JP2017082330A - 垂直磁気記録媒体における軟磁性膜層用CoFe系合金およびスパッタリングターゲット材 - Google Patents

垂直磁気記録媒体における軟磁性膜層用CoFe系合金およびスパッタリングターゲット材 Download PDF

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【課題】 本発明は、垂直磁気記録媒体における軟磁性薄膜層用CoFe系合金およびスパッタリングターゲット材を提供する。【解決手段】 原子%で、Ge,Ru,Rh,Pd,Re,Os,Ir,Ptを1種以上、Sc,Y,ランタノイド(原子番号57〜71),Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Bを1種以上、残部Co,Feおよび不可避的不純物からなり、下記の式(1)〜(4)を全て満たすことを特徴とした、垂直磁気記録媒体における軟磁性膜層用合金。(1)0.1%≦TCR≦10%(2)5%≦TAM≦25%(3)13%≦TCR/2+TAM+TNM≦25%(4)0.2≦Fe%/(Fe%+Co%)≦0.80【選択図】 図1

Description

本発明は、垂直磁気記録媒体における軟磁性薄膜層用CoFe系合金およびスパッタリングターゲット材に関するものである。
近年、磁気記録技術の進歩は著しく、ドライブの大容量化のために、磁気記録媒体の高記録密度化が進められており、過去に普及していた面内磁気記録媒体より更に高記録密度が実現できる、垂直磁気記録方式が実用化されている。
垂直磁気記録方式とは、垂直磁気記録媒体の磁性膜中の媒体面に対して磁化容易軸が垂直方向に配向するように形成したものであり、高記録密度に適した方法である。そして、垂直磁気記録方式においては、記録感度を高めた磁気記録膜層と軟磁性膜層とを有する2層記録媒体が開発されている。この磁気記録膜層には一般的にCoCrPt−SiO2 系合金が用いられている。また、さらに高い記録密度を実現できる熱アシストやマイクロ波アシスト方式の垂直磁気記録媒体も研究されている。
一方、従来の軟磁性膜層には、高い飽和磁束密度(以下、Bsと記す)と非晶質性が必要であり、さらに垂直磁気記録媒体の用途や使用環境によっては、高耐食性、高硬度など様々な特性が付加的に要求されてきた。例えば、特開2008−299905号公報(特許文献1)に提案されているように、Feを添加することにより高Bsを得ており、Bを添加することにより高い硬度を得ている。また、特開2011−68985号公報(特許文献2)に提案されているように、YやTiの添加により耐食性(耐候性)を改善している。
また、近年では、ドライブ中の読書き用ヘッドの改良や、軟磁性合金の磁束密度を調整し軟磁性膜とRu膜との交換結合磁界を最適化することにより、従来よりも低い磁束での書き込みが可能となってきている。したがって、記録層の下に配置される軟磁性層として、従来のような高Bsではなく、比較的低Bsの非晶質合金が用いられるようになってきた。
このように、低Bs合金を垂直磁気記録媒体の軟磁性層として用いると、軟磁性膜中の記録磁化が過度に周囲に磁気的な影響を与えることがなく、結果として小さなスペースに記録可能となる。この現象は、「書き滲み」の低減による、見かけ上の記録密度改善と考えられている。しかしながら、最低限のBsを確保することは未だ必要である。これらから、概ね0.95〜1.35T程度の飽和磁束密度を有するものが良好なようである。
さらに近年では、ディスク内の記録層とヘッドの距離を極端に小さくし、より低いヘッドからの磁界で着磁出来るように改良がなされるようになってきた。ここで、記録層とヘッドの距離を縮めるために、記録層の上に配置されるカーボン保護膜を極力薄くすることが望ましい。しかしながら、このカーボン保護膜が薄くなると、大気中の酸素の透過により、これより下部の層が酸化してしまう問題が発生する。
