JP2017102350A - 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子、重合体及び化合物 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子、重合体及び化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性が良好であり、かつ残像の発生が少ない液晶素子を得ることができる液晶配向剤を提供する。【解決手段】以下の(A)成分を液晶配向剤に含有させる。(A)成分;下記式(1)で表される部分構造(ただし、テトラカルボン酸誘導体とジアミン化合物との重縮合によって形成されてなる下記式(1)で表される部分構造を除く。)を有する重合体。(A1は芳香環又は脂肪族環であり、R1及びR2は水素原子、炭素数1〜8の1価の炭化水素基又は保護基である。「−COOR1」及び「−CONR2−」は、A1の環部分を構成する原子のうち、隣接する2個の炭素原子のそれぞれに対して結合している。R3は、炭素数1〜6の置換基であり、他の基に結合して環を形成してもよい。mは0〜3の整数である。)【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子、重合体及び化合物に関する。
液晶素子としては、液晶の動作原理が異なる種々の方式が開発されており、例えばTN(Twisted Nematic)型やSTN(Super Twisted Nematic)型、VA(Vertical Alignment)型、IPS型(In-Plane Switching)、FFS(fringe field switching)型等の各種素子が知られている。これら液晶素子は、電圧無印加時において液晶分子を配向を制御するための液晶配向膜を有する。液晶配向膜は、通常、ポリアミック酸や可溶性ポリイミドなどの重合体成分が適当な溶剤に溶解又は分散されてなる液状の重合体組成物である液晶配向剤を基板上に塗布し、必要に応じて加熱することによって形成される。
近年では、液晶表示装置の表示性能を更に向上させるべく種々の液晶配向剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタンと1,3−ジメチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物の脱水縮合物又は該脱水縮合物をエステル化したものと、パラフェニレンジアミンと1,3−ジメチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物の脱水縮合物又は該脱水縮合物をエステル化したものとの混合物を配向膜材料とすることが開示されている。特許文献1のものでは、こうした配向膜材料を用いて液晶配向膜を形成することにより、液晶表示装置でAC残像と称する焼き付きが生じるのを抑制するようにしている。
特開2013−178557号公報
液晶素子のAC残像を改良する方法の一つとしては、液晶配向膜の主成分となる重合体を剛直性が高い構造にすることで、液晶素子を長時間動作させた後にも液晶分子の配向性能が安定に維持されるようにすることが考えられる。しかしながら、重合体を剛直性が高い構造にすると、重合体の溶剤に対する溶解性が低下してしまい、その結果、液晶配向剤の保存安定性が低下することによって塗布性不良等の不都合が生じることが懸念される。つまり、液晶素子におけるAC残像の低減と重合体の溶解性とはトレードオフの関係にあり、双方の特性を両立させる技術が望まれている。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、保存安定性が良好であり、かつ残像の発生が少ない液晶素子を得ることができる液晶配向剤を提供することを一つの目的とする。
本発明者らは上記のような従来技術の課題を達成するべく鋭意検討し、特定の繰返し単位を有する重合体を用いることにより上記課題を解決可能であることを見出した。具体的には、以下の手段が提供される。
<1> 下記(A)成分を含有する液晶配向剤。
(A)成分; 下記式(1)で表される部分構造(ただし、テトラカルボン酸誘導体とジアミン化合物との重縮合によって形成されてなる下記式(1)で表される部分構造を除く。)を有する重合体、又は、下記式(1)で表される部分構造を有する単量体に由来する構造単位を有する重合体。
Figure 2017102350
(式(1)中、Aは、芳香環又は脂肪族環であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の1価の炭化水素基又は保護基である。ただし、「−COOR」及び「−CONR−」は、Aの環骨格を構成する原子のうち、互いに隣接する炭素原子のそれぞれに結合している。Rは、炭素数1〜6の置換基であり、他の基に結合して環を形成してもよい。mは0〜3の整数である。mが2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。「*」は結合手を示す。)
<2> 上記<1>に記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
<3> 上記<2>に記載の液晶配向膜を具備する液晶素子。
<4> ポリアミック酸、ポリイミド及びポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる重合体であって、上記式(1)で表される部分構造を有するテトラカルボン酸誘導体及び上記式(1)で表される部分構造を有するジアミン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の単量体に由来する構造単位を有する重合体。
<5> 上記式(1)で表される部分構造を有するジアミン化合物。
<6> テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステル化合物又はテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物であって、かつ上記式(1)で表される部分構造を有する化合物。
上記(A)成分は溶剤に対する溶解性が良好である。したがって、上記(A)成分を液晶配向剤の重合体成分として用いることにより、保存安定性が良好な液晶配向剤を得ることができる。また、上記(A)成分を含む液晶配向剤を用いて液晶配向膜を形成することにより、残像(特にAC残像)の発生が少ない液晶素子を得ることができる。
FFS型液晶表示素子の概略構成図。 トップ電極の平面模式図。(a)はトップ電極の上面図であり、(b)はトップ電極の部分拡大図である。 4系統の駆動電極を示す図。
以下に、本開示の液晶配向剤に含まれる各成分、及び必要に応じて任意に配合されるその他の成分について説明する。
<(A)成分>
本開示の液晶配向剤は、上記式(1)で表される部分構造(ただし、テトラカルボン酸誘導体とジアミン化合物との重縮合によって形成されてなる上記式(1)で表される部分構造を除く。)を有する重合体を含有する。
上記式(1)において、Aの芳香環は、炭素数6〜20であることが好ましく、例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。Aの脂肪族環は、炭素数4〜10であることが好ましく、炭素数4〜8であることがより好ましい。Aの脂肪族環の具体例としては、例えばシクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環などが挙げられる。Aは、好ましくはベンゼン環又はシクロヘキサン環である。R及びRの炭化水素基としては、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が挙げられる。これらの具体例としては、鎖状炭化水素基として、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を;脂環式炭化水素基として、例えばシクロヘキシレン基等を;芳香族炭化水素基として、例えばフェニル基等を、それぞれ挙げることができる。
,Rの保護基は、熱及び光の少なくともいずれかによって脱離する基であることが好ましく、熱により脱離する基であることがより好ましい。
これらの具体例について、式(1)中の基「−COOR」としては、例えばカルボン酸のアセタールエステル構造、ケタールエステル構造、1−アルキルシクロアルキルエステル構造、t−アルキルエステル構造等が挙げられる。これらの具体例としては、カルボン酸のアセタールエステル構造として、例えば1−エトキシエトキシカルボニル基、1−プロポキシエトキシカルボニル基、1−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル基等を;カルボン酸のケタールエステル構造として、例えば1−メチル−1−メトキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル基等を;カルボン酸の1−アルキルシクロアルキルエステル構造として、例えば1−メチルシクロペントキシカルボニル基、1−メチルシクロへキシルオキシカルボニル基、1−(イソ)プロピルシクロペントキシカルボニル基、1−(イソ)プロピルシクロヘキシロキシカルボニル基等を;カルボン酸のt−アルキルエステル構造として、例えばt−ブトキシカルボニル基、t−ペンチルオキシカルボニル基、t−ヘキシルオキシカルボニル基、t−ヘプチルオキシカルボニル基、t−オクチルオキシカルボニル基、t−ドデシルオキシカルボニル基等を、それぞれ挙げることができる。
