JP2019045729A - 液晶配向剤、液晶素子、重合体及び化合物 - Google Patents

液晶配向剤、液晶素子、重合体及び化合物 Download PDF

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Takashi Okada
敬 岡田
伸夫 安池
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剛 遠藤
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Shuhei Yamada
修平 山田
翔太 安藤
Shota Ando
翔太 安藤
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Abstract

【課題】液晶配向性が良好であり、電圧保持率が高く、かつ焼き付きが少ない液晶素子を得ることができる液晶配向剤を提供すること。
【解決手段】式(1)で表される部分構造を有する重合体[A]を液晶配向剤に含有させる。
Figure 2019045729

(式(1)中、Rは2価の有機基であり、Rは水素原子又は1価の有機基であり、RとRとが結合して環を形成していてもよい。「*」は結合手であることを示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶素子、重合体及び化合物に関する。
液晶素子は、テレビやモバイル機器、各種モニターなどに広く利用されている。液晶素子においては、液晶配向膜によって液晶セル中の液晶分子の配向を制御することより光の透過量を調整し、液晶素子としての各種機能(例えば、表示機能や調光機能など)を実現している。近年における液晶素子の高性能化の要求に伴い、液晶配向膜についてもその性能をさらに向上させることが要求されており、これを実現するべく種々の液晶配向剤が提案されている(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。
特開2017−90850号公報 特開2017−90529号公報
近年、液晶素子は、大画面の液晶テレビから、スマートフォンやタブレットPC等といった小型の表示装置まで幅広い範囲のデバイスや用途に適用されており、液晶素子の表示品位の更なる改善が従来よりも増して重要になってきている。これに伴い、液晶配向膜の更なる高性能化が必要であり、液晶配向性が良好であり、電気保持率が高く、しかも焼き付きが少ない液晶素子を得ることが可能な液晶配向剤が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、液晶配向性が良好であり、電圧保持率が高く、かつ焼き付きが少ない液晶素子を得ることができる液晶配向剤を提供することを一つの目的とする。
本発明によれば以下の手段が提供される。
<1> 下記式(1)で表される部分構造を有する重合体[A]を含有する、液晶配向剤。
Figure 2019045729
(式(1)中、Rは2価の有機基であり、Rは水素原子又は1価の有機基であり、RとRとが結合して環を形成していてもよい。「*」は結合手であることを示す。)
<2> 前記重合体[A]は、下記式(2)で表される化合物を含むカーバメート化合物の重縮合体、又は当該重縮合体に由来するセグメントを有する共重合体である、上記<1>の液晶配向剤。
Figure 2019045729
(Rは1価の有機基であり、Rは水素原子又は1価の有機基であり、RとRとが結合して環を形成していてもよい。Yは電子求引性基である。mは0〜5の整数である。)
<3> 上記<1>又は<2>の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
<4> 上記<3>の液晶配向膜を備える液晶素子。
<5> 上記<4>の液晶配向膜を具備する位相差フィルム。
<6> 上記式(2)で表される化合物(ただし、Rは下記式(3)で表される部分構造を有する。)を含むカーバメート化合物の重縮合体、又は当該重縮合体に由来するセグメントを有する共重合体。
Figure 2019045729
(式(3)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基又はシアノ基である。Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基又はシアノ基である。aは0〜4の整数である。但し、aが2以上の場合、複数のRは同じでも異なっていてもよい。「*1」及び「*2」は結合手であることを示す。)
<7> ポリアミノ酸、又はポリアミノ酸に由来するセグメントを有する共重合体の製造方法であって、上記式(2)で表される化合物を含むカーバメート化合物(ただし、Rは下記式(3)で表される部分構造を有する。)を、ハロゲン系溶剤、エーテル系溶剤、アミド系溶剤、ケトン系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、及びニトリル系溶剤よりなる群から選ばれる少なくとも一種の溶媒の存在下で重縮合させる工程を含む、製造方法。
<8> 上記式(2)で表され、かつRが上記式(3)で表される部分構造を有する化合物。
上記の液晶配向剤によれば、液晶配向性が良好であり、電圧保持率が高く、かつ焼き付きが少ない液晶素子を得ることができる。
本開示の液晶配向剤は、上記式(1)で表される部分構造を有する重合体[A]を含有する。以下に、液晶配向剤に含まれる重合体[A]、及び必要に応じて配合されるその他の成分について詳しく説明する。
≪重合体[A]≫
(式(1)で表される部分構造)
上記式(1)において、Rの2価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−NHCO−、−NH−、−O−、−S−、−COO−等を有する炭素数1〜20の2価の基、炭化水素基の少なくとも1個の水素原子が置換基(例えばハロゲン原子、シアノ基等)で置換された炭素数1〜20の2価の基、複素環基を有する2価の基、感光性基を有する2価の基等が挙げられる。Rの1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、保護基等が挙げられる。
ここで、本明細書において「炭化水素基」は、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む意味である。「鎖状炭化水素基」とは、主鎖に環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基を意味する。ただし、飽和でも不飽和でもよい。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。ただし、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有するものも含む。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。ただし、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。
上記式(1)で表される部分構造は、好ましくは、下記式(1−1)で表される部分構造である。
Figure 2019045729
(式(1−1)中、Rは1価の有機基であり、Rは水素原子又は1価の有機基であり、RとRとが結合して環を形成していてもよい。「*」は結合手であることを示す。)
上記式(1−1)において、Rの具体例については上記式(1)中のRの説明が適用される。Rは、好ましくは水素原子又は1価の炭化水素基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基であり、さらに好ましくは水素原子である。RとRとが結合して形成される環としては、例えば、ピロリジン環、ピペリジン環、ヘキサメチレンイミン環等が挙げられる。
の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−NHCO−、−NH−、−O−、−S−、−COO−等を有する炭素数1〜20の1価の基、炭化水素基の少なくとも1個の水素原子が置換基(例えばハロゲン原子、シアノ基等)で置換された炭素数1〜20の1価の基、複素環基を有する1価の基、感光性基を有する1価の基、垂直配向性基、−NR(ただし、Rは水素原子又は保護基であり、Rは保護基である。)等が挙げられる。R及びRの保護基としては、例えばカルバメート系保護基、アミド系保護基、イミド系保護基、スルホンアミド系保護基等が挙げられる。当該保護基は、ポストベーク時の加熱によって脱離しやすく、また脱離後に膜中に残存しにくい点で、t−ブトキシカルボニル基が好ましい。
が、感光性基を有する基である場合、当該感光性基は、シンナメート構造、アゾベンゼン構造、スチルベン構造、カルコン構造、クマリン構造、トラン構造、シクロブタン構造、又はフェニルベンゾエート構造であることが好ましい。重合体[A]の光反応性を十分に高くできる点、及び重合体[A]への導入しやすさの点から、Rが有する感光性基はシンナメート構造を有することが特に好ましい。
がシンナメート構造を有する場合、Rは、下記式(3)で表される部分構造を有することが好ましい。
Figure 2019045729
(式(3)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基又はシアノ基である。Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基又はシアノ基である。aは0〜4の整数である。但し、aが2以上の場合、複数のRは同じでも異なっていてもよい。「*1」及び「*2」は結合手であることを示す。)
上記式(3)において、R及びRは、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。aは0又は1が好ましい。
の好ましい具体例としては、下記式(3−1)で表される1価の基が挙げられる。
*−R−X−(R−X−A−X−R …(3−1)
(式(3−1)中、R及びRは、それぞれ独立して2価の有機基であり、Aは上記式(3)で表される2価の基であり、jは0又は1である。上記式(3)中の「*1」がXに結合している場合、Xは、単結合、−NH−、−O−、−S−、*3−COO−、*3−OCO−、*3−CONH−、又は*3−NHCO−(ただし、「*3」はAとの結合手を示す。)であり、Rは、Xが単結合のときには水素原子又は1価の有機基であり、Xが単結合以外のときには1価の有機基であり、X及びXについては、j=0のときには、Xは−NH−、−O−又は−S−であり、j=1のときには、Xは−NH−、−O−、−S−、*4−COO−、*4−OCO−、*4−COHN−、又は*4−NHCO−(ただし、「*4」はRとの結合手である。)であり、Xは−NH−、−O−又は−S−である。上記式(3)中の「*2」がXに結合している場合、X及びXは、それぞれ独立して−NH−、−O−、−S−、*4−COO−、*4−OCO−、*4−CONH−、又は*4−NHCO−であり、Xは−O−又は−S−であり、Rは水素原子又は1価の有機基である。「*」は、上記式(1−1)中の炭素原子に結合する結合手であることを示す。)
上記式(3−1)において、Rの2価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−NHCO−、−NH−、−O−、−S−、−COO−等を有する炭素数1〜20の2価の基、炭化水素基の少なくとも1個の水素原子が置換基(例えばハロゲン原子、シアノ基等)で置換された炭素数1〜20の2価の基等が挙げられる。Rは、好ましくは炭素数1〜20の2価の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基又は−R20−R21−(ただし、R20はアルカンジイル基であり、R21はフェニレン基である。)である。Xは、−NH−又は−O−でRに結合していることが好ましい。
の2価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−NHCO−、−NH−、−O−、−S−、−COO−等を有する炭素数1〜20の2価の基等が挙げられる。Rは、好ましくは2価の芳香族炭化水素基である。
の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−NHCO−、−NH−、−O−、−S−、−COO−等を有する炭素数1〜20の1価の基、炭化水素基の少なくとも1個の水素原子が置換基(例えばハロゲン原子、シアノ基等)で置換された炭素数1〜20の1価の基等が挙げられる。
jは、上記式(1−1)中のRにシンナメート構造を導入しやすい点で0が好ましい。
上記Rの好ましい具体例としては、例えば下記式(3−1−1)〜式(3−1−12)のそれぞれで表される1価の基等が挙げられる。
Figure 2019045729
