JP2017095604A - エポキシ樹脂組成物、樹脂硬化物、電力機器及び真空遮断器 - Google Patents
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Abstract
【課題】低粘性で靱性に優れた樹脂組成物を提供する。
【解決手段】常温で液状であってエポキシ当量が200g/eq以下であるエポキシ樹脂と、常温で液状の酸無水物と、常温で液状の反応性シリコーンオイルと、相溶化剤と、エポキシ樹脂と酸無水物との硬化反応を促進するエポキシ樹脂硬化触媒と、反応性シリコーンオイルの硬化反応を促進するラジカル重合開始剤と、を含有するエポキシ樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし
【解決手段】常温で液状であってエポキシ当量が200g/eq以下であるエポキシ樹脂と、常温で液状の酸無水物と、常温で液状の反応性シリコーンオイルと、相溶化剤と、エポキシ樹脂と酸無水物との硬化反応を促進するエポキシ樹脂硬化触媒と、反応性シリコーンオイルの硬化反応を促進するラジカル重合開始剤と、を含有するエポキシ樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし
Description
本発明は、エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた樹脂硬化物並びに当該樹脂硬化物を有する電力機器及び真空遮断器に関する。
エポキシ樹脂の硬化物は、耐熱性、接着性、耐薬品性、機械的強度などに優れており、塗料、重電機器、半導体集積回路、プリント回路、各種電子部品、小型電気部品など幅広い製品分野に適用されている。しかしながら、エポキシ樹脂の硬化物は、上記のように優れた特徴を有するものの、固くて脆い性質があり、特に、高電圧用モールド機器、屋外用モールド機器、回転機器などの重電機器への適用にあたっては、耐クラック性に優れたエポキシ樹脂が求められてきた。
高電圧用モールド機器の一つである真空遮断器へ適用する場合、セラミックス等からなる真空絶縁容器の外周にエポキシ樹脂をモールドさせた絶縁層を設け、外部絶縁を保持させている。この場合、エポキシ樹脂とセラミックスとの熱膨張係数が大きく異なることから、クラック発生の誘因となっている。このクラック発生には、モールド製造の際のプロセス温度差によるクラック発生のほか、使用環境に伴う長期の信頼性の一つである耐ヒートサイクル性のクラック発生もある。
従って、エポキシ樹脂の耐熱性や接着性を維持したまま、耐クラック性を向上させる方法が求められており、ゴムやエラストマー、エンジニアリングプラスチック、そして無機フィラーの添加などによる種々の改質方法が知られている。
例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂中にガラス繊維などの無機フィラーを分散させる手法により、耐クラック性の向上を図る技術が公開されている。また、特許文献2にも、エポキシ樹脂中に各種エラストマー及び無機フィラーを分散させる手法により、耐クラック性の向上を図る技術が公開されている。
特許文献3には、真空容器の絶縁円筒と金属製真空容器部品の接合部近傍を導電性ゴムのクッションリングで被い、その外側にエポキシ樹脂の樹脂絶縁層を設ける手法により、真空容器の接合部における機械的損傷の防止を図る技術が公開されている。また、特許文献4にも、真空絶縁容器と注型樹脂による絶縁層との間に反応性希釈剤を添加して形成した応力緩和層を設ける手法により、耐クラック性の向上を図る技術が公開されている。
特許文献1および特許文献2の事例では、耐クラック性を向上させるために無機フィラーなどを添加する方法が採用されている。このエラストマーや無機フィラーなどの添加によりエポキシ樹脂の粘度を増大するため、泡切れを悪くするなど、製造プロセス上の大きな課題となっている。また、このエラストマーなどの添加自体が材料コストの上昇につながり、コスト面からの課題にもなっている。
特許文献3および特許文献4の事例では、耐クラック性を向上させるために応力緩和層を設ける方法が採用されている。この場合も、この応力緩和層の付設により、この付設に対応した製造装置が必要されるなど、製造プロセス上の大きな課題の一つとなっている。また、このエラストマーなどの添加自体が材料コストの上昇につながり、コスト面からの課題にもなっている。
本発明の目的は、低粘度で注型性に優れ、その硬化物は耐クラック性(特に靱性)にも優れた性能を示すエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、常温で液状であってエポキシ当量が200g/eq以下であるエポキシ樹脂と、常温で液状の酸無水物と、常温で液状の反応性シリコーンオイルと、相溶化剤と、エポキシ樹脂と酸無水物との硬化反応を促進するエポキシ樹脂硬化触媒と、反応性シリコーンオイルの硬化反応を促進するラジカル重合開始剤と、を含有する。
