JP5423226B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、小粒径トナーを用いた場合には、トナー粒子と電子写真感光体との非静電的付着力、又はトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力が増加するため、転写効率がさらに低下しやすい。このため、高速のフルカラー画像形成装置において小粒径トナーを使用した場合には、特に、二次転写での転写効率の低下が顕著となるという問題がある。その理由は、トナー小粒径化によりトナー1粒子あたりの中間転写体との非静電的付着力が増加している上に、二次転写では複数色のトナーが重ねあった状態で存在していることと、高速化に伴い二次転写のニップ部においてトナー粒子が転写電界を受ける時間が短くなるため、より転写されにくい条件となるためである。
しかしながら、画像形成装置の現像装置内でトナーが長期間攪拌等の機械的ストレスを受けていると、添加剤がトナー母体粒子中に埋没、またはトナー粒子表面に存在する微小な凹凸に進入してしまい、添加剤による付着力低減効果が発揮されなくなり、画像形成装置の転写効率が低下してしまうという問題がある。特に、高速機の場合、現像装置内での攪拌が激しいため、この機械的ストレスが大きく、添加剤のトナー母体中への埋没、進入が加速されやすい。このため、比較的早い段階で転写効率の低下に繋がることが想定される。
このため、高速機において長期に渡り安定して高い転写効率を維持するためには、機械的ストレスを受けても添加剤がトナー母体粒子中に埋没、進入することなく表面に存在できるようにトナーの表面性を制御する必要がある。
しかしながら、現在のところ、高速のフルカラー画像形成方法において、転写効率を向上させ、各々の転写時に画像欠陥をなくし、長期的に再現性の良い画像を出力することができるトナーを得ることはできていない。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高速のフルカラー画像形成方法において、転写効率を向上させ、各々の転写時に画像欠陥をなくし、長期的に再現性の良い画像を出力することができるトナー及びその製造方法、並びに、現像剤、及び画像形成方法を提供することを目的とする。
<1> 界面活性剤を含む媒体中にトナー母体粒子を分散した後、前記トナー母体粒子の表面を処理する表面処理工程を少なくとも含むトナーの製造方法であって、前記表面処理工程において、前記トナー母体粒子のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、前記トナー母体粒子に(Tg−10)〜(Tg+30)の温度(℃)の水系媒体を混合して、その混合液の温度が(Tg−10)〜(Tg+10)の温度(℃)となるように加熱し、その加熱中乃至加熱後に、前記混合液に剪断力を付与することを含み、前記混合液中の界面活性剤量が、前記界面活性剤の臨界ミセル濃度の0.1倍以上2.0倍以下であることを特徴とするトナーの製造方法である。
<2> 加熱を60分間以内行った後、混合液の温度が(Tg−10)の温度(℃)となるように冷却することを含む前記<1>に記載のトナーの製造方法である。
<3> 剪断力が14,000(1/sec)〜50,000(1/sec)である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<4> 剪断力の付与時間が1分間〜120分間である前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<5> 樹脂、着色剤、及び離型剤を含むトナー材料を有機溶媒中へ溶解乃至分散させ、該溶解乃至分散物を、界面活性剤を含む水系媒体中へ分散させることにより、トナー母体粒子分散液を調製する前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<6> 変性されていないポリエステル樹脂、ウレア乃至ウレタン結合し得る変性されたポリエステル樹脂、アミン、着色剤、及び離型剤を含むトナー材料を有機溶媒中へ溶解乃至分散させ、該溶解乃至分散物を、界面活性剤を含む水系媒体中へ分散させることにより、前記変性されたポリエステル樹脂と前記アミンとを反応させることで得られるウレア乃至ウレタン結合を有するポリエステル樹脂を含むトナー母体粒子分散液を調製する前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーの製造方法により製造されたことを特徴とするトナーである。
<8> トナーのBET比表面積(Sbet)と前記トナーの体積平均粒径(Dv)との比Sbet/Dvが、2.0×105m/g以上4.0×105m/g未満である前記<7>に記載のトナーである。
<9> 平均円形度が、0.940以上0.975未満である前記<7>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> 体積平均粒径が、1μm以上8μm以下である前記<7>から<9>のいずれかに記載のトナーである。
<11> 前記<7>から<10>のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤である。
<12> 前記<7>から<10>のいずれかに記載のトナーが収容されてなることを特徴とするトナー入り容器である。
<13> 静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、前記帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を前記<7>から<10>のいずれかに記載のトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を記録媒体上に転写する二次転写工程と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を前記記録媒体上に定着させる定着工程と、前記静電潜像担持体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング工程とを含むことを特徴とする画像形成方法である。
<14> 二次転写工程において、トナー像の記録媒体への転写の線速度は300mm/sec〜1,000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間は0.5msec〜20msecである前記<13>に記載の画像形成方法である。
<15> タンデム方式の画像形成装置を用いた前記<13>から<14>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<16> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、前記帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を前記<7>から<10>のいずれかに記載のトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を記録媒体上に転写する二次転写手段と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を前記記録媒体上に定着させる定着手段と、前記静電潜像担持体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
<17> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を前記<7>から<10>のいずれかに記載のトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも、表面処理工程を含み、更に、トナー材料を界面活性剤を含む水系媒体中に分散させてトナー母体粒子を作製する工程、界面活性剤を除去する工程、必要に応じて適宜選択した、その他の工程を含む。
