JP5440842B2 - トナーの製造方法及び画像形成方法 - Google Patents
トナーの製造方法及び画像形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5440842B2 JP5440842B2 JP2009210460A JP2009210460A JP5440842B2 JP 5440842 B2 JP5440842 B2 JP 5440842B2 JP 2009210460 A JP2009210460 A JP 2009210460A JP 2009210460 A JP2009210460 A JP 2009210460A JP 5440842 B2 JP5440842 B2 JP 5440842B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- toner
- image
- transfer
- photosensitive member
- electrophotographic photosensitive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Description
このため、高速機において長期に渡り安定して高い転写効率を維持するためには、機械的ストレスを受けても添加剤がトナー母体中に埋没、進入することなく表面に存在できるようにトナーの表面性を制御する必要がある。
(1)着色粒子を表面処理してトナーを得るトナーの製造方法であって、少なくとも、造粒された着色粒子を水系媒体中に分散して着色粒子分散液を調整する工程、及び、前記着色粒子分散液を加熱する表面処理工程を含むものであり、前記表面処理工程における前記着色粒子分散液は、界面活性剤を該界面活性剤の臨界ミセル濃度の10倍以下含み、かつトナー疎水性付与剤が存在するものであり、前記表面処理工程における加熱温度(T1)がトナーバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)−10(℃)以上であることを特徴とするトナーの製造方法。
(2)前記トナー疎水性付与剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする前記(1)に記載のトナーの製造方法。
(3)前記フッ素系界面活性剤の極性が、着色粒子分散液中の界面活性剤の極性と逆極性であることを特徴とする前記(2)に記載のトナーの製造方法。
(4)前記トナー疎水性付与剤が表面を疎水化処理した無機微粒子であることを特徴とする前記(1)または(3)に記載のトナーの製造方法。
(5)前記表面を疎水化処理した無機微粒子が、シリカ、酸化チタン、アルミナから選ばれる微粒子に有機珪素化合物を表面に付着させ疎水化処理した無機微粒子であることを特徴とする前記(3)または(4)に記載のトナーの製造方法。
(6)前記表面を疎水化処理した無機微粒子を水系媒体と相分離しない有機溶媒に平均粒子径100nm以下に分散し、該無機微粒子含有有機溶媒を前記着色粒子分散液に添加することを特徴とする前記(4)または(5)に記載のトナーの製造方法。
(7)前記水系媒体中に分散されてなる着色粒子分散液製造工程が変性されていないポリエステル樹脂、ウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル樹脂、アミン化合物、着色剤、離型剤を含むトナー材料を有機溶媒中へ溶解乃至分散させ、該溶解乃至分散物を水系媒体中へ分散させ造粒することによって製造することを特徴とする前記(1)乃至(6)いずれか1に記載のトナーの製造方法。
(8)前記トナーの体積平均粒径が1.0μm以上6.0μm未満であることを特徴とする前記(1)乃至(7)いずれか1に記載のトナーの製造方法。
(9)電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録材上に転写する二次転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを備え、前記現像工程におけるトナーが前記(1)乃至(8)のいずれか1に記載の製造方法で製造されたトナーであることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
(10)電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録材上に定着させる定着手段定着工程と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体又は記録材上に転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置における各手段のうち、少なくとも前記電子写真感光体及び前記(1)乃至(8)のいずれか1に記載の製造方法によって製造したトナーを備えた前記現像手段を、一体に支持して画像形成装置本体に着脱自在としたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
(11)前記帯電手段、前記転写手段及び前記クリーニング手段から選ばれる少なくとも一つの手段をさらに含むことを特徴とする前記(10)に記載のプロセスカートリッジ。
上記製造方法により得られたトナー粒子は、界面活性剤が少量存在する水中でトナー結着樹脂のガラス転移温度に近い温度で加熱されることにより、トナー中に含まれる結着樹脂が弱く軟化し、表面積を小さくするように極微小領域で流動するため、トナー表面に存在する数nm〜数百nmの微小な凹凸を平滑に緩和することができる。
その際にトナー疎水性付与剤を同時に存在させることにより、平滑性を阻害することなく、トナー粒子表面に疎水性付与剤が付着し、固定化することによって帯電の低下が防止された耐環境性能に強いトナーを提供できる。
また、トナー表面の微小凹凸が緩和されることにより、単位重量あたりのトナーの表面積は微小凹凸が存在するトナー表面に比べ小さくなる為、外添剤を一定量加えた場合のトナー表面に対する外添剤の実効被覆率が大きくなる。そのため外添剤による非静電付着力低減の効果が増大する為、トナーが機械的ストレスを受けた際にも、非静電的付着力の上昇を抑制でき、高い転写効率を得ることができる。
