JP2022185480A - 全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体および全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリー - Google Patents

全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体および全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリー Download PDF

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Abstract

【課題】 全固体リチウムイオン二次電池用の導電助剤として用いられた際に、固体電解質の劣化を抑制でき、炭素質材料が高濃度かつ均一に分散して、電極活物質と混合した際に固形分を低粘性で高濃度に分散させることができ、二次電池の良好な導電性を発揮することに寄与できる全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体を提供する。【解決手段】 分散媒中に炭素質材料および分散剤を分散させた全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体であって、分散媒が少なくともエステル系溶媒を含有し、分散剤が少なくともポリビニルブチラールを含有し、分散体における炭素質材料の配合量が、分散体の総質量に対して10~25質量%であり、また分散剤の配合量が炭素質材料の質量に対して5質量%以上20質量%未満であり、25℃における粘度が500mPa・s以下であることを特徴とする炭素質材料分散体。【選択図】なし

Description

本発明は、全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体および全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーに関する。詳しく述べると本発明は、全固体リチウムイオン二次電池用の導電助剤として用いられた際に、固体電解質の劣化を抑制でき、炭素質材料が高濃度かつ均一に分散して、電極活物質と混合した際に固形分を低粘性で高濃度に分散させることができる全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体およびこれを用いた全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーに関する。
近年、ポータブルパーソナルコンピューター、スマートフォン、携帯電話などの電子機器分野、あるいは、電気自動車およびハイブリッド自動車などの自動車分野などの多くの分野において、高容量で高出力のリチウムイオン二次電池が広く利用されている。
リチウムイオン二次電池においては、イオンを移動させる媒体として、希釈溶媒に可燃性の有機溶媒等を用いた電解液が従来使用されているが、このような電解液を用いた電池においては、電解液の漏液や、発火、爆発等の問題を生ずる可能性がある。
このような問題を解消するために、液体の電解質に代えて固体電解質を使用するとともに、その他の要素の全てを固体で構成した全固体リチウムイオン二次電池の開発が進められている。全固体リチウムイオン二次電池は、固体電解質とリチウムイオンの電荷移動抵抗が非常に小さいため電池の内部抵抗を小さくすることができ、また電解質が固体であることから、発火の心配が少なく、漏液せず、また、腐食による電池性能の劣化等の問題も生じ難い。
全固体リチウムイオン二次電池には、正極層及び負極層と、これらの間に配置される固体電解質層とが備えられ、電解質は、固体によって構成される。
固体電解質層として、電極活物質のみを用いて粉末成形により電極層を構成する場合、電解質が固体であるため、電解質が電極層の内部へ浸透しにくく、電極活物質と電解質との界面が低減し、電池性能が低下してしまう。また電極層は固体によって構成されるため、可撓性および加工性に乏しく、取り扱い性が悪い。
このような問題に対して、電極活物質、固体電解質材料および結着剤を溶媒に分散させて調製したスラリーを用いて電極層を形成することが提案されている。
なお、従来のリチウムイオン二次電池では、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)溶媒中にバインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を溶解させた高分子溶液に活物質や導電助剤等を分散させた電極スラリーや、水溶媒中にバインダーとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)をエマルション化した水溶液に活物質や導電助剤を分散させ、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘剤を添加した電極スラリーが用いられているが、全固体リチウムイオン二次電池に関しては、固体電解質が高極性溶媒に曝されるとイオン伝導性が低下し、十分な電池性能が得られなくなるため、電極作成用の電極スラリーの溶媒としてNMPや水を用いることができない。
例えば、特許文献1においては、正極活物質、固体電解質材料、結着剤、導電化剤、および溶剤からなり、全固体リチウムイオン二次電池の正極合剤層を形成するために用いられる正極合剤層形成用スラリーとして、結着剤がスチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)などのスチレン含有バインダー樹脂であり、導電化剤として炭素繊維を、また溶剤としては、ヘプタン等のノルマルアルカンやトルエンやキシレン等の無極性溶媒を用いた組成が提案されている。そして、これにより、電気伝導性を向上させるとともに、形成される正極合剤層が可撓性および強度の高い正極合剤層が形成される正極集電体が得られることが示されている。
しかしながら、導電化剤として価格的に高価な炭素繊維に代えて、例えばカーボンブラックを用いた場合は、結着剤としてこのようにスチレン含有バインダー樹脂を用いると、例えば、シリコーン系ポリマーのみが添加された正極合剤層よりも電気抵抗が増大するということが併せて報告されている。
また特許文献2においては、負極活物質、固体電解質材料、結着剤、導電化剤、および溶剤からなり、全固体リチウムイオン二次電池の負極合剤を形成するために用いられる負極合剤層形成用スラリーとして、Siを含む負極活物質、硫化物固体電解質を含む固体電解質、炭素六員環を有する繊維状炭素質材料からなる導電材、SBR、SEBS等の芳香環を有する高分子化合物からなる結着剤、並びに、1,3,5-トリメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン及びメチルフェニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1つの溶剤からなる組成が提案されている。なお、結着剤として5質量%以下の範囲で、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ブチレンゴム(BR)、ポリビニルブチラール(PVB)、アクリル樹脂等の、芳香環を有する高分子化合物以外の高分子化合物を含んでいてもよい旨の開示がある。そして、この組成により、Siを含む負極活物質を用いた場合に、負極合剤が充放電サイクルを繰り返したときに、充放電の繰り返しに伴う導電材と負極活物質との接触不良部分の発生を抑制し、内部抵抗の上昇を抑制することができることが示されている。