なお、本願明細書においては、表面処理する前のトナー材料からなる樹脂粒子を「トナー母体粒子」とし、「表面処理したトナー母体粒子」を表面処理した後で外添処理する前のトナー材料からなる樹脂粒子とした。
前記表面処理工程は、界面活性剤を含む媒体中にトナー母体粒子を分散した後、前記トナー母体粒子の表面を処理する工程である。また、重合法トナーの場合、洗浄工程中に前記トナー母体粒子の表面を処理する工程である。
前記表面処理工程において、トナー母体粒子、またはトナーケーキ(水分を含んだトナー)に高温の水系溶媒を混合して、その混合液の温度が所定温度となるように加熱すると共に、その加熱中乃至加熱後に、前記混合液に剪断力を付与する。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ラウリル硫酸Na、αオレフィンスルホン酸Na、ジアルキルスルホコハク酸Na、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na、β−ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物のNa塩などが挙げられる。
前記媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられるが、これらの中でも、水が好ましい。前記水と混和可能な溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。また、低級ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、などが挙げられる。
前記トナー母体粒子は、トナー材料からなる。前記トナー材料は、少なくとも、樹脂、着色剤、及び離型剤を含み、帯電制御剤、無機微粒子、クリーニング性向上剤、磁性材料、更に必要に応じて、その他の成分を含む。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性向上のために低軟化点にした際にも、対衝撃性に優れ、トナーの耐ストレスを向上させることができ、且つ、分子構造中に親水基を有し、比較的極性が高いため、水系媒体との親和性に優れ、より表面平滑化を達成しやすく、良好な低温定着性が得られる点で、ポリエステル樹脂が好ましい。
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、分子量、構成モノマーなどを目的に応じて適宜選択することができる。
前記ポリエステル樹脂は、多価アルコールと多価カルボン酸を脱水縮合することにより得られる。
なお、前記ポリエステル樹脂を架橋させるためには、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等の3価以上のアルコールを併用することが好ましい。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロロオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロムバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が60℃〜90℃の低融点の離型剤が好ましい。前記低融点の離型剤は、前記樹脂と分散されることにより、離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好である。特に、本発明では、定着補助成分の導入によるトナーの低温定着化によって、定着ローラ温度が従来より低い設定温度で使用することが想定されるため、より低温で離型性を発揮する必要がある。そのため、融点が90℃以下の離型剤が好適に用いられる。また、前記離型剤の融点が、60℃未満である場合、トナーの高温保存性が劣る場合があり、得られる画像を劣化させる恐れがある。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、リンの単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系界面活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
前記無機微粒子は、トナーに流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として用いられる。前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記クリーニング性向上剤は、転写後に感光体や一次転写媒体に残存するトナーを除去しやすくするために用いられる。前記クリーニング性向上剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ポリメタクリル酸メチル微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。前記ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmであることが好ましい。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、などが挙げられる。なお、前記磁性材料は、トナーの色調の点から、白色のものが好ましい。
前記トナー母体粒子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法、などが挙げられる。中でも、トナー材料が分散溶媒である水との親和性を有するため、加熱によりトナー粒子表面の平滑化をより達成しやすく、表面処理工程に伴う製造プロセスの増大を抑制することができる点から、重合法、溶解懸濁法が好ましい。
前記混練・粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂、離型剤、及び定着補助成分を含有するトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、分級することにより、前記トナー母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、株式会社池貝製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、トナー母体粒子における樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行なうことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、トナー母体粒子における樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等により、微粒子部分を取り除くことにより行なうことができる。前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中にて分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
後述する表面処理工程を経た後、外添剤のトナー母体粒子への外添が行われる。表面処理されたトナー母体粒子と外添剤とをミキサーを用い、混合及び攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー母体粒子表面に被覆される。この時、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤を均一かつ強固に表面処理されたトナー母体粒子に付着させることが耐久性の点で重要である。
