JP2019152488A - アンテナ装置およびレーダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サイドローブ上昇を抑圧し規模縮小を図ったアンテナ装置を提供すること。【解決手段】 アンテナ装置は、N列のアンテナアレイと(ただしN≧2)、アンテナアレイの出力を受信する受信機と、受信機の出力をそれぞれディジタル変換するAD変換器と、プロセッサとを具備する。プロセッサは、実アレイビーム形成機能、仮想アレイビーム形成機能、および合成機能を備える。実アレイビーム形成機能は、{N−(M+1)}個のアンテナアレイからのディジタル変換された信号により実アレイビームをディジタル形成する(ただしN>M≧1)。仮想アレイビーム形成機能は、実アレイビームの形成に係わらないアンテナアレイからの信号により(2M+1)個の仮想アレイビームをディジタル形成する。合成機能は、実アレイビームと仮想アレイビームとをディジタル合成して、(N+M)個のアンテナアレイによるビームと等価なビームを形成する。【選択図】 図7

Description

本発明の実施形態は、アンテナ装置およびレーダ装置に関する。
フェーズドアレイアンテナは、多数の素子アンテナを有しており、受信増幅器(アンプ)や移送器なども含めると部品点数が非常に多くなる。そこで、素子アンテナを間引く(シンニング)ことで部品点数を削減し、コスト低減や装置規模の縮小などが図られてきた。シンニングの手法としては、素子アンテナをランダムに間引くランダムシンニングが一般的である。
吉田 孝 監修 「改訂レーダ技術」 電子情報通信学会、平成8年10月1日(初版)pp.87-89、pp.134-135、pp.260-264、pp.275-280、pp.289-291 菊間 信良 著 「アレーアンテナによる適応信号処理」 科学技術出版、pp.67-86(1999)
シンニングを施したアンテナは、シンニング無しのアンテナに比べて利得が低下しやすいが、それよりもサイドローブが上昇することの影響の方が大きく、対処を求められている。そもそも、ランダムシンニングは乱数を用いたカット&トライ計算に基づくので再現性に乏しく、設計手法としても脆弱である。ランダムシンニングとは一線を画すシンニング手法が求められている。
そこで、目的は、サイドローブ上昇を抑圧し規模縮小を図ったアンテナ装置およびレーダ装置を提供することにある。
実施形態によれば、アンテナ装置は、規則的に配列されるN列のアンテナアレイと(ただしN≧2)、アンテナアレイの各々の出力を受信処理する複数の受信機と、受信機の各々の出力をそれぞれディジタル変換する複数のアナログ/ディジタル変換器と、プロセッサとを具備する。プロセッサは、実アレイビーム形成機能、仮想アレイビーム形成機能、および合成機能を備える。実アレイビーム形成機能は、{N−(M+1)}個のアンテナアレイからのディジタル変換された信号により実アレイビームをディジタル形成する(ただしN>M≧1)。仮想アレイビーム形成機能は、実アレイビームの形成に係わるアンテナアレイ以外のアンテナアレイからのディジタル変換された信号により、(2M+1)個の仮想アレイビームをディジタル形成する。合成機能は、実アレイビームと仮想アレイビームとをディジタル合成して、(N+M)個のアンテナアレイによるビームと等価な合成ビームを形成する。
図1は、実施形態に係わるアンテナ装置の正面開口の一例を示す図である。 図2は、図1に示される部分開口Aを開口面から見た第1の例を示す模式図である。 図3は、シンニング後の部分開口Aを開口面から見た一例を示す模式図である。 図4は、第1の実施形態に係わるアンテナ装置を備えるレーダ装置の一例を示す系統図である。 図5は、二次元サブアレイ80における素子配置の一例を示す図である。 図6は、一次元サブアレイ10の系統の一例を示す図である。 図7は、第1の実施形態に係わるプロセッサ40の一例を示す機能ブロック図である。 図8は、Σ/Δ演算機能107の一例を示す機能ブロック図である。 図9は、図1に示される部分開口Aを開口面から見た第2の例を示す模式図である。 図10は、シンニング後の部分開口Aを開口面から見た第2の例を示す模式図である。 図11は、第2の実施形態に係わるアンテナ装置を備えるレーダ装置の一例を示す系統図である。 図12は、二次元サブアレイ80における素子配置の一例を示す図である。 図13は、二次元サブアレイ80の系統の一例を示す図である。 図14は、第2の実施形態に係わるプロセッサ40の一例を示す機能ブロック図である。 図15は、第3の実施形態に係わるアンテナ装置を備えるレーダ装置の一例を示す系統図である。 図16は、第3の実施形態に係わるプロセッサ40の一例を示す機能ブロック図である。
