホール等の低耐圧欠陥部が生じた場合にもこの部分に過大なリーク電流が流れ込んで帯電ニップ部が帯電不良になる画像不良を防止するために10Ω以上必要であり、感光体(515)表面に十分に電荷を注入させるために10Ω以下である必要がある。
ブラシの材質としては、ユニチカ(株)製のREC−B以外にも、REC−C、REC−M1、REC−M10、さらに東レ(株)製のSA−7、日本蚕毛(株)製のサンダーロン、カネボウ製のベルトロン、クラレ(株)のクラカーボ、レーヨンにカーボンを分散したもの、三菱レーヨン(株)製のローバル等が考えられる。ブラシは一本が3〜10デニールで、10〜100フィラメント/束、80〜600本/mmの密度が好ましい。毛足は1〜10mmが好ましい。
このファーブラシローラ(511)は感光体(515)の回転方向と逆方向(カウンター)に所定の周速度(表面の速度)をもって回転駆動され、感光体面に対して速度差を持って接触する。そしてこのブラシローラ(511)に電源(514)から所定の帯電電圧が印加されることで、回転感光体面が所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
本例では該ファーブラシローラ(511)による感光体(515)の接触帯電は直接注入帯電が支配的となって行なわれ、回転感光体表面はファーブラシローラ(511)に対する印加帯電電圧とほぼ等しい電位に帯電される。
本発明で使われる帯電部材の形状としてはファーブラシローラ(511)の他にも、帯電ローラ、ファーブラシなど、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。帯電ローラを用いる場合、芯金上に100000Ω・cm程度の中抵抗ゴム層を被膜して用いるのが一般的である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。
<磁気ブラシ式帯電装置>
図5は、磁気ブラシ式帯電装置の例の概略構成を示した図でもある。被帯電体、像担持体としての感光体(515)は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体(515)に対して、磁気ブラシによって構成されるブラシローラ(511)が、ブラシ部(513)の弾性に抗して所定の押圧力をもって所定のニップ幅で接触させてある。
本例における接触帯電部材としての磁気ブラシとしては、平均粒径:25μmのZn−Cuフェライト粒子と、平均粒径10μmのZn−Cuフェライト粒子を、重量比1:0.05で混合して、それぞれの平均粒径の位置にピークを有する、平均粒径25μmのフェライト粒子を、中抵抗樹脂層でコートした磁性粒子を用いた。接触帯電部材は、上述で作成された被覆磁性粒子、および、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成され、上記被覆磁性粒子をスリーブ上に、厚さ1mmでコートして、感光体との間に幅約5mmの帯電ニップを形成した。また、該磁性粒子保持スリーブと感光体との間隙は、約500μmとした。さらに、マグネットロールは、スリーブ表面が、感光体表面の周速に対して、その2倍の速さで逆方向に摺擦するように、回転され、感光体と磁気ブラシとが均一に接触するようにした。
(現像工程)
本発明において感光体の潜像を現像するに際しては、交互電界を印加することが好まし
い。図6に示した現像器(600)において、現像時、現像スリーブ(601)には、電源(602)により現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。背景部電位と画像部電位は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって現像部(603)に向きが交互に変化する交互電界が形成される。この交互電界中で現像剤のトナーとキャリアが激しく振動し、トナー(605)が現像スリーブ(601)およびキャリアへの静電的拘束力を振り切って感光体(604)に飛翔し、感光体の潜像に対応して付着する。なお、トナー(605)は、上述の本発明の製造方法で製造されたトナーである。
振動バイアス電圧の最大値と最小値の差(ピーク間電圧)は、0.5〜5kVが好ましく、周波数は1〜10kHzが好ましい。振動バイアス電圧の波形は、矩形波、サイン波、三角波等が使用できる。振動バイアスの直流電圧成分は、上記したように背景部電位と画像部電位の間の値であるが、画像部電位よりも背景部電位に近い値である方が、背景部電位領域へのかぶりトナーの付着を防止する上で好ましい。
振動バイアス電圧の波形が矩形波の場合、デューティ比を50%以下とすることが望ましい。ここでデューティ比とは、振動バイアスの1周期中でトナーが感光体に向かおうとする時間の割合である。このようにすることにより、トナーが感光体に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を大きくすることができるので、トナーの運動がさらに活発化し、トナーが潜像面の電位分布に忠実に付着してざらつき感や解像力を向上させることができる。またトナーとは逆極性の電荷を有するキャリアが感光体に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を小さくすることができるので、キャリアの運動を沈静化し、潜像の背景部にキャリアが付着する確率を大幅に低減することができる。
(定着装置)
本発明の画像形成方法において使用される定着装置としては、例えば図7に示した定着装置を用いることができる。図7に示す定着装置は、誘導加熱手段(760)の電磁誘導により加熱される加熱ローラ(710)と、加熱ローラ(710)と平行に配置された定着ローラ(720)(対向回転体)と、加熱ローラ(710)と定着ローラ(720)とに張り渡され、加熱ローラ(710)により加熱されるとともに少なくともこれらの何れかのローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の定着ベルト(耐熱性ベルト、トナー加熱媒体)(730)と、定着ベルト(730)を介して定着ローラ(720)に圧接されるとともに定着ベルト(730)に対して順方向に回転する加圧ローラ(740)(加圧回転体)とから構成されている。
加熱ローラ(710)は例えば鉄、コバルト、ニッケルまたはこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材からなり、外径を例えば20〜40mm、肉厚を例えば0.3〜1.0mmとして、低熱容量で昇温の早い構成となっている。
定着ローラ(720)(対向回転体)は、例えばステンレススチール等の金属製の芯金(721)と、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして芯金(721)を被覆した弾性部材(722)とからなる。そして、加圧ローラ(740)からの押圧力でこの加圧ローラ(740)と定着ローラ(720)との間に所定幅の接触部を形成するために外形を20〜40mm程度として加熱ローラ(710)より大きくしている。弾性部材(722)は、その肉厚を4〜6mm程度としている。この構成により、加熱ローラ(710)の熱容量は定着ローラ(720)の熱容量より小さくなるので、加熱ローラ(710)が急激に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。
加熱ローラ(710)と定着ローラ(720)とに張り渡された定着ベルト(730)は、誘導加熱手段(760)により加熱される加熱ローラ(710)との接触部位(W1)で加熱される。そして、加熱ローラ(710)と定着ローラ(720)の回転によって定着ベルト(730)の内面が連続的に加熱され、結果としてベルト全体に渡って加熱される。
図8に定着ベルト(730)の層構成を示す。ベルト(730)の構成は、内層から表層に向かって下記4層であり、以下のようにすることができる。
・基体(731):ポリイミド(PI)樹脂などの樹脂層
・発熱層(732):Ni,Ag,SUS等の導電材料層
・中間層(733):均一定着のための弾性層
・離型層(734):離型効果とオイルレス化のための弗素樹脂材料等の樹脂層
離型層(734)の厚さとしては、10μmから300μm程度が望ましく、特に200μm程度が望ましい。このようにすれば、図7に示すような定着装置(700)において、記録材(770)上に形成されたトナー像(T)を定着ベルト(730)の表層部が十分に包み込むため、トナー像(T)を均一に加熱溶融することが可能になる。離型層(734)の厚さ、即ち表面離型層は経時耐磨耗性を確保するためには最低10μmは必要である。また、離型層(734)の厚さが300μmよりも大きい場合には、定着ベルト(730)の熱容量が大きくなってウォームアップにかかる時間が長くなる。さらに、トナー像定着工程において定着ベルト(730)の表面温度が低下しにくくなって、定着部出口における融解したトナーの凝集効果が得られず、定着ベルト(730)の離型性が低下してトナー像(T)のトナーが定着ベルト(730)に付着し、いわゆるホットオフセットが発生する。なお、定着ベルト(730)の基体として、上記金属からなる発熱層(732)としてもよいが、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂などの耐熱性を有する樹脂層を用いてもよい。
加圧ローラ(740)は、たとえば銅またはアルミ等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金(741)と、この芯金(741)の表面に設けられた耐熱性およびトナー離型性の高い弾性部材(742)とから構成されている。芯金(741)には上記金属以外にSUSを使用しても良い。加圧ローラ(740)は定着ベルト(730)を介して定着ローラ(720)を押圧して定着ニップ部(N)を形成しているが、本実施の形態では、加圧ローラ(740)の硬度を定着ローラ(720)に比べて硬くすることによって、加圧ローラ(740)が定着ローラ(720)(及び定着ベルト(730))へ食い込む形となり、この食い込みにより、記録材(770)は加圧ローラ(740)表面の円周形状に沿うため、記録材(770)が定着ベルト(730)表面から離れやすくなる効果を持たせている。この加圧ローラ(740)の外径は定着ローラ(720)と同じ20〜40mm程度であるが、肉圧は0.5〜2.0mm程度で定着ローラ(720)より薄く構成されている。
