JP2005213299A - 半導体封止用樹脂組成物とそれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐トラッキング性に優れた半導体封止用樹脂組成物と、このような半導体封止用樹脂組成物を用いて封止した半導体装置を提供する。
【解決手段】 少なくともエポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材および硬化促進剤を含有してなる半導体封止用樹脂組成物であって、エポキシ樹脂が次式(A)
【化1】
(ただし、R1は水素原子またはアルキル基を表し、lは12〜15の整数である)
で表される脂環式エポキシ樹脂成分Aを含有し、硬化剤が次式(B)
【化2】
(ただし、R2は水素原子または炭素数1〜9のアルキル基であり、mは0〜10の整数である)
で表される硬化剤成分Bを含有することを特徴とする半導体封止用樹脂組成物とする。
【選択図】なし
【解決手段】 少なくともエポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材および硬化促進剤を含有してなる半導体封止用樹脂組成物であって、エポキシ樹脂が次式(A)
【化1】
(ただし、R1は水素原子またはアルキル基を表し、lは12〜15の整数である)
で表される脂環式エポキシ樹脂成分Aを含有し、硬化剤が次式(B)
【化2】
(ただし、R2は水素原子または炭素数1〜9のアルキル基であり、mは0〜10の整数である)
で表される硬化剤成分Bを含有することを特徴とする半導体封止用樹脂組成物とする。
【選択図】なし
Description
この出願の発明は、半導体素子を封止するために用いられる半導体封止用樹脂組成物と、この半導体封止用樹脂組成物を用いて封止した半導体装置に関するものである。
近年、パワーモジュールやインテリジェントパワーモジュール等の半導体装置の高耐圧・大電流化が進んでいる。これらのパッケージには、多数の半導体チップが搭載されており、その性能を最大限に発揮するためには高い絶縁性能が要求される。しかし、実際のパッケージでは、偏肉したり薄型になったりしているものが多く、空間距離や沿面距離を確保することが困難であるという問題があった。
一方、半導体装置の封止においては、従来の液状注入法に変わり、エポキシ樹脂による低圧トランスファー成形法が主流となっている。このようなエポキシ樹脂による封止方法では、主に、樹脂成分としてo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を、硬化剤成分としてフェノールノボラックを配合した樹脂組成物が使用されている(例えば、特許文献1)。また、耐クラック性や耐湿性を向上させた半導体封止用樹脂組成物として、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂とフェノール系硬化剤を配合したものが提案されている(例えば、特許文献2)。
一般に、エポキシ樹脂は絶縁性に優れた材料として知られているが、高い動作電圧下では、硬化物表面が放電により熱劣化するなどして、絶縁破壊が生じるトラッキング現象が見られる場合がある。そのため、パワーモジュールやインテリジェントパワーモジュールの封止には、より高い耐トラッキング性を有する半導体封止用樹脂組成物が求められている。しかし、従来の半導体封止用樹脂組成物では、望まれているような高い耐トラッキング性を実現することは難しかったのが実情である。
特開平5−25367
特開2002−249546
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、耐トラッキング性に優れた半導体封止用樹脂組成物と、このような半導体封止用樹脂組成物を用いて封止した半導体装置を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、少なくともエポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材および硬化促進剤を含有してなる半導体封止用樹脂組成物であって、エポキシ樹脂が次式(A)
(ただし、R1は水素原子またはアルキル基を表し、lは12〜15の整数である)
で表される脂環式エポキシ樹脂成分Aを含有し、硬化剤が次式(B)
で表される脂環式エポキシ樹脂成分Aを含有し、硬化剤が次式(B)
(ただし、R2は水素原子または炭素数1〜9のアルキル基であり、mは0〜10の整数である)
で表される硬化剤成分Bを含有することを特徴とする半導体封止用樹脂組成物を提供する。
で表される硬化剤成分Bを含有することを特徴とする半導体封止用樹脂組成物を提供する。
また、この出願の発明は、第2には、脂環式エポキシ樹脂成分Aの含有量が、エポキシ樹脂全量に対して10〜50重量%である前記の半導体封止用樹脂組成物を、第3には、硬化剤成分Bの含有量が、硬化剤全量に対して10〜50重量%である前記の半導体封止用樹脂組成物を提供する。