本発明によれば、低粘度で注型性に優れ、その硬化物は耐クラック性(特に靱性)にも優れた性能を示すエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明では、常温で液状のエポキシ樹脂の当量が200g/eq以下であるエポキシ樹脂と、常温で液状の酸無水物と、常温で液状の反応性シリコーンオイルと相溶化剤と、エポキシ樹脂と酸無水物との硬化反応を促進するエポキシ樹脂硬化触媒と、反応性シリコーンオイルの硬化反応を促進するラジカル重合開始剤とから構成されることを特徴とするエポキシ樹脂組成物を提供する。さらに、コアシェルゴム粒子と、破砕状結晶質シリカ(「破砕シリカ」ともいう。)と、鱗片状フィラーと、分散剤、カップリング剤を追加しても良い。
ここで、「常温」は、日本工業規格JIS Z 8703に準拠して、5〜35℃とする。
以下、本発明の構成材料について説明する。
(1)エポキシ樹脂
本発明で用いられるエポキシ樹脂としては、好ましくは、ビスフェノールA型またはビスフェノールF型エポキシ樹脂である。更に好ましいエポキシ樹脂としては、エポキシ当量が200g/eq以下のものが、ワニス粘度の低減の観点から好ましい。すなわち、エポキシ樹脂のエポキシ当量が200g/eqを超えると、ワニス粘度が高くなるため、好ましくない。さらに、エポキシ当量が200g/eqを超えると、エポキシ樹脂が固化しやすくなる点でも好ましくない。
本発明で用いられるエポキシ樹脂としては、好ましくは、ビスフェノールA型またはビスフェノールF型エポキシ樹脂である。更に好ましいエポキシ樹脂としては、エポキシ当量が200g/eq以下のものが、ワニス粘度の低減の観点から好ましい。すなわち、エポキシ樹脂のエポキシ当量が200g/eqを超えると、ワニス粘度が高くなるため、好ましくない。さらに、エポキシ当量が200g/eqを超えると、エポキシ樹脂が固化しやすくなる点でも好ましくない。
具体的には、DIC(株)製EPICLON840(エポキシ当量180〜190g/eq、粘度9000〜11000mPa・s/25℃)、EPICLON850(エポキシ当量183〜193g/eq、粘度11000〜15000mPa・s/25℃)、EPICLON830(エポキシ当量165〜177g/eq、粘度3000〜4000mPa・s/25℃)三菱化学(株)製jER827(エポキシ当量180〜190g/eq、粘度9000〜11000mPa・s/25℃)、jER828(エポキシ当量184〜194g/eq、粘度12000〜15000mPa・s/25℃)、jER806(エポキシ当量160〜170g/eq、粘度1500〜2500mPa・s/25℃)、jER807(エポキシ当量160〜175g/eq、粘度3000〜4500mPa・s/25℃)等が挙げられる。耐熱性の観点からはビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることが好ましく、低粘度化の観点からはビスフェノールF型エポキシ樹脂の使用が好ましい。また、両特性バランスをとるため、これらのエポキシ樹脂はブレンドして用いることもできる。
(2)酸無水物
酸無水物としては、常温で液状である酸無水物を用いる事が好ましい。その例としては、日立化成(株)製HN−2000(酸無水物当量166g/eq、粘度30〜50mPa・s/25℃)、HN−5500(酸無水物当量168g/eq、粘度50〜80mPa・s/25℃)、MHAC−P(酸無水物当量178g/eq、粘度150〜300mPa・s/25℃)、DIC(株)製EPICLON B−570H(酸無水物当量166g/eq、粘度40mPa・s/25℃)等を挙げることができる。
酸無水物としては、常温で液状である酸無水物を用いる事が好ましい。その例としては、日立化成(株)製HN−2000(酸無水物当量166g/eq、粘度30〜50mPa・s/25℃)、HN−5500(酸無水物当量168g/eq、粘度50〜80mPa・s/25℃)、MHAC−P(酸無水物当量178g/eq、粘度150〜300mPa・s/25℃)、DIC(株)製EPICLON B−570H(酸無水物当量166g/eq、粘度40mPa・s/25℃)等を挙げることができる。
(3)反応性シリコーンオイル
反応性シリコーンオイルとしては、アクリレート基またはメタクリレート基で両末端や片末端が変性されているシリコーンオイルが好ましい。
反応性シリコーンオイルとしては、アクリレート基またはメタクリレート基で両末端や片末端が変性されているシリコーンオイルが好ましい。
両末端がメタクリレート基で変性されたシリコーンオイルとしては、信越化学工業(株)のX−22−164、X−22−164AS、X−22−164A、X−22−164B、X−22−164C、X−22−164E、両末端がアクリレート基に変性されたシリコーンオイルとしては、信越化学工業(株)のX−22−2445等を挙げることができる。
片末端がメタクリレート基で変性されたシリコーンオイルとしては、信越化学工業(株)のX−22−174ASX、X−22−174BX、X−22−2426、KF−2012等を挙げることができる。