しかしながら、この場合も、導電化剤として炭素六員環を有する炭素繊維を用いる場合における分散性を考慮して、SBR、SEBS等の芳香環を有する高分子化合物からなる結着剤、並びに、1,3,5-トリメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン及びメチルフェニルエーテルといった芳香環を有する溶剤を選択しており、例えば導電化剤として鱗片状炭素質材料を用いた場合には、結着剤および溶剤として同様に芳香環を有するものを用いても内部抵抗の上昇を抑制できないことが併せて報告されている。
また、特許文献3においては、結着材として、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン等を用い、例えば、溶剤としてトルエン、キシレン、デカリン、テトラヒドロナフタレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ペンタン、エチルへキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素、ヘキセン、ヘプテン、シクロヘキセン等の不飽和炭化水素等を用いて湿式メカノケミカル的な処理により正極合剤層を形成することが提案されている。
さらに、特許文献4においては、全固体リチウムイオン二次電池用スラリーを調製するにおいて、従来、低極性の溶媒として酪酸ブチルやヘプタン等が用いられているが、PVDFとの親和性が十分でないため、溶媒中でPVDFの分子鎖が十分に広がることができず電極スラリーの粘度を十分に増加させることができず、電極スラリーを均一に塗工できず、電極内に不均一性を生じ、電池性能を低下させるといった問題を解消する上で、結着材として、所定構造のアクリル系共重合体を用い、溶剤として、例えばブチルエーテル(酪酸ブチル、プロピオン酸ブチル、吉草酸ブチル)及びアルカン系溶媒(ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、シクロオクタン)を用いることが開示されている。
特開2010-262764号公報 特開2019-125481号公報 特開2013-222501号公報 特開2020-21581号公報
しかしながら、全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーないしはこれを調製するための炭素質材料を溶媒に分散させた炭素質材料分散体として、上記したような従来技術における溶剤と結着剤との組み合わせを用いた場合には、固体電解質の劣化の問題が生じ、またスラリーないしは分散体において炭素質材料を高濃度かつ均一に分散させることが困難であり、電極活物質と混合した際に固形分を低粘性で高濃度に分散できず、得られる全固体リチウムイオン二次電池の充放電特性、サイクル特性、電極の導電性等の特性、特にその導電性を十分に向上させることができないものであった。
従って本発明は、上記の課題を解決してなる全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体および全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーを提供することを課題とする。本発明はまた、全固体リチウムイオン二次電池用の導電助剤として用いられた際に、固体電解質の劣化を抑制でき、炭素質材料が高濃度かつ均一に分散して、優れた導電性を発揮することができる全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体およびこれを用いた全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者らは、鋭意検討および研究を進めた結果、全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体として、炭素質材料、特にカーボンブラックに対し、分散剤として少なくともポリビニルブチラールを含有する分散剤、溶媒としてエステル系溶媒を所定割合で配合することにより、固体電解質の劣化を抑制でき、炭素質材料が高濃度かつ均一に分散して、優れた導電性を発揮できることができることを見出し本発明に至ったものである。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、分散媒中に炭素質材料および分散剤を分散させた全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体であって、分散媒が少なくともエステル系溶媒を含有し、分散剤として少なくともポリビニルブチラールを含有し、分散体における炭素質材料の配合量が、分散体の総質量に対して10~25質量%であり、また分散剤の配合量が炭素質材料の質量に対して5質量%以上20質量%未満であり、25℃における粘度が500mPa・s以下であることを特徴とする炭素質材料分散体である。
本発明に係る炭素質材料分散体の一実施形態においては、前記炭素質材料分散体の25℃における粘弾性が、せん断速度10~1000s-1の範囲で極小値を持つことを特徴とする炭素質材料分散体が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体の一実施形態においては、前記分散媒は、エステル系溶媒を分散媒総量の10質量%以上含有するものである炭素質材料分散体が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体の一実施形態においては、前記エステル系溶媒が、酢酸プロピル、酪酸ブチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸ブチル、酪酸ペンチル、ペンタン酸ペンチル、ヘキサン酸ペンチル、酪酸ヘキシル、ペンタン酸ヘキシル、およびヘキサン酸ヘキシルからなる群から選ばれた少なくとも1つのものである炭素質材料分散体が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体の一実施形態においては、前記エステル系溶媒が、酪酸ブチルである炭素質材料分散体が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体の一実施形態においては、炭素質材料がカーボンブラックである炭素質材料分散体が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体の一実施形態においては、さらに、カーボンブラックがアセチレンブラックである炭素質材料分散体が示される。
本発明に係る炭素質材料分散体の一実施形態においては、pH調整剤をさらに含有するものである炭素質材料分散体が示される。
上記課題を解決する本発明はまた、分散媒中に炭素質材料、分散剤、バインダー樹脂、および、正極活物質又は負極活物質とを配合してなる全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーであって、
分散媒が少なくともエステル系溶媒を含有し、分散剤が少なくともポリビニルブチラールを含有し、またスラリーにおける固形分中で、分散剤の配合量が炭素質材料の質量に対して5質量%以上20質量%未満であることを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーである。
