JP2019156971A - ポリオレフィン組成物および積層体 - Google Patents

ポリオレフィン組成物および積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリオレフィン、エチレン・ビニルアルコール共重合体に対する接着力に優れるとともに、外観に優れる接着性をそなえたポリオレフィン組成物を提供する。【解決手段】(A)プロピレン・α−オレフィン共重合体65〜94質量%と、(B)変性プロピレン系(共)重合体1〜20質量%と、(C)密度が0.86g/cm3以上、かつ0.94g/cm3以下であり、下記(c−1)と(c−2)から選ばれる少なくとも1種であるエチレン系(共)重合体5〜15質量%と、(c−1)直線状低密度ポリエチレン(c−2)エチレンと炭素数3〜20α−オレフィンのモル比が99.5/0.5〜35/65である、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体を(ただし(A)、(B)、(C)の合計を100質量%とする)含有する、ポリオレフィン組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン、エチレン・ビニルアルコール共重合体に対する接着力に優れるとともに、外観に優れる接着性をそなえたポリオレフィン組成物および、それを用いた積層体に関する。
従来、ポリプロピレンは、剛性、耐熱性、透明性などに優れた熱可塑性成形材料として広く利用されている。このポリプロピレンは柔軟性に劣るため、接着樹脂組成物として用いる際は通常、柔軟性を上げるために軟質ゴム成分や、接着樹脂の凝集力を高めるために低密度ポリエチレンなどを配合する。このようにポリプロピレンに軟質ゴム成分や低密度ポリエチレンを配合すると、接着性が改善されたポリプロピレン系の接着樹脂組成物が得られるが、一方で透明性や外観が悪化してしまうという問題点があった。
ここで述べている外観不良とは、ストリークやオレンジピールと呼ばれるもので、シートやカップ表面の筋状の外観不良やモザイクがかったような外観不良のことを指す。透明性・外観悪化の原因は、接着樹脂組成物中で構成される海島構造において、海相を構成するポリプロピレンと、島相を構成する軟質ゴム成分や低密度ポリエチレンの屈折率差によるものと考えられる。特許文献1では、接着力と透明性を両立させるために、エチレン・ブテン−1共重合体20重量部、および線状低密度ポリエチレンを10質量%配合した接着樹脂組成物が記載されている。しかしながら、外観に関しては何ら述べられていない。
特開2001−294836号公報
最近、接着樹脂組成物に対する透明性、外観および接着力を向上させる要望が一層高まっている。本発明の課題は、ポリオレフィン、エチレン・ビニルアルコール共重合体に対する接着力に優れるとともに、透明性、外観に優れる接着樹脂層が形成可能な接着樹脂組成物を提供することである。本発明の他の課題は、上記接着樹脂組成物からなる層を含み、透明性、外観および層間接着力に優れた積層体を提供することである。また特に、該積層体より形成される食品用カップを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達したものである。すなわち、本発明は、
(A)プロピレンと、炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)とを含有する共重合体で、共重合体中の全構成成分を100モル%としたときに、プロピレン以外に由来する構成成分の含有量が5モル%以下である、プロピレン・α−オレフィン共重合体65〜94質量%と、
(B)エチレン性不飽和単量体でグラフト変性された、下記(b−1)と(b−2)から選ばれる少なくとも1種の変性プロピレン系(共)重合体1〜20質量%と、
(b−1)プロピレン単独重合体
(b−2)プロピレンと炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)の共重合体で、α−オレフィンに由来する構成成分含有量が10モル%以下であるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、
(C)密度が0.86g/cm3以上、かつ0.94g/cm3以下であり、下記(c−1)と(c−2)から選ばれる少なくとも1種であるエチレン系(共)重合体5〜15質量%と、
(c−1)直線状低密度ポリエチレン
(c−2)エチレンと炭素数3〜20α−オレフィンのモル比が99.5/0.5〜35/65である、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体
を(ただし(A)、(B)、(C)の合計を100質量%とする)含有する、ポリオレフィン組成物 である。
また、本発明は、上記ポリオレフィン組成物を含む層を少なくとも1層を有する積層体である。