(式中、rは1〜20の整数である。「*」は、上記式(1−1)中の炭素原子に結合する結合手であることを示す。)
重合体[A]は、上記式(1)で表される部分構造を主鎖中に有していてもよいし、側鎖に有していてもよい。配向剤特性(得られる液晶素子の液晶配向性、電圧保持率、焼き付き特性等)を良好に保持しつつ、溶剤に対する溶解性が高い点で、重合体[A]は、上記式(1)中の3個の「*」のうちの2個が、主鎖を構成する原子に結合している重合体であることが好ましく、上記式(1−1)中の2個の「*」が、主鎖を構成する原子に結合している重合体であることがより好ましい。
(主鎖について)
重合体[A]の主骨格は特に限定されないが、得られる液晶素子における液晶配向性、電圧保持率及び焼き付き特性の改善効果が高い点で、下記の(A1)又は(A2)であることが好ましく、上記の配向剤特性に加え、溶剤に対する溶解性に優れている点で、下記の(A1)であることが特に好ましい。
(A1)ポリアミノ酸、又は、ポリアミノ酸に由来するセグメントを有する共重合体。
(A2)ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選択される少なくとも一種の重合体。
なお、以下では、上記(A1)の重合体を「重合体[A1]」とし、上記(A2)の重合体を「重合体[A2]」として説明する。
<重合体[A1]>
重合体[A1]は、上記式(1)で表される部分構造を構造単位として有する重合体である。重合体[A1]の合成方法は特に限定されないが、少ない工程でアミノ酸から重合体[A1]を製造できる点、及びラセミ化を引き起こしにくい温和な条件で重合反応を行うことができる点で、アミノ酸とフェノール誘導体とから合成されるカーバメート化合物を重縮合させる方法を用いることが好ましい。合成方法の一例として、下記スキーム1に示す方法が挙げられる。下記スキーム1中のnは、例えば2〜50,000程度である。
Figure 2019045729
(上記式(2)中、Yは電子求引性基であり、mは0〜5の整数である。上記式(2)及び式(5)中、R及びRは、上記式(1−1)と同義である。nは2以上の整数である。)
[カーバメート化合物]
上記式(2)で表されるカーバメート化合物は、例えばアミノ酸とフェノール誘導体とを反応させる工程を含む方法によって得ることができる。具体例としては、Rが水素原子である化合物は下記スキーム2により得ることができ、Rが1価の有機基である化合物は、さらに下記スキーム3に示す反応を行うことにより得ることができる。
Figure 2019045729
(上記式(6)及び式(7)中、X及びXは、それぞれ独立してハロゲン原子であり、Rは1価の有機基である。Y及びmは上記式(2)と同義である。)
Figure 2019045729
(スキーム3中、R10は、水素原子又は1価の有機基であり、Rは1価の有機基である。Y及びmは上記式(2)と同義である。)
カーバメート化合物の合成に使用するアミノ酸としては、例えばグリシン、アラニン、イソロイシン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、リシン、アルギニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、ロイシン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、γ−ベンジルグルタミン酸、β−ベンジルアスパラギン酸等の天然アミノ酸、及びその活性水素置換アミノ酸、天然アミノ酸のD−異性体等が挙げられる。なお、上記スキーム2では、ハロゲン化水素酸性(例えば塩酸酸性等)の状態(上記式(6)で表される化合物)でアミノ酸が示されている。
上記反応に使用するアミノ酸が、水酸基やチオール基、あるいは、複数個のカルボキシル基又は複数個のアミノ基を有する場合、重縮合反応に関与するアミノ基及びカルボキシル基以外の官能基については、保護基で保護されているか、又は当該官能基を利用して機能性基(例えば、感光性基や垂直配向性基など)等が導入されていることが好ましい。アミノ酸は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
カーバメート化合物の合成に用いられるフェノール誘導体は、例えば上記式(7)で表される。上記式(7)において、Xとしては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等が挙げられる。Yの電子求引性基としては、例えばニトロ基、ハロゲン原子、パーフルオロアルキル基、パークロロアルキル基、エステル基、アセチル基、シアノ基、ベンゾイル基等が挙げられる。
フェノール誘導体の具体例としては、例えばフェノキシカルボニルクロリド、4−ニトロフェノキシカルボニルクロリド、2,4−ジニトロフェノキシカルボニルクロリド、4−ニトロフェノキシカルボニルブロミド、ペンタフルオロフェノキシカルボニルクロリド等が挙げられる。フェノール誘導体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
スキーム3で使用するアルデヒド(R10−CHO)としては、ホルムアルデヒドやその重合物、アセトアルデヒド、ベンジルアルデヒド等が挙げられる。当該アルデヒドは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、カーバメート化合物の合成に際しフェノール誘導体を用いる場合を例示したが、例えば2−ニトロ−1−ナフトール等の置換ナフトール誘導体や、置換1,8,9−トリヒドロキシアントラセン等のヒドロキシアントラセン誘導体を用いてもよい。
(スキーム2の反応条件)
アミノ酸とフェノール誘導体との反応は、必要に応じて触媒の存在下、溶媒中で行われる。反応に際し、アミノ酸及びフェノール誘導体の使用割合は、アミノ酸1モルに対して、フェノール誘導体を0.1〜10モルとすることが好ましく、0.5〜1.5モルとすることがより好ましい。
上記合成において使用される溶媒としては、例えば、アミド系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、ニトリル系溶剤、ハロゲン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤等が挙げられる。これらの具体例としては、アミド系溶剤として、例えばジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等を;ケトン系溶剤として、例えばメチルエチルケトン、アセトン等を:エステル系溶剤として、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等を;ニトリル系溶剤として、例えばアセトニトリル等を;ハロゲン系溶剤として、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等を;エーテル系溶剤として、例えばテトラヒドロフラン、シクロペンタンモノメチルエーテル等;スルホキシド系溶剤として、例えばジメチルスルホキシド等を、それぞれ挙げることができる。
上記反応に際し、溶媒の使用割合は、アミノ酸とフェノール誘導体との合計量100質量部に対して、10〜1500質量部とすることが好ましく、20〜100質量部とすることがより好ましい。反応温度は、10〜110℃とすることが好ましく、20〜70℃とすることがより好ましい。反応時間は、1〜100時間が好ましく、10〜60時間がより好ましい。
(スキーム3の反応条件)
スキーム3の前段の反応は、酸触媒の存在下、溶媒中で行うことが好ましい。酸触媒としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸等の無機塩;p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸が挙げられる。酸触媒の使用割合は、アルデヒドと反応させるカーバメート化合物(上記式(13)で表される化合物)1モルに対し、好ましくは0.01〜0.1モルである。
反応に使用する溶媒としては、例えば芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族アルカン系溶媒、シクロアルカン系溶媒等が挙げられる。溶媒の使用割合は、反応に使用するカーバメート化合物及びアルデヒドの合計100質量部に対し、好ましくは500〜2000質量部である。反応温度は、好ましくは100〜130℃であり、反応時間は、好ましくは10〜20時間である。
スキーム3の後段の反応は、還元剤及び酸触媒の存在下、溶媒中で行うことが好ましい。還元剤としては、例えばトリエチルシラン等のトリアルキルシランが挙げられる。還元剤の使用割合は、オキサゾリジノン誘導体1モルに対して、好ましくは1〜3モルである。酸触媒としては、前段で使用した酸触媒と同様のものが挙げられる。酸触媒の使用割合は、オキサゾリジノン誘導体(上記式(14)で表される化合物)1モルに対して、好ましくは10〜20モルである。
反応に使用する溶媒としては、例えばクロロホルム、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。溶媒の使用割合は、反応に使用するオキサゾリジノン誘導体100質量部に対し、好ましくは500〜1000質量部である。反応温度は、好ましくは20〜30℃であり、反応時間は、好ましくは10〜20時間である。
(感光性基含有カーバメート化合物)
重合体[A1]の合成に使用するカーバメート化合物は、感光性基を有するカーバメート化合物(以下、「感光性基含有カーバメート化合物」ともいう。)を含んでいることが好ましい。感光性基含有カーバメート化合物は、上記式(2)中のRが感光性基を有していることが好ましく、感光性基の導入効率を高くできる点、得られる重合体[A1]の光反応性が十分に高い点、及び良好な配向特性を発現する点で、Rが、上記式(3)で表される部分構造を有する1価の有機基であることが特に好ましい。
感光性基含有カーバメート化合物の合成方法は特に限定されないが、高い収率で目的物を得ることができる点で、リシン、セリン若しくはチロシン又はそれらの誘導体が有する、重縮合反応に関与するアミノ基及びカルボキシル基以外の官能基A(具体的にはアミノ基又は水酸基)と、当該官能基Aと反応して結合を形成可能な官能基Bを有し、かつ感光性基を有する化合物と、を反応させる方法によることが好ましい。感光性基含有カーバメート化合物の合成方法の好ましい例としては、下記スキーム4に示すように、下記式(8)で表される化合物と、下記式(9)で表される化合物とを反応させる方法が挙げられる。
Figure 2019045729
(スキーム4中、Xは、アミノ基又は水酸基であり、Xは、Xと反応して結合を形成する官能基である。R、X、R、X、A、X、R及びjは上記式(3−1)と同義であり、Y及びmは上記式(2)と同義である。ただし、Xは、−NH−又は−O−でRに結合している。)
式(8)で表される化合物は、上記スキーム2に従ってアミノ酸(リシン、セリン若しくはチロシン又はそれらの誘導体)とフェノール誘導体とを反応させることによって得ることができる。なお、スキーム4において、上記式(8)中のXがアミノ基である化合物を用いる場合、得られる化合物の純度低下を抑制するために、例えばハロゲン原子によりイオン化しておくことが好ましい。Rは水素原子が好ましい。
上記式(9)で表される化合物は、Xとの反応性が十分に高い点で、活性エステル又は酸クロリドが好ましい。この場合、Xは、N−ヒドロキシスクシンイミド基、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール基、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール基若しくは塩素原子であって、j=0であって、かつA中の−CO−に結合しているか、又は、「X−CO−*」で表される1価の基(ただし、XはN−ヒドロキシスクシンイミド基、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール基、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール基又は塩素原子であり、「*」はR又はA中のベンゼン環に結合する結合手である。)であることが好ましい。
(スキーム4の反応条件)
上記式(8)で表される化合物と上記式(9)で表される化合物との反応は、必要に応じて触媒の存在下、好ましくは溶媒中で行われる。反応に使用する溶媒としては、アミノ酸とフェノール誘導体との反応に際して用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。反応温度は、好ましくは0〜80℃であり、より好ましくは10〜50℃である。反応時間は、好ましくは10分〜10時間であり、より好ましくは30分〜5時間である。得られた反応溶液から目的物を単離するには、公知の精製方法を用いて行うことができる。
