JP2018154683A - 多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018154683A JP2018154683A JP2017050975A JP2017050975A JP2018154683A JP 2018154683 A JP2018154683 A JP 2018154683A JP 2017050975 A JP2017050975 A JP 2017050975A JP 2017050975 A JP2017050975 A JP 2017050975A JP 2018154683 A JP2018154683 A JP 2018154683A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- propylene
- resin
- mass
- ethylene
- multilayer stretched
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Wrappers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
Description
(A−i)プロピレン系樹脂を、溶媒の存在下、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和シラン化合物、及び不飽和エポキシ化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物でグラフト変性した変性ポリプロピレンである。
(A−ii)グラフト量が0.01〜10質量%の範囲である。
(B−i)融解熱量が0〜50mJ/mgの範囲である。
(B−ii)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg)が0.5〜75g/10分の範囲である。
(B−iii)プロピレン単位の含有量が65〜90質量%の範囲で、コモノマー単位の含有量が10〜35質量%の範囲のプロピレン系共重合体である。
(B−iv)コモノマーがエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−ノネンからなる群から選択される少なくとも1種である。
(C−i)融解熱量が50mJ/mgを超え150mJ/mg以下の範囲である。
(C−ii)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg)が0.5〜20g/10分の範囲である。
(D−i)密度が0.850〜0.910g/cm3の範囲である。
(D−ii)融解ピーク温度が、観測されない、もしくは100℃以下である。
(D−iii)メルトフローレート(MFR:190℃、2.16kg)が0.1〜75g/10分の範囲である。
なお、本発明において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
変性プロピレン系樹脂(A)のグラフト変性前のプロピレン系樹脂、低融解熱量プロピレン系樹脂(B)、プロピレン系樹脂(C)のMFRは、ISO 1133:1997 Conditions Mに準拠して、温度230℃、荷重2.16kg、10分の条件で測定される。エチレン系エラストマー(D)の低密度ポリエチレンのMFRは、ISO 1133:1997 Conditions Mに準拠して、温度190℃、荷重2.16kg、10分の条件で測定される。変性プロピレン系樹脂(A)のMFRは、オリフィス径1mmを用いて、温度180℃、荷重2.16kg、10分の条件で測定される。
JIS K7112に準拠して、水中置換法で測定される。
示差操作熱量計(DSC)を用い、一旦200℃まで温度を上げて熱履歴を消去した後、10℃/分の降温速度で−10℃まで温度を降下させ、再び昇温速度10℃/分にて昇温して測定した際の、吸熱ピークトップの温度を融解ピーク温度とした。このとき、吸熱ピークトップがないものを融解ピーク温度が測定されないとした。単位は℃である。
また、融解熱量は、20℃から180℃までの吸熱ピークの積分値を求めた。単位はmJ/mgである。
本発明の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物(以下、「本発明の樹脂組成物」と称す場合がある。)は、特定の変性プロピレン系樹脂(A)および特定の低融解熱量プロプレン系樹脂(B)を必須とし、好ましくはさらに低融解熱量プロピレン系樹脂(B)よりも融解熱量の大きいプロピレン系樹脂(C)と、エチレン系エラストマー(D)を含む。
変性プロピレン系樹脂(A)はポリアミド層、エチレンビニルアルコール層、ポリエステル層といったバリア層との接着に必須な成分であり、変性プロピレン系樹脂(A)の極性基と上述のバリア層樹脂の極性基との相互作用により、接着性を発現するものである。
即ち、延伸前はバリア層を構成するバリア樹脂の極性基と接着層を構成する樹脂組成物中の変性プロピレン系樹脂(A)の極性基の相互作用で、変性プロピレン系樹脂(A)とバリア樹脂の疑似的なグラフト共重合体が生成し、それにより接着強度が発現されていると推定されるが、延伸によって、その疑似的なグラフト共重合体も引き伸ばされ、相互作用点が離れることで、接着強度が低下すると推定される。
本発明の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物では、低融解熱量プロピレン系樹脂(B)が多量の非晶成分を有することにより、上記の疑似的なグラフト共重合体を引き伸ばされにくくするか、もしくは、引き伸ばされても緩和する働きにより、延伸後の接着強度が保持されると推定される。
