JP6558068B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 - Google Patents
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本開示の液晶配向剤は、下記式(0)で表される部分構造を有するポリイミド及びその前駆体よりなる群から選ばれる少なくとも一種である重合体[P]を含有する。
A1の2価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の2価の炭化水素基、当該炭化水素基の炭素−炭素結合間にヘテロ原子含有基を含む基、当該炭化水素基とヘテロ原子含有基とが結合した基、これらの基の少なくとも1個の水素原子を置換基で置き換えた基、−CO−、−COO−などが挙げられる。
n1及びn2は、0又は1が好ましい。
特定テトラカルボン酸二無水物としては、例えば下記式(CA−1)〜式(CA−15)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。なお、特定テトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記式(d−1)で表されるジアミンは、A1、A12及びA13の少なくともいずれかに特定構造(N)を有する。すなわち、n1及びn2が0の場合、A1は、特定構造(N)を有する2価の基である。また、n1=1及びn2=0の場合、上記式(d−1)で表されるジアミンは、A1及びA12の少なくともいずれかに特定構造(N)を有し、n1及びn2が1の場合、A1、A12及びA13の少なくともいずれかに特定構造(N)を有する。
単量体[A]は、有機化学の定法を適宜組み合わせることによって合成することができる。一例を挙げると、特定テトラカルボン酸二無水物は、対応する基「A11」を有する化合物と、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸−1,2−無水物4−クロリドや無水トリメリット酸クロリド等の酸無水物基含有化合物とを反応させる方法によって得ることができる。
特定ジアミンは、例えば上記式(d−1)中の1級アミノ基に代えてニトロ基を有するジニトロ中間体を合成し、その後、得られたジニトロ中間体のニトロ基を適当な還元系を用いてアミノ化する方法が挙げられる。ジニトロ中間体を合成する方法は、目的とする化合物に応じて適宜選択することができる。その一例としては、対応する基「A11」を有する化合物と、4−ニトロベンゾイルクロリド等のニトロ基含有化合物とを反応させる方法などが挙げられる。ジニトロ中間体の還元反応は、好ましくは有機溶媒中、例えばパラジウム炭素、酸化白金、亜鉛、鉄、スズ、ニッケル等の触媒を用いて実施することができる。ここで使用する有機溶媒としては、例えば酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、アルコール系等が挙げられる。但し、単量体[A]の合成手順は上記方法に限定されるものではない。
重合体[P]としてのポリアミック酸(以下、「ポリアミック酸[P]」ともいう。)は、例えばテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより得ることができる。具体的には、[i]特定テトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物と、上記式(1)で表される部分構造を有さないジアミン(以下、「その他のジアミン」ともいう。)とを反応させる方法;[ii]上記式(1)で表される部分構造を有さないテトラカルボン酸二無水物(以下、「その他のテトラカルボン酸二無水物」ともいう。)と、特定ジアミンを含むジアミンとを反応させる方法;[iii]特定テトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物と、特定ジアミンを含むジアミンとを反応させる方法、などが挙げられる。
また、上記方法[iii]の場合、特定テトラカルボン酸二無水物及び特定ジアミンの使用割合(合計量)は、ポリアミック酸[P]の合成に使用するモノマーの全体量に対して、5モル%以上とすることが好ましく、10モル%以上とすることがより好ましく、15モル%以上とすることがさらに好ましい。
その他のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらの具体例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物などを;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−8−メチル−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸2:3,5:6−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、1,3−プロピレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)などを;
芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物などを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。なお、その他のテトラカルボン酸二無水物は、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
特定の脂環式テトラカルボン酸二無水物の使用量(2種以上使用する場合にはその合計量)は、得られるポリアミック酸[P]の溶解性を向上させる観点から、ポリアミック酸[P]の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物の全体量に対して、10モル%以上とすることが好ましく、20モル%以上とすることがより好ましく、40モル%以上とすることがさらに好ましく、50モル%以上とすることが特に好ましい。
ポリアミック酸[P]の合成に使用するその他のジアミンとしては、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサンなどが挙げられる。これらの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどを;
脂環式ジアミンとして、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などを;
で表される化合物などの配向性基含有ジアミン:
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンなどを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。
窒素含有構造を有するジアミンが有していてもよい2級アミノ基及び3級アミノ基は、例えば下記式(N−1)で表される。