図1は、実施形態に係わるアンテナ装置の正面開口の一例を示す図である。以下の説明では、議論を簡単にするために、送受分離フェーズドアレイを想定する。すなわち、送信開口と受信開口とを分離した形態のフェーズドアレイアンテナが想定される。図1は、送信開口と、受信開口とを備えるアンテナ装置の一例を示す。受信開口は例えば4分割され、それぞれの部分開口に参照符号A,B,C,Dを示して示す。ビーム形状としては、例えば、送信ビームを横方向ファンビームとし、受信ビームを、横方向に複数本同時形成可能なペンシルビームとすることができる。
<1>第1の実施形態(一次元サブアレイのシンニング)
第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、一次元サブアレイ(直線アレイ)を用いた受信アンテナのシンニングについて説明する。
<1−1>原理的な説明
図2は、第1の実施形態における部分開口Aの一例を示す模式図である。部分開口B,C,Dも同様の構成とする。部分開口Aは、一定の方向(例えばアジマス(AZ)方向)に配列される複数の一次元サブアレイ(アンテナアレイ)を備える。各一次元サブアレイの長さ方向が、エレベーション(EL)方向に沿う形となる。つまり図2は、縦長の一次元サブアレイが横に並べて配列された状態を示す。もちろん、横長の一次元サブアレイを縦に並べて配列したアレイアンテナについても以下では同様の説明が成り立つ。
図2において、1次元サブアレイのそれぞれにインデックス#1、#2、#3、…、#N、…、#Lを付して区別する。第1の実施形態では、#1〜#Lの一次元サブアレイにより形成されるビームと等価なビームを、#1〜#Nの一次元サブアレイを用いて形成することを考える。つまりL列の一次元サブアレイからM列の一次元サブアレイをシンニングして、N列の一次元サブアレイにより、L列の一次元サブアレイと等価なビームを形成する。図2は「シンニング前」を示し、この状態からM列の一次元サブアレイをシンニングすると、「シンニング後」となる。
図3は、シンニング後の部分開口Aの一例を示す模式図である。シンニングによりN列の一次元サブアレイが残る。このうち左からの#1〜#N−(M+1)の一次元サブアレイで実アレイビームを形成する。一方、残りの#N−M〜#Nの一次元サブアレイで仮想アレイビームが形成される。つまり、シンニング範囲の側から(M+1)個の一次元サブアレイを使用して、仮想アレイ演算によるビーム形成を行う。仮想アレイ演算に際しては、右端の一次元サブアレイ(#N)を軸中心とし、さらにその右側に、あたかも#N+1、#N+2、…、#Lの一次元サブアレイが存在するような仮想アレイビームが計算される。ここで、実アレイビーム形成に係わる一次元サブアレイは互いに隣接し、同様に、仮想アレイビーム形成に係わる一次元サブアレイも互いに隣接する。
<1−2>一般化
一般的に説明すれば、以下のとおりである。
(1) シンニング前のアレイをL個(L≧3)の一次元サブアレイの配列からなるものとする。
(2) このL個(L≧3)の一次元サブアレイからM個(M≧1)の一次元サブアレイをシンニングして、N個(N≧2)の一次元サブアレイとする。
(3) N個(N≧2)の一次元サブアレイから(M+1)個(M≧1)の一次元サブアレイを分割して、N−(M+1)個のサブアレイ配列と、(M+1)個のサブアレイ配列とする。
(4) 分割したサブアレイ配列のうち、N−(M+1)個の一次元サブアレイから実アレイビームをディジタル形成する。また、(M+1)個の一次元サブアレイから仮想アレイビームをディジタル形成する。得られる仮想アレイビームの数は(M+1)+M=2M+1個となる。最後に、実アレイビームと仮想アレイビームとをディジタルビーム合成する。
(5) 以上により、L個の一次元サブアレイからM個の一次元サブアレイをシンニングし、シンニングの前後でビーム幅(分解能)およびサイドローブが等価な合成ビームを形成する。
(6) サブアレイ単位でシンニングすることで生じるグレーティングアレイは、仮想アレイの形成にかかるウェイト演算により抑圧することができる。従って、シンニング後のビーム幅(分解能)とサイドローブを、シンニング前と等価にすることが可能になる。
<1−3>構成
図4は、第1の実施形態に係わるアンテナ装置を備えるレーダ装置の一例を示す系統図である。レーダ装置は、アンテナ部と、走査制御器50と、送信機70と、これらを制御するプロセッサ40とを具備する。アンテナ部は、送信開口(図1)を形成する送信アレイ60と、部分開口A,B,C,Dを形成する受信アレイとを含む。なお図4では部分開口Aに関して示すが、部分開口B,C,Dも同様である。