片末端がメタクリレート基で変性されたシリコーンオイルとしては、信越化学工業(株)のX−22−174ASX、X−22−174BX、X−22−2426、KF−2012等を挙げることができる。
本発明の反応性シリコーンオイルは、シリコーンオイルにビニル基、アクリレート基またはメタクリレート基を含む化合物を含んでも良い。ビニル基を含む化合物としてはスチレン、ビニルトルエンなどを挙げることができる。アクリレート基またはメタクリレート基を含む化合物としては、イソボルニルアクリレート、メチルメタクリレートなどを挙げることができる。
(4)相溶化剤
相溶化剤としては、ポリエーテル基で両末端や側鎖が変性されているシリコーンオイルが好ましい。
相溶化剤としては、ポリエーテル基で両末端や側鎖が変性されているシリコーンオイルが好ましい。
両末端がポリエーテル基で変性されたシリコーンオイルとしては、信越化学工業(株)のX−22−4952、X−22−4272、東レ・ダウコーニング(株)のSH8400、FZ−2104、FZ−77等を挙げることができる。
側鎖がポリエーテル基で変性されたシリコーンオイルとしては、信越シリコーンのKF−6011、KF−6012、KF−6204等を挙げることができる。
本発明の相溶化剤としては、側鎖がポリエーテル基とエポキシ基に変性されたシリコーンオイルも用いることができ、信越シリコーンのX−22−4741、KF−1002等を挙げることができる。
(5)エポキシ樹脂硬化触媒
本発明のエポキシ樹脂と酸無水物との硬化反応を促進するエポキシ樹脂硬化触媒の例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルブタンジアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン類;ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノペンタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−メチルモルフォリン等のアミン類;セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムブロマイド、アリルドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムアセチレート等の第4級アンモニウム塩;2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−プロピル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−アジン−2−メチルイミダゾール、1−アジン−2−ウンデシル等のイミダゾール類;アミンとオクタン酸亜鉛やコバルト等との金属塩;1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、N−メチル−ピペラジン、テトラメチルブチルグアニジン、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルテトラフェニルボレート、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等のアミンテトラフェニルボレート;トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、アルミニウムトリアルキルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトアセテート、アルミニウムアルコラート、アルミニウムアシレート、ソジウムアルコラート(ナトリウムアルコキシド)などが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂と酸無水物との硬化反応を促進するエポキシ樹脂硬化触媒の例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルブタンジアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン類;ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノペンタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−メチルモルフォリン等のアミン類;セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムブロマイド、アリルドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムアセチレート等の第4級アンモニウム塩;2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−プロピル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