JP2023109149A - 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子、重合体及び化合物 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子、重合体及び化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023109149A
JP2023109149A JP2022196572A JP2022196572A JP2023109149A JP 2023109149 A JP2023109149 A JP 2023109149A JP 2022196572 A JP2022196572 A JP 2022196572A JP 2022196572 A JP2022196572 A JP 2022196572A JP 2023109149 A JP2023109149 A JP 2023109149A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
liquid crystal
carbon atoms
same
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022196572A
Other languages
English (en)
Inventor
嘉崇 村上
Yoshitaka Murakami
伸夫 安池
Nobuo Yasuike
達哉 西村
Tatsuya Nishimura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Publication of JP2023109149A publication Critical patent/JP2023109149A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

【課題】基板に対して良好な塗布性を示し、しかも電圧保持率が高く、残留電荷の蓄積量が少ない液晶素子を得ることができる液晶配向剤を提供すること。【解決手段】式(1)で表される部分構造を有する化合物[A]を含有する液晶配向剤とする。式中、Ar1は2価の芳香環基である。R1及びR2は、それぞれ独立して、1価の脂肪族炭化水素基であるか、又は、R1及びR2が互いに合わせられてR1及びR2が結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。R3は、水素原子又は1価の脂肪族炭化水素基である。B1は単結合又は2価の脂肪族炭化水素基である。nは1又は2であり、m+n=2である。TIFF2023109149000083.tif20170【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子、重合体及び化合物に関する。
液晶素子は、液晶層中の液晶分子を一定の方向に配向させる機能を有する液晶配向膜を有している。液晶配向膜は一般に、重合体成分が有機溶媒に溶解されてなる液晶配向剤を基板表面に塗布し、加熱処理等により液晶配向剤中の有機溶媒を除去することによって基板上に形成される。
液晶配向剤の溶剤成分としては、非プロトン性極性溶媒であるN-メチル-2-ピロリドン(NMP)等の高沸点溶剤が一般に使用されている。また、液晶配向剤を基板に塗布した場合に液晶配向剤の濡れ広がり性が低いと、液晶配向膜に塗布ムラ(膜厚ムラ)やピンホールが生じやすく、均一な膜を形成することができない場合がある。そこで従来、NMP等の高沸点溶剤と組み合わせて、ブチルセロソルブ(BC)等といった表面張力が低い有機溶剤を用いることにより、基板に対する液晶配向剤の塗布性(印刷性)を改善することが行われている。
液晶素子の表示品位に対する要求は一段と厳しくなっている。液晶素子において、直流電圧の印加に対する蓄積電荷の緩和速度が遅かったり蓄積電荷が多かったりすると残像を誘発することとなり、液晶素子の表示品位の低下を招くことが懸念される。したがって、液晶配向膜としては、電荷を蓄積しにくい(すなわち、残留電荷の蓄積量が少ない)ことが要求される。
こうした要求に対し、従来、ポリアミック酸やそのイミド化重合体と共に、添加剤成分として3級アミンを液晶配向剤に含有させたり、窒素含有芳香族複素環であるピリジン骨格を有するジアミンを原料に使用したポリイミドを液晶配向剤に含有させたりすることにより、直流電圧によって発生した残像が消えるまでの時間を短くすることが提案されている(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。
特開平9-316200号公報 特開平10-104633号公報
近年においては、大画面化や高精細化した液晶表示デバイスが広く実用化されている。これらの用途では、従来にも増してより高い表示均一性や、残像が少ないことが要求されている。そのため、液晶配向膜としては、従来よりも高い塗布性(印刷性)を示す液晶配向剤により形成可能でありながら、高い電圧保持率を維持しつつ、残留電荷の蓄積量が少ないことが要求されている。
その一方で、従来のように3級アミンや窒素含有芳香族複素環を液晶配向膜中に導入することによって液晶素子に蓄積する残留電荷を低減させる手法では、重合体成分が有する官能基(例えば、カルボキシ基)と窒素含有化合物とが相互作用することによって溶解性の低下を引き起こし、近年の高い塗布性への対応が困難な場合が出てきている。
本発明の目的は、基板に対して良好な塗布性を示し、しかも電圧保持率が高く、残留電荷の蓄積量が少ない液晶素子を得ることができる液晶配向剤を提供することにある。
本発明者らが鋭意研究を進めたところ、窒素原子を有する特定構造を液晶配向膜中に導入することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明により以下の手段が提供される。
<1> 下記式(1)で表される部分構造を有する化合物[A]を含有する、液晶配向剤。
Figure 2023109149000001
(式(1)中、Arは2価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、1価の脂肪族炭化水素基であるか、又は、R及びRが互いに合わせられてR及びRが結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。Rは、水素原子又は1価の脂肪族炭化水素基である。Bは単結合又は2価の脂肪族炭化水素基である。nは1又は2であり、m+n=2である。nが2の場合、複数のRは同一又は異なり、複数のRは同一又は異なり、複数のArは同一又は異なり、複数のBは同一又は異なる。「*」は結合手を表す。)
<2> 前記化合物[A]は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオルガノシロキサン及び付加重合体よりなる群から選択される少なくとも1種である、上記<1>に記載の液晶配向剤。
<3> 前記化合物[A]は、上記式(1)で表される部分構造を有するジアミン化合物に由来する構造単位を含む重合体である、上記<1>に記載の液晶配向剤。
<4> 前記ジアミン化合物は、下記式(2)で表される化合物である、上記<3>に記載の液晶配向剤。
Figure 2023109149000002
(式(2)中、Arは、(p1+2)価の芳香環基である。Arは、(p2+2)価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、下記式(1-A)で表される基である。Xは、単結合、-O-、-S-、-CO-、-NR-、-COO-、-OCO-、-CONR-、-NRCO-、炭素数1~10のアルカンジイル基、又は炭素数1~10のアルカンジイル基における任意のメチレン基が酸素原子に置き換えられた基である。Rは、水素原子又は1価の有機基である。p1、p2及びrは、それぞれ独立して、0~2の整数である。ただし、rが0の場合、p1は1又は2である。rが1又は2の場合、式中のp1及びp2の全部が同時に0になることはない。式中、Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Arが複数存在する場合、複数のArは同一又は異なる。Xが複数存在する場合、複数のXは同一又は異なる。)
Figure 2023109149000003
(式(1-A)中、Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。Ar、R、R、R、B、n及びmはそれぞれ、上記式(1)と同義である。「*」は結合手を表す。)
<5> 前記化合物[A]は、上記式(1)で表される部分構造と重合性炭素-炭素不飽和結合とを有する単量体(M)に由来する構造単位を含む重合体である、上記<1>に記載の液晶配向剤。
<6> 前記単量体(M)は、下記式(3)で表される化合物である、上記<5>に記載の液晶配向剤。
Figure 2023109149000004
(式(3)中、Yは、下記式(y-1)で表される基、下記式(y-2)で表される基、又は下記式(y-3)で表される基である。Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。Ar、R、R、R、B、n及びmはそれぞれ、上記式(1)と同義である。)
Figure 2023109149000005
(式(y-1)~式(y-3)中、Ar及びArは、それぞれ独立して2価の芳香環基である。R、R、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。Xは、単結合、-O-又は-NH-である。ただし、Xが単結合の場合、式(3)中のX及びXは単結合であり、Xが-O-又は-NH-の場合、Xは、X又はX中のアルカンジイル基に結合している。「*」は結合手を表す。)
<7> 前記化合物[A]は、下記式(5)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体及びそのイミド化重合体である、上記<1>に記載の液晶配向剤。
Figure 2023109149000006
(式(5)中、Xは4価の有機基である。Yは、下記式(2-A)で表される2価の基である。R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。)
Figure 2023109149000007
(式(2-A)中、Arは、(p1+2)価の芳香環基である。Arは、(p2+2)価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、下記式(1-A)で表される基である。Xは、単結合、-O-、-S-、-CO-、-NR-、-COO-、-OCO-、-CONR-、-NRCO-、炭素数1~10のアルカンジイル基、又は炭素数1~10のアルカンジイル基における任意のメチレン基が酸素原子に置き換えられた基である。Rは、水素原子又は1価の有機基である。p1、p2及びrは、それぞれ独立して、0~2の整数である。ただし、rが0の場合、p1は1又は2である。rが1又は2の場合、式中のp1及びp2の全部が同時に0になることはない。式中、Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Arが複数存在する場合、複数のArは同一又は異なる。Xが複数存在する場合、複数のXは同一又は異なる。「*」は結合手を表す。)
Figure 2023109149000008
(式(1-A)中、Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。Ar、R、R、R、B、n及びmはそれぞれ、上記式(1)と同義である。「*」は結合手を表す。)
<8> 前記化合物[A]は、下記式(6-1)で表される構造単位、下記式(6-2)で表される構造単位及び下記式(6-3)で表される構造単位よりなる群から選択される少なくとも1種を含む重合体である、上記<1>に記載の液晶配向剤。
Figure 2023109149000009
(式(6-1)~式(6-3)中、Ar及びArは、それぞれ独立して、2価の芳香環基である。R、R、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。Xは、単結合、-O-又は-NH-である。Zは下記式(1-A)で表される基である。)
Figure 2023109149000010
(式(1-A)中、Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。Xが単結合の場合、X及びXは単結合であり、Xが-O-又は-NH-の場合、Xは、X又はX中のアルカンジイル基に結合している。Ar、R、R、R、B、n及びmはそれぞれ、上記式(1)と同義である。「*」は結合手を表す。)
<9> 上記式(1)で表される部分構造を有しない重合体を更に含有する、上記<1>~<8>のいずれかに記載の液晶配向剤。
<10> 前記化合物[A]は、重合体成分とは別に配合される添加剤成分である、上記<1>に記載の液晶配向剤。
<11> 更に、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-メチルカプロラクタム、2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、及び3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、又は4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンよりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記<1>~<10>のいずれかに記載の液晶配向剤。
<12> 上記<1>~<11>のいずれかに記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
<13> 上記<12>に記載の液晶配向膜を具備する液晶素子。
<14> 下記式(5)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体及びそのイミド化重合体。
Figure 2023109149000011
(式(5)中、Xは4価の有機基である。Yは、下記式(2-A)で表される2価の基である。R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。)
Figure 2023109149000012
(式(2-A)中、Arは、(p1+2)価の芳香環基である。Arは、(p2+2)価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、下記式(1-A)で表される基である。Xは、単結合、-O-、-S-、-CO-、-NR-、-COO-、-OCO-、-CONR-、-NRCO-、炭素数1~10のアルカンジイル基、又は炭素数1~10のアルカンジイル基における任意のメチレン基が酸素原子に置き換えられた基である。Rは、水素原子又は1価の有機基である。p1、p2及びrは、それぞれ独立して、0~2の整数である。ただし、rが0の場合、p1は1又は2である。rが1又は2の場合、式中のp1及びp2の全部が同時に0になることはない。式中、Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Arが複数存在する場合、複数のArは同一又は異なる。Xが複数存在する場合、複数のXは同一又は異なる。「*」は結合手を表す。)
Figure 2023109149000013
(式(1-A)中、Arは2価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、1価の脂肪族炭化水素基であるか、又は、R及びRが互いに合わせられてR及びRが結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。Rは、水素原子又は1価の脂肪族炭化水素基である。Bは単結合又は2価の脂肪族炭化水素基である。Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。nは1又は2であり、m+n=2である。nが2の場合、複数のRは同一又は異なり、複数のRは同一又は異なり、複数のArは同一又は異なり、複数のBは同一又は異なる。「*」は結合手を表す。)
<15> 下記式(6-1)で表される構造単位及び下記式(6-2)で表される構造単位よりなる群から選択される少なくとも1種を含む重合体。
Figure 2023109149000014
(式(6-1)及び式(6-2)中、Ar及びArは、それぞれ独立して、2価の芳香環基である。R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。Zは下記式(1-A)で表される基である。)
Figure 2023109149000015