本発明に係る全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーの一実施形態においては、スラリーの固形分濃度が65~75質量%のとき、スラリーの25℃における粘度が500~5000mPa・sである全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーが示される。
本発明によれば、全固体リチウムイオン二次電池用の導電助剤として用いられた際に、固体電解質の劣化を抑制でき、炭素質材料が高濃度かつ均一に分散して、優れた導電性を発揮することができる炭素質材料分散体、およびこれを用いた全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーが提供できるため、充放電特性、サイクル特性、電極の導電性等の性能に優れかつ特性の安定した二次電池を製造することが可能となる。
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
<炭素質材料分散体>
本発明の第1の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体は、分散媒中に炭素質材料および分散剤を分散させた全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体であって、分散媒が少なくともエステル系溶媒を含有し、分散剤として少なくともポリビニルブチラールを含有し、分散体における炭素質材料の配合量が、分散体の総質量に対して10~25質量%であり、また分散剤の配合量が炭素質材料の質量に対して5質量%以上20質量%未満であり、25℃における粘度が500mPa・s以下であることを特徴とする。
まず第1の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体を構成する各成分について説明する。
(炭素質材料)
使用される炭素質材料としては、導電性を有するものであり、粉粒状の形態を呈し得るものであれば特に限定されるものではないが、例えば、カーボンブラック(CB)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)、グラフェン、フラーレン、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化性炭素、コークス類、グラファイト類等が挙げられ、これらを単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。炭素質材料としては、特にCBが好ましい。さらにCBとしては、例えば、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等が挙げられ、そのいずれを用いることが可能である。このうち例えば、アセチレンブラックは、その製法上で金属成分含有量が本来的に低いものとなるものであるため好ましい。
なお、カーボンブラックとしては、通常行われている酸化処理されたカーボンブラックや、黒鉛化処理されたカーボンブラックなども使用できる。カーボンブラックの酸化処理は、カーボンブラックを空気中で高温処理したり、硝酸や二酸化窒素、オゾン等で二次的に処理したりすることによって、例えばフェノール基、キノン基、カルボキシル基、カルボニル基のような酸素含有極性官能基をカーボンブラック表面に直接導入(共有結合)する処理であり、カーボンブラックの分散性を向上させる。
炭素質材料は、また、必要に応じて、炭素質材料分散体の製造に先立ち混入する金属不純物を除去するために乾式での磁選処理にかけられる、および/または、炭素質材料をエステル系溶媒に分散させて分散体を調製した後に、湿式にて磁選処理にかけられることが可能である。
ここで本明細書において分散媒に分散される原料としての炭素質材料の「粉粒状」の形態とは、少なくとも、後述するようなエステル系溶媒中に分散し得るものであれば限定されるものではない。さらに、その形状としても、特に限定されるものではなく、概略球状のものに限られず、楕円状、薄片状、針状ないし短ファイバー状、不定形等が含まれ得る。
なお、カーボンブラックに関しては、例えば、カーボンブラック協会(https://carbonblack.biz/index.html)のウェブサイトにおいても説明されるように、カーボンブラックの分解できない最小単位は、アグリゲート(aggregate)(一次凝集体)であり、その一部分(ドメイン(domain)を粒子と通称する。この粒子は、ナノマテリアルで最小単位として定義される粒子に該当して考えられるがあくまでもアグリゲートの一部である。アグリゲートは、ファン・デルワ―ルス力等の物理的な力によりアグロメレート(agglomerate)(二次凝集体)を構成する。さらに、カーボンブラックの製品は、飛散防止のため、ハンドリング性向上のために圧縮処理や造粒処理によりビードという加工された粒子の形で、輸送販売されることが殆どである。
例えば、平均粒子径10~100nm程度の粒子径を呈している一次凝集体、このような一次凝集体が凝集して平均粒子径0.1~100μm程度の二次凝集体を呈しているもの、あるいはさらにハンドリング性を考慮して圧縮処理や造粒処理により平均粒子径500~5000μm程度の加工された粒子とされたものなどが含まれ得る。
なお、カーボンブラック導電性の観点から、導電性炭素微粒子としては一次粒子がある程度連なり連鎖状または房状等の構造を形成したアグリゲートのものが好ましい。アグリゲートにおける該一次粒子の連なりは、ストラクチャーとも言われ、かかる発達の程度は、粒度分布測定(動的光散乱法またはレーザー回折/光散乱法)や電子顕微鏡(走査型または透過型のいずれも使用可能である。)観察により把握することができる。このような構造のものは、電極活物質粒子間に効率よく導電パスを形成することができる。このため、より少ない使用量で電極活物質層に優れた導電性を付与することができる。
(分散媒)
本発明の第1の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体を構成する分散媒は、少なくともエステル系溶媒を含有する。エステル系溶媒を用いるのは、本発明の第1の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体においては、後述するように分散剤としてポリビニルブチラールを主として使用するため、このポリビニルブチラールに対して良好な溶解性を示し、かつ疎水性であり、固体電解質に対する反応性が低いものであるためである。
なお、本発明に係る分散媒は、上記のような分散剤としてのポリビニルブチラールに対して良好な溶解性を示すものである限り、分散媒におけるエステル系溶媒の配合割合については特に限定されるものではないが、例えば、エステル系溶媒が分散媒総量の10質量%以上、より好ましくは20質量%以上含まれていることが、良好な分散体を得る上で好ましい。もちろん、分散媒の全量(100質量%)がエステル系溶媒で構成されることは、好ましい実施形態の1つである。
また、エステル系溶媒としては、ポリビニルブチラールに対して良好な溶解性を示し、かつ固体電解質に対する反応性が低いものであれば、使用されるエステル系溶媒として特に限定されるものではない。例えば、R-COOR(但し式中RはC1~C8の炭化水素基、RはC2~C8のアルキル基である。)で表されるカルボン酸エステルを用いることができる。