感光性基含有カーバメート化合物は、好ましくは上記式(10)で表される化合物であり、その具体例としては、下記式(4−1)〜式(4−12)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。感光性基含有カーバメート化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 2019045729
重合体[A1]の合成に際しては、カーバメート化合物として、感光性基含有カーバメート化合物のみを用いてもよいが、感光性基含有カーバメート化合物とともに、感光性基含有カーバメート化合物とは異なる化合物(以下、「その他のカーバメート化合物」ともいう。)を用いてもよい。その他のカーバメート化合物としては、例えば、垂直配向性基を有するカーバメート化合物、保護された窒素原子を有するカーバメート化合物(以下、「窒素保護カーバメート化合物」ともいう。)等が挙げられる。
垂直配向性基を有するカーバメート化合物としては、上記式(2)のRが垂直配向性基である化合物等が挙げられる。垂直配向性基は、液晶配向剤を用いて形成した塗膜に対し、液晶分子に所望のプレチルト角を誘起させる機能を付与する官能基である。この垂直配向性基は、光照射によらずに液晶分子を垂直配向させる性質を示し、その具体例としては、例えば炭素数3〜30のアルキル基、炭素数3〜30のフルオロアルキル基、炭素数3〜30のアルコキシ基、炭素数3〜30のフルオロアルコキシ基、シクロへキサン環及びベンゼン環の少なくとも一方の環が合計2個以上連結された骨格を有する基、ステロイド骨格を有する基等が挙げられる。
窒素保護カーバメート化合物が有する保護基としては、例えばカルバメート系保護基、アミド系保護基、イミド系保護基、スルホンアミド系保護基等が挙げられ、t−ブトキシカルボニル基(BOC基)が特に好ましい。
その他のカーバメート化合物の具体例としては、例えば、N−(フェノキシカルボニル)−グリシン、N−(フェノキシカルボニル)−L−アラニン、N−(フェノキシカルボニル)−γ−ベンジル−L−グルタメート、N−(フェノキシカルボニル)−L−フェニルアラニン、N−(フェノキシカルボニル)−β−ベンジル−L−アスパルテート、N−(フェノキシカルボニル)−L−ロイシン、N−(フェノキシカルボニル)−L−プロリン、N−(フェノキシカルボニル)−O−ベンジル−L−チロシン、N−(4−ニトロフェノキシカルボニル)−γ−ベンジル−L−グルタメート、N−(4−ニトロフェノキシカルボニル)−β−ベンジル−L−アスパルテート、N−(4−ニトロフェノキシカルボニル)−L−フェニルアラニン、N−(4−ニトロフェノキシカルボニル)−L−ロイシン、N−(4−ニトロフェノキシカルボニル)−L−プロリン、N−(4−ニトロフェノキシカルボニル)−O−ベンジル−L−チロシン、下記式(5−1)〜式(5−6)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。なお、その他のカーバメート化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 2019045729
重合体[A1]の合成に際し、感光性基含有カーバメート化合物の使用割合は、合成に使用するカーバメート化合物の合計量に対して、3モル%以上とすることが好ましく、5モル%以上とすることがより好ましく、10モル%以上とすることがさらに好ましい。
(ポリアミノ酸の重合)
カーバメート化合物の重縮合反応は、好ましくは溶媒の存在下で行われる。重縮合反応に使用する溶媒としては、カーバメート化合物の合成(アミノ酸とフェノール誘導体との反応)に際して用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。具体的には、アミド系溶剤、スルホキシド系溶剤などが好適な例として挙げられる。
溶媒の使用割合は、使用するカーバメート化合物の合計量100質量部に対して、20〜500質量部とすることが好ましく、25〜200質量部とすることがより好ましい。
上記重縮合反応は、触媒の存在下で行われることが好ましい。触媒としては、塩基性化合物を好ましく用いることができ、その具体例としては、例えばモレキュラーシーブス等のゼオライト類;炭酸水素ナトリウム等の塩基性アルカリ金属塩類;n−ブチルアミン、イソブチルアミン、ジメチルアミン、トリエチレンテトラミン、アニリン等の1級又は2級アミン化合物;トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の3級アミン化合物;ピリジン等の芳香族アミン化合物;メチルピロリドン、ポリビニルピロリドン等のピロリドン化合物、等が挙げられる。触媒の使用割合は、使用するカーバメート化合物の合計量1モルに対して、0.005〜0.2モルとすることが好ましく、0.05〜0.1モルとすることがより好ましい。
上記重縮合反応に際し、反応温度は、好ましくは10〜110℃であり、より好ましくは30〜80℃である。反応時間は、好ましくは3〜200時間であり、より好ましくは5〜72時間である。得られた反応溶液から、目的物であるカーバメート化合物の重縮合体を単離するには、公知の精製方法を用いて行うことができる。
また、カーバメート化合物を、酸性基含有高分子化合物の存在下で重縮合させることにより、重合体[A1]として、カーバメート化合物の重縮合体に由来するセグメントを有するポリアミノ酸系共重合体を得ることができる。酸性基含有高分子化合物としては、カルボキシル基含有高分子化合物、リン酸基含有高分子化合物、スルホン酸基含有高分子化合物等が挙げられる。例えば、酸性基含有高分子化合物として、末端に酸性基を有する高分子化合物(例えば、末端カルボキシル基ポリエチレングリコール等)を用いた場合には、有機連鎖セグメントを有するポリアミノ酸系ブロック共重合体を得ることができる。また、酸性基含有高分子化合物として、側鎖に酸性基を有する高分子化合物(例えば、ポリアクリル酸等)を用いた場合には、有機連鎖セグメントを側鎖に有するポリアミノ酸系グラフト共重合体を得ることができる。
重合体[A1]のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜500,000であり、より好ましくは2,000〜100,000である。Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは8以下であり、より好ましくは4以下である。なお、液晶配向剤に含有させる重合体[A1]は1種のみでもよく、又は2種以上を組み合わせてもよい。
<重合体[A2]>
重合体[A2]は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種である。重合体[A2]は、テトラカルボン酸誘導体に由来する部分構造と、上記式(1)で表される部分構造を有するジアミン化合物(以下、「特定ジアミン」ともいう。)に由来する部分構造と、を有する重合体であることが好ましい。
<ポリアミック酸>
重合体[A2]がポリアミック酸である場合、当該ポリアミック酸(以下、「ポリアミック酸[A]」ともいう。)は、例えば、テトラカルボン酸二無水物と、特定ジアミンを含むジアミン化合物と、を反応させることにより得ることができる。
(テトラカルボン酸二無水物)
ポリアミック酸[A]の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されず、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらの具体例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えばエチレンジアミン四酢酸二無水物などを;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−8−メチル−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などを;
芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、1,3−プロピレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。なお、ポリアミック酸[A]の合成に際し、テトラカルボン酸二無水物としては、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリアミック酸[A]の合成に際して使用するテトラカルボン酸二無水物としては、液晶素子の液晶配向性及び電圧保持率が高く、かつ焼き付きが少ないといった効果と、重合体[A2]の溶剤に対する溶解性が良好であるといった効果とをバランス良く得ることができる点で、これらのうち、脂環式テトラカルボン酸二無水物を含むことが好ましく、シクロブタン環、シクロペンタン環及びシクロヘキサン環よりなる群から選ばれる少なくとも一種の環を有する脂環式テトラカルボン酸二無水物を含むことがより好ましい。脂環式テトラカルボン酸二無水物の使用割合は、ポリアミック酸[A]の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物の合計量に対して、3モル%以上とすることが好ましく、10モル%以上とすることがより好ましい。
(ジアミン化合物)
特定ジアミンとしては、下記式(11)及び式(12)のそれぞれで表される化合物が挙げられる。
Figure 2019045729
(式(11)及び式(12)中、R11及びR14は、それぞれ独立して2価の有機基であり、R13、R15及びR16は、それぞれ独立して水素原子又は1価の有機基であり、Xは単結合、−O−、−S−又は−NH−である。Rは1価の有機基である。)
上記式(11)及び式(12)において、R11の2価の有機基は、置換又は無置換の芳香環の環部分から2個の水素原子を取り除いた2価の環状基であることが好ましい。当該芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環又はピリミジン環が好ましく、ベンゼン環又はピリジン環がより好ましい。
14の2価の有機基は、炭素数1〜20の2価の炭化水素基が好ましい。
13及びR15の1価の有機基としては、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は保護基が好ましい。保護基の具体例及び好ましい例については、上記の窒素保護カーバメート化合物の説明が適用される。
16の1価の有機基としては、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、又は当該炭化水素基の炭素−炭素結合間に−O−、−CO−、−COO−を含む基であることが好ましい。
は、合成しやすさの観点から−O−が好ましい。
特定ジアミンの具体例としては、上記式(11)で表される化合物として、例えば下記式(11−1)及び式(11−2)のそれぞれで表される化合物等を;上記式(12)で表される化合物として、例えば下記式(12−1)〜式(12−12)のそれぞれで表される化合物等を、挙げることができる。なお、特定ジアミンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 2019045729
(式中、Meはメチル基を表し、Buはtert−ブチル基を表す。)
ポリアミック酸[A]の合成に際しては、ジアミン化合物として特定ジアミンのみを用いてもよいが、特定ジアミンと共に、特定ジアミン以外のジアミン(以下、「その他のジアミン」ともいう。)を使用してもよい。
その他のジアミンとしては、上記式(1)で表される部分構造を有さないジアミンであれば特に限定されず、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン及びジアミノオルガノシロキサン等が挙げられる。これらの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等を;脂環式ジアミンとして、例えばp−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等を;
芳香族ジアミンとして、例えばドデカノキシジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシジアミノベンゼン、オクタデカノキシジアミノベンゼン、コレスタニルオキシジアミノベンゼン、コレステリルオキシジアミノベンゼン、ジアミノ安息香酸コレスタニル、ジアミノ安息香酸コレステリル、ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、2,5−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン、下記式(E−1)
Figure 2019045729