この出願の発明は、第4には、エポキシ樹脂が、脂環式エポキシ樹脂成分Aに加えて、次式(C)
(ただし、nは0〜5の整数である)
で表されるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂成分Cを含有することを特徴とする前記いずれかの半導体封止用樹脂組成物を提供する。
で表されるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂成分Cを含有することを特徴とする前記いずれかの半導体封止用樹脂組成物を提供する。
また、この出願の発明は、第5には、脂環式エポキシ樹脂成分Aをエポキシ樹脂全量に対して10重量%以上含有し、脂環式エポキシ樹脂成分Aとジシクロエポキシ樹脂成分Cの合計含有量がエポキシ樹脂全量に対して10〜50重量%である半導体封止用樹脂組成物を提供する。
この出願の発明は、さらに、第6には、無機充填材の含有量が、半導体封止用樹脂組成物全量の75〜90重量%である半導体封止用樹脂組成物を提供する。
そして、この出願の発明は、第7には、前記いずれかの半導体封止用樹脂組成物によって封止されてなることを特徴とする半導体装置をも提供する。
上記第1の発明の半導体封止用樹脂組成物は、少なくともエポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材および硬化促進剤を含有してなるものであり、エポキシ樹脂として、上記の式(A)で示される脂環式エポキシ樹脂成分Aを含有するし、かつ、硬化剤として、上記の式(B)で示される硬化剤成分Bを含有することにより、高い耐トラッキング性を発揮できるものである。
また、上記第2の発明の半導体封止用樹脂組成物では、脂環式エポキシ樹脂成分Aの含有量を、エポキシ樹脂全量に対して10〜50重量%とすることにより、高い成形性を維持したまま、効果的に耐トラッキング性を向上させることが可能となる。
さらに、上記第3の発明の半導体封止用樹脂組成物では、硬化剤成分Bの含有量を、硬化剤全量に対して10〜50重量%とすることにより、高い成形性を維持しながら、効果的に耐トラッキング性を向上させることができるものである。
上記第4の発明の半導体封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂が前記の脂環式エポキシ樹脂成分Aに加えて、式(C)で表されるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂成分Cを含有するものであり、両エポキシ樹脂成分の相乗効果により耐トラッキング性がさらに高まる。
また、上記第5の発明の半導体封止用樹脂組成物では、脂環式エポキシ樹脂成分Aの含有量をエポキシ樹脂全量に対して10重量%以上とし、脂環式エポキシ樹脂成分Aとジシクロエポキシ樹脂成分Cの合計含有量をエポキシ樹脂全量に対して10〜50重量%とすることにより、高い成形性を維持しながら、両エポキシ樹脂成分の相乗効果がとくに発揮される。
さらに、上記第6の発明の半導体封止用樹脂組成物では、無機充填材の含有量を75〜90重量%とすることにより、半導体封止用樹脂組成物の成形性や半導体素子に対する接着性を高めることが可能となる。
そして、上記第7の発明の半導体装置は、前記いずれかの半導体封止用樹脂組成物を用いて封止成形することにより製造されるものであるため、耐トラッキング性に優れたものとなる。したがって、パワーモジュールやインテリジェントパワーモジュールのように、複数のチップを搭載した高耐圧・大電流装置においても高い絶縁性が実現される。
この出願の発明の半導体封止用樹脂組成物は、少なくともエポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材および硬化促進剤を含有してなるものであり、エポキシ樹脂が、次式(A)
で表される脂環式エポキシ樹脂成分Aを含有し、かつ、硬化剤が次式(B)
で表される硬化剤成分Bを含有することを特徴とするものである。
このとき、式(A)において、R1は水素原子、またはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等のアルキル基を表す。これらのアルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよい。また、式(A)において、lは重合度を表し、12〜15の整数である。lが12未満では脂環式エポキシ樹脂成分Aの分子量が小さくなり、軟化点が下がり取り扱い性が悪くなる上、フラッシュバリが多くなる場合があり、lが15より大きい場合には、分子量が大きくなり、樹脂の粘度が上昇して成形性が悪くなる場合があり、好ましくない。なお、式(A)において、−OG基はシクロヘキサン上の重合に関与しないいずれの炭素に結合していてもよい。