具体的には例えば、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸アミル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、プロピオン酸オクチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチル、酪酸アミル、酪酸ヘキシル、酪酸ヘプチル、酪酸オクチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸プロピル、ペンタン酸ブチル、ペンタン酸アミル、ペンタン酸ヘキシル、ペンタン酸ヘプチル、ペンタン酸オクチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸プロピル、ヘキサン酸ブチル、ヘキサン酸アミル、ヘキサン酸ヘキシル、ヘキサン酸ヘプチル、ヘキサン酸オクチル、ヘプタン酸エチル、ヘプタン酸プロピル、ヘプタン酸ブチル、ヘプタン酸アミル、ヘプタン酸ヘキシル、ヘプタン酸ヘプチル、ヘプタン酸オクチル、オクタン酸エチル、オクタン酸プロピル、オクタン酸ブチル、オクタン酸アミル、オクタン酸ヘキシル、オクタン酸ヘプチル、オクタン酸オクチル等を単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが可能である。
このうち、酢酸プロピル、酪酸ブチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸ブチル、酪酸ペンチル、ペンタン酸ペンチル、ヘキサン酸ペンチル、酪酸ヘキシル、ペンタン酸ヘキシル、およびヘキサン酸ヘキシルなどが好ましく、特に、酪酸ブチルが好ましい。
また、本発明に係る分散媒として、上記エステル系溶媒と共に用いられ得るその他の溶媒としては、上記エステル系溶媒による樹脂成分の溶解性および炭素質材料に対する分散性を大きく損ねるものでない限り特に限定されるものではないが、非極性溶媒を用いることが望ましい。非極性溶媒であれば、水やNMPのような極性溶媒を使用した場合のような固体電解質のイオン伝導度の低下を防止することができる。
本発明に係る分散媒として、上記エステル系溶媒と共に用いられ得る非極性溶媒としては、特に限定されるものではないが、具体的には例えば、非水性の直鎖状および/または分枝状または環状の炭素原子数4~30のアルカン、例えば、ペンタン、ヘキサン、へプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、メチルシクロへキサン等;直鎖状および/または分枝状および/または環状の炭素原子数1~30のハロアルカン、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロシクロヘキサン等;炭素原子数6~22の芳香族化合物、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等;水素添加された炭素原子数10~22の芳香族化合物、例えば、テトラリン、シス-デカリンおよびトランス-デカリン等;炭素原子数6~22のハロゲン化芳香族化合物、例えば、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、ジクロロベンゼンまたはジフルオロベンゼン、トリクロロベンゼンまたはトリフルオロベンゼン、クロロナフタレンまたはフルオロナフタレン等;直鎖状および/または分枝状および/または環状のエーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、tert-アミルメチルエーテル、tert-アミルエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシベンゼン、メチルチオベンゼン、エトキシベンゼン、石油エーテル等;直鎖状および/または分枝状および/または環状のケトン、例えば、アセトン、トリクロロアセトン、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、ヘプタノン、オクタノン、ノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、アセチルアセトン等;直鎖状および/または分枝状および/または環状のニトロアルカン、例えば、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロシクロへキサン等;炭素原子数6~22のニトロ芳香族化合物、例えばニトロベンゼン等;直鎖状および/または分枝状および/または環状のアミン、好ましくは、tert-ブチルアミン、ジアミノエタン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、N-メチルアニリン、およびN,N-ジメチルアニリン等;ヘキサメチルジシラン、ジフェニルジメチルシラン、クロロフェニルトリメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、フェネチルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、フェニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ポリジメチルシロキサン、テトラフェニルテトラメチルトリシロキサン、ポリ(3,3,3-トリフルオロプロピルメチルシロキサン)、3,5,7-トリフェニルノナメチルペンタシロキサン、3,5-ジフェニルオクタメチルテトラシロキサン、1,1,5,5-テトラフェニル-1,3,3,5-テトラメチル-トリシロキサン、およびヘキサメチルシクロトリシロキサン等のシリコーンオイル;含フッ素系溶媒、例えば、ハイドロフルオロエーテル、クロロジフルオロメタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、1,1-ジフルオロエタン、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、オクタフルオロプロパン等;、または上記したような非極性溶媒の任意の比率での混合物が包含され得る。
非極性溶媒としては、このうち特に、シクロヘキサン、n-ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが望ましい。
本発明に係る分散媒としては、上記エステル系溶媒のみから構成される、あるいはエステル系溶媒と非極性溶媒の混合溶媒であって本混合溶媒中のエステル系溶媒の含有量が10質量%以上100%質量未満、非極性溶媒の含有量が0質量%以上90質量%未満(但し、合計は100質量%である。)で構成されるものが望ましい。
(分散剤)
本発明の第1の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体を構成する分散剤としては、少なくともポリビニルブチラールを含有する。
分散剤として、ポリビニルブチラールは主成分であること、特に80質量%以上であることが望ましく、分散剤の全量、すなわち100質量%がポリビニルブチラールであることも特に好ましい一態様である。全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体において、このように分散剤としてポリビニルブチラールを使用し、分散媒としての上述したようなエステル系溶媒と組み合わせることにより、炭素質材料分散体における炭素質材料の良好な分散性が得られ、低粘度化が可能となる。また後述するように、全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーを調製するにおいて、電極活物質と混合した際に固形分を低粘性で高濃度に分散させることができる。さらに、適度にスラリーの粘度を増加させ、電極活物質、炭素質材料等の電極を構成する材料の沈降速度を低下させ、集電体上にスラリーを均一に塗工させる作用を有し、かつ、活物質間、活物質と導電助剤、導電助剤間等、電極を構成する材料間を適度な強度、接着性および導電性を持って結着させることが可能となる。