本発明のポリオレフィン組成物は、接着性に優れるとともに、透明性、外観にも優れている。さらに、本発明のポリオレフィン組成物を接着樹脂層として他の樹脂層と積層体を構成すると、層間接着力に優れる成形品を得ることが可能となり、同時に高い透明性や優れた外観が求められる成形品を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明のポリオレフィン組成物は、プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)、変性プロピレン系(共)重合体、エチレン系(共)重合体(C)を含む。
<プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)>
本発明で用いられるプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)は、プロピレンに対し、α−オレフィンが5モル%以下である。
α−オレフィンとしては、プロピレン以外のものであれば限定はされないが、好ましくは炭素数2のエチレンおよび/または炭素数4〜20のα−オレフィンが挙げられ、これらのα−オレフィンは、1種単独でも2種以上使用してもよい。本発明において好ましいα−オレフィンとしては、炭素数2のエチレンもしくは炭素数4〜10のα−オレフィンであり、中でも特に炭素数2のエチレンもしくは炭素数4〜8のα−オレフィンが好適に使用できる。
プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)の製造方法としては、特に限定されるものではなく、チーグラ・ナッタ触媒、メタロセン系触媒等の周知の触媒を用いた周知の方法にて製造することができる。また、結晶性の重合体が好ましく使用でき、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。更に、成形性を満足し、成形体としたときの使用に耐えうる強度を有するものであれば、立体規則性、分子量についても特段の制限はない。市販の樹脂をそのまま利用することも可能である。このようなプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)は、本発明に係る組成物中に、65〜94質量%、好ましくは70〜94質量%の量で用いられる。
前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)の110℃における1/2結晶化時間が150秒以下、好ましくは140秒以下であることが成形性の点で望ましい。
1/2結晶化時間(t1/2)は等温結晶化過程でのDSC熱量曲線とベースラインとの間の面積を全熱量とした場合、50%熱量に到達した時間である。〔新高分子実験講座8 高分子の物性(共立出版株式会社)参照〕
1/2結晶化時間(t1/2)測定は次のようにして行われる。試料5mg程度を専用アルミパンに詰め、パーキンエルマー社製DSCPyris1またはDSC7を用い、30℃から230℃までを320℃/minで昇温し、230℃で5分間保持したのち、該温度(230℃)から各等温結晶化温度までを320℃/minで降温し、その等温結晶化温度に保持して得られたDSC曲線から1/2結晶化時間(t1/2)を求める。なお、110℃で結晶化しない場合は、便宜的に110℃以下の等温結晶化温度で測定を数点実施し、その外挿値より半結晶化時間(t1/2)を求める。
<変性プロピレン系(共)重合体(B)>
本発明で用いられるエチレン性不飽和単量体でグラフト変性された変性プロピレン系(共)重合体(B)は、プロピレン系重合体に、エチレン性不飽和単量体がグラフトしている。グラフト量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。このようなグラフト量の場合、積層体を構成する他の樹脂層である基材に対する接着性が良好であり好ましい。
本発明の変性プロピレン系(共)重合体のベースとなるプロピレン系重合体は、プロピレン単独重合体(b−1)であるか、又は、プロピレンとそれ以外のα−オレフィンランダム共重合体(b−2)である。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(b−2)は、プロピレンとそれ以外のα−オレフィンの合計モル数に基づいてプロピレン以外のα−オレフィンが10モル%以下、好ましくは7%以下であるランダム共重合体である。プロピレン以外のα−オレフィンとしては、通常、炭素数20以下のα−オレフィン、具体的にはたとえばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンなどが用いられ、それぞれ単独あるいは二種以上を混合して用いられる。
