JP2017082033A - 接着性樹脂組成物及び積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
このような積層体の製造に当たり、熱可塑性樹脂層と極性基を有する樹脂層との接着には、通常、ポリオレフィン系樹脂を無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性した変性ポリオレフィン系樹脂が用いられている。
成分(A):プロピレンに基づく単量体単位と、エチレン及びプロピレン以外のα−オレフィンのうち少なくとも一方に基づく単量体単位とを、重量比80:20〜95:5で含有するプロピレン系共重合体を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性した変性ポリプロピレン
成分(B):プロピレンに基づく単量体単位と、エチレン及びプロピレン以外のα−オレフィンのうち少なくとも一方に基づく単量体単位とを、重量比80:20〜97:3で含有するプロピレン系共重合体
成分(C):エチレンに基づく単量体単位と、α−オレフィンに基づく単量体単位とを、重量比60:40〜90:10で含有するエチレン・α−オレフィン共重合体
成分(D):ポリエチレン系樹脂
成分(E):ハイドロタルサイト系化合物
成分(A)の変性ポリプロピレンのMFRは、JIS−K7210に準拠し、180℃、荷重2.16kg、10分の条件で測定される。
成分(B)のプロピレン系共重合体(プロピレン系樹脂)、成分(C)のエチレン・α−オレフィン共重合体、積層体のポリプロピレン系樹脂層を構成するポリプロピレン系樹脂のMFRは、JIS−K7210に従い、温度230℃、荷重2.16kg、10分の条件で測定される。
成分(D)のポリエチレン系樹脂のMFRは、JIS−K7210に従い、温度190℃、荷重2.16kg、10分の条件で測定される。
JIS−K7112に従い、水中置換法で測定される。
JIS−K7171に従い、測定される。
成分(A)の変性ポリプロピレンのグラフト率(変性量)は、赤外分光測定装置で測定した際の、プロピレン系共重合体にグラフトした不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(以下、「不飽和カルボン酸成分」と称す場合がある。)の含有率を意味する。例えば、変性ポリプロピレンを厚さ100μm程度のシート状にプレス成形したサンプル中の不飽和カルボン酸成分特有の吸収、具体的には1,900〜1,600cm−1(C=O伸縮振動帯)のカルボニル特性吸収を測定することにより求めることができる。
接着性樹脂組成物中の不飽和カルボン酸成分の含有量は、接着性樹脂組成物について上記と同様にして測定した値であり、変性ポリプロピレンにグラフトされて接着性樹脂組成物中に含有される不飽和カルボン酸成分と、変性ポリプロピレンにグラフトされず、未反応不飽和カルボン酸成分として変性ポリプロピレンに含有されて接着性樹脂組成物に含まれる不飽和カルボン酸成分との合計をさす。
本発明の接着性樹脂組成物は、下記の成分(A)、(B)、及び(C)を含有し、これらの各成分の合計量に対し、成分(A)の含有量が1〜30重量%、成分(B)の含有量が40〜90重量%、成分(C)の含有量が1〜30重量%であることを特徴とする。
成分(A):プロピレンに基づく単量体単位(プロピレン単位)と、エチレン及びプロピレン以外のα−オレフィンのうち少なくとも一方に基づく単量体単位(エチレン/α−オレフィン単位)とを、重量比80:20〜95:5で含有するプロピレン系共重合体を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(不飽和カルボン酸成分)で変性した変性ポリプロピレン
成分(B):プロピレンに基づく単量体単位(プロピレン単位)と、エチレン及びプロピレン以外のα−オレフィンのうち少なくとも一方に基づく単量体単位(エチレン/α−オレフィン単位)とを、重量比80:20〜97:3で含有するプロピレン系共重合体
成分(C):エチレンに基づく単量体単位(エチレン単位)と、α−オレフィンに基づく単量体単位(α−オレフィン単位)とを、重量比60:40〜90:10で含有するエチレン・α−オレフィン共重合体
成分(A)の変性ポリプロピレンは、プロピレン単位と、エチレン単位及びプロピレン以外のα−オレフィン単位のうち少なくとも一方とを含有するプロピレン系共重合体を不飽和カルボン酸成分で変性したものであり、不飽和カルボン酸成分で変性されるプロピレン系共重合体には、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・プロピレン以外のα−オレフィン共重合体、及びプロピレン・エチレン・プロピレン以外のα−オレフィン共重合体が含まれる。ここで、プロピレン以外のα−オレフィンは限定されないが、例えば、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数4〜10程度のα−オレフィンの1種又は2種以上が挙げられる。
プロピレン系共重合体の各単位の含有量は好ましくはプロピレン単位:エチレン/α−オレフィン単位=83:17〜94:6(重量比)、より好ましくは88:12〜93:7(重量比)である。すなわちプロピレン単位とエチレン/α−オレフィン単位との合計を100重量%として、好ましくは、プロピレン単位83〜94重量%、エチレン/α−オレフィン単位17〜6重量%であり、より好ましくはプロピレン単位88〜93重量%、エチレン/α−オレフィン単位12〜7重量%である。
これらの不飽和カルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。更には、ビニルトリメトキシシランなどのいわゆるビニルシラン類などを不飽和カルボン酸成分とともに併用することもできる。
MFRが上記下限以上であるとその他樹脂との溶融混練の際、混練不足による異物を発生させることなく、成形した際に外観が良好な接着性樹脂組成物が得られ、上記上限以下であると極性基を有する樹脂層との層関接着力を十分保つことができるために好ましい。
曲げ弾性率が上記下限以上であると製造時のカッティング性が良く、ペレット状で生産することが可能であり、上記上限以下であるとその柔軟性により極性基を有する樹脂層との層関接着力が良好となるために好ましい。
成分(B)のプロピレン系共重合体は、プロピレン単位と、エチレン単位及びプロピレン以外のα−オレフィン単位のうち少なくとも一方とを含有する共重合体であり、プロピレン系共重合体には、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・プロピレン以外のα−オレフィン共重合体、及びプロピレン・エチレン・プロピレン以外のα−オレフィン共重合体が含まれる。ここで、プロピレン以外のα−オレフィンは限定されないが、例えば、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数4〜10程度のα−オレフィンの1種又は2種以上が挙げられる。
プロピレン系共重合体の各単位の含有量は好ましくはプロピレン単位:エチレン/α−オレフィン単位=84:16〜96:4(重量比)、より好ましくは88:12〜95:5(重量比)である。すなわちプロピレン単位とエチレン/α−オレフィン単位との合計を100重量%として、好ましくは、プロピレン単位84〜96重量%、エチレン/α−オレフィン単位16〜4重量%であり、より好ましくは、プロピレン単位88〜95重量%、エチレン/α−オレフィン単位12〜5重量%である。
なお、プロピレン系共重合体が、前述のその他の単量体単位を含有する場合、プロピレン系共重合体中のその他の単量体単位の含有量は、30重量%以下、特に0〜10重量%であることが好ましい。
曲げ弾性率が上記下限以上であると成形品の耐熱性の観点から好ましく、上記上限以下であるとその柔軟性により加工時における極性基を有する樹脂層との層関接着力の低下を抑制できる点で好ましい。
これらの成分(B)は、1種を用いてもよく、エチレン含量や物性等の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。特に、流動性の異なるものを混合して用いることで、接着性樹脂組成物を所望の流動性に設計することができるために好ましい。
成分(C)のエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレン単位とα−オレフィン単位とを、重量比で、エチレン単位:α−オレフィン単位=60:40〜90:10で含有するものである。すなわち、エチレン単位の含有量とα−オレフィン単位の含有量との合計を100重量%としたときに、エチレン単位の含有量が60〜90重量%、α−オレフィン単位の含有量が10〜40重量%である。
成分(C)のエチレン・α−オレフィン共重合体におけるエチレンとα−オレフィンとの共重合比率は、エチレン単位の含有量とα−オレフィン単位の含有量との合計を100重量%として、好ましくは、エチレン含量70〜80重量%、α−オレフィン含量20〜30重量%である。
エチレン含量が上記上限値を超える場合は、成分(A)又は成分(B)に基づくポリプロピレン系樹脂との親和性が低くなることで樹脂組成物の微分散性が不十分になるため好ましくない。また、エチレン含量が上記下限値未満の場合は、後述の成分(D)との親和性が低下し、同様に樹脂組成物の微分散性が不十分になるため好ましくない。
MFRが上記下限以上であるとその他の樹脂との溶融混練の際、混練不足による異物の発生がなく、成形した際に外観良好な接着性樹脂組成物を得易く、また、上記上限以下であると、成分(C)が配向することなく微分散性が保たれるために好ましい。
成分(C)はエチレン・ビニルアルコール共重合体等の極性基を有する樹脂に対する接着性能を補強すると共に成形時の歪を緩和し、層間接着力を向上させる効果を発現する成分であるが、その含有量が少な過ぎると上記効果を十分に得ることができず、多過ぎると成形品の耐熱性が損なわれ、また、相対的に他の成分の含有量が少なくなって、他の樹脂との相溶性等が損なわれる。以上の観点から、成分(C)の含有量は、前述の成分(A)及び成分(B)と成分(C)との合計量に対して好ましくは5重量%以上、より好ましくは8重量%以上であり、好ましくは25重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。
本発明の接着性樹脂組成物は、上記成分(A)〜(C)に加えて、更に成分(D)としてポリエチレン系樹脂を含有してもよい。本発明において成分(D)のポリエチレン系樹脂は、エチレン単独重合体又はエチレン以外の単量体単位が10重量%未満であるエチレン系共重合体である。
本発明の接着性樹脂組成物は、更に成分(E)としてハイドロタルサイト系化合物を含有してもよい。
M2+ 1−XAlX(OH)2(An−)X/n・mH2O ・・・(I)
本発明の接着性樹脂組成物には、上記の各成分に加え、本発明の効果を著しく損なわない範囲で各種目的に応じ他の任意の添加剤や樹脂等(以下、これらを「その他の成分」と称す。)を配合することができる。その他の成分は、1種類のみを用いても、2種類以上を任意の組合せと比率で併用してもよい。
熱安定剤及び酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物等が挙げられる。
本発明の接着性樹脂組成物は、樹脂組成物中の不飽和カルボン酸成分(不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体)の含有量が、0.01重量%以上、特に0.05重量%以上、とりわけ0.07重量%以上で、一方、5重量%以下、特に4重量%以下、とりわけ3重量%以下であることが好ましい。樹脂組成物中の不飽和カルボン酸の含有量が前記下限値より少ないと、接着性能が低下する傾向にある。また、該含有量が前記上限値より多いと熱安定性が低下するほか、他の材料との相溶性が低下する傾向にある。
接着性樹脂組成物中の不飽和カルボン酸成分の含有量の測定方法は前述の通りであるが、成分(A)のグラフト率と樹脂組成物中の成分(A)の含有量とから計算により求めることもできる。
本発明の接着性樹脂組成物は、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)と、必要に応じて用いられる成分(D)、成分(E)、及びその他の成分を、タンブラーブレンダー、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等により均一に混合した後、単軸又は二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等により溶融混練することにより製造することができる。
本発明の積層体は、本発明の接着性樹脂組成物からなる接着層を含むポリプロピレン系樹脂層とその他の熱可塑性樹脂からなる層とを有するものであり、その他の熱可塑性樹脂としてはエチレン・ビニルアルコール共重合体等の極性基を有する樹脂等が挙げられる。
本発明の積層体における本発明の接着性樹脂組成物からなる接着層の厚みとしては限定されるものではなく、用途や被接着層の種類等に応じて適宜決定されるが、通常1〜100μmの範囲であることが好ましく、更には2〜50μmの範囲であることが好ましく、特に3〜20μmの範囲であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂層は、本発明の接着性樹脂組成物からなる接着層のみからなるものであってもよく、その他のポリプロピレン系樹脂層との積層構造であってもよい。
極性基を有する樹脂とは、分子内に1価又は2価の極性基を有する樹脂である。1価又は2価の極性基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルキルエステル基、イソシアネート基、グリシジル基等の1価の官能基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、エーテル結合、カルボニル結合等を形成する2価の官能基等が挙げられる。
本発明の積層体は、少なくとも熱可塑性樹脂層と本発明の接着性樹脂組成物からなる層を含む積層構造を有するものであるが、更にその他の層が積層されていてもよい。
その他の層としては特に制限されることはない。例えば、ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン(GPPS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリルグラフト共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂等からなる樹脂層や、プロピレン系樹脂以外のオレフィン系重合体、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂等のアクリル/メタクリル系樹脂などのその他の熱可塑性樹脂層などが挙げられる。
本発明の積層体としては、例えば、極性基を有する樹脂層の両面に接着性樹脂組成物層を介してポリプロピレン系樹脂層を積層してなる5層の積層体、即ち、ポリプロピレン系樹脂層/本発明の接着性樹脂組成物層/極性基を有する樹脂層/本発明の接着性樹脂組成物層/ポリプロピレン系樹脂層の層構造を有するものが挙げられる。この場合、2つのポリプロピレン系樹脂層は同一のポリプロピレン系樹脂よりなるものであってもよく、異なるポリプロピレン系樹脂よりなるものであってもよい。
本発明の積層体が多層シートである場合、その総厚みは200〜5,000μmであることが好ましい。また、本発明の積層体が多層フィルムである場合、その総厚みは30〜200μmであることが好ましい。
本発明の積層体を製造する方法(以下、「一次加工」と称す場合がある。)としては、従来より公知の種々の手法を採用することができる。例えば、押出機で溶融させた個々の溶融樹脂を多層ダイスに供給し、ダイスの中で積層する共押出し手法によるインフレーション成形、T−ダイ成形によるフィルム成形もしくはシート成形、ブロー成形による容器成形、溶融した個々の樹脂を同一金型内にタイムラグを付けてインジェクションする共インジェクション成形がある。また、被着材に対し単体又は他樹脂との共押出しによる押出しラミネーション、あるいは押出しラミネーションの際、積層前に被着材をコロナ放電処理や火炎処理を行い、積層直前に被着材及び本発明の接着性樹脂組成物の接着面をオゾン処理する手法も用いられる。さらに、単体又は他樹脂との共押出しにより得られた本発明の接着性樹脂組成物フィルムと被着材フィルムとの熱ラミネート、ヒートシール等による積層法を用いることもできる。
本発明の積層体である多層フィルムや多層シートから多層容器等を製造する方法(以下、「二次加工」と称す場合がある。)としては、従来より公知の種々の手法を採用することができる。例えば、上記一次加工により製造した積層体である多層フィルムや多層シートを加熱し、金型内で圧縮空気等のみにより成形する圧空成形、上記一次加工により製造した積層体である多層フィルムや多層シートを加熱軟化して型に密着させ、型に設けられた排気口から空気を排出させて、成形体を型に密着させ、その後これを冷却することにより二次加工成形する真空成形、真空引きする面と反対面を圧空で賦形させる真空圧空成形、プラグと圧縮空気を併用するSPPF成形等によるカップ等の容器成形、共インジェクション成形品を更に延伸成形するカップ、ボトル等の容器成形がある。
SPPF成形では、積層体である多層シートの主層(熱可塑性樹脂層)を構成する樹脂の融解ピーク温度以下で行う際、好ましくは、融解ピーク温度との差が5〜30℃の範囲になるような温度で加熱をすることにより主層を軟化させ、次に、アシストプラグを押し下げることにより、多層シートを容器状に予備賦形し、引き続き、該予備賦形部分に対して、空気圧を付加して該多層シートを金型キャビティ表面に密着させることにより熱成形体を成形することができる。該成形により得られた容器は剛性、衝撃強度に優れたものとなる。
本発明の接着性樹脂組成物は、極性基を有する樹脂や、特に、エチレン・ビニルアルコール共重合体に対して優れた接着強度特性を示し、二次加工後においても高い層間接着強度を維持する。このため、このような本発明の接着性樹脂組成物を接着層とする本発明の積層体は、優れた接着強度特性を示し、更に強度、耐熱性及びガスバリア性等にも優れたものとすることができる。従って、本発明の積層体及びこの積層体から製造される多層容器は、食用油のボトルやハム等の畜肉包装フィルム、ゼリーカップや米飯トレーなどの一般食品包装用材料、意匠包装やラベル等に好適に使用することができる。
特に好ましいのは、低温で二次加工を行うSPPF成形により作製されるゼリーカップや米飯トレーなどの一般食品包装材料に使用される用途である。
・A−1:無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン
エクソンモービル・ケミカル社製 製品名Vistamaxx(登録商標)3020FL(エチレン含量:11重量%、プロピレン含量:89重量%のプロピレン系共重合体)を無水マレイン酸によりグラフト変性して得られたもの
グラフト率:0.6重量%
MFR(180℃、荷重2.16kg(直径1mmφ、長さ8mmのオリフィスを使用して測定した値):0.7g/10分(直径2mmφのオリフィスで測定した場合の11.2g/10分に相当)
曲げ弾性率:47MPa
市販のポリプロピレン単独重合体を無水マレイン酸によりグラフト変性して得られたもの
グラフト率:2.3重量%
MFR(180℃、荷重2.16kg(直径1mmφ、長さ8mmのオリフィスを使用して測定した値):500g/10分(直径2mmφのオリフィスで測定した場合の8,000g/10分に相当)
曲げ弾性率:1,500MPa
・a−2(比較例用):無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン
市販のポリプロピレン単独重合体を無水マレイン酸によりグラフト変性して得られたもの
グラフト率:1.5重量%
MFR(180℃、荷重2.16kg(直径1mmφ、長さ8mmのオリフィスを使用して測定した値):150g/10分(直径2mmφのオリフィスで測定した場合の2,400g/10分に相当)
曲げ弾性率:1,500MPa
・B−1:ポリプロピレン
日本ポリプロ社製 製品名ニューコン(登録商標)NLE3300P
プロピレン・エチレン・ブテン共重合体
エチレン含量:4.4重量%
ブテン含量:0.6重量%
MFR(230℃、荷重2.16kg):3.5g/10分
密度:0.89g/cm3
曲げ弾性率:600MPa
・B−2:ポリプロピレン
日本ポリプロ社製、製品名ニューコン(登録商標)NLB340G
プロピレン・エチレン・ブテン共重合体
エチレン含量:5.3重量%
ブテン含量:0.8重量%
MFR(230℃、荷重2.16kg):3.6g/10分
密度:0.89g/cm3
曲げ弾性率:550MPa
日本ポリプロ社製 製品名ノバテック(登録商標)EG7F
プロピレン・エチレン共重合体
エチレン含量:3.3重量%
MFR(230℃、荷重2.16kg):1.3g/10分
密度:0.90g/cm3
曲げ弾性率:1,050MPa
・b−2(比較例用):ポリプロピレン
日本ポリプロ社製 製品名ノバテック(登録商標)FW4B
プロピレン・エチレン・ブテン共重合体
エチレン含量:3.3重量%
ブテン含量:1.3重量%
MFR(230℃、荷重2.16kg):7.0g/10分
密度:0.90g/cm3
曲げ弾性率:850MPa
・C−1:エチレン・プロピレン共重合体
三井化学社製 製品名タフマー(登録商標)P0775
プロピレン含量:27重量%
MFR(230℃、荷重2.16kg):0.6g/10分
密度:0.86g/cm3
・D−1:エチレン・ブテン共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)
SABIC社製 製品名QAMAR FD18NJ
ブテン含量:7.2重量%
MFR(190℃、荷重2.16kg):2.0g/10分
密度:0.92g/cm3
・E−1:ハイドロタルサイト系化合物
共和化学工業社製 製品名DHT−4A(Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O)
<実施例1>
A−1を12重量部、B−1を20重量部、B−2を38重量部、C−1を10重量部、D−1を20重量部、E−1を0.1重量部として事前にドライブレンドにより混合し、単軸押出機PMS50−32(1V)(D=50mmφ、L/D=32、IKG(株)製)を用い、温度230℃、スクリュー回転数60rpm、押出量20kg/hで溶融混練し、紐状に押し出し、冷却後カッティングしてペレット状の接着性樹脂組成物を得た。
原料及びその配合割合を表−1の通りとした以外は実施例1と同様にしてペレット状の接着性樹脂組成物を得た。
<多層シートの成形>
上記実施例1及び比較例1〜3で得られたペレットをそれぞれ接着材として用い、株式会社プラ技研製、6種11層共押出多層シート成形機にて、5層構成の多層シート(積層体)を成形した。
日本ポリプロ社製 製品名ポリプロピレンEA6A プロピレン単独重合体
MFR(230℃、2.16kg):1.9g/10分
(エチレン・ビニルアルコール共重合体)
クラレ社製 製品名エバール(登録商標)J171B
エチレン含量:32モル%
上記で得られた多層シートを、ILLIG社製カップ成形機RDM−50Kを用い、成形温度は355℃(表面温度150℃)、成形速度は14個/分、L/D=0.75(浅絞り容器を想定)及びL/D=1.03(深絞り容器を想定)に設定し、それぞれ多層カップを成形した。
上記で得られた多層カップをそれぞれ幅10mmの短冊状に切り出して試験片とし、23℃の雰囲気下、速度100mm/分にてT−ピール剥離試験を行った。結果を表−1に示す。浅絞り及び深絞りのいずれの場合でも3.0N/10mm幅以上であることが好ましい。
これに対して、成分(A)の変性ポリプロピレンがエチレン単位を含まない比較例1,2や、成分(B)のプロピレン含量が多い比較例3では層間接着強度が実施例1に比べて低い。
なお、比較例1,2は変性ポリプロピレンの配合量が実施例1よりも少ないが、樹脂組成物中の不飽和カルボン酸の含有量としてはほぼ同等となっている。
Claims (14)
- 下記の成分(A)、(B)、及び(C)を含有し、これらの各成分の合計量に対し、成分(A)の含有量が1〜30重量%、成分(B)の含有量が40〜90重量%、成分(C)の含有量が1〜30重量%である接着性樹脂組成物。
成分(A):プロピレンに基づく単量体単位と、エチレン及びプロピレン以外のα−オレフィンのうち少なくとも一方に基づく単量体単位とを、重量比80:20〜95:5で含有するプロピレン系共重合体を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性した変性ポリプロピレン
成分(B):プロピレンに基づく単量体単位と、エチレン及びプロピレン以外のα−オレフィンのうち少なくとも一方に基づく単量体単位とを、重量比80:20〜97:3で含有するプロピレン系共重合体
成分(C):エチレンに基づく単量体単位と、α−オレフィンに基づく単量体単位とを、重量比60:40〜90:10で含有するエチレン・α−オレフィン共重合体 - 更に、下記成分(D)を含有し、かつその含有量が成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量に対し、1〜30重量%である、請求項1に記載の接着性樹脂組成物。
成分(D):ポリエチレン系樹脂 - 更に、下記成分(E)を含有し、かつその含有量が成分(A)、(B)及び(C)の合計或いは成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100重量部に対し、0.01〜5重量部である、請求項1又は2に記載の接着性樹脂組成物。
成分(E):ハイドロタルサイト系化合物 - 成分(A)のプロピレン系共重合体がプロピレン・エチレン共重合体であり、かつそのエチレンに基づく単量体単位の含有量が5〜20重量%である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の接着性樹脂組成物。
- 成分(A)の曲げ弾性率が1〜100MPaである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の接着性樹脂組成物。
- 成分(B)の曲げ弾性率が1〜700MPaである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の接着性樹脂組成物。
- 成分(C)においてα−オレフィンの炭素数が3〜8である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の接着性樹脂組成物。
- 成分(D)が直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の接着性樹脂組成物。
- 接着性樹脂組成物中の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の含有量が0.01〜5重量%である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の接着性樹脂組成物。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の接着性樹脂組成物からなる層を含むポリプロピレン系樹脂層とその他の熱可塑性樹脂からなる層とを有する積層体。
- その他の熱可塑性樹脂がエチレン・ビニルアルコール共重合体及び/又はポリアミド系樹脂である、請求項10に記載の積層体。
- 請求項10又は11に記載の積層体を成形してなる成形体。
- 固相圧空成形してなる、請求項12に記載の成形体。
- 請求項12又は13に記載の成形体からなる食品用包装材。
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