(式(1-A)中、Arは2価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、1価の脂肪族炭化水素基であるか、又は、R及びRが互いに合わせられてR及びRが結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。Rは、水素原子又は1価の脂肪族炭化水素基である。Bは単結合又は2価の脂肪族炭化水素基である。Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。nは1又は2であり、m+n=2である。nが2の場合、複数のRは同一又は異なり、複数のRは同一又は異なり、複数のArは同一又は異なり、複数のBは同一又は異なる。「*」は結合手を表す。)
<16> 下記式(2)で表される化合物。
Figure 2023109149000016
(式(2)中、Arは、(p1+2)価の芳香環基である。Arは、(p2+2)価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、下記式(1-A)で表される基である。Xは、単結合、-O-、-S-、-CO-、-NR-、-COO-、-OCO-、-CONR-、-NRCO-、炭素数1~10のアルカンジイル基、又は炭素数1~10のアルカンジイル基における任意のメチレン基が酸素原子に置き換えられた基である。Rは、水素原子又は1価の有機基である。p1、p2及びrは、それぞれ独立して、0~2の整数である。ただし、rが0の場合、p1は1又は2である。rが1又は2の場合、式中のp1及びp2の全部が同時に0になることはない。式中、Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Arが複数存在する場合、複数のArは同一又は異なる。Xが複数存在する場合、複数のXは同一又は異なる。)
Figure 2023109149000017
(式(1-A)中、Arは2価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、1価の脂肪族炭化水素基であるか、又は、R及びRが互いに合わせられてR及びRが結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。Rは、水素原子又は1価の脂肪族炭化水素基である。Bは単結合又は2価の脂肪族炭化水素基である。Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。式(2)中のrが0であって、かつ式(1-A)中のnが1の場合、Xは-CO-かつXは単結合であるか、又は、R及びRは、R及びRが互いに合わせられてR及びRが結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。nは1又は2であり、m+n=2である。nが2の場合、複数のRは同一又は異なり、複数のRは同一又は異なり、複数のArは同一又は異なり、複数のBは同一又は異なる。「*」は結合手を表す。)
<17> 下記式(3)で表される化合物。
Figure 2023109149000018
(式(3)中、Yは、下記式(y-1)で表される基又は下記式(y-2)で表される基である。Arは2価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、1価の脂肪族炭化水素基であるか、又は、R及びRが互いに合わせられてR及びRが結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。Rは、水素原子又は1価の脂肪族炭化水素基である。Bは単結合又は2価の脂肪族炭化水素基である。Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。nは1又は2であり、m+n=2である。nが2の場合、複数のRは同一又は異なり、複数のRは同一又は異なり、複数のArは同一又は異なり、複数のBは同一又は異なる。)
Figure 2023109149000019
(式(y-1)及び式(y-2)中、Ar及びArは、それぞれ独立して、2価の芳香環基である。R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。「*」は結合手を表す。)
本発明の液晶配向剤によれば、基板に対して良好な塗布性を示しながら、電圧保持率が高く、かつ残留電荷の蓄積量が少ない液晶素子を得ることができる。
評価用ITO電極基板の概略構成を示す図。(a)は平面図であり、(b)は一部を拡大した断面図である。
《液晶配向剤》
以下に、本開示の液晶配向剤に含まれる各成分、及び必要に応じて任意に配合されるその他の成分について説明する。
なお、本明細書において、「炭化水素基」とは、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む意味である。「鎖状炭化水素基」とは、主鎖に環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基を意味する。ただし、飽和でも不飽和でもよい。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。ただし、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有するものも含む。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。ただし、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。「芳香環」は、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環を含む意味である。「有機基」とは、炭素を含む化合物(すなわち有機化合物)から任意の水素原子を取り除いてなる原子団をいう。
本開示の液晶配向剤は、下記式(1)で表される部分構造(以下、「部分構造(Ua)」ともいう)を有する化合物[A]を含有する。
Figure 2023109149000020
(式(1)中、Arは2価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、1価の脂肪族炭化水素基であるか、又は、R及びRが互いに合わせられてR及びRが結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。Rは、水素原子又は1価の脂肪族炭化水素基である。Bは単結合又は2価の脂肪族炭化水素基である。nは1又は2であり、m+n=2である。nが2の場合、複数のRは同一又は異なり、複数のRは同一又は異なり、複数のArは同一又は異なり、複数のBは同一又は異なる。「*」は結合手を表す。)
<化合物[A]>
・部分構造(Ua)について
式(1)において、Arで表される2価の芳香環基としては、置換又は無置換の芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基が挙げられる。Arが芳香環部分に置換基を有している場合、当該置換基としては、炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のアルコキシ基及びハロゲン原子等が挙げられる。Arは、好ましくは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、又は置換若しくは無置換の窒素含有芳香族複素環基である。
Arの具体例としては、芳香族炭化水素基として、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環及びアントラセン環の各環を構成する炭素原子に結合する任意の水素原子を2個取り除いてなる基を;窒素含有芳香族複素環基として、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、キノリン環、イソキノリン環及びアクリジン環の各環を構成する炭素原子に結合する任意の水素原子を2個取り除いてなる基を、それぞれ挙げることができる。蓄積電荷の緩和効果が高い点、及び得られる液晶素子の電圧保持率を高くできる点において、Arは中でも、置換又は無置換のベンゼン環又はピリジン環の環部分から2個の水素原子を取り除いた基が好ましく、フェニレン基がより好ましい。
及びRが1価の脂肪族炭化水素基である場合、当該脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~10の鎖状炭化水素基、炭素数3~12の脂環式炭化水素基が挙げられる。R及びRで表される炭素数1~10の鎖状炭化水素基としては、炭素数1~10の直鎖状又は分岐状の飽和鎖状炭化水素基、炭素数2~10の直鎖状又は分岐状の不飽和鎖状炭化水素基が挙げられる。R及びRで表される炭素数3~12の脂環式炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよく、単環でも多環でもよい。R及びRで表される炭素数3~12の脂環式炭化水素基の具体例としては、単環の脂環式炭化水素基として、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロヘキセニル基等を;多環の脂環式炭化水素基として、ノルボルニル基、アダマンチル基等を挙げることができる。
溶解性の低下を抑制しつつ、液晶配向膜に蓄積する残留電荷の低減効果を高くでき、これにより残留電荷の蓄積量が十分に低減された液晶素子を得ることができる点で、R及びRで表される1価の脂肪族炭化水素基は、これらのうち、炭素数1~4の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、炭素数1~4のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましい。
及びRが互いに合わせられてR及びRが結合する窒素原子と共に構成される環構造は、炭素数3~8の非芳香族性の窒素含有複素環構造であることが好ましい。当該環構造としては、ピロリジン環、ピペリジン環、ヘキサメチレンイミン環、又はこれらの環に置換基(アルキル基等)を有する環における環部分から1個の水素原子(具体的には、窒素原子に結合する水素原子)を取り除いた基等が挙げられる。式(1)中の「-NR」によって構成される窒素含有複素環基の具体例としては、1-ピロリジニル基、1-ピペリジニル基、4-メチル-1-ピペリジニル基等が挙げられる。
が1価の脂肪族炭化水素基である場合、当該脂肪族炭化水素基の具体例としては、R及びRの説明で例示した1価の脂肪族炭化水素基が挙げられる。液晶素子の液晶配向性及び電圧保持特性を良好にする観点、並びに化合物[A]の溶解性を高くする観点から、Rは、これらのうち、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基が好ましく、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基がより好ましい。
が2価の脂肪族炭化水素基である場合、当該脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~10の鎖状炭化水素基、炭素数3~12の脂環式炭化水素基が挙げられる。Bで表される炭素数1~10の鎖状炭化水素基としては、炭素数1~10の直鎖状又は分岐状の飽和鎖状炭化水素基、炭素数2~10の直鎖状又は分岐状の不飽和鎖状炭化水素基が挙げられる。炭素数3~12の脂環式炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよく、単環でも多環でもよい。Bが脂環式炭化水素基である場合、当該脂環式炭化水素基は、単環の飽和脂環式炭化水素基が好ましく、例えば、シクロペンタン環及びシクロヘキサン環の各環の環部分から2個の水素原子を取り除いた基が挙げられる。
得られる液晶素子の信頼性を高く維持する観点、及び化合物[A]の溶解性を高くする観点から、Bは、単結合又は炭素数1~4の2価の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、単結合又は炭素数1~4の2価の直鎖状又は分岐状の飽和脂肪族炭化水素基がより好ましく、単結合、メチレン基又はエチレン基がより更に好ましい。また、残留電荷の蓄積量を考慮すると、これらのうち単結合が一層好ましい。
nは1又は2である。ただし、m+n=2である。nは、得られる液晶素子の信頼性の改善効果を高くできる観点からn=2が好ましく、重合体への部分構造(Ua)の導入しやすさ及び得られる液晶素子の電圧保持特性を良好にする観点からn=1が好ましい。
化合物[A]は、部分構造(Ua)を有する限り、重合体成分でもよく、重合体成分とは別に配合される添加剤成分であってもよい。化合物[A]を含む本開示の液晶配向剤の具体的態様としては、下記の〔1〕及び〔2〕の態様が挙げられる。
〔1〕 部分構造(Ua)を有する重合体(以下、「重合体[A]」ともいう)を含有する液晶配向剤。
〔2〕 重合体成分と、添加剤成分として部分構造(Ua)を有する化合物(以下、「添加剤[A]」ともいう)と、を含有する液晶配向剤。
これらのうち、化合物[A]の配合によって、液晶配向剤の塗布性(印刷性)を高くしながら、液晶配向膜に蓄積する残留電荷(ひいては液晶素子に蓄積する残留電荷)を低減させる効果、及び液晶素子の信頼性の改善効果をより高くできる点で、〔1〕の態様が好ましい。
[〔1〕の態様について]
・重合体[A]
重合体[A]の主鎖は特に限定されない。液晶との親和性及び機械的強度が高く、かつ信頼性の高い液晶配向膜を形成できる点、部分構造(Ua)の導入によって液晶素子における残留電荷の蓄積量を低減する効果及び信頼性を改善する効果が高い点で、重合体[A]は中でも、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオルガノシロキサン及び付加重合体よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド及び付加重合体よりなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。なお、液晶配向剤の調製に際し、重合体[A]としては1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合体[A]がポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド又はポリアミドである場合、部分構造(Ua)を有する重合体の合成を容易にする観点から、化合物[A]は、上記式(1)で表される部分構造を有するジアミン化合物(以下、「特定ジアミン」ともいう)に由来する構造単位を含む重合体であることが好ましい。
(特定ジアミン)
特定ジアミンは、部分構造(Ua)を有している限り特に限定されない。特定ジアミンの好ましい具体例としては、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023109149000021
(式(2)中、Arは、(p1+2)価の芳香環基である。Arは、(p2+2)価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、下記式(1-A)で表される基である。Xは、単結合、-O-、-S-、-CO-、-NR-、-COO-、-OCO-、-CONR-、-NRCO-、炭素数1~10のアルカンジイル基、又は炭素数1~10のアルカンジイル基における任意のメチレン基が酸素原子に置き換えられた基である。Rは、水素原子又は1価の有機基である。p1、p2及びrは、それぞれ独立して、0~2の整数である。ただし、rが0の場合、p1は1又は2である。rが1又は2の場合、式中のp1及びp2の全部が同時に0になることはない。式中、Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Arが複数存在する場合、複数のArは同一又は異なる。Xが複数存在する場合、複数のXは同一又は異なる。)
Figure 2023109149000022
(式(1-A)中、Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。Ar、R、R、R、B、n及びmはそれぞれ、上記式(1)と同義である。「*」は結合手を表す。)
式(2)において、Arで表される(p1+2)価の芳香環基、Arで表される(p2+2)価の芳香環基としては、置換又は無置換の芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基が挙げられる。Ar、Arが芳香環部分に置換基を有している場合、当該置換基としては、炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のアルコキシ基及びハロゲン原子等が挙げられる。液晶配向性、電圧保持特性及び信頼性に優れた液晶素子を得る観点から、Ar、Arは、置換又は無置換の芳香族炭化水素基又は窒素含有芳香族複素環基であることが好ましい。さらに、溶解性の観点から中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環又はピラジン環から(p1+2)個又は(p2+2)個の水素原子を取り除いた基が好ましく、ベンゼン環から(p1+2)個又は(p2+2)個の水素原子を取り除いた基がより好ましい。