なお、上記のメカニズムは、低融解熱量樹脂が接着に寄与する変性樹脂と相溶することで発現するため、変性樹脂がプロピレン系樹脂の場合、低融解熱量樹脂もプロピレン系樹脂であることが必要である。
変性プロピレン系樹脂(A)は、下記条件(A−i)〜(A−ii)を満たすものであり、1種を単独で用いてもよく後述の原料プロピレン系樹脂のコモノマー組成や変性剤の種類、グラフト量、その他の物性等の異なる2種以上を混合して用いてもよい。
(A−i)プロピレン系樹脂(以下、「原料プロピレン系樹脂」と称す場合がある。)を、溶媒の存在下、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和シラン化合物、及び不飽和エポキシ化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物でグラフト変性した変性ポリプロピレンである。
(A−ii)グラフト量が0.01〜10質量%の範囲である。
変性プロピレン系樹脂(A)の原料として用いるプロピレン系樹脂は、プロピレン単量体単位を主成分とする樹脂であれば限定されないが、通常、プロピレン単位を50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含有する重合体である。
原料プロピレン系樹脂を変性するための変性剤としては、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和シラン化合物、および不飽和エポキシ化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を用いる。
変性プロピレン系樹脂(A)を得るための変性は、溶媒の存在下で行う必要がある(以下、溶媒の存在下で行う変性方法を「溶液変性」と称す場合がある。)。変性方法として溶液変性法を用いれば、樹脂中に残留する未反応の変性剤やラジカル発生剤の量を低減することが可能となる。また、後述する溶媒の種類や変性時の濃度、反応温度や反応時間を最適化することによって、高いグラフト量で変性することが可能となる。更には、原料プロピレン系樹脂のMFRに対し、変性によって得られる変性プロピレン系樹脂(A)のMFRの上昇(分子量の低下)を抑制することができる。また反対に、MFRの高い(低分子量)グラフト体を得るための制御も容易となる。
変性プロピレン系樹脂(A)のグラフト量(変性剤による変性量)は0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、一方、10質量%以下、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。変性プロピレン系樹脂(A)におけるグラフト量が前記下限値未満の場合は、本発明の樹脂組成物と他の樹脂との接着強度が十分に得られない傾向にある。また、グラフト量が前記上限値を超える場合は、グラフト反応の際にゲル化、着色、樹脂の劣化等を引き起こす場合があり、変性プロピレン系樹脂(A)の製造が実用上困難である。
本発明で用いる変性プロピレン系樹脂(A)は、溶液変性法により製造されることから、原料プロピレン系樹脂と化学結合していない変性剤やオリゴマー等の副生成物が少ないため、各種樹脂に対し高い接着力を示し、且つ、成形加工時に排煙が少なく環境負荷を低減させることができる。このため、これを含む本発明の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物は、多層延伸フィルムにおける接着層として好適に用いることができる。さらには、未反応成分やオリゴマー成分が少なく、接着強度が高く、未反応成分に起因する臭気や着色を低減した多層延伸フィルムとすることができるため、医療用や食品用の包装体の接着層として好適に用いることができる。
また、未反応成分やオリゴマー成分が少ないため、接着強度の経時変化が小さく、産業資材に適した接着層として好適に用いることができる。
なお、未反応変性剤の含有量の下限は限定されず、含有しない(0重量ppm)ことが望ましいが、0ppmとするためには洗浄や抽出などの方法で過度の低減処理を施す必要性が生じるため、通常0.001重量ppm以上、好ましくは0.01重量ppm以上である。
変性プロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(MFR:180℃、2.16kg、オリフィス径1mm)は限定されないが、その下限は、通常1g/10分以上、好ましくは10g/分以上、より好ましくは5g/分以上、更に好ましくは10g/分以上であり、その上限は、通常1000g/10分以下、好ましくは900g/10分以下、より好ましくは800g/10分以下、更に好ましくは700g/10分以下である。MFRが上記下限値未満であると、プロピレン系樹脂中での分散に乏しくなり、接着強度が低下する懸念がある。上記上限値を超える場合は、機械的強度が低下する懸念がある。
変性プロピレン系樹脂(A)の密度は、上記と同様の理由により、好ましくは0.87g/cm3以上であり、また、好ましくは0.89g/cm3以下である。
低融解熱量プロピレン系樹脂(B)は、下記条件(B−i)〜(B−iv)を満たすものであり、1種を単独で用いてもよく、コモノマーの種類やコモノマー単位の含有量、融解熱量、MFR等の物性の異なるものの2種以上を混合して用いてもよい。
(B−i)融解熱量が0〜50mJ/mgの範囲である。
(B−ii)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg)が0.5〜75g/10分の範囲である。
(B−iii)プロピレン単位の含有量が65〜90質量%の範囲で、コモノマー単位の含有量が10〜35質量%の範囲のプロピレン系共重合体である。
(B−iv)コモノマーがエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−ノネンからなる群から選択される少なくとも1種である。