ポリビニルブチラールとしては、特に限定されるものではないが、水酸基含量が比較的低い、具体的には、例えば、ポリマー中の水酸基含有量が5質量%以上25質量%以下、より好ましくは10質量%以上、20質量%以下、さらに好ましくは、12.5質量%以上、17.5質量%以下のものであることが前述した分散媒であるエステル系溶媒に対する溶解性が良好なものとなるために好ましい。また、特に限定されるものではないが、ポリビニルブチラールの酢酸基含有量としては1~7質量%程度が好ましく、また粘度としては、DIN53015に準拠し、20℃で測定した、10質量%のポリビニルブチラールのエタノール溶液の溶液粘度が10~100mPa・s、特に20~60mPa・s程度のものが望ましい。
分散剤として、ポリビニルブチラールに配合して使用され得るその他の分散剤としては例えば、ポリビニルブチラール以外の樹脂系分散剤、下記に例示するような界面活性剤等が含まれ得る。
(その他の樹脂系分散剤)
ポリビニルブチラール以外の樹脂系分散剤としては、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などを用いることができる。分散剤として、ポリビニルブチラールに加えて、このようなその他の樹脂系成分を配合する場合、その組成としては、80質量%以上でかつ100質量%未満のポリビニルブチラールと20質量%未満でかつ0質量%を超える前記したようなその他の成分の割合(但し、合計は100質量%である。)とする。その他の成分の配合量が20質量%未満であれば、本発明に係る炭素質材料分散体の25℃における粘度を所期の値、具体的には例えば、500mPa・s以下に保持しつつ、最終的に調製したスラリーを集電体上に塗工した場合において活物質間、活物質と導電助剤、導電助剤間等、電極を構成する材料間の結着性を向上させることが可能となる。
(pH調整剤)
本発明の第1の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体中には、必要に応じて、pH調整剤を配合することが可能である。
pH調整剤としては、例えば、3級アミン、2級アミン、1級アミン、環状アミン、およびアルカン骨格にアミノ基とヒドロキシ基を有する化合物であるアルカノールアミンないしはアミノアルコール類、あるいはジグリコールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(THAM)、モルホリン等のその他のアミン類などのアミン化合物が例示され得る。特に限定されるわけではないが、このうち例えば2-メチルアミノエタノール、2-アミノ-1-ブタノール、4-エチルアミノ-1-ブタノール、トリエチルアミン、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール(AEPD)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、THAM等が特に好ましい。
(界面活性剤)
本発明の第1の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体中には、必要に応じて、分散剤として界面活性剤を配合することが可能である。
界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムのような陰イオン性界面活性剤、塩化テトラメチルアンモニウムのような陽イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系化合物、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系化合物のような非イオン性界面活性剤などを例示することができる。
分散剤として、ポリビニルブチラールに加えて、このようなその他の成分を配合する場合、その組成としては、80質量%以上でかつ100質量%未満のポリビニルブチラールと20質量%未満でかつ0質量%を超える前記したようなその他の成分の割合(但し、合計は100質量%である。)とする。その他の成分の配合量が20質量%未満であれば、本発明に係る炭素質材料分散体の25℃における粘度を所期の値、具体的には例えば、500mPa・s以下に保持しつつ、最終的に調製したスラリーを集電体上に塗工した場合において活物質間、活物質と導電助剤、導電助剤間等、電極を構成する材料間の結着性を向上させることが可能となる。
(分散体における配合割合)
本発明の第1の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体においては、少なくともエステル系溶媒を含有する分散媒中において、分散体の総質量に対して、炭素質材料が10~25質量%、より好ましくは12~18質量%であり、また分散剤の配合量が炭素質材料の質量に対して(すなわち、炭素質材料の質量100質量%に対して)5質量%以上20質量%未満、より好ましくは6質量%以上12質量%未満、であるように調整される。炭素質材料および分散剤の配合量がそれぞれこの範囲内にあれば、炭素質材料の良好な分散性および低粘度を保持しつつ高濃度の炭素質材料を含有する分散体とすることが可能である。また炭素質材料の濃度が上記より少ない場合、製品製造における溶媒除去に必要とするエネルギーの増大や、分散体の輸送コストや溶媒のコストの上昇がある。一方、炭素質材料の濃度が上記より多いと、十分な流動性を得ることが困難となり、ハンドリング性が悪くなる。また、分散剤の濃度が上記より少ない場合、流動性を得ることが困難となり、一方、分散剤の濃度が上記より多いと、分散体における絶縁性成分の割合が多くなるために最終的な製品における導電性が低下する虞れがある。
また、上記したようにpH調整剤を配合する場合には、pH調整剤の添加量としては、分散体総量に対し0.01~5%、より好ましくは0.05~3%程度とされる。この範囲内においてpH調整剤を配合することによって、炭素質材料のより良好な分散性を得ることが可能となる。
(分散体の粘度)
そして上記のような組成および配合量の組成物に対して、例えば、以下に例示するような分散処理をおこなうことにより、本発明に係る炭素質材料分散体は、25℃における粘度が500mPa・s以下、好ましくは50~300mPa・s程度のものとすることができる。
なお、本明細書において、炭素質材料分散体の粘度とは、B型粘度計を用い、測定温度25℃、B型粘度計ローター回転速度60rpmにて、分散体をヘラで充分に撹拌(例えば、1分間)した後、直ちに測定された値である。
本発明に係る炭素質材料分散体は、上記したような所定の組成および配合割合を有し、前記の所定の粘度を呈するものであることから、炭素質材料が高濃度かつ均一に分散して、安定した流動性を示し、電極活物質と混合して全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーを調製した際に、施工に適した適度な低粘性で電極活物質を高濃度に分散させることができる。