また、ディスク内の多層構造において、多くの場合軟磁性膜が最も耐食性が低いため、この層を保護することを律速とし必要なカーボン保護膜の厚さが決まる。したがって、軟磁性膜の耐食性を従来よりも高くすることが出来れば、カーボン保護膜を薄くすることが可能となり、結果として記録層とヘッドとの距離を縮めることができ、記録容量の向上につなげることが出来る。
このように、従来のように通常の環境で発銹しない最低限の耐食性を持たせるという考えではなく、近年では、より過酷な環境でも発銹しない著しく優れた耐食性を軟磁性層に持たせることが重要となってきている。したがって、このような著しく高い耐食性を得るためには、従来検討されてきた耐食性改善元素を用いると添加量が多くなりすぎ、結果として最低限のBsを確保することが困難となってくる。このような背景から発明者は、Bsの低下幅が小さく、かつ大きな耐食性改善効果が得られる新たな添加元素を検討してきた。
特開2008−299905号公報 特開2011−68985号公報
しかしながら、上述した特許文献1では、Feを添加することにより高Bsを得ており、Bを添加することにより高い硬度を得ている点で優れているが、しかし、より過酷な環境でも発銹しない耐食性に優れる垂直磁気記録媒体用軟磁性合金を得るには不十分である。また、特許文献2では、YやTiの添加により耐食性(耐候性)を改善しているが、しかし、これら添加元素はBsの低下幅が大きく、かつ大きな耐食性改善効果を得るには十分でない。
上述したような問題を解決するために、発明者らは軟磁性用アモルファス合金における耐食性とその他の特性に及ぼす種々の添加元素の影響について鋭意検討した。その結果、Ge,Ru,Rh,Pd,Re,Os,Ir,Ptを少量添加することにより、Bsを著しく低下させることなく、耐食性を大幅に改善できることを見出し、本発明に至った。
さらに、垂直磁気記録媒体に用いる軟磁性アモルファス薄膜において、従来よりTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wなどが耐食性改善元素と考えられてきたが、Ge,Ru,Rh,Pd,Re,Os,Ir,Ptの少量添加は、従来より用いられてきた元素に対し、Bsの下がり幅に対する耐食性改善効果が著しいことを新規に見出し、特に、耐食性に優れる垂直磁気記録媒体用軟磁性合金およびこの合金の薄膜を作製するためのスパッタリングターゲット材を提供することにある。
その発明の要旨とするところは、
(1)原子%で、Ge,Ru,Rh,Pd,Re,Os,Ir,Ptを1種以上、Sc,Y,ランタノイド(原子番号57〜71),Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Bを1種以上、残部Co,Feおよび不可避的不純物からなり、下記の式(1)〜(4)を全て満たすことを特徴とした、垂直磁気記録媒体における軟磁性膜層用合金。
(1)0.1%≦TCR≦10%
(2)5%≦TAM≦25%
(3)13%≦TCR/2+TAM+TNM≦25%
(4)0.2≦Fe%/(Fe%+Co%)≦0.80
ただし、
TCR=Ge%+Ru%+Rh%+Pd%+Re%+Os%+Ir%+Pt%
TAM=Sc%+Y%+ランタノイドの合計%+Ti%+Zr%+Hf%+V%+Nb%+Ta%+Mo%+W%+B%/2。
Bは、非晶質促進効果が他の元素の約2倍のため1/2で扱う。
TNM=C%+Al%+Si%+P%+Cr%+Mn%+Ni%/3+Cu%/3+Zn%+Ga%+Sn%
Ni,Cuは飽和磁束密度の低下が他の元素の約1/3であるため1/3で扱う。
(2)前記(1)に記載の軟磁性膜層用合金に、さらにC,Al,Si,P,Cr,Mn,Ni,Cu,Zn,Ga,Snを1種以上を含有させたことを特徴とする垂直磁気記録媒体における軟磁性膜層用合金。
(3)前記(1)または(2)に記載の軟磁性膜層用合金からなるスパッタリングターゲット材にある。
以上述べたように、本発明により、特に耐食性に優れる垂直磁気記録媒体用軟磁性合金、および、この合金の薄膜を作製するためのスパッタリングターゲット材を提供することが出来る極めて優れた効果を奏するものである。