前記重合法としては、例えば、有機溶媒中に少なくともウレア乃至ウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂、離型剤、及び定着助剤を含むトナー材料を溶解乃至分散させる。そして、この溶解乃至分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去し、界面活性剤等を洗浄して得られる。
前記[NCO]/[OH]が1/1未満であると、イソシアネート基によるポリエステルの架橋反応がおこることがあり、5/1を超えると、イソシアネート基が水酸基に反応できず多価イソシアネート化合物が残留することがある。
前記[NCO]/[OH]が、前記特に好ましい範囲であると、トナーの定着特性の点で有利である。
前記ポリエステルプレポリマーと反応させるアミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)、などが挙げられる。前記2価アミン化合物(B1)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、などが挙げられる。
前記3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、例えば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、などが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、などが挙げられる。 前記アミノメルカプタン(B4)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。前記アミノ酸(B5)としては、例えばアミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、などが挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物、などが挙げられる。
これらアミン類(B)の中でも、B1及びB1と少量のB2の混合物が好ましい。
前記[NCO]/[NHx]が1/2未満であると、イソシアネート基による分子量増大が起こらないことがあり、2/1を超えると、イソシアネート基による分子量増大が起こらないことがある。
前記[NCO]/[NHx]が、前記特に好ましい範囲であると、トナーの定着特性の点で有利である。
前記重合法において、トナー材料の溶解乃至分散物を分散させ、その後脱溶剤を行った水系媒体中(トナー母体粒子分散液)の界面活性剤量を、臨界ミセル濃度の2倍以下の界面活性剤濃度となるように調整した後、表面処理工程を実施することが好ましい。
前記加熱とは、トナー母体粒子のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、前記トナー母体粒子に、(Tg−10)〜(Tg+30)の温度(℃)の水系媒体を混合して、その混合液の温度が(Tg−10)〜(Tg+10)の温度(℃)となるように加熱することである。
前記混合液の温度が、(Tg−10)の温度(℃)未満である場合、トナー母体粒子中の樹脂の軟化が生じないため、トナー表面の平滑化が生じず、高い転写効率が得られない。一方、前記混合液の温度が、(Tg+10)の温度(℃)を超える場合、本発明のような低界面活性剤濃度では、トナー母体粒子中の樹脂の軟化により、トナー母体粒子同士が融着してしまうため、トナーの粒度分布を悪化させてしまう。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられるが、これらの中でも、水が好ましい。前記水と混和可能な溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。また、低級ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、などが挙げられる。
前記トナー母体粒子のガラス転移温度(Tg)は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」島津製作所製)を用いて測定することができる。
まず、トナー母体粒子試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱した。その後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」島津製作所製)により、DSC曲線を計測した。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時におけるDSC曲線のショルダーを選択し、トナー母体粒子のガラス転移温度(Tg(℃))を算出した。
前記剪断力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、14,000(1/sec)〜50,000(1/sec)が好ましく、16,000(1/sec)〜40,000(1/sec)がより好ましく、20,000(1/sec)〜35,000(1/sec)が特に好ましい。
前記剪断力が14,000(1/sec)未満であると、キャリア汚染性の悪化したり、凝集体ができることがあり、50,000(1/sec)を超えると凝集体ができることがある。また、前記剪断力が、前記特に好ましい範囲であると、キャリア汚染性、凝集体が出来ない点で、有利である。
前記剪断力の付与時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1分間〜120分間が好ましく、1分間〜100分間がより好ましく、1分間〜60分間が特に好ましい。
前記剪断力の付与時間が1分間未満であると、凝集体ができることがあり、120分間を超えると粒径分布が悪化することがある。また、前記剪断力の付与時間が、前記特に好ましい範囲であると、凝集体が出来ないこと、及び粒径分布の点で、有利である。
前記剪断力を付与する剪断力付与装置としては、ステーターと高速回転する撹拌翼を有し、ステーターと高速回転する撹拌翼のギャップが狭く、乳化乃至分散液が前記ギャップから吐出されることが好ましい。この様な装置の剪断力は、前記ギャップと高速回転する撹拌翼の周速から下記式(1)により計算される。
剪断力=周速/ギャップ 式(1)
剪断力を付与する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、製造性の点から、連続式で処理できることが好ましく、高速剪断混合機、などがより好ましい。前記高速剪断混合機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホモジナイザー・ポリトロン((株)セントラル科学貿易)、ホモジナイザー・ヒストロン((株)日音医理科器機製作所)、バイオミキサー((株)日本精機製作所)、ターボ型攪拌機((株)小平製作所)、ウルトラディスパー(浅田鉄鋼(株))、エバラマイルザー(荏原製作所(株))、TKホモミクサー、TKラボディスパー、TKパイプラインミクサー、TKホモミックラインミル、TKホモジェッター、TKユニミキサー、TKホモミックラインフロー、TKアヂホモディスパー(以上、プライミクス(株))、などが挙げられる。これらの攪拌装置は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記表面処理工程における混合液中の界面活性剤量としては、前記界面活性剤の臨界ミセル濃度の0.1倍以上2.0倍以下である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1倍〜1.5倍が好ましい。
前記混合液中の界面活性剤量が、前記界面活性剤の臨界ミセル濃度の0.1倍未満であると、トナー母体粒子表面の数nm〜数百nmの凹凸のみならず、数μm程度の凹凸も緩和してしまうため、ブレードクリーニング性が悪化してしまい、さらに、表面処理工程における加熱によりトナー母体粒子同士が融着しやすくなり、トナーの粒度分布が悪化してしまう。一方、前記混合液中の界面活性剤量が、2.0倍を超えると、加熱をした際に界面活性剤がトナー母体粒子表面の微小凹凸を保護してしまうため、トナー母体粒子表面の平滑化が生じず、高い転写効率が得られない。