このような特性は、例えば、本発明に係る炭素質材料分散体が、25℃における粘弾性がせん断速度10~1000s-1の範囲、より望ましくは、10~500s-1の範囲、さらに望ましくは、10~100s-1の範囲で極小値を持つという側面によって客観的に評価され得る。
なお、本明細書において、この炭素質材料分散体の粘弾性とは、レオメータを用いて、分散体の温度条件を25℃として、せん断速度を0.1s-1~1000s-1まで変動させて、せん断粘度を測定した場合における、粘度の極小値を示すせん断速度範囲を指標とする値である。
(炭素質材料分散体の製造)
本発明の第1の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体の製造方法としては、特に限定されるものではないが、分散媒であるエステル系溶媒に、炭素質材料および分散剤を上記した所定の割合で添加し攪拌混合して、分散させる。
分散装置としては、特に限定されるものではなく、顔料分散等に通常用いられている分散機を使用することができる。例えば、ディスパー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等のミキサー類、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」、PRIMIX社「フィルミックス」等、シルバーソン社製「アブラミックス」等)類、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、コロイドミル(PUC社製「PUCコロイドミル」、IKA社製「コロイドミルMK」)類、コーンミル(IKA社製「コーンミルMKO」等)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル等のメディア型分散機、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS-5」、奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましくは、最終的にメディアミル、特に、平均粒子径0.05~2mmのビーズを用いたメディアミルで、炭素質材料を分散させて調製されたものであることが好ましい。さらに好ましくは、このようなメディアミルによる分散処理に先立ち、以下に詳述するようなせん断型分散装置を用いて分散処理を行い、続いてメディアミルによる分散処理を施すことにより調製されたものであることがより好ましい。
なお、メディアミルに用いるビーズの粒子径としては、あまり小さすぎると、カーボンブラックの一次凝集体といった炭素質材料が微細に破断されてしまう虞れがあり、また、分散処理に過大なエネルギーが必要となる。また、取り扱いが困難となるため、ビーズの平均粒径が、0.05mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることが特に好ましい。一方、ビーズが大きすぎると、単位体積あたりのビーズ個数が少なくなるため分散効率が低下し、炭素質材料の粉砕が不十分となり、アスペクト比が大きい状態で炭素質材料の粒子が存在することとなって、塗料やコーティング剤としての液性が得られなくなる虞れがある。このため、ビーズの平均直径が、2mm以下であることが好ましく、1.5mm以下であることが特に好ましい。
メディアミルに用いられる分散メディアとしてのビーズの材質は特に限定されるものではなく、例えば、アルミナ、ジルコニア、鋼、クロム鋼、ガラスなどを例示することができるが、このうち、製品へのコンタミネーション、また、比重に起因する運動エネルギーの大きさ等を考慮すると、ジルコニアビーズを用いることが好ましい。
ビーズの形状も特に限定されるものではないが、一般的には球形状のものが使用される。
メディアミルは構造としては、特に限定されるものではなく、各種公知のメディアミルが適用できる。具体的には、各種公知のアトライター、サンドミル、ビーズミルなどが挙げられる。
なお、ビーズのベッセルへの充填割合はベッセルや撹拌機構や構造等によって決定すればよく、特に限定されるものではないが、その割合が低すぎると炭素質材料に対し十分な粉砕ないし切断作用を発揮できなくなる虞れがある。一方、その割合が高すぎると、回転に大きな駆動力を必要とし、またビーズの磨耗による被処理媒体の汚染の増大を引き起こす虞れがある。このため、ビーズの充填割合は、例えば、ベッセルの有効容積の70~85容積%程度とすることが望ましい。
また、処理時間、軸回転数、ベッセル内圧、モーター負荷等の操作条件は、炭素質材料の配合量、および分散させるべき樹脂の特性、特に、粘度や炭素質材料との相溶性などにより左右され、その目的に応じて適宜設定すればよい。
また、このようなメディアミルによる分散処理に先立ち、その他の攪拌装置、例えば、ディスパー、ホモミキサー等のせん断型撹拌機を用いて予備分散処理を行うことが可能である。
このようにして分散処理を行うことによって、分散体の25℃における粘度が500mPa・s以下、好ましくは50~300mPa・s程度の分散体を調製する。
<全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリー>
以上詳述した本発明の第1の観点に係る炭素質材料分散体は、以下のような電極活物質を含有させ、電極用スラリーとして調製することができる。
すなわち、本発明の第2の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーは、分散媒中に炭素質材料、分散剤、バインダー樹脂、および、正極活物質又は負極活物質とを配合してなる全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーであって、分散媒が少なくともエステル系溶媒を含有し、分散剤が少なくともポリビニルブチラールを含有し、またスラリーにおける固形分中で、分散剤の配合量が炭素質材料の質量に対して5質量%以上20質量%未満である、より好ましくは6質量%以上12質量%未満であることを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーである。
なお、本発明の第2の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーの製造工程、各成分の添加順序等については限定されるものではなく、例えば、(a)全成分を一括に分散混合して全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーを製造する態様、(b)上記したような本発明の第1の観点に係る炭素質材料分散体を調製後に、この炭素質材料分散体に、正極活物質又は負極活物質とを配合して全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーを製造する態様、(c)一部の分散媒に炭素質材料(および分散剤)を分散させた炭素質材料分散体と、一部の分散媒に正極活物質又は負極活物質(および分散剤)を分散させた電極活物質分散体とを調製し、この炭素質材料分散体と電極活物質分散体とを混合して全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーを製造する態様等の任意のものとすることができる。
(分散媒、炭素質材料、分散剤およびpH調整剤)
