(実施の形態1)
本発明に係るゲーム用の「駒集合」は、ゲームで使用する複数の駒の全体と各駒とを区別するため、複数の駒の全体を呼称する用語として使用している。本発明に係る駒集合が用いられるゲームは、主にボードゲームであるが、ボードゲームに限定されるものではない。
ボードゲームは、通常、ボード(盤)上に駒やカードを置いたり、動かしたり、取り除いたりして遊ぶゲームである。ボードゲームでは、通常、ゲームの進行に応じてボード上に置いたり、ボード上を動かしたり、ボード上から取り除いたりするための部材と、それ以外の部材とが使用され、これらの部材は、一般に「コンポーネント(部品)」と呼ばれる。
ボード上に置いたり、ボード上を動かしたり、ボード上から取り除いたりするためのコンポーネントの代表例には、例えば、「駒」、「チップ」などがあり、それ以外のコンポーネントの代表例は、例えば、「ボード」、「ダイス(サイコロ)」などがある。
本発明の特徴的な構成は、コンポーネントの1つである「駒」に限定されるものではなく、「チップ」その他の小片の部品にも適用可能である。
以下の説明では、アナログのボードゲームにおいて、ボード上を動かしたり、ボード上から取り除いたりするためのコンポーネントを例に説明する。そして、以下の説明では、そのコンポーネントの1つを「駒」、複数個の駒の集まりの全体を「駒集合」と称して説明する。
図1は、本発明に係る駒集合を用いたボードゲームの構成の一例を示す図である。
ボードゲーム1は、駒集合2、駒情報読取装置3、ボード4を備える。
駒集合2は、複数個(4個以上)の駒201を有する。各駒201は、2種類以上の外形のいずれかの外形を有し、複数個の駒201は、外形の形状によって2または3以上のグループに分けることができる。また、各グループに属する2以上の駒201は、プレーヤに触覚的に異なる感覚を覚えさせる要素を有し、その要素によって2または3以上のグループに分けることができる。
形状によって分けられたグループと触覚によって分けられたグループを区別するため、形状によって分けたグループを「第一グループ」と称し、触覚によって分けたグループを「第二グループ」と称すると、駒集合2は、形状の異なる2以上の第一グループが存在し、各第一グループには、触覚の異なる2以上の第二グループが存在する。
駒集合2を分類する外形の形状は、駒201の一部に形状が表れる構造にしても良く、駒201全体に形状が表れる構造にしても良い。
図2は、駒201の一部に当該駒201の特徴的な形状が表れる駒201の外観の一例を示す斜視図、図3は、図2に示す駒201の正面図である。
駒201は、低背の板状をなしている。駒201は、高さ方向(厚み方向)に表面側部分201Aと裏面側部分201Bに分け、裏面側部分201Bは、例えば、円板状となし、表面側部分201Aは、正面から見て所定の形状を有する板状(図2の例では、三日月の形状を有する三日月板状)となしている。
表面側部分201Aは、月形の形状が内接する円の直径D2[mm]が裏面側201Bの円の直径D1[mm]よりも小さくなっている。この構成により裏面側部分201Bを駒201の鍔部として機能させることができ、駒201を、後述するボード4の穴に固定的に載置するときに、裏面側部分201Bで駒201の上下動を規制することができる。この機能については、後述する。
また、駒201の表面側部分201Aの厚みt2[mm]は、裏面側部分201Bの厚みt1[mm]より大きく設定されている。なお、表面側部分201Aの厚みt2は、裏面側部分201Bの厚みt1以下であっても良い。
図2、図3に示す駒201は、板状の部材であるため、側面から見た形状が表面又は裏面から見た形状よりも視認性が小さく、特徴的な外形の形状は、表面から見た形状に表れる。従って、プレーヤは、主に表面から見た形状によって駒201の外形の状の視覚的な識別を行うことができる。
図2の例では、裏面側部分201Bに形成する特徴的な形状を三日月形としているが、その形状は、三日月形に限定されるものではなく、任意の形状を採用することができる。
例えば、裏面側部分201Bに形成する特徴的な形状として、図4に示すように、星形、丸形、菱形、六角形、瓢箪形、楕円形(ラグビーボール形)などの形状を用いてもよい。駒201の外形形状は、プレーヤに駒201を触らせて触覚的に形状を認識させ、その認識結果により駒201の種類を判断させる機能を有するので、好ましくは外形の形状を触覚的に認識し易い単純な形状にするとよい。
なお、例えば、月形の場合、その形状には三日月(又は有明月)や上弦(又は下弦)の月のように弦の欠け方が異なるものがあり、これらの形状は区別ができるので、別の形状(三日月形と半月形の形状に分ける)としてもよい。
例えば、駒201の裏面側部分201Bを半月の板状にし、図2に示す駒201とは異なる第一グループの駒201としてもよい。
星形、瓢箪形、楕円形などの場合も同様である。例えば、星形では、通常、星形五芒星の形(五角形の各辺の両端を交点ができる位置まで延長してできる閉空間の図形)を「星形」と呼んでいるが、六角形以上の多角形でも各辺の両端を交点ができる位置まで延長してできる閉空間の図形(星形六芒星、星形七芒星などの図形)も星形に類似した形を有している。
星形の場合は、星形五芒星に近似若しくは類似する形状を有するもの(例えば、六角形乃至八角形から作成される芒星図形)を「星形」と呼び、星形五芒星とは異なる形状を有するもの(例えば、十角形以上の多角形で作成される芒星図形)は、星形とは異なる形状の名称(例えば、「花火形」などの名称)にするとよい。
図2〜図4に示す駒201では、月形、星形、丸形などの形状を有する表面側部分201Aの内部が空洞になっていないが、内部を空洞にして輪郭の部分だけで月形、星形、丸形などの形状を表すようにしてもよい。
なお、裏面の形状は、円形に限定されるものではなく、矩形、楕円、多角形などの任意の形状にすることができる。また、裏面は、外側に湾曲させて突出させても良く、内側に湾曲させて凹ませても良い。
駒201を図2の例で構成した場合は、星形、丸形、菱形、六角形、瓢箪形、楕円形などの他の形状の駒201も裏面から見た形状が全て円形となるので、裏面から見た場合にはこれらの駒201の形状的な見分けをすることはできない。一方、表面から見た場合、円形の中に月形、星形、丸形、菱形、六角形、瓢箪形、楕円形などの形状が浮き出るので、表面から見た場合にはその形状によって駒201を見分けることができる。
従って、駒201の外形の形状を、図2の例のようにした場合は、例えば、裏面側を下向きにするようにして(裏面側を伏せるようにして)駒集合2の各駒201をボード4に配置すると、プレーヤが駒201の種類を識別できないようにすることができる。
駒集合2に、駒201の表面側部分201Aの形状が、例えば、月形、星形、丸形のいずれである駒201を含む場合、形状が月形の第一グループに「月駒」、形状が星形の第一グループに「星駒」、形状が丸形の第一グループに「太陽駒」のグループ名を付けると、駒集合2の各駒201を、「月駒」、「星駒」、「太陽駒」に分類することができる。
図2〜図4に示す駒201は、例えば、板材を月形、星形、丸形等の型枠で型抜きすることによって作成することができる。板材には、木、金属、プラスチック、合成樹脂、ゴムなどの各種の素材を用いることができる。また、図2〜図4に示す駒201は、月形、星形、丸形等の金型に、例えば、熱硬化性樹脂を流し込んだ後固化して作成することができる。
駒201全体に形状が表れる構造の例としては、例えば、図5に示す構造にしても良い。
図5(a)は、駒201の斜視図であり、同図(b)は、同図(a)に示す駒201の正面図である。
図5に示す駒201は、直径D1の円柱の断面形状を月形にしたものである。この駒201では、表面側と裏面側に月形の形状が表れ、側面から見た形状は横長長方形となる。この駒201の厚みt3は、図5に示す駒201の厚み(t1+t3)とほぼ同一である。
図5に示す駒201には、図2に示す駒201のように、裏面側部分201Bの鍔部がないので、裏面側を下にしてボード4に配置しても月形の形状を隠すことはできない。
図5に示すタイプの駒201も、図4に示す駒201のように、断面形状を星形、丸形、菱形、六角形、瓢箪形、楕円形などにして駒集合2をグループ分けをすることができる。
また、図5に示すタイプの駒201も、図2に示すタイプの駒201と同様に、木、金属、プラスチック、合成樹脂、ゴムなどの板材を月形、星形、丸形等の型枠で型抜きすることによって作成することができる。また、図5に示すタイプの駒201は、月形、星形、丸形等の金型に、熱硬化性樹脂を流し込んだ後固化しても作成することができる。