(式(E−1)中、XI及びXIIは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−であり、Rは炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、RIIは単結合又は炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、aは0又は1であり、bは0〜2の整数であり、cは1〜20の整数であり、dは0又は1である。ただし、a及びbが同時に0になることはない。)
で表される化合物等の側鎖型ジアミン:
パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−エチレンジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、1,2−ビス(4−アミノフェノキシ)エタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、N,N’−ジ(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルエチレンジアミン、ビス[2−(4−アミノフェニル)エチル]ヘキサン二酸、ビス(4−アミノフェニル)アミン、N,N−ビス(4−アミノフェニル)メチルアミン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)−ピペラジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−(フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4−(4−アミノフェノキシカルボニル)−1−(4−アミノフェニル)ピペリジン、4,4’−[4,4’−プロパン−1,3−ジイルビス(ピペリジン−1,4−ジイル)]ジアニリン、1,3−ビス(4−アミノフェニチル)ウレア、下記式(6−1)〜(6−4)
Figure 2019045729
のそれぞれで表される化合物等の非側鎖型ジアミンを;
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサン等を;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミン化合物を用いることができる。なお、ポリアミック酸[A]の合成に際し、その他のジアミンは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
特定ジアミンの使用割合は、本開示の効果を十分に得る観点から、ポリアミック酸[A]の合成に際して使用するジアミン化合物の合計量に対して、20モル%以上とすることが好ましい。より好ましくは40モル%以上であり、さらに好ましくは60モル%以上である。
(ポリアミック酸の合成)
ポリアミック酸[A]は、上記の如きテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを、必要に応じて分子量調整剤(例えば、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物等)とともに反応させることによって得ることができる。ポリアミック酸[A]の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割合は、ジアミン化合物のアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましい。
ポリアミック酸[A]の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は−20℃〜150℃が好ましく、反応時間は0.1〜24時間が好ましい。反応に使用する有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素等が挙げられる。特に好ましい有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、m−クレゾール、キシレノール及びハロゲン化フェノールよりなる群から選択される1種以上を溶媒として使用するか、あるいはこれらの1種以上と、他の有機溶媒(例えばブチルセロソルブ、ジエチレングリコールジエチルエーテル等)との混合物である。有機溶媒の使用量は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の合計量が、反応溶液の全量に対して、0.1〜50質量%になる量とすることが好ましい。ポリアミック酸[A]を溶解してなる反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸[A]を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
<ポリアミック酸エステル>
重合体[A2]がポリアミック酸エステルである場合、当該ポリアミック酸エステルは、上記式(1)で表される部分構造を有する重合体である。このポリアミック酸エステルは、例えば、[I]上記で得られたポリアミック酸[A]とエステル化剤(例えばメタノールやエタノール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール等)とを反応させる方法、[II]テトラカルボン酸ジエステルと、特定ジアミンを含むジアミン化合物とを、好ましくは有機溶媒中、適当な脱水触媒(例えば4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムハライド、カルボニルイミダゾール、リン系縮合剤等)の存在下で反応させる方法、[III]テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物と、特定ジアミンを含むジアミン化合物とを、好ましくは有機溶媒中、適当な塩基(例えばピリジン、トリエチルアミン等の3級アミンや、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属類)の存在下で反応させる方法、等によって得ることができる。
上記[II]で使用するテトラカルボン酸ジエステルは、テトラカルボン酸二無水物をアルコール類などで開環することにより得ることができる。上記[III]で使用するテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物は、上記の如くして得たテトラカルボン酸ジエステルを、塩化チオニル等の適当な塩素化剤と反応させることにより得ることができる。
ポリアミック酸エステルは、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。上記反応によりポリアミック酸エステルを溶液として得た場合、該溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸エステルを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
<ポリイミド>
重合体[A2]がポリイミドである場合、当該ポリイミドは、上記式(1)で表される部分構造を有する重合体である。このポリイミドは、例えば上記の如くして合成されたポリアミック酸[A]を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。ポリイミドは、その前駆体であるポリアミック酸[A]が有していたアミック酸構造のすべてを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造とが併存する部分イミド化物であってもよい。ポリイミドは、そのイミド化率が40〜100%であることが好ましく、60〜90%であることがより好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ここで、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
ポリアミック酸[A]の脱水閉環は、ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われることが好ましい。脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸のアミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。使用する有機溶媒としては、ポリアミック酸[A]の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃であり、反応時間は、好ましくは1.0〜120時間である。こうして得られたポリイミドを含有する反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミドを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
重合体[A2]の溶液粘度は、濃度10質量%の溶液としたときに10〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、15〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、溶液粘度(mPa・s)は、重合体[A2]の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等)を用いて調製した濃度10質量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
重合体[A2]のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜500,000であり、より好ましくは5,000〜100,000である。Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは15以下であり、より好ましくは10以下である。なお、液晶配向剤に含有させる重合体[A2]は1種のみでもよく、又は2種以上を組み合わせてもよい。
≪液晶配向剤≫
本開示の液晶配向剤は重合体[A]を含有する。液晶配向剤中の重合体[A]の含有割合は、液晶配向剤中の固形成分(溶媒以外の成分)の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。なお、液晶配向剤に含有される重合体[A]は1種のみでもよく、又は2種以上を組み合わせてもよい。
液晶配向剤は、重合体[A]以外のその他の成分を含有していてもよい。当該その他の成分としては、例えば、上記式(1)で表される部分構造を有さない重合体(以下、「その他の重合体」ともいう。)、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物、官能性シラン化合物、酸化防止剤、金属キレート化合物、硬化促進剤、界面活性剤、充填剤、分散剤、光増感剤、酸発生剤、塩基発生剤、ラジカル発生剤などが挙げられる。これらの配合割合は、本開示の効果を損なわない範囲で、各化合物に応じて適宜選択することができる。
その他の重合体は、電圧保持率の低下を抑制する目的や、液晶配向性の向上を図る目的で使用される。その他の重合体の主骨格は特に限定されないが、例えば、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリオルガノシロキサン、ポリアミノ酸、ポリエステル、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを主骨格とする重合体が挙げられる。その他の重合体は、これらのうち、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
その他の重合体を液晶配向剤に配合する場合、その配合割合は、液晶配向剤中の全重合体量に対して、1〜95質量%が好ましく、5〜90質量%がより好ましく、10〜80質量%が更に好ましい。
液晶配向剤は、重合体[A]及び必要に応じて使用されるその他の成分が、好ましくは適当な溶媒中に溶解してなる液状の組成物として調製される。
使用する有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、1,2−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計質量が液晶配向剤の全質量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10質量%の範囲である。すなわち、液晶配向剤は、後述するように基板表面に塗布され、好ましくは加熱されることにより、液晶配向膜である塗膜又は液晶配向膜となる塗膜が形成される。このとき、固形分濃度が1質量%未満である場合には、塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜が得にくくなる。一方、固形分濃度が10質量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜が得にくく、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布性が低下する傾向にある。