エチレン性不飽和単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸またはその誘導体、不飽和ニトリル、不飽和エポキシ、不飽和アミン等が挙げられる。なかでも不飽和カルボン酸またはその誘導体が好ましい。前記不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸(商品名)(エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)などの不飽和カルボン酸、またはこれらの誘導体、たとえば酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステルなどが挙げられ、具体的には、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどが例示される。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、とくにマレイン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物が好適である。エチレン性不飽和単量体は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
該不飽和エチレン性単量体を前記プロピレン系重合体にグラフト共重合して変性物(B)を製造するには、従来公知の種々の方法を採用することができる。たとえば、プロピレン系重合体を溶融させグラフトモノマーを添加してグラフト共重合させる方法あるいは溶媒に溶解させグラフトモノマーを添加してグラフト共重合させる方法がある。いずれの場合にも、前記グラフトモノマーを効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。グラフト反応は、通常60〜350℃の温度で行われる。ラジカル開始剤の使用割合は、変性前のポリプロピレン系重合体100重量部に対して通常0.001〜1重量部の範囲である。
ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステル、たとえばベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピバレート、クミルペルピバレートおよびtert−ブチルペルジエチルアセテート、その他アゾ化合物、たとえばアゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレートが用いられる。これらのうちではジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4 −ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましい。このような変性プロピレン系(共)重合体(B)は、本発明に係る組成物中に、1〜20質量%、好ましくは3〜15質量%の量で用いられる。変性プロピレン系(共)重合体(B)の量がこの範囲内であると接着性が良好であり好ましい。
<エチレン系(共)重合体(C)>
本発明ではエチレン系(共)重合体(C)として、直鎖状低密度ポリエチレン(c−1)および/またはエチレン・α−オレフィン共重合体(c−2)が使用される。
本発明で使用されるエチレン系(共)重合体(C)は、密度が0.860g/cm3以上、0.940g/cm3以下、好ましくは0.860〜0.930g/cm3の範囲にある。密度が上記範囲にあるものを使用すると、組成物の透明性および接着力の改良効果に優れており、好ましい範囲にある場合上記特性にさらに優れる。
直鎖状低密度ポリエチレン(c−1)およびエチレン・α−オレフィン共重合体(c−2)は、エチレンの単独重合体または、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体であり、共重合体中の全構成成分を100モル%としたときに、エチレン含有量は99.5〜35モル%、好ましくは99.0〜40モル%、α−オレフィンの含有量は65〜0.5モル%、好ましくは60〜1.0モル%であるのが望ましい。モノマーの含有量が上記範囲にある場合、透明性、外観および接着力の改良効果に優れた組成物が得られ、好ましい範囲にある場合上記特性にさらに優れる。
直鎖状低密度ポリエチレンおよび/またはエチレン・α―オレフィン共重合体(C)においてエチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンなどの炭素数3〜20、好ましくは4〜10のα−オレフィンがあげられる。これらのα−オレフィンは一種単独で使用することもできるし、二種以上を併用することもできる。
エチレン系(共)重合体(C)は、公知の方法で得ることができ、通常遷移金属触媒の存在下にエチレン単独またはエチレンとα−オレフィンとを気相または液相下で共重合して得ることができる。製造のための触媒や重合方法などには特に制約はなく、例えばチーグラー型触媒、フィリップス型触媒、メタロセン型触媒などを使用し、気相法、溶液法、バルク重合法などの重合方法により重合することができる。このようなエチレン系(共)重合体(C)は、本発明に係る組成物中に、5〜15質量% 、好ましくは5〜13質量%の量で用いられる。エチレン系(共)重合体(C)の量がこの範囲内であると接着性および透明性、外観が良好であり好ましい。