本発明の第2の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーの成分のうち、分散媒、炭素質材料、および分散剤に関しては、本発明の第1の観点に係る炭素質材料分散体に関して説明したものと同様のものであるから、重複を避けるためにここでの説明を省略する。なお、本発明の第2の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーには、本発明の第1の観点に係る炭素質材料分散体と同様に、必要に応じて、上述したようなpH調整剤を配合することも可能である。
(電極活物質)
本発明の第2の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーにおいて、配合され得る正極活物質としては、特に限定はされないが、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能な金属酸化物、金属硫化物等の金属化合物、および導電性高分子等を使用することができる。
例えば、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属の酸化物、リチウムとの複合酸化物、遷移金属硫化物等の無機化合物等が挙げられる。具体的には、MnO、V、V13、TiO等の遷移金属酸化物粉末、層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、スピネル構造のマンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、オリビン構造のリン酸化合物であるリン酸鉄リチウム系材料、TiS、FeSなどの遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。また、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子を使用することもできる。また、上記の無機化合物や有機化合物を混合して用いてもよい。
一方、本発明の第2の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーにおいて、配合され得る負極活物質としては、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能なものであれば特に限定されない。例えば、金属Li、その合金であるスズ合金、シリコン合金、鉛合金等の合金系、LiFe、LiFe、LiWO、チタン酸リチウム、バナジウム酸リチウム、ケイ素酸リチウム等の金属酸化物系、ポリアセチレン、ポリ-p-フェニレン等の導電性高分子系、ソフトカーボンやハードカーボンといった、アモルファス系炭素質材料や、高黒鉛化炭素質材料等の人造黒鉛、あるいは天然黒鉛等の炭素質粉末、カーボンブラック、メソフェーズカーボンブラック、樹脂焼成炭素質材料、気相成長炭素繊維、炭素繊維などの炭素質材料が挙げられる。これら負極活物質は、1種または複数を組み合わせて使用することもできる。
これらの電極活物質は、平均粒子径が0.05~100μmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1~50μmの範囲内である。本明細書でいう電極活物質の平均粒子径とは電子顕微鏡で測定した粒子径の平均値である。
(バインダー樹脂)
本発明の第2の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーにおいて、分散媒中に配合されるバインダー樹脂としては、特に限定されるわけではないが、水に対して溶解性を有しない重合体が用いられ得、具体的には例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴムおよびニトリルブタジエンゴムなどを用いることができる。このうち、特にスチレンブタジエンゴムを好ましく用いることができる。なお、前記本発明の第1の観点に係る炭素質材料分散体において配合され得る樹脂系分散剤と同じものがバインダー樹脂として機能し得る場合もある。
この電極スラリーを製造するための装置としては、上述した本発明の分散体を調製する際に用いられるものと同様のものを使用することができる。
本発明の第2の観点に係る全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーの一実施形態においては、上述したような所定の成分を用いることによって、スラリーの固形分濃度が65~75質量%のとき、スラリーの25℃における粘度が500~5000mPa・s、より好ましくは1000~4000mPa・sであるものとすることができ、施工性を良好なものとすることができる。
以下、実施例に基づき、本発明を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。本実施例中、部は質量部を、%は質量%を、それぞれ表す。
実施例1
分散体の総質量を100質量%として、分散媒として酪酸ブチル82.5質量%(東京化成工業株式会社製)、分散剤としてのポリビニルブチラール(エスレックBL、積水化学工業株式会社製)1.5質量%(アセチレンブラックに対して10質量%)、アセチレンブラック(デンカブラック(商標名) 粒状品、デンカ株式会社製)15質量%、および2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール1質量%の割合で配合し、ラボ用ビーズミル(アイメックス株式会社製)にて分散処理を行った。
なお、ビーズミルによる分散処理は、ビーズとして直径1mmのジルコニア製ビーズを用い、ベッセルにおけるビーズ充填率がベッセルの有効容積の30容積%とし、分散体とビーズとの体積比を約1:1として、ベッセル内で回転数約2000rpmにて粘度が100mPa・s程度になるまで分散を実施した。
このようにして調製された炭素質材料分散体(アセチレンブラック分散体)を分散処理から24時間以上静置した後、25℃での粘度を測定したところ、104mPa・sであった。測定にはB型粘度計(東機産業社製「TVB-15M」)を用い、測定温度25℃、B型粘度計ローター回転速度60rpmにて、分散組成物をヘラで充分に撹拌した後、直ちに行った。ローターはNo.21を用いた。その後、レオメータ(マルバーン・パナリティカル社製「キネクサス」)でせん断速度を0.1s-1~1000s-1まで変動させてせん断粘度を測定し、粘度の極小値が10s-1~1000s-1の範囲(250s-1)にあることを確認した。
調製された炭素質材料分散体4部に対して、スチレンブタジエンゴムを10質量%酪酸ブチルに溶解させたバインダー溶液18部を添加し、公転自転攪拌脱泡機を用いて均一に混合して塗工用ペーストを調製した。アプリケーター(ヨシミツ精機株式会社製)でガラス板上に塗工し、減圧下100℃で2時間乾燥して塗膜を得た(乾燥後膜厚30μm)。低抵抗率計(三菱ケミカルアナリテック社製「ロレスタ‐GX」)で抵抗値を測定したところ1211Ωであり、良好な導電性を示すものであった。
実施例2
上記実施例1において調製した炭素質材料分散体10.0gに対して、正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3粉末(富士フイルム和光純薬株式会社製、粒径1~数μm)30.0gとスチレンブタジエンゴムを10質量%酪酸ブチルに溶解させたバインダー溶液と酪酸ブチルを、全固形分濃度が65質量%になるよう配合し、公転自転攪拌脱泡機を用い公転自転、何れの回転速度も1200rpmとして、5分間処理したところ、混合物は流動性を示すスラリーとなった。