表面処理工程における加熱温度がトナーのガラス転移温度に対して−10℃未満である場合、トナー中の結着樹脂の軟化が生じないため、トナー表面の平滑化が生じず、高い転写効率が得られず、融点以上である場合は、トナーバインダー樹脂の溶融により、トナー粒子同士が融着し、粒度分布を悪化させてしまう。
界面活性剤の濃度は、臨界ミセル濃度の0.1倍以上10倍以下であることが好ましい。
界面活性剤濃度が臨界ミセル濃度の10倍より高い場合、加熱をした際に界面活性剤がトナー粒子表面の微小凹凸を保護してしまうため、トナー表面の平滑化が生じず、高い転写効率が得られず0.1倍未満では表面処理工程における加熱によりトナー粒子同士が融着し易くなり、トナーの粒度分布を悪化させる虞がある。
本発明においては、添加した界面活性剤は共存するトナー粒子表面に吸着、消費されるため、界面活性剤濃度が臨界ミセル濃度の1倍以上であることがさらに好ましい。
また本発明の製造方法は少なくとも結着樹脂、及び着色剤を含むトナー材料を、界面活性剤を含む水系媒体中で調整して得られ、かつ前記界面活性剤を除去する工程を含むことが好ましい。水系媒体中で得られるトナーの場合、トナー材料が分散溶媒である水との親和性を有するため、加熱によりトナー表面の平滑化をより達成しやすい。またそもそもの製造過程において、トナーが水系媒体に分散されている状態を含み、かつ界面活性剤を除去する工程を含むため、表面処理工程に伴う製造プロセスの増大を抑制することができる。
無機微粒子の粒径は、一次粒径が5nm〜200nmであることが好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。
前記溶媒に疎水化処理された無機微粒子を、ビーズを用いた分散機、高速せん断を与える撹拌装置などを用い、あらかじめ分散したものを添加する。該無機微粒子分散液は、一次粒子径まで分散されていることが好ましい。
添加量はトナーに対し0.1重量%から5重量%が好ましくさらに好ましくは0.5%か2%である。
<結着樹脂>
前記結着樹脂は、低温定着性向上の為に低軟化点にした際にも、他の樹脂に比べ対衝撃性に優れるため、トナーの耐ストレスを向上させることができ、かつ分に分子構造中に親水基を有し、比較的極性が高いため、水系媒体との親和性に優れ、より表面平滑化を達成しやすい。良好な低温定着性が得られることから、ポリエステル樹脂が好ましい。
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、ポリエステル樹脂の分子量、構成モノマーなどが、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ポリエステル樹脂は、多価アルコールと多価カルボン酸を脱水縮合することにより得られる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルを付加することにより得られる2価のアルコール等が挙げられる。
なお、ポリエステル樹脂を架橋させるためには、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等の3価以上のアルコールを併用することが好ましい。
ここで、ポリエステル樹脂の分子量分布は、例えば、THFを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
また、離型剤の融点が、60℃未満である場合、トナーの高温保存性が劣る場合があり、得られる画像を劣化させる恐れがある。
前記離型剤の中でも、本発明の離型剤としては、パラフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の炭化水素系ワックスが好ましい。前記炭化水素系ワックスは、本発明の定着補助成分との相溶性が低いため、互いの機能を損なうことなく独立して作用することができるため、十分な低温定着性を得ることができる。
本発明のトナーは、低温定着性及び耐オフセット性に優れ、長期に亘り、高品位な画像を形成することができる。したがって、本発明のトナーは、各種分野で使用することができ、特に、電子写真法による画像形成に使用することが好ましい。
前記トナーの製造方法としては、水系媒体中での表面平滑化処理工程を含む限りは、従来公知のトナーの製造方法の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法等が挙げられる。その中でもトナー材料が分散溶媒である水との親和性を有する為、加熱によりトナー表面の平滑化をより達成しやすく、そもそもの製造過程において、トナーが水系媒体に分散されている状態を含み、かつ界面活性剤を除去する工程を含むため、表面処理工程に伴う製造プロセスの増大を抑制することができる点から、重合法、溶解懸濁法が好ましい。
前記混練・粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂、離型剤、及び定着補助成分を含有するトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、株式会社池貝製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行なうことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行なわれ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
前記重合法によるトナーの製造方法としては、例えば、有機溶媒中に少なくともウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂、離型剤、及び定着助剤を含むトナー材料を溶解乃至分散させる。そして、この溶解乃至分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去し、界面活性剤等を洗浄して得られる。
前記3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えばエタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えばアミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えばアミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)の中でも、(B1)及び(B1)と少量の(B2)の混合物が特に好ましい。
