JPWO2017057475A1 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
Description
(トナーの基本構成)
静電潜像現像用トナーが、トナーコア及びシェル層を備えるトナー粒子を、複数含む。トナーコアは、ポリエステル樹脂を含有する。シェル層は、個数平均1次粒子径30nm以上70nm未満かつガラス転移点80℃未満の複数の第1樹脂粒子と、個数平均1次粒子径70nm以上200nm以下かつガラス転移点80℃以上の複数の第2樹脂粒子とを含む。トナーコアの表面積に対して第1樹脂粒子が覆うトナーコアの面積(以下、第1シェル被覆面積と記載する)の割合(以下、第1シェル被覆率と記載する)は40%以上80%以下である。複数の第1樹脂粒子の総質量に対する複数の第2樹脂粒子の総質量の比率(以下、第2/第1シェル比率と記載する)は0.5以上2.0以下である。
トナー粒子(特に、トナーコア又はシェル層)を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂を好適に使用できる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)も、トナー粒子を構成する熱可塑性樹脂として好適に使用できる。
(結着樹脂)
トナーコアでは、一般的に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、水酸基価、酸価、Tg、又はTm等)を調整することができる。例えば、結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナーコアはアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基又はアミド基を有する場合には、トナーコアはカチオン性になる傾向が強くなる。結着樹脂が強いアニオン性を有するためには、結着樹脂の水酸基価及び酸価がそれぞれ10mgKOH/g以上であることが好ましい。
トナーコアは、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナーコアは、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーコアのアニオン性を強めるためには、アニオン性を有するワックスを用いてトナーコアを作製することが好ましい。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
トナーコアは、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナーコアは、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれら金属の1種以上を含む合金等)、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、又は二酸化クロム等)、又は強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)を好適に使用できる。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
本実施形態に係るトナーは、前述の基本構成を有する。シェル層は、第1樹脂粒子と第2樹脂粒子とを含む。第1樹脂粒子及び第2樹脂粒子はそれぞれ、実質的に熱可塑性樹脂(より具体的には、前述の「好適な熱可塑性樹脂」等)から構成されていてもよい。
トナー母粒子の表面に、外添剤として無機粒子を付着させてもよい。外添剤は、例えばトナーの流動性又は取扱性を向上させるために使用される。トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の量が、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。また、トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の粒子径は0.01μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
以下、前述の基本構成を有するトナーを製造する方法の一例について説明する。
好適なトナーコアを容易に得るためには、凝集法又は粉砕法によりトナーコアを製造することが好ましく、粉砕法によりトナーコアを製造することがより好ましい。
まず、水性媒体(例えば、イオン交換水)を準備する。シェル層形成時におけるトナーコア成分(特に、結着樹脂及び離型剤)の溶解又は溶出を抑制するためには、水性媒体中で第1樹脂層(第1樹脂粒子及び第3樹脂粒子を含む層)を形成することが好ましい。水性媒体は、水を主成分とする媒体(より具体的には、純水、又は水と極性媒体との混合液等)である。水性媒体は溶媒として機能してもよい。水性媒体中に溶質が溶けていてもよい。水性媒体は分散媒として機能してもよい。水性媒体中に分散質が分散していてもよい。水性媒体中の極性媒体としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール又はエタノール等)を使用できる。