なお、図5に示すタイプの駒201は、表面と裏面を水平にしているが、例えば、これらの面をドーム状に突出させても良く、すり鉢状に凹ませても良い。
また、図5に示すタイプの駒201は、板状ではなく、塊状にしても良い。駒201を塊状にした場合は、側面から見た形状の視認性も大きくなるので、プレーヤは、駒201全体の立体的な形状によって駒201の形状の視覚的な識別を行うことができる。
各第一グループに属する2以上の駒201をさらにグループ分けするための、プレーヤに触覚的に異なる感覚を覚えさせる要素とは、例えば、手触りが異なる要素であり、物理量としては、例えば、表面の摩擦係数が異なる要素である。
駒201の摩擦係数が異なる部分(手触り感が異なる部分)は、駒201の表面全体でも良く、一部の表面でもよい。例えば、駒201が図2の例に示す形状を有する場合、図6(a)に示すように、表面側、裏面側及び側面側の全ての面を手触り感が異なる部分としてもよく、例えば、図6(b)に示すように、月形の形状が表れる表面側部分201Aの頭丁の面201aの部分だけにしてもよい。
なお、図6では、摩擦係数を大きくした部分を斜線で示している。図6(b)では、表面側部分201Aの頭丁の面201a以外の部分は、摩擦係数が小さいので、プレーヤは、頭丁の面201aの部分を触ると、ザラザラ感を感じ、頭丁の面201a以外の部分を触ると、ツルツル感を感じるようになっている。
なお、月形が表れる表面側部分201Aの頭丁の面201aの部分の摩擦係数を他の部分より小さくし、プレーヤが表面側の頭丁の面201aの部分に触れたときにツルツル感を感じるようにしても良い。
また、駒201のザラザラ感を感じさせる頭丁の面201aの表面処理としては、頭丁の面201aに所定の表面粗さ処理をして頭丁の面201aの摩擦係数を均一するようにしてもよく、例えば、図7に示すように、頭丁の面201aに所定の模様を刻設するようにしてもよい。
図7の例では、頭丁の面201aにドット202の模様を刻設している。また、ドットの粗さやドットの深さは、プレーヤがザラザラ感を容易に感じることができる粗さや深さに調整されている。なお、頭丁の面201aに形成する模様は、ドット模様に限定されるものではなく、網目、ボーダーなどの他の模様であっても良い。
ザラザラ感は、1種類でも良く、2種類以上でも良い。ザラザラ感を1種類にした場合は、第一グループ内の複数個の駒201は、例えば、ツルツル感のある第二グループとザラザラ感のある第二グループの2つのグループに分類することができる。また、ザラザラ感を、例えば、2種類にした場合は、第一グループ内の複数個の駒201は、例えば、ツルツル感のある第二グループ、弱いザラザラ感のある第二グループと、強いザラザラ感のある第二グループの3つのグループに分類することができる。なお、弱いザラザラ感のある駒201とは、例えば、摩擦係数が小さい表面粗さを有している駒201であり、強いザラザラ感のある駒201とは、摩擦係数が大きい表面粗さを有している駒201である。
図8は、駒集合2を構成する複数個の駒201を第一グループと第二グループで分類する一例を示す図である。
図8では、第一グループで分類する駒201の外形形状を「月形」、「星形」、「太陽形」の3種類とし、第一グループ内を第二グループで分類する駒201の手触り感を「ツルツル」と「ザラザラ」の2種類としている。従って、図8に示す例では、駒集合2を構成する複数個の駒201は、6種類(=2×3)のグループに分類される。
細分類の各グループを第一グループの分類項目「月形」、「星形」、「太陽形」と第二グループの分類項目「ツルツル」、「ザラザラ」の組合せ(外形形状,手触り感)で表し、(月形,ツルツル)、(月形,ザラザラ)、(星形,ツルツル)、(星形,ザラザラ)、(太陽形,ツルツル)、(太陽形,ザラザラ)の各グループの駒数をそれぞれn11、n12、n21、n22、n31、n32とすると、駒集合2の駒数Nは、N=n11+n12+n21+n22+n31+n32となる。
また、「月形」、「星形」、「太陽形」の各第一グループの駒数N1,N2,N3は、N1=n11+n12,N2=n21+n22,N3=n31+n32となる。
なお、外形形状で分類した第一グループ内の駒201は、必ず手触り感で分類しなければならないというものではなく、複数個の第一グループには、手触り感で分類されていないものが含まれていても良い。すなわち、図8の例で、例えば、「太陽形」のグループ内の駒201を全てツルツルの手触り感だけを有するものにしてもよい。あるいは、図8の例で、「月形」、「星形」及び「太陽形」とは異なる外形形状、例えば、「楕円形」を追加し、「楕円形」のグループは「ツルツル」又は「ザラザラ」の手触り感だけを有する駒201で構成するようにしてもよい。
駒集合2を構成する全ての駒201には、例えば、各駒201に関する情報(以下、「駒情報」という。)を格納する情報格納手段2011と情報格納手段2011に格納されている駒情報を駒情報読み装置3などの外部装置に送信する情報送信手段2012が設けられている。駒情報は、例えば、駒201の種類に関する種類情報やボードゲームにおける駒201のゲーム効果に関する効果情報を含む。なお、駒201は、例えば、情報送信手段2012を有さず、情報格納手段2011のみを有しても良い。かかる場合、情報格納手段2011は、例えば、後述するコードである。
種類情報は、例えば、駒201の属する第一グループのグループ名の情報である。例えば、「月形」のグループに属している駒201の情報格納手段2011には、「月形」であることを示す種類情報が格納されている。
なお、種類情報に、駒201の属する第二グループのグループ名の情報を含めても良い。例えば、「月形」の第一グループ内の「ザラザラ」の第二グループに属している駒201の情報格納手段2011には、「月形」及び「ザラザラ」であることを示す種類情報を格納してもよい。また、駒201に、外形形状と手触り感以外に色などのその他の情報がある場合は、種類情報に、色などのその他の情報をも含めるようにしてもよい。
効果情報は、例えば、駒201を使ったプレーヤを有利にするゲーム効果、対戦している他のプレーヤを不利にするゲーム効果、特定のイベントを発生させる効果などの各種のゲーム効果を発生する情報である。
例えば、駒集合2の一部の駒201を複数のプレーヤに手持ちの駒(以下、「手駒」という。)として配り、残りの駒201を場に配置し、各プレーヤがルールで決定される場の駒の外形形状と同一の外形形状を有する手駒を順番に場に捨てて行き、一番早く手駒が無くなったプレーヤを勝者とするボードゲームの場合、他のプレーヤを不利にするゲーム効果とは、例えば、手駒を捨てたプレーヤの次に手駒を捨てる番のプレーヤ(以下、単に「次のプレーヤ」という。)に場の駒(以下、「場駒」という。)を所定数だけ取らせる効果などである。
また、駒201を使ったプレーヤを有利にするゲーム効果とは、例えば、手駒を場に捨てたプレーヤにさらに所定数の手駒を捨てることができる特典や場の駒の外形形状を所望の外形形状に変更できる特典を付与する効果などである。また、特定のイベントを発生させる効果とは、場の駒の外形形状を変更するためのルーレットなどのミニゲームを発生させる効果などである。
ゲーム効果を発生する情報は、ゲーム効果を100%発生させる内容であっても良く、ゲーム効果を予め決められた確率で発生させる内容であっても良い。例えば、上記の手駒を捨てたプレーヤの次のプレーヤに場駒を所定数(例えば、2個)だけ取らせるゲーム効果の場合、そのゲーム効果を常に発生させても良く(発生確率100%)、1/2の確率で発生させても良い(発生確率50%)。
また、複数のゲーム効果をそれぞれ予め決められた確率で発生させる内容であっても良い。例えば、上記の手駒を捨てたプレーヤの次のプレーヤに場駒を所定数だけ取らせるゲーム効果の場合、場駒を2個取らせる効果、場駒を4個取らせる効果および場駒を取らせない効果をそれぞれ1/3の確率で発生させるようにしても良い(2個取り発生確率33%、4個取り発生確率33%、場駒取り無し33%)。
ゲーム効果を確率によって発生させる場合は、効果情報に、例えば、乱数を発生させる情報とゲーム効果毎の当たり発生の確率の情報とが含まれる。
情報格納手段2011と情報送信手段2012は、例えば、情報の読み書きを無線で行うことができるRFID(radio frequency identifier)技術を構成するRFタグによって実現することができる。