本発明のトナーは、水系媒体中にトナーが分散されてなるトナー分散液を加熱するトナー表面平滑化工程を含む。粉砕法、噴霧造粒法により作成されたトナーでは、水系媒体中に界面活性剤を添加した後、トナーを加え高速せん断分散機にて分散させることでトナー分散液を得ることができる。重合法では、洗浄工程において、トナー分散液中の界面活性剤量を本発明における界面活性剤濃度である臨界ミセル濃度の10倍以下に調整した後、表面処理工程を実施することが好ましい。
水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などを用いることができるが、これらの中でも、水が特に好ましい。水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などを用いることができる。アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。また、低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の現像剤を二成分現像剤として用いると、長期に亘るトナーの収支が行なわれても、トナーの粒径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
二成分現像剤中のキャリアの含有量は、90〜98重量%であることが好ましく、93〜97重量%がさらに好ましい。
キャリアは、特に限定されないが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有することが好ましい。
芯材は、体積平均粒径(D50)が10〜150μmであることが好ましく、20〜80μmがさらに好ましい。(D50)が10μm未満であると、キャリアの粒径分布において、微粉が多くなるため、1粒子当たりの磁化が低下して、キャリアの飛散が生じることがある。一方、(D50)が150μmを超えると、キャリアの比表面積が低下して、トナーの飛散が生じることがある。その結果、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現性が低下することがある。
樹脂層は、例えば、シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布液を調製した後、公知の塗布方法により、芯材の表面に塗布液を塗布して、乾燥及び焼付を行なうことにより形成することができる。塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法等が挙げられる。また、溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート等が挙げられる。さらに、焼付方法としては、外部加熱方式及び内部加熱方式のいずれであってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロ波を用いる方法等が挙げられる。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができる。
また、容器本体の大きさ、形状、構造、材質等は、特に限定されないが、形状は、円筒状等であることが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより、内容物である現像剤が排出口側に移行することが可能であり、スパイラル状の凹凸の一部又は全てが蛇腹機能を有することが特に好ましい。さらに、材質は、特に限定されないが、寸法精度がよいものであることが好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
本発明のフルカラー画像形成方法は、電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録材上に転写する二次転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを備えている。そして、現像工程において使用するトナーが、上述の本発明の製造方法で製造されたトナーである。本発明のフルカラー画像形成方法は、二次転写工程において、トナー像の記録材への転写の線速度は300〜1000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間は0.5〜20msecとすることが好ましい。また、本発明のフルカラー画像形成方法は、タンデム方式の電子写真画像形成プロセスを採用することが好ましい。
本発明の画像形成方法において使用される帯電装置としては、例えば図1及び図2に示した接触式の帯電装置を用いることができる。
<ローラ式帯電装置>
図1に接触式帯電装置の一種であるローラ式帯電装置(500)の一例の概略構成を示した。被帯電体である像担持体としての感光体(505)は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体(505)に接触させた帯電部材である帯電ローラ(501)は芯金(502)とこの芯金(502)の外周に同心一体にローラ上に形成した導電ゴム層(503)を基本構成とし、芯金の両端を不図示の軸受け部材などで回転自由に保持させるとともに、不図示の加圧手段によって感光ドラムに所定の加圧力で押圧させており、本図の場合はこの帯電ローラ(501)は感光体(505)の回転駆動に従動して回転する。帯電ローラ(501)は、直径9mmの芯金上に100,000Ω・cm程度の中抵抗の導電ゴム層(503)を被膜して直径16mmに形成されている。帯電ローラ(501)の芯金(502)と図示の電源(504)とは電気的に接続されており、電源(504)により帯電ローラ(501)に対して所定のバイアスが印加される。これにより感光体(505)の周面が所定の極性、電位に一様に帯電処理される。
本発明で使われる帯電装置の形状としてはローラ式帯電装置の他にも、磁気ブラシ式帯電装置、ファーブラシ式帯電装置など、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシ式帯電装置を用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。また、ファーブラシ式帯電装置を用いる場合、例えばファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属、および金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電装置とする。