前記混合液中の界面活性剤を水系媒体に0.01wt%ずつ滴下し、その際の電気伝導度を測定し、界面活性剤の検量線を作成する。前記混合液の電気伝導度を測定し、得られた検量線より、前記混合液中での界面活性剤濃度を算出する。
前記界面活性剤の臨界ミセル濃度は、表面張力法、電気伝導度法、色素法、などにより求めることができる。
例えば、表面張力計Sigma(KSV
Instruments社製)を用いて測定し、Sigmaシステム中の解析プログラムを用いて解析を行なう。界面活性剤を水系媒体に対して0.01wt%ずつ滴下し、攪拌、静置後の界面張力を測定する。得られた表面張力カーブから、界面活性剤の滴下によっても界面張力が低下しなくなる界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度として算出する。
本発明のトナーは、本発明のトナーの製造方法により作製されたものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記Sbet/Dvが2.0×105m/g未満である場合、トナー粒子の形状が真球に近くなり、感光体、中間転写体上の転写残トナーのクリーニング性に劣ることがある。 また、前記Sbet/Dvが4.0×105m/g以上である場合、トナー表面の微小凹凸が充分緩和されておらず、高い転写効率が得られないことがある。
前記トナーの体積平均粒径が、前記より好ましい範囲であると、画像鮮鋭性、長期における現像安定性の点で有利である。
前記平均円形度が0.940未満である場合、トナー表面に数百nm程度の比較的大きい凹凸が多く存在しているため、数nm〜数百nmの微小凹凸が緩和されても、高い転写効率が得られないことがある。前記平均円形度が0.975以上である場合、トナー粒子の形状が真球に近くなり、感光体、中間転写体上の転写残トナーのクリーニング性に劣ることがある。
本発明の現像剤としては、本発明のトナーを有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、キャリア、などの成分をさらに有してもよく、例えば、トナーからなる一成分現像剤、トナー及びキャリアからなる二成分現像剤、などが挙げられる。
近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタなどには、寿命向上等の点で、二成分現像剤を用いることが好ましい。このような現像剤は、磁性一成分現像法、非磁性一成分現像法、二成分現像法、などの公知の各種電子写真法に用いることができる。前記現像剤を一成分現像剤として用いると、トナーの収支が行われても、トナーの粒径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着を抑制することができ、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性が得られる。また、前記現像剤を二成分現像剤として用いると、長期に亘るトナーの収支が行われても、トナーの粒径の変動が少なく、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記キャリアの含有量が、前記より好ましい範囲であると、現像安定性の点で有利である。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料等が挙げられ、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、前記芯材としては、画像濃度の確保の点で、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、芯材としては、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき、高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30emu/g〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。
D50が10μm未満であると、キャリアの粒径分布において、微粉が多くなるため、1粒子当たりの磁化が低下して、キャリアの飛散が生じることがある。
一方、D50が150μmを超えると、キャリアの比表面積が低下して、トナーの飛散が生じることがある。その結果、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現性が低下することがある。
前記キャリアの含有量が、前記より好ましい範囲であると、現像安定性の点で有利である。
前記導電粉の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、などが挙げられる。 前記導電粉の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以下が好ましい。前記平均粒径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
また、前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、などが挙げられる。
さらに、前記焼付の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、外部加熱方式及び内部加熱方式のいずれであってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉、などを用いる方法、マイクロ波を用いる方法、などが挙げられる。
前記トナー(現像剤)を収容するための現像剤収容容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、容器本体とキャップとを有するもの、などが挙げられる。
前記容器本体の大きさ、形状、構造、材質、などとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、円筒状等であることが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより、内容物である現像剤が排出口側に移行することが可能であり、スパイラル状の凹凸の一部又は全てが蛇腹機能を有することがより好ましい。
前記材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、寸法精度がよいものであることが好ましい。前記寸法精度がよいものとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などの樹脂材料が挙げられる。
前記トナー(現像剤)入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れるため、後述するプロセスカートリッジ、画像形成装置等に着脱可能に取り付け、現像剤の補給に使用することができる。
本発明の画像形成方法は、少なくとも、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、一次転写工程と、二次転写工程と、定着工程と、クリーニング工程とを含み、さらに、必要に応じて適宜選択した、その他の工程を含む。
また、本発明の画像形成方法において、プロセスカートリッジ、タンデム方式の画像形成装置、などを用いることが好ましい。
前記帯電工程は、静電潜像担持体表面を帯電させる工程である。
前記帯電工程において使用される帯電装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図1に示した接触式のローラ式帯電装置、図2に示した接触式のファーブラシ式帯電装置、接触式の磁気ブラシ式帯電装置、などが挙げられる。