また、情報格納手段2011は、バーコードやマトリックス型二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))などのコードによって実現することができる。バーコード又はマトリックス型二次元コードは、駒201の表面に直接刻印しても良く、コードを記載したシールを駒201の表面に貼付してもよい。シールによる貼付方式にすると、駒201のシールを貼り変えることにより駒情報を容易に変更ができる利点がある。
駒情報読取装置3は、駒201の情報格納手段2011から情報を取得する。駒情報読取装置3は、情報取得部301、出力部302、格納部303及び選択部304を備える。出力部302は、情報取得部301が取得する画像情報を表示する表示手段3011と、情報取得部301が取得する音声情報を出力する音声出力手段3012を備える。
表示手段3011は、情報取得部301が読み取った駒201の駒情報を視覚的に出力する。駒情報を視覚的に出力するとは、例えば、駒201の種類を示す情報を当該種類に対応する外形形状の画像で出力することである。例えば、駒201の種類情報が「月形」の情報の場合、予め作成された三日月などの画像がディスプレイ5に表示される。
表示手段3011は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機LEディスプレイなどで構成することができるが、その種類は問わない。
音声出力手段3012は、情報取得部301が取得した駒201の駒情報を聴覚的に出力する。駒情報を聴覚的に出力するとは、例えば、駒201の種類を示す情報を当該種類に対応する外形形状の名称等を音声で出力することである。
例えば、駒201の種類情報が「菱形」の情報の場合、格納部303に予め格納されている「**です。」の音声合成信号の「**」の部分に「月形」の音声を組み込んで「月形です。」の音声合成信号を生成し、その音声合成信号を音声出力手段3012で音波に変換して空中に出力することである。
音声出力手段3012は、例えば、スピーカによって構成することができるが、音声の電気信号を音波に変換できるものであれば、その種類は問わない。
また、音声出力手段3012にイヤフォンを用いてもよい。イヤフォンを用いる場合は、ゲームに参加する2以上のプレーヤがそれぞれイヤフォンを装着して駒情報を音声で聴取する。
出力部302は、表示手段3011と音声出力手段3012を備えていてもよく、表示手段3011と音声出力手段3012を外部接続する構成でもよい。
表示手段3011と音声出力手段3012を外部接続する構成では、出力部302は、情報取得部301が取得した情報から画像情報と音声情報を生成し、表示手段3011と音声出力手段3012にそれぞれ出力する。
なお、出力部302は、情報取得部301が取得した駒情報に対応する出力情報を画像と音声の両方で出力してもよく、いずれか一方だけで出力してもよい。
情報取得部301は、駒201の情報格納手段2011から情報を取得する。例えば、情報格納手段2011がRFタグで構成される場合は、情報取得部301はRFリーダーを有し、そのRFリーダーでRFタグから情報を読み出すことにより、情報を取得する。
また、情報格納手段2011が駒201に形成されたバーコード又はマトリックス型二次元コードの場合、情報取得部301は、バーコード読取手段(バーコードリーダー)又はマトリックス型二次元コード読取手段を有し、そのバーコード読取手段又はマトリックス型コード読取手段でバーコード又はマトリックス型二次元コードを読み取ることにより、情報を取得する。
バーコード読取手段やマトリックス型二次元コード読取手段は、専用器で構成しても良く、バーコード又はマトリックス型二次元コードの読取機能を備えた端末装置で構成しても良い。バーコード読取手段とマトリックス型二次元コードのコード読取方式は、問わないが、好ましくは非接触でコードが読み取れるものが良い。
なお、情報取得部301は、駒201の外形形状が形成された面を写真撮影し、その撮影画像に対して画像認識処理を行うことにより、駒201の外形形状に関する種類情報とゲーム効果に関する効果情報を取得するようにしてもよい。この場合は、情報取得部301、カメラ機能と画像認識機能を備えた端末装置で構成することができる。なお、かかる場合、駒201の画像と種類情報との対の情報、または駒201の画像と種類情報と効果情報との対の情報が格納部303に格納されている。なお、駒201の画像の代わりに、駒201の画像の特徴量の集合が格納されていても良い。そして、情報取得部301は、公知の画像認識処理により、種類情報、または種類情報と効果情報、を取得する。
なお、画像認識処理では、例えば、予め駒201の外形形状の基準画像の情報を作成しておき、駒201の表面を撮影した撮影画像から駒201の外形形状の情報(外形の輪郭を抽出した情報)を取得し、その情報を基準画像の情報と比較して、外形形状が一致する基準画像の情報により駒201の外形形状を認識する処理が行われる。
また、駒201の表面に月形などの形状だけでなく、ゲーム効果に関する情報を示す特定のマークを付けている場合は、撮影画像からそのマークの図形を取得し、そのマークに対応付けられた効果情報を取得する処理が行われる。
格納部303は、駒201から取得される情報に対応付けて2以上の情報を格納する。駒201から取得される情報が種類情報の場合、その種類情報に対応付けられた情報は、例えば、駒201の外形形状を示す画像の情報や音声の情報である。
例えば、種類情報が「月形」の場合、「月形」の種類情報に対応付けて表示手段3011に表示する三日月などの図形の画像情報と音声出力手段3012で音声出力する「月形です。」などの音声情報が格納部304に格納されている。
駒201から取得される情報が効果情報の場合、その効果情報に対応付けられた情報は、例えば、ゲーム効果の内容を示す画像の情報や音声の情報である。
例えば、効果情報が、次のプレーヤに場駒を所定数取らせる内容の場合、効果情報に対応付けて表示手段3011にその内容を文字と図形で示すための画像情報と音声出力手段3012で「次のプレーヤは場から**個の駒を取って下さい。」などを出力するための音声情報が格納部304に格納されている。
選択部303は、格納部304に格納された2以上の情報の中から1の情報を選択して取得する。例えば、次のプレーヤに場駒から駒201を取らせる情報に対して、取らせる駒201の数が複数種類ある場合、選択部303は、1つの種類の駒数の情報を選択する。
この場合、選択部303は、例えば、クジを引いて当たりがでた駒数の情報を選択する。例えば、次のプレーヤに場駒から駒201を取らせる情報として、2個取らせる情報と4個取らせる情報があり、各情報が当たりになる確率が1/3の場合、選択部303は、2個取らせる情報に対する抽選で当たりになると、その情報を選択する。従って、選択部303は、次のプレーヤに場駒から駒201を2個取らせる情報を1/3の確率で選択する。次のプレーヤに場駒から駒201を4個取らせる情報の場合も同様である。
次に、駒情報読取装置3の情報読取動作について、図9に示すフローチャートを用いて、説明する。
(ステップS101)情報取得部301は、駒201の情報格納手段2011から当該駒201に関する駒情報を取得する。
例えば、情報格納手段2011が駒201に内蔵されるRFタグで構成され、駒情報読取装置3がRFリーダーで構成される場合、情報取得部301は、質問波を出力している。駒201が駒情報読取装置3に近付けられて当該駒201に内蔵されたRFタグが情報取得部301の質問波に反応して応答波を出力すると、情報取得部301はその応答波を受信してその応答波から駒情報を取得する。
また、例えば、情報格納手段2011が駒201に貼付されたバーコードで構成され、駒情報読取装置3がバーコードリーダーで構成される場合、情報取得部301は、駒201のバーコードが駒情報読取装置3に近付けられると、そのバーコードを読み取ってそのバーコードから駒情報を取得する。
(ステップS102)情報取得部301は、取得した駒情報に対応付けて格納部303に格納されている2以上の出力情報を取得する。
例えば、駒情報に駒201の種類に関する種類情報と駒201のゲーム効果に関する効果情報が含まれる場合、格納部303には、種類情報に対応付けて駒201の種類を示す画像情報と音声情報が格納され、効果情報に対応付けて1以上のゲーム効果を示す画像情報と音声情報が格納されている。