電磁誘導により加熱ローラ(710)を加熱する誘導加熱手段(760)は、図7に示すように、磁界発生手段である励磁コイル(761)と、この励磁コイル(761)が巻き回されたコイルガイド板(762)とを有している。コイルガイド板(762)は加熱ローラ(710)の外周面に近接配置された半円筒形状をしており、励磁コイル(761)は長い一本の励磁コイル線材をこのコイルガイド板(762)に沿って加熱ローラ(710)の軸方向に交互に巻き付けたものである。なお、励磁コイル(761)は、発振回路が周波数可変の駆動電源(図示せず)に接続されている。励磁コイル(761)の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア(763)が、励磁コイルコア支持部材(764)に固定されて励磁コイル(761)に近接配置されている。
[プロセスカートリッジ]
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録材上に定着させる定着手段定着工程と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体又は記録材上に転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置における各手段のうち、少なくとも電子写真感光体、及び現像手段を含む上記手段を一体に支持して画像形成装置本体に着脱自在としたものである。そして、現像手段には、上述の本発明の製造方法によって製造したトナーを備えている。現像手段及び帯電手段としては、上述の現像装置及び帯電装置が好適に使用できる。
本発明のプロセスカートリッジの例を図9に示す。図9に示したプロセスカートリッジ(800)は、感光体(801)、帯電手段(802)、現像手段(803)、クリーニング手段(806)を備えている。このプロセスカートリッジ(800)の動作を説明すると、感光体(801)が所定の周速度で回転駆動される。感光体(801)は回転過程において、帯電手段(802)によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の不図示の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体(801)の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段(802)によりトナー像化され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体(801)と不図示の転写手段との間に感光体(801)の回転と同期されて給送された記録材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた記録材は感光体面から分離されて不図示の像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体(801)の表面は、クリーニング手段(806)によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
(フルカラー画像形成方法)
本発明のトナーを用いるフルカラー画像形成方法において使用されるフルカラー画像形成装置としては、例えば図10、図11に示したタンデム方式の画像形成装置(100)を用いることができる。図10において、画像形成装置(100)は電子写真方式によるカラー画像形成を行なうための画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)、画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)、給紙部(140)から主に構成されている。画像信号を元に、画像処理部(図示せず)で画像処理を行ない、画像形成用の黒(Bk),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色信号に変換し、画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)に送信する。画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)は、例えば、レーザ光源、回転多面鏡等の偏向器、走査結像光学系及びミラー群(いずれも図示せず)からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)に各色信号に応じた画像書込を行なう。
画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)は、黒,シアン,マゼンタ,イエロー用の各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)を備え、これらの各色用の感光体(210Bk,210C,210M,210Y)には通常OPC感光体が用いられる。各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)の周囲には、帯電装置(215Bk,215C,215M,215Y)、上記画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)からのレーザ光の露光部、各色用の現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)、1次転写装置(230Bk,230C,230M,230Y)、クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)、除電装置(図示せず)等が配設されている。なお、上記現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)には、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。また、中間転写ベルト(220)が各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)と1次転写装置(230Bk,230C,230M,230Y)との間に介在し、この中間転写ベルト(220)に各感光体から各色のトナー像が順次重ね合わせて転写され、各感光体上のトナー像を担持する。
場合によっては、この中間転写ベルト(220)の外側で、最終色の1次転写位置通過後で2次転写位置通過前の位置に転写前帯電手段としてのプレ転写チャージャ(502)が配設されるのが好ましい。このプレ転写チャージャ(502)は、上記1次転写部で感光体(210)に転写された中間転写ベルト(220)上のトナー像を記録材としての転写紙に転写する前に、トナー像をトナー像と同極性に均一に帯電するものである。
各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)から転写された中間転写ベルト(220)上のトナー像は、ハーフトーン部及びベタ部を含んでいたりトナーの重ね合せ量が異なる部分を含んでいたりするため、帯電量がばらついている場合がある。また、中間転写ベルト移動方向における1次転写部の隣接下流側の空隙に発生する剥離放電により、1次転写後の中間転写ベルト(220)上のトナー像内に帯電量のばらつきが発生する場合もある。このような同一トナー像内の帯電量のばらつきは中間転写ベルト(220)上のトナー像を転写紙に転写する2次転写部における転写余裕度を低下させてしまう。そこで、プレ転写チャージャで転写紙へ転写する前のトナー像をトナー像と同極性に均一に帯電することにより、同一トナー像内の帯電量のばらつきを解消し、2次転写部における転写余裕度を向上させている。
以上、この画像形成方法によれば、各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)から転写した中間転写ベルト(220)上のトナー像をプレ転写チャージャ(502)で均一に帯電することにより、中間転写ベルト(220)上のトナー像内に帯電量のばらつきがあっても、2次転写部における転写特性を、中間転写ベルト(220)上のトナー像の各部に渡ってほぼ一定にすることができる。従って、転写紙へ転写する時の転写余裕度の低下を抑え、トナー像を安定して転写できる。
なお、この画像形成方法において、プレ転写チャージャで帯電される帯電量は、帯電対象物である中間転写ベルト(220)の移動速度に依存して変化する。例えば、中間転写ベルト(220)の移動速度が遅ければ、中間転写ベルト(220)上のトナー像の同一部分がプレ転写チャージャによる帯電領域を通過する時間が長くなるので、帯電量が大きくなる。逆に、中間転写ベルト(220)の移動速度が速いと、中間転写ベルト(220)上のトナー像の帯電量が小さくなる。従って、中間転写ベルト(220)上のトナー像がプレ転写チャージャによる帯電位置を通過している途中に中間転写ベルト(220)の移動速度が変化するような場合には、その中間転写ベルト(220)の移動速度に応じて、トナー像に対する帯電量が途中で変化しないようにプレ転写チャージャを制御することが望ましい。
1次転写装置(230Bk,230C,230M,230Y)の間に導電性ローラ(241),(242),(243)が設けられている。そして、転写紙は給紙部(140)から給紙された後、レジストローラ対(160)を介して転写ベルト(500)に担持され、中間転写ベルト(220)と転写ベルト(500)が接触するところで2次転写ローラ(600)により中間転写ベルト(220)上のトナー像が転写紙に転写され、カラー画像形成が行なわれる。
そして、画像形成後の転写紙は2次転写ベルト(180)で定着装置(150)に搬送され、画像が定着されてカラー画像が得られる。転写されずに残った中間転写ベルト(220)上のトナーは、中間転写ベルトクリーニング装置(260)によってベルトから除去される。
転写紙への転写前の中間転写ベルト(220)上のトナー極性は、現像時と同じマイナス極性であるため、2次転写ローラ(170)にはプラスの転写バイアス電圧が印加され、トナーは転写紙上に転写される。この部分でのニップ圧が転写性に影響し、定着性に大きく影響する。また、転写されずに残った中間転写ベルト(220)上のトナーは、転写紙と中間転写ベルト(220)とが離れる瞬間にプラス極性側に放電帯電され、0〜プラス側に帯電される。なお、転写紙のジャム時や非画像域に形成されたトナー像は、2次転写の影響を受けないため、もちろんマイナス極性のままである。
感光体層の厚みを30μmとし、光学系のビームスポット径を50×60μm、光量を0.47mWとしている。感光体(黒)(210Bk)の帯電(露光側)電位V0を−700V、露光後電位VLを−120Vとして現像バイアス電圧を−470Vすなわち現像ポテンシャル350Vとして現像工程が行なわれるものである。感光体(黒)(210Bk)上に形成されたトナー(黒)の顕像はその後、転写(中間転写ベルト及び転写紙)、定着工程を経て画像として完成される。転写は最初、1次転写装置(230Bk,230C,230M,230Y)から中間転写ベルト(220)へ全色転写された後、更に別の2次転写ローラ(170)へのバイアス印加により転写紙へ転写される。