図1は、ローラ式帯電装置500の一例の概略構成を示す図である。
図1において、被帯電体である静電潜像担持体としての感光体505は、矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。感光体505に接触させた帯電部材である帯電ローラ501は、芯金502と、この芯金502の外周に同心一体にローラ上に形成した導電ゴム層503とを基本構成とし、芯金の両端を不図示の軸受け部材などで回転自由に保持させるとともに、不図示の加圧手段によって感光ドラムに所定の加圧力で押圧させており、この帯電ローラ501は、感光体505の回転駆動に従動して回転する。帯電ローラ501は、直径9mmの芯金上に100,000Ω・cm程度の中抵抗の導電ゴム層503を被膜して、直径16mmに形成されている。帯電ローラ501の芯金502と、電源504とは、電気的に接続されており、電源504により帯電ローラ501に対して所定のバイアスが印加される。これにより感光体505の周面が所定の極性、電位に一様に帯電処理される。
前記ファーブラシ式帯電装置を用いる場合、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属、及び金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり、張り付けたりする。
図2において、被帯電体としての像担持体としての感光体515は、矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。感光体515に対して、ファーブラシによって構成されるファーブラシローラ511が、ブラシ部513の弾性に抗して所定の押圧力をもって所定のニップ幅で接触させてある。
本実施形態において、該ファーブラシローラ511による感光体515の接触帯電は、直接注入帯電が支配的となって行なわれ、回転感光体表面はファーブラシローラ511に対する印加帯電電圧とほぼ等しい電位に帯電される。
前記帯電部材の形状としては、ファーブラシローラ511の他にも、帯電ローラ、ファーブラシなど、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。帯電ローラを用いる場合、芯金上に100,000Ω・cm程度の中抵抗ゴム層を被膜して用いるのが一般的である。
前記磁気ブラシ式帯電装置において、磁気ブラシは、例えば、Zn−Cuフェライト、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。
図2は、磁気ブラシ式帯電装置の例の概略構成を示した図でもある。被帯電体、静電潜像担持体としての感光体515は、矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体515に対して、磁気ブラシによって構成されるブラシローラ511が、ブラシ部513の弾性に抗して、所定の押圧力をもって所定のニップ幅で接触させてある。
前記接触帯電部材としての磁気ブラシとしては、平均粒径25μmのZn−Cuフェライト粒子と、平均粒径10μmのZn−Cuフェライト粒子を、質量比1:0.05で混合して、それぞれの平均粒径の位置にピークを有する、平均粒径25μmのフェライト粒子を、中抵抗樹脂層でコートした磁性粒子を用いた。前記接触帯電部材は、上述で作製された被覆磁性粒子、及び、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成され、前記被覆磁性粒子をスリーブ上に、厚さ1mmでコートして、感光体との間に幅約5mmの帯電ニップを形成した。また、前記磁性粒子保持スリーブと感光体との間隙は、約500μmとした。さらに、マグネットロールは、スリーブ表面が、感光体表面の周速に対して、その2倍の速さで逆方向に摺擦するように、回転され、感光体と磁気ブラシとが均一に接触するようにした。
前記露光工程は、前記帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する工程である。
前記露光に用いる露光手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記現像工程は、前記静電潜像を本発明のトナーを用いて現像してトナー像を形成する工程である。
前記感光体の潜像を現像するに際しては、交互電界を印加することが好ましい。図3に示した現像器600において、現像時、現像スリーブ601には、電源602により現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。背景部電位と画像部電位は、前記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって現像部603に向きが交互に変化する交互電界が形成される。この交互電界中で現像剤のトナーとキャリアが激しく振動し、トナー605が現像スリーブ601及びキャリアへの静電的拘束力を振り切って感光体604に飛翔し、感光体の潜像に対応して付着する。なお、トナー605は、本発明のトナーである。
前記振動バイアス電圧の周波数が1kHzよりも小さいと、字汚れが悪化することがあり、10kVよりも大きいと、トナー飛散が悪化することがある。
前記振動バイアス電圧の波形は、矩形波、サイン波、三角波、などが使用できる。振動バイアスの直流電圧成分は、背景部電位と画像部電位の間の値であるが、画像部電位よりも背景部電位に近い値である方が、背景部電位領域へのかぶりトナーの付着を防止する上で好ましい。
前記一次転写工程は、前記トナー像を中間転写体上に転写する工程である。
前記二次転写工程は、前記中間転写体上に転写されたトナー像を記録媒体上に転写する工程である。
前記トナー像の記録媒体への転写の線速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、300mm/sec〜1,000mm/secが好ましい。
前記二次転写工程における、二次転写手段のニップ部での転写時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5msec〜20msecが好ましい。
前記定着工程は、前記記録媒体上に転写されたトナー像を前記記録媒体上に定着させる工程である。
<<定着装置>>
前記定着工程において用いられる定着装置としては、例えば、図4に示した定着装置700が挙げられる。図4に示す定着装置700は、誘導加熱手段760の電磁誘導により加熱される加熱ローラ710と、加熱ローラ710と平行に配置された定着ローラ720(対向回転体)と、該加熱ローラ710と定着ローラ720とに張り渡され、該加熱ローラ710により加熱されるとともに少なくともこれらの何れかのローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の定着ベルト(耐熱性ベルト、トナー加熱媒体)730と、該定着ベルト730を介して定着ローラ720に圧接されるとともに定着ベルト730に対して順方向に回転する加圧ローラ740(加圧回転体)とから構成されている。
定着ローラ720(対向回転体)は、例えば、ステンレススチール等の金属製の芯金721と、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして芯金721を被覆した弾性部材722とからなる。そして、加圧ローラ740からの押圧力でこの加圧ローラ740と定着ローラ720との間に所定幅の接触部を形成するために外形を20mm〜40mm程度として加熱ローラ710より大きくしている。弾性部材722は、その肉厚を4mm〜6mm程度としている。この構成により、加熱ローラ710の熱容量は、定着ローラ720の熱容量より小さくなるので、加熱ローラ710が急激に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。
