JP2017054615A - 被覆負極活物質 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、発熱を抑制しつつ、抵抗を低減した被覆負極活物質を提供することを課題とする。【解決手段】本発明においては、全固体リチウム電池に用いられる被覆負極活物質であって、黒鉛構造を有する負極活物質と、上記負極活物質の表面において上記黒鉛構造の構造欠陥部を被覆する被覆部とを有し、上記被覆部がニオブ酸リチウムから構成され、上記被覆部が粒子状であり、上記被覆部の平均粒径が1.5nm以下であることを特徴とする被覆負極活物質を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図3

Description

本発明は、発熱を抑制しつつ、抵抗を低減した被覆負極活物質に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
現在市販されているリチウム電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層に変えて、電池を全固体化したリチウム電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。
一方、活物質の表面を酸化物で被覆する技術が知られている。例えば、特許文献1には、粒状の負極活物質の一部を、絶縁性とリチウムイオン伝導性とを有する被膜で被覆した蓄電装置用負極が開示されている。さらに、負極活物質として黒鉛を用いることが記載され、被膜として、ニオブ、チタン、バナジウム、タンタル、タングステン、ジルコニウム、モリブデン、ハフニウム、クロム、アルミニウム若しくはシリコンのいずれか一の酸化膜、又はこれら元素のいずれか一とリチウムとを含む酸化膜を用いることが記載されている。また、被膜の製造方法として、ゾルゲル法が記載されている。この技術は、負極における電解液等の電気化学的な分解を抑制することを目的としている。
特許文献2には、電解質溶液を含むリチウムイオン電池において、アノードの表面上に配置されたパッシベーションプロテクタを含み、パッシベーションプロテクタが薄膜堆積層であり、パッシベーションプロテクタの厚さが1nm〜1μmであるリチウムイオン電池が開示されている。さらに、パッシベーションプロテクタとして酸化アルミニウム(Al)等を用いることが記載され、パッシベーションプロテクタの製造方法として、原子層堆積法が記載されている。この技術は、高温で動作し得るリチウムイオン電池を提供することを目的としている。
特開2013−232403号公報 特開2013−143375号公報
例えば特許文献1は、主に電解液を用いた電池に関する技術である。電解液を用いた電池では、例えば、初回の充電時に電解液の分解が生じ、負極活物質表面に被膜(SEI膜)が生じる。SEI膜は、通常、絶縁性を有するため、その後の充放電における電解液の分解を抑制することができる。
一方、全固体リチウム電池に用いられる固体電解質材料は、通常、電解液よりも分解反応が生じにくい。そのため、負極活物質表面にSEI膜が十分に生じていないと推測される。その結果、例えば何らかの理由により電池温度が上昇した場合に、負極活物質および固体電解質材料の反応が起き、発熱が生じる場合がある。
また、特許文献1では、ゾルゲル法により、黒鉛の表面に被膜を形成している。しかしながら、従来のゾルゲル法では被膜の厚さを制御することが難しく、被膜を構成する酸化物の粒径も相対的に大きい。その結果、負極活物質および固体電解質材料の反応による発熱は抑制できるものの、抵抗が増大する。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、発熱を抑制しつつ、抵抗を低減した被覆負極活物質を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、全固体リチウム電池に用いられる被覆負極活物質であって、黒鉛構造を有する負極活物質と、上記負極活物質の表面において上記黒鉛構造の構造欠陥部を被覆する被覆部とを有し、上記被覆部がニオブ酸リチウムから構成され、上記被覆部が粒子状であり、上記被覆部の平均粒径が1.5nm以下であることを特徴とする被覆負極活物質を提供する。
本発明によれば、構造欠陥部を被覆する被覆部が粒子状のニオブ酸リチウムであり、さらに、被覆部の平均粒径が小さいことから、発熱を抑制しつつ、抵抗を低減した被覆負極活物質とすることができる。
本発明の被覆負極活物質は、発熱を抑制しつつ、抵抗を低減できるという効果を奏する。
本発明の被覆負極活物質の一例を示す概略断面図である。 本発明の被覆負極活物質を説明する概略断面図である。 実施例1、2および比較例1〜3で得られたサンプルに対する、発熱量および反応抵抗の結果である。 原子層堆積法(ALD法)における選択性を説明する原子間力顕微鏡(AFM)画像である。