示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて、試料(例えば、樹脂)の吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)を求めた。続けて、得られた吸熱曲線から試料のTg(ガラス転移点)を読み取った。得られた吸熱曲線中の比熱の変化点(ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点)の温度が、試料のTg(ガラス転移点)に相当する。
高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)に試料(例えば、樹脂)をセットし、ダイス細孔径1mm、プランジャー荷重20kg/cm2、昇温速度6℃/分の条件で、1cm3の試料を溶融流出させて、試料のS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)を求めた。続けて、得られたS字カーブから試料のTmを読み取った。S字カーブにおいて、ストロークの最大値をS1とし、低温側のベースラインのストローク値をS2とすると、S字カーブ中のストロークの値が「(S1+S2)/2」となる温度が、試料のTm(軟化点)に相当する。
(トナーコアの作製)
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(詳しくは、ビスフェノールAを骨格にしてエチレンオキサイドを付加したアルコール)に、多官能基を有する酸(詳しくは、テレフタル酸)を反応させることにより、ポリエステル樹脂(トナーコアの結着樹脂)を合成した。得られたポリエステル樹脂に関して、水酸基価は20mgKOH/g、酸価は40mgKOH/g、Tmは90℃、Tgは49℃、SP値は11.2であった。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内に約30℃のイオン交換水815.0mLとカチオン界面活性剤(花王株式会社製「コータミン(登録商標)24P」、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド25質量%水溶液)75mLとを入れた。その後、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を80℃に昇温させた。続けて、80℃のフラスコ内容物に2種類の液(第1の液及び第2の液)をそれぞれ5時間かけて滴下した。第1の液は、スチレン68.0mLと、アクリル酸ブチル12.0mLとの混合液であった。第2の液は、過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水30mLに溶かした溶液であった。続けて、フラスコ内の温度を80℃にさらに2時間保って、フラスコ内容物を重合させた。その結果、第1樹脂粒子を含むサスペンションA1(固形分濃度8.0質量%)が得られた。得られたサスペンションA1に含まれる樹脂微粒子(第1樹脂粒子)に関して、個数平均1次粒子径は31nm、Tgは71℃であった。
サスペンションA2の調製方法は、各材料の添加量に関して、イオン交換水の815.0mLを870.6mL、カチオン界面活性剤(コータミン24P)の75mLを20mL、スチレンの68.0mLを70.2mL、アクリル酸ブチルの12.0mLを9.2mLにそれぞれ変更した以外は、サスペンションA1の調製方法と同じであった。得られたサスペンションA2に含まれる樹脂微粒子(第1樹脂粒子)に関して、固形分濃度7.7質量%であり、個数平均1次粒子径は67nm、Tgは77℃であった。
サスペンションA3の調製方法は、各材料の添加量に関して、イオン交換水の815.0mLを871.2mL、カチオン界面活性剤(コータミン24P)の75mLを20mL、スチレンの68.0mLを72.8mL、アクリル酸ブチルの12.0mLを6.0mLにそれぞれ変更した以外は、サスペンションA1の調製方法と同じであった。得られたサスペンションA3に含まれる樹脂微粒子(第1樹脂粒子)に関して、固形分濃度8.0質量%であり、個数平均1次粒子径は67nm、Tgは84℃であった。
サスペンションA4の調製方法は、各材料の添加量に関して、イオン交換水の815.0mLを875.6mL、カチオン界面活性剤(コータミン24P)の75mLを15mL、スチレンの68.0mLを70.2mL、アクリル酸ブチルの12.0mLを9.2mLにそれぞれ変更した以外は、サスペンションA1の調製方法と同じであった。得られたサスペンションA4に含まれる樹脂微粒子(第1樹脂粒子)に関して、固形分濃度8.1質量%であり、個数平均1次粒子径は80nm、Tgは76℃であった。