次に、感光体クリーニング装置について詳細に説明する。図10において、各現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)と各クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)とは、各々トナー移送管(250Bk,250C,250M,250Y)で接続されている(図10中の破線)。そして、各トナー移送管(250Bk,250C,250M,250Y)の内部には、スクリュー(図示せず)が入っており、各クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)で回収されたトナーが、各現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)へ移送されるようになっている。
従来の4つの感光体ドラムとベルト搬送との組合せによる直接転写方式では、感光体と
転写紙が当接することにより紙粉が付着しトナーを回収すると紙粉が含有しているので、
画像形成時にトナー抜け等の画像劣化をきたし使用することができなかった。更に、従来の一つの感光体ドラムと中間転写とを組合せたシステムでは、中間転写体の採用で転写紙転写時の感光体への紙粉付着はなくなったが、感光体への残トナーのリサイクルを行おうした場合、混色したトナーを分離することは実用上不可能である。また、混色トナーを黒トナーとして使用する提案があるが、全色混合しても黒にならず、プリントモードにより色が変化するため1つの感光体の構成ではトナーリサイクルは不可能であった。
これに対して、このフルカラーが造形性装置では、中間転写ベルト(220)を使用するので紙粉の混入が少なく、かつ、紙転写時の中間転写ベルト(220)への紙粉の付着も防止される。各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)が独立した色のトナーを使用するので各感光体クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)を接離する必要もなく、確実にトナーのみを回収することができる。
上記中間転写ベルト(220)上に残ったプラス帯電されたトナーは、マイナス電圧が印加された導電性ファーブラシ(262)でクリーニングされる。導電性ファーブラシ(262)への電圧印加方法は、導電性ファーブラシ(261)と極性が異なるだけで全く同一である。転写されずに残ったトナーも2つの導電性ファーブラシ(261),(262)でほとんどクリーニングされる。ここで、導電性ファーブラシ(262)でクリーニングされずに残ったトナー、紙粉、タルク等は、導電性ファーブラシ(262)のマイナス電圧により、マイナス帯電される。次の黒色の1次転写は、プラス電圧による転写であり、マイナス帯電したトナー等は中間転写ベルト(220)側に引き寄せられるため、感光体(黒)(210Bk)側への移行は防止できる。
次に、この画像形成装置に使用される中間転写ベルト(220)について説明する。中間転写ベルトは前述のとおり、単層の樹脂層であることが好ましいが、必要に応じて、弾性層や、表層を保有しても良い。
上記樹脂層を構成する樹脂材料としては、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
また、上記弾性層を構成する弾性材料(弾性材ゴム、エラストマー)としては、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
また、上記表層の材料は特に制限は無いが、中間転写ベルト表面へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高めるものが要求される。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行なうことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
上記樹脂層や弾性層には、抵抗値調節用導電剤が添加される。この抵抗値調節用導電剤は特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫,酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定されるものではないことは当然である。
図11は、本発明の画像形成方法において使用される画像形成装置の他の例を示すもので、タンデム型間接転写方式の電子写真式の画像形成装置を備えた複写装置(100)である。図11中、(101)は複写装置本体、(200)はそれを載せる給紙テーブル、(300)は複写装置本体(101)上に取り付けるスキャナ、(400)はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体(101)には、中央に、無端ベルト状の中間転写体(10)を設ける。
そして、図11に示すとおり、この例では3つの支持ローラ(14)、(15)、(16)に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラ(15)の左に、画像転写後に中間転写体(10)上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置(17)を設ける。また、3つのなかで第1の支持ローラ(14)と第2の支持ローラ(15)間に張り渡した中間転写体(10)上には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段(18)を横に並べて配置してタンデム画像形成装置(20)を構成する。
このタンデム画像形成装置(20)の上には、図11に示すように、さらに露光装置(21)を設ける。一方、中間転写体(10)を挟んでタンデム画像形成装置(20)と反対の側には、2次転写装置(22)を備える。2次転写装置(22)は、図示例では、2つのローラ(23)間に、無端ベルトである2次転写ベルト(24)を掛け渡して構成し、中間転写体(10)を介して第3の支持ローラ(16)に押し当てて配置し、中間転写体(10)上の画像をシートに転写する。2次転写装置(22)の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置(25)を設ける。定着装置(25)は、無端ベルトである定着ベルト(26)に加圧ローラ(27)を押し当てて構成する。上述した2次転写装置(22)には、画像転写後のシートをこの定着装置(25)へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置(22)として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合はこのシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。なお、図示例では、このような2次転写装置(22)および定着装置(25)の下に、上述したタンデム画像形成装置(20)と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置(28)を備える。
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置(400)の原稿台(30)上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置(400)を開いてスキャナ(300)のコンタクトガラス(32)上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置(400)を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置(400)に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス(32)上へと移動して後、他方コンタクトガラス(32)上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ(300)を駆動し、第1走行体(33)および第2走行体(34)を走行する。そして、第1走行体(33)で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体(34)に向け、第2走行体(34)のミラーで反射して結像レンズ(35)を通して読取りセンサ(36)に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ(14)、(15)、(16)の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体(10)を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段(18)でその感光体(40)を回転して各感光体(40)上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体(10)の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体(10)上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル(200)の給紙ローラ(42)の1つを選択回転し、ペーパーバンク(43)に多段に備える給紙カセット(44)の1つからシートを繰り出し、分離ローラ(45)で1枚ずつ分離して給紙路(46)に入れ、搬送ローラ(47)で搬送して複写機本体(100)内の給紙路(48)に導き、レジストローラ(49)に突き当てて止める。
または、給紙ローラ(50)を回転して手差しトレイ(51)上のシートを繰り出し、分離ローラ(52)で1枚ずつ分離して手差し給紙路(53)に入れ、同じくレジストローラ(49)に突き当てて止める。
そして、中間転写体(10)上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ(49)を回転し、中間転写体(10)と2次転写装置(22)との間にシートを送り込み、2次転写装置(22)で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、2次転写装置(22)で搬送して定着装置(25)へと送り込み、定着装置(25)で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪(55)で切り換えて排出ローラ(56)で排出し、排紙トレイ(57)上にスタックする。または、
