JP2017032531A - レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法 - Google Patents

レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法 Download PDF

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【課題】送受信ビームにペンシルビームを使用して観測範囲を走査する場合に、観測時間の増加または観測範囲の限定を抑制する。【解決手段】送信レーダは、レーダ割当帯域の全周波数帯域内で変調した信号をN個の周波数帯に分割し、アンテナ開口面をN個に分割したサブアレイに対応させて変調した信号を送信し、受信レーダは、送信アンテナの開口面をM個のサブアレイに分割し、サブアレイ毎に、送信のN通りの周波数帯域に応じて受信信号を分割し、分割したN個の周波数帯の信号毎にMチャンネル分のビーム合成をした後、それぞれ同一の周波数帯に変換して、各周波数帯に対応する変調信号により圧縮処理し、Nチャンネル分のビーム合成をしたMIMOビーム出力を得て、各ビーム出力から目標が存在する範囲を選定し、選定された範囲に向けてSIMOビームを形成して、SIMOビームの受信出力から目標を観測出力する。【選択図】図4

Description

本実施形態は、レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法に関する。
レ−ダ装置では、システム利得を向上させるために、送信ペンシルビームを観測範囲に向けて、その方向に受信ペンシルビームを向ける手法がある。この手法では、所定の観測範囲内で送信ペンシルビームを走査させ、それに合わせて受信ペンシルビームも走査させる。この場合、観測範囲を広げる場合には観測時間が増大してしまい、観測時間に制約がある場合には観測範囲が制限されてしまうという問題があった。また、目標方向に送信ペンシルビームを向けるため、目標からレーダの送信を検知されやすいという問題があり、送信方向に電波干渉の影響を与える問題もあった。また、例えば偏波や周波数帯の異なるアンテナを同じ開口に配置して、ダイバーシティ効果を得ることもあるが、アンテナの設置スペースに制約がある場合には、その実施は困難であった。
MIMO処理、JIAN LI, PETER STOICA, ‘MIMO RADAR SIGNAL PROCESSING’, WILEY, pp.1-5(2009) 位相モノパルス(位相比較モノパルス)方式、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.262-264(1996) テイラー分布、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.134-135(1996) パルス圧縮、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.278-280(1996) CFAR(Constant False Alarm Rate)処理、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.87-89(1996) MUSIC、ESPRIT、菊間、‘アダプティブアンテナ技術’、オーム社、pp.137-164(2003) ESPRIT、菊間、‘アレーアンテナによる適応信号処理’、科学技術出版、pp.211-220(1999) 位相によるパターン成形、Robert C. Voges, ‘Phase Optimization of Antenna Array Gain with Constrained Amplitude Excitation’, IEEE Trans. Antennas & Propagation, AP-20, No.4, pp.432-436(1972)
以上述べたように、送受信ビームにペンシルビームを多用するレーダ装置あっては、観測時間の増加または観測範囲の限定を招くことがあった。また、アンテナ設置スペースの制約により、異なるアンテナを同じ開口に配置して、ダイバーシティ効果を得ることは、構成上困難であった。
本実施形態は上記課題に鑑みなされたもので、送受信ビームにペンシルビームを使用して観測範囲を走査する場合でも、観測時間の増加または観測範囲の限定を招くことなく、また、アンテナ設置スペースに制約があっても、異なるアンテナを同じ開口に配置して、ダイバーシティ効果を得ることのできるレーダ装置とそのレーダ信号処理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本実施形態は、第1の軸の一次元に配列したN(Nは2以上)段の送信アンテナを備える送信レーダと、前記第1の軸と異なる第2の軸の一次元に配列したM(Mは2以上)列の受信アンテナを備える受信レーダとを具備する。前記送信レーダは、レーダ割当帯域の全周波数帯域内で変調した信号をN個の周波数帯に分割し、アンテナ開口面をN個に分割したサブアレイ(素子数≧1)に対応させて変調した信号を送信し、前記受信レーダは、前記送信アンテナの開口面をM個(1以上)のサブアレイ(素子数≧1)に分割し、前記サブアレイ毎に、送信のN通りの周波数帯域に応じて受信信号を分割し、分割したN個の周波数帯の信号毎にMチャンネル分のビーム合成をした後、それぞれ同一の周波数帯に変換して、各周波数帯に対応する変調信号により圧縮処理し、Nチャンネル分のビーム合成をしたEL面Nbel本×AZ面Nbaz本のMIMO(Multiple Input Multiple Output)ビーム出力を得て、各ビーム出力から目標が存在する範囲を選定する第1の処理を備え、前記第1の処理で選定された範囲に向けてSIMO(Single Input Multiple Output )ビームを形成して、前記SIMOビームの受信出力から目標を観測出力する。
第1の実施形態に係るレーダ装置の送信レーダの構成を示すブロック図。 第1の実施形態に係るレーダ装置の受信レーダの構成を示すブロック図。 図1Bに示す受信レーダのMIMO処理部の構成を示すブロック図。 図1Bに示す受信レーダのSIMO処理部の構成を示すブロック図。 図1Bに示す受信レーダの処理の流れを示すフローチャート。 第1の実施形態に係るレーダ装置の送信及び受信のアンテナ座標系を示す図。 第1の実施形態に係るレーダ装置の送信アンテナと受信アンテナの配置例を示す図。 第1の実施形態に係るレーダ装置の周波数分割による送信信号の生成手法と送信ビームの変調の様子を示す図。 第1の実施形態に係るレーダ装置のSIMOビームとMIMOビ−ムの形成手法の概要を示す図。 第1の実施形態に係るレーダ装置において、角度分解能を高めるための周波数抽出処理を示す図。 図9に示す周波数抽出処理時のDBF処理及びPC処理の概念を示す図。 第2の実施形態に係るレーダ装置の受信レーダの構成を示すブロック図。 図11に示す受信レーダの処理の流れを示すフローチャート。 第2の実施形態に係るレーダ装置において、MUSIC処理を含む全体の処理を説明するための概念図。 第2の実施形態に係るレーダ装置において、レンジ高分解能処理部の具体的な構成を示すブロック図。 