−アジン−2−メチルイミダゾール、1−アジン−2−ウンデシル等のイミダゾール類;アミンとオクタン酸亜鉛やコバルト等との金属塩;1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、N−メチル−ピペラジン、テトラメチルブチルグアニジン、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルテトラフェニルボレート、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等のアミンテトラフェニルボレート;トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、アルミニウムトリアルキルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトアセテート、アルミニウムアルコラート、アルミニウムアシレート、ソジウムアルコラート(ナトリウムアルコキシド)などが挙げられる。
エポキシ硬化触媒の添加量は、エポキシ樹脂100質量部に対して0.1質量部以上1.0質量部以下の範囲とすることが好ましく、特に注型作業時のワニスの増粘を抑制することを目的とする場合には、硬化触媒の添加量を0.1質量部以上0.5質量部以下とすることが好ましい。
(6)ラジカル重合開始剤
反応性シリコーンオイルのラジカル重合触媒の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルのようなベンゾイン系化合物、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンのようなアセトフェノン系化合物、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンのようなチオキサンソン系化合物、4,4’−ジアジドカルコン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン、4,4’−ジアジドベンゾフェノンのようなビスアジド化合物、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビスプロパン、m,m’−アゾキシスチレン、ヒドラゾンのようなアゾ化合物、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジクミルパーオキシド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、ジクミルパーオキシサイドのような有機過酸化物等が挙げられる。
反応性シリコーンオイルのラジカル重合触媒の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルのようなベンゾイン系化合物、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンのようなアセトフェノン系化合物、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンのようなチオキサンソン系化合物、4,4’−ジアジドカルコン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン、4,4’−ジアジドベンゾフェノンのようなビスアジド化合物、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビスプロパン、m,m’−アゾキシスチレン、ヒドラゾンのようなアゾ化合物、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジクミルパーオキシド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、ジクミルパーオキシサイドのような有機過酸化物等が挙げられる。
ラジカル重合触媒の添加量は、反応性シリコーンオイル100質量部に対して0.1質量部以上1.0質量部以下の範囲とすることが、ゲル化時間の調整の観点から好ましい。特に、注型作業時のワニスの増粘を抑制することを目的とする場合、硬化触媒の添加量を0.1質量部以上0.5質量部以下とすることが好ましい。
(7)破砕状結晶質シリカ
本発明のエポキシ樹脂組成物には平均粒径が5μm以上50μm以下の破砕状結晶質シリカを含むことを特徴とする。
本発明のエポキシ樹脂組成物には平均粒径が5μm以上50μm以下の破砕状結晶質シリカを含むことを特徴とする。
破砕状結晶質シリカは、低熱膨張性、高熱伝導性を有し、価格も安価であることから複合微粒子の主成分として好ましい。その好ましい平均粒径は5μm以上50μm以下であり、更に好ましくは0.1μm〜100μm程度の広い粒度分布を持つことである。その結果、破砕状結晶質シリカを高充填した場合においてもワニス粘度の上昇を抑制できる。そのようなシリカの例としては、林化成(株)製SQ−H22、SQ−H18、(株)龍森製CRYSTALITEシリーズ等がある。