切換爪(55)で切り換えてシート反転装置(28)に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ(56)で排紙トレイ(57)上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写体(10)は、中間転写体クリーニング装置(17)で、画像転写後に中間転写体(10)上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置(20)による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ(49)は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
更に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図12は、本発明の画像形成装置の概略構成を示す図である。図13は、図12に示す画像形成装置のプロセスカートリッジの構成を示す図である。
像担持体である感光体(1)の周囲は、帯電装置(3)、露光装置(4)、現像装置(5)、転写装置(6)、クリーニング装置(7)、定着装置(8)が配置されている。
感光体(1)は、ベルト状又はドラム状のアルミニウム基板上に感光層を設ける。感光層には、アモルファスセレン、光導電性を有するペリレン系、フタロシアニン系有機化合物、アモルファスシリコンを用いる。特に、アモルファスシリコンが好ましい。導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を有するアモルファスシリコン感光体(以下、「a−Si系感光体」と称する。)を用いることが出来る。なかでも、プラズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして用いられている。
図3に示すような帯電装置(3)によって帯電した感光体(1)の表面には、露光装置(4)によって露光されて各色に対応した静電潜像が形成される。この露光装置(4)は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体(1)に対して各色に対応した静電潜像を書き込む。なお、本実施形態の露光装置(4)は、レーザ方式の露光装置であるが、LEDアレイと結像手段からなる露光装置などの他の方式の露光装置を採用することもできる。露光装置(4)は、読取装置(20)内のスキャナーで読み取ったデータ、及び図示しないPC等外部より送られた画像信号を変換し、ポリゴンモータでレーザー光をスキャンさせ、ミラーを通して読み取られた画像信号を基に感光体(1)上に静電潜像を形成する。
現像装置(5)は、現像剤を担持して感光体(1)に供給する現像剤担持体である現像
スリーブ(5a)と、トナー供給室等を備える。感光体(1)と微小間隔をおいて配置された円筒状の現像剤担持体(5a)と、現像剤担持体(5a)上の現像剤量を規制する現像剤規制部材とを有している。現像剤担持体(5a)は、回転可能に支持された中空円筒状の現像剤担持体(5a)と、現像剤担持体(5a)の内部にこれと同軸に固設されたマグネットロールとを備えており、現像剤担持体(5a)の外周面に現像剤を磁気的に吸着して搬送するようになっている。現像剤担持体(5a)は導電性で、非磁性部材で構成されており、現像バイアスを印加するための電源が接続されている。現像剤担持体(5a)と感光体(1)との間には、電源から電圧が印加され、現像領域に電界が形成される。
なお、上記は、二成分現像剤を用いる現像装置について説明したが、本発明はこれに限らず、一成分現像剤を用いる現像装置であってもよい。
転写装置(6)は、転写ベルト(6a)と転写バイアスローラ(6b)とテンションローラ(6c)から構成されている。転写バイアスローラ(6b)は、鉄、アルミ、ステンレス等の芯金表面に弾性層を設けて構成する。転写バイアスローラ(6b)には、記録紙を感光体(1)に密着させるために、感光体(1)側に必要な圧力がかけられる。転写ベルト(6a)は、基材として耐熱性の材料を種々選択することで効果が得られ、例えばシームレスのポリイミドフィルムで構成することができる。その外側には、フッ素樹脂層を設ける構成とすることができる。又、必要に応じてポリイミドフィルムの上にシリコーンゴム層を設け、その上にフッ素樹脂層を設けても良い。転写ベルト(6a)の内側には、転写ベルト(6a)を駆動及び張架するためにテンションローラ(6c)が設けられている。
定着装置(8)は、ハロゲンランプ等の加熱手段であるヒータを有する定着ローラ(8a)と、圧接される加圧ローラ(8b)とを備えている。定着ローラは、芯金表面にシリコーンゴム等の弾性層を100〜500μm、好ましくは400μmの厚みに設け、更にトナーの粘性による付着を防止する目的で、フッ素樹脂等の離型性の良い樹脂表層が形成されている。樹脂表層は、PFAチューブ等で構成され、その厚みは機械的劣化を考慮して10〜50μm程度の厚みが好ましい。定着ローラの外周面には、温度検知手段が設けられ、定着ローラの表面温度を約160〜200℃の範囲の中で、ほぼ一定に保つようにヒータが制御されている。加圧ローラは、芯金表面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなオフセット防止層が被覆されている。定着ローラと同様に、芯金表面にシリコーンゴム等の弾性層を設けても良い。
また、図14は、本発明の画像形成装置に用いる他の形態の定着装置の構成を示す概略図である。ここで定着装置(8)は、図14に示すように、定着フィルム(81)を回転させて定着するいわゆるサーフ定着装置(80)である。定着フィルム(81)はエンドレスベルト状耐熱フィルムであり、このフィルムの支持回転体である駆動ローラ(82)と、従動ローラ(83)と、この両ローラ間の下方に設けた平面基盤(86)に保持させて固定支持させて配設した加熱体(84)とに懸回張設してある。従動ローラ(83)は定着フィルム(81)のテンションローラを兼ね、定着フィルム(81)は駆動ローラ(82)の時計回転方向の回転駆動によって、時計回転方向に向かって回転駆動される。この回転駆動速度は、加圧ローラ(88)と定着フィルム(81)が接する定着ニップ領域(Q)において転写材と定着フィルム(81)の速度が等しくなる速度に調節される。
ここで、加圧ローラ(88)はシリコンゴム等の離型性のよいゴム弾性層を有するローラであり、反時計周りに回転しつつ、前記定着ニップ領域(Q)に対して、例えば総圧4〜10kgの当接圧をもって圧接させてある。また、定着フィルム(81)は、耐熱性、離型性、耐久性に優れたものが好ましく、総厚100μm以下が好ましく、より好ましくは40μm以下の薄肉のものを使用する。例えば、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)等の耐熱樹脂の単層フィルム、あるいは複合層フィルム、例えば20ミクロンm厚フィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)、PFA等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型性コート層を10μm厚に施したものや、フッ素ゴム、シリコンゴム等の弾性層を施したものである。
図14では、この定着装置(80)の加熱体(84)は平面基盤(86)および定着ヒータ(87)から構成されており、平面基盤(86)は、アルミナ等の高熱伝導度且つ高電気抵抗率を有する材料からなっており、定着フィルム(81)と接触する表面には抵抗発熱体で構成した定着ヒータ(87)を長手方向に設置してある。かかる定着ヒータ(87)は、例えば、Ag/Pd、Ta2N等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等により線状もしくは帯状に塗工したものである。
また、定着ヒータ(87)の両端部には、図示しない電極が形成され、この電極間に通電することで抵抗発熱体が発熱する。さらに、平面基盤(86)の定着ヒータ(87)が具備させてある面と逆の面にはサーミスタによって構成した定着温度センサ(85)が設けられている。定着温度センサ(85)によって検出された基板の温度情報は図示しない制御手段に送られ、かかる制御手段により定着ヒータ(87)に供給される電力量が制御され、加熱体(84)は所定の温度に制御される。
このサーフ定着装置(80)によって、効率が良く立ち上がり時間を短縮可能な定着装置(8)を用いた画像形成装置(100)が得られる。
クリーニング装置(7)は、図13に示すように、転写工程後の感光体(1)表面に残存するトナーのクリーニング手段としてクリーニングブレード(7a)を有する。また、クリーニングされたトナーを回収するトナー回収羽根(7e)、及びそのトナーを搬送する回収コイル(7c)を備えている。更に、図示されないトナー回収ボックスを備える。
クリーニングブレード(7a)は、金属、樹脂、ゴム等の材質からなるが、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム等のゴムが好ましく用いられ、この中でも特にウレタンゴムが好ましい。
本発明の画像形成装置では、さらに、この現像装置(5)にトナー収納容器(121)のトナーが粉体ポンプ(140)のポンプ力によって移送チューブ(115)を介してトナーが補給される剤移送装置(120)を備える。
図15は、剤移送装置の概略構成を示すブロック図である。
剤移送装置(120)の駆動・制御は、図示しない電源と制御回路により、粉体ポンプ(140)の駆動・制御とエアーポンプ(130)の動作・制御を行なう。剤移送装置(120)の制御は、現像装置(5)の一部に設けられたトナー濃度センサに基づくトナーとキャリアの混合比の変化を検知しトナー補給量を制御する機構を用いているが、他の機構として感光体(1)上のトナー像の反射濃度を検知しトナー補給量を制御する等の技術を転用してもよい。図示しないMPUを具備した制御装置によって剤移送装置(120)は制御される。すなわち、トナー濃度センサの検知結果がMPUに取り込まれ、検知結果に応じてMPUから粉体ポンプ駆動源または駆動伝達手段(クラッチ等)、エアーポンプ(130)に動作信号が送信されることにより、現像装置へのトナー補給動作は行なわれる。MPUは、タイマー機能を有しており、任意のタイミングで駆動モータ、エアーポンプ等を駆動制御することができる。
図16は、剤移送装置の構成を示す概略図である。
トナー補給信号が送信されると、同時に粉体ポンプ(140)のロータ(141)およびエアーポンプ(130)が所定時間作動し、流動化されたトナーが粉体ポンプ(140)により移送チューブ(115)を経て現像装置(5)に送られる。エアーポンプ(130)は粉体ポンプ(140)のロータ(141)が停止した後、さらに所定時間の作動後に停止するようになっている。このようにすることで、移送チューブ(115)の残存トナーを空気のみによって排出することができるので、トナー移送チューブ(115)内のトナー詰まりを防止することができる。