また、式(1)中のRの具体例としては、例えばカルバメート系保護基、アミド系保護基、イミド系保護基、スルホンアミド系保護基などが挙げられる。好ましくは、カルバメート系保護基であり、熱による脱離性が高い点で、特に好ましくはtert−ブトキシカルボニル基である。
の炭素数1〜6の置換基としては、例えば炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。Rが他の基に結合して形成される環としては、例えばイミド環などが挙げられる。mは0又は1が好ましく、0がより好ましい。
(A)成分の主骨格は特に限定されず、例えばポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリオルガノシロキサン、ポリエステル、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどの主骨格が挙げられる。これらの中でも、上記式(1)で表される部分構造を導入しやすい点や、液晶素子の残像特性の改善効果が高い点で、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル又はポリイミドを主骨格とする重合体であることが好ましい。液晶配向剤中に配合させる(A)成分は、1種単独でもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
なお、(A)成分の重合体が、「上記式(1)で表される部分構造(ただし、テトラカルボン酸誘導体とジアミン化合物との重縮合によって形成されてなる上記式(1)で表される部分構造を除く。)を有する」とは、重合体が上記式(1)で表される部分構造として、テトラカルボン酸誘導体とジアミン化合物との重縮合によって形成された上記式(1)で表される部分構造以外の部分構造を少なくとも有することを意味するものであり、テトラカルボン酸誘導体とジアミン化合物との重縮合によって形成された上記式(1)で表される部分構造を有していることを排除するものではない。つまり、(A)成分の重合体は、上記式(1)で表される部分構造として、テトラカルボン酸誘導体とジアミン化合物との重縮合によって形成されてなる上記式(1)で表される部分構造以外の構造のみを有していてもよいし、あるいは、テトラカルボン酸誘導体とジアミン化合物との重縮合によって形成されてなる上記式(1)で表される部分構造以外の構造と、テトラカルボン酸誘導体とジアミン化合物との重縮合によって形成されてなる上記式(1)で表される部分構造とを有していてもよい。
(A)成分の重合体を合成する方法は特に限定されないが、上記式(1)で表される部分構造を有する単量体(以下、「特定単量体」ともいう。)を用いた重合によることが好ましい。この場合、上記式(1)で表される部分構造を有する単量体に由来する構造単位を有する重合体が得られる。特定単量体は、(A)成分の主骨格に応じて適宜選択することができるが、中でも、テトラカルボン酸誘導体及びジアミン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。なお、本明細書において「テトラカルボン酸誘導体」は、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステル及びテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物を含む意味である。
特定単量体としてのテトラカルボン酸二無水物(以下、「特定酸二無水物」ともいう。)は、上記式(1)で表される部分構造を有していれば特に限定されず、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物及び芳香族テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。特定酸二無水物の好ましい具体例としては、下記式(2)で表される酸二無水物が挙げられる。
Figure 2017102350
(式(2)中、A及びAは、それぞれ独立に芳香環又は脂肪族環であり、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の1価の炭化水素基又は保護基である。ただし、「−COOR」及び「−CONR−」は、Aの環骨格を構成する原子のうち、互いに隣接する炭素原子のそれぞれに結合し、「−COOR」及び「−CONR−」は、Aの環骨格を構成する原子のうち、互いに隣接する炭素原子のそれぞれに結合している。Rは2価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜6の置換基である。r1及びr2は、それぞれ独立に0又は1であり、m1及びm2は、それぞれ独立に0〜2の整数である。m1が2の場合、複数のRは同じでも異なってもよく、m2が2の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。)
上記式(2)において、A及びAについては、上記式(1)中のAの説明が適用される。R及びRについては上記式(1)中のRの説明が適用され、R及びRについては上記式(1)中のRの説明が適用される。Rの2価の有機基としては、例えば炭素数1〜30の2価の炭化水素基、当該炭化水素基の炭素−炭素結合間に−O−、−CO、−COO−、−NH−、−NHCO−等のヘテロ原子含有基を含む基、窒素含有複素環を有する基などが挙げられる。R及びRについては、上記式(1)のRの置換基の説明が適用される。r1及びr2は、共に1であることが好ましい。
特定酸二無水物の具体例としては、例えば下記式(2−1)〜式(2−6)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。なお、特定酸二無水物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 2017102350
特定単量体としてのジアミン化合物(以下、「特定ジアミン」ともいう。)は、上記式(1)で表される部分構造を有していれば特に限定されず、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン及び芳香族ジアミンなどが挙げられる。特定ジアミンの好ましい具体例としては、下記式(3)で表されるジアミン化合物及び下記式(4)で表されるジアミン化合物などが挙げられる。なお、下記式(3)で表されるジアミン化合物は、水平配向型の液晶素子用の製造に好ましく用いることができ、下記式(4)で表されるジアミン化合物は、重合体にチルト成分を付与するモード用(垂直配向型やTN型、STN型など)に好ましく用いることができる。
Figure 2017102350
(式(3)中、A及びAは、それぞれ独立に芳香環又は脂肪族環であり、R、R、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の1価の炭化水素基又は保護基である。ただし、「−COOR」及び「−CONR−」は、Aの環骨格を構成する原子のうち、互いに隣接する炭素原子のそれぞれに結合し、「−COOR12」及び「−CONR13−」は、Aの環骨格を構成する原子のうち、互いに隣接する炭素原子のそれぞれに結合している。R及びR11は、それぞれ独立に単結合又は2価の有機基であり、R10は2価の有機基であり、R14及びR15は、それぞれ独立に炭素数1〜6の置換基である。t1は0又は1であり、t1=0のとき、R11は単結合である。m3及びm4は、それぞれ独立に0〜3の整数である。m3が2以上の場合、複数のR14は同じでも異なってもよく、m4が2以上の場合、複数のR15は同じでも異なってもよい。)
Figure 2017102350
(式(4)中、R16は1価の有機基であり、Xは単結合又は2価の連結基であり、R17は炭素数1〜6の置換基である。m5は0〜3の整数である。m5が2以上の場合、複数のR17は同じでも異なってもよい。wは0又は1である。A、R及びRは、それぞれ上記式(1)中のA、R及びRと同義である。)
上記式(3)及び式(4)において、A及びAについては、上記式(1)中のAの説明が適用される。R及びR12については上記式(1)中のRの説明が適用され、R及びR13については上記式(1)中のRの説明が適用される。R10の2価の有機基としては、例えば炭素数1〜30の2価の炭化水素基、当該炭化水素基の炭素−炭素結合間に−O−、−CO−、−COO−、−NH−、−NHCO−等のヘテロ原子含有基を含む基、窒素含有複素環を有する基などが挙げられる。R及びR11の2価の有機基は、炭素数1〜10のアルカンジイル基又は当該アルカンジイル基の炭素−炭素結合間に−O−、−CO−、−COO−等を含む基が好ましい。R16の1価の有機基は、炭素数1〜30の1価の炭化水素基、当該炭化水素基のメチレン基を−O−、−CO−、−COO−、−NH−、−NHCO−等のヘテロ原子含有基で置換した基であることが好ましい。
の2価の連結基は、w=0の場合、−O−、−CO−、−COO−、−NH−、−NHCO−、炭素数1〜5のアルカンジイル基が好ましく、w=1の場合、炭素数1〜10の2価の炭化水素基、当該炭化水素基のメチレン基を−O−、−CO−、−COO−、−NH−又は−NHCO−で置換した基が好ましい。R14、R15及びR17については上記式(1)のRの置換基の説明が適用される。上記式(4)の1級アミノ基の結合位置は特に限定されないが、Xに対して2,4−位又は3,5−位が好ましい。