プロピレン単位の含有量が上記上限を超える場合は、低融解熱量を保持することが困難となり、延伸で引き伸ばされた状態の緩和効果が弱くなるため好ましくない。また、プロピレン単位の含有量が上記下限未満の場合は、海相のプロピレン系樹脂と相分離してしまい、海相の緩和効果が得られなくなるため好ましくない。
プロピレン系樹脂(C)は、下記条件(C−i)〜(C−ii)を満たすものであり、1種を単独で用いてもよく、コモノマーの種類やコモノマー単位の含有量、融解熱量、MFR等の物性の異なるものの2種以上を混合して用いてもよい。
(C−i)融解熱量が51mJ/mgを超え150mJ/mg以下の範囲である。
(C−ii)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg)が0.5〜20g/10分の範囲である。
プロピレン系樹脂(C)の融解熱量は好ましくは55〜145mJ/mg、より好ましくは60〜140mJ/mgである。
エチレン系エラストマー(D)は、下記条件(D−i)〜(D−iii)を満たすものであり、1種を単独で用いてもよく、コモノマー組成や物性等の異なるものの2種以上を混合して用いてもよい。
(D−i)密度が0.850〜0.910g/cm3の範囲である。
(D−ii)融解ピーク温度が、観測されない、もしくは100℃以下である。
(D−iii)メルトフローレート(MFR:190℃、2.16kg)が0.1〜75g/10分の範囲である。
本発明の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物は、変性プロピレン系樹脂(A)及び低融解熱量プロピレン系樹脂(B)、好ましくは更にプロピレン系樹脂(C)及びエチレン系エラストマー(D)を含むものであり、前述の各成分の配合による作用効果をより確実に得る上で、多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物100質量%中に、変性プロピレン系樹脂(A)を1〜15質量%、低融解熱量プロピレン系樹脂(B)を10〜50質量%、プロピレン系樹脂(C)を20〜84質量%、エチレン系エラストマー(D)を5〜15質量%含むことが好ましく、変性プロピレン系樹脂(A)を2〜14質量%、低融解熱量プロピレン系樹脂(B)を11〜49質量%、プロピレン系樹脂(C)を21〜83質量%、エチレン系エラストマー(D)を6〜14質量%含むことがより好ましく、変性プロピレン系樹脂(A)を3〜13質量%、低融解熱量プロピレン系樹脂(B)を12〜48質量%、プロピレン系樹脂(C)を22〜82質量%、エチレン系エラストマー(D)を7〜13質量%含むことが特に好ましい。
本発明の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物には、本発明の効果を著しく妨げない範囲で、上述の変性プロピレン系樹脂(A)、低融解熱量プロピレン系樹脂(B)、プロピレン系樹脂(C)、エチレン系エラストマー(D)以外に添加剤や樹脂等(以下、その他の成分という場合がある)を配合することができる。その他の成分は、1種類のみを用いても、2種類以上を任意の組合せと比率で併用してもよい。
前記ロジン樹脂とはアビエチン酸を主成分とする天然樹脂であり、例えば、天然ロジン、天然ロジンから誘導される重合ロジン、天然ロジンや重合ロジンを不均化又は水素添加して得られる安定化ロジン、天然ロジンや重合ロジンに不飽和カルボン酸類を付加して得られる不飽和酸変性ロジン、天然ロジンエステル、変性ロジンエステル、重合ロジンエステル等が挙げられる。
前記テルペン樹脂としては、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等の芳香族テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂およびそれらの水素添加物が挙げられる。
本発明の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物は、上述の各成分を所定の割合で混合することにより得ることができる。
混合の方法については、原料成分が均一に分散すれば特に制限は無い。すなわち、上述の各原料成分等を同時に又は任意の順序で混合することにより、各成分が均一に分散した組成物を得る。
より均一な混合・分散のためには、所定量の上記原料成分を溶融混合することが好ましく、例えば、本発明の樹脂組成物の各原料成分等を任意の順序で混合してから加熱したり、全原料成分等を順次溶融させながら混合してもよいし、各原料成分等の混合物をペレット化したり目的成形品を製造する際の成形時に溶融混合してもよい。
本発明の多層延伸フィルムは、本発明の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物を接着樹脂として用いたものであり、本発明の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物からなる接着層と、該接着層の一方の面に積層されたポリプロピレン層と、他方の面に積層されたポリアミド層、エチレンビニルアルコール層、又はポリエステル層を有するものである。
本発明の包装体は、透明性に優れ、また、延伸後においても、接着層による基材層とバリア層との接着性を十分に維持し得るものであり、清涼飲料や果実飲料等の飲料、ハム・ソーセージ、嗜好食品、食用油、その他の食品、医療・医薬品、化粧品等の包装体として好適に用いることができる。
なお、変性プロピレン系樹脂(A)のグラフト量は、赤外線吸収スペクトル法を用い、樹脂中のカルボン酸またはその誘導体特有の吸収として、1900〜1600cm−1(C=O伸縮振動帯)のカルボニル特性吸収を測定することによって確認した。