が炭素数1~6のアルカンジイル基である場合、当該アルカンジイル基は直鎖状でも分岐状でもよい。Xで表されるアルカンジイル基は、液晶配向膜における残留電荷の蓄積量を低減する観点及び液晶素子の信頼性を高くする観点から、炭素数1~3が好ましく、メチレン基又はエチレン基がより好ましい。また、同様の観点から、aは1又は2が好ましく、bは0~2が好ましい。
が1価の有機基である場合、当該1価の有機基としては、炭素数1~10の1価の炭化水素基、熱脱離性基等が挙げられる。Rは、水素原子、炭素数1~3のアルキル基又は熱脱離性基が好ましく、水素原子、炭素数1~3のアルキル基又はtert-ブトキシカルボニル基がより好ましい。
液晶配向膜における残留電荷の蓄積量を低減する効果をより高める観点から、Xは中でも、単結合、炭素数1~3のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*又は-O-CO-*であることが好ましい。
なお、式(2)において、rが1又は2の場合、式中のp1及びp2の全部が同時に0になることはない、つまり「p1+p2×r」は1以上である。
式(1-A)において、X、Xがアルカンジイル基である場合、当該アルカンジイル基は直鎖状でも分岐状でもよい。X、Xで表されるアルカンジイル基は、液晶配向膜における残留電荷の蓄積量の低減効果を十分に得ながら、重合体の溶解性を確保する観点から、炭素数1~3が好ましく、メチレン基又はエチレン基がより好ましい。また、同様の観点から、aは1又は2が好ましく、bは0~2が好ましい。また、式(1-A)中の「*-X-X」で表される基は、上記と同様の観点から、単結合、-CO-、炭素数1~3のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*(ただし、cは1又は2であり、bは0~2の整数)であることが好ましい。
特定ジアミンの具体例としては、下記式(1-1)~式(1-36)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。
Figure 2023109149000023
Figure 2023109149000024
Figure 2023109149000025
Figure 2023109149000026
Figure 2023109149000027
特定ジアミンの製造方法は特に限定されず、有機化学の定法を適宜組み合わせることによって製造することができる。その一例としては、まず、式(2)中の1級アミノ基に代えてニトロ基を有するジニトロ中間体を合成し、次いで、得られたジニトロ中間体のニトロ基を適当な還元系を用いてアミノ化する方法が挙げられる。
ジニトロ中間体を合成する方法は、目的とする化合物の分子構造に応じて適宜選択することができる。例えば、下記式(4)で表される化合物と、アミノ基と反応し得る官能基(例えば、ハロゲン原子、カルボキシ基、ハロカルボニル基等)を有するジニトロ化合物とを、必要に応じて溶媒中、触媒の存在下で反応させることにより、式(2)で表される化合物の前駆体としてのジニトロ中間体を得ることができる。ただし、特定ジアミンの合成方法は上記に限定されるものではない。
Figure 2023109149000028
(スキーム中、Xは、ハロゲン原子、カルボキシ基又はハロカルボニル基を含む1価の基である。R~R、Ar~Ar、B、X、n、m、r、p1及びp2は、上記式(2)及び式(1-A)と同義である。)
特定ジアミンは、中でも、下記式(2-B)で表される化合物及び下記式(2-C)で表される化合物が好ましい。
Figure 2023109149000029
(式(2-B)中、Ar、R、R、R、B、n及びmはそれぞれ、上記式(1)と同義である。X及びXはそれぞれ、上記式(1-A)と同義である。)
Figure 2023109149000030
(式(2-C)中、Ar、R、R、R、B、n及びmはそれぞれ、上記式(1)と同義である。X及びXはそれぞれ、上記式(1-A)と同義である。Xは上記式(2)と同義である。ただし、式(2-C)中の2個のXは同一又は異なる。)
式(2-B)において、式中の2つの1級アミノ基の結合位置は、他の基(X)に対して、2,4-位、2,5-位、3,5-位等が挙げられる。これらのうち、液晶配向膜の着を抑制する観点から、2,4-位又は3,5-位がより好ましい。
(ポリイミド前駆体又はポリイミド)
重合体[A]が、ポリイミド前駆体又はポリイミドである場合、重合体[A]は、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸二無水物及びテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物よりなる群から選択される少なくとも1種の酸誘導体と、ジアミン化合物とを含む単量体を重合する工程を含む方法により得ることができる。なお、本明細書において「ポリイミド前駆体」は、ポリアミック酸及びポリアミック酸エステルを包含する意味である。
(ポリアミック酸)
重合体[A]がポリアミック酸である場合、当該ポリアミック酸(以下「ポリアミック酸[A]」ともいう)は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを反応させることによって得ることができる。
(テトラカルボン酸二無水物)
ポリアミック酸[A]の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、鎖状テトラカルボン酸二無水物及び脂環式テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
これらの具体例としては、鎖状テトラカルボン酸二無水物として、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物等を;脂環式テトラカルボン酸二無水物として、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-3a,4,5,9b-テトラヒドロナフト[1,2-c]フラン-1,3-ジオン、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-8-メチル-3a,4,5,9b-テトラヒドロナフト[1,2-c]フラン-1,3-ジオン、2,4,6,8-テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン-2:4,6:8-二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等、3,5,6-トリカルボキシ-2-カルボキシメチルノルボルナン-2:3,5:6-二無水物を;芳香族テトラカルボン酸二無水物として、ピロメリット酸二無水物、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメート、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、4,4’-カルボニルジフタル酸無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等を;それぞれ挙げることができるほか、特開2010-97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。テトラカルボン酸二無水物としては、1種を単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
ポリアミック酸[A]の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物は、得られる液晶配向剤の塗布性や印刷性を良好にでき、しかも良好な液晶配向性及び電圧保持特性を示す液晶配向膜を得ることができる点で、脂肪族テトラカルボン酸二無水物を含むことが好ましく、脂環式テトラカルボン酸二無水物を含むことがより好ましい。脂環式テトラカルボン酸二無水物の使用割合は、ポリアミック酸[A]の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物の全量に対して、20モル%以上であることが好ましく、30モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることが更に好ましい。
(ジアミン化合物)
ポリアミック酸[A]の合成に使用するジアミン化合物は、特定ジアミンのみであってもよいし、特定ジアミンと、部分構造(Ua)を有しないジアミン(以下、「他のジアミン」ともいう)との併用であってもよい。他のジアミンとしては、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサン等が挙げられる。脂肪族ジアミンとしては、鎖状ジアミン及び脂環式ジアミンが挙げられる。
他のジアミンの具体例としては、鎖状ジアミンとして、メタキシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等を;脂環式ジアミンとして、1,4-ジアミノシクロヘキサン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等を;芳香族ジアミンとして、p-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエタン、4-アミノフェニル-4-アミノベンゾエート、4,4’-ジアミノアゾベンゼン、3,5-ジアミノ安息香酸、1,5-ビス(4-アミノフェノキシ)ペンタン、1,2-ビス(4-アミノフェノキシ)エタン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)プロパン、1,6-ビス(4-アミノフェノキシ)ヘキサン、6,6’-(ペンタメチレンジオキシ)ビス(3-アミノピリジン)、N,N’-ジ(5-アミノ-2-ピリジル)-N,N’-ジ(tert-ブトキシカルボニル)エチレンジアミン、ビス[2-(4-アミノフェニル)エチル]ヘキサン二酸、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルアミン、4,4’-ジアミノジフェネチルウレア、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-(フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、2,6-ジアミノピリジン、2,4-ジアミノピリミジン、3,6-ジアミノカルバゾール、N-メチル-3,6-ジアミノカルバゾール、3,6-ジアミノアクリジン、N4,N4’-ビス(4-アミノフェニル)-N4,N4’-ジメチルベンジジン、N,N’-ビス(5-アミノピリジン-2-イル)-N,N’-ジ(tert-ブトキシカルボニル)エチレンジアミン等の主鎖型ジアミン;
ヘキサデカノキシ-2,4-ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ-2,4-ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ-2,5-ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ-3,5-ジアミノベンゼン、コレステリルオキシ-3,5-ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ-2,4-ジアミノベンゼン、コレステリルオキシ-2,4-ジアミノベンゼン、3,5-ジアミノ安息香酸コレスタニル、3,5-ジアミノ安息香酸コレステリル、3,5-ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6-ビス(4-アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6-ビス(4-アミノフェノキシ)コレスタン、4-(4’-トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル-3,5-ジアミノベンゾエート、1,1-ビス(4-((アミノフェニル)メチル)フェニル)-4-ブチルシクロヘキサン、3,5-ジアミノ安息香酸=5ξ-コレスタン-3-イル、下記式(E-1)
Figure 2023109149000031
(式(E-1)中、XI及びXIIは、それぞれ独立して、単結合、-O-、*-COO-又は*-OCO-(ただし、「*」はジアミノフェニル基側との結合手を示す。)である。Rは、炭素数1~3のアルカンジイル基である。RIIは、単結合又は炭素数1~3のアルカンジイル基である。RIIIは、炭素数1~20のアルキル基、アルコキシ基、フルオロアルキル基、又はフルオロアルコキシ基である。aは0又は1である。bは0~3の整数である。cは0~2の整数である。dは0又は1である。ただし、1≦a+b+c≦3である。)
で表される化合物等の側鎖型ジアミン等を、
ジアミノオルガノシロキサンとして、1,3-ビス(3-アミノプロピル)-テトラメチルジシロキサン等を、それぞれ挙げることができる。ポリアミック酸[A]の製造に際し、他のジアミンとしては1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記式(E-1)で表される化合物としては、例えば下記式(E-1-1)~式(E-1-4)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。
Figure 2023109149000032
ポリアミック酸[A]の合成に際し、特定ジアミンの使用割合は、ポリアミック酸[A]の合成に使用するジアミン化合物の全量に対して、1モル%以上が好ましく、3モル%以上がより好ましく、5モル%以上が更に好ましい。また、特定ジアミンの使用割合は、ポリアミック酸[A]の合成に使用するジアミン化合物の全量に対して、95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましく、80モル%以下が更に好ましい。
(ポリアミック酸の合成)
ポリアミック酸[A]は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを、必要に応じて分子量調整剤とともに反応させることにより得ることができる。ポリアミック酸[A]の合成反応において、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割合は、ジアミン化合物のアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2~2当量となる割合が好ましい。分子量調整剤としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸等の酸一無水物、アニリン、シクロヘキシルアミン、n-ブチルアミン等のモノアミン化合物、フェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等のモノイソシアネート化合物等を挙げることができる。分子量調整剤の使用割合は、使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の合計100質量部に対して、20質量部以下とすることが好ましい。
ポリアミック酸[A]の合成反応において、反応温度は-20℃~150℃が好ましく、反応時間は0.1~24時間が好ましい。反応に使用する有機溶媒としては、例えば、非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素、炭化水素等を挙げることができる。これらのうち、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、m-クレゾール、キシレノール及びハロゲン化フェノールよりなる群から選択される1種以上を反応溶媒として使用するか、あるいはこれらの1種以上と、他の有機溶媒(例えば、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールジエチルエーテル等)との混合物を使用することが好ましい。有機溶媒の使用量は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の合計量が、反応溶液の全量に対して0.1~50質量%になる量とすることが好ましい。
以上のようにして、ポリアミック酸[A]を溶解してなる重合体溶液が得られる。この重合体溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、重合体溶液中に含まれるポリアミック酸[A]を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
(ポリアミック酸エステル)
重合体[A]がポリアミック酸エステルである場合、当該ポリアミック酸エステルは、例えば、[I]ポリアミック酸[A]とエステル化剤とを反応させる方法、[II]テトラカルボン酸ジエステルと、特定ジアミンを含むジアミン化合物とを反応させる方法、[III]テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物と、特定ジアミンを含むジアミン化合物とを反応させる方法、等によって得ることができる。ポリアミック酸エステルは、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。ポリアミック酸エステルを溶解してなる反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸エステルを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