サスペンションA5の調製方法は、各材料の添加量に関して、イオン交換水の815.0mLを880.6mL、カチオン界面活性剤(コータミン24P)の75mLを10mL、スチレンの68.0mLを70.2mL、アクリル酸ブチルの12.0mLを9.2mLにそれぞれ変更した以外は、サスペンションA1の調製方法と同じであった。得られたサスペンションA5に含まれる樹脂微粒子(第1樹脂粒子)に関して、固形分濃度8.1質量%であり、個数平均1次粒子径は97nm、Tgは77℃であった。
温度計、冷却管、窒素導入管、及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコ内をウォーターバスにセットし、フラスコ内に約30℃のイオン交換水876.2mLとカチオン界面活性剤(花王株式会社製「コータミン24P」、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド25質量%水溶液)15.0mLとを入れた。その後、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を80℃に昇温させた。続けて、80℃のフラスコ内容物に2種類の液(第1の液及び第2の液)をそれぞれ5時間かけて滴下した。第1の液は、スチレン72.8mLと、アクリル酸ブチル6.0mLとの混合液であった。第2の液は、過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水30mLに溶かした溶液であった。続けて、フラスコ内の温度を80℃にさらに2時間保って、フラスコ内容物を重合させた。その結果、第2樹脂粒子を含むサスペンションが得られた。その後、得られたサスペンション中の第2樹脂粒子を遠心分離により沈降させて、上澄み液を除去した。続けて、フラスコ内に残った第2樹脂粒子を乾燥させて、乾燥した第2樹脂粒子B1を得た。第2樹脂粒子B1に関して、個数平均1次粒子径は78nm、Tgは83℃であった。
第2樹脂粒子B2の作製方法は、各材料の添加量に関して、イオン交換水の876.2mLを882.5mL、カチオン界面活性剤(コータミン24P)の15.0mLを4.5mL、スチレンの72.8mLを73.8mL、アクリル酸ブチルの6.0mLを9.2mLにそれぞれ変更した以外は、第2樹脂粒子B1の作製方法と同じであった。第2樹脂粒子B2に関して、個数平均1次粒子径は176nm、Tgは86℃であった。
第2樹脂粒子B3の作製方法は、各材料の添加量に関して、イオン交換水の876.2mLを871.2mL、カチオン界面活性剤(コータミン24P)の15.0mLを20.0mLにそれぞれ変更した以外は、第2樹脂粒子B1の作製方法と同じであった。第2樹脂粒子B3に関して、個数平均1次粒子径は224nm、Tgは84℃であった。
第2樹脂粒子B4の作製方法は、イオン交換水の添加量を876.2mLから874.0mLに変更し、カチオン界面活性剤(コータミン24P)の添加量を15.0mLから3.0mLに変更し、第1の液として、スチレン72.8mLとアクリル酸ブチル6.0mLとの混合液に代えて、4−tert−ブチルスチレン48.6mLとメタクリル酸メチル44.4mLとの混合液を使用した以外は、第2樹脂粒子B1の作製方法と同じであった。第2樹脂粒子B4に関して、個数平均1次粒子径は172nm、Tgは132℃であった。
第2樹脂粒子B5の作製方法は、各材料の添加量に関して、イオン交換水の876.2mLを886.1mL、カチオン界面活性剤(コータミン24P)の15.0mLを4.5mL、スチレンの72.8mLを70.2mL、アクリル酸ブチルの6.0mLを9.2mLにそれぞれ変更した以外は、第2樹脂粒子B1の作製方法と同じであった。第2樹脂粒子B5に関して、個数平均1次粒子径は180nm、Tgは75℃であった。
第2樹脂粒子B6の作製方法は、各材料の添加量に関して、イオン交換水の876.2mLを871.2mL、カチオン界面活性剤(コータミン24P)の15.0mLを3.0mLにそれぞれ変更した以外は、第2樹脂粒子B1の作製方法と同じであった。第2樹脂粒子B6に関して、個数平均1次粒子径は65nm、Tgは84℃であった。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内に約30℃のイオン交換水790.0mLとカチオン界面活性剤(花王株式会社製「コータミン24P」、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド25質量%水溶液)30mLとを入れた。その後、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を80℃に昇温させた。続けて、80℃のフラスコ内容物に2種類の液(第1の液及び第2の液)をそれぞれ5時間かけて滴下した。第1の液は、メタクリル酸メチル100mLと、アクリル酸ブチル30mLと、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド(濃度75質量%水溶液)20mLとの混合液であった。第2の液は、過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水30mLに溶かした溶液であった。続けて、フラスコ内の温度を80℃にさらに2時間保って、フラスコ内容物を重合させた。その結果、第3樹脂粒子を含むサスペンションC(固形分濃度15.0質量%)が得られた。得られたサスペンションCに含まれる樹脂微粒子(第3樹脂粒子)に関して、個数平均1次粒子径は55nm、Tgは103℃であった。