情報取得部301は、格納部303から種類情報に対応付けられた駒201の種類を示す画像情報と音声情報を取得する。例えば、駒201の種類情報が「菱形」の場合、情報取得部301は、予め作成された、菱形の図形を示す画像情報と、「菱形です。」などと発声させる音声情報を取得する。
また、情報取得部301は、格納部303から効果情報に対応付けられた1以上のゲーム効果を示す画像情報と音声情報を取得する。例えば、ゲーム効果が、他のプレーヤに場から所定数の駒201を取らせる内容の場合、情報取得部301は、その内容を示す画像情報と、「次のプレーヤは場から**個の駒を取ってください。」などと発声させる音声情報を取得する。
(ステップS103)選択部304は、情報取得部301が取得した2以上の出力情報の中から出力部302に出力する出力情報を選択して出力部302に出力する。
例えば、選択部304は、情報取得部301が取得した駒201の種類を示す画像情報と音声情報を出力情報に選択して出力部302に出力する。また、効果情報に対応付けられたゲーム効果が1つの場合、選択部304は、そのゲーム効果を示す画像情報と音声情報を出力情報に選択して出力部302に出力する。
また、効果情報に対応付けられたゲーム効果が2以上の場合は、選択部304は、例えば、抽選によりいずれかのゲーム効果を決定し、そのゲーム効果を示す画像情報と音声情報を出力情報に選択して出力部302に出力する。
例えば、ゲーム効果に関する出力情報の内容に、他のプレーヤに場から2個の駒201を取らせる内容と4個の駒201を取らせる内容が含まれる場合、選択部304は、抽選によりいずれかのゲーム効果を選択し、選択したゲーム効果を示す画像情報と音声情報を出力情報に選択して出力部302に出力する。
例えば、選択部304が他のプレーヤに場から2個の駒201を取らせる内容を選択した場合、選択部304は、予め作成された、場駒を2個取ることを示す画像情報と、「次のプレーヤは場から2個の駒を取ってください。」などと発声させる音声情報を出力情報に選択して出力部302に出力する。
(ステップS104)出力部302は、選択部304から出力される出力情報を出力する。
出力部302は、選択部304から出力される駒201の種類を示す画像情報を表示手段3021に表示し、「菱形です。」などと発声させる音声情報をスピーカ6から出力する。
また、出力部302は、選択部304から出力される駒201のゲーム効果(例えば、)を示す画像情報(例えば、場駒を2個取ることを示す画像情報)を表示手段3021に表示し、「次のプレーヤは場から2個の駒を取ってください。」などと発声させる音声情報をスピーカ6から出力する。
ボード4は、ボードゲーム1を用いたゲームにおいて、駒集合2を構成する複数個の駒201を場に配置する際に使用するボードである。ボード4は、複数個の駒201を固定的に配置する機能を有する。
ボード4は、例えば、低背の枠体と、その枠体の上面に設けられた駒載置板とで構成され、駒載置板には駒201を固定するための凹部が所定の数だけ設けられている。凹部の数は、駒集合2を構成する駒201の数と同一でも良く、その数よりも少なくても良い。
例えば、駒201が図5に示すタイプの場合、駒載置板には、表面又は裏面から見た外形形状と同一形状の凹部が設けられている。凹部の深さは、駒201の厚みt3よりも小さく、駒201を凹部に嵌め込んだときに駒201の表面側又は裏面側の一部を駒載置板よりも上に突出させることができる。これにより、駒載置板の凹部に嵌め込んだ駒201を容易に取り出すことができる。
また、駒201が図2に示すタイプの場合、駒載置板には、表面側部分201Aの外形形状が内接する円と同一形状で、僅かに直径が大きい凹部が設けられている。凹部は、貫通孔でも良く、凹溝でもよい。この場合は、駒201をボード4に載置する際、表面側部分201Aを下に向けて(駒201を伏せる姿勢にして)駒201を凹部に嵌め込む。
駒201の表面側部分201Aが凹部に嵌ると、裏面側部分201Bの円形形状の円のサイズ(直径D1)は、凹部の円のサイズ(直径)よりも大きいため、裏面側部分201Bの部分が駒載置板に当接して駒201の下方移動(落下移動)が規制される。これにより、駒201は、ボード4の凹部Bに固定的に載置される。駒201の裏面側部分201Bの部分は、駒載置板よりも上側に突出しているので、この部分を摘んで上側に引き抜けば、駒201をボード4が容易に取り出すことができる。
なお、駒載置板の凹部の形状は円形に限定されるものではなく、駒201の表面側201の部分を嵌入させ、かつ、裏面側部分201Bを係止できるものであれは、任意の形状にすることができる。例えば、凹部の形状を多角形にしてもよい。
(具体例)
次に、本発明に係るボードゲーム1の具体例について、説明する。以下の説明では、3人のプレーヤによってゲームを行う場合について説明する。
図10、ボードゲーム1の具体例の構成を示す図である。
ボードゲーム1は、36個の駒201からなる駒集合2と、36個の各駒201に内蔵されたRFタグ7(図11(a)参照)と、各駒201に内蔵されたRFタグ7から駒情報を読み取るRFリーダー8(駒情報読取装置3)と、駒集合2を構成する駒201を載置するボード4と、RFリーダー8が読み取った駒情報から生成される画像情報を出力するディスプレイ5と、RFリーダー8が読み取った駒情報から生成される音声情報を出力するスピーカ6と、プレーヤが手駒を他のプレーヤに見られないようにするための3個の目隠し板9とで構成される。
ディスプレイ5は、タブレット型の液晶ディスプレイで構成され、スピーカ6は、小型の卓上型スピーカである。
ボード4、ディスプレイ5、スピーカ6、RFリーダー8及び目隠し板9は、ゲームを行う机10の上に載置されている。ボード4は、机の略中央に置かれ、RFリーダー8はボード4に近接した位置に置かれている。また、ディスプレイ5とスピーカ6は、ゲームに参加している3人のプレーヤから見える位置に置かれる。
駒集合2を構成する36個の駒201は、外形形状によるグループ分けにより「月形」、「星形」、「太陽形」、「突起形」、「四角形」の4種類の第一グループに分類され、「月形」、「星形」、「太陽形」の各第一グループ内の駒201は、さらに手触り感によるグループ分けにより「ツルツル」と「ザラザラ」の2種類に分類されている。「突起形」、「四角形」の各第一グループ内の駒201は、手触り感による分類はされていない。
また、駒集合2の中には、ゲーム進行で所定のゲーム効果を発生させる駒201が9個含まれている。
図11は、5種類の駒201の外形形状を示す図である。
図11の(a),(b),(c),(d),(e)は、それぞれ「月形」、「星形」、「太陽形」、「突起形」、「四角形」の駒201の外観を示す斜視図である。
駒集合2を構成する駒201は、図2に示すタイプの駒201である。すなわち、駒201は、円形の板状をなし、高さ方向(板厚方向)に二分した裏面側部分201Bが、直径D1[mm]、厚みt1[mm]の円板形状をなし、表面側部分201Aに「月形」などの各駒201の種類を表す特徴的な形状が突設されている。表面側部分201Aの厚みt2は、裏面側部分201Bの厚みt1より大きく、たとえば、2t1[mm]である。
表面側部分201Aに突設される形状は、「月形」の駒201では、「三日月」の形状であり、「星形」の駒201では、「五芒星」の形状であり、「太陽形」の駒201では、「円形」の形状である。また、「突起形」の駒201では、3個の円柱突起を三角形に配置した形状であり、「四角形」の駒201では、正方形の形状である。
表面側部分201Aに突設される「三日月」などの形状は、その外形形状が内接する円の直径D2[mm]が裏面側部分201Bの円形の直径D1よりも小さくなるように形成されている。これにより、駒201は、裏面側部分201Bが鍔部となるようになっている。
全ての駒201には、図11(a)に示すようにRFタグ7が内蔵されており、各RFタグ7に駒201の種類に関する種類情報やゲームにおける駒201のゲーム効果に関する効果情報が記録されている。なお、図11では、(a)の駒201にだけRFタグ7を描いき、(b)〜(e)の駒201にはRFタグ7の図を省略している。
図12は、駒集合2を構成する36個の駒201の分類内容を示す図である。