(ポリイミド)
重合体[A]がポリイミドである場合、当該ポリイミド(以下「ポリイミド[A]」ともいう)は、例えば上記の如くして合成されたポリアミック酸[A]を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。ポリイミド[A]は、その前駆体であるポリアミック酸[A]が有していたアミック酸構造の全てを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造とが併存する部分イミド化物であってもよい。ポリイミド[A]は、イミド化率が20~99%であることが好ましく、30~90%であることがより好ましい。なお、イミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ここで、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
ポリアミック酸[A]の脱水閉環は、好ましくはポリアミック酸[A]を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し、必要に応じて加熱する方法により行われる。この方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸[A]のアミック酸構造の1モルに対して0.01~20モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01~10モルとすることが好ましい。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸[A]の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0~180℃である。反応時間は、好ましくは1.0~120時間である。なお、ポリイミド[A]を含有する反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミド[A]を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。ポリイミド[A]は、ポリアミック酸エステルの脱水閉環により得ることもできる。
(ポリアミド)
ポリアミドは、ジカルボン酸とジアミン化合物とを反応させることにより得ることができる。ジカルボン酸は、塩化チオニル等の適当な塩素化剤を用いて酸クロリド化した後にジアミン化合物との反応に供することが好ましい。
ポリアミドの合成に使用するジカルボン酸は特に制限されない。ジカルボン酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2-メチルアジピン酸、フマル酸等の鎖状ジカルボン酸;シクロブタンジカルボン酸、1-シクロブテンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5-メチルイソフタル酸、2,5-ジメチルテレフタル酸、4-カルボキシ桂皮酸、3,3’-[4,4’-(メチレンジ-p-フェニレン)]ジプロピオン酸、4,4’-[4,4’-(オキシジ-p-フェニレン)]二酪酸等の芳香族ジカルボン酸;等が挙げられる。合成に使用するジアミン化合物としては、特定ジアミンのほか、例えばポリアミック酸の説明で例示した他のジアミンが挙げられる。ジカルボン酸及びジアミン化合物は、それぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ジカルボン酸とジアミン化合物との反応は、好ましくは塩基の存在下、有機溶媒中において行われる。このとき、ジカルボン酸とジアミン化合物との使用割合は、ジアミン化合物のアミノ基1当量に対して、ジカルボン酸のカルボキシル基が0.2~2当量となる割合が好ましい。反応温度は0℃~200℃とすることが好ましく、反応時間は0.5~48時間とすることが好ましい。有機溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン等を好ましく使用することができる。塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、N-エチル-N,N-ジイソプロピルアミン等の3級アミンを好ましく使用することができる。塩基の使用割合は、ジアミン化合物1モルに対して2~4モルとすることが好ましい。上記反応により得られる溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミドを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
ポリアミドの合成に際し、特定ジアミンの使用割合は、ポリアミドの合成に使用するジアミン化合物の全量に対して、1モル%以上が好ましく、3モル%以上がより好ましく、5モル%以上が更に好ましい。また、特定ジアミンの使用割合は、ポリアミドの合成に使用するジアミン化合物の全量に対して、95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましく、80モル%以下が更に好ましい。
重合体[A]がポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド又はポリアミドである場合、重合体[A]の溶液粘度は、濃度10質量%の溶液としたときに10~800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、15~500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、溶液粘度(mPa・s)は、重合体[A]の良溶媒(例えば、γ-ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドン等)を用いて調製した濃度10質量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
重合体[A]がポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド又はポリアミドである場合、重合体[A]のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000~500,000であり、より好ましくは2,000~300,000である。また、Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは7以下であり、より好ましくは5以下である。
〔1〕の態様の液晶配向剤における好ましい1つの態様は、重合体[A]が、下記式(5)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体及びそのイミド化重合体である。
Figure 2023109149000033
(式(5)中、Xは4価の有機基である。Yは、下記式(2-A)で表される2価の基である。R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。)
Figure 2023109149000034
(式(2-A)中、Arは、(p1+2)価の芳香環基である。Arは、(p2+2)価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、上記式(1-A)で表される基である。Xは、単結合、-O-、-S-、-CO-、-NR-、-COO-、-OCO-、-CONR-、-NRCO-、炭素数1~10のアルカンジイル基、又は炭素数1~10のアルカンジイル基における任意のメチレン基が酸素原子に置き換えられた基である。Rは、水素原子又は1価の有機基である。p1、p2及びrは、それぞれ独立して、0~2の整数である。ただし、rが0の場合、p1は1又は2である。rが1又は2の場合、式中のp1及びp2の全部が同時に0になることはない。式中、Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Arが複数存在する場合、複数のArは同一又は異なる。Xが複数存在する場合、複数のXは同一又は異なる。「*」は結合手を表す。)
式(5)において、Xで表される4価の有機基は、テトラカルボン酸二無水物に由来する4価の基である。Yは、特定ジアミンに由来する2価の基である。Yは、好ましくは、上記式(2)で表される化合物に由来する2価の基である。式(2-A)中のA、Ar、X、R、R、p1、p2及びrについては、式(2)の説明が適用される。
重合体[A]が、式(5)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体又はそのイミド化重合体である場合、重合体[A]における式(5)で表される構造単位の割合は、重合体[A]を構成する全構造単位に対して、1モル%以上が好ましく、3モル%以上がより好ましく、5モル%以上が更に好ましい。また、式(5)で表される構造単位の割合は、重合体[A]を構成する全構造単位に対して、95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましく、80モル%以下が更に好ましい。
重合体[A]としてポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド及びポリアミドよりなる群から選択される少なくとも1種の重合体(以下、「重合体[A1]」ともいう)を液晶配向剤に含有させる場合、液晶配向剤中における重合体[A1]の含有割合は、液晶配向剤に含まれる固形分の全量(すなわち、液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計質量)に対して、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更に好ましい。
(付加重合体[A])
重合体[A]が、部分構造(Ua)を有する付加重合体である場合、当該重合体(以下、「付加重合体[A]」ともいう)は、上記式(1)で表される部分構造と重合性炭素-炭素不飽和結合とを有する単量体(M)に由来する構造単位を含むことが好ましい。
単量体(M)が有する重合性炭素-炭素不飽和結合としては、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基、ビニル基(アルケニル基、ビニルフェニル基、ビニルエーテル基に含まれるビニル基を含む)等が挙げられる。単量体(M)としては、下記式(3)で表される化合物を好ましく使用できる。
Figure 2023109149000035
(式(3)中、Yは、下記式(y-1)で表される基、下記式(y-2)で表される基、又は下記式(y-3)で表される基である。Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。Ar、R、R、R、B、n及びmはそれぞれ、上記式(1)と同義である。)
Figure 2023109149000036
(式(y-1)~式(y-3)中、Ar及びArは、それぞれ独立して2価の芳香環基である。R、R、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。Xは、単結合、-O-又は-NH-である。ただし、Xが単結合の場合、式(3)中のX及びXは単結合であり、Xが-O-又は-NH-の場合、XはX又はX中のアルカンジイル基に結合している。
「*」は結合手を表す。)
式(3)において、Ar、R、R、R、B、X、X、n及びmについては、上記式(1)及び式(1-A)の説明が適用される。
式(y-1)~式(y-3)において、Ar及びArで表される2価の芳香環基の具体例としては、式(1)中のArとして例示した2価の芳香環基が挙げられる。Ar及びArは、これらのうち、置換又は無置換のフェニレン基が好ましい。R、R、R及びR10は、共重合性の観点から、水素原子又はメチル基が好ましい。
液晶素子の電圧保持特性及び重合体の溶解性を高く維持しながら、液晶配向膜における残留電荷の蓄積量を十分に低減できる点で、単量体(M)は、式(y-1)又は式(y-2)で表される基を有する化合物であることが好ましい。
単量体(M)の具体例としては、下記式(3-1)~式(3-22)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。
Figure 2023109149000037
Figure 2023109149000038
単量体(M)を製造する方法は特に限定されず、所望とする化合物の分子構造に応じて、有機化学の定法を適宜組み合わせることによって合成することができる。その一例としては、式(y-1)、式(y-2)又は式(y-3)で表される部分構造を有し、かつアミノ基と反応し得る官能基(例えば、ハロゲン原子、カルボキシ基、ハロカルボニル基等)を有する重合性炭素-炭素不飽和結合含有化合物と、式(4)で表される化合物とを、必要に応じて溶媒中、触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。ただし、単量体(M)の合成方法はこの方法に限定されるものではない。
Figure 2023109149000039
(スキーム中、Xは、ハロゲン原子、カルボキシ基又はハロカルボニル基を含む1価の基である。R~R、R~R10、Ar、Ar、Ar、B、X、X、X、Y、n及びmは、上記式(3)及び式(y-1)~式(y-3)と同義である。)
〔1〕の態様の液晶配向剤における好ましい他の1つの態様は、重合体[A]が、下記式(6-1)で表される構造単位、下記式(6-2)で表される構造単位及び下記式(6-3)で表される構造単位よりなる群から選択される少なくとも1種(以下、「特定単量体単位」ともいう)を含む重合体である。
Figure 2023109149000040
(式(6-1)~式(6-3)中、Ar及びArは、それぞれ独立して、2価の芳香環基である。R、R、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。Xは、単結合、-O-又は-NH-である。Zは上記式(1-A)で表される基である。)
式(6-1)~式(6-3)中のAr、Ar、X、R、R、R及びR10については、式(y-1)~式(y-3)の説明が適用される。Zについては、式(2)で表される化合物の説明における式(1-A)の説明が適用される。
重合体[A]が特定単量体単位を含む重合体である場合、重合体[A]における特定単量体単位の割合は、重合体[A]を構成する全構造単位に対して、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、20モル%以上が更に好ましい。
(付加重合体[A]の合成)
付加重合体[A]は、単量体(M)を含む重合性炭素-炭素不飽和結合含有化合物を重合することにより得ることができる。付加重合体[A]は、単量体(M)のみから構成されていてもよいし、部分構造(Ua)を有しない単量体(以下、「他の不飽和結合含有化合物」ともいう)を用いてもよい。他の不飽和結合含有化合物としては、(メタ)アクリル化合物、スチレン化合物、共役ジエン化合物、マレイミド化合物等が挙げられる。
他の不飽和結合含有化合物の具体例としては、(メタ)アクリル化合物として、(メタ)アクリル酸アルキル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル等)、(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3,4-エポキシブチル、及び(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチルグリシジルエーテル等の不飽和カルボン酸エステルが挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、メチルスチレン、ジビニルベンゼン、4-ヒドロキシメチルスチレン及び4-(グリシジルオキシメチル)スチレン等が挙げられる。共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン及び2-メチル-1,3-ブタジエン等が挙げられる。マレイミド化合物としては、N-メチルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-(4-グリシジルオキシフェニル)マレイミド、N-グリシジルマレイミド等が挙げられる。付加重合体[A]の合成に際し、他の不飽和結合含有化合物としては1種を単独で使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。
付加重合体[A]は、例えば、重合開始剤の存在下で単量体を重合することにより得ることができる。使用する重合開始剤としては、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が好ましい。重合開始剤の使用割合は、反応に使用する全単量体100質量部に対して、0.01~30質量部とすることが好ましい。