温度計及び攪拌羽根を備えた3つ口フラスコを準備し、フラスコをウォーターバスにセットした。そして、フラスコ内にイオン交換水300mLを入れて、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。続けて、フラスコ内に濃度1モル/Lのp−トルエンスルホン酸水溶液を加えて、フラスコ内容物のpHを4に調整した。
上記のようにして得られた第1被覆粒子の分散液をろ過(固液分離)して、第1被覆粒子を得た。その後、得られた第1被覆粒子をイオン交換水に再分散させた。さらに、分散とろ過とを繰り返して、第1被覆粒子を洗浄した。
続けて、得られた第1被覆粒子を、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させた。これにより、第1被覆粒子のスラリーが得られた。続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中の第1被覆粒子を乾燥させた。その結果、乾燥した第1被覆粒子(粉体)が得られた。
上記乾燥後、トナー母粒子に外添を行った。詳しくは、UMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、トナー母粒子100質量部と正帯電性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA90」)1.5質量部とを5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子)を付着させた。その後、得られたトナーを、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、多数のトナー粒子を含むトナー(トナーTA−1〜TH−3)が得られた。
試料(トナー)をルテニウムにより染色した。そして、染色された試料中のトナー粒子を、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)(日本電子株式会社製「JSM−7600F」)を用いて観察し、トナー粒子の反射電子像を得た。樹脂の種類によってルテニウム染色の進行速度が異なる。例えば、ポリエステル樹脂とスチレン−アクリル酸系樹脂とでは、ルテニウム染色の進行速度が大きく異なる。このため、得られた反射電子像(詳しくは、トナー粒子の表面の反射電子像)においては、トナーコアと第1樹脂粒子との間にコントラスト(輝度の差)が生じ、トナーコア及び第1樹脂粒子の各々を認識することが可能になる。画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて、各画素の輝度値に基づく2値化処理を行うことにより、2値化画像を得た。続けて、得られた2値化画像において、トナーコアの表面のうち第1樹脂粒子に覆われている部分の面積(以下、面積A1と記載する)と、トナーコアの全面積(以下、面積A2と記載する)とを計測した。そして、式「第1シェル被覆率=100×面積A1/面積A2」に基づいて、第1シェル被覆率を求めた。
各試料(トナーTA−1〜TH−3)の評価方法は、以下の通りである。
試料(トナー)3gを容量20mLのポリエチレン製容器に入れて密閉し、密閉された容器にタッピング処理を5分間行った。その後、容器を、所定の温度(55℃又は58℃)に設定された恒温槽内に3時間静置した。続けて、恒温槽内の容器を20℃まで冷却した後、恒温槽から容器を取り出した。その結果、評価用トナーが得られた。
凝集率=100×篩別後のトナーの質量/篩別前のトナーの質量
◎(非常に良い):温度55℃及び温度58℃のいずれの試験でも、凝集率が20質量%以下であった。
○(良い):温度58℃の試験では凝集率が20質量%超であり、温度55℃の試験では凝集率が20質量%以下であった。
×(悪い):温度55℃及び温度58℃のいずれの試験でも、凝集率が20質量%超であった。
フェライトキャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「FS−C5100DN」用キャリア)100質量部と、試料(トナー)11質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、評価用現像剤を得た。
ID変化量=初期のID−耐刷試験後のID
◎(非常に良い):ID変化量が0.1未満であった。