図12において、縦軸の「月形」、「星形」、「太陽形」、「突起形」、「四角形」は、駒201の表面側部分201Aの形状で分類した第一グループのグループ名であり、横軸の「ツルツル」、「ザラザラ」は、表面側部分201Aの手触り感で分類した第二グループのグループ名である。
全ての駒201は、表面側部分201Aの頭丁の面201aを除いて、全て同一の摩擦抵抗を有している。その摩擦抵抗の値は、プレーヤが「ツルツル」の手触り感を有する値である。「ツルツル」の第二グループに属する駒201は、表面側部分201Aの頭丁の面201aの摩擦抵抗が他の部分の摩擦抵抗と同一で、駒201全体が「ツルツル」の手触り感を有している。
一方、「ザラザラ」の第二グループに属する駒201は、表面側201Aの頭丁の面201aの摩擦抵抗が他の部分の摩擦抵抗よりも大きく、頭丁の面201aの部分が「ザラザラ」の手触り感を有している。
また、「ゲーム効果有り」は、駒201に内蔵されているRFタグ7にゲーム効果に関するゲーム効果が記録されていることを示している。また、縦軸と横軸の交差する欄の数字は、グループ内の駒201の数である。
各欄のグループを(外形形状,手触り感,ゲーム効果の有無)で表すとすると、駒集合2を構成する36個の駒201は、(月形,ツルツル,効果無し)、(星形,ツルツル,効果無し)、(太陽形,ツルツル,効果無し)の各グループが各6個、(月形,ツルツル,効果有り)、(星形,ツルツル,効果有り)、(太陽形,ツルツル,効果有り)の各グループが各1個、(月形,ザラザラ,効果無し)、(星形,ザラザラ,効果無し)、(太陽形,ザラザラ,効果無し)の各グループが各1個、(月形,ザラザラ,効果有り)、(星形,ザラザラ,効果有り)、(太陽形,ザラザラ,効果有り)の各グループが各3個、(突起形,ツルツル,効果有り)のグループが2個、(四角形,ツルツル,効果有り)のグループが1個で構成されている。
ここで、ボードゲームの遊び方の例について説明する。なお、遊び方(ゲームのルール)は問わないことは言うまでもない。
このゲームでは、最初に、36個の駒201を良くシャッフルしてボード4に裏向けにして載置し、3人のプレーヤに5個ずつ手駒20を配り、ボード4上に残った21個の駒201を場駒とする。
3人のプレーヤへの手駒201の配り方は、例えば、ジャンケンなどでボード4上の駒201を取る順番を決め、その順番で各プレーヤがボード4上の駒201を1個ずつ5回巡回するまで取って行く。各プレーヤは、5個の手駒201を後述する目隠し板9の内側に配置する。
3人のプレーヤへの手駒201の分配が終わると、例えば、ジャンケンなどで最初に手駒201を場に捨てるプレーヤ(以下、「スタートプレーヤ」という。)を決めた後、ゲーム開始となる。
ゲームのルールは、まず、ボード4上に残った21個の駒201の一つを取り出してその駒201の形状を場駒の形状とし、3人のプレーヤは、スタートプレーヤから予め決められた順番(例えば、右回りや左回りの順番)で手駒の中から場駒の形状と同一の形状を有する手駒を場に捨てて行く。また、従って、プレーヤは、現在の場駒の形状と異なる形状の変更駒は、場に捨てることができる。
場に捨てる手駒201がないプレーヤは、ボード4上の場駒を1個取って手駒とし、その駒201が場の形状と同一であれば場に捨て、場の形状と同一でなければ、その駒201を保持する。
場駒の形状は、ゲーム進行によって変化する。例えば、(月形,ザラザラ,効果有り)、(星形,ザラザラ,効果有り)、(太陽形,ザラザラ,効果有り)の各駒201は、場駒の形状を、各駒の形状に変更できる効果を有している。プレーヤは、場駒の形状を変えたいときや、場駒の形状と同一形状を有する手駒がないときに、上記の駒201を場に出すことができる。
従って、場駒の形状は、プレーヤが(星形,ザラザラ,効果無し)、(太陽形,ザラザラ,効果無し)のいずれかの駒201を場に捨てたとき、その駒201の形状に変更される。
なお、場の形状と同一形状の手駒201が3回連続して場に捨てられると、例えば、場の形状は自動的に変更されても良い。かかる場合、場の形状の変更は、例えば、「月形」、「星形」、「太陽形」の中から抽選により1の形状を選定する方法によって行われる。
各プレーヤは毎回手駒201を場に捨てることはできるとは限らず、手駒201を捨てる巡回が進むにつれて3人のプレーヤの中にはボード4上の場駒を取って手駒201にしなければならないプレーヤが生じる。従って、このゲームでは、手駒201を捨てる巡回が進むにつれて3人のプレーヤの手駒201の数に違いが生じ、一番早く手駒201が無くなったプレーヤが出ると、そのプレーヤがゲームの勝者となり、ゲーム終了となる。
手駒201を捨てる巡回が進行するのに応じて3人のプレーヤの手駒201の数の変化を面白くするために、所定のゲーム効果を発生する突起形の駒201と四角形の駒201が設けられている。また、「月形」、「星形」、「太陽形」の駒201の一部にもゲーム効果を発生する駒201が含まれている。
ゲーム効果を発生しない駒201は、(月形,ツルツル,効果無し)、(星形,ツルツル,効果無し)、(太陽形,ツルツル,効果無し)の各グループに属する18個の駒201と、(月形,ザラザラ,効果無し)、(星形,ザラザラ,効果無し)、(太陽形,ザラザラ,効果無し)の各グループに属する9個の駒201である。
以下では、説明の内容に応じて、上記の18個の駒201を「ツルツル駒」と称し、上記の9個の駒201を「ザラザラ駒」と称して説明する。
突起形の駒201は、この駒201を場に出すと、例えば、順番が次のプレーヤに場駒を2個取らせるという第一のゲーム効果と次のプレーヤに場駒を4個取らせるという第二のゲーム効果を所定の確率で発生させる駒である。所定の確率は、予め任意の確率を設定することができる。例えば、第一のゲーム効果と第二のゲーム効果の発生確率はそれぞれ1/3(33%)に設定されている。
突起形の2個の駒201は、次のプレーヤの手駒201を増やすゲーム効果を生じさせるので、次のプレーヤを攻撃することができる駒201である。第一のゲーム効果と第二のゲーム効果の発生確率を1/3に設定した場合は、1/3の確率で第一及び第二のゲーム効果が生じない(すなわち、ゲーム効果が不発となる)ので、次のプレーヤを確実に攻撃できるものではない。以下、説明の内容に応じて突起形の駒201を「攻撃駒」と称して説明する。
四角形の駒201は、この駒201を場に出すと、例えば、次のプレーヤに場駒を4個取らせるという第三のゲーム効果を発生させる駒である。四角形の駒201は、例えば、100%の確率で次のプレーヤに場駒を4個取らせるので、次のプレーヤを確実に攻撃できる駒である。以下、説明の内容に応じて四角形の駒201を「特殊駒」と称して説明する。
(月形,ツルツル,効果有り)、(星形,ツルツル,効果有り)、(太陽形,ツルツル,効果有り)の各グループに属する3個の駒201は、その駒201を場に出すと、例えば、その駒201を場に出したプレーヤに場駒を2個取らせるという第四のゲーム効果を所定の確率で発生させる駒である。第四のゲーム効果の発生確率も、予め任意の確率を設定することができ、本具体例では、例えば、1/2(50%)に設定されている。以下、説明の内容に応じて、上記3個の駒201を「ツルツル駒(特)」と称して説明する。
3個の「ツルツル駒(特)」は、1/2の確率でプレーヤ自身を不利にする効果を有する。「ツルツル駒」と「ツルツル駒(特)」は、外形形状も手触り感も同じであるので、プレーヤは駒201が「ツルツル駒」と「ツルツル駒(特)」のいずれであるかは見分けがつかない。
(月形,ザラザラ,効果有り)、(星形,ザラザラ,効果有り)、(太陽形,ザラザラ,効果有り)の各グループに属する3個の駒201は、これらの駒201を場に出すと、例えば、次のプレーヤに場駒を2個取らせるという第五のゲーム効果を所定の確率で発生させる駒である。所定の確率は、予め任意の確率を設定することができる。例えば、第五のゲーム効果の発生確率は1/2(50%)に設定されている。
また、上記3個の駒201は、上述したように、これらの駒201を場に出すと、場駒の形状をその駒201の形状に変更するという効果も有する。以下、説明の内容に応じて上記3個の駒201を「ザラザラ駒(特)」と称して説明する。
ザラザラ駒(特)は、1/2の確率で第五のゲーム効果が生じない(すなわち、ゲーム効果が不発となる)ので、攻撃駒と同様に、次の順番のプレーヤを確実に攻撃できるものではない。
ザラザラ駒(特)は、プレーヤが場駒の形状を当該プレーヤの所望の形状に変更できるという効果を有するので、プレーヤが最後に場に出して上がるとき以外にいつでも場に出すことができる。