図2は、磁気ブラシ式帯電装置の例の概略構成を示した図でもある。被帯電体、像担持体としての感光体(515)は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体(515)に対して、磁気ブラシによって構成されるブラシローラ(511)が、ブラシ部(513)の弾性に抗して所定の押圧力をもって所定のニップ幅で接触させてある。
平均粒径:25μmのZn−Cuフェライト粒子と、平均粒径10μmのZn−Cuフェライト粒子を、重量比1:0.05で混合して、それぞれの平均粒径の位置にピークを有する、平均粒径25μmのフェライト粒子を、中抵抗樹脂層でコートした磁性粒子を用いた。接触帯電部材は、上述で作成された被覆磁性粒子、および、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成され、上記被覆磁性粒子をスリーブ上に、厚さ1mmでコートして、感光体との間に幅約5mmの帯電ニップを形成した。また、該磁性粒子保持スリーブと感光体との間隙は、約500μmとした。さらに、マグネットロールは、スリーブ表面が、感光体表面の周速に対して、その2倍の速さで逆方向に摺擦するように、回転され、感光体と磁気ブラシとが均一に接触するようにした。
本発明において感光体の潜像を現像するに際しては、交互電界を印加することが好ましい。図3に示した現像器(600)において、現像時、現像スリーブ(601)には、電源(602)により現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。背景部電位と画像部電位は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって現像部(603)に向きが交互に変化する交互電界が形成される。この交互電界中で現像剤のトナーとキャリアが激しく振動し、トナー(605)が現像スリーブ(601)およびキャリアへの静電的拘束力を振り切って感光体(604)に飛翔し、感光体の潜像に対応して付着する。なお、トナー(605)は、上述の本発明の製造方法で製造されたトナーである。
本発明の画像形成方法において使用される定着装置としては、例えば図4に示した定着装置を用いることができる。図4に示す定着装置は、誘導加熱手段(760)の電磁誘導により加熱される加熱ローラ(710)と、加熱ローラ(710)と平行に配置された定着ローラ(720)(対向回転体)と、加熱ローラ(710)と定着ローラ(720)とに張り渡され、加熱ローラ(710)により加熱されるとともに少なくともこれらの何れかのローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の定着ベルト(耐熱性ベルト、トナー加熱媒体)(730)と、定着ベルト(730)を介して定着ローラ(720)に圧接されるとともに定着ベルト(730)に対して順方向に回転する加圧ローラ(740)(加圧回転体)とから構成されている。
・基体(731):ポリイミド(PI)樹脂などの樹脂層
・発熱層(732):Ni,Ag,SUS等の導電材料層
・中間層(733):均一定着のための弾性層
・離型層(734):離型効果とオイルレス化のための弗素樹脂材料等の樹脂層
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録材上に定着させる定着手段定着工程と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体又は記録材上に転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置における各手段のうち、少なくとも電子写真感光体、及び現像手段を含む上記手段を一体に支持して画像形成装置本体に着脱自在としたものである。そして、現像手段には、上述の本発明の製造方法によって製造したトナーを備えている。現像手段及び帯電手段としては、上述の現像装置及び帯電装置が好適に使用できる。
本発明のフルカラー画像形成方法において使用されるフルカラー画像形成装置としては、例えば図7、図8に示したタンデム方式の画像形成装置(100)を用いることができる。図7において、画像形成装置(100)は電子写真方式によるカラー画像形成を行なうための画像書込部(120Bk、120C、120M、120Y)、画像形成部(130Bk、130C、130M、130Y)、給紙部(140)から主に構成されている。画像信号を元に、画像処理部(図示せず)で画像処理を行ない、画像形成用の黒(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色信号に変換し、画像書込部(120Bk、120C、120M、120Y)に送信する。画像書込部(120Bk、120C、120M、120Y)は、例えば、レーザー光源、回転多面鏡等の偏向器、走査結像光学系及びミラー群(いずれも図示せず)からなるレーザー走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部(130Bk、130C、130M、130Y)に各色信号に応じた画像書込を行なう。
(環境下での帯電の特性)
常温常湿(温度20℃、湿度50%)で一定の条件で特定のキャリアと撹拌帯電させる。この初期の帯電量を求めておき、高温高湿下(30℃、90%)に絶縁性容器に開放保管し24時間後の帯電量を測定した。
水系媒体に対する界面活性剤の臨界ミセル濃度は、表面張力法、電気伝導度法、色素法等により求めることができる。
例えば表面張力計Sigma(KSV Instruments社製)を用いて測定し、Sigmaシステム中の解析プログラムを用いて解析を行なった。界面活性剤を水系媒体に対して0.01wt%ずつ滴下し、攪拌、静置後の界面張力を測定した。得られた表面張力カーブから、界面活性剤の滴下によっても界面張力が低下しなくなる界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度として算出した。
トナー分散液中の界面活性剤濃度の測定としては、例えば以下の方法で行なうことができる。トナー分散液で使用している界面活性剤を水系媒体に0.01wt%ずつ滴下し、その際の電気伝導度を測定し、界面活性剤の検量線を作成する。トナー分散液の電気伝導度を測定し、得られた検量線より、トナー分散液中での界面活性剤濃度を算出することができる。