○(良い):ID変化量が0.1以上0.2未満であった。
×(悪い):ID変化量が0.2以上であった。
評価機として、Roller−Roller方式の加熱加圧型の定着装置(ニップ幅8mm)を有するプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5250DN」を改造して定着温度を変更可能にした評価機)を用いた。フェライトキャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「FS−C5100DN」用キャリア)100質量部と、試料(トナー)11質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、評価用現像剤を得た。調製した評価用現像剤を評価機の現像装置に投入し、試料(補給用トナー)を評価機のトナーコンテナに投入した。
◎(非常に良い):最低定着温度が134℃以下であった。
○(良い):最低定着温度が134℃超144℃以下であった。
×(悪い):最低定着温度が144℃超であった。
トナーTA−1〜TH−3の各々についての評価結果(耐熱保存性:凝集率、画像濃度維持性:ID変化量、低温定着性:最低定着温度)を、表3に示す。なお、評価は、耐熱保存性、画像濃度維持性、低温定着性の順に行い、評価結果が悪かった場合には、その時点で評価を終了した。表3中の「−」は、その評価項目について評価しなかったことを意味する。
Claims (8)
- ポリエステル樹脂を含有するコアと、前記コアの表面に形成されたシェル層とを備えるトナー粒子を、複数含む静電潜像現像用トナーであって、
前記シェル層は、個数平均1次粒子径30nm以上70nm未満かつガラス転移点80℃未満の複数の第1樹脂粒子と、個数平均1次粒子径70nm以上200nm以下かつガラス転移点80℃以上の複数の第2樹脂粒子とを含み、
前記コアの表面積に対して前記第1樹脂粒子が覆う前記コアの面積の割合は40%以上80%以下であり、
前記複数の第1樹脂粒子の総質量に対する前記複数の第2樹脂粒子の総質量の比率は0.5以上2.0以下である、静電潜像現像用トナー。 - 前記第1樹脂粒子及び前記第2樹脂粒子はそれぞれ、実質的にスチレン−アクリル酸系樹脂から構成される、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記複数の第1樹脂粒子及び前記複数の第2樹脂粒子は、前記コア側から、前記第1樹脂粒子、前記第2樹脂粒子の順に積み重なっている、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記コアは、粉砕コアであり、
前記コアに含有される前記ポリエステル樹脂のガラス転移点は50℃以下であり、
前記第1樹脂粒子のガラス転移点は65℃以上であり、
前記第1樹脂粒子は、前記コアの表面において前記ポリエステル樹脂に融着しており、
前記第1樹脂粒子上に位置する前記第2樹脂粒子は、主にファンデルワールス力により前記第1樹脂粒子に付着している、請求項3に記載の静電潜像現像用トナー。 - 前記第1樹脂粒子及び前記第2樹脂粒子はそれぞれ電荷制御剤を含有せず、
前記シェル層は、それぞれ電荷制御剤を含有する複数の第3樹脂粒子をさらに含み、
前記シェル層は、前記複数の第1樹脂粒子及び前記複数の第3樹脂粒子を含む第1樹脂層と、前記複数の第2樹脂粒子を含む第2樹脂層とを含み、
前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層は、前記コア側から、前記第1樹脂層、前記第2樹脂層の順に積層されている、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。 - 前記第1樹脂粒子及び前記第2樹脂粒子はそれぞれ、実質的にスチレン−アクリル酸系樹脂から構成され、
前記第3樹脂粒子は、(メタ)アクリロイル基含有4級アンモニウム化合物に由来する繰返し単位を有する樹脂から実質的に構成される、請求項5に記載の静電潜像現像用トナー。 - 前記コアは、粉砕コアであり、
前記コアに含有される前記ポリエステル樹脂のガラス転移点は50℃以下であり、
前記第1樹脂粒子のガラス転移点は65℃以上であり、
前記第3樹脂粒子のガラス転移点は65℃以上であり、
前記第1樹脂粒子及び前記第3樹脂粒子はそれぞれ、前記コアの表面において前記ポリエステル樹脂に融着しており、
前記第1樹脂粒子上に位置する前記第2樹脂粒子は主にファンデルワールス力により前記第1樹脂粒子に付着しており、前記第3樹脂粒子上に位置する前記第2樹脂粒子は主にファンデルワールス力により前記第3樹脂粒子に付着している、請求項5に記載の静電潜像現像用トナー。 - 前記トナー粒子は、外添剤として無機粒子をさらに備える、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
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