以下、本発明の被覆負極活物質について、詳細に説明する。図1は、本発明の被覆負極活物質の一例を示す概略断面図である。図1における被覆負極活物質10は、黒鉛構造を有する負極活物質1と、負極活物質1の表面において黒鉛構造の構造欠陥部を被覆する被覆部2とを有する。本発明においては、被覆部2がニオブ酸リチウムから構成され、被覆部2が粒子状であり、被覆部2の平均粒径が特定の値以下であることを大きな特徴とする。
本発明によれば、構造欠陥部を被覆する被覆部が粒子状のニオブ酸リチウムであり、さらに、被覆部の平均粒径が小さいことから、発熱を抑制しつつ、抵抗を低減した被覆負極活物質とすることができる。ここで、「黒鉛構造」とは、炭素の六角網面が積層された層状構造をいう。炭素の4個の価電子のうち、3個がSP混成軌道を形成して六角網面を形成し、残り1個(π電子)が、積層方向においてファンデルワールス結合を形成している。また、「構造欠陥部」とは、黒鉛構造における六角網端をいい、具体的には、エッジ部および点欠陥部等が挙げられる。構造欠陥部は、リチウムのインターカレーションおよびデインターカレーションが生じる場であり、同時に固体電解質材料との反応起点でもある。
本発明においては、構造欠陥部を、微小なニオブ酸リチウムの粒子で被覆することで、発熱を抑制しつつ、抵抗の低減を図ることができる。従来のゾルゲル法では、被覆部の厚さを制御することが難しいため、例えば図2(a)に示すように、構造欠陥部(エッジ部)3を被覆する被覆部2を構成するニオブ酸リチウムの粒径が相対的に大きくなる。その結果、負極活物質1および固体電解質材料(図示せず)の反応による発熱は抑制できるものの、抵抗が増大する。
これに対して、本発明においては、図2(b)に示すように、構造欠陥部(エッジ部)3に微小な被覆部2(ニオブ酸リチウムの粒子)を設ける。その結果、負極活物質1および固体電解質材料(図示せず)の反応による発熱を抑制しつつ、抵抗の低減を図ることができる。上述したように、全固体リチウム電池に用いられる固体電解質材料は、通常、電解液よりも分解反応が生じにくい。そのため、負極活物質表面にSEI膜が十分に生じていないと推測される。その結果、例えば何らかの理由により電池温度が上昇した場合に、負極活物質および固体電解質材料の反応が起き、発熱が生じる場合がある。これに対して、本発明においては、負極活物質および固体電解質材料の反応起点に、予め被覆部(絶縁部)を僅かに設けることで、発熱を抑制しつつ、抵抗の低減を図ることができる。
特に、本発明においては、例えば原子層堆積法(ALD法)を用いることで、構造欠陥部を選択的に被覆する被覆部を有する被覆負極活物質を得ることができる。「選択的に被覆する」とは、負極活物質の表面において、被覆部が被覆する全ての面積(S)に対する、被覆部が被覆する構造欠陥部の面積(S)の割合(S/S)が、90%以上であるこという。S/Sは、95%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。ALD法によって選択的に被覆部を形成できる理由は、構造欠陥部の反応性(構造欠陥部に存在する官能基の反応性)が高く、プリカーサと選択的に反応するためであると推測される。なお、従来のゾルゲル法では、原理上、選択的に被覆部を形成することは困難である。
以下、本発明の被覆負極活物質について、構成ごとに説明する。
1.負極活物質
本発明における負極活物質は、通常、黒鉛構造を有する炭素材料である。この炭素材料は、黒鉛構造を少なくとも有していれば良い。負極活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)等を挙げることができる。また、負極活物質は、表面に非晶質炭素層を有する活物質であっても良い。また、負極活物質のBET比表面積は、例えば2m/g〜8m/gの範囲内であることが好ましい。BET比表面積が大きすぎると、充放電時に、分解反応等の副反応が活発になる可能性がある。負極活物質のD/G比は、例えば、0.1〜1.2の範囲内である。
負極活物質の形状としては、例えば、粒子状を挙げることができる。粒子状としては、例えば、球状、繊維状を挙げることができる。負極活物質の平均粒径(D50)は、特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm〜50μmの範囲内であり、1μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。負極活物質の平均粒径(D50)は、例えば、レーザー回折散乱法による粒度分布測定の結果から求めることができる。
2.被覆部
本発明における被覆部は、負極活物質の表面において黒鉛構造の構造欠陥部を少なくとも被覆する部位である。特に、本発明においては、被覆部が、構造欠陥部を選択的に被覆することが好ましい。また、被覆部は、ニオブ酸リチウムから構成される。被覆部に含まれるニオブ酸リチウムの割合は、例えば、50mol%以上であり、70mol%以上であることが好ましく、90mol%以上であることがより好ましい。なお、ニオブ酸リチウムの組成は、Li元素、Nb元素およびO元素を含有する組成であれば特に限定されないが、通常は、LiNbOで表される。
また、本発明における被覆部は、通常、粒子状である。粒子状としては、例えば、球状を挙げることができる。また、被覆部の平均粒径は、通常、1.5nm以下であり、1.2nm以下であっても良い。一方、被覆部の平均粒径は、例えば、0.1nm以上であり、0.5nm以上であっても良い。被覆部の平均粒径は、例えば、走査型電子顕微鏡による観察で求めることができる。サンプル数(N)は、より多いことが好ましく、10以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましい。
3.被覆負極活物質
本発明の被覆負極活物質は、上述した負極活物質および被覆部を有する。被覆負極活物質の平均粒径は、特に限定されるものではないが、被覆部の平均粒径は非常に小さいため、上述した負極活物質の平均粒径に近似できる。そのため、被覆負極活物質の平均粒径は、上述した負極活物質の平均粒径と同様の範囲であることが好ましい。
本発明の被覆負極活物質の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば原子層堆積法(ALD法)を挙げることができる。原子層堆積法は、例えば、有機金属系プリカーサと、非金属系プリカーサとを交互に用いることで、目的とする化合物を一分子ずつ堆積させる方法である。また、原子層堆積法を用いることで、構造欠陥部を選択的に被覆する被覆部を形成することができる。本発明においては、全固体リチウム電池に用いられる被覆負極活物質の製造方法であって、原子層堆積法により、黒鉛構造を有する負極活物質の表面に、上記黒鉛構造の構造欠陥部を選択的に被覆する被覆部を形成する被覆部形成工程を有し、上記被覆部が粒子状のニオブ酸リチウムであり、上記被覆部の平均粒径が1.5nm以下であることを特徴とする被覆負極活物質の製造方法を提供することもできる。
ALD法においては、通常、Liを含有するプリカーサ、Nbを含有するプリカーサ、Oを含有するプリカーサを用いる。Liを含有するプリカーサとしては、例えば、Liアルコキシド等を挙げることができる。Liアルコキシドとしては、例えば、リチウムターシャリーブトキシド等を挙げることができる。Nbを含有するプリカーサとしては、例えば、Nbアルコキシド等を挙げることができる。Nbアルコキシドとしては、例えば、ニオブエトキシド等を挙げることができる。Oを含有するプリカーサとしては、例えば、水(水蒸気)を挙げることができる。
各プリカーサの使用量は、ニオブ酸リチウムの組成、および、各プリカーサの性質に応じて適宜選択する。また、ALD法における反応温度は、特に限定されないが、例えば150℃〜250℃の範囲内である。
本発明の被覆負極活物質は、通常、全固体リチウム電池に用いられる。そのため、本発明においては、正極活物質層と、負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された固体電解質層を有する全固体リチウム電池であって、上記負極活物質層が、上述した被覆負極活物質を含有することを特徴とする全固体リチウム電池を提供することもできる。通常、負極活物質層に含まれる固体電解質材料、および、固体電解質層に含まれる固体電解質材料の少なくとも一方が、被覆負極活物質と接している。
負極活物質層は、負極活物質を少なくとも含有し、固体電解質材料をさらに含有していても良い。負極活物質については、上述した通りである。一方、固体電解質材料としては、例えば、硫化物固体電解質材料、酸化物固体電解質材料、窒化物固体電解質材料、ハロゲン化物固体電解質材料等の無機固体電解質材料を挙げることができる。
硫化物固体電解質材料としては、例えば、LiS−P、LiS−P−LiI、LiS−P−LiCl、LiS−P−LiBr、LiS−P−LiO、LiS−P−LiO−LiI、LiS−SiS、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiBr、LiS−SiS−LiCl、LiS−SiS−B−LiI、LiS−SiS−P−LiI、LiS−B、LiS−P−Z(ただし、m、nは正の数。Zは、Ge、Zn、Gaのいずれか。)、LiS−GeS、LiS−SiS−LiPO、LiS−SiS−LiMO(ただし、x、yは正の数。Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれか。)、Li10GeP12等を挙げることができる。