一方、式(B)において、R2は水素原子または炭素数1〜9のアルキル基である。このようなアルキル基は、直鎖状のものであってもよいし、分岐状のものであってもよい。また、式(B)において、重合度を表すmは、0〜10の整数である。mが10より大きい場合には、分子量が大きくなり、樹脂の粘度が上昇して成形性が悪くなる場合があり、好ましくない。さらに、式(B)において、フェニル環とジシクロペンタジエン環は、どの位置で結合していてもよい。すなわち、フェニル環のオルト位、メタ位、パラ位の炭素とジシクロペンタジエン環のいずれの炭素原子が結合を形成するものであってもよい。
この出願の発明の半導体封止用樹脂組成物では、式(A)で表される脂環式エポキシ樹脂成分A以外のエポキシ樹脂成分は、一般的に半導体封止用として使用される各種のエポキシ樹脂であってよく、とくに限定されない。例えば、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ブロム含有エポキシ樹脂等を挙げることができる。中でも、次式(C)
で表されるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂成分Cを、前記の脂環式エポキシ樹脂成分Aとともに含有するものとすることが好ましい。このように、脂環式エポキシ樹脂成分Aとジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂成分Cを併用することにより、耐トラッキング性が相乗的に向上する。なお、式(C)において、フェニル環とジシクロペンタジエン環は、どの位置で結合していてもよい。すなわち、フェニル環のオルト位、メタ位、パラ位の炭素とジシクロペンタジエン環のいずれの炭素原子が結合を形成するものであってもよい。
この出願の発明の半導体封止用樹脂組成物において、式(A)の脂環式エポキシ樹脂成分Aの含有量はとくに限定されないが、高い成形性を維持しながら、耐トラッキング性を向上させる上では、脂環式エポキシ樹脂成分Aの含有量を、エポキシ樹脂全量中の10〜50重量%とすることが好ましい。また、脂環式エポキシ樹脂成分Aとともにジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂成分Cを併用する場合には、脂環式エポキシ樹脂成分Aの含有量は、エポキシ樹脂全量に対して10重量%以上とし、脂環式エポキシ樹脂成分Aとジシクロエポキシ樹脂成分Cの合計含有量は、エポキシ樹脂全量に対して10〜50重量%とすることが望ましい。これにより、成形性に不具合を生じることなく、高い耐トラッキング性を得ることが可能となる。
また硬化剤としては、上記の式(B)で表される硬化剤成分B以外に、一般的に半導体封止用として使用される各種の硬化剤を適用できる。具体的には、フェノールノボラック樹脂、ナフタレン骨格含有フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂等が例示される。
硬化剤における硬化剤成分Bの含有量はとくに限定されないものの、硬化剤全量に対して10〜50重量%とすることにより、高い成形性を維持しながら耐トラッキング性を向上させることが可能となり、好ましい。
この出願の発明の半導体封止用樹脂組成物は、以上のとおりに、エポキシ樹脂が、脂環式エポキシ樹脂成分Aを含有し、かつ、硬化剤が硬化剤成分Bを含有するものであるが、エポキシ樹脂と硬化剤以外に、無機充填材および硬化促進剤を含有するものである。
無機充填材は、一般的に半導体封止用として使用されるものであればよく、その種類は特に限定されない。例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。このような充填材の含有量はとくに限定されないが、半導体封止用樹脂組成物の成形性や半導体素子に対する接着性を高めるためには、半導体封止用樹脂組成物全量の69〜90重量%、より好ましくは、75〜90重量%とする。
また、硬化促進剤としては、一般的に半導体封止用に使用されるものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、トリフェニルホスフィン(TPP)、トリメチルホスフィン等の有機リン化合物類、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類や、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン類等を挙げることができる。
さらに、この出願の発明の半導体封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材および硬化促進剤以外にも、一般的に半導体封止用として使用される各種の成分を含有していてもよい。例えば、カルナバワックス等の離型剤や、リン系難燃剤、ブロム化合物、三酸化アンチモン等の難燃剤、カーボンブラック、有機染料等の着色剤や、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤、表面がシリコーンレジンによって被覆されたシリコーンゴムパウダー等の改質剤を挙げることができる。