(8)鱗片状フィラー
鱗片状フィラーは、硬化収縮の抑制、硬化物の高強度化のほか、後述するゴム粒子成分との複合作用により、耐クラック性、耐熱性の改善に寄与する。鱗片状フィラーのサイズは平均粒径5μm以上200μm以下であることがワニス粘度の上昇を抑制するために好ましい。鱗片状フィラーとしては、ガラスフレーク、タルク、マイカ等を用いることができる。経済性の点から粉砕マイカが好ましく、その例としては(株)ヤマグチマイカ製、SJ−005(平均粒径5μm)、YM−21S(平均粒径23μm)、SB−061R(平均粒径130μm)、B−82(平均粒径180μm)等がある。
鱗片状フィラーは、硬化収縮の抑制、硬化物の高強度化のほか、後述するゴム粒子成分との複合作用により、耐クラック性、耐熱性の改善に寄与する。鱗片状フィラーのサイズは平均粒径5μm以上200μm以下であることがワニス粘度の上昇を抑制するために好ましい。鱗片状フィラーとしては、ガラスフレーク、タルク、マイカ等を用いることができる。経済性の点から粉砕マイカが好ましく、その例としては(株)ヤマグチマイカ製、SJ−005(平均粒径5μm)、YM−21S(平均粒径23μm)、SB−061R(平均粒径130μm)、B−82(平均粒径180μm)等がある。
(9)コアシェルゴム粒子
コアシェルゴム粒子は、クラックの進展を最小限に抑制するものである。また、コアシェルゴム粒子は、エポキシ樹脂に対して分散性が優れていることも選択の基準になっている。
コアシェルゴム粒子は、クラックの進展を最小限に抑制するものである。また、コアシェルゴム粒子は、エポキシ樹脂に対して分散性が優れていることも選択の基準になっている。
コアシェルゴム粒子の例としては、Rohm&Haas社製、パラロイド(登録商標)EXL2655(平均粒径200nm)、ガンツ化成(株)製、商品名スタフィロイドAC3355(平均粒径0.1〜0.5μm)、ゼフィアックF351(平均粒径0.3μm)等が挙げられる。このように、コアシェルゴム粒子の平均粒径を100nm以上500nm以下とすることが好ましい。
結晶質シリカ及びコアシェルゴム粒子で構成する有機・無機フィラーの配合量は、エポキシ樹脂組成物の総量に対して30〜76質量%の範囲で用いることが好ましい。30質量%未満では有機・無機フィラーの効果である熱伝導性、靭性、冷熱衝撃性、低熱膨張性、耐熱性等の特性が低下する。一方、その配合量が76質量%を超えると、ワニス粘度の著しい増大を招く。有機・無機フィラー中の成分構成は、結晶質シリカが50質量%〜96質量%、コアシェルゴム粒子が4〜50質量%の範囲である。なお、鱗片状フィラーを有機・無機フィラーに含めても良い。その場合、鱗片状フィラーの配合量は1〜35質量%の範囲とするのが好ましい。この場合、コアシェルゴム粒子が3〜15質量%の範囲である。
(10)カップリング剤
カップリング剤としては、各種のシラン系、チタネート系カップリング剤が使用できる。そのようなカップリング剤の例としては、シラン系カップリング剤としては、信越化学工業(株)製KBM−402、KBM−403、KBM−502、KBM−504等のエポキシシラン、ビニルシランが好ましい例として挙げられる。チタネート系カップリング剤としては、日本曹達(株)製S−151、S−152、S−181等を挙げる事が出来る。
カップリング剤としては、各種のシラン系、チタネート系カップリング剤が使用できる。そのようなカップリング剤の例としては、シラン系カップリング剤としては、信越化学工業(株)製KBM−402、KBM−403、KBM−502、KBM−504等のエポキシシラン、ビニルシランが好ましい例として挙げられる。チタネート系カップリング剤としては、日本曹達(株)製S−151、S−152、S−181等を挙げる事が出来る。
(11)分散剤
分散剤としては、各種のノニオン系界面活性剤が好ましく、その例としてはビックケミージャパン(株)製、BYK−W903、BYK−W980、BYK−W996、BYK−W9010等を挙げる事が出来る。
分散剤としては、各種のノニオン系界面活性剤が好ましく、その例としてはビックケミージャパン(株)製、BYK−W903、BYK−W980、BYK−W996、BYK−W9010等を挙げる事が出来る。
これらのカップリング剤、分散剤は、有機・無機フィラーの表面に化学結合または吸着してその表面を改質することによってワニス粘度の低減に寄与する。従って過剰に配合しても、有機・無機フィラーの表面に化学結合または吸着できず、更なる低粘度効果は期待できない。また、過剰な配合は樹脂硬化物のガラス転移温度、熱分解開始温度を低下させることから好ましくない。以上のことからカップリング剤、分散剤の配合量は、有機・無機フィラー100質量部に対して、それぞれ0.2〜1質量%の範囲で用いることが好ましく、更に好ましくは0.4〜0.8質量%の範囲で用いることが好ましい。
以下に、実施例および比較例を示して本発明を具体的に説明する。なお、以下の実施例は本発明の具体的な説明のためのものであって、本発明の範囲がこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の発明思想の範囲内において自由に変更可能である。