以下の方法で製造した変性プロピレン系樹脂(A−1)を用いた。
クロロベンゼン6Lに、プロピレン単独重合体(密度0.90g/cm3、MFR(230℃、2.16kg)10g/10分)のパウダー5kg、無水マレイン酸500gを130℃で溶解させた。次いで、この溶液にジクミルペルオキシドのクロロベンゼン溶液(200g/400L)を加えた。さらに130℃で8時間反応を続け、次いで40℃まで冷却し、樹脂を析出させた。析出させた樹脂をろ過し、さらにアセトンで繰り返し洗浄し、90℃で減圧乾燥してグラフト量2.5質量%の変性プロピレン系樹脂(A−1)を得た。変性プロピレン系樹脂(A−1)の密度は0.89g/cm3、MFR(230℃、2.16kg)は500g/10分、後述の測定法による未反応変性剤量は検出下限以下であった。
低融解熱量プロピレン系樹脂(B−1):三井化学社製、製品名「タフマーXM7070」(コモノマー(1−ブテン)単位含有量30質量%、MFR(230℃、2.16kg)7g/10分、融解熱量40mJ/mg)
低融解熱量プロピレン系樹脂(B−2):エクソンモービルケミカル社製、製品名「VISTAMAXX3000」(コモノマー(エチレン)単位の含有量11質量%、MFR(230℃、2.16kg)8g/10分、融解熱量25mJ/mg)
低融解熱量プロピレン系樹脂(B−3):三井化学社製、製品名「タフマーPN2060」(コモノマー(エチレンおよび1−ブテン)単位の含有量20〜30質量%、MFR(230℃、2.16kg)6g/10分、融解熱量15mJ/mg)
プロピレン系樹脂(C−1):日本ポリプロ社製、製品名「ノバテックPP EG7F」(コモノマー(エチレン)単位の含有量10質量%未満、MFR(230℃、2.16kg)1.5g/10分、融解熱量80mJ/mg)
プロピレン系樹脂(C−2):日本ポリプロ社製、製品名「ノバテックPP MA3」(ホモポリマー)、MFR(230℃、2.16kg)10g/10分、融解熱量110mJ/mg)
エチレン系エラストマー(D−1):ダウケミカル社製、製品名「エンゲージ7467」(密度0.862g/cm3、MFR(190℃、2.16kg)1.2g/10分、融解ピーク温度34℃)
1)多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物の調製
表1に記載の変性プロピレン系樹脂(A)、低融解熱量プロピレン系樹脂(B)、プロピレン系樹脂(C)、およびエチレン系エラストマー(D)を表1に記載の割合で用い、さらにこれらの合計100質量部に対してフェノール系酸化防止剤(SONGWON社製、SONGNOX1076)0.01質量部、リン系酸化防止剤(SONGWON社製、SONGNOX1680)0.05質量部を加えてドライブレンドし、単軸スクリュ押出機(IKG社製、IKG50)にて、シリンダ温度200℃、スクリュ回転数60rpm、押出量30kg/hで溶融混練し、ストランド状に押出し、冷却後ペレット状に切断して、多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物1を得た。
上記で得られた多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物1を用い、Tダイ成形機を用いて、ポリプロピレン/多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物/ポリアミド6/多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物/ポリプロピレンの3種5層積層フィルムを成形した。成形温度240℃、ラインスピード8m/minで各層の厚さ100/20/60/20/100μmの層構成で、総厚み300μmのフィルムを得た。ポリプロピレン層には日本ポリプロ社製ホモポリプロピレン、製品名「ノバテックPP FY4」を用い、ポリアミド6層にはDSM社製「1020」を用いた。
上記で得られた3種5層積層フィルムを東洋精機社製バッチ式二軸延伸機にて、予熱温度180℃、予熱時間1分、ヒートセット温度180℃、ヒートセット時間1分の条件にて、縦横方向にそれぞれ3倍延伸し、延伸フィルムを得た。
延伸前および延伸後のフィルムにおいて、多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物層とポリアミド6層との層間接着強度(N/15mm)を下記の条件で測定した。
剥離幅:10mm
剥離角度:Tピール
剥離速度:300mm/min
測定雰囲気温度:23℃
変性プロピレン系樹脂(A)を、加熱プレスを用いて200℃で厚み100μmの薄片に成形し、試料−1とし、ソックスレー抽出器に入れ、アセトン還流により試料から未反応変性剤を除去した後、加熱乾燥機を用いて80℃で2時間乾燥させることにより試料−2を得た。
赤外分光光度計を用いて、吸光度比から試料−1および試料−2の変性剤含有量を求めた。未反応変性剤の含有量は、[未反応変性剤の含有量]=[試料−1の変性剤含有量]−[試料−2の変性剤含有量]で算出した。
実施例1の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物1の調製において、低融解熱量プロピレン系樹脂(B)として、表1に示すものを用いた以外は実施例1と同様に多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物2,3を調製し、さらに実施例1と同様にフィルム成形、延伸成形を行い、同様に接着強度の評価を行った。
実施例1の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物1の調製において、低融解熱量プロピレン系樹脂(B)を用いず、変性プロピレン系樹脂(A)とプロピレン系樹脂(C)を配合量を表1の通り変えたこと以外は実施例1と同様に多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物4を調製し、さらに実施例1と同様にフィルム成形、延伸成形を行い、同様に接着強度の評価を行った。