プロセッサ40は、送信機70にレーダ波の送信指示を与える。これに応じて送信機70は、レーダ送信信号を送信アレイ60に出力する。走査制御器50は、送信アレイ60の各素子アンテナの移相器に、ビーム指向方向に対応する送信移相値を設定する。これにより、指向制御されたRF帯域のレーダ波が送信アレイ60から空間に放射される。レーダ波の反射エコーが受信開口に帰来すると、このエコーは一次元サブアレイにより捕捉される。
また、走査制御器50は、受信アレイの一次元サブアレイの各素子アンテナの移相器に、ビーム指向方向に対応する受信移相値を設定する。
部分開口Aは、複数の一次元サブアレイ10、受信機20、AD(アナログ/ディジタル)変換器30を備える。一次元サブアレイ10ごとに一つの受信機20が接続され、さらに、受信機20ごとに一つのAD変換器30が接続される。複数の一次元サブアレイ10は、実アレイビームを形成する一次元サブアレイ#1〜#N−(M+1)と、仮想アレイビーム演算に係わる一次元サブアレイ#N−M〜#Nとに分割される。受信機20およびAD変換器30にもこれに対応するインデックスを付して示す。
受信機20は、一次元サブアレイ10からの無線周波数帯(RF)信号をフィルタリングして不要波を除去し、局発信号とミキシングして中間周波数帯(IF)信号に変換する。AD変換器30は、IF信号をベースバンドにディジタル変換し、I,Q直交検波を行う。AD変換器30からのI,Q信号はプロセッサ40に入力され、信号処理(信号検出)およびビーム形成などの演算処理が実施される。
図5は、一次元サブアレイ10における素子配置の一例を示す図である。一次元サブアレイ10は、長さ方向に一次元状に配列される、複数の素子アンテナ11を備える。
図6は、一次元サブアレイ10の系統の一例を示す図である。素子アンテナ11で捕捉されたRF信号はアイソレータ12を介して増幅器13に入力され、低雑音増幅される。増幅されたRF信号は、移相器14を経てサブアレイ合成回路15に入力され、1系統に合成された出力が受信機20に出力される。
素子アンテナ11ごとの移相器14の移相量は、移相設定回路16により個別に制御される。その制御量は、走査制御器50から与えられる受信位相値に基づいて設定される。これにより、一次元サブアレイ10内でのビーム形成が制御される。
図7は、プロセッサ40の一例を示す機能ブロック図である。プロセッサ40は、第1の実施形態に係わる機能として、ビーム形成処理機能41、Σ/Δ演算機能107、検出処理機能108、および、追跡処理機能109を備える。ビーム形成処理機能41は、部分開口A〜D毎に受信ビームを形成する。Σ/Δ演算機能107は、目標の位置を測角する。検出処理機能108は、目標を検出する。追跡処理機能109は、目標を追跡する。検出処理機能108および追跡処理機能109の出力は、例えば表示器42に渡されて視覚的に表示される。
ビーム形成処理機能41は、MTI(Moving Target Indicator)処理機能101、PC(Pulse Compression)処理機能102、PD(Pulse Doppler)処理機能103、ビーム形成演算処理機能104、仮想アレイビーム形成演算処理機能105、および、ビーム合成処理機能106を備える。
MTI処理機能101は、一次元サブアレイ10からそれぞれ出力された各I,Q信号のクラッタ成分を抑圧する。クラッタ抑圧されたI,Q信号は、PC処理機能102によりパルス圧縮処理され、信号相関がとられる。その出力に、PD処理機能103によりFFT(Fast Fourier Transformation)処理が施され、ビーム形成演算処理機能104、または仮想アレイビーム形成演算処理機能105に入力される。#1〜#N−(M+1)の信号は実アレイビーム形成のためのビーム形成演算処理機能104に入力され、#N−M〜#Nの信号が、仮想アレイビーム形成のための仮想アレイビーム形成演算処理機能105に入力される。
なお、上記の各機能は、プロセッサ40により実行されるプログラムとして実現可能である。例えば、C言語で記述される関数(function)として、それぞれの機能を実装することができる。
図8は、Σ/Δ演算機能107の一例を示す機能ブロック図である。Σ/Δ演算機能107は、部分開口A,B,C,Dからのビーム合成出力(A,B,C,D)を取り込み、Σ/Δ演算に基づく目標測角処理を行う。これにより、例えばインターフェロメータ方式に基づいて全開口に対するΣビーム、ΔAZビーム、およびΔELビームが求められる。そして、Σビームを用いてCFAR等の信号検出処理で信号を検出し、そのときのΔAZ、ΔELから測角値を算出し、測距、測角値を基に追跡処理等を実施する。次に、上記構成における作用を説明する。