加熱ローラ710と定着ローラ720とに張り渡された定着ベルト730は、誘導加熱手段760により加熱される加熱ローラ710との接触部位(W1)で加熱される。そして、加熱ローラ710と定着ローラ720の回転によって定着ベルト730の内面が連続的に加熱され、結果としてベルト全体に渡って加熱される。図4中、符号742は、弾性部材を示し、符号750は、温度検知部材を示す。
・基体731:ポリイミド(PI)樹脂などの樹脂層
・発熱層732:Ni、Ag、SUS等の導電材料層
・中間層733:均一定着のための弾性層
・離型層734:離型効果とオイルレス化のための弗素樹脂材料等の樹脂層
電磁誘導により加熱ローラ710を加熱する誘導加熱手段760は、図4に示すように、磁界発生手段である励磁コイル761と、この励磁コイル761が巻き回されたコイルガイド板762とを有している。コイルガイド板762は、加熱ローラ710の外周面に近接配置された半円筒形状をしており、励磁コイル761は、長い一本の励磁コイル線材をこのコイルガイド板762に沿って加熱ローラ710の軸方向に交互に巻き付けたものである。なお、励磁コイル761は、発振回路が周波数可変の駆動電源(図示せず)に接続されている。励磁コイル761の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア763が、励磁コイルコア支持部材764に固定されて励磁コイル761に近接配置されている。
前記プロセスカートリッジは、静電潜像担持体(電子写真感光体)と、前記静電潜像担持体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された静電潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を本発明のトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により前記記録媒体上に定着させる定着手段と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体又は記録媒体上に転写した後の静電潜像担持体に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置における各手段のうち、少なくとも静電潜像担持体及び現像手段を含む上記手段を一体に支持して画像形成装置本体に着脱自在としたものである。そして、前記現像手段は、本発明のトナーを備えている。前記現像手段及び前記帯電手段としては、現像装置及び帯電装置を好適に使用することができる。
前記画像形成装置は、少なくとも、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、一次転写手段と、二次転写手段と、定着手段と、クリーニング手段とを含み、さらに、必要に応じて適宜選択した、その他の手段を有する。
また、本発明の画像形成方法において用いられるフルカラー画像形成装置としては、例えば、図7及び図8に示したタンデム方式の画像形成装置100が挙げられる。
そして、図8に示すとおり、この例では3つの支持ローラ14、15、16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体50上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。また、3つのなかで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体50上には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム型現像器120を構成する。
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物65質量部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物86質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルスズオキシド2質量部を投入し、常圧下、230℃で15時間反応させた。次に、5mmHg〜10mmHgの減圧下、6時間反応させて、ポリエステル樹脂Aを合成した。得られたポリエステル樹脂Aは、数平均分子量(Mn)が2,300、重量平均分子量(Mw)が8,000、ガラス転移温度(Tg)が58℃、酸価が25mgKOH/g、水酸基価が35mgKOH/gであった。
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル300質量部、スチレン185質量部、アクリルモノマー115質量部、及びアゾビスイソブチルニトリル5質量部を投入して、窒素雰囲気下、65℃(常圧)で8時間反応させた。次に、メタノール200質量部を加え、1時間攪拌した後、上澄みを除去し、減圧乾燥させて、スチレン−アクリル樹脂Aを合成した。得られたスチレン−アクリル樹脂Aは、Mwが20,000、Tgが58℃であった。
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10mHg〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン30質量部及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(前記活性水素基含有化合物)を合成した。得られたケチミン化合物(前記活性水素機含有化合物)のアミン価は423であった。
水1,000質量部、DBP吸油量が42mL/100g、pHが9.5のカーボンブラックPrintex35(デグサ社製)540質量部、及び1,200質量部のポリエステル樹脂Aを、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。次に、二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを作製した。
実施例1では以下に示す重合法によりトナーの作製を行なった。
−水系媒体の調製−
イオン交換水306質量部、リン酸三カルシウムの10質量%懸濁液265質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0質量部を混合攪拌し、均一に溶解させて、水系媒体を調製した。
界面活性剤の臨界ミセル濃度は以下の方法で測定した。表面張力計Sigma(KSV
Instruments社製)を用いて、Sigmaシステム中の解析プログラムを用いて解析を行なった。界面活性剤を水系媒体に対して0.01質量%ずつ滴下し、攪拌、静置後の界面張力を測定した。得られた表面張力カーブから、界面活性剤の滴下によっても界面張力が低下しなくなる界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度として算出した。実施例1の水系媒体に対するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの臨界ミセル濃度を表面張力計Sigmaで測定を行ったところ、水系媒体の質量に対して0.05質量%であった。
ビーカー内に、ポリエステル樹脂Aを70質量部、プレポリマーを10質量部及び酢酸エチル100質量部を入れ、攪拌して溶解させた。離型剤としてパラフィンワックス5質量部(日本精鑞社製 HNP−9 融点75℃)、MEK−ST(日産化学工業社製)2質量部、及びマスターバッチ10質量部を加えて、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスクの周速度6m/秒で、粒径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスした後、前記ケチミン2.7質量部を加えて溶解させ、トナー材料液を調製した。