本発明のポリオレフィン組成物は、110℃における1/2結晶化時間が100秒以下、好ましくは80秒以下であることが成形性の点で望ましい。なお他の成分が含まれるために、通常、使用されたプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)の1/2結晶化時間よりも短くなる場合があるが、その差分は、構成成分によるため、特に制限されない。
<その他の成分>
また、本発明のポリオレフィン組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、公知のプロセス安定剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、顔料、染料、発錆防止剤、粘着剤等を添加することも可能である。粘着剤としては、例えば、ロジン誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂、およびそれらの水素化物を挙げることができ、これらの中では、水素化テルペン樹脂、水素化石油樹脂が好ましい。
<ポリオレフィン組成物の調製>
本発明のポリオレフィン組成物の調製方法は特に制限されないが、前記プロピレン・α−オレフィン共重合体、変性プロピレン系(共)重合体(B)、エチレン系(共)重合体(C)を前記範囲で種々公知の方法、たとえばヘンシェルミキサー、v− ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラブレンダーなどで混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用すればよい。
<積層体>
本発明のポリオレフィン組成物は、積層体の接着樹脂層として好適に使用される。積層体を構成する、接着樹脂層以外の層を構成する熱可塑性樹脂層の樹脂としては、種々の熱可塑性樹脂、例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドあるいはエチレン・ビニルアルコール共重合体が使用でき、これらの中では、ポリオレフィン樹脂層、エチレン・ビニルアルコール共重合体含有層が好ましく使用される。なおエチレン・ビニルアルコール共重合体含有層は、エチレン・ビニルアルコール共重合体を主成分として51〜100質量%含むものであれば特に制限されない。また、当該含有層に含まれていてもよい、樹脂としては、前記した、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。
エチレン・ビニルアルコール共重合体としては、エチレンに由来する重合単位を20〜50モル%、好ましくは25〜48モル%含有する共重合体が望ましい。これらは相当するエチレン・酢酸ビニル共重合体を常法によりケン化して製造することができる。
本発明の積層体は、好ましくは、前記ポリプロピレン系組成物層の少なくとも片面上に、エチレン・ビニルアルコール共重合体層が積層されたものである。積層体の層数は特に制限とされず目的に応じて適宜選択され、部分積層体が繰り返し積層された積層体であってもよい。
本発明の積層体は、例えば、各層の組成物や樹脂をそれぞれ溶融し、溶融状態で積層することによって製造することができる。上記積層体構造を含んでいれば、他に積層される層は特に制限されない。
積層体は公知の共押出成形法により製造することができる。具体的には、インフレーション成形、キャスト成形、押出コーティング成形等の公知の共押出成形方法で製造することができる。本発明の積層体は、食品、日用雑貨品等を包装するフィルム;カップ、ボトル、包材などとして好適に使用することができる。本発明のプロピレン組成物は、透明性が高いので、外から内容物を視認することができ、外観にも優れているので、フィルム、カップなどで透明性が求められる用途に好ましく使用できる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中、接着強度(N/15mm)はJIS K6854に記載の方法に準じ(試験片:シート、試験片の幅:15mm)、測定を行った。
(各種測定方法)
本実施例等においては、以下の方法に従って測定を実施した。
[メルトフローレート(MFR)]
ASTM D1238に従い、230℃、2.16kg荷重下、測定を実施した。
[密度]
密度は、JIS K7112に準拠して測定した。
[結晶化速度]
結晶化速度は、110℃での1/2結晶化時間を測定した。
実施例及び比較例において使用したポリオレフィンを以下に示す。なお、特に断らない限りはいずれも常法に従い重合を行い調製した。
PP−1 :ポリプロピレン
(メルトフローレート2.0g/10分、密度0.90g/cm3、1/2結晶化時間150秒、エチレン含量3.6モル%)
PP−2 :ポリプロピレン
(メルトフローレート2.0g/10分、密度0.90g/cm3、1/2結晶化時間190秒、エチレン含量6.6モル%)
変性PP−1 :無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MAH−PP)