図16に示すように、移送チューブ(115)としては、内径が4〜10mmのチューブ状であることが望ましい。内径が4mm未満だと十分なトナー量を送るのに効率が悪くなり、10mmを超えるとトナー量の精度良いコントロールが難しくなる。移送チューブの素材は、フレキシブルでかつ耐トナー性に優れたゴム材料、例えば、ポリウレタン、ニトリル、EPDM、シリコン等を用いることが非常に有効である。現像装置(5)内での現像剤は、攪拌搬送スクリュー(56)によって搬送されるようにして循環される。この循環の間に搬送路の途中で現像スリーブ(5a)に移送された現像剤により感光体(1)上に形成された静電潜像を現像する。また、現像装置(5)の上部には空気フィルターが設けられ、移送されたトナーと空気から空気のみを現像装置(5)外へ逃がし、トナー補給時の接続部材及び現像装置(5)からのトナー飛散を防止する。トナー収納容器(121)は、袋形状でその下部中央が開口されており、その開口にポリエチレンやナイロン等に樹脂から作られた口金部材(122)が固定されている。トナー収納容器としては、トナー収納容器(121)としてフレキシブルで変形可能な袋にし、この袋部(121)はポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム等のフレキシブルなシート材(80〜125μm程度の厚み)を単層または複層構成にして袋状容器形状が好ましい。なお、このトナー収納容器(121)は、この袋形状に限定されず、横型であってもよく、粉体ポンプ(140)のところまでトナーが搬送されるようになっていれば良い。
口金部材(122)は、スリーブ状に形成され、その中空部に粉体ポンプ(140)が脱着可能に装着されている。粉体ポンプ(140)は、吐出型の一軸偏芯スクリューポンプであって、金属などの剛性をもつ材料で偏芯したスクリュー形状に作られたロータ(141)と、ゴム等の弾性体で内側に2条スクリュー形状に作られ固定されて設置されるステータ(142)とを有している。この場合、ステータ(142)は口金部材(122)に下方より嵌め込まれており、受け部材(123)によってその嵌め込まれた位置に保持されている。なお、受け部材(123)は口金部材(122)に対し、螺合、係合等によって取り外し可能に固定されるので、この受け部材(123)を外すことで、図16に示すように、ステータ(142)およびロータ(141)をトナー収納容器(121)から脱着できる。
また、口金部材(122)には腕等を介してストッパ(124)が設けられ、このストッパ(124)は回転によってロータ(141)が容器内へ入り込むように動くことを防止することができる。なお、ストッパ(124)にはロータ(141)を回転自在に支持する軸受を設けても良い。画像形成装置本体に設けられたトナー収納容器(121)がセットされるセット部(150)には、図示していない駆動源によって回転駆動され、上下方向に延びる駆動軸(151)が設けられ、駆動軸(151)はセット部(150)の下部部材(150a)に軸受(153)を介して回転自在に支持されているとともに、その先端、すなわち上端にはロータ(141)と係合可能なジョイント(152)が固定されている。また、駆動軸(151)は上下動可能に装着され、かつスプリング(154)によって上方へ付勢されている。したがって、駆動軸(151)は固定板(154a)が軸受(153)に当接する位置で待機し、トナー収納容器(121)がセットされると、スプリング(154)の作用に抗して待機した位置より下がった位置で、ジョイント(152)がロータ(141)に係合するので、その係合はバネ力によって確実なものとなっている。
セット部(150)には、粉体ポンプ(140)によりトナーが吐出される部分が図の左右方向に延びるパイプ状に形成されており、その一端は移送チューブ(115)を介して現像装置(5)に接続されている。また、他端にはエアー供給手段としてのエアーポンプ(130)とエアーパイプ(131)を介して接続されている。したがって、粉体ポンプ(140)によって容器から排出されたトナーはエアーポンプ(130)によるエアー流によって現像装置(5)へ移送される。
粉体ポンプ(140)である一軸偏芯スクリューポンプは、高い固気比で粉体の連続定量移送が可能で、ロータ(141)の回転数に比例した正確なトナーの移送量が得られることが知られている。したがって、トナー補給量であるトナーの移送量の制御は粉体ポンプ(140)の回転数と駆動時間を制御すれば良い。粉体ポンプ(140)は、ロータ(141)が回転すると、下方向に吐出圧力を発生し、上方向には吸引圧力を発生する。この吐出圧力または吸引圧力の大きさは粉体ポンプ(140)のロータ(141)、ステータ(142)の形状やロータ(141)の回転数に依存する。また移送チューブ(115)の移送経路は自在で高位置や、上下左右の任意方向へ自由に移送できる。さらに、エアーの供給量は最大流量(無負荷時)1〜2リットル/分と非常に少ないものでよく、現像装置(5)などでの空気抜きも簡単に行なえトナー飛散などの発生が容易に防止できる。
トナー収納容器(121)に設けた粉体ポンプ(140)は、停止時には完全密閉する自閉弁の役割を果たし、トナー収納容器(121)の開口部は密閉され、トナーは外部に飛散しない。よって、交換時のトナー飛散、汚染などを確実に防止することができる。さらに、粉体ポンプ(140)はトナー収納容器(121)から脱着可能であるため、ポンプ部分は再生・再利用することができる。なお、粉体ポンプ(140)はゴムからなるステータ(142)が摩耗すると寿命になるが、この場合もステータ(142)だけを交換すれば、ロータ(141)は何度でも使用することができる。トナー収納容器(121)の下部は、トナー排出孔に向かって漏斗状の形状をなしているので、容器内のトナーは重力と粉体ポンプの上流側の吸引力により容器内に残留することなく排出される。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図17は、他の実施形態の剤移送装置の構成を示す概略図である。図17では、画像形成装置(100)は、現像装置(5)により感光体(1)に形成された静電潜像がトナー像として現像される。このトナー補給機構は、現像装置(5)、粉体ポンプ(140)、エアーポンプ(130)および流路開閉
部材を備えている。
現像装置(5)は、現像剤収納容器としてのトナーを収納したトナー収納容器(121)から吸引手段としての粉体ポンプ(140)および移送チューブ(115)を介してトナーが補給される。現像装置(5)には、感光体(1)に対向配置された現像スリーブ(5a)と、攪拌スクリュー(5b)、供給スクリュー(5d)とが備えられている。なお、符号(5c)は現像剤の層厚を均一にするドクターブレードである。
粉体ポンプ(140)は、図17に示すように、現像装置(5)の近傍に設けられた吸い込み型の一軸偏芯スクリューポンプを用いている。この粉体ポンプ(140)の構成は、金属などの剛性をもつ材料で偏芯したスクリュー形状に作られたロータ(141)と、ゴム等の弾性体で作られ、2条スクリュー形状に形成されたステータ(142)とを有している。ロータ(141)は、ピン継ぎ手により連結された駆動軸(143)が駆動モータ(144)と駆動連結されている。
また、粉体ポンプ(140)はノズル(155)に設けられたトナー排出路(156)とトナー移送チューブ(115)によって接続されている。粉体ポンプ(140)である1軸偏芯スクリューポンプは、高い固気比で連続定量移送が可能であって、ロータ(141)の回転数に比例した正確なトナーの移送量が得られることが知られている。そこで、画像濃度検知等によりトナー補給指令が発せられると、粉体ポンプ(140)が作動し、要求された量のトナーを現像装置(5)にスムーズに補給することができる。
トナー収納容器(121)は、図17に示すように、画像形成装置本体に設けられたセット部にセットされ、現像装置(5)と別体のユニットとして構成されている。
セット部には、トナー袋の口金部材(122)内に挿入される断面が円形のノズル(155)が立設され、トナー収納容器(121)はそのトナー排出部にノズル(155)が挿入されるように上方から画像形成装置本体のセット部へセットされる。セット部に設けられたノズル(155)は、トナー供給路(156)とエア供給路(157)とが設けられ、その内部が2重管構造になっている。トナー供給路(156)はその下端においてトナー移送チューブ(115)が接続され、また、エア供給路(157)はトナー供給路(156)よりも上方で図の右方へ曲げられ、エアチューブ(131)を介してエアポンプ(130)に接続されている。
エアポンプ(130)は、図17に示すように、ダイアフラム型のエアーポンプであって、ダイアフラム(132)はゴムまたは柔軟なプラスチック等で形成された器状の部材で図中の下部は空気を遮断した状態で仕切り板(133)に密着し、上部をモータ(139)の回転軸に取り付けた偏芯軸(138)によって上下方向に駆動される。この動作によってダイアフラム内部には空気が吸い込まれたり吐き出したりする。仕切り板(133)には、吸入穴(133b)、排出穴(133a)の二ヶ所の穴部があり、吸入穴(133b)には吸入弁(135)、排出穴(133a)には排出弁(134)のそれぞれ可撓性の弁部材が設けられている。
このように構成することによって、モーター(139)に通電して回転することにより吸入口(137)より空気を吸入し、排出口(136)から空気を吐き出すように作用する。そして、トナー収納容器(121)のトナーはエアポンプ(130)が作動すると、該ポンプからエアパイプ(131)およびエア供給路(157)を介してトナー収納容器(121)内にエアが噴出される。トナー袋の口金部材(122)内に噴出されたエアは、トナー層を通過することによりトナーを拡散しながら流動化させる。
このように構成されたトナー補給機構は、ノズル(155)のトナー供給路(排出路)(156)とエア供給路(157)の端部が隣接しているので、粉体ポンプ(140)を作動したときに、トナーの代わりにエアを吸引してしまい、トナーが搬送されなくなる現象が発生することがある。この現象は、ノズルが単管でそれをトナー供給路とエア供給路として交互に使用するものにも起こり得る。
そこで、本実施形態ではかかるこの不具合を防止するため、エアーの供給流路中に、例えば市販の電磁バルブ等からなるエア流路、すなわち、エアポンプ(130)の吸入口(137)からエア供給路(157)までの流路における任意の位置で、その流路を開閉する開閉機構を設けることが有効である。