トナー粒子のBET比表面積は自動比表面積/細孔分布測定装置(TriStar3000:島津製作所製)を用いて計測した。サンプルセルに試料を約0.5g秤量し、これを前処理スマートプレップ(島津製作所製)にて24時間真空乾燥させ、試料表面の不純物、水分を取り除いた。前処理後のサンプルをTriStar3000にセットし、窒素ガス吸着量と相対圧の関係を求める。この関係からBET多点法によって試料のBET比表面積を求めることができる。
体積平均粒径(Dv)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Multisizer 3 Version3.51)にて解析を行なった。具体的にはガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用いて、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用いて測定を行なった。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
トナーの平均円形度は、平均円形度SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%で定義される。フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」;シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行なった。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。前記分散液を、前記FPIA−2100を用いて濃度を5000〜15000個/μlが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5000〜15000個/μlにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、すなわち添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分にぬらすことができないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径のより異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3〜7μmの場合、トナー量を0.1〜0.5g添加することにより分散液濃度を5000〜15000個/μlにあわせることが可能となる。
ここで、前記トナーのガラス転移温度(Tg)は、例えばDSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所製)を用いて測定することができる。
まず、ポリエステル樹脂約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱した。その後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)により、DSC曲線を計測した。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時におけるDSC曲線のショルダーを選択し、トナーのガラス転移温度(Tg)を算出できる。
(転写効率(%))
リコー社製のimagio MP C4500 を改造して、線速及び転写時間を調整可能にチューニングした評価機を用い、各現像剤について、A4サイズ、トナー付着量0.6mg/cm2のベタパターンをテスト画像として出力するランニング試験を行なった。テスト画像10万枚、100万枚出力後、転写効率を下記式により求めた。
なお、評価基準は下記のとおりである。
◎・・・90%以上
○・・・85%以上90%未満
△・・・80%以上85%未満
×・・・80%未満
とした。
作成した現像剤を常温常湿(温度20℃、湿度50%)でガラスの開放容器に12時間保管し、現像剤の帯電量をブローオフ法によって求めた。
この初期の帯電量を求めておき、高温高湿下(30℃、90%)で開放保管し24時間後の帯電量を同様に測定した。
帯電量の変化量を初期の帯電量で除した値(%)が減衰率である。
−ポリエステル樹脂Aの合成−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物65部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物86部、テレフタル酸274部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、230℃で15時間反応させた。次に、5〜10mmHgの減圧下、6時間反応させて、ポリエステル樹脂を合成した。得られたポリエステル樹脂Aは、数平均分子量(Mn)が2,300、重量平均分子量(Mw)が8,000、ガラス転移温度(Tg)が58℃、酸価が25mgKOH/g、水酸基価が35mgKOH/gであった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン30質量部及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行ない、ケチミン化合物(前記活性水素基含有化合物)を合成した。
得られたケチミン化合物(前記活性水素機含有化合物)のアミン価は423であった。
水1,000部、DBP吸油量が42mL/100g、pHが9.5のカーボンブラックPrintex35(デグサ社製)540部、及び1,200部のポリエステル樹脂Aを、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。次に、二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを作製した。
イオン交換水306部、リン酸三カルシウムの10質量%懸濁液265部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0部を混合撹拌し、均一に溶解させて、水系媒体を調製した。また水系媒体に対するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの臨界ミセル濃度を表面張力計Sigmaで測定を行なったところ、水系媒体の重量に対して0.05wt%であった。