特定ジアミンの具体例としては、上記式(3)で表される化合物として、例えば下記式(3−1)〜式(3−6)のそれぞれで表される化合物等を;上記式(4)で表される化合物として、例えば下記式(4−1)〜式(4−10)のそれぞれで表される化合物等を挙げることができる。なお、特定ジアミンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 2017102350
Figure 2017102350
(A)成分がポリアミック酸の場合、該ポリアミック酸(以下、「ポリアミック酸[A]」ともいう。)は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを反応させることにより得ることができる。当該反応に使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物は、上記式(1)で表される部分構造を有する化合物(特定酸二無水物、特定ジアミン)のみであってもよいが、必要に応じて、特定酸二無水物以外のその他のテトラカルボン酸二無水物、特定ジアミン以外のその他のジアミンを使用してもよい。
上記反応に使用するその他のテトラカルボン酸二無水物は特に限定されないが、具体例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物などを;脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−8−メチル−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物などを;芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、1,3−プロピレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)などを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。ポリアミック酸[A]の合成に際し、その他のテトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリアミック酸[A]の合成に使用するその他のジアミンについても特に限定されるものではないが、具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどを;脂環式ジアミンとして、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などを;
芳香族ジアミンとして、例えばドデカノキシジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシジアミノベンゼン、オクタデカノキシジアミノベンゼン、コレスタニルオキシジアミノベンゼン、コレステリルオキシジアミノベンゼン、ジアミノ安息香酸コレスタニル、ジアミノ安息香酸コレステリル、ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、2,5−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン、下記式(E−1)
Figure 2017102350
(式(E−1)中、XI及びXIIは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−であり、Rは炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、RIIは単結合又は炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、aは0又は1であり、bは0〜2の整数であり、cは1〜20の整数であり、dは0又は1である。但し、a及びbが同時に0になることはない。)
で表される化合物などの側鎖型ジアミン:
p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、ビス[2−(4−アミノフェニル)エチル]ヘキサン二酸、ビス(4−アミノフェニル)アミン、N,N−ビス(4−アミノフェニル)メチルアミン、2,6−ジアミノピリジン、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−(フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4−(4−アミノフェノキシカルボニル)−1−(4−アミノフェニル)ピペリジン、4,4’−[4,4’−プロパン−1,3−ジイルビス(ピペリジン−1,4−ジイル)]ジアニリンなどの非側鎖型ジアミンを;
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンなどを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。なお、ポリアミック酸[A]の合成に際し、その他のジアミンは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
ポリアミック酸[A]の合成において特定酸二無水物及び特定ジアミンの使用割合(2種以上使用する場合にはその合計量)は、重合体の溶解性と液晶素子のAC残像低減との両立を図る観点から、該合成に使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の全体量に対して、0.5モル%以上とすることが好ましく、1〜70モル%とすることがより好ましく、2〜50モル%とすることがさらに好ましい。
特定酸二無水物及び特定ジアミンの合成方法は特に制限されず、有機化学の定法を適宜組み合わせることによって合成することができる。例えば特定酸二無水物は、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを反応させる方法などにより得ることができる。
特定ジアミンについては、例えば上記式(3−1)で表される化合物の1級アミノ基に代えてニトロ基を有するジニトロ中間体を合成し、次いで、得られたジニトロ中間体のニトロ基を適用な還元系を用いてアミノ化する方法が挙げられる。ジニトロ中間体を合成する方法は、目的とする化合物に応じて適宜選択することができ、例えば、ニトロフタル酸無水物等のニトロ基含有ジカルボン酸無水物とジアミン化合物を反応させる方法;ニトロフタル酸無水物等のニトロ基含有ジカルボン酸無水物と、ニトロ基及び1級アミノ基を有するアミン化合物とを反応させる方法;上記式(1)で表される部分構造を有する水酸基含有化合物を合成し、次いでジニトロフルオロベンゼン等のジニトロ化合物と反応させる方法、などにより得ることができる。ジニトロ中間体の還元反応は、好ましくは有機溶媒中、例えばパラジウム炭素、酸化白金、亜鉛、鉄、スズ、ニッケル等の触媒を用いて実施することができる。ここで使用する有機溶媒としては、例えば酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、アルコール系等が挙げられる。ただし、特定酸無水物及び特定ジアミンの合成手順は上記方法に限定されるものではない。
ポリアミック酸[A]は、上記のようなテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを、必要に応じて分子量調整剤とともに反応させることにより得ることができる。ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割合は、ジアミン化合物のアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましい。分子量調整剤としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸などの酸一無水物、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミンなどのモノアミン化合物、フェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどのモノイソシアネート化合物等を挙げることができる。分子量調整剤の使用割合は、使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の合計100質量部に対して、20質量部以下とすることが好ましい。
ポリアミック酸[A]の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は−20℃〜150℃が好ましく、反応時間は0.1〜24時間が好ましい。反応に使用する有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを挙げることができる。特に好ましい有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、m−クレゾール、キシレノール及びハロゲン化フェノールよりなる群から選択される1種以上を溶媒として使用するか、あるいはこれらの1種以上と、他の有機溶媒(例えば、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのポリアミック酸の貧溶媒)との混合物を使用することが好ましい。有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の合計量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して、0.1〜50質量%になる量とすることが好ましい。
以上のようにして、ポリアミック酸[A]を溶解してなる反応溶液が得られる。この反応溶液はそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸[A]を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