また、電磁切り替え弁の代りに、図17に示すように、エアポンプ(130)の吸入口(137)を開閉するように構成しても良い。この例では、一般的にフラッパー型ソレノイドと呼ばれる電磁マグネットを駆動源としてエア流路を開閉しており、鉄心に巻いたコイル(160)に通電することにより、アーマチュア(161)が吸引されてエアーポンプの吸入口(137)を塞ぐことができる。なお、符号(164)はアーマチュア(161)を戻すためのスプリング、(163)は磁路を形成するヨーク、(162)はエアーポンプの吸入口(137)を塞ぐために設けたゴムなどで構成された弾性体である。
このように構成されたトナー補給機構は、現像装置(5)のトナー濃度が不足したという信号により、次のステップでトナーの補給を行う。まず、エアー流路開閉ソレノイドのコイル(160)をONして流路を開とする。次に、エアーポンプ(130)をONし、トナー収納容器(121)にエアーを注入して容器内のトナーを攪拌して流動性を高める。エアーポンプ(130)への通電をOFFにした後に、エアー流路開閉ソレノイドのコイル(160)をOFFとしてエア流路を閉じる。粉体ポンプ(140)をONしてトナー収納容器(121)内のトナーを吸引し、現像装置(5)にトナーを供給する。不足分のトナーが補給されると、粉体ポンプ(140)をOFFとする。
図18は、上記したトナー補給時の各部のON,OFFのタイミングを示すタイムチャートである。上述のように、トナー補給信号に基づいて、まず開閉ソレノイドMがONし、次にエアーポンプLがON,エアーの注入が完了してエアーポンプをOFF、開閉ソレノイドをOFF、続いてスクリュウーポンプをON、一定量のトナーを補給してからOFF、でトナー補給の一連の動作が完了する。かかる構成により、粉体ポンプ(140)を作動したときに、エア流路が閉じているので、トナーの代わりにエアを吸引してしまうという問題を確実に防止することができる。
図19は、フレキシブル材料を用いたトナー収納容器(121)を示す図である。その構成は、図12と同様の口金部材(122)と柔軟なシート状の材料で出来た袋部(126)からなり、(a)は内部にトナーが入っている初期状態を示し、容器部は十分に広がった形となっている。(b)は内部のトナーを補給し終わった状態を示す図であり、袋部は吸引による減圧で収縮し、初期状態の1/5〜1/10程度の容積に減容している。ここで、トナー攪拌のためにエアーを供給しながら減容を行うためには、エアーの供給量に対して、トナー排出時にそれ以上の空気を排出することが必要であり、またこれによって十分な減容が可能であることは実験によって確認できた。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、各種改変できるものである。例えば、現像剤収納容器はトナーに限らず、トナーとキャリアからなる現像剤でもよく、さらにトナーにおいても2成分現像用のものでも、1成分用のものでもよいことは当然である。
また、この剤移送装置(120)に用いられるトナーは、体積平均粒径が2〜8μm、好ましくは3〜7μmの範囲にあるトナーで、(1)水系媒体中に、着色剤、離型剤、重合体又は重合性単量体等を分散させてから製造されており、且つ(2)トナーの個数平均粒径(Dn)に対し、Dn/2以下の微粉含有量が20個数%以下、或いは(3)トナーの個数平均粒径(Dn)に対して、0.7〜2.0μmの微粉の含有量が8個数%以下である。
少なくとも(2)の条件が満たされないと、駆動連結により可動される部材と、トナー又は現像剤が接触をする場合、トナー中の微粉が可動部の間に入り込んでしまう可能性がある。図16における、ロータ(141)、ステータ(142)、駆動軸(151)及びジョイント(152)は、駆動連結により初めて可動される部材であり、トナーと直接接触をする。例えば、駆動軸(151)が動いている隙間に微粉が入り込んでしまうと動きが悪くなり、場合によっては樹脂成分が溶けだして、駆動部が全く動かなくなる可能性がある。また、ロータ(141)、ステータ(142)、ジョイント(152)に微粉が存在すると稼動停止・開始時においての動きに悪影響を与える。同様のことが図17においても言うことができ、ロータ(141)、ステータ(142)、駆動軸(143)は、駆動連結により初めて可動される部材であり、トナーと直接接触をする。駆動軸(143)は、駆動モータ(144)とロータ(141)を連結しており、駆動軸(143)と駆動モータ(144)を連結している部分の隙間に微粉が入り込んでしまうと動きが悪くなり、場合によっては樹脂成分が溶けだして、駆動部が全く動かなくなる可能性がある。また、ロータ(141)、ステータ(142)に微粉が存在すると稼動停止・開始時においての動きに悪影響を与える。特に、粉体ポンプのように、収納容器を画像形成装置本体にセットされることで駆動部が駆動するシステムの場合は、駆動部の信頼性はトナー搬送に多大な影響を与える。駆動部の信頼性が落ちると、トナー詰まりやトナーの融着、異音発生などが生じてしまうからである。
このトナーの体積平均粒径Dvは少なくとも2〜8μmである。8μmを超えると最線再現性が著しく低下し、2μm未満だとクリーニング性が悪化するためである。3〜7μmだと、細線再現性とクリーニング性が共に満たされる。
本発明でのトナーの平均円形度は、0.7〜(Dn/2)μmの範囲での平均円形度をA、0.7〜(Dn×2)μmの範囲での平均円形度をBとしたとき、1.0≦(1−B)/(1−A)≦4.0を満たしていることが好ましく、より好ましくは、1.25≦(1−B)/(1−A)≦3.0、最も好ましくは1.4≦(1−B)/(1−A)≦2.5である。このように、微粉の円形度をトナーの平均粒子の円形度に近づけることにより、トナー間に介在する付着力を軽減しトナーを解すための粒子間に十分な力が加えられることで、初期の流動性の低さを改善することができる。
この円形度は、円形度SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)で定義され、トナーが真球に近いほど1.00に近い値となる。平均円形度の測定は、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000;シスメックス社製)を用いて測定を行なった。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100〜150mLを入れ、分散剤として界面活性剤0.1〜0.5mLを加え、さらに、測定試料0.1〜9.5g程度を加えた。試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3,000〜10,000個/μLにしてトナーの形状及び分布を測定した。
トナーの製造方法は、重合法(懸濁重合、乳化重合分散重合、乳化凝集、乳化会合等)等があるが、これらの製造方法に限るものではない。重合法の中でも、重合体として活性水素基と反応する部位を有する化合物であって、特に、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステルと、着色剤と、離型剤とを含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させる製造方法によるトナーを用いることが好ましい。このような、水系媒体中で製造することで、着色剤、離型剤の分散が優れ、流動性の高いトナーが得られ、剤移送装置において、デッドスペースを形成することなく現像装置へ移送することができる。
さらに好ましくは、トナー収納容器(121)を画像形成装置(100)のトナー貯蔵部(114)本体にセットされたとき、粉体ポンプ(140)が画像形成装置(100)本体の駆動部と駆動連結されており、トナーは、駆動連結により可動される部材の一部と接触をしている画像形成装置にて、上記トナーを用いていることが望ましい。駆動連結により可動される部材と、現像剤若しくはトナーが接触をする場合、トナー中の微粉が可動部の間に入り込んでしまう可能性がある。特に、粉体ポンプのように、収納容器を画像形成装置本体にセットされることで駆動部が駆動するシステムの場合は、駆動部の信頼性はトナー搬送に多大な影響を与える。駆動部の信頼性が落ちると、トナー詰まりやトナーの融着、異音発生などが生じてしまう。
以下、本発明を実施例及び比較例にて更に詳細に説明する。なお、本発明は、ここに例示される実施例及び比較例に限定されるものではない。なお、実施例中の部は、特に記載がなければ質量部を表わす。
[トナーの製造]
評価に用いたトナーの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるトナーは、これらの例に限定されるものではない。
また、以下の記載における部は質量部を示す。
[実施例1]
(トナー材料の溶解液乃至分散液の調製)
〜未変性ポリエステル(低分子量ポリエステル)の合成〜
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が5,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃であった。
〜マスターバッチ(MB)の調製〜
水1000質量部、及びカーボンブラック(「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル1200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
〜トナー材料相の調製〜
ビーカー内に前記未変性ポリエステル100質量部、酢酸エチル130質量部を、攪拌し溶解させた。次いで、カルナウバワックス(分子量=1,800、酸価=2.5、針入度=1.5mm(40℃))10質量部、及び前記マスターバッチ10質量部を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、トナー材料の溶解乃至分散液を調製した。
(樹脂微粒子Aの調製)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)16部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[樹脂微粒子分散液A1]を得た。[樹脂微粒子分散液A1]の体積平均粒径(堀場製作所製 LA−920で測定)は、9nmであった。
(トナーAの製造)
〜水系媒体相の調製〜
水660質量部、前記[樹脂微粒子分散液A1]25質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)25質量部、及び酢酸エチル60質量部を混合撹拌し、乳白色の液体(水相)を得た。
〜乳化乃至分散液の調製〜
前記水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
〜有機溶媒の除去〜
脱気用配管、攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間減圧下、脱溶剤し脱溶剤スラリーAとした。
〜洗浄〜