≪液晶配向膜及び液晶素子≫
本開示の液晶配向膜は、上記のように調製された液晶配向剤により形成される。また、本開示の液晶素子は、上記で説明した液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を具備する。液晶素子における液晶の動作モードは特に限定されず、例えばTN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、VA(Vertical Alignment)型(VA−MVA型、VA−PVA型などを含む。)、IPS(In-Plane Switching)型、FFS(fringe field switching)型、OCB(Optically Compensated Bend)型など種々のモードに適用することができる。液晶素子は、例えば以下の工程1〜工程3を含む方法により製造することができる。工程1は、所望の動作モードによって使用基板が異なる。工程2及び工程3は各動作モード共通である。
(工程1:塗膜の形成)
先ず、基板上に液晶配向剤を塗布し、好ましくは塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一方の面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。TN型、STN型又はVA型の液晶素子を製造する場合には、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を用いる。一方、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合には、櫛歯型にパターニングされた透明導電膜又は金属膜からなる電極が設けられている基板と、電極が設けられていない対向基板とを用いる。金属膜としては、例えばクロムなどの金属からなる膜を使用することができる。基板への液晶配向剤の塗布は、電極形成面上に、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法、フレキソ印刷法又はインクジェット印刷法により行う。
液晶配向剤を塗布した後、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30〜200℃であり、プレベーク時間は、好ましくは0.25〜10分である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて、重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、好ましくは80〜300℃であり、ポストベーク時間は、好ましくは5〜200分である。このようにして形成される膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmである。基板上に液晶配向剤を塗布した後、有機溶媒を除去することによって、液晶配向膜、又は液晶配向膜となる塗膜が形成される。
(工程2:配向処理)
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合、上記工程1で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理(配向処理)を実施する。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向処理としては、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで塗膜を一定方向に擦るラビング処理や、液晶配向剤を用いて基板上に形成した塗膜に光照射を行って塗膜に液晶配向能を付与する光配向処理等が挙げられる。一方、垂直配向型の液晶素子を製造する場合には、上記工程1で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、該塗膜に対し配向処理を施してもよい。
光配向処理における光照射は、ポストベーク工程後の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程後であってポストベーク工程前の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程及びポストベーク工程の少なくともいずれかにおいて塗膜の加熱中に塗膜に対して照射する方法、等により行うことができる。光配向処理において、塗膜に照射する放射線としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができる。好ましくは、200〜400nmの波長の光を含む紫外線である。放射線が偏光である場合、直線偏光であっても部分偏光であってもよい。また、用いる放射線が直線偏光又は部分偏光である場合には、照射は基板面に垂直な方向から行ってもよく、斜め方向から行ってもよく、又はこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の放射線を照射する場合には、照射の方向は斜め方向とする。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマレーザーなどを使用することができる。放射線の照射量は、好ましくは400〜20,000J/mであり、より好ましくは1,000〜5,000J/mである。塗膜に対する光照射は、反応性を高めるために塗膜を加温しながら行ってもよい。
(工程3:液晶セルの構築)
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば、(1)液晶配向膜が対向するように間隙(スペーサー)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止する方法、(2)液晶配向膜を形成した一方の基板上の所定の場所にシール剤を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板の全面に押し広げる方法(ODF方式)等が挙げられる。製造した液晶セルにつき、さらに、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。スペーサーとしては、フォトスペーサー、ビーズスペーサー等を用いることができる。液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレステリック液晶、カイラル剤、強誘電性液晶などを添加して使用してもよい。
続いて、必要に応じて液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせる。偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光フィルムを酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板が挙げられる。これにより液晶素子が得られる。
本開示の液晶素子は種々の用途に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイなどの各種表示装置や、調光フィルム等に用いることができる。また、本開示の液晶配向剤を用いて位相差フィルム用の液晶配向膜を形成してもよい。
位相差フィルムを製造するには、まず、上記で調製された液晶配向剤を基板(例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメチルメタクリレート等)上に塗布し、塗布面を好ましくは加熱(ベーク)して塗膜を形成する。次いで、基板上に形成された塗膜に対し光を照射することにより、塗膜に液晶配向能を付与する。その後、光照射した後の塗膜上に重合性液晶を塗布して硬化させる。これにより、重合性液晶を含む塗膜(液晶層)を形成する。ここで使用される重合性液晶は、加熱及び光照射のうちの少なくとも一種の処理によって重合する液晶化合物又は液晶組成物である。
こうして得られた位相差フィルムは、液晶表示素子の位相差フィルムとして好ましく適用することができる。適用する液晶表示素子は、その駆動方式に制限がなく、例えばTN型、STN型、IPS型、FFS型、VA型などの公知の各種方式に適用することができる。位相差フィルムは、液晶表示素子の視認側に配置された偏光板の外側面に対し、位相差フィルムにおける基板側の面が貼付されて用いられる。従って、位相差フィルムの基板をTAC製又はアクリル基材とし、位相差フィルムの基板を偏光フィルムの保護膜としても機能させる態様とすることが好ましい。
以下、実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[重合体の重量平均分子量]
重合体の重量平均分子量Mwは、以下の条件におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算値である。
カラム:東ソー(株)製、TSKgelGRCXLII
溶剤:リチウムブロミド及びリン酸含有のN,N−ジメチルホルムアミド溶液
温度:40℃
圧力:68kgf/cm
以下の例で使用した主な化合物の構造と略号は以下の通りである。以下では、「式(X)で表される化合物」(ただし、Xは略号)を単に「化合物(X)」と表記することがある。
(テトラカルボン酸二無水物)
a−1;1,3−ジメチルシクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸−1,2:3,4−二無水物
a−2;2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
(テトラカルボン酸ジアルキルエステル)
d−1;下記式(d−1)で表される化合物
Figure 2019045729
(ジアミン化合物)
c−1;パラフェニレンジアミン
c−2;1,2−ビス(4−アミノフェノキシ)エタン
c−3;下記式(c−3)で表される化合物
c−4;下記式(c−4)で表される化合物
Figure 2019045729
<化合物の合成>
[合成例1−1]
下記スキームに従って化合物(n−1−3)を合成した。
Figure 2019045729
化合物(n−1−1) (8.4 g, 30 mmol)をメタノール(50 mL)中で懸濁させた。その後、水酸化テトラブチルアンモニウム(37% in methanol) (21 g, 30 mmol)を徐々に滴下し、アミノ酸が完全に溶解するまで撹拌した。得られた溶液をエバポレーターにより溶媒を留去することによりアンモニウム塩を調製した。その後、アセトニトリル(100 mL)に溶解させ、炭酸ジフェニル(6.3 g, 30 mmol)を加え、室温で1時間撹拌させた。反応後、蒸留水(200 mL)を加え、1M HCl を用いて水溶液のpHを3〜4になるように調整した(pH試験紙で確認した)。 酢酸エチル(3 × 100 mL)で水相から目的物を抽出した。有機相を回収した後、水で数回洗浄し(3 × 100 mL)、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、エバポレーターで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc:Hexane = 1:3 〜2:1) を用いて精製し、白色の粉末状の化合物(n−1−2)を得た(収率: 9.6 g (80%))。
次いで、化合物(n−1−2)(6.0 g, 15 mmol)に、酢酸(2.5 mL)及び30%HBr in AcOH(10 mL)を混合し、脱炭酸に伴う気泡の発生がなくなるまで氷浴下で撹拌させた(30 min〜1h)。ジエチルエーテル(100 mL)/H2O(50 mL)で分液操作を行った後、水層をエバポレーターで濃縮することで、粘性液体として目的の化合物(n−1−3)を得た(収率:4.6g (90%))。化合物(n−1−3)のNMRデータは以下の通りである。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ, ppm): 1.25-1.85 (m, 6H), 2.70-2.85 (m, 2H), 3.91-4.00 (m, 1H), 7.07 (d, 2H, J= 7.8 Hz), 7.19 (t, 1H, J = 7.3 Hz), 7.36 (t, 2H, J = 7.8 Hz), 7.76 (br, 3H), 8.07 (d, 1H, J= 7.8 Hz). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6, δ, ppm): 22.60, 26.49, 30.15, 38.59, 53.85, 121.60, 125.05, 129.33, 150.94, 154.48, 173.49.