試薬および評価方法を以下に示す。
(1)供試試料
jER828:三菱化学(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量約190g/eq。
jER828:三菱化学(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量約190g/eq。
HN−5500:日立化成(株)3−又は4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、酸無水物当量168g/eq、構造中に不飽和二重結合がない酸無水物。
X−22−164A:信越化学工業(株)製、メタクリル変性シリコーンオイル。
X−22−2245:信越化学工業(株)製、アクリル変性シリコーンオイル。
KF−6012:信越化学工業(株)製、ポリオール変性シリコーンオイル相溶化剤。
X−22−4741:信越化学工業(株)製、ポリオール、エポキシ変性シリコーンオイル相溶化剤。
2E4MZ−CN:四国化成工業(株)製1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、エポキシ硬化触媒。
25B:日油(株)製1,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、ラジカル重合触媒。
25B:日油(株)製1,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、ラジカル重合触媒。
XJ−7:(株)龍森製結晶性破砕状シリカ、粒径約6.3μm、破砕状結晶質シリカ。
KBM−503:信越化学工業(株)製3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、カップリング剤。
KBM−403:信越化学工業(株)製3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、カップリング剤。
コアシェルゴム粒子:ガンツ化成(株)製スタフィロイドAC3355、平均粒径0.1〜0.5μm
分散剤:ビックケミージャパン(株)製BYK−W9010
シリコーンゴム粒子:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製XC99−A8808
(2)ワニスの調整
所定の配合比で各成分を配合し、(株)シンキー製AR−100型自転・公転式ミキサーで3分間攪拌してワニスを作製した。
分散剤:ビックケミージャパン(株)製BYK−W9010
シリコーンゴム粒子:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製XC99−A8808
(2)ワニスの調整
所定の配合比で各成分を配合し、(株)シンキー製AR−100型自転・公転式ミキサーで3分間攪拌してワニスを作製した。
(3)ワニス粘度の測定
ワニスの粘度は、E型粘度計を用いて、25℃および80℃における値を測定した。
ワニスの粘度は、E型粘度計を用いて、25℃および80℃における値を測定した。
(4)破壊靱性試験用の試験片の作製と評価
ワニスを破壊靱性試験用の金型(サンプルサイズ:長さ100mm、幅60mm、厚さ6mm)に注ぎ、大気中で100℃/5時間、170℃/7時間の2段階加熱によりエポキシ樹脂硬化物の試験片を作製した。この試験片を用いて、ASTM E399に準拠して、引張り試験により試験片が破壊されるまで荷重をかけることによって破壊靱性値(KIC)を測定し、耐クラック性の指標とした。
ワニスを破壊靱性試験用の金型(サンプルサイズ:長さ100mm、幅60mm、厚さ6mm)に注ぎ、大気中で100℃/5時間、170℃/7時間の2段階加熱によりエポキシ樹脂硬化物の試験片を作製した。この試験片を用いて、ASTM E399に準拠して、引張り試験により試験片が破壊されるまで荷重をかけることによって破壊靱性値(KIC)を測定し、耐クラック性の指標とした。
表1は、比較例1及び実施例1〜3のモールドワニスの組成及び評価結果を示したものである。なお、表1における材料組成は、質量部で表している。
(比較例1)
比較例1は、反応性シリコーンオイルと相溶化剤を含まないエポキシ樹脂組成物の例である。また、有機・無機フィラーも含まない例である。
比較例1は、反応性シリコーンオイルと相溶化剤を含まないエポキシ樹脂組成物の例である。また、有機・無機フィラーも含まない例である。
本ワニスは、25℃におけるワニス粘度が0.5Pa・sで、耐熱性の指標であるガラス転移温度は152℃であり、耐クラック性の指標である破壊靱性値(KIC)として0.7MPa・m0.5の値が得られた。本ワニスの課題は、更なる低粘度化と耐クラック性の向上であった。
(比較例2)
比較例2は、反応性シリコーンオイルと相溶化剤を含まないエポキシ樹脂組成物の例である。また、有機・無機フィラーも含まない例である。ただし、耐クラック性向上のため、シリコーンゴム粒子を含んでいる。