前記脱溶剤スラリーAの全量を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行った。
〜加熱処理〜
得られた洗浄スラリーを45℃で10時間熟成を行い、濾過して加熱処理後ケーキを得た。
〜乾燥〜
上記加熱処理後ケーキを順風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子Aを得た。
〜外添処理〜
トナー母体粒子Aを100質量部に対して、BET比表面積値が90m/gの疎水性シリカ1.7質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、トナーAを得た。
[実施例2]
実施例1での〜加熱処理〜において洗浄スラリーを50℃で10時間熟成を行い、濾過して加熱処理後ケーキを得た以外は実施例1と同様にしてトナーBを得た。
[実施例3]
実施例1での〜加熱処理〜において洗浄スラリーを40℃で10時間熟成を行い、濾過して加熱処理後ケーキを得た以外は実施例1と同様にしてトナーCを得た。
[実施例4](層状無機鉱物含有の場合)
(トナー材料の溶解液乃至分散液の調製)
〜未変性ポリエステル(低分子量ポリエステル)の合成〜
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が5,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃であった。
〜マスターバッチ(MB)の調製〜
水1000質量部、及びカーボンブラック(「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル1200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
〜トナー材料相の調製〜
ビーカー内に前記未変性ポリエステル100質量部、酢酸エチル130質量部を、攪拌し溶解させた。次いで、カルナウバワックス(分子量=1,800、酸価=2.5、針入度=1.5mm(40℃))10質量部、及び前記マスターバッチ10質量部を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製した。この分散液に少なくとも一部をベンジル基を有する第4級アンモニウム塩で変性した層状無機鉱物モンモリロナイト(クレイトンAPA Southern Clay Products社製)を前記分散液200部に対して1.0部を添加しT.K.ホモディスパー(特殊機化工業社製)を用いて、30分間攪拌し、トナー材料の溶解乃至分散液を得た。
(トナーDの製造)
〜水系媒体相の調製〜
水660質量部、実施例1で用いた[樹脂微粒子分散液A1]25質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)25質量部、及び酢酸エチル60質量部を混合撹拌し、乳白色の液体(水相)を得た。
〜乳化乃至分散液の調製〜
前記水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
〜有機溶媒の除去〜
脱気用配管、攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間減圧下、脱溶剤し脱溶剤スラリーDとした。
〜洗浄〜
前記脱溶剤スラリーDの全量を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行った。
〜加熱処理〜
得られた洗浄スラリーを50℃で10時間熟成を行い、濾過して加熱処理後ケーキを得た。
〜乾燥〜
上記加熱処理後ケーキを順風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子Dを得た。
〜外添処理〜
トナー母体粒子Aを100質量部に対して、BET比表面積値が90m/gの疎水性シリカ1.7質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、トナーDを得た。
[実施例5]
実施例1において外添処理以降を以下のように変更した。
〜外添処理〜
トナー母体粒子Aを100質量部に対して、BET比表面積値が50m/gの疎水性シリカ3.0質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、トナーEを得た。
[実施例6]
実施例1において外添処理以降を以下のように変更した。
〜外添処理〜
トナー母体粒子Aを100質量部に対して、BET比表面積値が50m/gの疎水性シリカ3.0質量部と、BET比表面積値が90m/gの疎水性シリカ1.0質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、トナーFを得た。
[比較例1]
実施例1での〜加熱処理〜において洗浄スラリーを55℃で10時間熟成を行い、濾過して加熱処理後ケーキを得た。加熱処理においてややトナーの凝集が発生したため、気流式分級機エルボージェットにより凝集を取り除く処理を実施した他は実施例1と同様にしてトナーFを得た。
[比較例2]
実施例1において洗浄以降の工程を以下のように変更した。
〜洗浄・乾燥〜
前記脱溶剤スラリーA全量を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行った。得られた濾過ケーキを循順風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子Gを得た。
〜外添処理〜
トナー母体粒子Aを100質量部に対して、BET比表面積値が90m/gの疎水性シリカ1.7質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、トナーGを得た。
[比較例3]
実施例1において外添処理以降の工程を以下のように変更した。
〜外添処理〜
トナー母体粒子Aを100質量部に対して、BET比表面積値が140m/gの疎水性シリカ0.9質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、トナーHを得た。
[比較例4]
実施例1において外添処理以降の工程を以下のように変更した。
〜外添処理〜
トナー母体粒子Aを100質量部に対して、BET比表面積値が30m/gの疎水性シリカ3.5質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、トナーIを得た。
[キャリアの作製]
次に、トナーの実機評価に用いたキャリアの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるキャリアは、これらの例に限定されるものではない。
〜キャリア〜
アクリル樹脂溶液(固形分50wt%) 21.0部
グアナミン溶液(固形分70wt%) 6.4部
アルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)] 7.6部
シリコーン樹脂溶液 65.0部
[固形分23wt%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
アミノシラン 1.0部
[固形分100wt%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
トルエン 60部
ブチルセロソルブ 60部
上記キャリア原料をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂の被覆膜形成溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0:平均粒径;25μm]に上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥し被覆フェライト粉を得た。得られた被覆フェライト粉を電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。結着樹脂膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。こうして、重量平均粒径35μmのキャリアAを得た。
[2成分系現像剤の作製]
前述トナーA〜Iと上記キャリアAを用い、キャリア100質量部に対しトナー7質量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて2成分系現像剤A〜Hを作製した。
[トナーの物性評価]
実施例1〜6、比較例1〜4それぞれのトナー母体比表面積、Faの測定結果及び用いた外添剤の比表面積を表1に示す。
Figure 2010244033
[トナーの評価]
デジタルフルカラー複写機(リコー社製imagio MP C6000)を用いて各評価を行った。
(画像濃度)
20%画像面積の画像チャートを150,000枚ランニング出力した後、ベタ画像をリコー社製6000ペーパーに画像出力後、画像濃度をXRite(X−Rite社製)により測定を行なった。これを4色単独に行ない平均を求めた。この値が、1.1未満の場合は「×」、1.1以上1.4未満の場合は「△」、1.4以上1.8未満の場合は「○」とした。これらをHH環境(27℃80%)とLL環境(10℃ 15%)でそれぞれ実施した。
(転写性)
画像面積率20%チャートを感光体から紙に転写後、クリーニングの直前における感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:ブランクとの差が0.005未満である。
○:ブランクとの差が0.005〜0.010である。
△:ブランクとの差が0.011〜0.02である。
×:ブランクとの差が0.02を超える。
(クリーニング性)
初期並びに1000枚及び10万枚印刷した後に、クリーニング工程を通過した感光体上の残存するトナーを、スコッチテープ(住友スリーエム社製)を用いて白紙に移し、マクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.01以下のものを良好(○)、0.01を越えるものを不良(×)として判定した。
(トナー補給性)
画像濃度評価中においてトナーが補給に特に障害が発生しなかった場合は○とし、トナーが補給されず、画像濃度が低下するなど補給による何らかの障害が発生し、評価が中断した場合を×とした。
表2に、実施例1〜6、比較例1〜4で製造したトナーA〜Iを用いた現像剤A〜I、の評価結果をまとめた。比較例4ではトナーの補給性の障害が発生したため途中で評価を停止した。
Figure 2010244033
本発明のトナーはトナー補給性、クリーニング性に優れ、転写効率を向上させ、転写時に生じる画像欠陥をなくし長期的に再現性の良い画像を出力することができるので、複写機、静電印刷、プリンター、ファクシミリ、静電記録等の電子写真方式の画像形成に好適に用いることができる。