(A)成分がポリアミック酸エステルの場合、該ポリアミック酸エステルは、例えば、[I]上記合成反応により得られたポリアミック酸[A]とエステル化剤とを反応させる方法、[II]テトラカルボン酸ジエステルとジアミン化合物とを反応させる方法、[III]テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物とジアミン化合物とを反応させる方法、などによって得ることができる。ここで、上記[I]のエステル化剤としては、例えばメタノール、エタノール等が挙げられる。上記[II]で使用するテトラカルボン酸ジエステルは、特定酸二無水物やその他のテトラカルボン酸二無水物をアルコール類などで開環することにより得ることができる。上記[III]で使用するテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物は、上記の如くして得たテトラカルボン酸ジエステルを、塩化チオニル等の適当な塩素化剤と反応させることにより得ることができる。上記[II]及び[III]において、ジアミン化合物としては、特定ジアミン及び必要に応じてその他のジアミンを使用する。
得られるポリアミック酸エステルは、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。なお、ポリアミック酸エステルを溶解してなる反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸エステルを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
(A)成分がポリイミドの場合、該ポリイミドは、例えば上記の如くして合成されたポリアミック酸[A]を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。ポリイミドは、その前駆体であるポリアミック酸が有していたアミック酸構造のすべてを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造とが併存する部分イミド化物であってもよい。反応に使用するポリイミドは、そのイミド化率が20〜99%であることが好ましく、30〜90%であることがより好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ここで、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
ポリアミック酸の脱水閉環は、好ましくはポリアミック酸を加熱する方法により、又はポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。このうち、後者の方法によることが好ましい。
ポリアミック酸の溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸のアミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。使用する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃であり、反応時間は、好ましくは1.0〜120時間である。このようにして得られたポリイミドを含有する反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミドを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
(A)成分がポリアミック酸、ポリアミック酸エステル又はポリイミドの場合、(A)成分の溶剤に対する溶解性を良好にする観点から、(A)成分の重合体は、脂環式テトラカルボン酸誘導体に由来する構造単位を有することが好ましい。当該構造単位は、上記式(1)で表される部分構造を有する脂環式テトラカルボン酸誘導体に由来する構造単位であってもよく、上記式(1)で表される部分構造を有さない脂環式テトラカルボン酸誘導体に由来する構造単位であってもよい。また、(A)成分の重合体がそれらの両方の構造単位を含んでいてもよい。好ましくは、(A)成分は、上記式(1)で表される部分構造を有さない脂環式テトラカルボン酸誘導体に由来する構造単位を少なくとも有する重合体である。上記式(1)で表される部分構造を有さない脂環式テトラカルボン酸誘導体の具体例としては、ポリアミック酸[A]の説明において、その他のテトラカルボン酸無水物として例示したうちの脂環式テトラカルボン酸二無水物並びにそのジエステル化物及びジエステルジハロゲン化物が挙げられる。
(A)成分において、脂環式テトラカルボン酸誘導体に由来する構造単位の含有割合(2種以上有する場合にはその合計量)は、重合体の全構造単位に対して、5モル以上とすることが好ましく、5〜50モル%とすることがより好ましく、10〜50モル%とすることがさらに好ましい。
光配向法を適用して液晶配向膜を形成するための液晶配向剤(光配向剤)を調製する場合、(A)成分を、光配向性基を有する重合体としてもよい。ここで、本明細書において「光配向性基」とは、光照射による光異性化反応、光二量化反応又は光分解反応によって膜に異方性を付与する官能基を意味する。光配向性基の具体例としては、例えばアゾベンゼン又はその誘導体を基本骨格として含むアゾベンゼン含有基、桂皮酸又はその誘導体を基本骨格として含む桂皮酸構造含有基、カルコン又はその誘導体を基本骨格として含むカルコン含有基、ベンゾフェノン又はその誘導体を基本骨格として含むベンゾフェノン含有基、クマリン又はその誘導体を基本骨格として含むクマリン含有基、シクロブタン又はその誘導体を基本骨格として含むシクロブタン含有構造、シクロヘキサン又はその誘導体を基本骨格として含むシクロヘキサン含有構造、ビシクロ[3.3.0]オクタン又はその誘導体を基本骨格として含むビシクロ[3.3.0]オクタン含有構造等が挙げられる。これらのうち、(A)成分が有する光配向性基は、シクロブタン含有構造、シクロヘキサン含有構造及びビシクロ[3.3.0]オクタン含有構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の構造であることが好ましい。
(A)成分を光配向性基を有する重合体とする場合において、該重合体を得る方法は特に限定されないが、例えば、光配向性基を有する単量体を用いて重合する方法などが挙げられる。この場合、光配向性基を有する単量体の使用割合は、(A)成分の重合体の合成に使用する単量体の合計量に対して、5モル%以上とすることが好ましく、10〜80モル%とすることがより好ましい。
(A)成分の重合体の溶液粘度は、主骨格に応じて適宜設定されるが、例えばポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドの場合には、これを濃度10質量%の溶液としたときに10〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、15〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、当該溶液粘度(mPa・s)は、これら重合体の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度10質量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
(A)成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜500,000であり、より好ましくは2,000〜300,000である。また、Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは15以下であり、より好ましくは10以下である。
(A)成分における特定単量体に由来する構造単位の含有割合は、重合体1分子の全構造単位に対して、0.5モル%以上とすることが好ましく、1〜70モル%とすることがより好ましく、2〜50モル%とすることがさらに好ましい。
(A)成分を含む液晶配向剤を用いて液晶配向膜を形成することにより、残像の発生が少ない液晶素子を得ることができる。これは、(A)成分は、例えば製膜時の加熱等によって下記スキーム1のような環化反応を起こすことにより、製膜後には剛直性が高い構造が形成されることによるものと推測される。ただし、これはあくまでも推測であり、本発明を何ら限定するものではない。なお、下記スキーム1中の括弧はモノマー単位を表す。
Figure 2017102350
<その他の成分>
本開示の液晶配向剤は、(A)成分と共に、(A)成分以外のその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、(A)成分とは異なる重合体(以下「その他の重合体」ともいう。)、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物、官能性シラン化合物、酸化防止剤、金属キレート化合物、硬化促進剤、界面活性剤、充填剤、分散剤、光増感剤などが挙げられる。上記その他の重合体の主骨格は特に限定されず、例えばポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリエステル、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なお、これらその他の成分の配合割合は、本開示の効果を損なわない範囲で、各化合物に応じて適宜選択することができる。