Claims (10)
- 下記条件(A−i)〜(A−ii)を満たす変性プロピレン系樹脂(A)と、下記条件(B−i)〜(B−iv)を満たす低融解熱量プロピレン系樹脂(B)とを含む多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物。
(A−i)プロピレン系樹脂を、溶媒の存在下、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和シラン化合物、及び不飽和エポキシ化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物でグラフト変性した変性ポリプロピレンである。
(A−ii)グラフト量が0.01〜10質量%の範囲である。
(B−i)融解熱量が0〜50mJ/mgの範囲である。
(B−ii)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg)が0.5〜75g/10分の範囲である。
(B−iii)プロピレン単位の含有量が65〜90質量%の範囲で、コモノマー単位の含有量が10〜35質量%の範囲のプロピレン系共重合体である。
(B−iv)コモノマーがエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−ノネンからなる群から選択される少なくとも1種である。 - 変性プロピレン系樹脂(A)が、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、これらのブレンド物のいずれかのプロピレン系樹脂を、マレイン酸又はその無水物で変性してなり、そのメルトフローレート(MFR:180℃、2.16kg、オリフィス径1mm)が1〜1000g/10分で、密度が0.86〜0.93g/cm3である請求項1に記載の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物。
- 低融解熱量プロピレン系樹脂(B)のコモノマーがエチレン及び/又は1−ブテンである請求項1又は2に記載の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物。
- 更に、下記条件(C−i)〜(C−ii)を満たすプロピレン系樹脂(C)を含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物
(C−i)融解熱量が50mJ/mgを超え150mJ/mg以下の範囲である。
(C−ii)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg)が0.5〜20g/10分の範囲である。 - プロピレン系樹脂(C)が、プロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレン及び/又は1−ブテンとの共重合体のいずれかであって、プロピレン単位の含有量が90質量%以上である請求項4に記載の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物。
- 更に、下記条件(D−i)〜(D−iii)を満たすエチレン系エラストマー(D)を含む請求項4又は5に記載の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物
(D−i)密度が0.850〜0.910g/cm3の範囲である。
(D−ii)融解ピーク温度が、観測されない、もしくは100℃以下である。
(D−iii)メルトフローレート(MFR:190℃、2.16kg)が0.1〜75g/10分の範囲である。 - エチレン系エラストマー(D)が、プロピレン単位の含有量が15〜65質量%のエチレン・プロピレン共重合ゴムであるか、プロピレン単位の含有量が15〜65質量%で、非共役ジエン単位の含有量が1〜25質量%のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴムである請求項6に記載の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物。
- 変性プロピレン系樹脂(A)を1〜15質量%、低融解熱量プロピレン系樹脂(B)を10〜50質量%、プロピレン系樹脂(C)を20〜84質量%、エチレン系エラストマー(D)を5〜15質量%含む請求項6又は7に記載の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物からなる接着層と、該接着層の一方の面に積層されたポリプロピレン層と、他方の面に積層されたポリアミド層、エチレンビニルアルコール層、又はポリエステル層とを有する多層延伸フィルム。
- 請求項9に記載の多層延伸フィルムを用いることを特徴とする包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017050975A JP6838440B2 (ja) | 2017-03-16 | 2017-03-16 | 多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017050975A JP6838440B2 (ja) | 2017-03-16 | 2017-03-16 | 多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018154683A true JP2018154683A (ja) | 2018-10-04 |