以上のとおりのこの出願の発明の半導体封止用樹脂組成物は、上記のエポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、硬化促進剤、さらに必要に応じて各種の添加剤を配合し、これをミキサーやブレンダーで均一に混合した後に、加熱ロールやニーダー等で混練することによって調製できるものである。ここで、上記の各成分の配合順序は特に限定されるものではなく、また混練物を必要に応じて冷却固化させ、粉砕してペレットやパウダーにしたり、あるいはタブレット化したりして使用することができる。
そして、このようにして調製した半導体封止用樹脂組成物を用いて封止成形することによって、半導体装置を作製することができる。例えば、IC等の半導体素子を搭載したリードフレームをトランスファー成形金型にセットし、トランスファー成形を行うことによって、半導体素子を封止用樹脂組成物で封止した半導体装置を作製することができるものである。
このようにして得られる半導体装置では、封止材が前記の脂環式エポキシ樹脂成分Aと硬化剤成分Bを含有する半導体封止用樹脂組成物であることから、耐トラッキング性に優れたものとなり、高耐圧・大電流装置として使用した場合にも、優れた絶縁性が発揮される。
以下、実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
<実施例1〜6>
(1)半導体封止用樹脂組成物の調製
エポキシ樹脂成分としてo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製「ESCL195XL」)、および式(A)の脂環式エポキシ樹脂(エポキシ当量:170〜200;軟化点85℃±10)を、硬化剤としておよびフェノールノボラック樹脂(群栄化学工業(株)製「PSM6200」)と式(B)の硬化剤成分(日本石油化学(株)製「DPP−M」)を、難燃剤としてブロム化エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製「ESB400」)および三酸化アンチモンを、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)を、離型剤としてカルナバワックスを、着色剤としてカーボンブラックを、そして無機充填材として結晶シリカ表面にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを噴霧したものを用いた。
(1)半導体封止用樹脂組成物の調製
エポキシ樹脂成分としてo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製「ESCL195XL」)、および式(A)の脂環式エポキシ樹脂(エポキシ当量:170〜200;軟化点85℃±10)を、硬化剤としておよびフェノールノボラック樹脂(群栄化学工業(株)製「PSM6200」)と式(B)の硬化剤成分(日本石油化学(株)製「DPP−M」)を、難燃剤としてブロム化エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製「ESB400」)および三酸化アンチモンを、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)を、離型剤としてカルナバワックスを、着色剤としてカーボンブラックを、そして無機充填材として結晶シリカ表面にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを噴霧したものを用いた。
これらの各成分を表1の配合量で配合し、これをブレンダーで30分間混合し、均一化した後、80℃に加熱したニーダーで混練溶融させて押し出し、冷却後、粉砕機で所定の粒度に粉砕して、半導体封止用樹脂組成物を粒状材料として調製した。
(2)耐トラッキング性の評価
耐トラッキング性は、比較トラッキング指数(comparative tracking index;CTI)として、ULの評価方法に基づき評価した。
耐トラッキング性は、比較トラッキング指数(comparative tracking index;CTI)として、ULの評価方法に基づき評価した。
まず、φ50mm×3mmtの成型品をトランスファー成形し、175℃×6時間でポストキュアした。その後、23℃、50%RHで40時間処理を行い、これを試料片とした。
この試料片表面に電極を接触させ、電極の中央部に30±5秒/1滴の割合で0.1%塩化アンモニウムを滴下した。50滴を滴下してもトラッキングを生じない場合、さらに25Vずつ電圧を上げ、同様の試験を繰り返した。
試験範囲は150V〜600Vとし、600Vでもトラッキングが生じない場合には、再度、575Vにて100滴で試験を行った。それでもトラッキングが生じない場合を最高レベル(performance level category:PLC=0)とした。
(3)スパイラルフローとゲルタイム