[合成例1−2]
下記スキームに従って化合物(m−1)を合成した。
Figure 2019045729
上記式(m−1−1)で表される化合物(19.7 g, 50 mmol)とN-ヒドロキシスクシンイミド(5.8 g, 50 mmol)をDMF(200 mL)に溶解させた。その後、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl, 9.6 g, 50 mmol)を氷浴下で撹拌させながら加え、室温でさらに12時間反応させた。酢酸エチル(300 mL)を加え、蒸留水(200 mL)で数回有機層を洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、エバポレーターで濃縮した。ジエチルエーテル(300 mL)を加えることで、白色の粉末状の化合物(m−1)を得た(23.3 g, 95%)。得られた化合物(m−1)につき、NMR測定から高純度であることを確認した。化合物(m−1)については、カラム及び再結晶は行わずにそのまま次のステップに使用した。化合物(m−1)のNMR及びIRのスペクトルデータは以下の通りである。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ, ppm): 1.93-2.04 (m, 2H), 2.39-2.48 (m, 2H), 2.86 (s, 4H), 4.16 (t, 2H, J= 6.24 Hz), 7.00 (d, 1H, J = 16.04 Hz), 7.13 (d, 2H, J = 8.84 Hz), 7.39 (d, 2H, J = 8.64 Hz), 7.96 (d, 2H, J = 8.72 Hz), 8.00 (d, 1H, J = 16.04 Hz), 8.09 (d, 2H, J = 8.84 Hz). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6, δ, ppm): 21.50, 25.51, 29.30, 29.58, 66.29, 111.87, 114.74, 120.84, 122.64, 126.20, 128.94, 130.58, 131.08, 132.14, 148.92, 153.16, 162.29, 162.90, 163.84, 170.35. IR (neat, cm-1): 1728, 1627, 1509, 1255, 1169, 1092, 1062, 1034, 938, 843.
[実施例1−1]
下記スキームに従って化合物(n−1)を合成した。
Figure 2019045729
化合物(n−1−3) (3.5 g, 10 mmol)と化合物(m−1) (5.4 g 1.1 mmol)をDMF (70 mL)に溶解させた。その後、氷浴下で撹拌させながらトリエチルアミン(TEA 2.0g 20 mml)をゆっくり滴下した。室温で2時間撹拌した後、酢酸エチル(200 mL)及び蒸留水(200 mL)を加え、0.5M HCl水溶液を用いて溶液のpHを3〜4になるように調整した(pH試験紙で確認した)。有機相を水で数回洗浄し(3 × 100 mL)、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、エバポレーターで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH = 95:5)を用いて精製し、白色の粉末状の化合物(n−1)を得た(収率:5.9 g (92%)) (melting point = 187 °C (分解))。化合物(n−1)のNMR及びIRのスペクトルデータは以下の通りである。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ, ppm): 1.32-1.87 (m, 6H), 1.91-2.07 (m, 2H), 2.38-2.49 (m, 2H), 3.20 (m, 2H), 3.97 (m, 1H), 4.16 (t, 2H, J = 6.18 Hz), 6.62 (d, 1H, J = 15.68 Hz), 7.01-7.22 (m, 5H), 7.30 (d, 2H, J = 8.56 Hz) 7.36 (t, 2H, J= 7.86 Hz), 7.45 (d, 1H, J = 15.76 Hz), 7.63 (d, 2H, J = 8.68 Hz), 8.04 (d, 1H, J = 7.92 Hz), 8.08 (d, 2H, J = 8.92 Hz), 8.14 (br, 1H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6, δ, ppm): 21.51, 23.17, 28.81, 29.31, 29.59, 30.52, 38.52, 54.07, 66.28, 114.73, 120.98, 121.61, 122.47, 122.51, 124.97, 128.63, 128.97, 129.27, 132.09, 132.73, 137.51, 150.98, 151.36, 154.43, 162.85, 164.03, 164.77, 173.67. IR (neat, cm-1): 3327, 1732, 1699, 1585, 1536, 1247, 1196, 1163, 1063, 1023, 977, 846, 762.
[実施例1−2]
実施例1−1において、化合物(m−1)に代えて化合物(m−2)を用い、化合物(n−1−3)と化合物(m−2)とを反応させることにより化合物(n−2)を合成した。
Figure 2019045729
[実施例1−3]
実施例1−1において、化合物(m−1)に代えて化合物(m−3)を用い、化合物(n−1−3)と化合物(m−3)とを反応させることにより化合物(n−3)を合成した。
Figure 2019045729
[合成例1−3]
下記スキームに従って化合物(n−4)を合成した。
Figure 2019045729
化合物(n−1−3) (3.5 g, 10 mmol)をアセトニトリルと純水の1:1混合溶媒(140ml)に溶解させた。次いで、TEA (2.0 g, 20 mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、無水酢酸(1.0 g, 10mmol)を加えて室温で6時間撹拌した後、酢酸エチル(200 mL)を加え、有機相を純水で3回洗浄し、有機相を濃縮することで、化合物(n−4)を2.8g、純度99%で得た。
[合成例1−4]
下記スキームに従って化合物(n−5)を合成した。
Figure 2019045729
化合物(n−1−3) (3.5 g, 10 mmol)とTEA (2.0 g, 20 mmol)をジクロロメタン(20ml)に加え、室温で1時間撹拌した。その後、氷浴下で撹拌させながら二炭酸ジ-tert-ブチル(2.2g 10 mmol)を加えた後、室温で6時間撹拌した。反応液へ酢酸エチル(100 mL)を加え、有機相を純水で3回洗浄し、有機相を濃縮することで、化合物(n−5)を3.3g、純度99%で得た。
[合成例1−5]
下記スキームに従って化合物(n−6)を合成した。
Figure 2019045729
L−プロリン (1.2 g, 10 mmol)をテトラヒドロフラン(15ml)に溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(15ml)を加えた。その後、氷浴下で撹拌させながらクロロぎ酸フェニル(2.3g 15 mmol)をゆっくりと滴下した後、室温で12時間撹拌した。次いで、2M HCl水溶液を用いて溶液のpHを3〜4になるように調整した。その後、ジクロロメタンを加えて分液抽出し、有機相を濃縮することで、化合物(n−6)を1.9g、純度99%で得た。
[実施例1−4]
実施例1−1において、化合物(m−1)に代えて化合物(m−7)を用い、化合物(n−1−3)と化合物(m−7)とを反応させることにより化合物(n−7)を合成した。
Figure 2019045729
[合成例1−6]
下記スキームに従って化合物(b−1)を合成した。
Figure 2019045729
化合物(b−1−1)(3.0 g, 13 mmol)とp−ニトロフェノール (1.8 g, 13 mmol)をジクロロメタン(60ml)に加え、室温にて5分間撹拌した。その後、氷浴下で撹拌させながら1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(2.9g, 15 mmol)と4−ジメチルアミノピリジン(0.4g, 3 mmol)を加えた。室温で12時間撹拌した後、酢酸エチル(200 mL)を加え、有機相を純水で3回洗浄し、有機相を濃縮することで、中間体(b−1−2)を4.1g、純度99%で得た。
得られた中間体(b−1−2)4.1gをジクロロメタン(60ml)に加え、次いでトリフルオロ酢酸(12ml)を添加して室温にて3時間撹拌した。その後、反応液を濃縮し、残留物を酢酸エチル(100 mL)に溶解させた。この溶液を、炭酸ナトリウム水溶液、純水にて分液した後、これを濃縮し、中間体(b−1−3)を2.7g、純度99%で得た。
得られた中間体(b−1−3)(2.7 g, 11 mmol)と亜鉛粉末14.0gをテトラヒドロフラン(60ml)に加え、さらに酢酸を6.4g加えた。その後、60℃にて6時間攪拌した。反応液を室温まで放冷後、酢酸エチル(120 mL)を加え、炭酸水素ナトリウムと純水で分液した後、これを濃縮し、化合物(b−1)を1.9g、純度99%で得た。
[合成例1−7]
下記スキームに従って化合物(b−2)を合成した。
Figure 2019045729
化合物(b−2−1)(10.0 g, 31 mmol)とヨウ化メチル (3.8ml, 62 mmol)をジメチルホルムアミド(110ml)に加え、室温にて10分間撹拌した。その後、氷浴下で撹拌させながら水素化ナトリウム(1.0g, 40 mmol)を少しずつ添加した。その後、室温で15時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応をクエンチし、反応液を濃縮した。次いで、酢酸エチルと純水を加えて分液抽出し、有機相を濃縮することで、中間体(b−2−2)を10.1g、純度99%で得た。
得られた中間体(b−2−2)10.1gをジクロロメタン(155ml)に加え、次いでトリフルオロ酢酸(30ml)を添加して室温にて3時間撹拌した。その後、反応液を濃縮し、残留物を酢酸エチル(200 mL)に溶解させた。この溶液を、炭酸ナトリウム水溶液、純水にて分液した後、これを濃縮し、中間体(b−2−3)を6.8g、純度99%で得た。