JP6838440B2 JP6838440B2 (ja) | 2021-03-03 |
Family
ID=63716208
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017050975A Active JP6838440B2 (ja) | 2017-03-16 | 2017-03-16 | 多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6838440B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020111745A (ja) * | 2019-01-16 | 2020-07-27 | Mcppイノベーション合同会社 | 接着性樹脂組成物及び積層体 |
JP2020111709A (ja) * | 2019-01-16 | 2020-07-27 | Mcppイノベーション合同会社 | 接着性樹脂組成物及び積層体 |
JP2022071858A (ja) * | 2020-10-28 | 2022-05-16 | シーピーケイ インテリオール プロダクツ インコーポレイテッド | 熱可塑性ポリオレフィン系スラッシュ粉末組成物 |
WO2022209431A1 (ja) * | 2021-03-31 | 2022-10-06 | 三井化学株式会社 | 樹脂組成物および当該樹脂組成物からなる層を有する積層体 |
WO2023176483A1 (ja) * | 2022-03-15 | 2023-09-21 | テクノUmg株式会社 | 樹脂組成物及びその成形品 |
JP7404641B2 (ja) | 2019-04-04 | 2023-12-26 | Toppanホールディングス株式会社 | 包装材用樹脂フィルム、包装材および包装体 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06297657A (ja) * | 1993-04-15 | 1994-10-25 | Mitsubishi Petrochem Co Ltd | 二軸延伸複層フィルム |
JP2000225673A (ja) * | 1999-02-08 | 2000-08-15 | Japan Polychem Corp | 二軸延伸複層フィルム |
JP2004025460A (ja) * | 2002-06-21 | 2004-01-29 | Mitsubishi Chemicals Corp | 積層体及び延伸積層体 |
JP2004269688A (ja) * | 2003-03-07 | 2004-09-30 | Mitsui Chemicals Inc | 変性ポリオレフィン組成物およびそれを用いた積層体 |
WO2008093805A1 (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-07 | Mitsui Chemicals, Inc. | 接着剤およびそれを用いた積層体 |
JP2012188662A (ja) * | 2011-02-25 | 2012-10-04 | Mitsubishi Chemicals Corp | 樹脂組成物及び積層体 |
JP2013087152A (ja) * | 2011-10-14 | 2013-05-13 | Mitsubishi Chemicals Corp | 樹脂組成物及び積層体ならびに電池用容器 |
JP2013189538A (ja) * | 2012-03-13 | 2013-09-26 | Mitsubishi Chemicals Corp | 樹脂組成物及び積層体 |
-
2017
- 2017-03-16 JP JP2017050975A patent/JP6838440B2/ja active Active
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06297657A (ja) * | 1993-04-15 | 1994-10-25 | Mitsubishi Petrochem Co Ltd | 二軸延伸複層フィルム |
US5441802A (en) * | 1993-04-15 | 1995-08-15 | Mitsubishi Petrochemical Company Limited | Biaxially-oriented multi-layer films |
JP2000225673A (ja) * | 1999-02-08 | 2000-08-15 | Japan Polychem Corp | 二軸延伸複層フィルム |
JP2004025460A (ja) * | 2002-06-21 | 2004-01-29 | Mitsubishi Chemicals Corp | 積層体及び延伸積層体 |
JP2004269688A (ja) * | 2003-03-07 | 2004-09-30 | Mitsui Chemicals Inc | 変性ポリオレフィン組成物およびそれを用いた積層体 |
WO2008093805A1 (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-07 | Mitsui Chemicals, Inc. | 接着剤およびそれを用いた積層体 |
JP2012188662A (ja) * | 2011-02-25 | 2012-10-04 | Mitsubishi Chemicals Corp | 樹脂組成物及び積層体 |
JP2013087152A (ja) * | 2011-10-14 | 2013-05-13 | Mitsubishi Chemicals Corp | 樹脂組成物及び積層体ならびに電池用容器 |