なお、本明細書において「その他の重合体」は、上記式(1)で表される部分構造として、テトラカルボン酸誘導体とジアミン化合物との縮重合によって形成されてなる上記式(1)で表される部分構造以外の部分構造を有さない重合体である。当該その他の重合体は、テトラカルボン酸誘導体とジアミン化合物との縮重合によって形成される上記式(1)で表される部分構造を有する重合体(ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミドなど)であってもよく、当該部分構造を有さない重合体(例えばポリシロキサン、ポリ(メタ)アクリレートなど)であってもよい。
本開示の液晶配向剤は、(A)成分、又は(A)成分とは異なる重合体成分の分子内に、窒素含有複素環、2級アミノ基、3級アミノ基及び−NR2021(R20は水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基であり、R21は保護基である。)よりなる群から選ばれる少なくとも一種の窒素含有基を有する単量体(以下、「特定窒素含有単量体」ともいう。)に由来する構造単位を有していてもよい。上記窒素含有基が重合体成分中に含まれていることで、得られる液晶素子の残像の発生(特に、交流電圧印加に伴う残像の発生)をさらに抑制できる点で好ましい。
特定窒素含有単量体において、該単量体が有していてもよい窒素含有複素環としては、例えばピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、インドール、ベンゾイミダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、キノキサリン、フタラジン、トリアジン、カルバゾール、アクリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ヘキサメチレンイミン等が挙げられる。中でも、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、キノリン、カルバゾール及びアクリジンよりなる群から選ばれる少なくとも一種を有することが好ましい。
特定窒素含有単量体が有していてもよい2級アミノ基及び3級アミノ基は、例えば下記式(N−1)で表すことができる。
Figure 2017102350
(式(N−1)中、R30は水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。「*」は炭化水素基に結合する結合手である。)
上記式(N−1)において、R30の1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、メチルフェニル基等のアリール基等が挙げられる。R30は、好ましくは水素原子又はメチル基である。特定窒素含有単量体が有していてもよい「−NR2021」について、R20の1価の炭化水素基の説明は上記R30の説明が適用され、R21の保護基の説明は、上記式(1)中のRの説明が適用される。特定窒素含有単量体は、これらの中でも窒素含有複素環を有するものであることが好ましい。
特定窒素含有単量体は、上記窒素含有基を有していればその余の構造は特に限定されず、重合体の主骨格に応じて適宜選択して使用することができる。例えば、特定窒素含有単量体に由来する構造単位を有する重合体がポリアミック酸、ポリアミック酸エステル又はポリイミドの場合、上記窒素含有基を有するジアミン化合物を好ましく用いることができる。該ジアミン化合物の具体例としては、例えば2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、4−(4−アミノフェノキシカルボニル)−1−(4−アミノフェニル)ピペリジン、4,4’−[4,4’−プロパン−1,3−ジイルビス(ピペリジン−1,4−ジイル)]ジアニリン、下記式(N−1−1)〜式(N−1−5)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。
Figure 2017102350
特定窒素含有単量体に由来する構造単位を有する重合体の合成に際し、特定窒素含有単量体の使用割合は、液晶素子の残像特性の改善効果を十分に得る観点から、特定窒素含有単量体に由来する構造単位を有する重合体の合成に使用する単量体の合計量に対して、1モル%以上とすることが好ましく、3〜50モル%とすることがより好ましく、5〜30モル%とすることがさらに好ましい。なお、特定窒素含有単量体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
<溶剤>
本開示の液晶配向剤は、(A)成分及び必要に応じて使用されるその他の成分が、好ましくは適当な溶媒中に分散又は溶解してなる液状の組成物として調製される。
使用する有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、1,2−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計質量が液晶配向剤の全質量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10質量%の範囲である。すなわち、液晶配向剤は、後述するように基板表面に塗布され、好ましくは加熱されることにより、液晶配向膜である塗膜又は液晶配向膜となる塗膜が形成される。このとき、固形分濃度が1質量%未満である場合には、塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜が得にくくなる。一方、固形分濃度が10質量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜が得にくく、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布性が低下する傾向にある。
本開示の液晶配向剤における(A)成分の含有割合は、液晶配向剤中の固形成分(溶媒以外の成分)の合計100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上である。
<液晶素子>
本開示の液晶素子は、上記で説明した液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を具備する。液晶素子における液晶の動作モードは特に限定せず、例えばTN型、STN型、VA型(VA−MVA型、VA−PVA型などを含む。)、IPS型、FFS型、OCB(Optically Compensated Bend)型など種々のモードに適用することができる。液晶素子は、例えば以下の工程1〜工程3を含む方法により製造することができる。工程1は、所望の動作モードによって使用基板が異なる。工程2及び工程3は各動作モード共通である。
[工程1:塗膜の形成]
先ず基板上に液晶配向剤を塗布し、好ましくは塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。TN型、STN型又はVA型の液晶素子を製造する場合には、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を用いる。IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合には、櫛歯型にパターニングされた透明導電膜又は金属膜からなる電極が設けられている基板と、電極が設けられていない対向基板とを用いる。金属膜としては、例えばクロムなどの金属からなる膜を使用することができる。基板への塗布は、電極形成面上に、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット印刷法により行う。
液晶配向剤を塗布した後、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30〜200℃であり、プレベーク時間は、好ましくは0.25〜10分である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、好ましくは80〜300℃であり、ポストベーク時間は、好ましくは5〜200分である。このようにして形成される膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmである。基板上に液晶配向剤を塗布した後、有機溶媒を除去することによって、液晶配向膜又は液晶配向膜となる塗膜が形成される。
[工程2:配向処理]
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合、上記工程1で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理(配向処理)を実施する。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向処理としては、塗膜を例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦ることによって塗膜に液晶配向能を付与するラビング処理、基板上に形成した塗膜に光照射を行って塗膜に液晶配向能を付与する光配向処理などが挙げられる。垂直配向型の液晶素子を製造する場合には、上記工程1で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、該塗膜に対し配向処理を施してもよい。