4,4’−ジアミノビフェニル−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、3,3’−ジアミノビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、3,3’−ジアミノビフェニル−2,4’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエタン−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸などの多価カルボン酸;などを挙げることができる。
で表される部分構造を基本骨格として含有する構造、等が挙げられる。
ポリアミック酸[P]は、上記のようなテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、必要に応じて分子量調整剤とともに反応させることによって得ることができる。ポリアミック酸[P]の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、0.3〜1.2当量となる割合がより好ましい。
分子量調整剤としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸などの酸一無水物、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミンなどのモノアミン化合物、フェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどのモノイソシアネート化合物等を挙げることができる。分子量調整剤の使用割合は、使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計100重量部に対して、20重量部以下とすることが好ましく、10重量部以下とすることがより好ましい。
重合体[P]としてのポリアミック酸エステル(以下、「ポリアミック酸エステル[P]」ともいう。)は、例えば、[I]上記重合反応により得られたポリアミック酸[P]とエステル化剤とを反応させる方法、[II]テトラカルボン酸ジエステルとジアミンとを反応させる方法、[III]テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物とジアミンとを反応させる方法、などによって得ることができる。
方法[II]の反応は、有機溶媒中、適当な脱水触媒の存在下で行うことが好ましい。有機溶媒としては、ポリアミック酸[P]の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水触媒としては、例えば4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムハライド、カルボニルイミダゾール、リン系縮合剤などが挙げられる。このときの反応温度は、−20℃〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。反応時間は、0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
方法[III]の反応は、有機溶媒中、適当な塩基の存在下で行うことが好ましい。有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン等の3級アミン;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属類などを好ましく使用することができる。このときの反応温度は、−20℃〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。反応時間は、0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
重合体[P]としてのポリイミド(以下、「ポリイミド[P]」ともいう。)は、例えば上記の如くして合成されたポリアミック酸[P]を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。
重合体[P]のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜500,000であり、より好ましくは2,000〜300,000である。また、Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは15以下であり、より好ましくは10以下である。このような分子量範囲にあることで、液晶表示素子の良好な配向性及び安定性を確保することができる。
本開示の液晶配向剤は、本開示の目的及び効果を妨げない範囲内において、上記重合体[P]以外のその他の成分を含有していてもよい。
[その他の重合体]
その他の成分としては、例えば重合体[P]以外の重合体(以下、「その他の重合体」ともいう。)等が挙げられる。その他の重合体は、溶液特性や電気特性の改善のために使用することができる。かかるその他の重合体の具体例としては、例えば上記その他のテトラカルボン酸二無水物と上記その他のジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸、該ポリアミック酸のイミド化重合体、該ポリアミック酸のエステル化重合体、ポリエステル、ポリアミド、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
その他の重合体を液晶配向剤に配合する場合、その配合割合は、液晶配向剤中に含まれる重合体の合計100重量部に対して、30重量部以下とすることが好ましく、20重量部以下とすることがより好ましく、10重量部以下とすることが更に好ましい。
本開示の液晶配向剤は、重合体[P]及び必要に応じて使用されるその他の成分が、好ましくは適当な有機溶媒中に分散又は溶解してなる液状の組成物として調製される。
本開示の液晶配向膜は、上記のように調製した液晶配向剤により形成される。また、本開示の液晶表示素子は、上記液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を具備する。液晶表示素子の駆動モードは特に限定されず、TN型、STN型、IPS型、FFS型、VA型、MVA型、PSA型などの種々の駆動モードに適用することができる。
先ず、基板上に液晶配向剤を塗布し、次いで塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。
(1−1)TN型、STN型、VA型、MVA型又はPSA型の液晶表示素子を製造する場合、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を一対として、それぞれの基板における透明性導電膜の形成面上に液晶配向剤を、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット印刷法によりそれぞれ塗布する。ここで、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO2)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In2O3−SnO2)からなるITO膜などを用いることができる。パターニングされた透明導電膜を得るには、例えばパターンなし透明導電膜を形成した後にフォト・エッチングによりパターンを形成する方法、透明導電膜を形成する際に所望のパターンを有するマスクを用いる方法などによることができる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面及び透明導電膜と塗膜との接着性を更に良好にするために、基板表面のうち塗膜を形成する面に、官能性シラン化合物、官能性チタン化合物などを予め塗布する前処理を施しておいてもよい。