Bsと溶出量に及ぼす添加元素の種類の影響について示す図である。 溶出量に及ぼす添加元素量の種類の影響について示す図である。 添加量と溶出量とBsとの関係を示す図である。
以下、本発明に係る成分組成の限定理由を述べる。
0.1%≦TCR≦10%
本発明におけるGe,Ru,Rh,Pd,Re,Os,Ir,Ptは、Bsを著しく低下することなく、耐食性を大幅に増加させる必須元素であり、その添加量の合計が0.1%未満では耐食性改善の効果が見られず、10%を超えると必要以上にBsを低下させてしまう。また、コスト高となってしまう。好ましくは0.5〜7%、より好ましくは1〜5%である。また、元素の種類としてはGe以外のものが好ましく、Ru,Rh,Ptがより好ましい。
5%≦TAM≦25%
本発明におけるSc,Y,ランタノイド(原子番号57〜71),Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Bは非晶質性を高めるための必須元素であり、その添加量の合計が5%未満では十分な非晶質性が得られず、25%を超えると必要以上にBsを低下させてしまう。好ましくは10〜23%、より好ましくは15〜20%である。
13%≦TCR/2+TAM+TNM≦25%
TCR,TAM,TNMに属する元素はいずれもBsを低下させる元素である。したがって、その合計量を規定する必要がある。TCR/2+TAM+TNMが13%未満ではBsが高すぎ、近年のディスクに必要とされる軟磁性膜のBsより大きくなってしまい、25%を超えると十分なBsが得られない。好ましくは15〜23%、より好ましくは17〜20%である。
0.2≦Fe%/(Fe%+Co%)≦0.80
本発明におけるCoおよびFeは強磁性を持たせるための必須元素であるが、Fe%/(Fe%+Co%)が0.80を超えるとキュリー点が著しく低下し、室温において十分なBsが得られない。好ましくは0.30〜0.70、より好ましくは0.40〜0.65である。
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
通常、垂直磁気記録媒体における軟磁性膜層は、その成分と同じ成分のスパッタリングターゲット材をスパッタし、ガラス基板などの上に成膜し得られる。ここでスパッタにより成膜された薄膜は急冷されている。これに対し、以下に示す実験AおよびBでは、供試材として、単ロール式の液体急冷装置にて作製した急冷薄帯を用いている。これは実際にスパッタにより急冷され成膜された薄膜の、成分による諸特性への影響を、簡易的に液体急冷薄帯により評価したものである。
次いで実験Cとして、実際にスパッタリングターゲット材を作製し、これをスパッタして作製した薄膜について評価した。
[急冷薄帯の作製条件]
所定の成分に秤量した30gの原料を直径10×長さ40mm程度の水冷銅鋳型にて減圧Ar中でアーク溶解し、急冷薄帯の溶解母材とした。急冷薄帯の作製条件は、単ロール方式で、直径15mmの石英管中にこの溶解母材にセットし、出湯ノズル径を1mmとし、雰囲気圧61kPa、噴霧差圧69kPa、銅ロール(直径300mm)の回転数3000rpm、銅ロールと出湯ノズルのギャップ0.3mmにて出湯した。出湯温度は各溶解母材の溶け落ち直後とした。このようにして作製した急冷薄帯を供試材とし、飽和磁束密度(以下Bsと記す)と非晶質性を評価した。なお、Bsを算出する際の試料の体積は、電子天秤で測定した重量と組成比から計算した平均比重より算出した。平均比重は、試料を構成する元素の純物質としての比重を組成比率で平均したものである。
[急冷薄帯のBs]
VSM装置(振動試料型磁力計)にて、印加磁場1200kA/mで室温のBsを測定した。
[急冷薄帯の非晶質性の評価]
通常、非晶質材料のX線回折パターンを測定すると、回折ピークが見られず、非晶質特有のハローパターンとなる。また、完全な非晶質でない場合は、回折ピークは見られるものの、結晶材料と比較しピーク高さが低くなり、かつ、ハローパターンも見られる。そこで、下記の方法にて非晶質性を評価した。