得られた中間体(b−2−3)(6.8 g, 29 mmol)と亜鉛粉末36.3gをテトラヒドロフラン(155ml)に加え、さらに酢酸を16.6g加えた。その後、60℃にて6時間攪拌した。反応液を室温まで放冷後、酢酸エチル(200 mL)を加え、炭酸水素ナトリウムと純水で分液した後、これを濃縮し、化合物(b−2)を5.3g、純度99%で得た。
<重合体の合成>
[実施例2−1]
下記スキームに従って重合体(P−1)を合成した。
Figure 2019045729
化合物(n−1) (257 mg, 0.4 mmol)、及び化合物(n−4) (31 mg, 0.1 mmol)をNMP (1 mL)に溶解させた。NEA (1.4 μL, 0.01 mmol)を加え、アルゴン置換した後、60°Cで12時間撹拌させた。重合後の溶液をジエチルエーテル(100 mL)に滴下することで、白色の粉末状の化合物を得た(200 mg, 92%, Mn = 29,200, Mw/Mn = 1.71)(組成比(m:n): 79:21, 1H-NMRより算出)。得られた化合物を重合体(P−1)とした。重合体(P−1)のNMR及びIRのスペクトルデータは以下の通りである。
1H NMR (400 MHz, DMF-d7, δ, ppm):1.20-2.32 (br, 8.2H, aliphatic), 2.35-2.60 (br, 1.6H, -CH2CH2CF3), 3.01-3.45 (br, 2H, -CH2CH2NH(CO)-), 3.94-4.42 (br, 2.6 H, methine and -OCH2CH2-), 6.64-6.92 (br, 0.8H, -NH(C=O)CH=CH-)), 6.94-7.38 (br, 3.2H, aromatic), 7.47-7.77 (br, 2.4H, aromatic and -NH(C=O)CH=CH-), 7.88-8.46 (br, 3.6H, aromatic and amide NH). IR (neat, cm-1): 3282, 1728, 1651, 1604, 1541, 1510, 1248, 1210, 1163, 1063, 1021, 844, 761.
[実施例2−2〜実施例2−6]
合成に使用するモノマーの種類及び量を下記表1に記載の通りに変更した点以外は実施例2−1と同様の方法により重合体(P−2)〜(P−6)をそれぞれ合成した。なお、表1中、括弧内の数値は、合成に使用したモノマーの合計量に対する各化合物の使用割合(モル%)を示す。
Figure 2019045729
表1中、モノマーの略称は以下のとおりである。
n−1〜n−7;上記式(n−1)〜式(n−7)のそれぞれで表される化合物
n−8;下記式(n−8)で表される化合物(市販品)
Figure 2019045729
[合成例2−1]
滴下ロート、温度計及び窒素導入管を備えた100mLの三口フラスコに、化合物(c−4)(1.0 g, 2.1mmol)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)(4.1 mL)、及びピリジン(0.3 g)を加えて、5℃以下に氷冷した。次に、マロニルクロリド(0.3 g, 2.1mmol)をNMP4.1 mLに溶かした溶液をゆっくりと滴下した後、室温に戻して12時間撹拌した。反応終了後、反応液を100mLの水に注いで析出した沈殿をろ過し、水とメタノールで洗浄した後、真空乾燥することでポリアミド(これを「重合体(C−1)」とする。)を1.0g得た。
[実施例3−1]
化合物(b−1)20モル部、化合物(c−1)80モル部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解し、化合物(a−1)100モル部を加え、室温で6時間反応を行い、ポリアミック酸(これを「重合体(A−1)」とする。)の15質量%溶液を得た。得られた重合体(A−1)の重量平均分子量は30,000であった。
[実施例3−2,3−4及び合成例3−1,3−2]
テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の種類及び量をそれぞれ下記表2に記載の通りに変更した以外は実施例3−1と同様にしてポリアミック酸(重合体(A−2)、(A−4)、(B−1)、(C−2))をそれぞれ得た。各重合体の重量平均分子量の測定結果を下記表2に併せて示した。
[実施例3−3]
化合物(d−1)100モル部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させた後、ここに化合物(b−1)20モル部及び化合物(c−1)80モル部を加えて溶解させた。この溶液に、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM、15±2質量%水和物)300モル部を添加し、室温で4時間反応を行った。この重合溶液を純水中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物を2−プロパノールで洗浄した後、減圧乾燥し、ポリアミック酸エステルとして重合体(A−3)を得た。得られた重合体(A−3)の重量平均分子量は50,000であった。
Figure 2019045729
なお、表2中、括弧内の数値は、合成に使用したテトラカルボン酸誘導体の合計量100モル部に対する各化合物の使用割合(モル部)を示す。酸1及び酸2はテトラカルボン酸二無水物であり、酸3はテトラカルボン酸ジアルキルエステルである。
<評価>
[実施例4−1:光垂直型液晶表示素子]
(1)液晶配向剤の調製
実施例2−1で得た重合体(P−1)をNMP及びブチルセロソルブ(BC)に溶解し、固形分濃度が3.5質量%、溶剤組成比がNMP:BC=80:20(質量比)となる溶液を得た。この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤(R−1)を調製した。
(2)液晶セルの製造
ITO膜からなる透明電極付きのガラス基板における透明電極面上に、上記で調製した液晶配向剤(R−1)を、スピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った。プレベーク後、庫内を窒素置換したオーブン中、230℃で30分間加熱(ポストベーク)して、膜厚0.1μmの塗膜を形成した。次いで、この塗膜表面に、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線300J/mを、基板法線から40°傾いた方向から照射して液晶配向能を付与した。同じ操作を繰り返して、液晶配向膜を有する基板を一対(2枚)作成した。なお、基板としては、2系統の透明電極(電極A及び電極B)を有する基板を使用した。
次いで、一方の基板の液晶配向膜を有する面の外周に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、各基板の紫外線の光軸の基板面への投影方向が逆平行となるように圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間の間隙にネガ型液晶(メルク社製、MLC−6608)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを130℃で加熱してから室温まで徐冷し、液晶セルを作製した。
(3)プレチルト角の測定
上記(2)で製造した液晶セルにつき、非特許文献(T. J. Scheffer et. al. J. Appl. Phys. vo. 19. p2013(1980))に記載の方法に準拠し、He−Neレーザー光を用いる結晶回転法によりプレチルト角を測定した。その結果、この実施例では88.7°であった。
(4)焼き付き特性の評価
上記で製造した液晶セルを25℃、1気圧の環境下に置き、電極Bには電圧をかけずに、電極Aに交流電圧3.5Vと直流電圧5Vの合成電圧を2時間印加した。その直後、電極A及び電極Bの双方に交流4Vの電圧を印加した。両電極に交流4Vの電圧を印加し始めた時点から、電極A及び電極Bの光透過性の差が目視で確認できなくなるまでの時間を測定した。この時間が60秒以内であった場合をAC残像特性「良好(○)」、60秒を超えて120秒以下であった場合を「可(△)」、120秒を超えた場合を「不良(×)」と評価した。その結果、この実施例では「良好(○)」の評価であった。
[実施例4−2〜4−6、比較例1−1]
液晶配向剤に含有させる重合体の種類及び量を下記表3に記載の通りに変更した以外は実施例4−1と同様にして液晶配向剤を調製した。また、調製した液晶配向剤を用いて光垂直型液晶表示素子を製造し、各種評価を行った。評価結果は下記表3に示した。なお、表3中、括弧内の数値は、液晶配向剤の調製に使用した重合体の合計量100質量部に対する各重合体の使用割合(質量部)を示す(表4についても同じ)。
Figure 2019045729
表3に示すように、重合体[A1]を含む液晶配向剤を用いた実施例4−1〜4−6では、プレチルト角が十分に大きかった。また、焼き付きも少なく、表示品位の高い液晶表示素子が得られた。一方、重合体[A1]に代えて重合体(C−1)を用いた比較例1−1では、重合体(C−1)が液晶配向剤の溶剤組成に不溶であり、液晶表示素子のプレチルト角及び焼き付き特性を評価できなかった。
[実施例5−1:光FFS型液晶表示素子]
(1)液晶配向剤の調製
実施例2−6で得た重合体(P−6)をNMP及びブチルセロソルブ(BC)に溶解し、固形分濃度が3.5質量%、溶剤組成比がNMP:BC=80:20(質量比)となる溶液を得た。この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤(R−7)を調製した。
(2)液晶表示素子の製造
平板電極、絶縁層及び櫛歯状電極がこの順で片面に積層されたガラス基板と、電極が設けられていない対向ガラス基板とのそれぞれの面上に、上記(1)で調製した液晶配向剤(R−7)をスピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間加熱(プレベーク)した後、庫内を窒素置換した230℃のオーブンで30分間乾燥(ポストベーク)を行い、平均膜厚0.1μmの塗膜を形成した。この塗膜表面に、Hg−Xeランプを用いて、直線偏光された254nmの輝線を含む紫外線500J/mを基板法線方向から照射して光配向処理を行い、基板上に液晶配向膜を形成した。