光配向処理における光照射は、ポストベーク後の塗膜に対して照射する方法(方法1)、プレベーク後であってポストベーク前の塗膜に対して照射する方法(方法2)、プレベーク及びポストベークの少なくともいずれかにおいて塗膜の加熱中に塗膜に対して照射する方法(方法3)、などにより行うことができる。加熱による重合体の再配向を促進させ、残像発生がより少ない液晶素子を得る点で、これらの中でも方法2によることが好ましい。
[工程3:液晶セルの構築]
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。具体的には、(1)それぞれの液晶配向膜が対向するようにセルギャップを介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより製造する方法、(2)液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上にシール剤を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板の全面に押し広げ、シール剤を硬化することにより製造する方法(ODF方式)、などが挙げられる。
シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、中でもネマチック液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などが挙げられる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶;商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを、添加して使用してもよい。
続いて、必要に応じて液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせることにより液晶素子が得られる。偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光フィルムを酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板が挙げられる。
本開示の液晶素子は種々の用途に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイなどの各種表示装置や、調光フィルム等に用いることができる。また、本開示の液晶配向剤を用いて形成された液晶素子は位相差フィルムに適用することもできる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の例において、重合体の重量平均分子量Mw及び重合体溶液の溶液粘度は以下の方法により測定した。
[重合体の重量平均分子量Mw]:以下の条件におけるGPCにより測定したポリスチレン換算値である。
カラム:東ソー(株)製、TSKgelGRCXLII
溶剤:N,N−ジメチルホルムアミド(臭化リチウム30mM、リン酸5.6mLを含む。)
温度:40℃、圧力:68kgf/cm
[重合体溶液の溶液粘度(mPa・s)]::所定の溶媒を用い、重合体濃度10質量%に調製した溶液についてE型回転粘度計を用いて25℃で測定した。
以下の重合で使用したモノマーの略号及び構造を下記に示す。なお、以下では、「式(X)で表される化合物」を単に「化合物(X)」と略すことがある。
Figure 2017102350
Figure 2017102350
<化合物の合成>
[実施例0−1]
下記スキーム1−1に従って化合物(AMC−1)を合成した。
Figure 2017102350
窒素導入管及び撹拌羽根を備えた容量0.5リットルの3つ口フラスコに、窒素気流下で、4−ニトロフタル酸無水物11.6g(0.060mol)、1,4−ジアミノベンゼン3.24g(0.030mol)、THF200mlを加えて溶解させた。60℃にて6時間撹拌した後、反応溶液を分液漏斗に移し、酢酸エチル300mlと純水500mlを加えて混合した後、水層を分離した。これを合計3回行った後、下層の有機層を取り出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後の溶液から有機溶媒をエバポレーターで留去し、中間体(1)を得た(収率95%)。
次いで、窒素導入管及び撹拌羽根を備えた容量0.5リットルの3つ口フラスコに、上記中間体(1)を9.89g(0.020mol)、亜鉛25.4g(0.400mol)、塩化アンモニウム4.28g(0.080mol)、THF180ml、エタノール20mlを加えて溶解させた。このフラスコを氷水で冷やしながら、純水10mlを滴下して撹拌した。滴下後に室温で48時間撹拌した後、セライトろ過した。ろ液に酢酸エチルを100ml加えて、全量を分液漏斗に移した後、300mlの純水で混合する操作と、水層の取り出し操作とを3回行った後、下層の有機層を取り出し、これを無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後の溶液から有機溶媒をエバポレーターで留去し、化合物(AMC−1)を得た(収率81%)。
[実施例0−2]
下記スキーム1−2に従って化合物(AMC−2)を合成した。
Figure 2017102350
4−ニトロフタル酸無水物と反応させる化合物として1,4−ジアミノブタンを用いた以外は化合物(AMC−1)の合成方法と同様の方法で化合物(AMC−2)を得た。
[実施例0−3]
下記スキーム1−3に従って化合物(AMC−3)を合成した。
Figure 2017102350
窒素導入管及び撹拌羽根を備えた容量0.5リットルの3つ口フラスコに、窒素気流下で、ピロメリット酸二無水物4.36g(0.020mol)、1,4−ジアミノベンゼン1.08g(0.010mol)、塩化メチレン100mlを加えて溶解させた。室温にて6時間撹拌した後、反応溶液をヘキサン300mlに投入し、沈殿物を濾別した。これをヘキサンにて洗浄後、真空乾燥させて化合物(AMC−3)を得た(収率86%)。
[実施例0−4]
下記スキーム1−4に従って化合物(AMC−4)を合成した。
Figure 2017102350
4−ニトロフタル酸無水物と反応させる化合物として1,4−ジアミノシクロヘキサンを用いた以外は化合物(AMC−1)の合成方法と同様の方法で化合物(AMC−4)を得た。
[実施例0−5]
下記スキーム1−5に従って化合物(AMC−5)を合成した。
Figure 2017102350
4−ニトロフタル酸無水物と反応させる化合物として4−ニトロフェネチルアミンを用いた以外は化合物(AMC−1)の合成方法と同様の方法で中間体(5−1)を得た。
窒素導入管及び撹拌羽根を備えた容量0.5リットルの3つ口フラスコに、窒素気流下で、中間体(5−1)10.8g(0.030mol)、二炭酸ジ−tert−ブチル9.82g(0.045mol)、THF200ml、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液50mlを加えて溶解させた。室温にて24時間撹拌した後、N−メチルピペラジンを5.01g(0.050mol)加え、室温にて6時間撹拌した。反応溶液を分液漏斗に移し、酢酸エチル300mlと1mol/L塩酸水溶液500mlを加えて混合した後、水層を分離した。さらに、得られた有機層に純水500mlを加えて混合した後、水層を分離した。これを2回行った後、下層の有機層を取り出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後の溶液から有機溶媒をエバポレーターで留去し、中間体(5−2)を得た(収率95%)。
窒素気流下、2Lオートクレーブに、上記の中間体(5−2)を9.19g(0.020mol)、5%Pd/Cを1.00g、エタノール180mL及びテトラヒドロフラン180mLを加えた後、水素で置換し直し、水素存在下、室温にて24時間反応させた。その後、有機層を減圧蒸留にて溶媒を除去することにより固体を析出させた。析出した固体をエタノールから再結晶させることで化合物(AMC−5)を得た(収率74%)。
[実施例0−6]
下記スキーム1−6に従って化合物(AMC−6)を合成した。
Figure 2017102350
窒素導入管、撹拌羽根を備えた容量0.5リットルの3つ口フラスコに、窒素気流下で、2−カルボキシ−4―ヒドロキシ安息香酸tertブチル4.76g(0.020mol)、1−ブロモブタン5.48g(0.040mol)、炭酸カリウム13.8g(0.100mol)、THF200mlを加えて溶解させた。60℃にて12時間撹拌した後、水酸化ナトリウムを40.0g(1.000mol)加えて、さらに1時間撹拌した。反応溶液を分液漏斗に移し、酢酸エチル300mlと1mol/L塩酸水溶液500mlを加えて混合した後、水層を分離した。さらに、得られた有機層に飽和塩化アンモニム水溶液500mlを加えて混合した後、水層を分離した。これを2回行った後、下層の有機層を取り出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後の溶液から有機溶媒をエバポレーターで留去し、中間体(6−1)を得た(収率69%)。
窒素導入管、撹拌羽根を備えた容量0.5リットルの3つ口フラスコに、窒素気流下で、中間体(6−1)5.89g(0.020mol)、4−ヒドロキシアニリン2.18g(0.020mol)、EDC5.75g(0.030mol)、THF200mlを加えて溶解させた。60℃にて12時間撹拌した後、反応溶液を分液漏斗に移し、酢酸エチル300mlと1mol/Lトリフルオロ酢酸水溶液500mlを加えて混合した後、水層を分離した。さらに、得られた有機層に蒸留水500mlを加えて混合した後、水層を分離した。これを2回行った後、下層の有機層を取り出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後の溶液から有機溶媒をエバポレーターで留去し、中間体(6−2)を得た(収率82%)。