前記水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間脱溶剤し、分散スラリーを作製した。
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。更に得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
ここで、本発明におけるガラス転移点(Tg)とは、具体的に次のような手順で決定される。測定装置として島津製作所製TA−60WS及びDSC−60を用い、次に示す測定条件で測定した。
測定条件
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50ml/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
測定した結果は前記島津製作所製データ解析ソフト(TA−60、バージョン1.52)を用いて解析を行った。解析方法は2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線のもっとも低温側に最大ピークを示す点を中心として±5℃の範囲を指定し、解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次にDSC曲線で前記ピーク温度+5℃、及び−5℃の範囲で解析ソフトのピーク解析機能をもちいてDSC曲線の最大吸熱温度を求める。ここで示された温度がショルダーに想到し、トナーのTgに相当する。
トナー母体粒子のガラス転移温度(Tg)が55℃であった。
上記洗浄により得られた濾過ケーキに、70℃のイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで回転数8,000rpmで23,880(1/sec)の剪断力を5分間付与した。トナー母体粒子分散液の温度が55℃(加熱温度T1)となるまで加熱し、55℃になった時点で冷却を行った。冷却後トナー母体粒子分散液の電気伝導度の測定を行った。事前に作成した界面活性剤濃度の検量線より、トナー母体粒子分散液の界面活性剤濃度を算出した。その値から、界面活性剤濃度が0.05質量%であった。次に濾過を行なった。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、実施例1の表面処理したトナー母体粒子を得た。
さらに、表面処理したトナー母体粒子を100質量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を0.8質量部とをヘンシェルミキサーにて混合し、実施例1のトナーを得た。
実施例1において、表面処理工程で用いたイオン交換水の温度を70℃から85℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のトナーを作製した。
実施例1において、表面処理工程における加熱到達温度T1=55℃まで加熱した直後に冷却する代わりに、加熱到達温度T1=55℃まで加熱した後60分間保持した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のトナーを作製した。
実施例1において、表面処理工程における加熱到達温度T1を、55℃から65℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4のトナーを作製した。
実施例5のトナーは以下のようにして、粉砕法によりトナーを製造した。
ポリエステル樹脂A80質量部、パラフィンワックス5部(日本精鑞社製 HNP−9 融点75℃)、及びマスターバッチ10部を加えて、ヘンシェルミキサー中で十分攪拌混合した後、ロールミルを用い、130℃で30分間加熱溶融させ、更に室温まで冷却し、得られた混練物をハンマーミルにて200μm〜400μmに粗粉砕した。次いで、ジェット気流を用いて衝突板に粗粉砕物を直接衝突させて微粉砕する微粉砕装置と、該微粉砕装置で得られた微粉砕粉を分級室内に旋回流を形成させ、粉砕物を遠心分離して分級する風力分級装置と、を一体に有するIDS−2型粉砕分級装置(日本ニューマチック工業製)を用い、粉砕分級を行い、分級上がりトナー母体粒子を得た。
なお、所望の粒度分布は、コールターカウンターで測定し、被粉砕物の供給量、粉砕用高圧空気の圧力及び流量、粉砕用衝突部材の毛上、分級装置内におけるエアーが吸引される際のエアー流入位置や流入方向、排気ブロワー圧、等を変更することにより調整することができる。
得られたトナー母体粒子100質量部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5質量部と、イオン交換水895質量部とを加え、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)し、濾過を行った。更に、得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。更に得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
上記洗浄により得られた濾過ケーキに、70℃のイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで回転数8,000rpmで23,880(1/sec)の剪断力を5分間付与した。トナー母体粒子分散液の温度が加熱到達温度T1=55℃になった時点で冷却を行った。冷却後、トナー母体粒子分散液の電気伝導度の測定を行った。事前に作成した界面活性剤濃度の検量線より、トナー母体粒子分散液の界面活性剤濃度を算出した。その値から、界面活性剤濃度が0.06質量%であった。次に濾過を行なった。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、実施例5の表面処理したトナー母体粒子を得た。
さらに、表面処理したトナー母体粒子を100質量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を0.8質量部とをヘンシェルミキサーにて混合し、実施例5のトナーを得た。
実施例1において、表面処理工程(加熱及び剪断付与)を実施せず、洗浄後、乾燥してトナーを得た以外は同様にして、比較例1のトナーを得た。
実施例1において、加熱中乃至加熱後に剪断力を付与しない表面処理工程を下記の通り実施した以外は、同様にして、比較例2のトナーを得た。
―表面処理工程―
上記洗浄により得られた濾過ケーキに、イオン交換水300質量部を添加し、パドル撹拌翼で撹拌を行った。トナー母体粒子分散液容器をウォーターバスで加熱し、トナー母体粒子分散液の温度が加熱到達温度T1=55℃になった時点から65分間保持してその後冷却を行った。冷却後、トナー母体粒子分散液の電気伝導度の測定を行った。事前に作成した界面活性剤濃度の検量線より、トナー母体粒子分散液の界面活性剤濃度を算出した。その値から、界面活性剤濃度が0.05質量%であった。次に濾過を行なった。
実施例1において、表面処理工程における加熱到達温度T1を66℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例3のトナーを作製した。
実施例1において、表面処理工程で用いた70℃のイオン交換水の量を、300質量部を150質量部に変更したこと以外は、同様にして、比較例4のトナーを作製した。
トルエン100部に、シリコーン樹脂オルガノストレートシリコーン100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部、及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
ボールミルを用いて、トナー5部とキャリア95部を混合し、現像剤を作製した。
得られた現像剤を用いて、以下の評価を行った。評価結果を表3に示す。
−−転写効率(%)−−