ビーカー内に、ポリエステル樹脂Aを70部、プレポリマーを10質量部及び酢酸エチル100部を入れ、攪拌して溶解させた。離型剤としてパラフィンワックス5部(日本精鑞社製 HNP−9 融点75℃)、MEK−ST(日産化学工業社製)2部、及びマスターバッチ10部を加えて、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスクの周速度6m/秒で、粒径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスした後、前記ケチミン2.7質量部を加えて溶解させ、トナー材料液を調製した。
前記水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間脱溶剤した。
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行なった。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行なった。更に得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られたろ過ケーキを一部乾燥し、トナーのTgを測定したところ、62℃であった。
上記洗浄により得られた濾過ケーキに、イオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した際のトナー分散液の電気伝導度を測定し、事前に作成した界面活性剤濃度の検量線より、トナー分散液の界面活性剤濃度を算出した。その値から、界面活性剤濃度が、臨界ミセル濃度の8倍になるように、イオン交換水を追加し、トナー分散液を得た。
カチオン性フッ素活性剤、メガファックF−150(大日本インキ社製)のイオン交換水1%水溶液を作成した。
所定の界面活性剤濃度に調整されたトナー分散液にトナー固形分量に対し0.3%のカチオン性フッ素界面活性剤溶液を添加し、TK式ホモミキサーで5000rpmで混合しながら、ウォーターバスで加熱温度T1=55℃で10時間加熱を行なった。
その後トナー分散液を25℃まで冷却し、濾過を行なった。更に得られた濾過ケーキに、イオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、実施例1のトナー母体粒子を得た。
さらに、トナー母体粒子を100重量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ(H 2000:クラリアント社製)0.6重量部と、平均粒径20nmの酸化チタン(MT 150:テイカ社製)1.0重量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を0.8部とをヘンシェルミキサーにて混合し、実施例1のトナーを得た。
本分散液をカチオン性フッ素活性剤の替わりに、表面処理工程において分散液としてトナー固形分量に対し0.7重量%添加した以外は、実施例6と同様にして、実施例9のトナーを作成した。
本分散液をカチオン性フッ素活性剤の替わりに、表面処理工程において分散液としてトナー固形分量に対し1.0重量%添加した以外は、実施例6と同様にして、実施例10のトナーを作成した。
本分散液をカチオン性フッ素活性剤の替わりに、表面処理工程において分散液としてトナー固形分量に対し2.0重量%添加した以外は、実施例6と同様にして、実施例11のトナーを作成した。
実施例6中の表面処理工程におけるフッ素界面活性剤を使用しなかった以外は、実施例6と同様にして、比較例1のトナーを作成した。
実施例6中の表面処理工程におけるフッ素界面活性剤を使用せず、界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度の0.1倍に減量した以外は、実施例6と同様にして、比較例2のトナーを作成した。
本分散液をカチオン性フッ素活性剤の替わりに、表面処理工程において分散液としてトナー固形分量に対し1.0重量%添加し、界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度の0.1倍に減量した以外は、実施例6と同様にして、実施例13のトナーを作成した。
トルエン100部に、シリコーン樹脂オルガノストレートシリコーン100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
ボールミルを用いて、トナー5部とキャリア95部を混合し、現像剤を作製した。
上記のようにして得られた実施例1〜13のトナーと、比較例1〜2のトナーの製造条件の一覧を表1に、得られたトナーの各種物性値、得られた現像剤の評価結果を表2に示す。
500 ローラ式帯電装置
501 帯電ローラ
502 芯金
503 導電ゴム層
504 電源
505 感光体
(図2の符号)
510 ブラシ式帯電装置
511 ブラシローラ(ファーブラシローラ又は磁気ブラシローラ)
512 芯金
513 ブラシ部
514 電源
515 感光体
(図3の符号)
600 現像装置
601 現像スリーブ
602 電源
603 現像部
604 感光体
605 トナー
(図4、5の符号)
700 定着装置
710 加熱ローラ
720 定着ローラ(対向回転体)
721 芯金
722 弾性部材
730 定着ベルト(耐熱性ベルト、トナー加熱媒体)
731 基体
732 発熱層
733 中間層
734 離型層
740 加圧ローラ(加圧回転体)
741 芯金
742 弾性部材
750 温度検知部材
760 誘導加熱手段
761 励磁コイル
762 コイルガイド板
763 励磁コイルコア
764 励磁コイルコア支持部材
770 記録媒体
A ベルトの回転方向
N 定着ニップ部
W1 接触部位
T トナー像
(図6の符号)
800 プロセスカートリッジ
801 感光体
802 帯電手段
803 現像手段
804 トナー
805 現像ローラ
806 クリーニング手段
(図7の符号)
100 画像形成装置
120Bk 画像書込部(黒)
120C 画像書込部(シアン)
120M 画像書込部(マゼンダ)
120Y 画像書込部(イエロー)
130Bk 画像形成部(黒)
130C 画像形成部(シアン)
130M 画像形成部(マゼンダ)
130Y 画像形成部(イエロー)
140 給紙部
150 定着装置
160 レジストローラ対
170 2次転写ローラ