窒素導入管、撹拌羽根を備えた容量0.5リットルの3つ口フラスコに、窒素気流下で、中間体(6−2)6.59g(0.020mol)、2,4-ジニトロフルオロベンゼン3.72g(0.020mol)、炭酸カリウム13.8g(0.100mol)、THF200mlを加えて溶解させた。60℃にて12時間撹拌した。反応溶液を分液漏斗に移し、酢酸エチル300mlと飽和塩化アンモニム水溶液500mlを加えて混合した後、水層を分離した。さらに、得られた有機層に蒸留水500mlを加えて混合した後、水層を分離した。これを2回行った後、下層の有機層を取り出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後の溶液から有機溶媒をエバポレーターで留去し、中間体(6−3)を得た(収率93%)。
次いで、窒素導入管及び撹拌羽根を備えた容量0.5リットルの3つ口フラスコに、上記中間体(6−3)を9.91g(0.020mol)、亜鉛25.4g(0.400mol)、塩化アンモニウム4.28g(0.080mol)、THF180ml、エタノール20mlを加えて溶解させた。このフラスコを氷水で冷やしながら、純水10mlを滴下して撹拌した。滴下後に室温で48時間撹拌した後、セライトろ過した。ろ液に酢酸エチルを100ml加えて、全量を分液漏斗に移した後、300mlの純水で混合する操作と、水層の取り出し操作とを3回行った後、下層の有機層を取り出し、これを無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後の溶液から有機溶媒をエバポレーターで留去し、化合物(AMC−6)を得た(収率84%)。
[実施例0−7]
下記スキーム1−7に従って化合物(AMC−7)を合成した。
Figure 2017102350
1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物と4−ニトロアニリンを出発物質として用いた以外は化合物(AMC−5)の合成方法と同様の方法で化合物(AMC−7)を得た。
<重合体の合成>
[実施例1−1]
テトラカルボン酸二無水物として化合物(t−6)100モル部、並びにジアミン化合物として化合物(AMC−1)5モル部及び化合物(d−8)95モル部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解し、室温で6時間反応を行い、ポリアミック酸を20質量%含有する溶液を得た。ここで得られたポリアミック酸を重合体(PAA−1)とした。
[実施例1−2〜1−6、合成例1〜6]
使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の種類及び量を下記表1のとおり変更した以外は実施例1−1と同様にしてポリアミック酸をそれぞれ合成した。なお、表中の「−」は、対応する化合物を使用しなかったことを示す(以下同じ)。
Figure 2017102350
[実施例2−1]
(1)液晶配向剤の調製
(A)成分として上記実施例1−1で得た重合体(PAA−1)50質量部、とその他の重合体として上記合成例1で得た重合体(PR−2)50質量部とを加えた容器に、NMP及びブチルセロソルブ(BC)を加えて十分に撹拌し、溶媒組成がNMP:BC=50:50(質量比)、固形分濃度3.5質量%の溶液とした。この溶液を孔径0.2μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤(S−1)を調製した。
(2)高湿下析出試験
上記で調製した液晶配向剤(S−1)を、ピペットを用いてガラス基板上に20μl滴下して、室温下、50〜60%RHの高湿ボックスにて保管して重合体の析出の様子を観察し、重合体が析出し始めた時間(析出開始時間[分])により液晶配向剤の保存安定性を評価した。60分以上経っても析出物が観察されなかった場合を「良好A(◎)」、析出開始時間が40分以上60分未満であった場合を「良好B(○)」、20分以上40分未満であった場合を「可(△)」、20分未満であった場合を「不良(×)」とした。その結果、この実施例での析出開始時間は42分であり、「良好B」と評価された。
(3)FFS型液晶表示素子の製造
図1に示すFFS型液晶表示素子10を作製した。先ず、パターンを有さないボトム電極15、絶縁層14としての窒化ケイ素膜、及び櫛歯状にパターニングされたトップ電極13がこの順で形成された電極対を片面に有するガラス基板11aと、電極が設けられていない対向ガラス基板11bとを一対とし、ガラス基板11aの透明電極を有する面と対向ガラス基板11bの一面とに、それぞれ上記(1)で調製した液晶配向剤を、スピンナーを用いて塗布した。次いで、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換したオーブン中で230℃にて15分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.1μmの塗膜を形成した。ここで使用したトップ電極13の平面模式図を図2に示した。本実施例では、電極の線幅d1を4μm、電極間の距離d2を6μmとした。トップ電極13としては、電極A、電極B、電極C及び電極Dの4系統の駆動電極を用いた。図3に、用いた駆動電極の構成を示した。この場合、ボトム電極15は、4系統の駆動電極のすべてに作用する共通電極として働き、4系統の駆動電極の領域のそれぞれが画素領域となる。
次いで、ガラス基板11a,11b上に形成した塗膜の各表面にコットンにてラビング処理を実施し、液晶配向膜12とした。図2(b)に、ガラス基板11a上に形成した塗膜に対するラビング方向を矢印で示す。次に、一対の基板のうちの一方の基板における液晶配向膜12を有する面の外縁にシール剤を塗布した後、これらの基板を、互いの基板11a,11bのラビング方向が逆平行となるように直径3.5μmのスペーサーを介して貼り合わせ、シール剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より一対の基板間にネマチック液晶「MLC−6221(メルク社製)」を注入し、液晶層16を形成した。さらに、基板11a,11bの外側両面に偏光板(図示略)を、2枚の偏光板の偏光方向が互いに直交するように貼り合わせ、液晶表示素子10を作製した。
(4)AC残像特性の評価
上記(3)で製造した液晶表示素子を25℃、1気圧の環境下に置いた。ボトム電極15を4系統の駆動電極すべての共通電極として、ボトム電極15の電位を0V電位(グランド電位)に設定した。電極B及び電極Dを共通電極と短絡して0V印加状態としつつ、電極A及び電極Cに交流電圧10Vを300時間印加した。300時間経過後、直ちに電極A〜電極Dのすべてに交流3Vの電圧を印加して、電極A、Cと電極B,Dとの間の光透過率の差ΔT[%]を測定した。このとき、ΔTが1.0%未満のものを「良好A(◎)」、1.0%以上2.0%未満のものを「良好B(○)」、2.0%以上3.0%未満のものを「可(△)」、3.0%以上のものを「不良(×)」と評価した。その結果、この実施例ではΔT=1,3%であり、「良好B」と判断された。
[実施例2−2及び比較例1]
使用する重合体の種類及び量、並びに溶剤の種類及び組成を下記表2に記載の通りとした点以外は上記実施例2−1と同様にして液晶配向剤をそれぞれ調製し、上記実施例2−1と同じく高湿下析出試験を行った。また、調製した液晶配向剤を用いて上記実施例2−1と同様にしてFFS型液晶表示素子を製造するとともに、製造した液晶表示素子を用いてAC残像特性を評価した。それらの結果を下記表2に示した。なお、2種の重合体を用いた例(実施例2−1、2−2)については、表2中に各重合体の配合割合(質量部)を括弧内に数値で示した。
[実施例2−3及び比較例2]
使用する重合体の種類及び量、並びに溶剤の種類及び組成を下記表2に記載の通りとした点以外は上記実施例2−1と同様にして液晶配向剤をそれぞれ調製し、上記実施例2−1と同じく高湿下析出試験を行った。また、調製した液晶配向剤を用いて、下記に示す手順により光水平配向型の液晶表示素子を製造するとともに、製造した液晶表示素子を用いてAC残像特性を評価した。それらの結果を下記表2に示した。
(光水平配向型の液晶表示素子の製造)
櫛歯状にパターニングされたクロムからなる2系統の金属電極(電極X及び電極Y)を片面に有するガラス基板と、電極が設けられていない対向ガラス基板の面上に、上記で調製した液晶配向剤を膜厚が0.1μmになるようにスピンナーを用いて塗布した。次いで、80℃のホットプレートで1分間乾燥した後、この塗膜表面にHg−Xeランプを用いて254nmの輝線を含む偏光の紫外線10,000J/mを基板法線方向から照射した。その後、200℃のクリーンオーブンで1時間乾燥した。次に、上記光照射処理を行った一対の基板について、液晶配向膜を形成した面の縁に液晶注入口を残して直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷塗布した後、光照射時の偏光軸の基板面への投影方向が逆平行となるように基板を重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、一対の基板間に液晶注入口よりネマチック液晶(メルク社製、MLC−7028)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃で加熱してから室温まで徐冷した。その後、基板の外側両面に偏光板を貼り合わせて液晶表示素子を作製した。