図14に示すレンジ高分解能処理部の処理の流れを示すフローチャート。 図14に示すレンジ高分解能処理部において、基準ビームとスクイトビームの関係に基づく角度−誤差電圧特性を示す図。 第3の実施形態に係るレーダ装置の実施例1の受信レーダの構成を示すブロック図。 第3の実施形態に係るレーダ装置のMIMO処理1の処理内容を示す図。 第3の実施形態に係るレーダ装置のMIMO処理2の処理内容を示す図。 第3の実施形態に係るレーダ装置の実施例2の受信レーダの構成を示すブロック図。 図20に示す受信レーダの処理の流れを示すフローチャート。 図20に示す受信レーダの処理の概要を示す図。 第4の実施形態に係るレーダ装置の受信レーダの構成を示すブロック図。 図23に示す受信レーダの処理の流れを示すフローチャート。 図23に示す受信レーダの処理の概要を示す図。 第5の実施形態に係るレーダ装置の配列方式の一例を示す図。 第5の実施形態に係るレーダ装置のアンテナ配列方式の他の一例を示す図。 第1乃至第4の実施形態の場合のアンテナ配列方式の一例を示す図。 第1乃至第4の実施形態の場合のアンテナ配列方式の一例を示す図。 第5の実施形態でのアンテナ配列方式の一例を示す図。 第5の実施形態でのアンテナ配列方式の一例を示す図。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各実施形態の説明において、同一部分には同一符号を付して示し、重複する説明を省略する。
(第1の実施形態)(MIMO−SIMOによるレンジ−角度高分解能)
図1A、図1B、図2乃至図10を参照して第1の実施形態に係るレーダ装置を説明する。このレーダ装置は、送信機能のみを搭載する送信レーダ1及び受信機能のみを搭載する受信レーダ2が互いに連携するシステム構成とする。ここでは、送信変調信号を周波数帯で分割して生成する周波数分割方式FDMM(Frequency Division MIMO)を用いた場合について説明する。
図1A、図1B、図2及び図3は、それぞれ第1の実施形態に係るレーダ装置のシステム構成を示すもので、図1Aは送信レーダ1の構成、図1Bは受信レーダ2の構成、図2は受信レーダ2のMIMO処理部の構成、図3は受信レーダ2のSIMO処理部の構成を示している。
図1Aに示す送信レーダ1において、参照信号発生部11は、所定の周波数帯域の全域を用いた参照信号(チャープ、符号化コード等)を発生する。この参照信号はN(N≧2)系統に分配され、レンジ軸FFT処理部121〜12Nに送られる。各系統では、レンジ軸FFT処理部121〜12Nで参照信号をレンジ軸に沿ってFFT処理して周波数軸の信号に変換し、周波数フィルタ131〜13Nで互いに異なるN系統の周波数帯に分割し、レンジ軸逆FFT処理部141〜14Nでレンジ軸に沿って逆FFT処理することで時間軸の信号に変換する。次に、RF信号変調部151〜15Nで時間軸に戻された参照信号によってRF(パルス)信号を変調し、移相器161〜16Nで変調されたRF信号に対して所定の移相量を与え、増幅器171〜17Nで電力増幅して、アンテナ181〜18Nから送信する。ここで、ビーム制御部19を通じて上記移相器161〜16Nに送信ビームの指向方向に対する移相量を与えることで、任意の方向に送信ビームを指向させる。
一方、図1Bに示す受信レーダ2では、アンテナ素子211〜21Mにおいて目標から反射した信号を受信すると、各系統(1〜Mch)の受信信号をそれぞれ増幅器221〜22Mで低雑音増幅し、送信波形と同様のローカル信号により周波数変換器23でベースバンドに周波数変換し、AD変換器24によりディジタル信号に変換する。そして、各系統の受信信号をレンジ軸FFT処理部251〜25Mに振り分け、レンジ軸についてFFT処理することで周波数軸の信号に変換してMIMO処理部26に送る。
MIMO処理部26では、図2に示すように、周波数抽出部A11〜A1N,…,AM1〜AMNでそれぞれN個の送信信号に対応した周波数帯を抽出した後に同じ周波数帯に変換し、全部でN×MchのMIMO信号に変換する。この際、抽出した周波数帯を、N分割のうちいずれか1つの同じ帯域に変換する。これによれば、MIMO合成後の出力の周波数帯域が狭くなり、レンジ分解能は低下するが、MIMO素子位置の広がりが最大(全MIMO素子を使用)になるため、角度分解能が向上する。
続いて、MIMOΣ&Δウェイト設定部(Mch)B1〜BNにおいて、それぞれMチャンネルのMIMO信号にΣビーム及びΔビーム形成のための複素ウェイトを設定し、MIMOΣ&Δビーム形成部(Mch合成)C1〜CNにおいて設定ウェイトに基づくモノパルス測角(非特許文献2参照)用のΣビーム及びΔビームを形成する。ここで、複数ヒットによるPRI(パルス繰り返し周期:Pulse Repetition Interval)信号を送受信する場合は、Σビームの出力をPRI−FFT処理部D1〜DNにてドップラー周波数軸の信号に変換する。
一方、参照信号発生部E1〜ENで発生される参照信号をレンジ軸FFT処理部F1〜FNで周波数軸に変換した信号と乗算部G1〜GNで乗算することで相関処理し、レンジ軸逆FFT処理部H1〜HNにより時間軸の信号に変換する。この処理はパルス圧縮処理(非特許文献4参照)と同様である。次に、DBF処理部IにおいてNch分のDBF処理を行い、図1Bに示すCFAR処理部27においてCFAR処理(非特許文献5参照)を施して、所定のスレショルドにより目標を検出する。同様の処理をΔ系にも実行し、Δ系セルのうちΣ系で検出したセルを抽出し、測角部28においてΣとΔ信号により測角し、検出セルの時間から算出した距離と合わせて、目標の距離と角度を出力する。
ここで、上記測角部28で得られたMIMO信号に基づくレンジ及び角度の情報は、ビーム方向抽出部29に送られる。このビーム方向抽出部29は、入力情報から送信ビームを目標に向けるための指向方向を抽出し、送信レーダ1のビーム制御部19に指示を送る。
また、上記レンジ軸FFT処理部251で得られたNチャンネルの周波数信号は、SIMO処理部31にも供給される。このSIMO処理部31では、図3に示すように、周波数抽出部J1〜JNでそれぞれN個の送信信号に対応した周波数帯を抽出し、全部でMchのSIMO信号に変換する。続いて、Σ&Δウェイト設定部(Mch)Kにおいて、MチャンネルのSIMO信号にΣビーム及びΔビーム形成のための複素ウェイトを設定し、Σ&Δビーム形成部(Mch合成)Lにおいて設定ウェイトに基づくモノパルス測角(非特許文献2参照)用のΣビーム及びΔビームを形成する。ここで、複数ヒットによるPRI(パルス繰り返し周期:Pulse Repetition Interval)信号を送受信する場合は、Σビームの出力をPRI軸FFT処理部Mにてドップラー周波数軸の信号に変換する。