180 転写ベルト
200Bk 現像装置(黒)
200C 現像装置(シアン)
200M 現像装置(マゼンダ)
200Y 現像装置(イエロー)
210Bk 感光体(黒)
210C 感光体(シアン)
210M 感光体(マゼンダ)
210Y 感光体(イエロー)
215Bk 帯電装置(黒)
215C 帯電装置(シアン)
215M 帯電装置(マゼンダ)
215Y 帯電装置(イエロー)
220 中間転写ベルト
230Bk 1次転写装置(黒)
230C 1次転写装置(シアン)
230M 1次転写装置(マゼンダ)
230Y 1次転写装置(イエロー)
241 導電性ローラ
242 導電性ローラ
243 導電性ローラ
250Bk トナー移送管(黒)
250C トナー移送管(シアン)
250M トナー移送管(マゼンダ)
250Y トナー移送管(イエロー)
260 中間転写ベルトクリーニング装置
261 導電性ファーブラシ
262 導電性ファーブラシ
300Bk クリーニング装置(黒)
300C クリーニング装置(シアン)
300M クリーニング装置(マゼンダ)
300Y クリーニング装置(イエロー)
(図8の符号)
10 中間転写体
14 第1の支持ローラ
15 第2の支持ローラ
16 第3の支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成装置
21 露光手段
22 2次転写手段
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40、40Y、40C、40M 感光体
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
50 給紙ローラ
51 手差しトレイ
52 分離ローラ
53 給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
62 1次転写装置
100 画像形成装置
110 画像形成装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (11)
- 着色粒子を表面処理してトナーを得るトナーの製造方法であって、少なくとも、造粒された着色粒子を水系媒体中に分散して着色粒子分散液を調整する工程、及び、前記着色粒子分散液を加熱する表面処理工程を含むものであり、前記表面処理工程における前記着色粒子分散液は、界面活性剤を該界面活性剤の臨界ミセル濃度の10倍以下含み、かつトナー疎水性付与剤が存在するものであり、前記表面処理工程における加熱温度(T1)がトナーバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)−10(℃)以上であることを特徴とするトナーの製造方法。
- 前記トナー疎水性付与剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 前記フッ素系界面活性剤の極性が、着色粒子分散液中の界面活性剤の極性と逆極性であることを特徴とする請求項2に記載のトナーの製造方法。
- 前記トナー疎水性付与剤が表面を疎水化処理した無機微粒子であることを特徴とする請求項1または3に記載のトナーの製造方法。
- 前記表面を疎水化処理した無機微粒子が、シリカ、酸化チタン、アルミナから選ばれる微粒子に有機珪素化合物を表面に付着させ疎水化処理した無機微粒子であることを特徴とする請求項3または4に記載のトナーの製造方法。
- 前記表面を疎水化処理した無機微粒子を水系媒体と相分離しない有機溶媒に平均粒子径100nm以下に分散し、該無機微粒子含有有機溶媒を前記着色粒子分散液に添加することを特徴とする請求項4または5に記載のトナーの製造方法。
- 前記水系媒体中に分散されてなる着色粒子分散液製造工程が変性されていないポリエステル樹脂、ウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル樹脂、アミン化合物、着色剤、離型剤を含むトナー材料を有機溶媒中へ溶解乃至分散させ、該溶解乃至分散物を水系媒体中へ分散させ造粒することによって製造することを特徴とする請求項1乃至6いずれか1に記載のトナーの製造方法。
- 前記トナーの体積平均粒径が1.0μm以上6.0μm未満であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1に記載のトナーの製造方法。
- 電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録材上に転写する二次転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを備え、前記現像工程におけるトナーが請求項1乃至8のいずれか1に記載の製造方法で製造されたトナーであることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
- 電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録材上に定着させる定着手段定着工程と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体又は記録材上に転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置における各手段のうち、少なくとも前記電子写真感光体及び請求項1乃至8のいずれか1に記載の製造方法によって製造したトナーを備えた前記現像手段を、一体に支持して画像形成装置本体に着脱自在としたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 前記帯電手段、前記転写手段及び前記クリーニング手段から選ばれる少なくとも一つの手段をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のプロセスカートリッジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009210460A JP5440842B2 (ja) | 2009-09-11 | 2009-09-11 | トナーの製造方法及び画像形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009210460A JP5440842B2 (ja) | 2009-09-11 | 2009-09-11 | トナーの製造方法及び画像形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011059491A JP2011059491A (ja) | 2011-03-24 |