(メルトフローレート100g/10分、密度0.90g/cm3、エチレン含量5.0モル%)
LLDPE−1:ポリエチレン
(メルトフローレート2.0g/10分、密度0.90g/cm3、ヘキセン含量=6.0モル%)
(実施例1)
<ポリオレフィン組成物の製造>
PP−1: 85質量%、変性PP−1: 5質量%、LLDPE−1: 10質量%を、二軸混練機(日本製鋼所製、TEX−30)を用いて230℃で溶融混練し、接着用のポリオレフィン組成物を得た。得られた組成物のメルトフローレートは2.4g/10分であり、密度は0.90g/cm3であった。また110℃における1/2結晶化時間は75秒であった。
<5層積層体の製造>
以下に示した構成から成る層を、下記の条件で共押出して、5層シートを成形した。
[内層、外層]
内層、外層として市販のポリプロピレン(プライムポリマー社製 F113G、MFR=1g/10分)を、40mm、L/D=28のスクリューを用いて230℃で押出した。
[中間層]
中間層として市販のエチレン・ビニルアルコール共重合体(クラレ社製 J171B、MFR=8.0g/10分)を、30mm、L/D=24のスクリューを用いて220℃で押出した。
[接着樹脂層]
接着樹脂層として上記のポリオレフィン組成物を、40mm、L/D=28のスクリューを用いて220℃で押出した。
[積層体成形条件]
外層、内層、中間層、接着層用として押出された樹脂は、フィードブロック内で内層、接着層、中間層、接着層、外層の順に積層される。ダイス温度は220℃であり、厚さ約850μmのフィルム状に共押出された各樹脂の積層体は、チルロールで冷却を受けつつ、1m/分の速さで引き取られる。各層の厚さは外層/接着層(1)/中間層/接着層(2)/内層=350/50/50/50/350μmとした。成形された積層体の接着層(1)/中間層の層間接着力を表1に示す。
(実施例2)
<ポリオレフィン組成物の製造>
表1に示した配合処方に従い実施例1と同様の方法でポリオレフィン組成物、および積層体を製造した。得られた積層体の層間接着力の結果を表1に示す。
(比較例1〜3)
表1に示した配合処方に従い実施例1と同様の方法でポリオレフィン組成物、および積層体を製造した。得られた積層体の層間接着力の結果を表1に示す。
フィルム外観の評価は、外観が良いものを○、悪いものを×とした。
Figure 2019156971

Claims (6)

  1. (A)プロピレンと、炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)とを含有する共重合体で、共重合体中の全構成成分を100モル%としたときに、プロピレン以外に由来する構成成分の含有量が5モル%以下である、プロピレン・α−オレフィン共重合体65〜94質量%と、
    (B)エチレン性不飽和単量体でグラフト変性された、下記(b−1)と(b−2)から選ばれる少なくとも1種の変性プロピレン系(共)重合体1〜20質量%と、
    (b−1)プロピレン単独重合体
    (b−2)プロピレンと炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)の共重合体で、α−オレフィンに由来する構成成分含有量が10モル%以下であるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、
    (C)密度が0.86g/cm3以上、かつ0.94g/cm3以下であり、下記(c−1)と(c−2)から選ばれる少なくとも1種であるエチレン系(共)重合体5〜15質量%と、
    (c−1)直線状低密度ポリエチレン
    (c−2)エチレンと炭素数3〜20α−オレフィンのモル比が99.5/0.5〜35/65である、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体
    を(ただし(A)、(B)、(C)の合計を100質量%とする)含有する、ポリオレフィン組成物。
  2. 前記変性プロピレン系(共)重合体(B)のエチレン性不飽和単量体が、不飽和カルボン酸またはその誘導体である、請求項1に記載のポリオレフィン組成物。
  3. 前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)の110℃における1/2結晶化時間が150秒以下である請求項1または2に記載のポリオレフィン組成物。
  4. 前記ポリオレフィン組成物の110℃における1/2結晶化時間が100秒以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン組成物を含む接着樹脂層と、ポリオレフィン樹脂層およびエチレン・ビニルアルコール共重合体含有層から選ばれる少なくとも1層とが積層された積層体。
  6. 請求項5の積層体から構成される食品用カップ。
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