一方、参照信号発生部Nで発生される参照信号をレンジ軸FFT処理部Oで周波数軸に変換した信号と乗算部Pで乗算することで相関処理し、レンジ軸逆FFT処理部Qにより時間軸の信号に変換する。この処理はパルス圧縮処理(非特許文献4参照)と同様である。次に、図1Bに示すCFAR処理部32においてCFAR処理(非特許文献5参照)を施して、所定のスレショルドにより目標を検出する。同様の処理をΔ系にも実行し、Δ系セルのうちΣ系で検出したセルを抽出し、測角部33においてΣとΔ信号により測角し、検出セルの時間から算出した距離と合わせて、目標の距離と角度をレンジ−角度軸相関処理部30に出力する。レンジ−角度軸相関処理部30では、上記MIMO処理によって求められた距離と角度の情報とSIMO処理によって求められた距離と角度の情報について互いに相関をとって目標位置における距離及び角度を高精度に算出する。
上記構成によるレーダ装置では、図4に示すフローチャートに従って処理を行う。まず、MIMO処理用にレーダビームの送受信を行い(ステップS11)、その受信信号についてMIMO処理を行い(ステップS12)、ビームpos(Position Orientation System:位置指向処理)が終了か判断し(ステップS13)、終了していなければ(NO)、ビームposを変化させて(ステップS14)、ステップS11のMIMO処理を実行し、終了していれば(YES)、目標検出範囲を選定して(ステップS15)、SIMO処理に移行する。
SIMO処理では、まずSIMO処理用にレーダビームの送受信を行い(ステップS16)、その受信信号についてSIMO処理を行い(ステップS17)、ビームpos(Position Orientation System:位置指向処理)が終了か判断し(ステップS18)、終了していなければ(NO)ビームposを変化させて(ステップS19)、ステップS17のMIMO処理を実行し、終了していれば(YES)相関処理(処理1、SIMO)を実行して目標の距離及び角度を算出し(ステップS20)、次の周期の処理に移行する。
図5に本実施形態における送信及び受信のアンテナ座標系を示す。このアンテナ座標系では、送信レーダ(RDR1)のアンテナ素子位置ベクトルが(x2n,y2n,z2n)で表され、受信レーダ(RDR2)のアンテナ素子位置ベクトルが(x1n,y1n,z1n)で表され、観測ベクトルR2がK=(cosEL・cosAZ,cosEL・sinAZ,sinEL)で表される。
図6に送信アンテナ(N段)と受信アンテナ(M列)の配置例を示す。各々のアンテナは複数素子を合成したサブアレイでもよい。このような配置例によれば、MIMO処理を行うと、図6に示すように仮想的にN×M素子による送受信アレイを形成できる。そこで、この仮想アレイのディジタル信号による複素信号の重み付け演算により、MIMO送受信ビームを形成することができる。
図7に、周波数分割による送信信号の生成手法と送信ビームの変調の様子を示す。送信ch間の分離は、全帯域チャープ信号を送信チャンネル数のNで分割することにより、高い分離度を得る。
図7(a)は参照信号発生部11で発生される全帯域チャープで変調されたパルス波形の参照信号を示している。この参照信号を入力したレンジ軸FFT処理部121〜12Nでは、参照信号をレンジ軸に沿ってFFT処理し、これによって図7(b)に示すように周波数領域のチャープ帯域内にN系統の周波数バンクが形成された送信信号を得る。周波数フィルタ131〜13Nでは、送信信号の全周波数帯域における個々の周波数バンクΔBnを取り出すために、図7(c)に示すように隣接バンクの利得を低下させ、図7(d)に示すように予め割り当てられた周波数バンクΔBnを選定する。レンジ軸逆FFT処理部141〜14Nでは、それぞれ対応する周波数フィルタ131〜13Nで抽出された周波数帯域の送信信号を逆FFT処理する。これにより、図7(e)に示すように特定の周波数チャープにより変調されたパルス波形の送信信号が得られる。
図8(a),(b)は、それぞれSIMOビームとMIMOビ−ムの形成手法の概要を示す。例えば図8(a)の場合のSIMOビームでは、AZ面ファンビームの送信ビームをEL軸で順次走査しながら、EL面ファンビ−ムでAZ面にマルチビームを形成し、クロスする方向にペンシルビーム(送信ペンシルビーム×受信ペンシルビーム)相当を形成する。この場合、EL面では、ポジション数P分の時間を要する。一方、図8(b)の場合のMIMOビームでは、N×Mの送受信素子を任意に制御可能とし、N×Mの仮想面アレイによってペンシルビームによる送受信マルチビームを形成できるため、1回の送受信により、AZ面及びEL面の全空間に送受信ペンシルビームを形成することができる。この場合、SIMOに比べて1/Pの捜索時間で済む長所がある。
以上、本実施形態のMIMO処理について述べたが、ここで定式化を行う。MIMO処理では、送信において、サブアレイ毎(素子数1以上、サブアレイ数N)に異なる変調信号で変調して送信し、受信ではサブアレイ毎(サブアレイ数M)に受信した信号を周波数変換後にAD変換し、N通りの変調信号で復調してN×Mの信号を得る。本実施形態では、変調信号として全帯域のチャープ信号等とし、それを周波数分割してNchの信号を得ており、Nchの変調信号を得ることについては同じである。
以下にMIMOビーム形成手法について定式化する(非特許文献1参照)。送信アンテナと受信アンテナの複素ウェイトをそれぞれA,Bと表すと次式となる。
Figure 2017032531
Figure 2017032531
これより、各要素は次式となる。
Figure 2017032531
次に、各送受信素子信号を行列の要素で表現すると、次式となる。
Figure 2017032531
送受信ビーム出力は、(4)式の要素にサイドローブ低減用のウェイトと、サイドローブ低減用のテーラーウェイト(非特許文献3参照)等を乗算後に加算することとなり、次式となる。
Figure 2017032531
MIMOビームでは、M×Nの全チャンネルを用いて、角度分解能の高いビーム形成を行う。そこで、本実施形態では、周波数帯域により送信Nchの分離度を高めており、MIMO素子全体の開口合成を行い、開口長の逆数に比例する角度分解能を高めるためには、周波数抽出部A11〜AMNにおいて、図9の処理1に示すように、送信チャンネル毎にパルス圧縮し、受信帯域をNchのうち1chのみの同一周波数に変換して合成する必要がある。この場合は、角度分解能は高いが、周波数帯域がNchのうち1ch分になるため、周波数帯域の逆数に比例するレンジ分解能は低下する。この場合のDBF処理及びPC(phase Control:位相制御)処理の概念を図10に示す。
この対策として、本実施形態では、MIMOビームにより、目標が存在する範囲を選定し、その選定した方向にSIMOビームを向けるものである。SIMOビームでは、MIMOビームのように、送信素子を分離するために周波数帯域を分割する処理が不要である。このため、全周波数帯域を使ったレンジ分解能の高いビームを形成することができる。ただし、MIMOビームのように、送受信の仮想アレイではなく、受信のマルチビームのみであるため、自由度が低い。しかしながら、MIMOビームで目標存在方向を限定できれば、その方向のみにビーム形成すればよいので、両者の特性を生かした効率的な運用ができる。
この場合の処理は、図4に示したように、MIMOビームによる処理(処理1)とSIMOビームによる処理結果により、目標の振幅、距離、角度、速度等を出力し、それぞれの諸元が似通った値(例えば、両者の差分が所定のスレショルド以下)であれば、同一の目標として、振幅による重み付け平均等の値を算出する相関処理(レンジ−角度軸相関処理部30)を行い、目標諸元を出力する。