得られた半導体封止用樹脂組成物について、170℃でのスパイラルフローとゲルタイムを測定した。
得られた半導体封止用樹脂組成物について、170℃でのスパイラルフローとゲルタイムを測定した。
(4)溶融粘度
得られた半導体封止用樹脂組成物の溶融粘度を測定した。
得られた半導体封止用樹脂組成物の溶融粘度を測定した。
以上の評価結果を表1に示した。
<実施例7〜8>
エポキシ樹脂成分として、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製「ESCN195XL」)、式(A)の脂環式エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「HP7200」)、およびフェノールノボラック樹脂(群栄化学工業(株)製「PSM6200」)に加え、式(C)のジシクロペンタジエン型樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「HP7200」)を表1の配合で加え、実施例1〜6と同様の方法により半導体封止用樹脂組成物を調製した。
エポキシ樹脂成分として、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製「ESCN195XL」)、式(A)の脂環式エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「HP7200」)、およびフェノールノボラック樹脂(群栄化学工業(株)製「PSM6200」)に加え、式(C)のジシクロペンタジエン型樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「HP7200」)を表1の配合で加え、実施例1〜6と同様の方法により半導体封止用樹脂組成物を調製した。
さらに、実施例1〜6と同様の方法により評価し、評価結果を表1に示した。
<比較例1>
エポキシ樹脂成分としての脂環式エポキシ樹脂成分A、および硬化剤としての硬化剤成分Bを使用せずに、実施例1〜6と同様の方法により半導体封止用樹脂組成物を調製し、同様の方法により評価した。
エポキシ樹脂成分としての脂環式エポキシ樹脂成分A、および硬化剤としての硬化剤成分Bを使用せずに、実施例1〜6と同様の方法により半導体封止用樹脂組成物を調製し、同様の方法により評価した。
評価結果を表1に示した。
表1にみられるように、エポキシ樹脂成分として脂環式エポキシ樹脂成分Aを、硬化剤として硬化剤成分Bを含有する半導体封止用樹脂組成物(実施例1〜8)では、エポキシ樹脂成分としての脂環式エポキシ樹脂成分Aと硬化剤としての硬化剤成分Bを含有しない半導体封止用樹脂組成物(比較例1)に比較して高い耐トラッキング性が実現されることが明らかになった。
とくに、脂環式エポキシ樹脂成分Aをエポキシ樹脂全量に対して10〜50重量%含有する場合(実施例3)や、硬化剤成分Bを硬化剤全量に大して10〜50重量%含有する場合(実施例5)には、低い溶融粘度を維持したまま、高い耐トラッキング性が得られたことから、成形性、耐トラッキング性の両方の観点から好ましいことが確認された。
さらに、エポキシ樹脂成分として、脂環式エポキシ樹脂成分Aに加えて、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂Cを含有する場合(実施例7〜8)には、成形性が低下することなく、とくに高い耐トラッキング性が得られた。
中でも脂環式エポキシ樹脂成分Aの含有量が、エポキシ樹脂全量に対して10重量%以上であり、脂環式エポキシ樹脂成分Aとジシクロエポキシ樹脂成分Cの合計含有量が、エポキシ樹脂全量に対して10〜50重量%であるもの(実施例8)では、PLC=0のレベルに達する優れた耐トラッキング性が得られることが確認された。
以上詳しく説明したとおり、この発明によって、パワーモジュールやインテリジェントパワーモジュールの封止材として有用な、高い耐トラッキング性を有する半導体封止用樹脂組成物と、それを用いた半導体装置が提供される。
Claims (7)
- 脂環式エポキシ樹脂成分Aの含有量が、エポキシ樹脂全量に対して10〜50重量%であることを特徴とする請求項1の半導体封止用樹脂組成物。
- 硬化剤成分Bの含有量が、硬化剤全量に対して10〜50重量%であることを特徴とする請求項1または2のいずれかの半導体封止用樹脂組成物。
- 脂環式エポキシ樹脂成分Aをエポキシ樹脂全量に対して10重量%以上含有し、脂環式エポキシ樹脂成分Aとジシクロエポキシ樹脂成分Cの合計含有量がエポキシ樹脂全量に対して10〜50重量%である請求項4の半導体封止用樹脂組成物。
- 無機充填材の含有量は、半導体封止用樹脂組成物全量の75〜90重量%である請求項1ないし5のいずれかの半導体封止用樹脂組成物。
- 請求項1ないし6のいずれかの半導体封止用樹脂組成物によって封止されてなることを特徴とする半導体装置。
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