重合反応は、好ましくは有機溶媒中で行われる。反応に使用する有機溶媒としては、例えばアルコール、エーテル、ケトン、アミド、エステル、炭化水素化合物等が挙げられ、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が好ましい。反応温度は30℃~120℃とすることが好ましく、反応時間は、1~36時間とすることが好ましい。有機溶媒の使用量は、反応に使用する単量体の合計量が、反応溶液の全体量に対して0.1~60質量%になる量とすることが好ましい。
付加重合体[A]につき、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、250~500,000であることが好ましく、500~100,000であることがより好ましい。また、Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは8以下であり、より好ましくは6以下である。
重合体[A]として付加重合体[A]を液晶配向剤に含有させる場合、液晶配向剤中における付加重合体[A]の含有割合は、液晶配向剤に含まれる固形分の全量に対して、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましい。また、付加重合体[A]の含有割合は、液晶配向剤に含まれる固形分の全量に対して、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましい。
(ポリオルガノシロキサン)
重合体[A]が、部分構造(Ua)を有するポリオルガノシロキサンである場合、当該ポリオルガノシロキサン(以下、「ポリシロキサン[A]」ともいう)は、例えば、原料の少なくとも一部にエポキシ基含有シラン化合物を用いた重合により、エポキシ基を側鎖に有するポリオルガノシロキサンを合成し、次いで、得られたエポキシ基含有のポリオルガノシロキサンと、式(1)で表される部分構造を有するカルボン酸とを反応させることにより得ることができる。また、別の方法としては、式(1)で表される部分構造を有する加水分解性のシラン化合物をモノマーに用いた重合による方法が挙げられる。
ポリシロキサン[A]において、部分構造(Ua)の含有割合は、ポリシロキサン[A]を構成する全構造単位に対して、2モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましい。
重合体[A]としてポリシロキサン[A]を液晶配向剤に含有させる場合、液晶配向剤中におけるポリシロキサン[A]の含有割合は、液晶配向剤に含まれる固形分の全量に対して、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましい。また、ポリシロキサン[A]の含有割合は、液晶配向剤に含まれる固形分の全量に対して、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましい。
<その他の成分>
液晶配向剤は、化合物[A]のほか、必要に応じて、化合物[A]とは異なる成分(以下「その他の成分」ともいう)を含有していてもよい。
・重合体[B]
本開示の液晶配向剤は、部分構造(Ua)を有しない重合体(以下「重合体[B]」ともいう)を更に含有してもよい。重合体[B]の主骨格は特に限定されない。重合体[B]としては、例えば、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリオルガノシロキサン、ポリエステル、ポリエナミン、ポリウレア、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリベンゾオキサゾール、セルロース誘導体、ポリアセタール、付加重合体(例えば、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、マレイミド系重合体、スチレン-マレイミド系共重合体)等が挙げられる。信頼性の高い液晶素子を得る観点から、重合体[B]は、これらのうち、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオルガノシロキサン及び付加重合体よりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
重合体[B]を液晶配向剤に含有させる場合、重合体[B]の含有割合は、液晶配向剤に含まれる重合体[A]と重合体[B]との合計量に対して、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましい。また、重合体[B]の含有割合は、液晶配向剤に含まれる重合体[A]と重合体[B]との合計量に対して、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。重合体[B]としては、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
・溶剤
本開示の液晶配向剤は、化合物[A]及び必要に応じて使用されるその他の成分が、好ましくは適当な溶媒中に分散又は溶解してなる液状の組成物として調製される。
溶剤としては有機溶媒が好ましく使用される。その具体例としては、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、1,2-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、フェノール、γ-ブチロラクトン、γ-ブチロラクタム、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、ジアセトンアルコール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、プロパン-1,2-ジオール、3-メトキシ-1-ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸エチル、メチルメトキシプロピオネ-ト、エチルエトキシプロピオネ-ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール-n-プロピルエーテル、エチレングリコール-i-プロピルエーテル、エチレングリコール-n-ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールジエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールジアセテート、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等を挙げることができる。溶剤としては、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
溶剤は、これらの中でも、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-メチルカプロラクタム、2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、及び3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、又は4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
液晶配向剤に含有されるその他の成分としては、上記のほか、例えば、架橋剤、酸化防止剤、金属キレート化合物、硬化促進剤、界面活性剤、充填剤、分散剤、光増感剤等が挙げられる。その他の成分の配合割合は、本開示の効果を損なわない範囲で各化合物に応じて適宜選択することができる。
液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計質量が液晶配向剤の全質量に占める割合)は、粘性、揮発性等を考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1~10質量%の範囲である。固形分濃度が1質量%以上であると、塗膜の膜厚を十分に確保でき、より良好な液晶配向性を示す液晶配向膜を得ることができる点で好適である。一方、固形分濃度が10質量%以下であると、塗膜を適度な厚みとすることができ、良好な液晶配向性を示す液晶配向膜が得られやすく、また、液晶配向剤の粘性が適度となり塗布性を良好にできる傾向がある。
(〔2〕の態様について)
・添加剤[A]
添加剤[A]は、部分構造(Ua)を有する化合物(ただし、重合体を除く。)である。添加剤[A]の分子量は、例えば1,000以下であり、好ましくは800以下、より好ましくは500以下である。なお、添加剤[A]は、分子量分布を有しない化合物である点において重合体[A]とは異なる。
添加剤[A]が有する部分構造(Ua)の数は特に限定されず、1個以上であればよい。液晶配向膜に蓄積する残留電荷を低減させる効果を高くできる点で、添加剤[A]が有する部分構造(Ua)の数は2個以上が好ましく、更に、添加剤[A]の溶解性の低下を抑制できる点で、2~6個がより好ましい。このような添加剤[A]としては、多価カルボン酸、多価酸無水物、多価酸クロライド、多価イソシアネート又は多価ハロゲン化合物と、式(1)で表される部分構造を有する化合物(以下、「特定反応性化合物」ともいう)との反応生成物が挙げられる。特定反応性化合物としては、例えば下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023109149000041
(式(4)中、Ar、R、R、R、B、n及びmはそれぞれ、上記式(1)と同義である。)
本態様の液晶配向剤に含まれる重合体成分としては、溶解性の低下を抑制する観点から、式(1)で表される部分構造を有しない重合体(すなわち重合体[B])を好ましく使用できる。重合体[B]の具体例及び好ましい例については、〔1〕の態様における重合体[B]の説明が適用される。また、本態様の液晶配向剤は、重合体[B]及び添加剤[A]と共に重合体[A]を更に含んでいてもよい。
添加剤[A]の含有割合は、液晶配向剤に含まれる重合体成分の全量に対して、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましい。また、添加剤[A]の含有割合は、液晶配向剤に含まれる重合体成分の全量に対して、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
なお、本態様の液晶配向剤は、重合体成分及び添加剤[A]に加え、更に別の成分を含んでいてもよい。当該成分や液晶配向剤の粘度等については〔1〕の態様の説明が援用される。
≪液晶配向膜及び液晶素子≫
本開示の液晶配向膜は、上記のように調製された液晶配向剤により製造される。また、本開示の液晶素子は、上記で説明した液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を具備する。液晶素子における液晶の駆動方式は特に限定されず、例えばTN型、STN型、VA型(VA-MVA型、VA-PVA型などを含む。)、IPS型、FFS型、OCB(Optically Compensated Bend)型、PSA型(Polymer Sustained Alignment)等の種々のモードに適用することができる。液晶素子は、例えば以下の工程1~工程3を含む方法により製造することができる。工程1は、所望の動作モードによって使用基板が異なる。工程2及び工程3は、各動作モード共通である。
<工程1:塗膜の形成>
まず、基板上に液晶配向剤を塗布し、好ましくは塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラス等のガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)等のプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一方の面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム-酸化スズ(In-SnO)からなるITO膜等を用いることができる。TN型、STN型又はVA型の液晶素子を製造する場合には、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板2枚を用いる。一方、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合には、櫛歯型にパターニングされた電極が設けられている基板と、電極が設けられていない対向基板とを用いる。
基板への液晶配向剤の塗布方法は特に限定されない。基板への液晶配向剤の塗布は、例えば、スピンコート方式、印刷方式(例えば、オフセット印刷方式、フレキソ印刷方式等)、インクジェット方式、スリットコート方式、バーコーター方式、エクストリューションダイ方式、ダイレクトグラビアコーター方式、チャンバードクターコーター方式、オフセットグラビアコーター方式、含浸コーター方式、MBコーター方式法等により行うことができる。
液晶配向剤を塗布した後、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30~200℃であり、プレベーク時間は、好ましくは0.25~10分である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて、重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、好ましくは80~280℃であり、より好ましくは80~250℃である。ポストベーク時間は、好ましくは5~200分である。形成される膜の膜厚は、好ましくは0.001~1μmである。
<工程2:配向処理>
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合、上記工程1で形成した塗膜に対し、液晶配向能を付与する処理(配向処理)が施される。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向処理としては、基板上に形成した塗膜の表面をコットンやナイロン等で擦るラビング処理、又は塗膜に光照射を行って液晶配向能を付与する光配向処理を用いることが好ましい。垂直配向型の液晶素子を製造する場合には、上記工程1で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用してもよく、液晶配向能を更に高めるために該塗膜に対し配向処理を施してもよい。垂直配向型の液晶素子に好適な液晶配向膜はPSA型の液晶素子にも好ましく用いることができる。
光配向のための光照射は、ポストベーク工程後の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程後であってポストベーク工程前の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程及びポストベーク工程の少なくともいずれかにおいて塗膜の加熱中に塗膜に対して照射する方法、等により行うことができる。塗膜に照射する放射線としては、例えば150~800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができる。塗膜に照射する放射線は、好ましくは、200~400nmの波長の光を含む紫外線である。放射線が偏光である場合、直線偏光であっても部分偏光であってもよい。用いる放射線が直線偏光又は部分偏光である場合には、照射は基板面に垂直の方向から行ってもよく、斜め方向から行ってもよく、又はこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の放射線の場合の照射方向は斜め方向とする。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザー等が挙げられる。放射線の照射量は、好ましくは200~30,000J/mであり、より好ましくは500~10,000J/mである。配向能付与のための光照射後において、基板表面を、例えば水、有機溶媒(例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、1-メトキシ-2-プロパノールアセテート、ブチルセロソルブ、乳酸エチル等)又はこれらの混合物を用いて洗浄する処理や、基板を加熱する処理を行ってもよい。
<工程3:液晶セルの構築>
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば、液晶配向膜が対向するように間隙を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤により貼り合わせ、基板表面とシール剤で囲まれたセルギャップ内に液晶を注入充填し注入孔を封止する方法、ODF方式による方法等が挙げられる。シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂等を用いることができる。液晶としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶を挙げることができ、中でもネマチック液晶が好ましい。