以上のように、本実施形態によれば、MIMO送受信ビームにより短時間に捜索範囲を選定し、選定した捜索範囲にSIMO送受信ビームを向けることで、レンジ−角度軸で分解能を高くして目標の出力を得ることができ、捜索時間を短縮化することができる。また、小目標の場合には、MIMOビームによる捜索時間の余裕分を使って積分ヒット数を多くし、その積み上げによりSNを向上させて目標を観測することもできる。
(第2の実施形態)(MIMO−MUSICによるレンジ−角度高分解能))
第1の実施形態では、受信レーダ2において、SIMOビームによりレンジ−角度軸の高分解能化を図る手法について述べた。本実施形態では、受信レーダ2において、検出した目標範囲についてレンジ軸の高分解能化を図る手法について、図11に示す受信レーダの系統と図12に示す処理フローに沿って説明する。尚、レンジ軸高分解能化を図る手法としては、MUSIC(Multiple Signal Classification)処理(非特許文献6参照)やESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotation Invariance Techniques)処理(非特許文献7参照)が利用されるが、ここでは、一例としてMUSIC処理の場合について述べる。本実施形態において、送信レーダ1の構成は第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を割愛する。また、図11において、図1Bと同一部分には同一符号を付して示し、図12において、図4と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
図11において、CFAR処理部27によってMIMO送受信ビームにおけるΣビームからスレショルドを超える信号の極大値が抽出されると、Σ&Δ抽出部34はΣビームにより検出されるレンジセルの周囲のセルとの和(Σ)と差(Δ)を抽出する。レンジ高分解能処理部35は、図12に示すように、ステップS15でMIMO処理によって目標検出範囲が選定された後、レンジ軸についてΣ、Δの抽出結果からレンジ軸の高分解能を実現する素子を定めてMUSIC処理を実行した後(ステップS21)、ビームposが終了か判断し(ステップS22)、終了していなければ(NO)ビームposを変化させて(ステップS23)、ステップS21のMUSIC処理を実行し、終了していれば(YES)、相関処理(処理1、MUSIC)を実行して目標の距離及び角度を算出し(ステップS24)、次の周期の処理に移行する。
本実施形態において、以下に、入力信号からの処理の流れを定式化する。まず、入力信号sig(t)をFFT処理することによって周波数軸ωの信号に変換する。
Figure 2017032531
一方、参照信号(線形チャープ信号の場合)を表現すると、次式となる。
Figure 2017032531
この参照信号としては、非線形チャープ信号、符号変調等、他の変調方式でもよい(非特許文献1、2参照)。この参照信号Sref(t)のサンプル長を、入力信号に合わせて0埋めした信号に置き換える。
Figure 2017032531
これをFFT処理して参照信号の周波数軸の信号を得る。
Figure 2017032531
これにより、周波数領域での入力信号と参照信号の乗算後の信号は、次式となる。
Figure 2017032531
次に、パルス圧縮後のレンジサイドローブを低減するためのウェイトを算出する。ウェイトは、レンジサイドローブの設定に応じて、一様ウェイト、テイラーウェイト(非特許文献3参照)等を選定すればよい。
Figure 2017032531
次に、このSw(ω)(信号Xに対応、周波数軸)を用いて、MUSIC処理(非特許文献6参照)を実施する。レーダの送受信による複数の目標信号は、互いに相関をもつため、参照信号Swの相関行列Rxxの相関成分を抑圧する必要がある。そこで、参照信号Swの信号長のうち、順にNrセルずつ抽出し、そのたびに相関行列Rxxの算出を行う。
Figure 2017032531
次に、忘却係数を用いた平均処理を実施することにより相関行列Rxx(n,ω)を算出する。
Figure 2017032531
この相関行列Rxx(n,ω)を用いて、MUSICスペクトルを算出する。
Figure 2017032531
以上の処理の概要を図13に示す。すなわち、本実施形態に係るレーダ装置では、図13(a)に示すようにNパルスを送受信し、図13(b)に示すようにNパルスのPRI軸方向にFFT処理し、さらに図13(c)に示すようにパルス圧縮した後の信号を用いてCFAR処理によりP個の極値を持つ周波数バンクを選定し、図13(d)に示すように、各周波数バンクに対するレンジ軸の信号の中で、P個のレンジセルを中心に±Pr個のレンジに対応する信号をFFT処理して周波数領域に変換し、Nrポイントの信号を抽出して周波数軸の相関行列Rxxを生成し、それをMrセルずつスライディングさせて、図13(e)に示すように、忘却係数により加算平均したRxxを用いるMUSIC処理により、レンジ軸で目標を分離して検出する。このように、FFT処理によりSN(Signal to Noise ratio)を向上させ、CFAR処理によりバンクを抽出し、そのバンクのレンジ軸の信号の中で、レンジ範囲を選定し、レンジ軸の信号に対してFFT処理することで周波数軸の信号に変換し、この周波数軸の信号に対して、本実施形態のMUSIC手法を適用してスペクトルSmusicを算出する。
このスペクトルSmusicにおいて、例えばCFAR処理(非特許文献4参照)によりスレショルドを超える信号の極大値ωt を抽出し、次式の換算により目標レンジRtを算出する。
Figure 2017032531
次に、このMUSIC処理結果の測角手法について述べる。上記レンジ高分解能処理部35の具体的な構成を図14に、その処理フローを図15に示す。
図14において、Σ&Δ抽出部34にてΣビームにより検出されるレンジセルの周囲のセルとの和(Σ)と差(Δ)の信号を入力すると、Σch1・Σch2生成部351はΣ信号及びΔ信号から開口2分割の第1の信号Σch1と第2の信号Σch2を生成して、それぞれ第1の系統、第2の系統に出力する(図15:ステップS25)。
第1の系統では、Σ1 形成部352で基準ビームΣ1を形成して第1の信号Σch1からΣ1 信号を生成し(図15:ステップS26)、レンジ軸FFT処理部353でレンジ軸方向にFFT処理する(図15:ステップS27)。続いて、平均相関行列演算部354で周波数セルを移動させて平均相関行列Rxx を演算し(図15:ステップS28,S29)、移動終了後にMUSIC処理部355でMUSICアルゴリズムによるレンジ軸の高分解能処理を実行し(図15:ステップS30)、CFAR検出部356で極大検出処理を実行する(図15:ステップS31)。
第2の系統では、Σ2形成部357でスクイントビームΣ2 を形成して第2の信号Σch2からΣ2 信号を生成した後(図15:ステップS32)、第1の系統と同様に、レンジ軸FFT処理部358でレンジ軸方向にFFT処理する(図15:ステップS33)。続いて、平均相関行列演算部359で周波数セルを移動させて平均相関行列Rxx を演算し(図15:ステップS34,S35)、移動終了後にMUSIC処理部35AでMUSICアルゴリズムによるレンジ軸の高分解能処理を実行し(図15:ステップS36)、CFAR検出部35Bで極大検出処理を実行する(図15:ステップS37)。
上記第1の系統、第2の系統で得られた極大値検出結果はレンジ・測角算出部35Cに送られる。このレンジ・測角算出部35Cは、各系統で得られた極大値検出結果を比較して目標を検出し、その検出セルから距離及び測角値を算出する(図15:ステップS38)。
上記構成による処理の流れをさらに定式化して説明する。
まず、入力信号としては、図14において、MIMO送受信ビームにおけるΣビ−ムにより検出したレンジセルの周囲の抽出セルのΣとΔの出力である。これを用いて、次式により、基準ビームΣ1 とスクイントビームΣ2 を形成する。
Figure 2017032531
このΣ1 とΣ2 にそれぞれビーム指向方向を決める位相を設定すれば、異なる指向方向を持つb1ビームとb2ビームを形成できる。
Figure 2017032531
このb1ビームとb2ビームの信号を入力信号として(6)〜(14)式の手法で各々のMUSICスペクトルの極値により、レンジrを算出し、このrの値を用いて、次式により電力(b1, b2に対応してS1とS2)を算出する(非特許文献6参照)。
Figure 2017032531
この行列S(S1とS2)の第p番目の対角成分から、p番目の目標に対する受信電力(P1とP2)が得られ、この平方根により受信振幅(E1とE2)が得られる。これを用いて、次式により誤差電圧εを算出する(非特許文献2参照)。
Figure 2017032531
この誤差電圧εと角度については、図16(a)に示す基準ビームΣ1 とスクイトビームΣ2 の関係において、図16(b)に示すように、予め角度に対する誤差電圧εをテーブル化しておき、誤差電圧テーブルを作成しておく。(19)式により算出した誤差電圧εにより、テーブルを用いて角度θを算出する。MIMOビームによる処理(処理1)に対して、MUSIC処理結果によるレンジと測角結果を用いて、差分が小さい目標として相関のとれた目標をMUSIC処理結果に置き換えて、目標諸元を出力する。
以上のように、第2の実施形態によれば、MIMO送受信ビームによる角度分解能で目標を検出し、さらに、レンジ軸の高分解能処理を実行するようにしているので、捜索時間を短縮し、レンジ−角度軸の高分解能な処理ができる。
尚、3次元レーダの場合は、AZ面及びEL面に対して、それぞれ、上述の方式を用いればよい。また、本実施形態はMUSIC手法について述べたが、処理規模削減のために、既知の手法であるROOT−MUSICや、ESPRIT(非特許文献7参照)法等を用いてもよい。
(第3の実施形態)(角度+距離高分解能)
第1の実施形態では、MIMO送受信ビームにおいて、Nchの周波数を同じ帯域に変換することで、角度高分解能化を図る手法について述べた。第3の実施形態では、角度分解能は低いが、レンジ高分解能化を実現する手法について2つの実施例を示して述べる。
(実施例1)
第3の実施形態に係るレーダ装置において、図17に受信レーダの実施例1の系統図を示し、図18及び図19にそれぞれ処理1、処理2の処理内容を示す。送信レーダについては第1の実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。また、図17において、図1Bと同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省力する。
図17に示す受信レーダでは、MIMO処理部26として第1のMIMO処理部26Aと第2のMIMO処理部26Bを並列させている。第1のMIMO処理部26Aでは、第1の実施形態と同様に、第18(a)に示すように、N分割した周波数帯のうちいずれか1つの周波数帯に変換し、図18(b)に示すように周波数毎に合成した上でMIMO処理を実行する。また、第2のMIMO処理部26Bでは、第19(a)に示すように、N分割した周波数帯をそのまま保持し、図19(b)に示すようにそれぞれの周波数帯の信号を抽出して合成し、MIMO処理を実行する。このようにして第1、第2のMIMO処理部26A,26BのMIMO出力をそれぞれCFAR処理部27A、27Bで極大値を検出し、測角部28A,28BでΣ系及びΔ系それぞれの測角演算を行って、レンジ−角度軸相関処理部30で両者の相関をとって目標の距離及び角度を算出する。
このように、実施例1において、第1の実施形態と異なる点は、周波数抽出部26i(i=11〜MN)であり、第1の実施形態の周波数抽出部26iでは、N分割のうちいずれか1つの周波数帯域に変換したが、実施例1では、N分割した周波数帯をそのまま保持するように変換する。これにより、MIMO出力における周波数帯域が広くなるため、レンジ分解能が向上する。但し、MIMO素子位置の広がりが各変調信号に対してMch分のみの広がりになるため、角度分解能が低下することを考慮する必要がある。
(実施例2)
第3の実施形態に係るレーダ装置において、図20に受信レーダの実施例2の系統図を示し、図21にその処理フローを示す。送信レーダについては第1の実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。また、図20において、図1B及び図17と同一部分には同一符号を付して示し、図21において図4と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省力する。
図20に示す受信レーダでは、MIMO処理部26として第1のMIMO処理部26Aと第2のMIMO処理部26Bを並列させ、さらに第1の実施形態に示したSIMO処理部31を並列させている。実施例1と同様に、第1のMIMO処理部26Aでは、処理1によるMIMO処理としてMIMOビームを送受信し(図21のステップS11)、第22(a)に示すように、N分割した周波数帯のうちいずれか1つの周波数帯に変換し、周波数毎に合成した上でMIMO処理(処理1)を実行する(図21のステップS12)。また、第2のMIMO処理部26Bでは、図22(b)に示すように、N分割した周波数帯をそのまま保持し、それぞれの周波数帯の信号を抽出して合成し、MIMO処理(処理2)を実行する(図21のステップS40)。ここで、ビームposの終了を判断し(図21のステップS13)、ビームposが終了していない場合には(NO)、MIMOビームの方向を変化させる(図21のステップS14)。ステップS13でビームposが終了している時(YES)、第1、第2のMIMO処理部26A,26BのMIMO出力をそれぞれCFAR処理部27A,27Bで極大値を検出し、測角部28A,28BでΣ系及びΔ系それぞれの測角演算を行って、目標検出範囲を選定する(図21のステップS15)。
一方、SIMO処理部31では、第1の実施形態と同様に、第1のMIMO処理部26AのMIMO送受信ビームにより選定される目標が存在する範囲に向けてSIMO送受信ビームを形成し(図21のステップS16)、そのSIMO出力をCFAR処理部32で極大値検出し、測角部33でΣ系及びΔ系それぞれの測角演算を行う(図21のステップS17)。ここで、ビームposの終了を判断し(図21のステップS18)、ビームposが終了していない場合には(NO)、SIMOビームの方向を変化させる(図21のステップS19)。ステップS18でビームposが終了している時(YES)、レンジ−角度軸相関処理部30において、MIMOビームによる処理(処理1、処理2)とSIMOビームによる処理結果により、目標の振幅、距離、角度、速度等を出力し、それぞれの諸元が似通った値(例えば、両者の差分が所定のスレショルド以下)であれば、同一の目標として、振幅による重み付け平均等の値を算出する相関処理を行い、目標諸元を出力する(図21のステップS41)。
この様子を図22に示す。処理系統を、MIMO処理1(図22(a))による系統1とMIMO処理2(図22(b))による系統2の2系統とし、両者の出力結果のレンジ−角度軸で、所定のゲート幅内にある目標を同じ目標とする相関処理を行う。ここで、MIMOビーム合成参照信号との相関では、MIMO処理1の場合、図22(c)に示すようにレンジ分解能が低い特性となり、MIMO処理2の場合、図22(d)に示すように、レンジ分解能が高い特性となる。一方、SISO処理では、図22(e)に示すように角度−レンジ分解能が極めて高い。
MIMO処理1,2による検出目標を高角度分解能・高レンジ分解能で観測する。ここで、MIMO処理1,2のレンジ−角度軸相関を行った場合、図22(f)に示すようにレンジ−角度軸双方の分解能が向上する。また、SIMO処理を加えてレンジ−角度相関を行った場合、図22(g)に示すようにレンジ−角度軸双方の分解能が向上する。
具体的には、例えば、系統1のレンジ−角度軸の観測値の周囲に所定のゲート幅を設定し、系統2のレンジ−角度軸の観測値がそのゲート幅内にあれば、系統1の角度と系統2のレンジを目標出力とすれば、角度軸及びレンジ軸ともに精度の高い目標位置を得ることができる。また、系統1と系統2の観測値の結果を用いて相関処理し、精度の高い結果を得る手法であることが主旨であるので、系統2の観測値を中心に所定のゲートを設定する手法や、相関の際に振幅値を用いて、同等の振幅値の場合のみに相関処理をして誤相関を防ぐ等、他の相関処理手法でもよい。
このMIMO送受信ビームを用いた捜索により、目標検出角度範囲を抽出し、SIMOビ−ムをその方向に向けて、目標を高角度分解能及び高レンジ分解能で観測する。その検出した結果を用いて、MIMO送受信による検出結果を相関をとることで、より高角度分解能・精度、高レンジ分解能・精度で観測することができる。相関処理としては、レンジ−角度軸において、相関処理により、同じ目標である場合には、各目標信号のSNに応じて重み付けをしてレンジ−角度を出力すればよい。
以上のように、本実施形態によれば、MIMO処理1,2の送受信ビームにより、捜索範囲を選定後、選定した範囲にSIMOビームを向け、MIMOビームとSIMOビームの検出結果の相関処理により、捜索時間を短縮化し、角度−レンジ軸で高分解能な処理ができる。
(第4の実施形態)(角度+距離高分解能)
第2の実施形態では、角度高分解能のMIMOビームとレンジ高分解能処理(MUSIC等)を組み合わせて、レンジ−角度で高分解化する手法について述べた。本実施形態では、第3の実施形態のMIMOビームによるレンジ−角度高分解能処理とレンジ高分解能処理(MUSIC等)を用いて、レンジ−角度軸でさらに分解能及び精度を向上させる手法について、図23に示す受信レーダの系統と図24に示す処理フローに沿って説明する。尚、図23において、図1B、図9、図17と同一部分には同一符号を付して示し、図24において、図12及び図21と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
本実施形態の受信レーダ2は、MIMO処理部26として第1のMIMO処理部26Aと第2のMIMO処理部26Bを並列させている。第1のMIMO処理部26Aでは、処理1によるMIMO処理としてMIMOビームを送受信し(図24のステップS11)、第25(a)に示すように、N分割した周波数帯のうちいずれか1つの周波数帯に変換し、周波数毎に合成した上でMIMO処理(処理1)を実行する(図24のステップS12)。また、第2のMIMO処理部26Bでは、図25(b)に示すように、N分割した周波数帯をそのまま保持し、それぞれの周波数帯の信号を抽出して合成し、MIMO処理(処理2)を実行する(図24のステップS40)。ここで、ビームposの終了を判断し(図24のステップS13)、ビームposが終了していない場合には(NO)、MIMOビームの方向を変化させる(図24のステップS14)。ステップS13でビームposが終了している時(YES)、第1、第2のMIMO処理部26A,26BのMIMO出力をそれぞれCFAR処理部27A,27Bで極大値を検出し、測角部28A,28BでΣ系及びΔ系それぞれの測角演算を行って、目標検出範囲を選定する(図21のステップS15)。
レンジ高分解能処理部35は、ステップS15でMIMO処理によって目標検出範囲が選定された後、レンジ軸についてΣ、Δの抽出結果からレンジ軸の高分解能を実現する素子を定めてMUSIC処理を実行した後(ステップS21)、ビームposが終了か判断し(ステップS22)、終了していなければ(NO)ビームposを変化させて(ステップS23)、ステップS21のMUSIC処理を実行し、終了していれば(YES)、相関処理(処理1、処理2、MUSIC)を実行して目標の距離及び角度を算出し(ステップS42)、次の周期の処理に移行する。
この様子を図25に示す。処理系統を、MIMO処理1(図25(a))による系統1とMIMO処理2(図25(b))による系統2の2系統とし、両者の出力結果のレンジ−角度軸で、所定のゲート幅内にある目標を同じ目標とする相関処理を行う。ここで、MIMOビーム合成参照信号との相関では、MIMO処理1の場合、図25(c)に示すようにレンジ分解能が低い特性となり、MIMO処理2の場合、図25(d)に示すように、レンジ分解能が高い特性となる。一方、SISO処理では、図25(e)に示すように角度−レンジ分解能が極めて高い。
MIMO処理1,2による検出目標を高角度分解能・高レンジ分解能で観測する。ここで、MIMO処理1,2のレンジ−角度軸相関を行った場合、図25(f)に示すようにレンジ−角度軸双方の分解能が向上する。また、SIMO処理を加えてレンジ−角度相関を行った場合、図25(g)に示すようにレンジ−角度軸双方の分解能が向上する。
角度−レンジ高分解能化したMIMOビーム処理は第3の実施形態と同様であり、またMUSIC処理によるレンジ高分解能化と測角については、第1の実施形態と同様である。図22に示すように、2系統のMIMOビーム出力とMUSIC処理の多数の結果を用いた相関により、角度−レンジ軸でより高分解能/高精度な目標出力を得ることができる。
例えば、処理1と処理2のレンジ−角度相関結果と、MUSIC処理のレンジ−角度相関結果を用いて、レンジ高分解能処理部35で、レンジ、角度、振幅等による相関処理をして、相関がとれれば、処理1と処理2のレンジ、角度の結果をMUSIC処理結果のレンジ、角度に置き換えれば、高分解能なレンジ−角度を出力することができる。
以上のように、本実施形態によれば、MIMO送受信ビームにより、角度分解能に目標を検出し、さらに、レンジ軸高分解能処理をすることで、捜索時間を短縮し、角度−レンジ軸で高分解能な処理ができる。
(第5の実施形態)(角度+距離高分解能)
本実施形態では、送信装置及び受信装置からなるレーダ装置を1セットとして、偏波、周波数等を変えたPセットのレーダ装置を、同一アンテナ開口面に共用配列したレーダ装置について述べる。
配列方式としては、図26に示すようにN×M素子の送受信仮想アレイについて、種別1の送信N段、種別2の送信N段、種別1の受信M列、種別2の受信M列をL字型に配列する場合や、図27に示すように種別T1の送信N段、種別Tpの送信N段、種別Rpの受信M列、種別R1の受信M列をT字型に配列する場合等、限られたスペースを有効に活用できる配列であればよい。この配列は、直線である必要はなく、曲線に配列にしてもよい。
この配列により、第1乃至第4の実施形態の手法を適用すると、共用開口で複数の偏波や周波数帯を適用できるレーダ装置を提供することができ、コスト低減、低送信出力、低消費電力等の効果を得ることができる。また、共用開口においては、L字型やT字型等の配列で生じた空きスペースを利用して、受信専用等のアンテナや光波の光センサ等の他のセンサ等を配置することができる。
以上のように、第5の実施形態によれば、偏波や周波数の異なるレーダ装置を、スペースに制約のあるアンテナ開口面に共用して配置することができる。
(他の実施形態)
以上の第1乃至第4の実施形態及び第5の実施形態では、基本的な構成の場合について述べたが、他の構成に対する応用例として、アンテナ構成を追記しておく。
まず、第1乃至第4の実施形態の場合において、限定された捜索または追跡範囲において、送信出力、送信及び受信の利得の最大化を図るためには、アンテナ開口を有効に用いるために、図28に示すように、送受共用開口(各素子が送信及び受信の移相器を保有)とする場合が考えられる。この場合は、例えばL字型MIMO(送信縦、受信横)にするには、所定の観測範囲を覆うように、N段の送信移相器それぞれの位相制御によるパターン成形(非特許文献8参照)を行うか、列数を制御して、各段毎の送信ビームを形成する。受信は、M列の各列の受信移相器の位相制御によるパターン成形を行うか、位相制御せずに段数を制御して、各列毎の受信ビームを形成する。このN段送信ビームとM列受信ビームを用いて、MIMO送受信により捜索し、目標存在方向を抽出する。その方向に向けて、N段×M列の全開口または、必要に応じて部分開口を用いて、SIMOビームを形成すればよい。
図28は、アンテナ全開口を活用する場合であるが、捜索及び追跡のシステム利得により、部分開口でも満足する場合がある。この実施例として、図29の構成が考えられる。この場合は、図28の場合において、送信の各段及び受信の各列の素子数が少ない場合に相当し、MIMOビーム及びSIMOビームの形成方式は同様である。
次に、第5の実施形態のように、複数の周波数帯や複数の偏波共用の場合の例について述べる。図30は、送信出力や利得を極力大きくするために、送信部分の開口を大きくする場合の例である。この場合も送信の各段毎に位相成形や列数制御を行って、所定の範囲に捜索用の送信ビームを形成して、MIMOビームにより捜索し、目標存在方向を抽出して、送信の全体開口を用いて追尾ビームを形成することにより、システム利得の高い追尾ビームを形成することができる。これを、例えばF1帯とF2帯の周波数帯について行うこととにより、周波数ダイバーシティ効果を得ることができる。
また、第5の実施形態の応用構成として、図31に示すように、周波数帯F1のL字型MIMO構成と、周波数F2帯のSIMO構成を配置する方式がある。この場合も捜索はMIMOビームを形成し、限定した範囲に、F1帯やF2帯のSIMOビームを形成して、周波数ダイバーシティ効果を得ることができる。
さらに、図30と図31では、複数の周波数帯の送信及び受信モジュールは別素子の場合において示しているが、アンテナ開口を有効に使うために、複数の周波数帯が同じ開口を共用する場合にも同様の手法が適用できる。
また、第1乃至第5の実施形態のSIMOビームには、SISO(Single Input Single Output)ビームが含まれ、SISOビームが必ずしもDBF構成ではなく、アナログビーム合成でもよい。
上述したように本実施形態のレーダ装置は、広範囲の目標を捜索時間を短縮するか、または限定した捜索時間の中で積分して高いSNで観測し、高精度/高分解能に観測し、スペースの制約のあるアンテナ開口面に偏波や周波数の異なるアンテナを実装することができる。
その他、本実施形態は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…送信レーダ、11…参照信号発生部、121〜12N…レンジ軸FFT処理部、131〜13N…周波数フィルタ、141〜14N…レンジ軸逆FFT処理部、151〜15N…RF信号変調部、161〜16N…移相器、171〜17N…増幅器、181〜18N…アンテナ、19…ビーム制御部、
2…受信レーダ、211〜21M…アンテナ素子、221〜22M…増幅器、23…周波数変換器、24…AD変換器、251〜25M…レンジ軸FFT処理部、
26,26A,26B…MIMO処理部、A11〜A1N,…,AM1〜AMN…周波数抽出部、B1〜BN…MIMOΣ&Δウェイト設定部(Mch)、C1〜CN…MIMOΣ&Δビーム形成部(Mch合成)、D1〜DN…PRI−FFT処理部、E1〜EN…参照信号発生部、F1〜FN…レンジ軸FFT処理部、G1〜GN…乗算部、H1〜HN…レンジ軸逆FFT処理部、I…DBF処理部、
27,27A,27B…CFAR処理部、28,28A,28B…測角部、29…ビーム方向抽出部、30…レンジ−角度軸相関処理部、
31…SIMO処理部、J1〜JN…周波数抽出部、K…Σ&Δウェイト設定部(Mch)、L…Σ&Δビーム形成部(Mch合成)、M…PRI軸FFT処理部、N…参照信号発生部、O…レンジ軸FFT処理部、P…乗算部、Q…レンジ軸逆FFT処理部、
32…CFAR処理部、33…測角部、34…Σ&Δ抽出部、35…レンジ高分解能処理部、351…Σch1・Σch2生成部、352…Σ1 形成部、353…レンジ軸FFT処理部、354…平均相関行列演算部、355…MUSIC処理部、356…CFAR検出部、357…Σ2形成部、358…レンジ軸FFT処理部、359…平均相関行列演算部、35A…MUSIC処理部、35B…CFAR検出部、35C…レンジ・測角算出部。

Claims (6)

  1. 第1の軸の一次元に配列したN(Nは2以上)段の送信アンテナを備える送信レーダと、前記第1の軸と異なる第2の軸の一次元に配列したM(Mは2以上)列の受信アンテナを備える受信レーダとを具備し、
    前記送信レーダは、レーダ割当帯域の全周波数帯域内で変調した信号をN個の周波数帯に分割し、アンテナ開口面をN個に分割したサブアレイ(素子数≧1)に対応させて変調した信号を送信し、
    前記受信レーダは、前記送信アンテナの開口面をM個(1以上)のサブアレイ(素子数≧1)に分割し、前記サブアレイ毎に、送信のN通りの周波数帯域に応じて受信信号を分割し、分割したN個の周波数帯の信号毎にMチャンネル分のビーム合成をした後、それぞれ同一の周波数帯に変換して、各周波数帯に対応する変調信号により圧縮処理し、Nチャンネル分のビーム合成をしたEL面Nbel本×AZ面Nbaz本のMIMO(Multiple Input Multiple Output)ビーム出力を得て、各ビーム出力から目標が存在する範囲を選定する第1の処理を備え、前記第1の処理で選定された範囲に向けてSIMO(Single Input Multiple Output )ビームを形成して、前記SIMOビームの受信出力から目標を観測出力するレーダ装置。
  2. 第1の軸の一次元に配列したN(Nは2以上)段の送信アンテナを備える送信レーダと、前記第1の軸と異なる第2の軸の一次元に配列したM(Mは2以上)列の受信アンテナを備える受信レーダとを具備し、
    前記送信レーダは、レーダ割当帯域の全周波数帯域内で変調した信号をN個の周波数帯に分割し、アンテナ開口面をN個に分割したサブアレイ(素子数≧1)に対応させて変調した信号を送信し、
    前記受信レーダは、前記送信アンテナの開口面をM個(1以上)のサブアレイ(素子数≧1)に分割し、前記サブアレイ毎に、送信のN通りの周波数帯域に応じて受信信号を分割し、分割したN個の周波数帯の信号毎にMチャンネル分のビーム合成をした後、それぞれ同一の周波数帯に変換して、各周波数帯に対応する変調信号により圧縮処理し、Nチャンネル分のビーム合成をしたEL面Nbel本×AZ面Nbaz本のMIMO(Multiple Input Multiple Output)ビーム出力を得て、各ビーム出力から目標が存在する範囲を選定する第1の処理を備え、前記第1の処理により選定された範囲についてレンジ軸に対する高分解能処理を施して目標を観測出力するレーダ装置。
  3. 第1の軸の一次元に配列したN(Nは2以上)段の送信アンテナを備える送信レーダと、前記第1の軸と異なる第2の軸の一次元に配列したM(Mは2以上)列の受信アンテナを備える受信レーダとを具備し、
    前記送信レーダは、レーダ割当帯域の全周波数帯域内で変調した信号をN個の周波数帯に分割し、アンテナ開口面をN個に分割したサブアレイ(素子数≧1)に対応させて変調した信号を送信し、
    前記受信レーダは、
    前記送信アンテナの開口面をM個(1以上)のサブアレイ(素子数≧1)に分割し、前記サブアレイ毎に、送信のN通りの周波数帯域に応じて受信信号を分割し、分割したN個の周波数帯の信号毎にMチャンネル分のビーム合成をした後、それぞれ同一の周波数帯に変換して、各周波数帯に対応する変調信号により圧縮処理し、Nチャンネル分のビーム合成をしたEL面Nbel本×AZ面Nbaz本のMIMO(Multiple Input Multiple Output)ビーム出力を得て、各ビーム出力から目標の観測値を取得すると共に、前記目標が存在する範囲を選定する第1の処理と、
    前記送信アンテナの開口面をM個(1以上)のサブアレイ(素子数≧1)に分割し、前記サブアレイ毎に、送信のN通りの周波数帯域に応じて受信信号を分割し、分割したN個の周波数帯の信号毎にMチャンネル分のビーム合成をした後、それぞれ全周波数帯に周波数合成して、全周波数帯に対応する変調信号により圧縮処理してMIMOビーム出力を得て、各ビーム出力から目標の観測値を取得する第2の処理と、
    前記第1及び第2の処理それぞれの観測値による相関処理により、角度−レンジ軸における高分解能出力を取得し、前記第1の処理で選定された範囲に向けてSIMO(Single Input Multiple Output )ビームを形成して、前記SIMOビームの受信出力から目標を観測出力して前記高分解能出力と相関処理して前記目標のレンジ及び角度を演算出力するレーダ装置。
  4. 第1の軸の一次元に配列したN(Nは2以上)段の送信アンテナを備える送信レーダと、前記第1の軸と異なる第2の軸の一次元に配列したM(Mは2以上)列の受信アンテナを備える受信レーダとを具備し、
    前記送信レーダは、レーダ割当帯域の全周波数帯域内で変調した信号をN個の周波数帯に分割し、アンテナ開口面をN個に分割したサブアレイ(素子数≧1)に対応させて変調した信号を送信し、
    前記受信レーダは、
    前記送信アンテナの開口面をM個(1以上)のサブアレイ(素子数≧1)に分割し、前記サブアレイ毎に、送信のN通りの周波数帯域に応じて受信信号を分割し、分割したN個の周波数帯の信号毎にMチャンネル分のビーム合成をした後、それぞれ同一の周波数帯に変換して、各周波数帯に対応する変調信号により圧縮処理し、Nチャンネル分のビーム合成をしたEL面Nbel本×AZ面Nbaz本のMIMO(Multiple Input Multiple Output)ビーム出力を得て、各ビーム出力から目標の観測値を取得すると共に、前記目標が存在する範囲を選定する第1の処理と、
    前記送信アンテナの開口面をM個(1以上)のサブアレイ(素子数≧1)に分割し、前記サブアレイ毎に、送信のN通りの周波数帯域に応じて受信信号を分割し、分割したN個の周波数帯の信号毎にMチャンネル分のビーム合成をした後、それぞれ全周波数帯に周波数合成して、全周波数帯に対応する変調信号により圧縮処理してMIMOビーム出力を得て、各ビーム出力から目標の観測値を取得する第2の処理と、
    前記第1及び第2の処理それぞれの観測値による相関処理により、角度−レンジ軸における高分解能出力を取得し、さらにレンジ軸に対する高分解能処理を施して目標を観測出力するレーダ装置。
  5. 請求項1乃至請求項4いずれか記載のレーダ装置であり、送受信パラメータの異なる複数セットのレーダ装置について同一アンテナ開口面に共用配列した共用アンテナ装置に接続されるレーダ装置。
  6. 第1の軸の一次元に配列したN(Nは2以上)段の送信アンテナを備える送信レーダと、前記第1の軸と異なる第2の軸の一次元に配列したM(Mは2以上)列の受信アンテナを備える受信レーダとを具備するレーダ装置に用いられ、
    前記送信レーダ側は、レーダ割当帯域の全周波数帯域内で変調した信号をN個の周波数帯に分割し、アンテナ開口面をN個に分割したサブアレイ(素子数≧1)に対応させて変調した信号を送信し、
    前記受信レーダ側は、前記送信アンテナの開口面をM個(1以上)のサブアレイ(素子数≧1)に分割し、前記サブアレイ毎に、送信のN通りの周波数帯域に応じて受信信号を分割し、分割したN個の周波数帯の信号毎にMチャンネル分のビーム合成をした後、それぞれ同一の周波数帯に変換して、各周波数帯に対応する変調信号により圧縮処理し、Nチャンネル分のビーム合成をしたEL面Nbel本×AZ面Nbaz本のMIMO(Multiple Input Multiple Output)ビーム出力を得て、各ビーム出力から目標が存在する範囲を選定し、選定された範囲に向けてSIMO(Single Input Multiple Output )ビームを形成して、前記SIMOビームの受信出力から目標を観測出力するレーダ装置のレーダ信号処理方法。
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