ここで、得られた正極合材層形成用スラリーが塗工に際し適切な粘度となっているかを、先述のレオメータを用いて測定した。レオメータでの測定条件は25℃一定、せん断速度10s-1で、60秒ごとに5点測定した平均値をスラリーの粘度とした。
その結果、スラリーの粘度は3746mPa・sであった。
実施例3
分散体の総質量を100質量%として、分散媒として酪酸ブチル83.2質量%、分散剤としてのポリビニルブチラール(エスレックBL、積水化学工業株式会社製)0.8質量%(アセチレンブラックに対して5.3質量%)、アセチレンブラック(デンカブラック(商標名) 粒状品、デンカ株式会社製)15質量%、および2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオールを1質量%の割合で配合し、ビーズミルにて分散処理を行った。
なお、ビーズミルによる分散処理条件は粘度が300mPa・s程度になるまで分散を実施した以外は実施例1におけるものと同様とした。
このようにして調製された炭素質材料分散体(アセチレンブラック分散体)の粘度を実施例1と同様にして測定した。その結果、分散体の粘度は、345mPa・sであった。その後、実施例1と同様にレオメータでせん断速度を0.1s-1~1000s-1まで変動させてせん断粘度を測定し、粘度の極小値が10s-1~1000s-1の範囲(630s-1)にあることを確認した。
その後、実施例1と同様に乾燥塗膜を作製し、抵抗値を測定したところ1079Ωであり、良好な導電性を示すものであった。
実施例4
分散体の総質量を100質量%として、分散媒として酪酸ブチル81.5質量%、分散剤としてのポリビニルブチラール(エスレックBL、積水化学工業株式会社製)2.5質量%(アセチレンブラックに対して16.7質量%)、アセチレンブラック(デンカブラック(商標名) 粒状品、デンカ株式会社製)15質量%、および2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオールを1質量%の割合で配合し、ビーズミルにて分散処理を行った。
なお、ビーズミルによる分散処理条件は実施例1におけるものと同様とした。
このようにして調製された炭素質材料分散体(アセチレンブラック分散体)の粘度を実施例1と同様にして測定した。その結果、分散体の粘度は、79mPa・sであった。
その後、実施例1と同様にレオメータでせん断速度を0.1s-1~1000s-1まで変動させてせん断粘度を測定し、粘度の極小値が10s-1~1000s-1の範囲(250s-1)にあることを確認した。
その後、実施例1と同様に乾燥塗膜を作製し、抵抗値を測定したところ、1371Ωであり、良好な導電性を示すものであった。
比較例1~2
実施例1において、分散剤としてのポリビニルブチラールに代えて、酢酸セルロースまたはポリビニルピロリドン(いずれも関東化学株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、ビーズミルにて分散処理を行った。
しかしながら、いずれの場合も分散媒としての酪酸ブチルに樹脂成分がうまく溶解せず、アセチレンブラックの均一分散体は得られなかった。
比較例3
分散体の総質量を100質量%として、分散媒として酪酸ブチル83.4質量%、分散剤としてのポリビニルブチラール(エスレックBL、積水化学工業株式会社製)0.6質量%(アセチレンブラックに対して4質量%)、アセチレンブラック(デンカブラック(商標名) 粒状品、デンカ株式会社製)15質量%、および2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオールを1質量%の割合で配合し、ビーズミルにて分散処理を行ったが、分散体は十分な流動性を示すものとはならなかった。
比較例4
分散体の総質量を100質量%として、分散媒として酪酸ブチル81質量%、分散剤としてのポリビニルブチラール(エスレックBL、積水化学工業株式会社製)3質量%(アセチレンブラックに対して20質量%)、アセチレンブラック(デンカブラック(商標名) 粒状品、デンカ株式会社製)15質量%、および2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオールを1質量%の割合で配合し、ビーズミルにて分散処理を行った。なお、ビーズミルによる分散処理条件は実施例1におけるものと同様とした。
このようにして調製された炭素質材料分散体(アセチレンブラック分散体)の粘度を実施例1と同様にして測定した。その結果、分散体の粘度は、137mPa・sであった。その後、実施例1と同様にレオメータでせん断速度を0.1s-1~1000s-1まで変動させてせん断粘度を測定したところ、粘度の極小値は10s-1~1000s-1の範囲(250s-1)にあった。
その後、実施例1と同様に乾燥塗膜を作製し、抵抗値を測定したところ、1953Ωであり、導電性に劣る結果であった。

Claims (10)

  1. 分散媒中に炭素質材料および分散剤を分散させた全固体リチウムイオン二次電池用炭素質材料分散体であって、
    分散媒が少なくともエステル系溶媒を含有し、分散剤として少なくともポリビニルブチラールを含有し、
    分散体における炭素質材料の配合量が、分散体の総質量に対して10~25質量%であり、また分散剤の配合量が炭素質材料の質量に対して5質量%以上20質量%未満であり、
    25℃における粘度が500mPa・s以下であることを特徴とする炭素質材料分散体。
  2. 前記炭素質材料分散体の25℃における粘弾性が、せん断速度10~1000s-1の範囲で極小値を持つことを特徴とする請求項1に記載の炭素質材料分散体。
  3. 前記分散媒は、エステル系溶媒を分散媒総量の10質量%以上含有するものである請求項1または2に記載の炭素質材料分散体。
  4. 前記エステル系溶媒が、酢酸プロピル、酪酸ブチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸ブチル、酪酸ペンチル、ペンタン酸ペンチル、ヘキサン酸ペンチル、酪酸ヘキシル、ペンタン酸ヘキシル、およびヘキサン酸ヘキシルからなる群から選ばれた少なくとも1つのものである請求項1~3のいずれか1つに記載の炭素質材料分散体。
  5. 前記エステル系溶媒が、酪酸ブチルである請求項1~3のいずれか1つに記載の炭素質材料分散体。
  6. 炭素質材料がカーボンブラックである請求項1~5のいずれか1つに記載の炭素質材料分散体。
  7. カーボンブラックがアセチレンブラックである請求項6に記載の炭素質材料分散体。
  8. pH調整剤をさらに含有するものである請求項1~7のいずれか1つに記載の炭素質材料分散体。
  9. 分散媒中に炭素質材料、分散剤、バインダー樹脂、および、正極活物質又は負極活物質とを配合してなる全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリーであって、
    分散媒が少なくともエステル系溶媒を含有し、分散剤が少なくともポリビニルブチラールを含有し、またスラリーにおける固形分中で、分散剤の配合量が炭素質材料の質量に対して5質量%以上20質量%未満であることを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリー。
  10. スラリーの固形分濃度が65~75質量%のとき、スラリーの25℃における粘度が500~5000mPa・sである請求項11に記載の全固体リチウムイオン二次電池用電極スラリー。

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