PSAモードでは、液晶とともに重合性化合物(例えば、多官能(メタ)アクリレート化合物等)をセルギャップ内に充填するとともに、液晶セルの構築後、一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で液晶セルに光照射する処理を行う。PSA型の液晶素子の製造に際し、重合性化合物の使用割合は、液晶の合計100質量部に対して、例えば0.01~3質量部、好ましくは0.05~1質量部である。
液晶表示装置を製造する場合、続いて、液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせる。偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光フィルムを酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板が挙げられる。
本開示の液晶素子は、種々の用途に有効に適用することができる。具体的には、例えば、時計、携帯型ゲーム機、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話機、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイ等の各種表示装置や、調光装置、位相差フィルム等として用いることができる。
以下、実施例に基づき実施形態をより詳しく説明するが、以下の実施例によって本発明が限定的に解釈されるものではない。
以下の例において、重合体溶液中のポリイミドのイミド化率、並びに重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は以下の方法により測定した。以下の実施例で用いた原料化合物及び重合体の必要量は、下記の合成例に示す合成スケールでの合成を必要に応じて繰り返すことにより確保した。
[ポリイミドのイミド化率]
ポリイミドの溶液を純水に投入し、得られた沈殿を室温で十分に減圧乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温でH-NMR測定を行った。得られたH-NMRスペクトルから、下記数式(I)によりイミド化率[%]を求めた。
イミド化率[%]=(1-(A/(A×α)))×100 …(I)
(数式(I)中、Aは化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、Aはその他のプロトン由来のピーク面積であり、αは重合体の前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]
Mw及びMnは、以下の条件におけるGPCにより測定したポリスチレン換算値である。
カラム:東ソー(株)製、TSKgelGRCXLII
溶剤:テトラヒドロフラン
温度:40℃
圧力:68kgf/cm
化合物の略号は以下の通りである。なお、以下では、式(X)で表される化合物を単に「化合物(X)」と示すことがある。
(テトラカルボン酸二無水物)
Figure 2023109149000042
(ジアミン化合物)
Figure 2023109149000043
Figure 2023109149000044
Figure 2023109149000045
(反応性化合物)
Figure 2023109149000046
(重合性炭素-炭素不飽和結合を有する単量体)
Figure 2023109149000047
Figure 2023109149000048
(添加剤)
Figure 2023109149000049
<化合物の合成>
[合成例1-1]化合物(DA-1)の合成
Figure 2023109149000050
300mLナスフラスコ中、4-ジメチルアミノアニリン5.00g、トリエチルアミン6.87gをテトラヒドロフラン50mLに溶解し、0℃に氷冷した。そこに、3,5-ジニトロベンゾイルクロリド8.46gをテトラヒドロフラン100mLに溶解した溶液を滴下し、滴下終了後、室温で12時間反応させた。反応後、反応液を蒸留水800mLで再沈殿した。得られた固体をろ過、水と2-プロパノールで洗浄した後、真空乾燥することにより化合物(DA-1-1)を9.9g得た。
化合物(DA-1-1)8.0g、5%パラジウムカーボン1.55gに、テトラヒドロフラン50mL、エタノール50mLを加えた。反応容器内を水素で置換した後、室温で12時間反応させた。室温まで冷却した後、ろ過した反応液を蒸留水1000mLで再沈殿した。得られた固体をろ過、水洗浄した後、真空乾燥することにより化合物(DA-1)を5.6g得た。
[合成例1-2]化合物(DA-2)の合成
Figure 2023109149000051
50mLナスフラスコ中、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)アミン2.22g、トリエチルアミン1.76gをテトラヒドロフラン15mLに溶解させた。10mLのテトラヒドロフランに3,5-ジニトロベンゾイルクロリド2.00gを溶解させ、先のアミン溶液へ0℃で滴下し、30分撹拌した。その後、室温で5時間反応させた。反応後、酢酸エチルを加え、水で3回分液した。有機層を濃縮し、乾燥することで化合物(DA-2-1)を3.70g得た。
次いで、化合物(DA-2-1)1.00g、5質量%パラジウムカーボン(50%含水型)、及びテトラヒドロフラン(10mL)の混合物を、水素存在下で室温にて5時間撹拌した。反応終了後、触媒をろ過した後、有機層を濃縮、乾燥することで化合物(DA-2)を0.85g得た。
[合成例1-3]化合物(DA-3)の合成
Figure 2023109149000052
50mLナスフラスコ中、2,4-ジニトロフェニル酢酸5.00g、塩化チオニル16mLに、N,N-ジメチルホルムアミドを2滴加え、80℃で2時間反応させた。反応後、塩化チオニルを減圧除去することにより化合物(DA-3-1)を得た。
次いで、4-(1-ピペリジニル)アニリン3.88g、トリエチルアミン4.45gをテトラヒドロフラン50mLに溶解させ、アミン溶液を得た。50mLのテトラヒドロフランに化合物(DA-3-1)を全量溶解させ、先のアミン溶液へ0℃で滴下し、30分撹拌した。その後、室温で24時間反応させた。反応後、反応液に蒸留水500mLを加えて再沈殿を行った。得られた固体をろ過、水と2-プロパノールで洗浄した後、真空乾燥することにより化合物(DA-3-2)を6.3g得た。
化合物(DA-3-2)6.00g、5%パラジウムカーボン1.01gに、テトラヒドロフラン30mL、エタノール30mLを加えた。反応容器内を水素で置換した後、室温で12時間反応させた。室温まで冷却した後、ろ過した反応液を蒸留水600mLで再沈殿した。得られた固体をろ過、水洗浄した後、真空乾燥することにより化合物(DA-3)を4.1g得た。
[合成例1-4]化合物(DA-4)の合成
Figure 2023109149000053
合成例1-3において、2,4-ジニトロフェニル酢酸と4-(1-ピペリジニル)アニリンの代わりに、3,5-ビス(4-ニトロフェノキシ)安息香酸と4-アミノ-N,N-ジエチルアニリンをそれぞれ用いた以外は合成例1-3と同様の方法により、化合物(DA-4)を4.8g得た。
[合成例1-5]化合物(DA-5)の合成
Figure 2023109149000054
50mLナスフラスコ中、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)アミン1.24gをテトラヒドロフラン14mLに溶解させ、水酸化ナトリウム0.30gを水8mLに溶解させた水溶液を室温で滴下し、15分撹拌した。その後、3,5-ジニトロベンジルクロリド1.00gを加え、室温で4時間反応させた。反応後、酢酸エチルを加え、水で3回分液し、有機層を濃縮した。得られた固体を乾燥することで化合物(DA-5-1)を2.00g得た。
次いで、50mLナスフラスコ中、化合物(DA-5-1)1.00g、粉末亜鉛3.00g、塩化アンモニウム1.20gをテトラヒドロフラン9mLとエタノール2mLの混合溶液に分散させ、室温で10分撹拌した。反応液を0℃に冷却し、水1.2gを滴下し、30分撹拌した。その後室温で3時間反応させた。反応後、反応液から固形分を濾別し、ろ液に酢酸エチルを加えた後、水で3回分液した。有機層を濃縮、乾燥することにより化合物(DA-5)を0.86g得た。
[合成例1-6]化合物(DA-7)の合成
Figure 2023109149000055
合成例1-1において、4-ジメチルアミノアニリンの代わりに、N,N-ジメチルベンゼン-1,3-ジアミン二塩酸塩を用いた以外は合成例1-1と同様の方法により、化合物(DA-7)を4.8g得た。
[合成例1-7]化合物(DA-8)の合成
Figure 2023109149000056
合成例1-1において、4-ジメチルアミノアニリンの代わりに、4-ジメチルアミノベンジルアミン二塩酸塩を用いた以外は合成例1-1と同様の方法により、化合物(DA-8)を4.8g得た。
[合成例1-8]化合物(M-1)の合成
Figure 2023109149000057
50mLナスフラスコ中、4-マレイミド安息香酸5.00g、塩化チオニル17mLに、N,N-ジメチルホルムアミドを2滴加え、60℃で2時間反応させた。反応後、塩化チオニルを減圧除去することで化合物(M-1-1)を得た。
次いで、4-ジメチルアミノアニリン3.11g、トリエチルアミン4.62gをテトラヒドロフラン50mLに溶解させ、アミン溶液を得た。100mLのテトラヒドロフランに化合物(M-1-1)を全量溶解させ、先のアミン溶液へ0℃で滴下し、30分撹拌した。その後、室温で12時間反応させた。反応後、反応液に蒸留水800mLを加えて再沈殿を行った。得られた固体をろ過、水と2-プロパノールで洗浄した後、真空乾燥することで化合物(M-1)を5.3g得た。
[合成例1-9]化合物(M-2)の合成
Figure 2023109149000058
50mLナスフラスコ中、4-(クロロメチル)スチレン1.00g、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)アミン1.67g、及び炭酸カリウム1.36gをジメチルホルムアミド15mLに溶解させ、60℃で12時間反応させた。反応後、酢酸エチルを加え、水で3回分液した。有機層を濃縮し、乾燥することで化合物(M-2)を2.20g得た。
[合成例1-10]添加剤(Add-1)の合成
Figure 2023109149000059
50mLナスフラスコ中、4-ジメチルアミノアニリン2.43gをN-メチル-2-ピロリドン(NMP)17.26mLに溶解させた。3-(カルボキシメチル)-1,2,4-シクロペンタントリカルボン酸1,4:2,3-二無水物2.00gを加え、室温で24時間反応させることにより、添加剤(Add-1)を20質量%含有する溶液を得た。
<重合体の合成>
1.ポリイミドの合成
[合成例2-1]
ジアミン化合物として化合物(DA-1)10モル部、化合物(DB-1)30モル部、化合物(DB-4)30モル部、及び化合物(DB-5)30モル部をN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に溶解し、テトラカルボン酸二無水物として化合物(TA-1)100モル部を加え40℃で24時間反応させることにより、ポリアミック酸を20質量%含有する溶液を得た。
次いで、得られた重合体溶液にNMPを追加してポリアミック酸濃度10質量%の溶液とし、ピリジン及び無水酢酸を添加して90℃で4時間脱水閉環反応を行った。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなNMPで溶媒置換することにより、イミド化率約70%のポリイミド(これを重合体(PI-1)とする)を15質量%含有する溶液を得た。
[合成例2-3~2-7、2-9~2-12、2-14~2-17]
使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の種類及び量を表1に記載のとおり変更した以外は合成例2-1と同様の操作を行い、ポリイミド(重合体(PI-2)~(PI-7)、(PI-9)~(PI-12)、(PI-14)~(PI-17))を含む溶液を得た。
2.ポリアミック酸の合成
[合成例2-2]
テトラカルボン酸二無水物として化合物(TA-1)100モル部、並びにジアミン化合物として化合物(DA-2)10モル部、化合物(DB-1)30モル部、化合物(DB-3)30モル部、及び化合物(DB-4)30モル部をN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に溶解し、室温で6時間反応を行い、ポリアミック酸(これを重合体(PI-2)とする)を15質量%含有する溶液を得た。
[合成例2-8、2-13]
使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の種類及び量を表1に記載のとおり変更した以外は合成例2-2と同様の操作を行い、ポリアミック酸(重合体(PI-8)、(PI-13))を含む溶液を得た。
Figure 2023109149000060
3.ポリオルガノシロキサンの合成
[合成例3-1]
1000mL三口フラスコに、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン100.0g、メチルイソブチルケトン500g、及びトリエチルアミン10.0gを仕込み、室温で混合した。次いで、脱イオン水100gを滴下漏斗から30分かけて滴下した後、還流下で混合しつつ、80℃で6時間反応を行った。反応終了後、有機層を取り出し、これを0.2質量%硝酸アンモニウム水溶液により洗浄後の水が中性になるまで洗浄した後、減圧下で溶媒及び水を留去した。メチルイソブチルケトンを適量添加し、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンである重合体(ESSQ-1)の50質量%溶液を得た。
500mL三口フラスコに、反応性化合物として、化合物(c-1)3.10g(重合体(ESSQ-1)が有するエポキシ基量に対して20モル%)、及び化合物(c-3)3.24g(重合体(ESSQ-1)が有するエポキシ基量に対して10モル%)、テトラブチルアンモニウムブロミド1.00g、重合体(ESSQ-1)含有溶液20.0g、及びメチルイソブチルケトン290.0gを加え、90℃で18時間撹拌した。室温まで冷却した後、蒸留水で分液洗浄操作を10回繰り返した。その後、有機層を回収し、ロータリーエバポレータにより濃縮とNMP希釈を2回繰り返した後、NMPを用いて固形分濃度が10質量%になるように調整し、ポリオルガノシロキサン(これを重合体(P-1)とする)のNMP溶液を得た。
[合成例3-2]
反応性化合物として、化合物(c-1)及び化合物(c-3)に代えて、化合物(c-2)を重合体(ESSQ-1)が有するエポキシ基量に対して20モル%、化合物(c-4)を重合体(ESSQ-1)が有するエポキシ基量に対して10モル%用いた以外は合成例3-1と同様の操作を行い、ポリオルガノシロキサン(これを重合体(P-2)とする)のNMP溶液を得た。
4.付加重合体の合成
[合成例4-1]
窒素下、100mL二口フラスコに、重合モノマーとして、化合物(mb-1)20モル部、化合物(mb-3)25モル部、化合物(mb-4)25モル部、及び化合物(mb-5)30モル部、ラジカル重合開始剤として2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)2.0g、並びに溶媒としてN-メチル-2-ピロリドン(NMP)50mLを加え、70℃で6時間重合した。メタノールに再沈殿した後、沈殿物を濾過し、室温で8時間真空乾燥することにより付加重合体(これを重合体(P-3)とする)を得た。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは87400、分子量分布Mw/Mnは4.32であった。
[合成例4-2~4-7]
使用する重合モノマーの種類及び量を表2に記載のとおり変更した以外は合成例4-1と同様の操作を行い、付加重合体(重合体(P-4)~(P-9))を得た。
Figure 2023109149000061
<液晶配向剤の調製及び評価>
[実施例1:PSA型液晶表示素子]
1.液晶配向剤の調製
合成例2-1で得た重合体(PI-1)を含む溶液をNMP及びBCにより希釈して、溶媒組成がNMP/BC=50/50(質量比)、固形分濃度が3.5質量%の溶液とした。この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤(AL-1)を調製した。
2.微細凹凸表面への塗布性評価
図1に示す評価用ITO電極基板10を用いて、微細凹凸表面に対する液晶配向剤の塗布性を評価した。評価用ITO電極基板10としては、ガラス基板11の一方の表面に、ストライプ形状のITO電極12が所定間隔をあけて複数配置された基板を使用した(図1参照)。なお、電極幅Aは50μm、電極間距離Bは2μm、電極高さCは0.2μmとした。この評価用ITO電極基板10の電極形成面に、濡れ性評価装置LSE-A100T(ニック社製)を用いて、上記1.で調製した液晶配向剤(AL-1)を滴下し、基板の凹凸表面への馴染みやすさを評価した。このとき、液量に対する液滴の濡れ広がり面積S(mm/μL)が大きいほど、液滴の濡れ広がりが大きく、微細凹凸表面に対する液晶配向剤の塗布性が良好であるといえる。