(AC残像特性の評価)
上記で製造した光水平配向型の液晶表示素子を25℃、1気圧の環境下におき、電極Yには電圧をかけずに、電極Xに交流電圧10Vを300時間印加した。300時間経過後、直ちに電極X及び電極Yの双方に交流3Vの電圧を印加して、電極間の光透過率の差ΔT[%]を測定した。評価は上記実施例2−1と同様に行った。
Figure 2017102350
表2中、溶剤組成欄の数値は、液晶配向剤の調製に使用した溶剤の合計量100質量部に対する各化合物の使用割合を示す。溶剤の略称はそれぞれ以下の意味である(下記表3についても同じ)。
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
NEP:N−エチル−2−ピロリドン
DMI:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
BC:ブチルセロソルブ
[実施例2−4〜2−6及び比較例3]
使用する重合体の種類及び量、並びに溶剤の種類及び組成を下記表3に記載の通りとした点以外は上記実施例2−1と同様にして液晶配向剤をそれぞれ調製し、上記実施例2−1と同じく高湿下析出試験を行った。また、調製した液晶配向剤を用いて、下記に示す手順によりVA型液晶表示素子を製造するとともに、製造した液晶表示素子を用いて上記実施例2−3と同様にしてAC残像特性を評価した。それらの結果を下記表3に示した。なお、2種の重合体を用いた例(実施例2−6)については、表3中に各重合体の配合割合(質量部)を括弧内に数値で示した。表3中の溶剤の略称は、それぞれ以下の意味である。
DEDG:ジエチレングリコールジエチルエーテル
PGDAc:プロピレングリコールジアセテート
DPM:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
(VA型液晶表示素子の製造)
一対の基板として、ITO膜からなる2系統の透明電極(電極X及び電極Y)を片面に有するガラス基板を用い、この一対のガラス基板上に、上記で調製した液晶配向剤をスピンナーにより塗布し、80℃のホットプレート上で1分間のプレベークを行った後、230℃のホットプレート上で10分間ポストベークして、膜厚約0.8μmの塗膜を形成した。続いて、どちらか一方の基板の液晶配向膜を有する面の外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、間隙を介して2枚の基板を対向配置し、外縁部同士を当接して圧着して接着剤を硬化した。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマチック液晶(メルク社製、MLC−6608)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止した。
Figure 2017102350
表2及び表3から明らかなように、(A)成分を含む液晶配向剤は高湿下析出試験で良好な結果を示し、また、液晶表示素子のAC残像特性も良好であった。これに対し、比較例のものは、析出試験及び残像特性の評価において、少なくともいずれかで不良の評価であった。

Claims (12)

  1. 下記(A)成分を含有する液晶配向剤。
    (A)成分;下記式(1)で表される部分構造(ただし、テトラカルボン酸誘導体とジアミン化合物との重縮合によって形成されてなる下記式(1)で表される部分構造を除く。)を有する重合体。
    Figure 2017102350
    (式(1)中、Aは、芳香環又は脂肪族環であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の1価の炭化水素基又は保護基である。ただし、「−COOR」及び「−CONR−」は、Aの環骨格を構成する原子のうち、互いに隣接する炭素原子のそれぞれに結合している。Rは、炭素数1〜6の置換基であり、他の基に結合して環を形成してもよい。mは0〜3の整数である。mが2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。「*」は結合手を示す。)
  2. 下記(A)成分を含有する液晶配向剤。
    (A)成分;下記式(1)で表される部分構造を有する単量体に由来する構造単位を有する重合体。
    Figure 2017102350
    (式(1)中、Aは、芳香環又は脂肪族環であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の1価の炭化水素基又は保護基である。ただし、「−COOR」及び「−CONR−」は、Aの環骨格を構成する原子のうち、互いに隣接する炭素原子のそれぞれに結合している。Rは、炭素数1〜6の置換基であり、他の基に結合して環を形成してもよい。mは0〜3の整数である。mが2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。「*」は結合手を示す。)
  3. 上記式(1)で表される部分構造を有する単量体は、上記式(1)で表される部分構造を有するテトラカルボン酸誘導体及び上記式(1)で表される部分構造を有するジアミン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項2に記載の液晶配向剤。
  4. 前記(A)成分は、ポリアミック酸、ポリイミド及びポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  5. 前記(A)成分は、脂環式テトラカルボン酸誘導体に由来する構造単位を有する重合体である、請求項4に記載の液晶配向剤。
  6. 前記(A)成分又は前記(A)成分とは異なる重合体の分子内に、窒素含有複素環、2級アミノ基、3級アミノ基及び−NR2021(R20は水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基であり、R21は保護基である。)よりなる群から選ばれる少なくとも一種の窒素含有基を有する単量体に由来する構造単位を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  7. 前記(A)成分は、光配向性基を有する重合体である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
  9. 請求項8に記載の液晶配向膜を具備する液晶素子。
  10. ポリアミック酸、ポリイミド及びポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる重合体であって、下記式(1)で表される部分構造を有するテトラカルボン酸誘導体及び下記式(1)で表される部分構造を有するジアミン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の単量体に由来する構造単位を有する重合体。
    Figure 2017102350
    (式(1)中、Aは、芳香環又は脂肪族環であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の1価の炭化水素基又は保護基である。ただし、「−COOR」及び「−CONR−」は、Aの環骨格を構成する原子のうち、互いに隣接する炭素原子のそれぞれに結合している。Rは、炭素数1〜6の置換基であり、他の基に結合して環を形成してもよい。mは0〜3の整数である。mが2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。「*」は結合手を示す。)
  11. 下記式(1)で表される部分構造を有するジアミン化合物。
    Figure 2017102350
    (式(1)中、Aは、芳香環又は脂肪族環であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の1価の炭化水素基又は保護基である。ただし、「−COOR」及び「−CONR−」は、Aの環骨格を構成する原子のうち、互いに隣接する炭素原子のそれぞれに結合している。Rは、炭素数1〜6の置換基であり、他の基に結合して環を形成してもよい。mは0〜3の整数である。mが2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。「*」は結合手を示す。)
  12. テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステル化合物又はテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物であって、かつ下記式(1)で表される部分構造を有する化合物。
    Figure 2017102350
    (式(1)中、Aは、芳香環又は脂肪族環であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の1価の炭化水素基又は保護基である。ただし、「−COOR」及び「−CONR−」は、Aの環骨格を構成する原子のうち、互いに隣接する炭素原子のそれぞれに結合している。Rは、炭素数1〜6の置換基であり、他の基に結合して環を形成してもよい。mは0〜3の整数である。mが2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。「*」は結合手を示す。)
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