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶表示素子を製造する場合、上記工程1で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理を実施する。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向能付与処理としては、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで塗膜を一定方向に擦るラビング処理、塗膜に対して偏光又は非偏光の放射線を照射する光配向処理などが挙げられる。一方、VA型液晶表示素子を製造する場合には、上記工程1で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、該塗膜に対し配向能付与処理を施してもよい。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマレーザーなどを使用することができる。好ましい波長領域の紫外線は、光源を、例えばフィルター、回折格子などと併用する手段などにより得ることができる。放射線の照射量は、好ましくは100〜50,000J/m2であり、より好ましくは300〜20,000J/m2である。また、塗膜に対する光照射は、反応性を高めるために塗膜を加温しながら行ってもよい。加温の際の温度は、通常30〜250℃であり、好ましくは40〜200℃であり、より好ましくは50〜150℃である。
(3−1)上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば以下の2つの方法が挙げられる。第一の方法は、従来から知られている方法である。先ず、それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより液晶セルを製造する。第二の方法は、ODF(One Drop Fill)方式と呼ばれる手法である。液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に、例えば紫外光硬化性のシール剤を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板の全面に押し広げ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化することにより液晶セルを製造する。いずれの方法による場合でも、上記のようにして製造した液晶セルにつき、さらに、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶;商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを、添加して使用してもよい。
[ポリイミドのイミド化率]
ポリイミドの溶液を純水に投入し、得られた沈殿を室温で十分に減圧乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温で1H−NMRを測定した。得られた1H−NMRスペクトルから、下記数式(1)によりイミド化率[%]を求めた。
イミド化率[%]=(1−A1/A2×α)×100 …(1)
(数式(1)中、A1は化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、A2はその他のプロトン由来のピーク面積であり、αは重合体の前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
[重合体溶液の溶液粘度]
重合体溶液の溶液粘度[mPa・s]は、所定の溶媒を用い、重合体濃度10重量%に調製した溶液について、E型回転粘度計を用いて25℃で測定した。
窒素導入管及び撹拌羽根を備えた容量0.5リットルの4つ口フラスコに、窒素気流下で、中間体(1)4.08g(0.010mol)、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸−1,2−無水物4−クロリド4.33g(0.020mol)、トリエチルアミン3.03g(0.030mol)、塩化メチレン100mlを加えて溶解させた。室温にて6時間撹拌した後、反応溶液をヘキサン300mlに投入し、沈殿物を濾別した。これをヘキサンにて洗浄後、真空乾燥させて化合物(CA−4)を得た(収率87%)。
窒素導入管及び撹拌羽根を備えた容量0.5リットルの4つ口フラスコに、窒素気流下で、中間体(3)4.37g(0.010mol)、無水トリメリット酸クロリド4.21g(0.020mol)、トリエチルアミン3.03g(0.030mol)、塩化メチレン100mlを加えて溶解させた。室温にて5時間撹拌した後、反応溶液をヘキサン300mlに投入し、沈殿物を濾別した。これをヘキサンにて洗浄後、真空乾燥させて化合物(CA−5)を得た(収率88%)。
次いで、窒素導入管、滴下漏斗、温度計及び撹拌羽根を備えた容量0.5リットルの4つ口フラスコに、上記中間体(5)を14.3g(0.020mol)、亜鉛25.4g(0.400mol)、塩化アンモニウム4.28g(0.080mol)、THF180ml、EtOH20mlを加えて溶解させた。このフラスコを氷水で冷やしながら、純水10mlを滴下して撹拌した。滴下後に室温で48時間撹拌した後、セライトろ過した。ろ液に酢酸エチルを100ml加えて、全量を分液漏斗に移した後、300mlの純水で混合する操作と、水層の取り出し操作とを3回行った後、下層の有機層を取り出し、これを無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後の溶液から有機溶媒をエバポレーターで留去し、化合物(DA−1)を得た(収率85%)。
[実施例2−1]
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物100モル部、ジアミンとして3,5−ジアミノ安息香酸60モル部、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン10モル部、上記式(E−1−4)で表される化合物20モル部、及び上記式(DA−1)で表される化合物10モル部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解し、60℃で6時間反応を行い、ポリアミック酸を20重量%含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、NMPを加えてポリアミック酸濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は305mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液に、NMPを追加してポリアミック酸濃度7重量%の溶液とし、ピリジン及び無水酢酸を、使用したテトラカルボン酸二無水物の全体量に対してそれぞれ1.3倍モルずつ添加して、110℃で4時間、脱水閉環反応を行った。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなNMPで溶媒置換(本操作によって脱水閉環反応に使用したピリジン及び無水酢酸を系外に除去した。以下同じ。)することにより、イミド化率約72%のポリイミド(これを「重合体(PI−1)」とする。)を16重量%含有する溶液を得た。