「ザラザラ駒」と「ザラザラ駒(特)」は、外形形状も手触り感も同じであるので、プレーヤは駒201が「ザラザラ駒」と「ザラザラ駒(特)」のいずれであるかは見分けがつかない。従って、「ザラザラ駒」もプレーヤが最後に場に出して上がるとき以外にいつでも場に出すことができる。
プレーヤは、「ツルツル駒(特)」と「ザラザラ駒(特)」を手触り感で見分けることができる。「ザラザラ駒(特)」は、次のプレーヤを1/2の確率で不利にすることができる駒であるが、「ツルツル駒(特)」は、プレーヤ自身を1/2の確率で不利にする駒であるので、プレーヤが次のプレーヤを攻撃する場合、「ザラザラ駒(特)」を使用するのが通常である。
プレーヤは、「ツルツル駒(特)」を使用するタイミングを制御できないので、「ツルツル駒(特)」によるプレーヤ自身への不利なゲーム効果は、プレーヤにとって地雷を踏むような効果を生じる。
18個のツルツル駒と3個のツルツル駒(特)は、最後の手駒となっても場に出すことができるが、9個のザラザラ駒、3個のザラザラ駒(特)、2個の攻撃駒及び1個の特殊駒は、最後の手駒になった場合は場に出すことができないルールとなっている。すなわち、プレーヤが最後の手駒を場に出して上がる場合は、必ず、ツルツル駒又はツルツル駒(特)の駒201を場に出すようにしなければならない。
また、「月形」、「星形」、「太陽形」の駒201は、場に設定される駒201の形状と一致する場合にだけ場に出すことができるが、ザラザラ駒、ザラザラ駒(特)、攻撃駒及び特殊駒は、場の駒の形状に関係なく場に出すことができる。
ツルツル駒(特)は、1/2の確率で場駒を2個取らなければならない第四のゲーム効果が発生するので、ツルツル駒(特)を最後に場に出す場合、確実に上がることができるという保証がない。プレーヤは、ツルツル駒(特)を最後に場に出す場合は注意を要する。
また、ザラザラ駒(特)は、場の駒の形状を変更できる効果を有するが、形状及び手触りがザラザラ駒(特)と同じであるザラザラ駒にはその効果が無いので、プレーヤが場の駒の形状と異なるザラザラ駒を場に出したときには、お手つきとなる。従って、プレーヤは、ザラザラ駒とザラザラ駒(特)を場に出す場合は注意を要する。
図13は、ボード4の構成を示す図である。
ボード4は、低背の枠体401と、その枠体401の上面に設けられた駒載置板402とで構成される。駒載置板402には駒201を固定するための凹部403が駒集合2を構成する駒201の総数36個と同一の数だけ設けられている。凹部403は、駒載置板402を貫通した円形の穴である。
穴403の直径D3は、駒201の表面側部分201Aの直径D2(図2参照)より大きく、表面側部分201Aの直径D1(図2参照)よりも小さいサイズである。なお、穴403の直径D3は、直径D2よりわずかに大きいサイズであることは好適である。駒201は、表面側201Aを下に向けて穴403に嵌め込むことにより、ボード4に固定的に載置することができる。ボード4に載置された駒201は、裏面側部分201Bが駒載置板402よりも上に突出するので、プレーヤは、突出した部分を摘まんで上方に引き抜くことにより、ボード4から駒201を取り出すことができる。
全ての駒201は、表面側201Aの頭丁の面201aの部分だけに摩擦係数が異なる状態が形成されているので、ボード4から駒201を取り出すときには、プレーヤは、駒の外形形状や手触り感を知ることはできない。プレーヤは、ボード4から駒201を取り出した後、表面側201Aの頭丁の面201aを触れることにより、触覚的に駒201の外形形状と手触り感を知ることができる。
図14は、目隠し板9の構成を示す図である。
目隠し板9は、平板の先端部を手前側に屈曲させた板部材901と、その板部材901の底板部901Aに取り付けられる駒置き台902とを備える。板部材901の底板部901Aと底板部901Aの先端から立ち上がる目隠し部901Bとの鋏み角θは、目隠し部901Bが手前側に傾斜するように、例えば、65度〜75度の角度になっている。
駒置き台902は、上面が開放された低背の箱型部材からなる。駒置き台902は、目隠し板9の折り曲げ部に近接して取り付けられており、プレーヤは、手駒201を駒置き台902の中におくことにより、他のプレーヤに対して手駒201を隠すことができる。
RFリーダー8は、スマートフォン型の本体810を有し、一方の長方形状の面810A(図10では上側の面)が駒201に内蔵されたRFタグ7との通信を行う通信面となっており、他方の長方形状の面は、RFリーダー8を机10に載置するための載置面となっている。
RFリーダー8は、プレーヤが駒201を通信面810Aにかざすと、その駒201に内蔵されたRFタグ7から駒201の形状に関する情報を読み取り、その形状に対応する画像情報をディスプレイ5に出力し、音声情報をスピーカ6に出力する。
例えば、形状に関する情報が「月形」の場合、RFリーダー8は、例えば、種類情報「月形」を取得し、駒情報読取装置3が保持する表示手段3011は、種類情報「月形」に対応する画像情報である、図15に示す三日月形の画像情報をディスプレイ5に出力する。また、駒情報読取装置3が保持する音声出力手段3012は、例えば、種類情報「月形」に対応する音声情報「月形です。」をスピーカ6に出力する。
また、RFリーダー8は、RFタグ7にゲーム効果に関する情報が含まれている場合は、その情報を読み取り、表示手段3011はゲーム効果に関する情報に対応する画像情報をディスプレイ5に出力し、音声出力手段3012は音声情報をスピーカ6に出力する。
例えば、ゲーム効果に関する情報が次のプレーヤがボード4から場駒を2個取る内容の場合、表示手段3011は、例えば、図16に示す画像情報(ボード4から場駒を2個取ることを示す内容の画像)をディスプレイ5に出力し、音声出力手段3012は、例えば、「次のプレーヤは、場駒を2個取ってください。」という音声情報をスピーカ6に出力する。
なお、図16の例では、誰が場から駒201を2個取るのかの情報が描かれていないが、例えば、手駒を出したプレーヤが場駒を取る場合と次のプレーヤが場駒を取る場合で背景の色分けがされており、その背景色で場から駒201を取るプレーヤが分かるようになっている。
例えば、背景色が赤色の場合は、次のプレーヤが場駒を取り、背景色が青色の場合は、手駒を出したプレーヤが場駒を取るルールになっている。
次に、3人のプレーヤA,B,Cがゲームを行う場合のゲーム進行について説明する。
ゲームを開始するときには、ボード4の36個の穴403に36個の駒201がシャッフルされて表面側部分201Aを伏せるようにして載置されているものとする。ボード4に載置されている36個の駒201の取り順は、ボード4の右下隅の駒201から左側に走査するように順番に取っていくものとする。
また、3人のプレーヤA,B,Cは、机10の周りに右周りに座っているものとし、スタートプレーヤは、「A」に決まっているとする。
まず、プレーヤA,B,Cは、ボード4の右下隅の1番の駒201(図13で「1」の番号の穴403に配置される駒201)から1個ずつ順番に場駒を5回取って手駒とする。プレーヤA,B,Cは、5個の手駒を目隠し板9の駒置き台902に載置する。
スタートプレーヤのプレーヤAは、ボード4に残っている16番の駒201を取り、その駒201をRFリーダー8にかざす。この操作は、場に出す駒201の形状を決定するための操作である。
RFリーダー8は、16番の駒201に内蔵されているRFタグ7から駒201の種類に関する情報を読み取り、表示手段3011は、その情報から画像情報をディスプレイ5に出力し、音声出力手段3012は、音声情報をスピーカ6に出力する。例えば、16番の駒201の種類に関する情報が「月形」の場合、ディスプレイ5に図15に示す三日月形の画像G1が表示され、スピーカ6から「月形です。」の音声が出力される。
これにより、3人のプレーヤA,B,Cは、場に出す駒201の形状が「月形」であることを視覚と視覚の両方で知ることができる。
プレーヤAは、手駒の中に1以上の「月形」の駒201がある場合は、いずれかの「月形」の駒201を場に出す。一方、プレーヤAは、手駒の中に「月形」の手駒201がない場合は、ボード4から場駒を1個取り(図13で「16」の番号の穴403に配置される駒201を取り)、プレーヤBに順番が移る。
また、プレーヤAは、手駒に攻撃駒、特殊駒又はザラザラ駒(特)がある場合、それらの駒201を場に出すことができる。
プレーヤAは、手駒の中から駒201を場に出すとき、その駒201をRFリーダー8にかざし、当該駒201に内蔵されているRFタグ7に記録されている情報を読み取らせる。
プレーヤAが「月形」の「ツルツル駒」を場に出した場合は、その駒201のRFタグ7にはゲーム効果に関する情報が記録されていないので、ディスプレイ5には図15に示す三日月形の画像G1が表示され、スピーカ6から「月形です。」の音声が出力される。
また、プレーヤAが、例えば、「月形」の「ザラザラ駒(特)」を場に出した場合は、RFリーダー8は、その駒201のRFタグ7に記録されている形状に関する情報を読み取り、形状に関する情報に対応する画像情報と音声情報をそれぞれディスプレイ5とスピーカ6に出力する。
なお、この場合は、場の駒の形状と「ザラザラ駒(特)の形状が同じであるので、場の駒のけ形状の変更は行われない。
さらにRFリーダー8は、RFタグ7からゲーム効果に関する情報を読み取り、第五のゲーム効果(次のプレーヤBに場駒を2個取らせる効果)を発生させるか否か抽選により決定する。この抽選は、1/2の確率で当たりが出る抽選である。
RFリーダー8は、抽選の結果が当たりの場合は、図16に示す画像情報(ボード4から場駒を2個取ることを示す内容の画像G2)をディスプレイ5に出力し、「次のプレーヤは、場駒を2個取ってください。」という音声情報をスピーカ6に出力する。
一方、RFリーダー8は、抽選の結果がハズレの場合は、ゲーム効果に関する情報の出力処理をしない。
プレーヤAが手駒の中に「月形」の駒がなく、攻撃駒又は特殊駒を場に出した場合は、RFリーダー8は、その駒201のRFタグ7に記録されている形状に関する情報を読み取り、形状に関する情報に対応する画像情報と音声情報をそれぞれディスプレイ5とスピーカ6に出力する。
この場合のディスプレイ5に出力する画像情報は、攻撃駒の場合は、例えば、ボード4から場駒を2個取ることを示す内容の画像G2(図16参照)の情報であり、特殊駒の場合は、例えば、ボード4から場駒を4個取ることを示す内容の画像(図16を変形した図)の情報である。
また、この場合のスピーカ6に出力される音声情報は、攻撃駒の場合は、「次のプレーヤは、場駒を2個取ってください。」又は「次のプレーヤは、場駒を4個取ってください。」の音声情報であり、特殊駒の場合は、「次のプレーヤは、場駒を4個取ってください。」の音声情報である。
プレーヤAが手駒の中に「月形」の駒がなく、「星形」又は「太陽形」のザラザラ駒(特)を場に出した場合は、RFリーダー8は、その駒201のRFタグ7に記録されている形状に関する情報を読み取り、形状に関する情報に対応する画像情報と音声情報をそれぞれディスプレイ5とスピーカ6に出力する。
この場合は、場の駒の形状が変更されるので、RFリーダー8は、場の駒201の形状を変更することを示す画像情報と音声情報をディスプレイ5とスピーカ6にそれぞれ出力する。例えば、プレーヤが場に出した駒201が「星形」のザラザラ駒(特)の場合、ディスプレイ5には、例えば、図17に示すように、「Chage」の文字とギザギザの吹き出しの図形を組み合わせた画像G3が出力された後、変更後の形状(「星形」の形状)を示す図形の画像G2が出力され、スピーカ6からは、「星形にチェンジ」の音声情報が出力される。
また、RFリーダー8は、駒201のRFタグ7に記録されている形状に関する効果情報を読み取り、ザラザラ駒(特)の第五のゲーム効果を発生させるための中世を行う。そして、抽選により当たりができると、RFリーダー8は、例えば、ボード4から場駒を2個取ることを示す内容の画像G2(図16参照)をディスプレイ5に表示する。また、RFリーダー8は、例えば、「次のプレーヤは、場駒を2個取ってください。」音声情報をそれぞれディスプレイ5とスピーカ6に出力する。
プレーヤAが手駒を場に出すか、ボード4から場駒を取るかのいずれかをして順番がプレーヤBに移ると、プレーヤBもプレーヤAと同様に、上述した出し方で手駒を場に出すか、手駒がない場合にはボード4から場駒を取る操作をする。
なお、プレーヤAが「月形」の「ザラザラ駒(特)」を場に出して第五のゲーム効果が発生した場合は、プレーヤBは、ボード4から2個の駒201を取り、それらの駒201も含めて手駒に場の形状の同一形状の駒201があれば、その駒201を場に出し、手駒に場の形状の同一形状の駒201がなければ、プレーヤCに順番が移動する。
また、プレーヤAが攻撃駒を場に出して第一のゲーム効果(次のプレーヤに場駒を2個取らせる効果)又は第二のゲーム効果(次のプレーヤに場駒を4個取らせる効果)が発生した場合は、プレーヤBは、ボード4から2個又は4個の駒201を取り、それらの駒201も含めて手駒に場の形状の同一形状の駒201があれば、その駒201を場に出し、手駒に場の形状の同一形状の駒201がなければ、プレーヤCに順番が移動する。
また、プレーヤAが特殊駒を場に出して第三のゲーム効果(次のプレーヤに場駒を4個取らせる効果)が発生した場合も、プレーヤBは、ボード4から4個の駒201を取り、それらの駒201も含めて手駒に場の形状の同一形状の駒201があれば、その駒201を場に出し、手駒に場の形状の同一形状の駒201がなければ、プレーヤCに順番が移動する。
プレーヤBが手駒を場に出すか、ボード4から場駒を取るかのいずれかをして順番がプレーヤCに移ると、プレーヤCもプレーヤA又はプレーヤBと同様に、上述した出し方で手駒を場に出すか、手駒がない場合にはボード4から場駒を取る操作をする。
順番が連続した2人のプレーヤが攻撃駒又は特殊駒を場に出した場合や、ザラザラ駒(特)を場に出して第五のゲーム効果が発生した場合は、攻撃駒の第一又は第二のゲーム効果、特殊駒の第三のゲーム効果、ザラザラ駒(特)の第五のゲーム効果が累積的に持ち越される。
例えば、場の駒201の形状が「月形」で、プレーヤAが「月形」の「ツルツル駒」を出した後、プレーヤBとプレーヤCがそれぞれ攻撃駒と特殊駒を連続して場に出し、攻撃駒の「次のプレーヤは場駒を2個取る」という第一のゲーム効果と特殊駒の「次のプレーヤは場駒を4個取る」という第二のゲーム効果とが発生した場合、これらのゲーム効果は、プレーヤCの次の番のプレーヤAに持ち越され、プレーヤAは、手駒に攻撃駒又は特殊駒が無ければ、ボード4から6個の駒201を取らなければならない。
この場合は、場の駒の形状は変化しないので、一巡したプレーヤBは、再度、場の駒の「月形」の種類に対して同一種類の手駒を出さなければならない。
一方、プレーヤBが攻撃駒に出した後、プレーヤCが「星形」のザラザラ駒(特)を出して「次のプレーヤは場駒を2個取る」という第五のゲーム効果が発生した場合、これらのゲーム効果は、プレーヤCの次の番のプレーヤAに持ち越され、プレーヤAは、手駒に攻撃駒又は特殊駒が無ければ、ボード4から4個の駒201を取らなければならない。
この場合は、プレーヤCが「星形」のザラザラ駒(特)を場に出したことにより、場の駒の形状が「星形」に変更されるので、一巡したプレーヤBは、変更後の場の駒の形状「星形」と同一種類の手駒を出さなければならない。
以上のルールによって、プレーヤA,B,Cは順番に手駒を場に出していき、手駒が最初に無くなったプレーヤがゲームの勝者となる。例えば、プレーヤBが最初に手駒が無くなると、プレーヤBが勝者となる。
また、第一ないし第五のゲーム効果によりプレーヤA,B,Cがボード4に残っている21個の駒201を取ることによってボード4に駒201が無くなった場合は、その時点で手駒が最も少ないプレーヤが勝者となる。
なお、場の駒の形状が「月形」で、プレーヤB,Cが「月形」のツルツル駒(特)と「月形」のツルツル駒をそれぞれ1個ずつ手駒に持っている場合、プレーヤBが最後にツルツル駒(特)を出して「プレーヤ自身が2個の場駒を取る」という第四のゲーム効果が発生すると、プレーヤBは、ボード4から駒201を2個取らなければならないので、上がることはできない。
ツルツル駒ではゲーム効果は発生しないので、このようなケースでは、プレーヤCが最初に手駒がなくなることになり、プレーヤCが勝者となる。
上記の具体例では、プレーヤA,B,Cがザラザラ駒(特)を出すことによって場の駒の形状をその駒201の形状に変更したり、特殊駒201を出すことによって場の駒の形状を、当該特殊駒201を出したプレーヤの望む形状に変更したりするルールにしていたが、プレーヤA,B,Cから手駒が連続して所定の回数だけ場に出されたときに、抽選により場の駒の形状を変化させるようにしてもよい。