評価は、面積Sが10mm/μL以上である場合に「良好(○)」、面積Sが5mm/μLよりも大きく10mm/μL未満である場合に「可(△)」、面積Sが5mm/μL以下である場合に「不良(×)」とした。その結果、本実施例では、面積Sは10mm/μLであり、微細凹凸表面への塗布性は「良好(○)」と判断された。
3.印刷性(膜の平坦性)評価
固形分濃度を7.0質量%とした以外は上記1.と同様にして液晶配向剤を調製した。この液晶配向剤を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製、型式S40)を用いてガラス基板上に塗布した。次いで、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換した200℃のオーブンで1時間加熱(ポストベーク)することにより平均膜厚100nmの塗膜を形成した。得られた塗膜につき、マッピングエリプソ装置(フォトニックラティス社製のME-210)により面内の膜厚偏差σを求め、以下の基準により膜の平坦性を評価した。その結果、この実施例では「良好(○)」の評価であり、平坦性が良好な膜が得られた。
<膜の平坦性の評価>
良好(○):σ≦0.30
可(△):0.30<σ≦0.80
不良(×):σ>0.80
4.PSA型液晶セルの製造
(1)液晶組成物の調製
ネマチック液晶(メルク社製、MLC-6608)10gに対し、下記式(L1-1)で表される液晶性化合物を5質量%、及び下記式(L2-1)で表される光重合性化合物を0.3質量%添加して混合し、液晶組成物LC1を得た。
Figure 2023109149000062
(2)液晶セルの製造
上記で調製した液晶配向剤(AL-1)を、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上にスピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、窒素に置換したオーブン中、200℃で1時間加熱して溶媒を除去することにより、膜厚0.08μmの塗膜(液晶配向膜)を形成した。この塗膜に対し、レーヨン布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロール回転数400rpm、ステージ移動速度3cm/秒、毛足押し込み長さ0.1mmでラビング処理を行った。その後、超純水中で1分間超音波洗浄を行い、次いで、100℃クリーンオーブン中で10分間乾燥することにより、液晶配向膜を有する基板を得た。この操作を繰り返し、液晶配向膜を有する基板を一対(2枚)得た。なお、このラビング処理は、液晶の倒れ込みを制御し、配向分割を簡易な方法で行う目的で行った弱いラビング処理である。
上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に、直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、重ね合わせて圧着し、150℃で1時間加熱して接着剤を熱硬化した。次いで、液晶注入口より基板の間隙に液晶組成物LC1を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止し、さらに液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃で10分間加熱した後に室温まで徐冷した。
次いで、得られた液晶セルに対し、電極間に周波数60Hzの交流10Vを印加し、液晶が駆動している状態で、光源にメタルハライドランプを使用した紫外線照射装置を用いて、紫外線を50,000J/mの照射量にて照射した。なお、この照射量は、波長365nm基準で計測される光量計を用いて計測した値である。これにより、PSA型液晶セルを製造した。
5.電圧保持率の測定及び評価
上記4.で製造した液晶セルを60℃のオーブンに静置した後、東陽テクニカ社製VHR測定装置「VHR-1」を用いて、1V、1670msecの条件で電圧保持率(VHR)を測定した。評価基準については、VHRが90%よりも高い場合に「良好(○)」、90%以下70%以上の場合に「可(△)」、70%未満の場合に「不良(×)」とした。その結果、この実施例の初期VHRの評価は「良好(○)」であった。
6.電荷蓄積量(RDC)の測定及び評価
上記4.で製造した液晶セルを用い、60℃で2Vの直流電圧を10分間印加した後、0.2秒の間ショートし、その後に10分間、開放状態に保ったときの液晶セル内に蓄積した電圧を誘電吸収法により測定した。得られた測定値により電荷蓄積特性の評価を行った。評価は、電荷蓄積量が0.05V以下であった場合を「非常に良好(◎)」、電荷蓄積量が0.05Vよりも大きく0.1V以下の場合を「良好(○)」、電荷蓄積量が0.1Vよりも大きく0.2V以下の場合を「可(△)」、電荷蓄積量が0.2Vよりも大きい場合を「不良(×)」とした。その結果、この液晶セルの電荷蓄積特性の評価は「良好(○)」であった。
7.信頼性の評価
上記4.で製造した液晶セルを用いて、液晶配向膜(液晶表示素子)の信頼性を評価した。評価は以下のようにして行った。まず、液晶セルに、5Vの電圧を60℃で60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率(VHR1)を測定した。次いで、液晶セルを、LEDランプ照射下の80℃オーブン中で200時間静置した後、室温中に静置して室温まで自然冷却した。冷却後、液晶セルに5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率(VHR2)を測定した。なお、測定装置は(株)東陽テクニカ製「VHR-1」を使用した。このときのVHRの変化率(ΔVHR)を下記数式(II)により算出し、ΔVHRによって液晶配向膜の信頼性を評価した。評価は、ΔVHRが1.0%未満であった場合を信頼性「非常に良好(◎)」、1.0%以上1.5%未満であった場合を信頼性「良好(○)」、1.5%以上2.0%未満であった場合を信頼性「可(△)」、2.0%以上であった場合を信頼性「不良(×)」として行った。その結果、実施例1では信頼性「良好(○)」であった。
ΔVHR[%]=(VHR1-VHR2)/(VHR1)×100 …(II)
[実施例2~6、9~16及び比較例1~4]
液晶配向剤の組成を表3のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして液晶配向剤を調製した。また、得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様にしてPSA型液晶セルを製造し、各種評価を行った。それらの結果を表3に示した。表3中、配向剤組成の数値は、液晶配向剤の調製に使用した重合体1(表3参照)100質量部に対する各化合物の配合割合(質量部)を表す。
[実施例7:光垂直型液晶表示素子]
1.液晶配向剤の調製
合成例2-7で得た重合体(PI-7)を含む溶液に、合成例4-3で得た重合体(P-5)を、固形分換算で、重合体(PI-7)100質量部に対して重合体(P-5)が10質量部になるように加え、NMP及びBCにより希釈して、溶媒組成がNMP/BC=80/20(質量比)、固形分濃度が3.5質量%の溶液とした。この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤(AL-7)を調製した。
2.光垂直型液晶セル(UV2A)の製造
ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上に、上記1.で調製した液晶配向剤(AL-7)をスピンナーにより塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った。その後、庫内を窒素置換したオーブン中、230℃で1時間加熱して膜厚0.1μmの塗膜を形成した。次いで、この塗膜表面に、Hg-Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線1,000J/mを、基板法線から40°傾いた方向から照射して液晶配向能を付与した。同じ操作を繰り返して、液晶配向膜を有する基板を一対(2枚)作成した。
上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に、直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、各基板の紫外線の光軸の基板面への投影方向が逆平行となるように圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間の間隙にネガ型液晶(メルク社製、MLC-6608)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを130℃で加熱してから室温まで徐冷した。
3.評価
上記1.で調製した液晶配向剤及び上記2.で製造した液晶セルを用いて、実施例1と同様にして各種評価を行った。評価結果を表3に示す。
[実施例8:光FFS型液晶表示素子]
1.液晶配向剤の調製
合成例2-8で得た重合体(PI-8)を含む溶液に、合成例2-11で得た重合体(PI-11)を含む溶液を、固形分換算で、重合体(PI-8)100質量部に対して重合体(PI-11)が50質量部になるように加え、NMP及びBCにより希釈して、溶媒組成がNMP/BC=80/20(質量比)、固形分濃度が3.5質量%の溶液とした。この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤(AL-8)を調製した。
2.光配向法を用いたFFS型液晶セルの製造
平板電極(ボトム電極)、絶縁層及び櫛歯状電極(トップ電極)がこの順で片面に積層されたガラス基板(第1基板とする)、並びに電極が設けられていないガラス基板(第2基板とする)を準備した。次いで、第1基板の電極形成面及び第2基板の一方の基板面のそれぞれに、液晶配向剤(AL-8)をスピンナーにより塗布し、80℃のホットプレートで1分間加熱(プレベーク)した。その後、庫内を窒素置換した230℃のオーブンで30分間乾燥(ポストベーク)を行い、平均膜厚0.1μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に対し、Hg-Xeランプを用いて、直線偏光された254nmの輝線を含む紫外線1,000J/mを基板法線方向から照射して光配向処理を施した。なお、この照射量は、波長254nm基準で計測される光量計を用いて計測した値である。次いで、光配向処理が施された塗膜を、230℃のクリーンオーブンで30分加熱して熱処理を行い、液晶配向膜を形成した。
次に、液晶配向膜を形成した一対の基板のうちの一方の基板につき、液晶配向膜を有する面の外縁に、直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した。その後、光照射時の偏光軸の基板面への投影方向が逆平行となるように基板を重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、液晶注入口より一対の基板間にネガ型液晶(メルク社製、MLC-6608)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止し、液晶セルを得た。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを120℃で加熱してから室温まで徐冷した。また、上記の一連の操作を、ポストベーク後の紫外線照射量を100~10,000J/mの範囲でそれぞれ変更して実施することにより、紫外線照射量が異なる3個以上の液晶セルを製造し、最も良好な配向特性を示した露光量(最適露光量)の液晶セルを用いて評価を行った。
3.評価
上記1.で調製した液晶配向剤及び上記2.で製造した液晶セルを用いて、実施例1と同様にして各種評価を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 2023109149000063
表3に示すように、化合物[A](重合体(PI-1)~(PI-9)及び(PI-15)~(PI-17)、重合体(P-4)及び(P-6)~(P-8)、並びに添加剤(Add-1))を含む液晶配向剤を用いた実施例1~16は、化合物[A]を含まない液晶配向剤を用いた比較例1~4に比べて、電圧保持特性、微細凹凸塗布性、印刷性(膜の平坦性)及び信頼性のバランスが取れており、残留電荷の蓄積量の低減効果も高く、良好な結果であった。
以上の結果から、化合物[A]を含む液晶配向剤によれば、基板に対して良好な塗布性を示しながら、電圧保持率が高く、残留電荷の蓄積量が少ない液晶素子を得ることができることが明らかになった。

Claims (17)

  1. 下記式(1)で表される部分構造を有する化合物[A]を含有する、液晶配向剤。
    Figure 2023109149000064
    (式(1)中、Arは2価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、1価の脂肪族炭化水素基であるか、又は、R及びRが互いに合わせられてR及びRが結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。Rは、水素原子又は1価の脂肪族炭化水素基である。Bは単結合又は2価の脂肪族炭化水素基である。nは1又は2であり、m+n=2である。nが2の場合、複数のRは同一又は異なり、複数のRは同一又は異なり、複数のArは同一又は異なり、複数のBは同一又は異なる。「*」は結合手を表す。)
  2. 前記化合物[A]は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオルガノシロキサン及び付加重合体よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 前記化合物[A]は、上記式(1)で表される部分構造を有するジアミン化合物に由来する構造単位を含む重合体である、請求項1に記載の液晶配向剤。
  4. 前記ジアミン化合物は、下記式(2)で表される化合物である、請求項3に記載の液晶配向剤。
    Figure 2023109149000065
    (式(2)中、Arは、(p1+2)価の芳香環基である。Arは、(p2+2)価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、下記式(1-A)で表される基である。Xは、単結合、-O-、-S-、-CO-、-NR-、-COO-、-OCO-、-CONR-、-NRCO-、炭素数1~10のアルカンジイル基、又は炭素数1~10のアルカンジイル基における任意のメチレン基が酸素原子に置き換えられた基である。Rは、水素原子又は1価の有機基である。p1、p2及びrは、それぞれ独立して、0~2の整数である。ただし、rが0の場合、p1は1又は2である。rが1又は2の場合、式中のp1及びp2の全部が同時に0になることはない。式中、Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Arが複数存在する場合、複数のArは同一又は異なる。Xが複数存在する場合、複数のXは同一又は異なる。)
    Figure 2023109149000066
    (式(1-A)中、Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。Ar、R、R、R、B、n及びmはそれぞれ、上記式(1)と同義である。「*」は結合手を表す。)
  5. 前記化合物[A]は、上記式(1)で表される部分構造と重合性炭素-炭素不飽和結合とを有する単量体(M)に由来する構造単位を含む重合体である、請求項1に記載の液晶配向剤。
  6. 前記単量体(M)は、下記式(3)で表される化合物である、請求項5に記載の液晶配向剤。
    Figure 2023109149000067
    (式(3)中、Yは、下記式(y-1)で表される基、下記式(y-2)で表される基、又は下記式(y-3)で表される基である。Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。Ar、R、R、R、B、n及びmはそれぞれ、上記式(1)と同義である。)
    Figure 2023109149000068
    (式(y-1)~式(y-3)中、Ar及びArは、それぞれ独立して2価の芳香環基である。R、R、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。Xは、単結合、-O-又は-NH-である。ただし、Xが単結合の場合、式(3)中のX及びXは単結合であり、Xが-O-又は-NH-の場合、Xは、X又はX中のアルカンジイル基に結合している。「*」は結合手を表す。)
  7. 前記化合物[A]は、下記式(5)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体及びそのイミド化重合体である、請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 2023109149000069