富士ゼロックス社製のDocuColor 8000 Digital Pressを改造して、線速及び転写時間を調整可能にチューニングした評価機を用い、各現像剤について、A4サイズ、トナー付着量0.6mg/cm2のベタパターンをテスト画像として出力するランニング試験を行った。テスト画像10万枚、100万枚出力後、一次転写における転写効率を下記式(3)により、二次転写における転写効率を下記式(4)により、それぞれ求めた。なお、評価基準は下記のとおりである。
◎・・・90%以上
○・・・85%以上90%未満
△・・・80%以上85%未満
×・・・80%未満
とした。
タンデム型カラー電子写真装置imagio Neo 450(リコー社製)を用いて、黒ベタ画像を形成し、得られた画像の転写ムラの有無を目視観察し、転写ムラを評価した。なお、転写ムラがなく、非常に良好なレベルであるものを(◎)、転写ムラがなく、実使用上、問題が無いレベルであるものを(○)、転写ムラが少しあるが、実使用可能なレベルであるものを(△)、転写ムラがあり、実用上、問題があるレベルであるものを(×)として、判定した。
感光体に当接するクリーニングブレード及び帯電ローラーを有するタンデム型カラー電子写真装置imagio Neo 450(リコー社製)を用いて、現像スリーブの回転方向に対して垂直な方向に1cm間隔で黒ベタと白ベタを繰り返したA4横チャート(画像パターンA)を10万枚出力した後、白紙画像を出力し、かぶりの有無を目視評価した。なお、かぶりが無く非常に良好なレベルであるものを(◎)、かぶりが殆ど無く実使用上問題が無いレベルであるものを(○)、かぶりが少しあるが、実使用可能なレベルであるものを(△)、かぶりがあり、実用上、問題があるレベルであるものを(×)として判定した。
クリーニング性は、以下のようにして評価した。初期並びに1,000枚及び10万枚印刷した後に、クリーニング工程を通過した感光体上の残存するトナーを、スコッチテープ(住友スリーエム社製)を用いて白紙に移し、マクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.005未満のものを良好(◎)、0.005以上0.015未満のものを(○)、0.015以上0.025未満のものを(△)、0.025を越えるものを不良(×)として判定した。
10Y、10C、10M、10K 各感光体
14 第1の支持ローラ
15 第2の支持ローラ
16 第3の支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
21 露光装置
22 2次転写手段
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 手差しトレイ
53 給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
58 分離ローラ
62 1次転写装置(転写帯電器)
100 画像形成装置(複写装置)
120Bk 画像書込部(黒)
120C 画像書込部(シアン)
120M 画像書込部(マゼンダ)
120Y 画像書込部(イエロー)
130 原稿台
130Bk 画像形成部(黒)
130C 画像形成部(シアン)
130M 画像形成部(マゼンダ)
130Y 画像形成部(イエロー)
140 給紙部
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 定着装置
160 レジストローラ対
170 2次転写ローラ
180 転写ベルト
200 給紙テーブル
200Bk 現像装置(黒)
200C 現像装置(シアン)
200M 現像装置(マゼンダ)
200Y 現像装置(イエロー)
210Bk 感光体(黒)
210C 感光体(シアン)
210M 感光体(マゼンダ)
210Y 感光体(イエロー)
215Bk 帯電装置(黒)
215C 帯電装置(シアン)
215M 帯電装置(マゼンダ)
215Y 帯電装置(イエロー)
220 中間転写ベルト
230Bk 1次転写装置(黒)
230C 1次転写装置(シアン)
230M 1次転写装置(マゼンダ)
230Y 1次転写装置(イエロー)
241 導電性ローラ
242 導電性ローラ
243 導電性ローラ
250Bk トナー移送管(黒)
250C トナー移送管(シアン)
250M トナー移送管(マゼンダ)
250Y トナー移送管(イエロー)
260 中間転写ベルトクリーニング装置
261 導電性ファーブラシ
262 導電性ファーブラシ
300 スキャナ
300Bk クリーニング装置(黒)
300C クリーニング装置(シアン)
300M クリーニング装置(マゼンダ)
300Y クリーニング装置(イエロー)
400 原稿自動搬送装置(ADF)
500 ローラ式帯電装置
501 帯電ローラ
502 芯金
503 導電ゴム層
504 電源
505 感光体
510 ブラシ式帯電装置
511 ブラシローラ(ファーブラシローラ又は磁気ブラシローラ)
512 芯金
513 ブラシ部
514 電源
515 感光体
600 現像装置(現像器)
601 現像スリーブ
602 電源
603 現像部
604 感光体
605 トナー
700 定着装置
710 加熱ローラ
720 定着ローラ(対向回転体)
721 芯金
722 弾性部材
730 定着ベルト(耐熱性ベルト、トナー加熱媒体)
731 基体
732 発熱層
733 中間層
734 離型層
740 加圧ローラ(加圧回転体)
741 芯金
742 弾性部材
750 温度検知部材
760 誘導加熱手段
761 励磁コイル
762 コイルガイド板
763 励磁コイルコア
764 励磁コイルコア支持部材
770 記録媒体(記録材)
800 プロセスカートリッジ
801 感光体
802 帯電手段
803 現像手段
804 トナー
805 現像ローラ
806 クリーニング手段
A ベルトの回転方向
N 定着ニップ部
W1 接触部位
T トナー像
Claims (4)
- 界面活性剤を含む媒体中にトナー母体粒子を分散した後、前記トナー母体粒子の表面を処理する表面処理工程を少なくとも含むトナーの製造方法であって、
前記表面処理工程において、前記トナー母体粒子のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、前記トナー母体粒子に(Tg−10)〜(Tg+30)の温度(℃)の水系媒体を混合して、その混合液の温度が(Tg−10)〜(Tg+10)の温度(℃)となるように加熱し、その加熱中乃至加熱後に、前記混合液に剪断力を付与することを含み、
前記混合液中の界面活性剤量が、前記界面活性剤の臨界ミセル濃度の0.1倍以上2.0倍以下であることを特徴とするトナーの製造方法。 - 加熱を60分間以内行った後、混合液の温度が(Tg−10)の温度(℃)となるように冷却することを含む請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 樹脂、着色剤、及び離型剤を含むトナー材料を有機溶媒中へ溶解乃至分散させ、該溶解乃至分散物を、界面活性剤を含む水系媒体中へ分散させることにより、トナー母体粒子分散液を調製する請求項1から2のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 変性されていないポリエステル樹脂、ウレア乃至ウレタン結合し得る変性されたポリエステル樹脂、アミン、着色剤、及び離型剤を含むトナー材料を有機溶媒中へ溶解乃至分散させ、該溶解乃至分散物を、界面活性剤を含む水系媒体中へ分散させることにより、前記変性されたポリエステル樹脂と前記アミンとを反応させることで得られるウレア乃至ウレタン結合を有するポリエステル樹脂を含むトナー母体粒子分散液を調製する請求項1から3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
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