比較例2は、反応性シリコーンオイルと相溶化剤を含まないエポキシ樹脂組成物の例である。また、有機・無機フィラーも含まない例である。ただし、耐クラック性向上のため、シリコーンゴム粒子を含んでいる。
本ワニスは、25℃におけるワニス粘度が4.0Pa・sであり、耐クラック性の指標である破壊靱性値(KIC)として1.6MPa・m0.5の値が得られた。本ワニスにおいては、期待通り耐クラック性の向上は見られるものの、ワニス粘度の大幅な上昇を伴っている。
実施例1は、比較例1のワニスに反応性シリコーンオイルと相溶化剤を配合した例である。反応性シリコーンオイルは、メタクリル基で両末端が変性されたシリコーンオイルである。また、相溶化剤は、ポリエーテル基のみで側鎖が変性されたシリコーンオイルである。
25℃におけるワニス粘度は、0.6Pa・sであり、比較例1と同程度の値であった。これにより、反応性シリコーンオイルの配合がワニス粘度向上の抑制に効果的であることが確認された。また、耐クラック性の指標である破壊靱性値(KIC)は、1.5MPa・m0.5と大幅に向上し、シリコーンゴム添加と同等の値となっている。
以上により、本構成のワニスによってワニス粘度向上の抑制と、その硬化物の耐クラック性とが両立できることが明らかとなった。
(比較例3)
比較例3は、反応性シリコーンオイルと相溶化剤を含まないエポキシ樹脂組成物の例である。ただし、本比較例では、有機・無機フィラーは含まれる。
比較例3は、反応性シリコーンオイルと相溶化剤を含まないエポキシ樹脂組成物の例である。ただし、本比較例では、有機・無機フィラーは含まれる。
本ワニスは、80℃におけるワニス粘度が2.0Pa・sであり、耐クラック性の指標である破壊靱性値(KIC)として3.5MPa・m0.5の値が得られた。本ワニスの課題は、更なる低粘度化と耐クラック性の向上であった。
実施例2は、比較例3の反応性シリコーンオイルと相溶化剤を配合した例である。反応性シリコーンオイルは、メタクリル基で両末端が変性されたシリコーンオイルである。また、相溶化剤は、ポリエーテル基のみで側鎖が変性されたシリコーンオイルである。
80℃におけるワニス粘度は、2.2Pa・sとなった。これにより、反応性シリコーンオイルと相溶化剤の配合がワニス粘度上昇の抑制に効果的であることが確認された。また、耐クラック性の指標である破壊靱性値(KIC)は、4.6MPa・m0.5と向上している。
以上より、本構成のワニスによってワニス粘度上昇の抑制と、その硬化物の耐クラック性とが両立できることが明らかとなった。
実施例3は、比較例3のワニスに反応性シリコーンオイルと相溶化剤を配合した例である。ただし、本実施例は、実施例2と比較して、相溶化剤がポリエーテル基以外にエポキシ基で側鎖が変性されたシリコーンオイルが使用されている。
80℃におけるワニス粘度は、2.0Pa・sとなった。これにより、ワニスに反応性シリコーンオイルと相溶化剤の配合がワニス粘度上昇の抑制に効果的であることが確認された。また、耐クラック性の指標である破壊靱性値(KIC)は、5.0MPa・m0.5と実施例2よりも1割程度高くなっている。これは、相溶化剤にエポキシ基が含有されている効果であると考えらえる。
以上より、本構成のワニスによって、ワニス粘度上昇の抑制と、その硬化物の耐クラック性とが両立できることが明らかとなった。
実施例4は、比較例3のワニスに反応性シリコーンオイルと相溶化剤を配合した例である。ただし、実施例3と比較して、反応性シリコーンオイルがアクリル基で両末端が変性されたシリコーンオイルが使用されている。
80℃におけるワニス粘度は、2.2Pa・sとなった。これにより、ワニスに反応性シリコーンオイルと相溶化剤の配合がワニス粘度上昇の抑制に効果的であることが確認された。また、耐クラック性の指標である破壊靱性値(KIC)は、5.1MPa・m0.5と実施例3よりも少し高くなっている。
以上より、反応性シリコーンオイルがメタクリル基で変性されたシリコーンオイルからアクリル基で変性されたシリコーンオイルに替わっても、本構成のワニスによってワニス粘度上昇の抑制と、その硬化物の耐クラック性とが両立できることが明らかとなった。
実施例5は、比較例3のワニスに反応性シリコーンオイルと相溶化剤を配合した例である。実施例3と同様に相溶化剤がポリエーテル基以外にエポキシ基で側鎖が変性されたシリコーンオイルが使用されている。ただし、配合量が2倍となっている。
80℃におけるワニス粘度は、2.0Pa・sとなった。これにより、ワニスに反応性シリコーンオイルと相溶化剤の配合がワニス粘度上昇の抑制に効果的であることが確認された。また、耐クラック性の指標である破壊靱性値(KIC)は、5.4MPa・m0.5と実施例2よりも2割程度高くなっている。これは、相溶化剤にエポキシ基が含有されている効果であると考えられる。さらに、相溶化剤の配合量を増加したことにより、更に高い破壊靱性値(KIC)が得られている。これは、配合量を増加したことにより、エポキシ樹脂中に分散された反応性シリコーンオイルの粒径が小さくなったことによると推定される。