(図1、2の符号)
1 測定セル
2 試料基板
2a 試料面
3 受け基板
3a 付着面
4 スペーサ
5 遠心分離装置
6 ロータ
7 保持部材
8 試料設置部
9 回転中心軸
7a 棒状部
7b セル保持部
7c 穴部
7d 設置固定部
(図3〜8の符号)
500 ローラ式帯電装置
501 帯電ローラ
502 芯金
503 導電ゴム層
504 電源
505 感光体
510 ブラシ式帯電装置
511 ブラシローラ(ファーブラシローラ又は磁気ブラシローラ)
512 芯金
513 ブラシ部
514 電源
515 感光体
600 現像装置
601 現像スリーブ
602 電源
603 現像部
604 感光体
605 トナー
710 加熱ローラ
710 定着ローラ(対向回転体)
721 芯金
722 弾性部材
730 定着ベルト(耐熱性ベルト、トナー加熱媒体)
731 基体
732 発熱層
733 中間層
734 離型層
740 加圧ローラ(加圧回転体)
741 芯金
742 弾性部材
750 温度検知部材
760 誘導加熱手段
761 励磁コイル
762 コイルガイド板
763 励磁コイルコア
764 励磁コイルコア支持部材
770 記録媒体
A ベルトの回転方向
N 定着ニップ部
W1 接触部位
T トナー像
(図9の符号)
800 プロセスカートリッジ
801 感光体
802 帯電手段
803 現像手段
804 トナー
805 現像ローラ
806 クリーニング手段
(図10の符号)
100 画像形成装置
120Bk 画像書込部(黒)
120C 画像書込部(シアン)
120M 画像書込部(マゼンダ)
120Y 画像書込部(イエロー)
130Bk 画像形成部(黒)
130C 画像形成部(シアン)
130M 画像形成部(マゼンダ)
130Y 画像形成部(イエロー)
140 給紙部
150 定着装置
160 レジストローラ対
170 2次転写ローラ
180 転写ベルト
200Bk 現像装置(黒)
200C 現像装置(シアン)
200M 現像装置(マゼンダ)
200Y 現像装置(イエロー)
210Bk 感光体(黒)
210C 感光体(シアン)
210M 感光体(マゼンダ)
210Y 感光体(イエロー)
215Bk 帯電装置(黒)
215C 帯電装置(シアン)
215M 帯電装置(マゼンダ)
215Y 帯電装置(イエロー)
220 中間転写ベルト
230Bk 1次転写装置(黒)
230C 1次転写装置(シアン)
230M 1次転写装置(マゼンダ)
230Y 1次転写装置(イエロー)
241 導電性ローラ
242 導電性ローラ
243 導電性ローラ
250Bk トナー移送管(黒)
250C トナー移送管(シアン)
250M トナー移送管(マゼンダ)
250Y トナー移送管(イエロー)
260 中間転写ベルトクリーニング装置
261 導電性ファーブラシ
262 導電性ファーブラシ
300Bk クリーニング装置(黒)
300C クリーニング装置(シアン)
300M クリーニング装置(マゼンダ)
300Y クリーニング装置(イエロー)
(図11の符号)
10 中間転写体
14 第1の支持ローラ
15 第2の支持ローラ
16 第3の支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成装置
21 露光手段
22 2次転写手段
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40、40Y、40C、40M 感光体
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
50 給紙ローラ
51 手差しトレイ
52 分離ローラ
53 給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
62 1次転写装置
100 画像形成装置
101 画像形成装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
(図12〜19の符号)
2 画像形成ユニット
20 読取装置
4 露光装置
5 現像装置
5a 現像ローラ(現像スリーブ)
5b 攪拌搬送スクリュー
5c ドクターブレード
5d 供給ローラ(供給スクリュー)
5e 薄層形成部材
5f 電源
6 転写装置
6a 中間転写ベルト
6b 支持ローラ(転写バイアスローラ)
6c 支持ローラ(テンションローラ)
6d 支持ローラ
6e 一次転写ローラ
6g 二次転写ローラ
7 クリーニング装置
7a クリーニングブレード
7b 支持部材
7c 回収コイル
7d 加圧スプリング
7e トナー回収羽根
8 定着装置
8a 加熱ローラ
8b 加圧ローラ
80 サーフ定着装置
81 定着フィルム
82 駆動ローラ
83 従動ローラ
84 加熱体
85 定着温度センサ
86 平面基盤
87 定着ヒータ
88 加圧ローラ
100 画像形成装置
109 給紙ユニット
110 ピックアップローラ
111 レジストローラ
112 排紙ローラ
114 トナー貯蔵部
115 移送チューブ
120 剤移送装置
121 トナー収納容器
122 口金部材
123 受け部材
124 ストッパ
126 袋部
130 エアーポンプ
131 エアーパイプ
132 ダイアフラム
133 仕切り板
133a 排出穴a
133b 吸入穴b
134 排出弁
135 吸入弁
136 排出口
137 吸入口
138 偏心軸
139 モーター
140 粉体ポンプ
141 ロータ
142 ステータ
143 駆動軸
144 駆動モータ
150 セット部
150a 下部部材
151 駆動軸
152 ジョイント
153 軸受
154 スプリング
154a 固定板
155 ノズル
156 トナー排出路
157 エア供給路
160 コイル
161 アーマチュア
162 弾性体
163 ヨーク
164 スプリング
L エアーポンプ
M 開閉ソレノイド
N 粉体ポンプ
P 記録材
Q 定着ニップ領域
特開平07−209952号公報 特開2000−075551号公報 特許第3640918号公報 特開平06−250439号公報 特開2001−066820号公報 特許第3692829号公報

Claims (16)

  1. 少なくとも着色剤及び離型剤と結着樹脂で構成される母体粒子と外添剤からなる静電荷像現像用トナーであって、該トナーが下記式(1)及び式(2)を満たし、かつ外添剤としてBET比表面積値が40〜110m/gの無機微粒子が添加されてなり、このトナー10gに対してキャリア20gをロッキングミル攪拌装置にて混合攪拌した後のトナーの遠心法にて測定されるトナー付着力Faが下記式(3)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    1.2≦6Sm/(Dv・ρ)≦2.0 ・・・ (1)
    0.95≦Ra≦0.98 ・・・ (2)
    Fa≦40nN ・・・ (3)
    (但し、Smは外添剤添加前のトナー母体粒子のBET比表面積(m/g)、Dvは
    体積平均粒子径(μm)、ρはトナーの真比重、Raはトナーの円形度を示す。)
  2. 前記トナー付着力Faが下記式(4)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のトナー。
    Fa≦20nN ・・・ (4)
  3. 外添剤としてBET比表面積値が50〜90m/gの無機微粒子が添加されてなることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記無機微粒子が疎水性シリカ微粒子であることを特徴とする請求項3に記載のトナー。
  5. 少なくとも結着樹脂又は結着樹脂前駆体を含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散してトナー材料の溶解又は分散液を作成する工程と、前記トナー材料の溶解又は分散液を安定化剤を含む水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を作成する工程と、前記乳化乃至分散液から有機溶媒を除去する工程とを含む製造工程によって得られたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
  6. 加熱処理によりトナー表面を平滑化処理したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトナー。
  7. 前記トナーが層状無機鉱物が有する層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトナー。
  8. トナーの体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)が、1.30以下である請求項1〜7のいずれかに記載のトナー。
  9. 前記トナーに含有される結着樹脂は、少なくとも2種の結着樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のトナー。
  10. 前記結着樹脂に含有される第一の結着樹脂は、ポリエステル骨格を有する樹脂であることを特徴とする請求項9に記載のトナー。
  11. 該第一の結着樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のトナー。
  12. 前記ポリエステル樹脂は、未変性ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項11に記載のトナー。
  13. 前記結着樹脂前駆体は、変性ポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項5〜12のいずれかに記載のトナー。
  14. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を請求項1〜13のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  15. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を請求項1〜13のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項1〜13のいずれかに記載のトナーを収納したトナー収納容器中のトナーを粉体ポンプによって移送チューブを介して現像手段へ補給する剤移送手段と、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を該トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
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