JP5440842B2 true JP5440842B2 (ja) | 2014-03-12 |
Family
ID=43947172
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009210460A Expired - Fee Related JP5440842B2 (ja) | 2009-09-11 | 2009-09-11 | トナーの製造方法及び画像形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5440842B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6092051B2 (ja) * | 2013-08-30 | 2017-03-08 | 株式会社沖データ | 現像剤、現像剤製造方法、現像剤収容体、現像装置及び画像形成装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4974539B2 (ja) * | 2006-02-13 | 2012-07-11 | 株式会社リコー | 非磁性一成分現像方式及び現像装置 |
-
2009
- 2009-09-11 JP JP2009210460A patent/JP5440842B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011059491A (ja) | 2011-03-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5510026B2 (ja) | トナー、並びに、現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び画像形成装置 | |
JP5692579B2 (ja) | トナーの製造方法並びにトナー及びこれを用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ | |
JP5444701B2 (ja) | トナー、並びに、該トナーを用いたフルカラー画像形成方法及びプロセスカートリッジ | |
JP2010008734A (ja) | トナー並びにこれを用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ | |
JP5387946B2 (ja) | 水系媒体中での表面平滑化トナーの製造方法 | |
JP2013156430A (ja) | トナー、及び画像形成装置 | |
JP2012008354A (ja) | 電子写真用トナーの製造方法、トナー及びフルカラー画像形成方法、フルカラー画像形成装置 | |
JP2009109661A (ja) | トナーの製造方法並びに画像形成方法及びプロセスカートリッジ | |
JP2012137717A (ja) | トナー、及びその製造方法、該トナーを用いる現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置、画像形成方法 | |
JP5387071B2 (ja) | トナー、トナーの製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ | |
JP5982838B2 (ja) | 電子写真用トナー、該トナーを用いた現像剤、及び画像形成方法 | |
JP5948807B2 (ja) | トナー | |
JP5928791B2 (ja) | トナー | |
JP2010244033A (ja) | 静電荷像現像用トナー及び画像形成装置 | |
JP2012177827A (ja) | トナー、このトナーを用いたフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置 | |
JP5534387B2 (ja) | 電子写真用ブラックトナー、2成分現像剤及び画像形成方法 | |
JP5423226B2 (ja) | トナーの製造方法 | |
JP5625754B2 (ja) | 水系媒体中での表面平滑化トナーの製造方法 | |
JP5440842B2 (ja) | トナーの製造方法及び画像形成方法 | |
JP2011128349A (ja) | トナー、並びに該トナーを用いた画像形成方法及び画像形成装置 | |
JP5494072B2 (ja) | トナー、並びに該トナーを用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ | |
JP5458852B2 (ja) | トナー並びにこれを用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ | |
JP5439709B2 (ja) | 画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ | |
JP2015176038A (ja) | トナー | |
JP5581944B2 (ja) | トナー及びその製造方法、並びに、現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120705 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130822 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130905 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131031 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131121 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131204 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5440842 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |