JP6565258B2 - 液状エポキシ樹脂組成物及び液状エポキシ樹脂成形材料 - Google Patents

液状エポキシ樹脂組成物及び液状エポキシ樹脂成形材料 Download PDF

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Description

本発明は、液状エポキシ樹脂組成物及び液状エポキシ樹脂成形材料に関するものである。
一般的に電気機器部品は、構成部品の保護及び絶縁性の担保を目的として、樹脂組成物で封止されている。自動車電装部品のイグニッションコイルでは、樹脂組成物のなかでも、絶縁性、機械特性に優れたエポキシ樹脂組成物が多く用いられているが、近年、小型化、高機能化及び低コスト化の要求が高まっている。こうした中、イグニッションコイル封止用の樹脂組成物には、小型化及び高機能化に対応した高含浸性、高絶縁性及び高信頼性等が求められている。イグニッションコイルは、通常、ケースにコイル等の部品を収納した後、注型用エポキシ樹脂組成物を流し込み硬化させることで、注型封止されている。
こうした中、ハイサイクル化及びケースレス化による低コスト化、ならびに、加圧によるボイドレス化、コイルへの樹脂の含浸性向上及びとそれらに起因しての信頼性向上を可能とする樹脂封止方法として、インジェクション成形等の成形による封止が検討される。しかしながら、ケースレス化を行うに当っては、金型から成形品を取り出す際に、成形品を容易に離型(脱型)できるようにすることが必要となってくる。一般的に、成形用のエポキシ樹脂脂組成物では、金型からの円滑な離型(脱型)を目的として、樹脂組成物中に離型剤を内部添加していることが多い。
固形のエポキシ樹脂組成物の内部離型剤としては、電子部品装置の薄型パッケージに適用した場合の金型離型性と良好なパッケージ外観の両立の目的に、固形WAXの配合等が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。また、液状のエポキシ樹脂組成物の内部離型剤としては、強化繊維に含浸させて複合材料を場合の引き抜き成形の連続成形性確保を目的に、脂肪酸エステル系離型剤が検討されている。(例えば、特許文献2参照。)しかしながら、インジェクション成形等の成形方法によりイグニッションコイル等のコイルの封止を行う液状のエポキシ樹脂成形材料にこれらの離型剤を適用した場合には、充分な離型効果が得られないものであった。
特開2006−104415号公報 特開2011−089071号公報
本発明の目的は、コイルへの樹脂の含浸性に優れ、金型との離型(脱型)を容易にする液状エポキシ樹脂組成物を提供することにある。また、連続成形性に優れた液状エポキシ樹脂成形材料を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
[1] (A)液状エポキシ樹脂及び(B)液状シリコーンを含む液状エポキシ樹脂組成物であって、充填材を含まない状態の前記液状エポキシ樹脂組成物を、25℃の条件下、リング法で測定した時の表面張力が24.5mN/m以下、かつラメラ長が0.7mm以下の範囲であることを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物。
[2] 前記(B)液状シリコーンがアルキル変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む[1]に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
[3] 前記(B)液状シリコーンがフェニル基を含有するアルキル変性シリコーンを含む[1]又は[2]に記載の液状エポキシ樹脂。
[4] 前記(B)液状シリコーンの配合量が、前記液状エポキシ樹脂組成物100質量部に対して、0.1質量部以上、10質量部以下である[1]から[3]のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
[5] さらに(C)硬化剤を含む[1]から[4]のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
[6] 前記(C)硬化剤が酸無水物である[5]に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
[7] さらに(D)無機充填材を含む[1]から[6]のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
[8] 前記(D)無機充填材の配合量が、前記液状エポキシ樹脂組成物全体の10体積%以上、75体積%以下である[7]に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
[9] [1]から[8]のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物を混合及び/又は混錬して得られることを特徴とする液状エポキシ樹脂成形材料。
[10] E型粘度計を用いて、温度60℃、1rpmの条件で測定した際の粘度が、0.03Pa・s以上、100Pa・s以下の範囲内である[9]に記載の液状エポキシ樹脂成形材料。
本発明に従うと、コイルへの含浸性に優れ、金型から容易に離型(脱型)し、連続成形性に優れた液状エポキシ樹脂成形材料を得ることができる。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、(A)液状エポキシ樹脂及び(B)液状シリコーンを含む液状エポキシ樹脂組成物であって、充填材を含まない状態の前記液状エポキシ樹脂組成物を、25℃の条件下、リング法で測定した時の表面張力が24.5mN/m以下、かつラメラ長が0.7mm以下の範囲であることを特徴とする。これにより、優れたコイルへの含浸性を有しつつ、金型からの離型(脱型)が容易となり、ハイサイクルでの連続成形を可能とする液状エポキシ樹脂組成物を得ることができる。また、本発明の液状エポキシ樹脂成形材料は、上述の液状エポキシ樹脂組成物を混合及び/又は混錬して得られることを特徴とする。これにより、優れたコイルへの含浸性を有しつつ、金型からの離型(脱型)が容易となり、ハイサイクルでの連続成形を可能とする液状エポキシ樹脂成形材料を得ることができる。以下、本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明の液状エポキシ樹脂組成物について説明する。本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)液状エポキシ樹脂及び(B)液状シリコーンを含む液状エポキシ樹脂組成物であって、充填材を含まない状態の液状エポキシ樹脂組成物を、25℃の条件下、リング法で測定した時の表面張力が24.5mN/m以下、かつラメラ長が0.7mm以下の範囲であることを特徴とする。ここで、液状エポキシ樹脂組成物の表面張力及びラメラ長を充填材を含まない状態の液状エポキシ樹脂組成物で測定する理由は、イグニッショコイル等のコイルへの樹脂の含浸時において充填材はコイル内部には含浸し得ないことから、コイルへの含浸性の評価として適しているためである。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物とは、(A)液状エポキシ樹脂及び(B)液状シリコーンを含み、かつ充填材を含んでいてもよい樹脂組成物の配合物、ならびに、上記配合物を混合及び/又は混練して得られる混合物及び/又は混練物のいずれの形態であってもよい。また、充填材を含まない状態の液状エポキシ樹脂組成物とは、(A)液状エポキシ樹
脂及び(B)液状シリコーンを含み、充填材を含まない樹脂組成物の配合物、ならびに、上記充填材を含まない配合物を混合及び/又は混練して得られる混合物及び/又は混練物のいずれの形態であってもよく、さらには、充填材を含んでいてもよい樹脂組成物の配合物、混合物及び混練物から、濾過等の方法で充填材を除去したものであってもよい。
本発明における充填材を含まない状態の液状エポキシ樹脂組成物を、25℃の条件下、リング法で測定した時の表面張力は、24.5mN/m以下であることが好ましく、24.0mN/m以下であることがさらに好ましい。上記上限値以下とすることで、成形時の金型との密着性が低下するため、優れた離型性を得ることができる。また、本発明における充填材を含まない状態の液状エポキシ樹脂組成物を、25℃の条件下、リング法で測定した時の表面張力の下限値については、特に限定されるものではないが、含浸性の観点から、18.0mN/m以上であることが好ましく、20.0mN/m以上であることがより好ましい。ここで、リング法の表面張力は、JIS K2241に従って測定することにより、求めることができる。
本発明における充填材を含まない状態の液状エポキシ樹脂組成物を、25℃の条件下、リング法で測定した時のラメラ長は、0.7mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがさらに好ましい。上記上限値以下とすることで、樹脂組成物の粘性を低下させることができ、優れたコイルへの含浸性を有することができる。また、本発明における充填材を含まない状態の液状エポキシ樹脂組成物を、25℃の条件下、リング法で測定した時のラメラ長の下限値については、特に限定されるものではないが、成形時のバリを抑える観点から、0.02mm以上であることが好ましく、0.05mm以上であることがより好ましい。ここで、リング法のラメラ長は、JIS K2241に従って測定することにより、求めることができる。
本発明における充填材を含まない状態の液状エポキシ樹脂組成物を、25℃の条件下、リング法で測定した時の表面張力24.5mN/m以下、かつラメラ長0.7mm以下であることがより好ましく、表面張力24.0mN/m以下、かつラメラ長0.7mm以下であることが特に好ましい。これにより、コイルへの含浸性と金型からの離型(脱型)性とのバランスに優れた液状エポキシ樹脂組成物を得ることができる。
本発明における充填材を含まない状態の液状エポキシ樹脂組成物を、25℃の条件下、リング法で測定した時の表面張力及びラメラ長を上記の範囲となるようにするための手段については、特に限定されるものではないが、本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられる(A)液状エポキシ樹脂の種類とその配合割合、(B)液状シリコーンの種類とその配合割合等により調整することが可能であるが、特に、(B)液状シリコーンの種類とその配合割合による調整が重要である。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物に用いられる(A)液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、室温(25℃)で液状のエポキシ樹脂(エポキシ化合物)であれば良く、特に限定するものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらを単独又は2種以上を混合して使用することができる。なお、これらの樹脂は、単独では固形のエポキシ樹脂であっても、他の液状エポキシ樹脂と混合して用いることで液状になるものであってもよい。成形材料としたときの粘度を適正な範囲内にするという観点では、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。上述の表面張力及びラメラ長を適正な範囲内にするという観点では、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物における(A)液状エポキシ樹脂の配合量としては、特に限定されるものではないが、液状エポキシ樹脂組成物100質量部に対して、10質量部以上、45質量部以下であることが好ましく、15質量部以上、35質量部以下であることがさらに好ましい。上記範囲内とすることで、上述の表面張力及びラメラ長を適正な範囲内にすることが容易となる。また、上記下限値以上とすることで、成形材料とした時に十分な流動性が得られ、良好な充填性を確保することができる。また、上記上限値以下とすることで、材料粘度が高くなり、成形時のバリを少なくすることができる。
また、本発明の液状エポキシ樹脂組成物に用いられる(B)液状シリコーンとは、シロキサン結合による主骨格を持つ高分子化合物であって、室温(25℃)で液状のものであれば、特に限定されないが、例えば、シリコーンオイル等が挙げられ、これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の液状エポキシ樹脂組成物に用いられる(B)液状シリコーンとしては、特に限定されるものではなく、例えば、アルキル変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、側鎖にポリエーテル基を有するシリコーン、側鎖にエポキシ基を有するシリコーン等が挙げられるが、アルキル変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。アルキル変性シリコーン及びカルボキシル変性シリコーンを用いることで、液状エポキシ樹脂との親和性の度合いから、上述の表面張力及びラメラ長を上記範囲内にすることが容易となる。このため、(B)液状シリコーンとして、アルキル変性シリコーン及び/又はカルボキシル変性シリコーンを用いることで、良好な離型性と優れた含浸性を容易に得ることができる。
また、本発明の液状エポキシ樹脂組成物に用いられる(B)液状シリコーンとしては、特に限定されるものではないが、フェニル基を有するアルキル変性シリコーンを含むことがより好ましい。(B)液状シリコーンがフェニル基を有するアルキル変性シリコーンを含むことで、液状エポキシ樹脂との親和性の度合いから、上述の表面張力及びラメラ長を小さくすることができる。このため、(B)液状シリコーンとして、フェニル基を有するアルキル変性シリコーンを用いることで、良好な離型性と優れた含浸性をより容易に得ることができる。
アルキル変性シリコーンとしては、例えば、SF8416(東レ・ダウコーニング社製)、SF8419(東レ・ダウコーニング社製)、BY−16−846(東レ・ダウコーニング社製)、SH203(東レ・ダウコーニング社製)等の市販品を用いることができる。また、カルボキシル変性シリコーンとしては、例えば、BY−16−750(東レ・ダウコーニング社製)、BY−16−880(東レ・ダウコーニング社製)、X−22−3710(信越化学工業社製)等の市販品を用いることができる。また、フェニル基を有するアルキル変性シリコーンとしては、例えば、SH550(東レ・ダウコーニング社製)、SH510(東レ・ダウコーニング社製)、SH710(東レ・ダウコーニング社製)、KF−54(信越化学工業社製)等の市販品を用いることができる。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物における(B)液状シリコーンの配合量としては、特に限定されるものではないが、液状エポキシ樹脂組成物100質量部に対して、0.1質量部以上、10質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上、5質量部以下であることがさらに好ましい。上記下限値以上とすることで、優れた含浸性を有しつつ、良好な離型効果を得ることができる。また、上記上限値以下とすることで、(B)液状シリコーンの過剰添加による硬化物の耐熱性低下を抑えることができる。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、上述の(A)液状エポキシ樹脂及び(B)液状
シリコーンに加えて、さらに(C)硬化剤を用いることができる。本発明の液状エポキシ樹脂組成物に用いることができる(C)硬化剤としては、特に限定するものではないが、上述の(A)液状エポキシ樹脂と反応し、硬化させ得るものであれば使用することができる。具体的には、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸及びこれらの誘導体等の酸無水物、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。また、ジシアンジアミド、イミダゾール、ルイス酸のアミン錯体等も使用可能である。これらは、1種を単独で使用しても良く、2種を混合して使用しても良い。本発明では、なかでもコイルへの樹脂の含浸性が良好となるため、液状かつ低粘度である酸無水物が好ましく、特に、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸及びこれらの誘導体等の酸無水物の使用が好ましい。(C)硬化剤の配合量としては、特に限定するものではないが、(A)液状エポキシ樹脂の全エポキシ基数と、(C)硬化剤の全官能基数の比率で、0.6以上、1.4以下であることが好ましく、0.8以上、1.2以下であることがより好ましい。上記範囲内とすることで、硬化性を適切な範囲とすることが容易となる。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、上述の(A)液状エポキシ樹脂及び(B)液状シリコーンに加えて、さらに(D)無機充填材を用いることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることができる(D)無機充填材としては、特に限定するものではないが、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク、マイカ等が挙げられ、これらを単独又は2種以上混合して使用できる。これらの中でも、成形材料の流動性の観点から、溶融シリカ及び/又は結晶シリカが特に好ましい。
(D)無機充填材の配合量としては、特に限定するものではないが、液状エポキシ樹脂組成物全体の10体積%以上、75体積%以下であることが好ましく、25体積%以上、65体積%以下であることがより好ましい。上記下限値以上とすることで、材料粘度が高くなり成形時のバリを少なくできる。また、上記上限値以下とすることで、材料の流動性が低下することなく、良好な充填性を得ることができる。
さらに、本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、以上の成分の他、必要に応じて硬化促進剤を配合してもよい。本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることができる硬化促進剤としては、(A)液状エポキシ樹脂と(C)硬化剤との反応を促進する作用を有するものであれば使用することができる。具体的には、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、等のイミダゾール化合物;トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5等のジアザビシクロアルケン及びその誘導体、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン等ホスフィン類等が挙げられ、これらを単独又は2種以上を混合して使用することができる。硬化促進剤の配合量としては、特に限定するものではないが、(A)液状エポキシ樹脂100質量部に対して、1質量部以上、20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上、15質量部以下であることがより好ましい。上記範囲内とすることで、硬化性、粘度等を適切な範囲とすることが容易となる。
さらに、本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、カップリング剤、沈降防止剤、カーボンブラック等の着色剤、消泡剤等を配合することができる。
次に本発明の液状エポキシ樹脂成形材料について説明する。本発明の液状エポキシ樹脂成形材料は、主剤成分と硬化剤成分からなる液状エポキシ樹脂組成物を混合及び/又は混練して得ることができる。例えば、主剤成分は(A)エポキシ樹脂に、(D)無機充填材の一部、及び必要に応じて配合される各種成分を混合して製造することができ、硬化剤成分は(C)硬化剤に、(D)無機充填材の残余、硬化促進剤、及び必要に応じて配合される各種成分を混合して製造することができる。なお、(B)液状シリコーンは、主剤成分及び/又は硬化剤成分に配合することができる。主剤成分、及び硬化剤成分はミキサー等の混合機、及び/又は、ニーダ、ロール等の混練機により混合及び/又は混練することにより液状エポキシ樹脂成形材料を得ることができる。こうして得られた成形材料は、インジェクション成形で成形することができる。
本発明の液状エポキシ樹脂成形材料は、E型粘度計を用いて、温度60℃、1rpmの条件で測定した際の粘度が、0.03Pa・s以上、100Pa・s以下の範囲内であることが好ましく、0.3Pa・s以上、20Pa・s以下の範囲内であることがさらに好ましい。粘度を上記下限以上することで成形時のバリの発生を抑制する効果を得ることができる。また、上記上限以下とすることで、コイルへの樹脂の含浸性を向上させる効果を得ることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において用いた各原材料は以下のとおりである。
(A)液状エポキシ樹脂
(1)液状エポキシ樹脂1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ダウケミカル日本社製、DER−331J、エポキシ当量186g/eq)
(2)液状エポキシ樹脂2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER807,エポキシ当量168g/eq)
(B)液状シリコーン
(3)液状シリコーン1:フェニル基を有するアルキル変性の液状シリコーン(東レ・ダウコーニング社製、SH550)
(4)液状シリコーン2:フェニル基を有するアルキル変性の液状シリコーン(東レ・ダウコーニング社製、SH510)
(5)液状シリコーン3:カルボキシル変性の液状シリコーン(東レ・ダウコーニング社製、BY−16−750)
(6)液状シリコーン4:ポリエーテルを側鎖に有する液状シリコーン(東レ・ダウコーニング社製、SF8421)
(7)液状シリコーン5:ポリエーテル基を側鎖に有する液状シリコーン(東レ・ダウコーニング社製、L−7002)
(固形離型剤)
(8)固形WAX:ポリエチレンワックス(三井化学社製、4202E)
(液状離型剤)
(9)脂肪酸エステル:“MOLD WIZ(登録商標)” INT1846(AXE
L PLASTICS RESEARCH LABORATORIES INC.社製)
(C)硬化剤
(10)酸無水物系硬化剤1:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(日立化成工業社製、HN−5500、酸無水物当量168g/eq)
(11)酸無水物系硬化剤2:メチルテトラヒドロ無水フタル酸(日立化成工業社製、HN−2000,酸無水物当量166g/eq)
(D)無機充填材
(12)無機充填材1:溶融球状シリカ(電気化学工業社製のFB−20D)
その他の成分
(13)硬化促進剤1:N、N−ジメチルベンジルアミン(花王社製、カオライザーNO.20)
(14)カップリング剤1:エポキシシランカップリング剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製、A187)
(15)消泡剤1:シリコーン消泡剤(信越化学工業社製、KS−603)
(16)チキソ付与材1:有機化クレイ(エレメンティス社製、ベントンSD−2)
(実施例1〜10、比較例1〜5)
(充填材を含まない液状エポキシ樹脂組成物の作製)
無機充填材1を除く、液状エポキシ樹脂1〜2、液状シリコーン1〜5、固形WAX、脂肪酸エステル、酸無水物系硬化剤1〜2を、表1に示す配合割合で、スリーワン モーター(新東科学社製、BL1200Ft)を用いて、室温(25℃)で10分間均一に混合し、充填材を含まない液状エポキシ樹脂組成物を得た。
(充填材を含まない液状エポキシ樹脂組成物としての特性評価)
(表面張力及びラメラ長の測定)
上記の製法で得られた充填材を含まない液状エポキシ樹脂組成物の表面張力及びラメラ長を、25℃の条件下、JIS K2241(リング法)に従って測定した。最大の荷重から表面張力を算出し、最大荷重から荷重がなくなるまでの距離をラメラ長として算出した。評価結果を表1に示した。
(液状エポキシ樹脂成形材料の作製)
液状エポキシ樹脂1〜2、液状シリコーン1〜5、固形WAX、脂肪酸エステル、酸無水物系硬化剤1〜2、無機充填材1、硬化促進剤1、カップリング剤1、消泡剤1、チキソ付与材1を、表1に示す配合割合で、スリーワン モーター(新東科学社製、BL1200Ft)を用いて、室温(25℃)で10分間均一に混合し、液状エポキシ樹脂成形材料を得た。
(エポキシ樹脂成形材料としての特性評価)
(粘度)
上記の製法で得られたエポキシ樹脂成形材料を、E型粘度計(東機産業製)を用い、ロータの型式は3度コーンを用い、粘度測定温度は60℃、コーンの回転数は1rpmとして、測定した。評価結果を表1に示した。
(離型性評価)
上記の製法で得られたエポキシ樹脂成形材料を用いて、孔(上部径9mm、下部径11mm、高さ5mmt)の空いた金型に成形材料を流し込み、120℃にて20分硬化させた。プッシュプルゲージを用いて、硬化物が孔から離型する時の荷重を測定した。荷重が10kgf以下の場合を離型性良好「○」、荷重が10kgfを超える場合を離型性不良「×」と判断した。評価結果を表1に示した。
(コイル含浸性)
コイル(巻線径45μm、巻数4000)を射出成形用金型のキャビティ内(40mm×40mm×高さ30mm)に配置し、減圧した金型キャビティ内に上記の製法で得られたエポキシ樹脂成形材料を射出圧力3.5MPaで射出成形した。120℃で6分間硬化させた後、金型から取出した。次いで、冷却後、モールドコイルの切断面を研磨し、コイルの最深部に樹脂が含浸しているかを顕微鏡で観察することで、コイルへの樹脂の含浸性を評価し、最深部まで樹脂が含浸しているものを含浸性良好「○」、最深部までは樹脂が含浸していないものを含浸性不良「×」と判断した。評価結果を表1に示した。
充填材を含まない状態の前記液状エポキシ樹脂組成物における表面張力が24.5mN/m以下であり、かつラメラ長が0.7mm以下となる実施例1〜10の液状エポキシ樹脂成形材料は、離型加重が10kgf以下となっており、成形品を金型から容易に離型(脱型)することが可能であった。また、実施例1〜10の液状エポキシ樹脂成形材料は、コイルの最深部まで樹脂が含浸しており、良好な含浸性が得られた。
一方、充填材を含まない状態の前記液状エポキシ樹脂組成物における表面張力が24.5mN/mを超える比較例1、4及び5の液状エポキシ樹脂成形材料では、離型加重10kgfでは、成形品を金型から離型(脱型)することができなかった。
また、充填材を含まない状態の前記液状エポキシ樹脂組成物におけるラメラ長が長い比較例2及び3の液状エポキシ樹脂成形材料では、コイルの最深部まで樹脂が含浸しておら
ず、含浸性が劣る結果となった。
本発明に従うと、コイルへの含浸性に優れ、金型から容易に離型(脱型)し、連続成形性に優れた液状エポキシ樹脂成形材料を得ることができ、高い信頼性を有するモールドコイルを低コストで製造することができるため、例えば自動車用のイグニッションコイルの製造に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 液状エポキシ樹脂組成物を混合及び/又は混錬して得られる液状エポキシ樹脂成形材料であって、
    E型粘度計を用いて、温度60℃、1rpmの条件で測定した際の粘度が、0.03Pa・s以上、100Pa・s以下の範囲内であり、
    前記液状エポキシ樹脂組成物は、(A)液状エポキシ樹脂及び(B)液状シリコーンを含み、
    充填材を含まない状態の前記液状エポキシ樹脂組成物を、25℃の条件下、リング法で測定した時の表面張力が24.5mN/m以下、かつラメラ長が0.7mm以下の範囲であることを特徴とする液状エポキシ樹脂成形材料
  2. 前記(B)液状シリコーンがアルキル変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の液状エポキシ樹脂成形材料
  3. 前記(B)液状シリコーンがフェニル基を含有するアルキル変性シリコーンを含む請求項1又は2に記載の液状エポキシ樹脂成形材料
  4. 前記(B)液状シリコーンの配合量が、前記液状エポキシ樹脂組成物100質量部に対して、0.1質量部以上、10質量部以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂成形材料
  5. 前記液状エポキシ樹脂組成物が、さらに(C)硬化剤を含む請求項1から4のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂成形材料
  6. 前記(C)硬化剤が酸無水物である請求項5に記載の液状エポキシ樹脂成形材料
  7. 前記液状エポキシ樹脂組成物が、さらに(D)無機充填材を含む請求項1から6のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂成形材料
  8. 前記(D)無機充填材の配合量が、前記液状エポキシ樹脂組成物全体の10体積%以上、75体積%以下である請求項7に記載の液状エポキシ樹脂成形材料

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