    (式(5)中、Xは4価の有機基である。Yは、下記式(2-A)で表される2価の基である。R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。)
    Figure 2023109149000070
    (式(2-A)中、Arは、(p1+2)価の芳香環基である。Arは、(p2+2)価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、下記式(1-A)で表される基である。Xは、単結合、-O-、-S-、-CO-、-NR-、-COO-、-OCO-、-CONR-、-NRCO-、炭素数1~10のアルカンジイル基、又は炭素数1~10のアルカンジイル基における任意のメチレン基が酸素原子に置き換えられた基である。Rは、水素原子又は1価の有機基である。p1、p2及びrは、それぞれ独立して、0~2の整数である。ただし、rが0の場合、p1は1又は2である。rが1又は2の場合、式中のp1及びp2の全部が同時に0になることはない。式中、Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Arが複数存在する場合、複数のArは同一又は異なる。Xが複数存在する場合、複数のXは同一又は異なる。「*」は結合手を表す。)
    Figure 2023109149000071
    (式(1-A)中、Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。Ar、R、R、R、B、n及びmはそれぞれ、上記式(1)と同義である。「*」は結合手を表す。)
  8. 前記化合物[A]は、下記式(6-1)で表される構造単位、下記式(6-2)で表される構造単位及び下記式(6-3)で表される構造単位よりなる群から選択される少なくとも1種を含む重合体である、請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 2023109149000072
    (式(6-1)~式(6-3)中、Ar及びArは、それぞれ独立して、2価の芳香環基である。R、R、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。Xは、単結合、-O-又は-NH-である。Zは下記式(1-A)で表される基である。)
    Figure 2023109149000073
    (式(1-A)中、Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。Xが単結合の場合、X及びXは単結合であり、Xが-O-又は-NH-の場合、Xは、X又はX中のアルカンジイル基に結合している。Ar、R、R、R、B、n及びmはそれぞれ、上記式(1)と同義である。「*」は結合手を表す。)
  9. 上記式(1)で表される部分構造を有しない重合体を更に含有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
  10. 前記化合物[A]は、重合体成分とは別に配合される添加剤成分である、請求項1に記載の液晶配向剤。
  11. 更に、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-メチルカプロラクタム、2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、及び3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、又は4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンよりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の液晶配向剤。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の液晶配向剤により形成された液晶配向膜。
  13. 請求項12に記載の液晶配向膜を備える液晶素子。
  14. 下記式(5)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体及びそのイミド化重合体。
    Figure 2023109149000074
    (式(5)中、Xは4価の有機基である。Yは、下記式(2-A)で表される2価の基である。R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。)
    Figure 2023109149000075
    (式(2-A)中、Arは、(p1+2)価の芳香環基である。Arは、(p2+2)価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、下記式(1-A)で表される基である。Xは、単結合、-O-、-S-、-CO-、-NR-、-COO-、-OCO-、-CONR-、-NRCO-、炭素数1~10のアルカンジイル基、又は炭素数1~10のアルカンジイル基における任意のメチレン基が酸素原子に置き換えられた基である。Rは、水素原子又は1価の有機基である。p1、p2及びrは、それぞれ独立して、0~2の整数である。ただし、rが0の場合、p1は1又は2である。rが1又は2の場合、式中のp1及びp2の全部が同時に0になることはない。式中、Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Arが複数存在する場合、複数のArは同一又は異なる。Xが複数存在する場合、複数のXは同一又は異なる。「*」は結合手を表す。)
    Figure 2023109149000076
    (式(1-A)中、Arは2価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、1価の脂肪族炭化水素基であるか、又は、R及びRが互いに合わせられてR及びRが結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。Rは、水素原子又は1価の脂肪族炭化水素基である。Bは単結合又は2価の脂肪族炭化水素基である。Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。nは1又は2であり、m+n=2である。nが2の場合、複数のRは同一又は異なり、複数のRは同一又は異なり、複数のArは同一又は異なり、複数のBは同一又は異なる。「*」は結合手を表す。)
  15. 下記式(6-1)で表される構造単位及び下記式(6-2)で表される構造単位よりなる群から選択される少なくとも1種を含む重合体。
    Figure 2023109149000077
    (式(6-1)及び式(6-2)中、Ar及びArは、それぞれ独立して、2価の芳香環基である。R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。Zは下記式(1-A)で表される基である。)
    Figure 2023109149000078
    (式(1-A)中、Arは2価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、1価の脂肪族炭化水素基であるか、又は、R及びRが互いに合わせられてR及びRが結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。Rは、水素原子又は1価の脂肪族炭化水素基である。Bは単結合又は2価の脂肪族炭化水素基である。Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。nは1又は2であり、m+n=2である。nが2の場合、複数のRは同一又は異なり、複数のRは同一又は異なり、複数のArは同一又は異なり、複数のBは同一又は異なる。「*」は結合手を表す。)
  16. 下記式(2)で表される化合物。
    Figure 2023109149000079
    (式(2)中、Arは、(p1+2)価の芳香環基である。Arは、(p2+2)価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、下記式(1-A)で表される基である。Xは、単結合、-O-、-S-、-CO-、-NR-、-COO-、-OCO-、-CONR-、-NRCO-、炭素数1~10のアルカンジイル基、又は炭素数1~10のアルカンジイル基における任意のメチレン基が酸素原子に置き換えられた基である。Rは、水素原子又は1価の有機基である。p1、p2及びrは、それぞれ独立して、0~2の整数である。ただし、rが0の場合、p1は1又は2である。rが1又は2の場合、式中のp1及びp2の全部が同時に0になることはない。式中、Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Rが複数存在する場合、複数のRは同一又は異なる。Arが複数存在する場合、複数のArは同一又は異なる。Xが複数存在する場合、複数のXは同一又は異なる。)
    Figure 2023109149000080
    (式(1-A)中、Arは2価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、1価の脂肪族炭化水素基であるか、又は、R及びRが互いに合わせられてR及びRが結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。Rは、水素原子又は1価の脂肪族炭化水素基である。Bは単結合又は2価の脂肪族炭化水素基である。Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。式(2)中のrが0であって、かつ式(1-A)中のnが1の場合、Xは-CO-かつXは単結合であるか、又は、R及びRは、R及びRが互いに合わせられてR及びRが結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。nは1又は2であり、m+n=2である。nが2の場合、複数のRは同一又は異なり、複数のRは同一又は異なり、複数のArは同一又は異なり、複数のBは同一又は異なる。「*」は結合手を表す。)
  17. 下記式(3)で表される化合物。
    Figure 2023109149000081
    (式(3)中、Yは、下記式(y-1)で表される基又は下記式(y-2)で表される基である。Arは2価の芳香環基である。R及びRは、それぞれ独立して、1価の脂肪族炭化水素基であるか、又は、R及びRが互いに合わせられてR及びRが結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。Rは、水素原子又は1価の脂肪族炭化水素基である。Bは単結合又は2価の脂肪族炭化水素基である。Xは、単結合、-CO-又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。Xは、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-、-CH-O-*、-O-(CH-O-、-(CH-COO-*、-(CH-COO-(CH-O-*、-(CH-NH-(CH-*、-(CH-CONH-(CH-*又は-O-CO-*である。aは1~6の整数である。bは0~6の整数である。「*」はXとの結合手を表す。ただし、Xが-CO-の場合、Xは単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基、-(CH-NH-(CH-*又は-(CH-CONH-(CH-*である。nは1又は2であり、m+n=2である。nが2の場合、複数のRは同一又は異なり、複数のRは同一又は異なり、複数のArは同一又は異なり、複数のBは同一又は異なる。)
    Figure 2023109149000082
    (式(y-1)及び式(y-2)中、Ar及びArは、それぞれ独立して、2価の芳香環基である。R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。「*」は結合手を表す。)
JP2022196572A 2022-01-26 2022-12-08 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子、重合体及び化合物 Pending JP2023109149A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022010520 2022-01-26
JP2022010520 2022-01-26

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023109149A true JP2023109149A (ja) 2023-08-07

Family

ID=87518043

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022196572A Pending JP2023109149A (ja) 2022-01-26 2022-12-08 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子、重合体及び化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023109149A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6911885B2 (ja) 液晶配向膜の製造方法及び液晶素子の製造方法
JP6776687B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子、並びにこれらの製造方法
CN106047372B (zh) 液晶取向剂、液晶取向膜及其制造方法、以及液晶元件及其制造方法
TWI691526B (zh) 液晶配向劑、液晶配向膜、液晶配向膜的製造方法、液晶顯示元件、聚合物、二胺化合物及羧酸
TWI718117B (zh) 液晶配向劑、液晶配向膜、液晶配向膜的製造方法、液晶元件、聚合物、二胺及酸二酐
CN105733611B (zh) 液晶取向剂、液晶元件的制造方法、液晶取向膜及液晶元件
WO2019146320A1 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子及び液晶素子の製造方法
JP6424609B2 (ja) 液晶配向剤、液晶表示素子の製造方法、液晶配向膜及び液晶表示素子
TWI786195B (zh) 液晶配向劑、液晶元件的製造方法、液晶配向膜及液晶元件
JP7139950B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子
WO2020148953A1 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子
JP6870289B2 (ja) 液晶配向剤、液晶素子の製造方法、液晶配向膜、液晶素子
TWI791731B (zh) 液晶配向劑、液晶配向膜、液晶元件及其製造方法
CN110383156B (zh) 液晶取向剂及其应用、液晶元件及聚合物
JP2023109149A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子、重合体及び化合物
JP7396177B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子
JP2023007402A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子、重合体及びジアミン
JP2023131106A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子
JP2022191063A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子、重合体及び化合物
JP2023074216A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、並びに液晶素子
JP2024061619A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子、重合体及びジアミン
JP2022087021A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子
JP2023071157A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子及び重合体
JP2022188740A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子、重合体及びその製造方法、並びに化合物の製造方法
JP2022188742A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子