次いで、液晶配向膜を有する一対の基板につき、液晶配向膜を形成した面の縁に液晶注入口を残して直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷塗布した後、光照射時の偏光軸の基板面への投影方向が逆平行となるように基板を重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、一対の基板間に液晶注入口よりネマチック液晶(メルク社製、MLC−7028)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを120℃で加熱してから室温まで徐冷し、液晶セルを製造した。
なお、上記の一連の操作を、ポストベーク後の紫外線照射量を500〜20,000J/mの範囲でそれぞれ変更して実施することにより、紫外線照射量が異なる3個以上の液晶セルを製造し、以下のコントラストの評価に供した。
(3)駆動ストレス後のコントラストの評価
上記(2)で製造した液晶セルを、交流電圧10Vで30時間駆動した後に光源と光量検出器の間に偏光子と検光子を配置した装置を使用して、下記数式(1)で表される最小相対透過率(%)を測定した。
最小相対透過率(%)=[(β−B)/(B100−B)]×100 …(1)
(数式(1)中、Bは、ブランクでクロスニコル下の光の透過量である。B100は、ブランクでパラニコル下の光の透過量である。βは、クロスニコル下で偏光子と検光子の間に液晶セルを挟み、最小となる光透過量である。)
暗状態の黒レベルは液晶セルの最小相対透過率で表され、暗状態での黒レベルが小さいほどコントラストが優れる。最小相対透過率が0.5%未満のものを「良好(○)」とし、0.5%以上1.0%未満のものを「可(△)」とし、1.0%以上のものを「不良(×)」とした。その結果、この液晶セルのコントラスト評価は「良好」と判断された。なお、コントラスト評価では、評価に供した複数の液晶セル間で異なる結果となった場合には、コントラスト評価結果が最も良好であった液晶セルの結果を示した。
(4)紫外線に対する感度の評価
(3)の評価において、コントラスト評価結果が最も良好であった液晶セルの紫外線照射量により、液晶配向剤を用いて形成した塗膜の紫外線に対する感度を評価した。なお、紫外線照射量が少ないほど、塗膜の紫外線に対する感度が良好であると言える。評価は、紫外線照射量が1,000J/m未満であった場合を感度「良好(○)」、1,000J/m以上10,000J/m未満であった場合を感度「可(△)」、10,000J/m以上であった場合を感度「不良(×)」とした。その結果、本実施例の塗膜の紫外線に対する感度は「良好」と判断された。
(5)電圧保持率の評価
上記で製造した液晶セルにつき、60℃で5Vの電圧を60マイクロ秒の印加、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。電圧保持率が99.0%以上を「良好(○)」、98.0%以上99.0%未満を「可(△)」、98.0%未満を「不良(×)」としたところ、この実施例では、電圧保持率は「可」と判定された。なお、電圧保持率の測定装置としては、(株)東陽テクニカ社製の型式名「VHR−1」を使用した。
[実施例5−2〜5−6、比較例1−2]
液晶配向剤に含有させる重合体の種類及び量を下記表4に記載の通りに変更した以外は実施例5−1と同様にして液晶配向剤を調製した。また、調製した液晶配向剤を用いて光FFS型液晶表示素子を製造し、各種評価を行った。なお、実施例5−2〜5−6及び比較例1−2では、光配向処理を施した後の基板に対して、さらに230℃のクリーンオーブンで30分加熱して熱処理を行った以外は実施例5−1と同様にして液晶表示素子を製造した。評価結果は下記表4に示した。
Figure 2019045729
表4に示すように、重合体[A1]又は[A2]を含む液晶配向剤を用いた実施例5−1〜5−6では、液晶配向膜の光に対する感度、液晶表示素子のコントラスト、電圧保持率の2つ以上の評価が「良好」であり、比較例1−2よりも良好な結果が得られた。

Claims (15)

  1. 下記式(1)で表される部分構造を有する重合体[A]を含有する、液晶配向剤。
    Figure 2019045729
    (式(1)中、Rは2価の有機基であり、Rは水素原子又は1価の有機基であり、RとRとが結合して環を形成していてもよい。「*」は結合手であることを示す。)
  2. 前記重合体[A]は、上記式(1)中の3個の「*」のうちの2個が、主鎖を構成する原子に結合している、請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 前記Rは感光性基を有する、請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
  4. 前記感光性基は、シンナメート構造、アゾベンゼン構造、スチルベン構造、カルコン構造、クマリン構造、トラン構造、シクロブタン構造、又はフェニルベンゾエート構造を有する、請求項3に記載の液晶配向剤。
  5. 上記式(1)で表される部分構造は、下記式(1−1)で表される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2019045729
    (式(1−1)中、Rは1価の有機基であり、Rは水素原子又は1価の有機基であり、RとRとが結合して環を形成していてもよい。「*」は結合手であることを示す。)
  6. 前記重合体[A]は、ポリアミノ酸、又はポリアミノ酸に由来するセグメントを有する共重合体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  7. 前記重合体[A]は、下記式(2)で表される化合物を含むカーバメート化合物の重縮合体、又は当該重縮合体に由来するセグメントを有する共重合体である、請求項6に記載の液晶配向剤。
    Figure 2019045729
    (式(2)中、Rは1価の有機基であり、Rは水素原子又は1価の有機基であり、RとRとが結合して環を形成していてもよい。Yは電子求引性基である。mは0〜5の整数である。)
  8. 前記Rは、下記式(3)で表される部分構造を有する、請求項7に記載の液晶配向剤。
    Figure 2019045729
    (式(3)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基又はシアノ基である。Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基又はシアノ基である。aは0〜4の整数である。但し、aが2以上の場合、複数のRは同じでも異なっていてもよい。「*1」及び「*2」は結合手であることを示す。)
  9. 前記重合体[A]は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
  11. 請求項10に記載の液晶配向膜を具備する液晶素子。
  12. 請求項10に記載の液晶配向膜を具備する位相差フィルム。
  13. 下記式(2)で表される化合物を含むカーバメート化合物の重縮合体、又は当該重縮合体に由来するセグメントを有する共重合体。
    Figure 2019045729
    (式(2)中、Rは1価の有機基であり、Rは水素原子又は1価の有機基である。ただし、Rは下記式(3)で表される部分構造を有する。Yは電子求引性基である。mは0〜5の整数である。)
    Figure 2019045729
    (式(3)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基又はシアノ基である。Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基又はシアノ基である。aは0〜4の整数である。但し、aが2以上の場合、複数のRは同じでも異なっていてもよい。「*1」及び「*2」は結合手であることを示す。)
  14. ポリアミノ酸、又はポリアミノ酸に由来するセグメントを有する共重合体の製造方法であって、
    下記式(2)で表される化合物を含むカーバメート化合物を、ハロゲン系溶剤、エーテル系溶剤、アミド系溶剤、ケトン系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、及びニトリル系溶剤よりなる群から選ばれる少なくとも一種の溶媒の存在下で重縮合させる工程を含む、製造方法。
    Figure 2019045729
    (式(2)中、Rは1価の有機基であり、Rは水素原子又は1価の有機基である。ただし、Rは下記式(3)で表される部分構造を有する。Yは電子求引性基である。mは0〜5の整数である。)
    Figure 2019045729
    (式(3)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基又はシアノ基である。Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基又はシアノ基である。aは0〜4の整数である。但し、aが2以上の場合、複数のRは同じでも異なっていてもよい。「*1」及び「*2」は結合手であることを示す。)
  15. 下記式(2)で表される化合物。
    Figure 2019045729
    (式(2)中、Rは1価の有機基であり、Rは水素原子又は1価の有機基である。ただし、Rは下記式(3)で表される部分構造を有する。Yは電子求引性基である。mは0〜5の整数である。)
    Figure 2019045729
    (式(3)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基又はシアノ基である。Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基又はシアノ基である。aは0〜4の整数である。但し、aが2以上の場合、複数のRは同じでも異なっていてもよい。「*1」及び「*2」は結合手であることを示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022191107A1 (ja) * 2021-03-10 2022-09-15 Agc株式会社 含ハロゲン部位を有するポリマーおよび該ポリマーを用いた医薬組成物

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