JP2013189538A (ja) * | 2012-03-13 | 2013-09-26 | Mitsubishi Chemicals Corp | 樹脂組成物及び積層体 |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020111745A (ja) * | 2019-01-16 | 2020-07-27 | Mcppイノベーション合同会社 | 接着性樹脂組成物及び積層体 |
JP2020111709A (ja) * | 2019-01-16 | 2020-07-27 | Mcppイノベーション合同会社 | 接着性樹脂組成物及び積層体 |
JP7167727B2 (ja) | 2019-01-16 | 2022-11-09 | Mcppイノベーション合同会社 | 接着性樹脂組成物及び積層体 |
JP7415573B2 (ja) | 2019-01-16 | 2024-01-17 | Mcppイノベーション合同会社 | 接着性樹脂組成物及び積層体 |
JP7404641B2 (ja) | 2019-04-04 | 2023-12-26 | Toppanホールディングス株式会社 | 包装材用樹脂フィルム、包装材および包装体 |
JP2022071858A (ja) * | 2020-10-28 | 2022-05-16 | シーピーケイ インテリオール プロダクツ インコーポレイテッド | 熱可塑性ポリオレフィン系スラッシュ粉末組成物 |
US11807753B2 (en) | 2020-10-28 | 2023-11-07 | Cpk Interior Products Inc. | Thermoplastic polyolefin-based slush powder compositions |
WO2022209431A1 (ja) * | 2021-03-31 | 2022-10-06 | 三井化学株式会社 | 樹脂組成物および当該樹脂組成物からなる層を有する積層体 |
WO2023176483A1 (ja) * | 2022-03-15 | 2023-09-21 | テクノUmg株式会社 | 樹脂組成物及びその成形品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6838440B2 (ja) | 2021-03-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6838440B2 (ja) | 多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物 | |
JP5915253B2 (ja) | 樹脂組成物及び積層体 | |
JP2001261905A (ja) | 変性ポリプロピレン組成物およびその組成物を用いた積層体 | |
JP7415573B2 (ja) | 接着性樹脂組成物及び積層体 | |
WO2006104058A1 (ja) | プロピレン系接着剤用重合体組成物およびその積層体 | |
JP2013189567A (ja) | 樹脂組成物及び積層体 | |
JPH02107438A (ja) | 積層体 | |
JP6648485B2 (ja) | 接着性樹脂組成物及び積層体 | |
JP6747020B2 (ja) | 積層体及び延伸積層体 | |
JP2014208784A (ja) | 接着性樹脂組成物及び積層体 | |
JP6911379B2 (ja) | 接着性樹脂組成物及び積層体 | |
JP7370244B2 (ja) | 接着性樹脂組成物および積層体 | |
JP6969116B2 (ja) | 接着性樹脂組成物及び積層体 | |
JP7487657B2 (ja) | 多層延伸フィルム用プロピレン系樹脂組成物 | |
JPH10265751A (ja) | 接着用樹脂組成物、積層体及び多層延伸成形体 | |
JP5998545B2 (ja) | 積層体の製造方法 | |
JP6809899B2 (ja) | 接着性樹脂組成物、及び積層体 | |
JP2001098121A (ja) | 接着性樹脂組成物及びそれを用いた積層体 | |
JP2000290620A (ja) | 接着性樹脂組成物 | |
JP7167727B2 (ja) | 接着性樹脂組成物及び積層体 | |
JP7428022B2 (ja) | 接着性樹脂組成物 | |
JPH10264323A (ja) | 多層延伸成形体 | |
JP2016107443A (ja) | 積層体、成形体、成形カップ及び飲料品用容器 | |
JP2024073857A (ja) | 重合体組成物、単層フィルム及び積層体、並びに単層フィルム及び積層体の製造方法 | |
JP2023029197A (ja) | 樹脂組成物、積層体及び成形体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191106 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200916 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200929 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201105 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210112 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210125 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6838440 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |