JP2022186527A - 炭素質材料分散体の脱水方法および炭素質材料分散体の製造方法 - Google Patents

炭素質材料分散体の脱水方法および炭素質材料分散体の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022186527000001
【課題】 炭素質材料分散体から、簡便に、素早く、分散体の安定性を損なわず水分を除去する方法を提供すること。
【解決手段】 有機系分散媒中に炭素質材料粒子を分散させた炭素質材料分散体から水分を除去する方法であって、
20~120℃に保持した分散体中に、乾燥不活性気体を分散体100gに対して6~30L吹き込み、当該分散体と乾燥不活性気体とを接触させて分散体中の水分を蒸発させる工程を有することを特徴とする炭素質材料分散体の脱水方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭素質材料分散体の脱水方法および炭素質材料分散体の製造方法に関する。詳しく述べると本発明は、有機系分散媒中に炭素質材料粒子を分散させた全固体電池用炭素質材料分散体から水分を除去する炭素質材料分散体の脱水方法および炭素質材料分散体の製造方法に関するものである。
従来、リチウムイオン二次電池においては、イオンを移動させる媒体として電解液が使用されていたが、このような電解液を用いた電池においては、電解液の漏液や、発火、爆発等の問題を生ずる可能性があることから、液体の電解質に代えて固体電解質を使用するとともに、その他の要素の全てを固体で構成した全固体リチウムイオン二次電池の開発が進められている。全固体リチウムイオン二次電池は、固体電解質とリチウムイオンの電荷移動抵抗が非常に小さいため電池の内部抵抗を小さくすることができ、また電解質が固体であることから、発火の心配が少なく、漏液せず、また、腐食による電池性能の劣化等の問題も生じ難い。
全固体リチウムイオン二次電池には、正極層及び負極層と、これらの間に配置される固体電解質層とが備えられ、電解質は、固体によって構成される。
固体電解質層として、電極活物質のみを用いて粉末成形により電極層を構成する場合、電解質が固体であるため、電解質が電極層の内部へ浸透しにくく、電極活物質と電解質との界面が低減し、電池性能が低下してしまう。また電極層は固体によって構成されるため、可撓性および加工性に乏しく、取り扱い性が悪い。
このような問題に対して、電極活物質、固体電解質材料および結着剤を溶媒に分散させて調製したスラリーを用いて電極層を形成することが提案されている。
なお、従来のリチウムイオン二次電池では、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)溶媒中にバインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を溶解させた高分子溶液に活物質や導電助剤等を分散させた電極スラリーや、水溶媒中にバインダーとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)をエマルション化した水溶液に活物質や導電助剤を分散させ、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘剤を添加した電極スラリーが用いられているが、全固体リチウムイオン二次電池に関しては、固体電解質が高極性溶媒に曝されるとイオン伝導性が低下し、十分な電池性能が得られなくなるため、電極作成用の電極スラリーの溶媒としてNMPや水を用いることは望ましくなく、低極性ないしは非極性溶媒が用いられる。
さらに上記したように固体電解質は水分によってイオン伝導度が低下するほか、固体電解質を構成する他材料の加水分解を引き起こす原因にもなりうるため、全固体電池の製造において使用される炭素質材料分散体は極力水分を含まないものであることが求められる。
低水分の炭素質材料分散体を得る方法としては、炭素質材料分散体を調製する上での各材料自体の含水率を極力低く抑えることが考えられる。
例えば、非水系溶媒中の水分を除去する方法としては、例えば、特許文献1に記載されるようにイオン交換樹脂を用いる方法や、特許文献2、3に記載されるようにゼオライトを用いる方法、特許文献4に示されるようにフロロホスゲン、ホスゲン及びホスゲンダイマーからなる群から選ばれる少なくとも1種、並びに金属酸化物と処理する方法が知られており、また例えば、特許文献5に示されるような一般的なポリマー脱水の方法である加温して蒸留脱水又は共沸脱水させる方法を応用して、補助溶媒で粘度を低下させ、脱水吸着剤を用い脱水する方法、蒸留による脱水方法等があり、炭素質材料分散体の脱水処理にこれらを応用することが考えられる。
しかしながら、モレキュラシーブ、アルミナ微粒子等の脱水吸着剤を使用した脱水方法は、粘度を低下させるために用いる補助溶媒が残存してしまう、モレキュラシーブ、アルミナ微粒子由来の不純物が入る、モレキュラシーブ、アルミナ微粒子が電解質、負極表面、セパレータに付着、残存してしまう、水分以外の成分を吸着し、本来必要な成分が除去される可能性が生じる、水分率がそれほど低下しない等の理由により電気化学的悪影響を及ぼす。
またこのような吸着剤を用いた脱水方法では、例えば分散体の水分含有量が1000ppmであった場合、この分散体を、例えば水分50ppm以下まで吸着材のみで脱水するとなると、分散体に対して多量の吸着材が必要であり、なおかつ脱水に必要な時間も随分と長くかかり効率が悪い。
また、特許文献6にはリチウムイオン電池正極用導電ペーストの製造工程で、例えば、ゼオライト、シリカゲル等の固形脱水剤、リン酸エステル類、ホスフィンオキサイド、オルトエステル類、酸無水物などの脱水剤を添加するとともに、例えば、製造工程を低露点環境で行うことで水分の混入を防止することが提案されている。
しかし、脱水剤を用いた場合の問題点については前述したとおりであり、また製造工程を低露点環境で行う場合、グローブボックスやドライルームなどを導入する必要がある。さらに、分散媒を含め、全材料にあらかじめ含まれる水分を除去する前処理工程が必要であり、グローブボックスやドライルーム内での製造は作業性が悪いという問題もある。
さらに含水溶媒から水分を除去する方法としては、特許文献7および8に示されるように、液中に乾燥不活性気体を吹き込むことで溶媒中の水分を蒸発、除去する方法が知られている。しかし、これらの文献において開示される方法はいずれも溶媒もしくは溶液に適用されたものであり、粒子が凝集しやすい炭素質材料分散体に適用できるかは不明であった。
特開昭56-60648号公報 特開平7-235309号公報 特開2011-71111号公報 特開2001-297791号公報 特開平11-217350号公報 特開2018-6337号公報 特開昭50-29472号公報 特開平10-338653号公報
したがって本発明は、上記問題点を解決してなる炭素質材料分散体から水分を除去する方法および炭素質材料分散体の製造方法を提供することを課題とする。本発明はまた、全固体リチウムイオン二次電池用の導電助剤として用いられた際に、固体電解質の劣化を抑制できる低水分の炭素質材料分散体を簡便に、素早く、分散体の安定性を損なわずに提供する炭素質材料分散体の脱水方法および炭素質材料分散体の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明は、有機系分散媒中に炭素質材料粒子を分散させた炭素質材料分散体から水分を除去する方法であって、20~120℃に保持した分散体中に、乾燥不活性気体を分散体100gに対して6~30L吹き込み、当該分散体と乾燥不活性気体とを接触させて分散体中の水分を蒸発させる工程を有することを特徴とするものである。
本発明に係る炭素質材料分散体から水分を除去する方法の一実施形態においては、前記不活性気体を吹き込むときに、炭素質材料分散体は撹拌しながら、また前記不活性気体の吹き込み箇所は、炭素質材料分散体を収容する容器の底部側から吹き込むことを特徴とする炭素質材料分散体の脱水方法が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体から水分を除去する方法の一実施形態においては、また、前記不活性気体を吹き込むときに、前記不活性気体は、炭素質材料分散体中に個数平均粒径が約5mm~0.5mm程度の気泡を発生させて吹き込むことを特徴とする炭素質材料分散体の脱水方法が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体から水分を除去する方法の一実施形態においては、また、前記不活性気体を吹き込むときに、系内を大気圧に比べ、-5kPa~-95kPaに減圧することを特徴とする炭素質材料分散体の脱水方法が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体から水分を除去する方法の一実施形態においては、さらに、不活性気体を吹き込んだ後に、減圧して分散体中の気体を脱気することを特徴とする炭素質材料分散体の脱水方法が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体から水分を除去する方法の一実施形態においては、また、有機系分散媒がエステル系溶媒、ケトン系溶媒、炭化水素系溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択されてなる少なくとも1つのものである炭素質材料分散体の脱水方法が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体から水分を除去する方法の一実施形態においては、さらに、有機系分散媒が酪酸ブチル、キシレン、メシチレンおよびヘプタンからなる群から選択されてなる少なくとも1つのものである炭素質材料分散体の脱水方法が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体から水分を除去する方法の一実施形態においては、前記炭素質材料がカーボンブラックである炭素質材料分散体の脱水方法が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体から水分を除去する方法の一実施形態においては、また前記不活性気体が窒素である炭素質材料分散体の脱水方法が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体から水分を除去する方法の一実施形態においては、前記不活性気体が露点-50℃以下のものである炭素質材料分散体の脱水方法が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体から水分を除去する方法の一実施形態においては、前記炭素質材料分散体が、炭素質材料、有機系分散媒および分散剤を含むものである炭素質材料分散体の脱水方法が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体から水分を除去する方法の一実施形態においては、前記炭素質材料分散体が、炭素質材料、有機系分散媒、分散剤、バインダー樹脂、および、正極活物質又は負極活物質を配合してなる分散媒中に炭素質材料、分散剤、バインダー樹脂、および、正極活物質又は負極活物質とを配合してなる全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーである炭素質材料分散体の脱水方法が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体から水分を除去する方法の一実施形態においては、分散体と乾燥不活性気体とを接触させて分散体中の水分を蒸発させる工程前後の分散体の不揮発分変動が0.5質量%以下であり、かつ工程後の分散体の水分含有量が質量分率5×10-5以下である炭素質材料分散体の脱水方法が示される。
上記課題を解決する本発明は、また、有機系分散媒中に炭素質材料粒子を分散させた炭素質材料分散体の製造方法であって、有機系分散媒中に炭素質材料粒子を添加して分散させ炭素質材料分散体とした後、20~120℃に保持した当該分散体中に、乾燥不活性気体を分散体100gに対して6~30L吹き込み、当該分散体と乾燥不活性気体とを接触させて分散体中の水分を蒸発させる工程を有することを特徴とする炭素質材料分散体の製造方法である。
本発明に係る炭素質材料分散体の製造方法の一実施形態においては、前記炭素質材料分散体が、炭素質材料、有機系分散媒および分散剤を含むものである炭素質材料分散体の製造方法が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体の製造方法の一実施形態においては、前記炭素質材料分散体が、炭素質材料、有機系分散媒、分散剤、バインダー樹脂、および、正極活物質又は負極活物質を配合してなる全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーである炭素質材料分散体の製造方法が示される。
本発明によれば、固体電解質電極作成用の電極スラリーの溶媒として用いられる低極性ないしは非極性溶媒、例えば酪酸ブチルに代表されるエステル系物質や、メチルイソブチルケトンに代表されるケトン系物質、キシレン、トルエン等の非水溶性芳香族物質、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素物質は、ほとんどの場合水と共沸点を持つため、蒸発するときに水も併せて蒸発させることができ、また共沸点が無い溶媒でも作業環境性から水より沸点の高い溶媒を使用されることが多いため、乾燥ガスによる曝気で十分な脱水が可能であり、前処理工程や分離除去の困難な添加剤ないし消耗品を必要とせず、簡便な方法で、素早く、分散体の安定性を損なわずに低水分の炭素質材料分散体を提供することが可能となる。また炭素質材料分散体を低水分なものとすることで分散体の安定性や特性向上に寄与できる。さらにこのようにして得られる低水分の炭素質材料分散体が全固体リチウムイオン二次電池用の導電助剤として用いられた際に、固体電解質の劣化を抑制でき、炭素質材料が高濃度かつ均一に分散して、電極活物質と混合した際に固形分を低粘性で高濃度に分散させることができるため、充放電特性、サイクル特性、電極の導電性等の性能に優れかつ特性の安定した二次電池を製造することが可能となる。
本発明に係る炭素質材料分散体の脱水方法の一実施形態において使用され得る脱水処理装置を模式的に示す概要図である。
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
<炭素質材料分散体から水分を除去する方法>
図1は、本発明の水分除去方法の一実施形態において、使用され得る脱水処理装置を模式的に示す概要図である。
第一の観点に係る本発明は、有機系分散媒中に炭素質材料粒子を分散させた炭素質材料分散体10から水分を除去する方法(以下、単に「本発明の水分除去方法」とも称する。)であって、20~120℃に保持した分散体10中に、乾燥不活性気体20を分散体100gに対して6~30L吹き込み、当該分散体と乾燥不活性気体とを接触させて分散体中の水分を蒸発させる工程を有することを特徴とするものである。
処理する際の分散体の温度を、20~120℃とすることで、分散体の組成、物性および性状、また分散体中の成分の特性に悪影響を及ぼすことなく、分散体に効率良く接触する不活性気体によって水分を除去することができる。分散体に用いる有機系分散媒の種類によってもある程度左右されるが、分散体の温度としてより好ましくは30~90℃程度、更に好ましくは40~60℃程度である。
なお、通気する乾燥不活性気体側を加熱することも考慮されるが、効率的ではない。
また、乾燥不活性気体の通気量として、水分値が質量分率で1×10-3~1×10-2の分散体100gに対して6~30Lとすることで、分散体の組成に大きな影響を与えることなく十分に水分を除去できる。通気量が必要以上に少ないと水分を実効的に除去することが困難となり、一方必要以上に多いと分散体中より除去される有機系分散媒の量も多くなり、分散体の組成(不揮発分)を必要以上に変動させる虞れが生じる。
なお、上記乾燥不活性気体の通気量は、常温常圧における体積であり、本明細書においては、「常温常圧」とは、例えば、10~30℃、96kPa~105kPaの範囲の条件、代表的には特に温度23℃、101.325kPa(1気圧)の条件を指す。
なお、特に限定されるものではないが、本発明の水分除去方法の一実施形態において、上述したように分散体10と乾燥不活性気体20とを接触させて少量の有機系分散媒と併せて分散体中の水分を蒸発させるが、この処理工程前後の分散体の不揮発分変動が0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下であり、かつ工程後の分散体の水分含有量が質量分率5×10-5以下、より望ましくは2×10-5以下、さらに望ましくは1×10-5未満となることが好ましい。
本発明の水分除去方法において、処理後の分散体の水分含有量は少ないほど好ましいものではあるが、分散体中の有機系分散媒が必要以上に不活性気体によって除去され分散体の組成、分散体の不揮発分変動が必要以上に変化すると、分散体における分散状態の変化、粘度上昇、分散質の凝集等を生じさせる虞れがあるが、本発明の水分除去方法では、処理後の分散体の水分含有量が質量分率5×10-5以下となるほどに十分に脱水しても、代表的には処理工程前後の分散体の不揮発分変動が0.5質量%以下に留まるものになるために、望ましい。予め余剰に有機系分散媒を入れておき、水分と一緒に過剰に添加した有機系分散媒を蒸発させて水分を除去する方法も考慮されるが、過剰な有機物質の利用や廃ガス排出量が増えるため、環境負荷的に推奨されない。
なお、処理工程前後の分散体の不揮発分変動は、140℃乾燥後の残渣重量によって、算出し得る。また、分散体の水分含有量は、例えば、カールフィッシャー水分濃度計又は近赤外吸光度式微量水分濃度計、屈折率式濃度計等を使用して、実施することが可能である。あるいはイオン液体カラムを用いたガスクロマトグラフィーによってより精度高く実施することも可能である。
図1に例示する一実施形態においては、不活性気体20の導入経路および導出経路以外を密封状態とした処理容器(フラスコ)40中に、炭素質材料分散体10を収容し、乾燥不活性気体20としての乾燥窒素ガスを、ガス流量計22によって流量を計測しながら、所定流量にて炭素質材料分散体10に対し、炭素質材料分散体を収容する処理容器40の底部側に開口部が位置する吹込みノズル24から吹き込んでいる。
処理容器40の外周は、処理容器の内部に収容される炭素質材料分散体を加熱するための加熱ジャケット(マントルヒーター)42で囲繞されており、炭素質材料分散体10の温度を液温計44において測定しながら必要に応じてこの加熱ジャケット42を作動させることにより、水分除去処理時に炭素質材料分散体10の温度を所定温度に維持する。
また、処理容器40の下部にはマグネティックスターラー30が設置されており、処理容器40の内部にはスターラーチップ32を配している。必要に応じてこれらを作動することにより、水分除去処理時に炭素質材料分散体10中へ導入された不活性気体20と分散体との接触効率を高めるとともに、炭素質材料分散体10における炭素質材料の分散状態を維持する。
不活性気体20を炭素質材料分散体10中に通過させて、分散体10中の水分を不活性気体20中に移行させる。処理容器40内で分散体10中より上方の気相へと搬送するが、不活性気体20は、若干ではあるが有機系分散媒も随伴する可能性があり、水相をくぐらせる捕捉トラップ50を通過させて、随伴成分を除去したのち、系外へ排出されるようになっている。
なお、本発明の水分除去方法において、使用され得る脱水処理装置としては、本発明の方法に従って所定温度に保持された炭素質材料分散体10に所定流量で乾燥不活性気体20を吹き込むことのできるものであれば、図1に示したようなラボスケール装置に何ら限定されるものではない。例えば、回分式の装置でなく連続式のものとすることも可能であり、また、当然に工業生産規模に応じたプラントスケールの装置とすることも可能である。
さらに個々の構成としても、図1に示す装置においては、不活性気体20を炭素質材料分散体10を収容する処理容器40の底部側に開口部が位置する吹込みノズル24より分散体中に吹き込むとともに、マグネティックスターラー30により分散体を攪拌して、気液接触の効率を高めているが、分散体の攪拌装置としては、何ら限定されず、各種攪拌子を有する攪拌装置や、攪拌子を有しない流路構造的攪拌装置など公知の任意のものを用いることができる。
また、不活性気体20を導入する吹込みノズル24に代えて、各種多孔質体ないし多孔質槽等を通過させることからなるディフューザーを用いる、あるいは、例えば不活性気体を導入直後に超音波振動による圧力波を液体に印加する等により、不活性気体を分散体中に微細な気泡状態で吹き込むことによって、前記したような攪拌装置を配せずとも水分除去処理を十分に実行可能である。もちろん、このように微細な気泡状態で吹き込む態様において、前記したような攪拌装置を併せて用いることは可能である。
ここで、不活性気体を微細な気泡状態で導入する場合における、「微細な気泡」とは、特に限定されるわけではないが、例えば、個数平均粒径が約5mm~0.5mm程度の気泡とすることが望ましい。個数平均粒径が約5mm~0.5mm程度、より好ましくは3~1mm程度の気泡であれば、炭素質材料分散体中に、水分を除去するのに十分な滞留時間をもって接触効率よく存在し得る。
なお、気泡径が小さいほど分散体との接触効率は高まるものの、一方で気泡径が極端に小さなものとなると小さな気泡を作るためのエネルギーが余分に必要となり、また分散体中において、特に炭素質材料粒子と有機系分散媒との界面等に、気泡が長期間にわたり滞留ないしは残留し、脱水作用が果たせなくなったり、さらには分散体が気体を巻き込んだ状態となって特性を低下させてしまう虞れがある。
ここで、気泡の個数平均粒径は、高速度カメラで撮影した画像から求めることができる。
本明細書における気泡の個数平均粒径は、被処理物である炭素質材料分散体10が真っ黒な性状を有し画像からの気泡の観察が困難であるため、当該炭素質材料分散体とその粘度および表面張力を合わせた透明な疑似物質を用いて、気泡発生装置の出口から20mmの位置で、高速度カメラGX-1カメラ(NAC社)を用いて露光時間50μsの条件で、1秒刻みで撮影した画像1000枚から、気泡の個数平均粒径を算出したものである。具体的には、1枚の写真の内、中心部にあり、ピントの合っている気泡を1個選択し、気泡径を測定した。このとき、フォーカスを固定しておいて、ピント合掌部の長さをスケールから算出した。上記の操作を1000枚の写真について行った後、気泡径を平均し、個数平均粒径を算出した。
また、炭素質材料分散体10中に導入された不活性気体20を、必要以上に滞留させることなく、炭素質材料分散体10中より水分と共に気相へ逃がす上で、特に限定されるわけではないが、系内を大気圧に比べ、-5kPa~-95kPaに減圧することができる。
また、不活性気体を吹き込んだ後に、減圧して分散媒中の気体を脱気することも可能である。この場合の減圧は、例えば、大気圧に比べ、-5kPa~-95kPa程度に減圧することが適当である。
また図1に例示する一実施形態においては、処理容器40より導出された不活性気体20は捕捉トラップ50を通過させた後、系外へ排出されるようになっているが、例えば、捕捉トラップ50を通過させた後、不活性気体をモレキュラーシーブや脱水膜を通す等、適当な乾燥処理を施して、不活性気体を循環使用することも可能である。
また図1に例示する一実施形態においては、不活性気体20としての窒素を用いた例を示したが、不活性気体としては、接触することによって炭素質材料分散体に実質的に化学的変化をもたらすことなく、炭素質材料分散体より水分を除去可能な気体であれば特に限定されず、窒素以外に、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン等を用いることも可能である。ただ、不活性気体としては、経済性および対環境性といった観点から、窒素を用いることが望ましい。
また、本発明において用いられる乾燥不活性気体20の「乾燥度」としては、少なくとも被処理物である炭素質材料分散体の水分含有量よりも水分含有量が少なく、有効に水分除去できるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、露点が-50℃以下、より好ましくは露点が-60℃以下であることが望ましい。
次に、本発明の水分除去方法において処理対象となる炭素質材料分散体について説明する。
(炭素質材料分散体)
処理対象となる炭素質材料分散体としては、有機系分散媒中に炭素質材料粒子を分散させたものである限り特に限定されるものではない。
(炭素質材料)
炭素質材料分散体に含まれる炭素質材料としては、有機系分散媒中で分散体を形成し得るように、粉粒状の形態を呈し得るものであれば特に限定されるものではない。代表的には、例えば、グラファイト、カーボンブラック(CB)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)、カーボンファイバー(CF)、フラーレン、天然黒鉛等が挙げられ、これらを単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。炭素質材料としては、特にCBが好ましい。さらにCBとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等が挙げられ、そのいずれを用いることが可能である。このうち例えば、アセチレンブラックは、その製法上で金属成分含有量が本来的に低いものとなるため、二次電池用途として用いる炭素質材料分散体に配合する上で好ましい。
なお、CBとしては、通常行われている酸化処理されたカーボンブラックや、黒鉛化処理されたカーボンブラックなども使用できる。CBの酸化処理は、カーボンブラックを空気中で高温処理したり、硝酸や二酸化窒素、オゾン等で二次的に処理したりすることによって、例えばフェノール基、キノン基、カルボキシル基、カルボニル基のような酸素含有極性官能基をカーボンブラック表面に直接導入(共有結合)する処理であり、CBの分散性を向上させる。
ここで本明細書において炭素質材料の「粉粒状」の形態とは、分散媒中に分散処理することで均一な分散液を形成可能なものであれば特に限定されない。例えば、平均粒子径10~60nm程度の粒子径を呈している一次粒子、このような一次粒子が凝集等して平均粒子径1~1000μm程度の二次粒子を呈しているもの、あるいはさらに圧縮処理や造粒処理により平均粒子径0.5~5mm程度の加工された粒子とされたものなどが含まれ得る。さらに、その形状としても、特に限定されるものではなく、概略球状のものに限られず、楕円状、薄片状、針状ないし短ファイバー状、不定形等が含まれ得る炭素質材料の平均粒子径としては、0.5mm以上~5mm以下程度がより好ましい。なお、分散媒中に分散処理して炭素質材料分散体中を調製した後においては、分散媒中で炭素質材料の平均粒子径が10μm以下程度となっているものであることが望ましい。
なお、本明細書において、「平均粒子径」とは、レーザー回折散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定された、体積基準の平均粒子径d50(いわゆるメジアン径)を意味する。
なお、カーボンブラックに関しては、例えば、カーボンブラック協会(https://carbonblack.biz/index.html)のウェブサイトにおいても説明されるように、カーボンブラックの分解できない最小単位は、アグリゲート(aggregate)(一次凝集体)であり、その一部分(ドメイン(domain)を粒子と通称する。この粒子は、ナノマテリアルで最小単位として定義される粒子に該当して考えられるがあくまでもアグリゲートの一部である。アグリゲートは、ファン・デルワ―ルス力等の物理的な力によりアグロメレート(agglomerate)(二次凝集体)を構成する。さらに、カーボンブラックの製品は、飛散防止のため、ハンドリング性向上のために圧縮処理や造粒処理によりビードという加工された粒子の形で、輸送販売されることが殆どである。
例えば、平均粒子径10~100nm程度の粒子径を呈している一次凝集体、このような一次凝集体が凝集して平均粒子径0.1~100μm程度の二次凝集体を呈しているもの、あるいはさらにハンドリング性を考慮して圧縮処理や造粒処理により平均粒子径500~5000μm程度の加工された粒子とされたものなどが含まれ得る。
なお、カーボンブラック導電性の観点から、導電性炭素微粒子としては一次粒子がある程度連なり連鎖状または房状等の構造を形成したアグリゲートのものが好ましい。アグリゲートにおける該一次粒子の連なりは、ストラクチャーとも言われ、かかる発達の程度は、粒度分布測定(動的光散乱法またはレーザー回折/光散乱法)や電子顕微鏡(走査型または透過型のいずれも使用可能である。)観察により把握することができる。このような構造のものは、電極活物質粒子間に効率よく導電パスを形成することができる。このため、より少ない使用量で電極活物質層に優れた導電性を付与することができる。
(有機系分散媒)
一方、上記したような炭素質材料を分散させるために使用される有機系分散媒としても、特に限定されるものではなく、得られる炭素質材料分散体の使用目的等に応じて適宜選択され得る。
特に限定されるわけではないが、有機系分散媒としては、例えば、ジブチルエーテル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、プロピオン酸オクチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチル、酪酸ペンチル、酪酸ヘキシル、酪酸ヘプチル、酪酸オクチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、吉草酸ブチル、吉草酸アミル、吉草酸ヘキシル、吉草酸ヘプチル、吉草酸オクチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプロン酸ブチル、カプロン酸ペンチル、カプロン酸ヘキシル、カプロン酸ヘプチル、カプロン酸オクチル、ヘプタン酸エチル、ヘプタン酸プロピル、ヘプタン酸ブチル、ヘプタン酸ペンチル、ヘプタン酸ヘキシル、ヘプタン酸ヘプチル、ヘプタン酸オクチル等のエステル系溶媒;ジエチルケトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)シクロヘキサノン(アノン)等のケトン系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等の非プロトン性極性溶媒;ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、シクロオクタン、ノナン、デカン等のアルカン系溶媒;ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート;トルエン、キシレン、ベンゼン、メシチレン、パラフィン、四塩化炭素等が挙げられ、これらは単独であるいは複数種組み合わせて用いることができる。
これらのうち、特に、酪酸ブチル、キシレン、メシチレン、ヘプタンなどが好ましい。
(その他の配合物)
また被処理物である炭素質材料分散体中には、上記した炭素質材料および有機系分散媒以外に、例えば、分散剤、pH調整剤ないしその他の添加剤を含み得る。その他の添加剤としては、分散助剤、安定化剤などといったものに加え、さらに、例えば、バインダー樹脂や、正極活物質又は負極活物質などを配合したものであってもよい。
すなわち、本発明に係る炭素質材料分散体の脱水方法は、例えば、炭素質材料、有機系分散媒および分散剤を含む炭素質材料スラリーといったもののみならず、炭素質材料、有機系分散媒、分散剤に加え、バインダー樹脂、および、正極活物質又は負極活物質を配合してなる全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーのようなより多成分を配合してなる炭素質材料分散体の脱水方法としても用いることができるものである。
(分散剤)
分散剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などが例示できる。
このうち分散剤として好ましい一例としては、ポリビニルブチラールを主成分とする、特に80質量%以上であること、さらには分散剤の全量、すなわち100質量%がポリビニルブチラールである態様が例示できる。炭素質材料分散体を全固体リチウムイオン二次電池用途に用いる場合、このように分散剤としてポリビニルブチラールを使用し、分散媒としての上述したような有機系分散媒と組み合わせることにより、炭素質材料分散体における炭素質材料の良好な分散性が得られ、低粘度化が可能となる。
ポリビニルブチラールとしては、特に限定されるものではないが、水酸基含量が比較的低い、具体的には、例えば、ポリマー中の水酸基含有量が5質量%以上25質量%以下、より好ましくは10質量%以上、20質量%以下、さらに好ましくは、12.5質量%以上、17.5質量%以下のものであることが好ましい。また、特に限定されるものではないが、ポリビニルブチラールの酢酸基含有量としては1~7質量%程度が好ましく、また粘度としては、DIN53015に準拠し、20℃で測定した、10質量%のポリビニルブチラールのエタノール溶液の溶液粘度が10~100mPa・s、特に20~60mPa・s程度のものが望ましい。
(pH調整剤)
pH調整剤としては、例えば、3級アミン、2級アミン、1級アミン、環状アミン、およびアルカン骨格にアミノ基とヒドロキシ基を有する化合物であるアルカノールアミンないしはアミノアルコール類、あるいはジグリコールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(THAM)、モルホリン等のその他のアミン類などのアミン化合物が例示され得る。特に限定されるわけではないが、このうち例えば2-メチルアミノエタノール、2-アミノ-1-ブタノール、4-エチルアミノ-1-ブタノール、トリエチルアミン、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール(AEPD)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、THAM等が好ましい。
(バインダー樹脂)
被処理物である炭素質材料分散体が、全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーであるような態様において、分散媒中に配合されるバインダー樹脂としては、特に限定されるわけではないが、水に対して溶解性を有しない重合体が用いられ得、具体的には例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴムおよびニトリルブタジエンゴムなどを用いることができる。このうち、特にスチレンブタジエンゴムを好ましく用いることができる。
(電極活物質)
被処理物である炭素質材料分散体が、全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーであるような態様において、配合され得る正極活物質としては、特に限定はされないが、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能な金属酸化物、金属硫化物等の金属化合物、および導電性高分子等を使用することができる。
例えば、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属の酸化物、リチウムとの複合酸化物、遷移金属硫化物等の無機化合物等が挙げられる。具体的には、MnO、V、V13、TiO等の遷移金属酸化物粉末、層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、スピネル構造のマンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、オリビン構造のリン酸化合物であるリン酸鉄リチウム系材料、TiS、FeSなどの遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。また、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子を使用することもできる。また、上記の無機化合物や有機化合物を混合して用いてもよい。
一方、被処理物である炭素質材料分散体が、全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーであるような態様において、配合され得る負極活物質としては、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能なものであれば特に限定されない。例えば、金属Li、その合金であるスズ合金、シリコン合金、鉛合金等の合金系、LiFe、LiFe、LiWO、チタン酸リチウム、バナジウム酸リチウム、ケイ素酸リチウム等の金属酸化物系、ポリアセチレン、ポリ-p-フェニレン等の導電性高分子系、ソフトカーボンやハードカーボンといった、アモルファス系炭素質材料や、高黒鉛化炭素質材料等の人造黒鉛、あるいは天然黒鉛等の炭素質粉末、カーボンブラック、メソフェーズカーボンブラック、樹脂焼成炭素質材料、気相成長炭素繊維、炭素繊維などの炭素質材料が挙げられる。これら負極活物質は、1種または複数を組み合わせて使用することもできる。
これらの電極活物質は、平均粒子径が0.05~100μmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1~50μmの範囲内である。本明細書でいう電極活物質の平均粒子径とは電子顕微鏡で測定した粒子径の平均値である。
(分散体における配合割合)
被処理物である炭素質材料分散体においては、特に限定されるわけではないが、有機系分散媒中において、分散体の総質量に対して、炭素質材料が例えば、10~25質量%、より好ましくは12~18質量%であるように調整される。また分散剤が配合される場合には、特に限定されるわけではないが、その配合量が炭素質材料の質量に対して(すなわち、炭素質材料の質量100質量%に対して)、例えば、5質量%以上20質量%未満、より好ましくは6質量%以上12質量%未満であるように調整される。炭素質材料および分散剤の配合量がそれぞれこの範囲内にあれば、炭素質材料の良好な分散性および低粘度を保持しつつ高濃度の炭素質材料を含有する分散体とすることが可能である。また炭素質材料の濃度が上記より少ない場合、製品製造における溶媒除去に必要とするエネルギーの増大や、分散体の輸送コストや溶媒のコストの上昇がある。一方、炭素質材料の濃度が上記より多いと、十分な流動性を得ることが困難となり、ハンドリング性が悪くなる。
また、上記したようにpH調整剤を配合する場合には、特に限定されるわけではないが、pH調整剤の添加量としては、分散体総量に対し0.01~5%、より好ましくは0.05~3%程度とされる。この範囲内においてpH調整剤を配合することによって、炭素質材料のより良好な分散性を得ることが可能となる。
(被処理物としての炭素質材料分散体の特性)
そして上記のような組成および配合量の組成物に対して、例えば、以下に例示するような分散処理をおこなうことにより得られる炭素質材料分散体は、特に限定されるものではないが、25℃条件下で粘度が10~1000mPa・s、好ましくは10~500mPa・s、より好ましくは10~300mPa・s程度である。なお、上記したように炭素質材料分散体がバインダー樹脂、および電極活物質をさらに含む全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーであるような実施形態においては、上述したような所定の成分を用いることによって、スラリーの固形分濃度が65~75質量%とされた場合、25℃条件下で粘度が500~5000mPa・s、より好ましくは1000~4000mPa・s程度となる場合もある。
なお、本明細書において、炭素質材料分散体の粘度とは、B型粘度計を用い、測定温度25℃、B型粘度計ローター回転速度60rpmにて、分散体をヘラで充分に撹拌(例えば、1分間)した後、直ちに測定された値である。
また、被処理物としての(すなわち、本発明の水分除去方法による処理前の)炭素質材料分散体における水分含有量としては、特に限定されるものではないが、例えば、質量分率で1×10-3~2×10-2程度、より望ましくは1×10-3~1×10-2程度のものとされる。
(被処理物としての炭素質材料分散体の調製)
被処理物である炭素質材料分散体の調製方法としては、特に限定されるものではないが、有機系分散媒に、炭素質材料並びに必要に応じて添加される、分散剤、pH調整剤ないしその他の成分を、上記した所定の割合で添加し攪拌混合して分散させることにより調製される。なお、その配合成分の添加順序等については特に限定されるものではどのような態様であっても本発明の範疇に含まれるものである。
分散装置としては、特に限定されるものではなく、顔料分散等に通常用いられている分散機を使用することができる。例えば、ディスパー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等のミキサー類、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」、PRIMIX社「フィルミックス」等、シルバーソン社製「アブラミックス」等)類、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、コロイドミル(PUC社製「PUCコロイドミル」、IKA社製「コロイドミルMK」)類、コーンミル(IKA社製「コーンミルMKO」等)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル等のメディア型分散機、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS-5」、奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましくは、最終的にメディアミル、特に、平均粒子径0.05~2mmのビーズを用いたメディアミルで、炭素質材料を分散させて調製されたものであることが好ましい。さらに好ましくは、このようなメディアミルによる分散処理に先立ち、以下に詳述するようなせん断型分散装置を用いて分散処理を行い、続いてメディアミルによる分散処理を施すことにより調製されたものであることがより好ましい。
また、このようなメディアミルによる分散処理に先立ち、その他の攪拌装置、例えば、ディスパー、ホモミキサー等のせん断型撹拌機を用いて予備分散処理を行うことが可能である。
なお、特に限定されるわけではないが、炭素質材料分散体の調製に先立ち、使用する各成分に対して、例えば、イオン交換樹脂、ゼオライト、モレキュラシーブ、アルミナ微粒子、ホスゲン系化合物および金属酸化物などといった吸着剤を用いた脱水、蒸留脱水又は共沸脱水、加熱による脱水等の公知の任意の手法により脱水処理を行うことは可能である。
(低水分の炭素質材料分散体の製造方法)
本発明の第2の観点に係る炭素質材料分散体の製造方法は、有機系分散媒中に炭素質材料粒子を分散させた炭素質材料分散体の製造方法であって、例えば、前記したような炭素質材料分散体の調製工程を経て、有機系分散媒中に炭素質材料粒子を添加して分散させ炭素質材料分散体とした後、上記に詳述した本発明の第1の観点に係る水分除去方法と同様に、20~120℃に保持した当該分散体中に、乾燥不活性気体を分散体100gに対して6~30L吹き込み、当該分散体と乾燥不活性気体とを接触させて分散体中の水分を蒸発させる工程を有することを特徴とする炭素質材料分散体の製造方法である。
本発明の第2の観点に係る炭素質材料分散体の製造方法においては、上記に詳述した本発明の第1の観点に係る水分除去方法に関する各種条件、特に好適条件については、同様に適用可能であるので、重複を避けるためにここでの再度の記載は省略する。
また本発明の第2の観点に係る炭素質材料分散体の製造方法において、前記した水分を蒸発させる工程以外の工程については、特に限定されるものではなく、例えば、水分を蒸発させる工程より前の炭素質材料分散体の調製工程としては、上述したような調製工程に限られることなく各種の態様を取り得る。また、本発明の第2の観点に係る炭素質材料分散体の製造方法において、水分除去ないし脱水という観点に関しても、上記した水分を蒸発させる工程を必須とするが、それ以外の処理ないし工程を設けることは任意であり、例えば、上記した水分を蒸発させる工程において被処理物となる炭素質材料分散体の材料である有機系分散媒および炭素質材料等に対して、別途脱水処理や乾燥処理等を施す工程を設けることも可能である。
以下、実施例に基づき、本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(試験用炭素質材料分散体Aの調製)
まず、以下の実施例1~3および比較例1~4を実施する上で被処理物として用いる、試験用炭素質材料分散体Aを以下のようにして調製した。すなわち、アセチレンブラック15質量部、分散媒体としての酪酸ブチル84質量部および分散剤としてのポリビニルブチラール1質量部の割合にて配合し、ビーズミルにて分散処理を行い、アセチレンブラック分散体300gを調製し、試験用炭素質材料分散体とした。この試験用炭素質材料分散体の水分含有量は質量分率2.056×10-3であり、不揮発分は16.00質量%であった。
なお水分(質量分率)はカールフィッシャー水分濃度計により測定し、不揮発分は140℃乾燥後の残渣重量により測定した。
そして、この試験用炭素質材料分散体Aを以下、水分質量分率3.0×10-5未満に下げることを目的に脱水を実施した。
(実施例1)
図1に模式的に示したような装置を用い、上記調製した試験用炭素質材料分散体A(10)100gを300ml容のフラスコ(40)に仕込み、スターラー(30、32)で撹拌した。分散体を加熱ジャケット(42)で60℃に加熱し、分散体底部から乾燥窒素(20)を0.1L/minの流量で150分間(合計15L)吹き込み脱水処理した。
その結果、脱水後の炭素質材料分散体の水分含有量は質量分率2.9×10-5であり、不揮発分は16.05質量%であった。
(実施例2)
実施例1と同様に、図1に模式的に示したような装置を用い、上記調製した試験用炭素質材料分散体A(10)100gを300ml容のフラスコ(40)に仕込み、系内を大気圧に比べ-50kPaに減圧して、スターラー(30、32)で撹拌した。分散体を加熱ジャケット(42)で40℃に加熱し、分散体底部から乾燥窒素(20)を0.1L/minの流量で120分間(合計12L)吹き込み脱水処理した。その結果、脱水後の炭素質材料分散体の水分含有量は質量分率2.2×10-5であり、不揮発分は16.2質量%であった。
(実施例3)
上記調製した試験用炭素質材料分散体A(10)100gを300ml容のフラスコ(40)に仕込み、分散体を加熱ジャケット(42)で40℃に加熱した。なお、この実施例においては、スターラー(30、32)を配置せず、フラスコ(40)底部において不活性気体の吹込みノズル24先端に焼結ガラスからなるディフューザー(図示せず)を設置し、分散体(10)底部から乾燥窒素(20)を0.1L/minの流量で120分間(合計12L)吹き込み脱水処理した。なお、この際のディフューザーより分散体中に導出された乾燥窒素の気泡の個数平均粒径は、2mmであった。その結果、脱水後の炭素質材料分散体の水分含有量は質量分率2.8×10-5であり、不揮発分は16.02質量%であった。
(比較例1)
実施例1において分散体を10℃に保持した以外は、実施例1と同様にして脱水処理した。その結果、処理後の炭素質材料分散体の水分含有量は質量分率6.0×10-4であり、不揮発分は16.00質量%であった。
(比較例2)
実施例1において分散体を130℃に保持した以外は、実施例1と同様にして脱水処理した。その結果、処理中に分散質が凝集して、分散体が凝固した。
(比較例3)
実施例1において乾燥窒素(20)の吹込み量を0.1L/minの流量で50分間(合計5L)とする以外は、実施例1と同様にして脱水処理した。その結果、処理の炭素質材料分散体の水分含有量は質量分率1.1×10-4であり、不揮発分は16.00質量%であった。
(比較例4)
実施例1において乾燥窒素(20)の吹込み量を0.1L/minの流量で360分間(合計36L)とする以外は、実施例1と同様にして脱水処理した。その結果、処理の炭素質材料分散体の水分含有量は質量分率7.0×10-6であり、不揮発分は16.85質量%であった。
(試験用炭素質材料分散体Bの調製)
以下の実施例5を実施する上で被処理物として用いる、全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーを想定した試験用炭素質材料分散体Bを以下のようにして調製した。すなわち、上記のようにして調製した試験用炭素質材料分散体A 10.0gに対して、正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3粉末(富士フイルム和光純薬株式会社製、粒径1~数μm)30.0gとスチレンブタジエンゴムを10質量%酪酸ブチルに溶解させたバインダー溶液と酪酸ブチルを、全固形分濃度が65質量%になるよう配合し、公転自転攪拌脱泡機を用い公転自転、何れの回転速度も1200rpmとして、5分間処理した。得られた試験用炭素質材料分散体Bの水分含有量は質量分率1.5×10-3であり、不揮発分は65.00質量%であった。なお、水分含有量および不揮発分の測定方法は前記したものと同様である。そして、この試験用炭素質材料分散体Bを以下、水分質量分率3.0×10-5未満に下げることを目的に脱水を実施した。
(実施例5)
実施例1と同様に、図1に模式的に示したような装置を用い、上記で調製した試験用炭素質材料分散体B(10) 100gを300ml容のフラスコ(40)に仕込み、スターラー(30、32)で撹拌した。スラリーを加熱ジャケット(42)で60℃に加熱し、スラリー底部から乾燥窒素(20)を0.1L/minの流量で150分間(合計15L)吹き込み脱水処理した。その結果、脱水後のスラリーの水分含有量は質量分率2.8×10-5であり、不揮発分は65.08質量%であった。
10 炭素質材料分散体
20 乾燥窒素
24 吹込みノズル
30、32 スターラー
40 フラスコ
42 加熱ジャケット

Claims (16)

  1. 有機系分散媒中に炭素質材料粒子を分散させた炭素質材料分散体から水分を除去する方法であって、
    20~120℃に保持した分散体中に、乾燥不活性気体を分散体100gに対して6~30L吹き込み、当該分散体と乾燥不活性気体とを接触させて分散体中の水分を蒸発させる工程を有することを特徴とする炭素質材料分散体の脱水方法。
  2. 前記不活性気体を吹き込むときに、炭素質材料分散体は撹拌しながら、また前記不活性気体の吹き込み箇所は、炭素質材料分散体を収容する容器の底部側から吹き込むことを特徴とする請求項1に記載の炭素質材料分散体の脱水方法。
  3. 前記不活性気体を吹き込むときに、前記不活性気体は、炭素質材料分散体中に個数平均粒径が約5mm~0.5mm程度の気泡を発生させて吹き込むことを特徴とする請求項1または2に記載の炭素質材料分散体の脱水方法。
  4. 前記不活性気体を吹き込むときに、系内を大気圧に比べ、-5kPa~-95kPaに減圧することを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の炭素質材料分散体の脱水方法。
  5. 不活性気体を吹き込んだ後に、減圧して分散体中の気体を脱気することを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の炭素質材料分散体の脱水方法。
  6. 有機系分散媒がエステル系溶媒、ケトン系溶媒、炭化水素系溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択されてなる少なくとも1つのものである請求項1~5のいずれか1つに記載の炭素質材料分散体の脱水方法。
  7. 有機系分散媒が酪酸ブチル、キシレン、メシチレンおよびヘプタンからなる群から選択されてなる少なくとも1つのものである請求項1~5のいずれか1つに記載の炭素質材料分散体の脱水方法。
  8. 前記炭素質材料がカーボンブラックである請求項1~7のいずれか1つに記載の炭素質材料分散体の脱水方法。
  9. 前記不活性気体が窒素である請求項1~8のいずれか1つに記載の炭素質材料分散体の脱水方法。
  10. 前記不活性気体が露点-50℃以下のものである請求項1~9のいずれか1つに記載の炭素質材料分散体の脱水方法。
  11. 前記炭素質材料分散体が、炭素質材料、有機系分散媒および分散剤を含むものである請求項1~10のいずれか1つに記載の炭素質材料分散体の脱水方法。
  12. 前記炭素質材料分散体が、炭素質材料、有機系分散媒、分散剤、バインダー樹脂、および、正極活物質又は負極活物質を配合してなる全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーである請求項1~10のいずれか1つに記載の炭素質材料分散体の脱水方法。
  13. 分散体と乾燥不活性気体とを接触させて分散体中の水分を蒸発させる工程前後の分散体の不揮発分変動が0.5質量%以下であり、かつ工程後の分散体の水分含有量が質量分率5×10-5以下である請求項1~12のいずれか1つに記載の炭素質材料分散体の脱水方法。
  14. 有機系分散媒中に炭素質材料粒子を分散させた炭素質材料分散体の製造方法であって、
    有機系分散媒中に炭素質材料粒子を添加して分散させ炭素質材料分散体とした後、20~120℃に保持した当該分散体中に、乾燥不活性気体を分散体100gに対して6~30L吹き込み、当該分散体と乾燥不活性気体とを接触させて分散体中の水分を蒸発させる工程を有することを特徴とする炭素質材料分散体の製造方法。
  15. 前記炭素質材料分散体が、炭素質材料、有機系分散媒および分散剤を含むものである請求項14に記載の炭素質材料分散体の製造方法。
  16. 前記炭素質材料分散体が、炭素質材料、有機系分散媒、分散剤、バインダー樹脂、および、正極活物質又は負極活物質を配合してなる全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーである請求項14に記載の炭素質材料分散体の製造方法。
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