以上より、本構成のワニスによってワニス粘度上昇の抑制と、その硬化物の耐クラック性とが両立できることが明らかとなった。
実施例3に記載の液状樹脂組成物を25kg準備した。本液状樹脂組成物を80℃に加熱して、1torrで約20分間脱気した。80℃におけるワニス粘度は、2.0Pa・sであった。モデル真空遮断器の型を80℃に加熱し、脱気後の液状樹脂組成物25kgを流し込み、再度1torrで20分間、真空脱気した。その後、大気中で100℃/5時間、170℃/7時間の条件で硬化した。次いで、8時間かけて50℃に冷却し、型を外して図1に示すモデル真空遮断器を作製した。
図1に真空遮断器の模式断面図を示す。
真空遮断器100は、絶縁樹脂層1、固定電極2、可動電極3、固定側エンドプレート4、可動側エンドプレート5、真空絶縁容器6、及びベローズ7で構成されている。この真空遮断器100は、絶縁樹脂層1に本発明の樹脂組成物を用いた構成の他は周知な構成を有するため、詳細な説明は省略する。
真空遮断器100の外観、断面観察の結果、エポキシ樹脂硬化物の内部にクラックやボイドは認められず、耐熱性、耐クラック性及び絶縁信頼性が優れていると思われる結果を得た。
本発明は、各種電子、電機機器の絶縁材、構造材に用いられている酸無水物硬化型エポキシ樹脂の耐熱性と耐クラック性とを両立する手法として有効である。特に、低粘度の単官能ビニルモノマーを使用しているため、ワニス粘度の低減にも有効であり、プロセス容易性も確保される。
以上、本発明のエポキシ樹脂硬化物は、エポキシ樹脂の耐熱性を維持しつつ、低粘度化および耐クラック性の改善がバランス良くなされるため、電力機器の高耐熱化手法として好適である。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来のモールド用のエポキシ樹脂とは異なり、反応性シリコーンオイルと相溶化剤の配合により、エポキシ樹脂自体の粘度向上を抑制させることができ、上記の課題を解決できる。また、この低粘性を維持したまま、耐クラック性や耐ヒートサイクル性も向上することもでき、真空絶縁容器とエポキシ樹脂層との間に設けられる応力緩和層を不要にできるなど、プロセス面およびコスト面の両面で利点がある。
1:絶縁樹脂層、2:固定電極、3:可動電極、4:固定側エンドプレート、5:可動側エンドプレート、6:真空絶縁容器、7:ベローズ。
Claims (10)
- 常温で液状であってエポキシ当量が200g/eq以下であるエポキシ樹脂と、
常温で液状の酸無水物と、
常温で液状の反応性シリコーンオイルと、
相溶化剤と、
前記エポキシ樹脂と前記酸無水物との硬化反応を促進するエポキシ樹脂硬化触媒と、
前記反応性シリコーンオイルの硬化反応を促進するラジカル重合開始剤と、を含有する、エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物であって、
前記反応性シリコーンオイルは、両末端又は片末端がアクリレート基又はメタクリレート基で変性されているシリコーンオイルであることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物であって、
前記相溶化剤は、両末端又は側鎖がポリエーテル基で変性されているシリコーンオイルであることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物であって、
さらに、破砕状結晶質シリカと、コアシェルゴム粒子と、カップリング剤と、分散剤と、を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物であって、
前記破砕状結晶質シリカの平均粒径が5μm以上50μm以下であり、
前記コアシェルゴム粒子の平均粒径が0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物であって、
前記破砕状結晶質シリカ及び前記コアシェルゴム粒子で構成する有機・無機フィラーを前記エポキシ樹脂組成物の総量に対して30〜76質量%含有し、
前記有機・無機フィラー中の成分構成は、前記破砕状結晶質シリカが50質量%〜97.1質量%、前記コアシェルゴム粒子が2.9〜50質量%の範囲であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物であって、
前記有機・無機フィラー100質量部に対して、前記カップリング剤を0.2〜1質量部、前記分散剤を0.2〜1質量部含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化したことを特徴とする樹脂硬化物。
- 請求項8に記載の樹脂硬化物を構造材又は絶縁材に用いたことを特徴とする電力機器。
- 請求項9に記載の樹脂硬化物を構造材又は絶縁材に用いたことを特徴とする真空遮断器。
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