特に、硫化物固体電解質材料は、Li、A(Aは、P、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも一種である)、およびSを含有するイオン伝導体を備えることが好ましい。さらに、上記イオン伝導体は、オルト組成のアニオン構造(PS 3−構造、SiS 4−構造、GeS 4−構造、AlS 3−構造、BS 3−構造)をアニオンの主成分として有することが好ましい。化学安定性の高い硫化物固体電解質材料とすることができるからである。オルト組成のアニオン構造の割合は、イオン伝導体における全アニオン構造に対して、70mol%以上であることが好ましく、90mol%以上であることがより好ましい。オルト組成のアニオン構造の割合は、ラマン分光法、NMR、XPS等により決定することができる。
硫化物固体電解質材料は、上記イオン伝導体に加えて、LiI、LiBrおよびLiClの少なくとも一つを含有することが好ましい。LiI、LiBrおよびLiClの少なくとも一部は、通常、それぞれ、LiI成分、LiBr成分およびLiCl成分としてイオン伝導体の構造中に取り込まれた状態で存在する。また、硫化物固体電解質材料は、X線回折測定において、LiIのピークを有していても良く、有していなくても良いが、後者が好ましい。Liイオン伝導性が高いからである。この点については、LiBrおよびLiClについても同様である。硫化物固体電解質材料におけるLiX(X=I、Cl、Br)の割合は、例えば10mol%〜30mol%の範囲内であり、15mol%〜25mol%の範囲内であることが好ましい。LiXの割合とは、硫化物固体電解質材料に含まれるLiXの合計の割合をいう。
正極活物質層は、正極活物質を少なくとも含有し、固体電解質材料をさらに含有していても良い。正極活物質としては、例えば、酸化物活物質を挙げることができる。酸化物活物質としては、具体的には、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の岩塩層状型活物質、LiMn、Li(Ni0.5Mn1.5)O等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCuPO等のオリビン型活物質等を挙げることができる。一方、固体電解質層は、固体電解質材料を少なくとも含有する層であれば、特に限定されるものではない。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
出発材料として、非晶質炭素コートが施された球形の黒鉛粒子を用意した。次に、黒鉛粒子の構造欠陥部に、原子層堆積法(ALD法)により、ニオブ酸リチウムの粒子を堆積させた。まず、原子層堆積装置のチャンバー内に黒鉛粒子を設置し、チャンバー内を真空引きし、その後、チャンバー内を窒素ガスでパージした。次に、チャンバー内温度を235℃まで昇温し、1時間保持した。次に、第一のプリカーサとしてニオブエトキシド(Nb(OEt))を用い、窒素ガスと共にチャンバー内に導入し、黒鉛粒子の表面と反応させた。その後、チャンバー内を窒素ガスでパージした。次に、第二のプリカーサとしてリチウムターシャリーブトキシド(LiOC(CH)を用い、窒素ガスと共にチャンバー内に導入し、黒鉛粒子の表面と反応させた。その後、チャンバー内を窒素ガスでパージした。次に、第三のプリカーサとして水蒸気を用い、窒素ガスと共にチャンバー内に導入し、黒鉛粒子の表面と反応させた。その後、チャンバー内を窒素ガスでパージした。プリカーサを導入し、窒素ガスでパージする上記操作を計2回繰り返した。これにより、被覆負極活物質を得た。
[実施例2]
プリカーサを導入し、窒素ガスでパージする上記操作を計3回繰り返したこと以外は、実施例1と同様にして、被覆負極活物質を得た。
[比較例1]
プリカーサを導入し、窒素ガスでパージする上記操作を行わず、黒鉛粒子を比較用サンプルとした。
[比較例2]
プリカーサを導入し、窒素ガスでパージする上記操作を計5回繰り返したこと以外は、実施例1と同様にして、被覆負極活物質を得た。
[比較例3]
ゾルゲル法により、被覆負極活物質を作製した。まず、ニオブエトキシドおよび2−プロパノールを、ニオブエトキシド:2−プロパノール=1:45のモル比で混合した。次に、アセチルアセトンを、アセチルアセトン:ニオブ=1:1のモル比となるように添加した。次に、硝酸リチウムを、リチウム:ニオブ=1:1のモル比となるように添加した。得られた溶液を撹拌し、加水分解反応および脱水縮合を行い、ゲル状の反応物を得た。その後、大気雰囲気において、500℃、3時間の条件で焼成し、被覆負極活物質を得た。
[評価]
(SEM観察)
実施例1、2および比較例1〜3で得られたサンプルを、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、ニオブ酸リチウムの平均粒径を算出した。なお、平均粒径が小さいニオブ酸リチウムの平均粒径は成膜レートからも算出した。その結果を表1および図3に示す。
(抵抗測定)
実施例1、2および比較例1〜3で得られたサンプルを用いて、評価用電池を作製した。まず、得られた負極活物質と、硫化物固体電解質材料(LiI−LiS−P)とを、負極活物質:硫化物固体電解質材料=60:40の体積比で、分散媒である脱水ヘプタンに投入した。その後、超音波ホモジナイザーを用いて10分間撹拌した。その後、分散液の脱水ヘプタンを80℃のホットスターラーを用いて除去し、分散液を乾固させ、負極合材を得た。
次に、正極活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3、岩塩層状型活物質)と、導電化材(カーボンブラック)と、硫化物固体電解質材料(LiI−LiS−P)とを、正極活物質:導電化材:硫化物固体電解質材料=62.5:37.5:5の体積比で、分散媒である脱水ヘプタンに投入した。その後、超音波ホモジナイザーを用いて10分間撹拌した。その後、分散液の脱水ヘプタンを80℃のホットスターラーを用いて除去し、分散液を乾固させ、正極合材を得た。
次に、硫化物固体電解質材料(LiI−LiS−P)を、マコール製のシリンダの中に200mg入れ、98MPaでプレスすることで固体電解質層のペレットを得た。その後、固体電解質層の一方の表面に、正極合材を200mg入れ、98MPaでプレスすることで正極活物質層を得た。その後、固体電解質層の他方の表面に、負極合材を200mg入れ、98MPaでプレスすることで負極活物質層を得た。ステンレス棒を両極に入れ、1tonで拘束して電池とした。これにより、評価用電池を得た。
得られた評価用電池に対してエージングを行い、その後、SOC(State Of Charge)を85%に調整した。その状態で交流インピーダンス測定を行い、反応抵抗を測定した。その結果を表1および図3に示す。
(発熱量測定)
上述した方法で得られた評価用電池を、SOC100%の状態で解体し、負極活物質層を取り出した。得られた負極活物質層を乳鉢で破砕し、示差走査熱量測定を室温から500℃の範囲で行った。観測された発熱カーブから、固体電解質材料の還元反応を示すピーク面積を求め、発熱量を算出した。その結果を表1および図3に示す。
表1および図3に示すように、実施例1、2の発熱量は、比較例1の発熱量よりも低くなった。これは、構造欠陥部を被覆するように、微小な被覆部(ニオブ酸リチウム)が形成され、負極活物質および固体電解質材料の反応を抑制できたためであると推測される。一方、比較例2の発熱量は、実施例2の発熱量よりも多くなった。その理由として、被覆部にプリカーサ由来の有機物が多く残留しており、ニオブ酸リチウムの平均粒径が大きくなると、有機物の分解反応による発熱の影響が大きくなるためである可能性が考えられる。また、実施例2および比較例2を結ぶ直線に基づくと、ニオブ酸リチウムの平均粒径が1.5nm以下であれば、比較例1と同等以下の発熱量が得られることが示唆された。
また、実施例1、2の反応抵抗は、比較例1の反応抵抗よりも低くなった。被覆部を設けたことによる抵抗低減効果は、厳密には、被覆部(ニオブ酸リチウム)のイオン伝導性に起因する抵抗低減効果と、被覆部が活物質のLi挿入脱離を阻害する抵抗増加効果とのバランスによって左右されるが、被覆部の平均粒径が十分に小さい場合には、抵抗低減効果が優位に働くことが確認された。
また、比較例3は、ゾルゲル法により作製した被覆負極活物質である。発熱量は最も低かったものの、反応抵抗は最も高かった。このように、比較例3では、負極活物質および固体電解質材料の反応による発熱は抑制できるものの、反応抵抗が増大することが確認された。
[参考例]
平板状の黒鉛(高配向熱分解黒鉛)の表面に、原子層堆積法(ALD法)により、酸化アルミニウム粒子を堆積させた(20サイクル、約4nm)。その結果を図4に示す。図4(a)は、ALD法を行う前の黒鉛表面を、原子間力顕微鏡(AFM)で観察した結果である。図4(a)に示すように、黒鉛に構造欠陥部(エッジ部)が確認できる。一方、図4(b)は、ALD法を行った後の黒鉛表面を、原子間力顕微鏡(AFM)で観察した結果であり、図4(c)は図4(b)の拡大図である。図4(b)、(c)に示すように、黒鉛に構造欠陥部(エッジ部)のみに選択的に酸化物が堆積していることが確認できた。この結果からも、ALD法を用いると、黒鉛の構造欠陥部が選択的に被覆されることが確認された。
1 … 負極活物質
2 … 被覆部
3 … 構造欠陥部(エッジ部)
10 … 被覆負極活物質

Claims (1)

  1. 全固体リチウム電池に用いられる被覆負極活物質であって、
    黒鉛構造を有する負極活物質と、前記負極活物質の表面において前記黒鉛構造の構造欠陥部を被覆する被覆部とを有し、
    前記被覆部がニオブ酸リチウムから構成され、
    前記被覆部が粒子状であり、前記被覆部の平均粒径が1.5nm以下であることを特徴とする被覆負極活物質。
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