ガラス板に両面テープで供試材を貼り付け、X線回折装置にて回折パターンを得た。このとき、測定面は急冷薄帯の銅ロール接触面となるように供試材をガラス板に貼り付けた。X線源はCu−Kα線で、スキャンスピード4°/minで測定した。この回折パターンにハローパターンが確認できるものを○、全くハローパターンが見られないものを×として非晶質性の評価とした。
[急冷薄帯の耐食性の評価]
急冷薄帯を50mg秤量し、3質量%の硝酸溶液10mlに60min浸漬した。その後、FeおよびCoイオンの溶出量をICP法により測定した。なお溶出量の評価には、FeとCoの溶出イオンの合計量を試験した急冷薄帯の重量で除し、ppmに換算した値を用いた。
[スパッタリングターゲット材の作製]
所定の成分に秤量した5kgの母材を耐火物坩堝中で、減圧Ar下で誘導溶解した後、凝固させた。坩堝のサイズは、直径120mm、高さ150mmである。このインゴットの下部から、旋盤加工、ワイヤーカット加工、平面研磨加工にて、直径95mm、厚さ2mmのスパッタリングターゲット材を作製した。
[スパッタ膜の作製およびBs,非晶質性評価]
チャンバー内を1×10-4Pa以下に真空排気し、純度99.99%のArガスを0.6Pa投入しスパッタを行なった。薄膜は厚さ1mmのガラス基板上に500nmの厚さで生成させた。この薄膜試料について急冷薄帯と同様にBsおよび非晶質性を評価した。なお、Bsを算出する際の試料の体積は、薄膜試料の面積とTEM装置にて観察した薄膜厚さにより算出した。
[スパッタ膜の耐食性評価]
作製したスパッタ膜をガラス板ごと10×25mmに切り出し、10質量%の硝酸溶液10mlに60min浸漬した。その後、FeおよびCoイオンの溶出量をICP法により測定した。なお溶出量の評価には、FeとCoの溶出イオンの合計量を試験に用いた水溶液の容積で除し、mg/lに換算した値を用いた。
まず初めに、添加元素の種類によるBsおよび耐食性への影響を検討するため、(Co50Fe50)78−Zr8−B6−M8(M=添加元素)を基本組成とし、種々の添加元素を添加した急冷リボンを評価した(実験A)。次に、TCRに属する元素の代表としてGe,Ru,Pt,比較としてTi,Hf,Wを選択し、添加量を変化させた急冷リボンにより、Bsおよび耐食性に及ぼすこれら元素の添加量の影響について評価した(実験B)。最後に、種々の元素の影響を評価するため、スパッタ膜によりBs、耐食性、非晶質性を評価した(実験C)。
実験Aにおいては、(Co50Fe5078−Zr8−B6−M8(M=添加元素)を基本組成とした添加元素種類の影響(添加量一定での評価)を表1に示す。すなわち、表1は様々な元素を添加して急冷薄帯の諸特性について示す。なお、無添加の組成は(Co50Fe5086−Zr8−B6 であり、表1の成分のFe%/(Fe%+Co%)は全て0.50である。
また、表1におけるBsと溶出量をプロットした図を図1に示す。図1はBsと溶出量に及ぼす添加元素種類の影響(実験A)を示す。この図1より、溶出量が低く高い耐食性を有する添加元素のうち、Ru,Rh,Pd,Re,Os,Ir,Ptは比較的高いBsを確保できている。また、GeもTi,Hfと同程度の効果を示している。一方、V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wは溶出量が少ないが、Bs低下幅が大きい。さらに、そのほかの添加元素は耐食性改善の効果が小さい。なお、添加元素の添加量を一定としたこの実験Aでは、Ti,Hf添加がGe添加と同等の効果を得ているが、後述する添加量を変化させた実験BではGe添加ほどの効果が得られていないことから、Ti,Hf添加はTCRに属する元素から除外している。
次に、実験B(Co35Fe65(76-x)−Ta8−B8−Mn8−Mx(M=添加元素)を基本組成とした添加元素量の影響を表2に示す。この表2は添加元素の添加量を変化させた急冷薄帯の諸特性を示している。なお、無添加の組成は(Co35Fe6576−Ta8−B8−Mn8である。
表2における各種元素の添加量と溶出量の関係を図2に示す。TCRに属するGe,Ru,Ptはわずかな添加量においても耐食性改善の効果が高い。一方、これに属さないTi,Hf,Wは、添加量とともに耐食性が改善するが、比較的多量の添加が必要であることがわかる。さらに、図3に表2における結果のBsと溶出量のプロットを示す。図3のとおり、Ge,Ru,Ptを添加した組成は他の添加元素と比較し、高いBsと低い溶出量が得られている。
以上の実験A,BによりTCRに属する元素を添加した場合、その他の元素を添加した場合と比較し、Bsの低下幅を小さく抑制しながら、高い耐食性が得られることがわかった。次に、様々な組成において、TCRに属する元素を添加した組成と、添加していない組成で、スパッタリングターゲット材を作製し、これを用いたスパッタ薄膜の評価を実施した(実験C)。
実験Cは、種々の元素の影響を評価するため、スパッタ膜により、Bs、耐食性、非晶質性を評価した。表3に示すように、様々な組成におけるスパッタ膜の諸特性を示す。No.1〜7は本発明例であり、No.8〜13は比較例である。比較例No.8はTAMおよびTCR/2+TAM+TNMの値が低いためにBsが過度に高く、非晶質性に劣り、耐食性も悪い。比較例No.9はTAM、TCR/2+TAM+TNMの値が高いために、Bsが低い。
比較例No.10はTCR/2+TAM+TNMが低いためにBsが過度に高い。比較例No.11、12はFe含有量が高いために、Bsが低い。比較例No.13はTCRを含有しないために耐食性が劣ることが分かる。
これに対して、本発明例No.1〜7はいずれも条件を満足し、Bs、耐食性に優れて
いることが分かる。
以上述べたように、本発明により、低コストでしかもBsの低下を小さくしつつ、特に耐食性を大幅にアップすることを可能とした極めて優れた垂直磁気記録媒体における軟磁性膜層用合金、およびこの合金の薄膜を作製するためのスパッタリングターゲット材を提供するものである。


特許出願人 山陽特殊製鋼株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊

Claims (3)

  1. 原子%で、
    Ge,Ru,Rh,Pd,Re,Os,Ir,Ptを1種以上、Sc,Y,ランタノイド(原子番号57〜71),Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Bを1種以上、残部Co,Feおよび不可避的不純物からなり、下記の式(1)〜(4)を全て満たすことを特徴とした、垂直磁気記録媒体における軟磁性膜層用合金。
    (1)0.1%≦TCR≦10%
    (2)5%≦TAM≦25%
    (3)13%≦TCR/2+TAM+TNM≦25%
    (4)0.2≦Fe%/(Fe%+Co%)≦0.80
    ただし、
    TCR=Ge%+Ru%+Rh%+Pd%+Re%+Os%+Ir%+Pt%
    TAM=Sc%+Y%+ランタノイドの合計%+Ti%+Zr%+Hf%+V%+Nb%+Ta%+Mo%+W%+B%/2
    Bは、非晶質促進効果が他の元素の約2倍のため1/2で扱う。
    TNM=C%+Al%+Si%+P%+Cr%+Mn%+Ni%/3+Cu%/3+Zn+Ga%+Sn%
    Ni,Cuは飽和磁束密度の低下が他の元素の約1/3であるため1/3で扱う。
  2. 請求項1に記載の軟磁性膜層用合金に、さらにC,Al,Si,P,Cr,Mn,Ni,Cu,Zn,Ga,Snを1種以上を含有させたことを特徴とする垂直磁気記録媒体における軟磁性膜層用合金。
  3. 請求項1または2に記載の軟磁性膜層用合金からなるスパッタリングターゲット材。
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