使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類及び量を下記表1のとおり変更した以外は実施例2−1と同様にしてポリイミド(重合体(PI−2)〜重合体(PI−5)を合成した。得られた重合体のイミド化率の測定結果を下記表1に合わせて示した。
<テトラカルボン酸二無水物>
T−1:2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
T−2:ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
T−3:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
T−4:ピロメリット酸二無水物
<ジアミン>
D−1: 3,5−ジアミノ安息香酸
D−2:コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン
D−3:上記式(E−1−4)で表される化合物
D−4:上記式(E−1−2)で表される化合物
D−5:ビス[2−(4−アミノフェニル)エチル]ヘキサン二酸
D−6:4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート
D−7:下記式(D−7)で表される化合物
D−8:上記式(D−2−7)で表される化合物
D−9:上記式(D−2−8)で表される化合物
テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物80モル部及び上記式(CA−5)で表される化合物20モル部、並びにジアミンとしてビス[2−(4−アミノフェニル)エチル]ヘキサン二酸100モル部を、NMP及びγ−ブチロラクトン(γBL)(NMP:γBL=10:90(重量比))の混合溶媒に溶解し、40℃で3時間反応を行い、ポリアミック酸(これを重合体(PAA−1)とする。)を10重量%含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取して測定した溶液粘度は360mPa・sであった。
使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類及び量を上記表1のとおり変更した以外は実施例2−6と同様にしてポリアミック酸(重合体(PAA−2)〜重合体(PAA−4))を合成した。
(1)液晶配向剤の調製
重合体(PI−1)を含有する溶液に、溶剤としてNMP、N−エチル−2−ピロリドン(NEP)及びブチルセロソルブ(BC)を加え、溶液組成がNMP:NEP:BC=40:10:50(重量比)、固形分濃度6.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過することにより液晶配向剤(S−1)を調製した。
上記(1)で調製した液晶配向剤(S−1)を、ガラス基板上にスピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換した200℃のオーブンで1時間加熱(ポストベーク)することにより、平均膜厚0.1μmの塗膜を形成した。これと同様の操作を繰り返すことにより、塗膜が形成されたガラス基板を2枚作製した。塗膜を形成した2枚のガラス基板のうちの1枚に対して、塗膜を有する面にODFシール剤(積水化学製S−WB42)を直径が5mmになるように塗布し、もう一枚のガラス基板の塗膜と、基板上に塗布したODFシール剤とが接触するように貼り合わせた。その後、メタルハライドランプを用いて30,000J/m2(365nm換算)の光を照射した後、120℃のオーブンで1時間加熱した。その後、今田製作所の引張圧縮試験機(型番:SDWS−0201−100SL)を用いて密着力を測定することにより、基板に対する塗膜の密着性を評価した。評価は、密着力が300gf/mm2以上であった場合を密着性「優良(◎)」、200gf/mm2以上300gf/mm2未満であった場合を密着性「良好(○)」、100gf/mm2以上200gf/mm2未満であった場合を密着性「可(△)」、100gf/mm2未満であった場合を密着性「不良(×)」とした。その結果、この実施例では、密着力260gf/mm2であり、塗膜の密着性「良好」の評価であった。
使用する重合体成分及び添加剤の種類及び量を下記表2の通り変更した以外は実施例3−1と同様にして液晶配向剤(S−2)〜(S−6)、(R−1)及び(R−2)をそれぞれ調製した。また、調製した液晶配向剤を用い、実施例3−1の(2)と同様にして塗膜の密着性評価を行った。それらの結果を下記表2に示した。
(溶剤)
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
NEP:N−エチル−2−ピロリドン
BC:ブチルセロソルブ
PB:1−ブトキシ−2−プロパノール
DEDG:ジエチレングリコールジエチルエーテル
PGDAc:プロピレングリコールジアセテート
Claims (7)
- 下記式(0)で表される部分構造を有するポリイミド及びその前駆体よりなる群から選ばれる少なくとも一種である重合体[P]を含有する、液晶配向剤。
- 前記重合体[P]は、上記式(0)で表される部分構造の一部として、下記式(1)で表される構造を有する単量体[A]に由来する部分構造を有する重合体である、請求項1に記載の液晶配向剤。
- 前記単量体[A]は、下記式(d−1)で表されるジアミン及び下記式(t−1)で表される酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項2に記載の液晶配向剤。
- 前記B1は、シクロブタン環構造、シクロペンタン環構造及びシクロヘキサン環構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の環構造を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
- 前記重合体[P]は、窒素含有複素環(ただし、ポリイミドが有するイミド環を除く。)、2級アミノ基及び3級アミノ基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の構造をさらに有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
- 請求項6に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
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