この場合は、プレーヤA,B,Cが順番に手駒を場に出す動作に応じて、RFリーダー8は、場の駒の形状と同一形状の手駒が出された回数をカウントし、例えば、3回連続すると、場の駒の形状を変更するための抽選を行う。
RFリーダー8は、例えば、「月形」、「星形」、「太陽形」の各形状が当たる確率が1/3(33%)の抽選を行い、変更後の場の駒の形状を決定する。そして、RFリーダー8は、変更後の場の駒の形状を決定すると、上述した方法と同様の方法で、場の駒201の形状を変更することを示す画像情報と音声情報をディスプレイ5とスピーカ6にそれぞれ出力する。
上記の実施の形態で、コンピュータを用いないゲーム(アナログゲーム)について説明したが、本発明に係る駒集合2等は、コンピュータを用いたコンピュータゲームにも適用することができる。
例えば、プレーヤA,B,Cがインターネットに接続された端末装置をそれぞれ有し、仮想空間のゲーム場に図10に示すボードゲーム1の構成の画像を登場させて、プレーヤA,B,Cがゲーム空間上で上述したボードゲームを行うようにしても良い。端末装置は、ノートパソコン、スマートフォン、タブレット端末などを用いるとよい。
この場合は、プレーヤA,B,Cがそれぞれ駒集合2を持ち、ゲーム空間上でボード4から抜き取った駒201(画像)に対応する駒201を駒集合2から抜き取って手駒とする。そして、各プレーヤA,B,Cが場に手駒を出すときには、駒201を端末装置にかざして当該駒201の形状やゲーム効果などの駒情報を読み取らせ、その駒情報を当該端末装置からゲームを制御するサーバに送信すればよい。
また、各プレーヤA,B,Cの端末装置で、場に出した駒201の形状やゲーム効果に関する情報や、場の駒の形状を変更する情報などの各種の情報の画像や音声で出力させるようにすればよい。
上記の実施の形態では、駒201にRFタグ7を内蔵したり、バーコードなどのコードを付したりしてこれらの部材に駒201に関する情報を記録するようにしていたが、駒201に1以上の突起部材を付け、その突起部材の数、大きさ、配置などの構成に駒201に関する情報を対応付けるようにしてもよい。
この方式では、例えば、駒201の表面に複数個(例えば、3個)の突起を設ける一方、複数個の突起の数、大きさ、突起同士の相対的な位置関係などの情報に対応付けて駒201に関する情報を端末装置の格納部に格納しておく。そして、駒201の突起のある面を端末装置のタッチパネルに接触して突起の数、大きさ、突起同士の相互の位置関係などの情報を読み取り、その情報に対応付けられた駒201に関する情報を端末装置の格納部から読み出すようにする。
この方式では、プレーヤは突起の数や配置に関する触覚的な感覚で駒201の種類を識別できるとともに、突起の数、大きさ、突起同士の相対的な配置関係などによって駒201に関する情報も駒201から読み取ることができる。
以上説明したように、本実施の形態に係るゲームボード用の駒集合2を構成する駒201は、外形形状と手触り感の2つの要素を有しているので、プレーヤは、視覚と触覚によって駒201を識別することができる。
また、駒201に、例えば、駒の種類に関する種類情報を記録したRFタグ7を内蔵し(種類情報を記録した情報格納手段2011を設け)、その種類情報をRFリーダー8(駒情報読取装置3)で読み取って駒201の種類を示す画像G1をディスプレイ5に表示するとともに、駒201の種類を示す音声情報をスピーカ6から出力するようにしているので、プレーヤは、聴覚によっても駒201を識別することができる。
これにより、聴覚障害者と視覚障害者が一緒に遊ぶことができるボードゲーム1を提供することができる。
また、駒201には、ゲーム効果に関する情報も記録してき、ゲームの進行に応じて他のプレーヤを不利にするようなゲーム効果やプレーヤ自身が不利になるようなゲーム効果を出力させるようにしているので、ゲーム進行を面白くすることができる。
特に、ゲーム効果をクジにより所定の確率で発生させるようにしているので、プレーヤが予測できないゲーム展開にすることができ、ゲームの面白さをより向上させることができる。
また、駒201の形状を、表面側部分201A(形状が表れる側)を下にして(駒201を伏せた姿勢にして)ボード4の穴403の嵌め込む構造にしているので、プレーヤには駒201の種類が分からないように、全ての駒201をボード4にはいつすることができる。
なお、本発明に係る駒情報読取装置3は、ノートパソコン、PDA、携帯電話、無線LANカードなどに組み込む構成であってもよい。
なお、本発明に係るボードゲーム1は、視覚障害や聴覚障害のない健常者であっても、十分に楽しめることはいうまでもない。
従って、本実施の形態において、視覚障害者、聴覚障害者などの障害者と健常者とが参加してボードゲームを楽しむことができる。
上記の実施の形態において、駒情報読取装置3の各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、コンピュータシステムによってプログラムを実行することによって実現されてもよい。
本実施の形態による駒情報読取装置3を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。
すなわち、コンピュータを、駒集合を構成する駒が具備する情報格納手段から情報を取得する、又は当該駒の画像を取得し、画像認識することにより情報を取得する情報取得部と、情報取得部が取得した情報又は情報取得部が取得した情報を用いて得られる情報を、音声出力する、又は表示する、又は音声出力及び表示をする出力部と、して機能させるプログラムである。
また、上記のプログラムにおいて、コンピュータがアクセス可能な記録媒体は、駒から取得される情報に対応付けて2以上の出力情報が格納される格納部を具備し、コンピュータを、情報取得部が取得した情報に対応する2以上の出力情報のうち、一の出力情報を選択する選択部としてさらに機能させ、出力部は、一の出力情報を音声出力する、または表示する、または音声出力しかつ表示するプログラムである。
また、上記のプログラムにおいて、選択部は、情報取得部が取得した情報に対応する2以上の出力情報のうち、確率的に一の出力情報を選択するプログラムである。
図18は、上記プログラムを実行して、本実施の形態による駒情報読取装置3を実現するコンピュータシステム900の一例を示す図である。図18に示すコンピュータシステム900は、スマートフォンなどの携帯端末装置におけるシステムである。
図18において、コンピュータシステム900は、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムや、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータが記憶されるフラッシュメモリ等のROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM913と、無線通信モジュール914と、タッチパネル915と、カメラモジュール916と、タグ読取モジュール917と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス918と、を備える。
無線モジュール914は、インターネットなどの通信網を介して通信を行うためのモジュールである。カメラモジュール916は、通常のカメラ機能や駒201に付されたバーコードやマトリックス型マトリックス型二次元コードなどのコードを読み取る際にコードを撮影する機能を果たすモジュールである。タグ読取モジュール917は、駒201に内蔵されるRFタグから情報を読み取るためのモジュールである。
なお、無線通信モジュール915に代えて、有線通信モジュールを備えていてもよい。また、タッチパネル914に代えて、ディスプレイと、マウスやキーボード等の入力デバイスとを備えていてもよい。
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による駒情報読取装置3を実行させるプログラムは、無線通信モジュール914を介してROM912に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、ネットワークから直接、ロードされてもよい。
コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
本発明は、以上の各実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。