<1−4>作用
<1−4−1>ビーム形成演算処理機能104による実アレイビーム形成演算について
サブアレイ配列#1〜#N−(M+1)の信号を用いて実アレイビームを形成する処理について説明する。
アンテナ受信信号は、式(1)で示される。添え字Rは実アレイ(Real Array)であることを示す。
ここで、Sは時間軸の信号であり、式(2)で示される。
式(1)のAはステアリングベクトルと称され、素子アンテナの配列をλ/2配列とすると式(3)で表される。
ステアリングベクトルのθに指向角を代入し、ビーム指向方向を制御するための複素ウェイトとする。このとき、同時にP種類の指向方向(θ,θ・・・・,θ)を与えることで、P種類の方向への同時ビーム形成に対応する。さらに、サイドローブ低減用のテーラウェイト等を乗算する。
次に、式(4)の相関行列を計算する。
式(4)は、具体的には式(5)となる。
式(5)の枠で囲まれた部分を抽出して次式(6)が得られる。
二乗項である式(6)の平方根をとり、式(7)が得られる。
すなわち、実アレイビームは式(7)により表される。これが、ビーム形成演算処理機能104の出力となる。
<1−4−2>仮想アレイビーム形成演算処理機能105による仮想アレイビーム形成演算について
次に、サブアレイ配列#N−M〜#Nの信号を用いて仮想アレイビームを形成する処理について説明する。
仮想アレイビーム形成演算は、素子アンテナの無いところに素子アンテナが有ると仮想し、この仮想された素子アンテナに、実アンテナと同じ信号が入力されるとしてビームを計算する。
図2に示したように、インデックスLからM番目までをシンニングの範囲とすれば、Lから数えて(M+1)番目の一次元サブアレイを軸中心(図3)として、対称に一次元サブアレイを想定することができる。仮想アレイ演算に用いる実アレイのアンテナ受信信号は、式(8)で示される。添え字Iは仮想アレイ(Imaginary Array)であることを示す。
ここで、Sは時間軸の信号であり、式(9)で示される。
式(8)のAはステアリングベクトルと称され、素子アンテナの配列をλ/2配列とすると式(10)で表される。
ステアリングベクトルのθに指向角を代入し、ビーム指向方向を制御するための複素ウェイトとする。このとき、同時にP種類の指向方向(θ,θ・・・・,θ)を与えることで、P種類の方向への同時ビーム形成に対応する。さらに、サイドローブ低減用のテーラウェイト等を乗算する。
次に、(M+1)番目の一次元サブアレイを軸中心として、実アレイの共役成分の乗算により、式(11)の相関行列を計算する。
式(11)は、具体的には式(12)となる。
式(12)に示される相関行列の、枠で囲まれた部分を全て足し算することで、実アレイ配置の信号から仮想アレイ配置の信号を推定し、仮想アレイビームを計算することができる。その結果が式(13)に示される。
二乗項である式(13)の平方根をとり、式(14)が得られる。
すなわち、仮想アレイビームは式(14)により表される。これが、仮想アレイビーム形成演算処理機能105の出力となる。
<1−4−3>ビーム合成について
ビーム合成処理機能106によるビーム合成処理について説明する。ビーム合成処理機能106は、式(7)の実アレイビームと式(14)の仮想アレイビームとを、式(15)に示されるように合成する。
<1−5>効果
以上説明したように第1の実施形態では、本来、L列の一次元サブアレイであったフェーズドアレイアンテナの開口をシンニングし、N(=L−M)列の一次元サブアレイとして構成する。そして、N−(M+1)の一次元サブアレイにより実アレイビームを形成し、(M+1)の一次元サブアレイにより仮想アレイビームを形成する。そして、実アレイビームと仮想アレイビームとをディジタル合成し、DBF(Digital Beam Forming)処理により、L列の一次元サブアレイと等価なアンテナ開口を、N列の一次元サブアレイにより得られるようにした。
このように、フェーズドアレイアンテナをシンニングすることで、サブアレイ構成品(素子アンテナ、サーキュレータ、受信アンプ、移送器、フィルタ、等の部品)の使用数を減らすことができる。しかも、アンテナ性能(受信ビーム幅、受信サイドローブ)が劣化することもない。
さらに、仮想アレイビームの形成の前の段階で、PC処理、PD処理等の、位相項の関係する処理を済ませ、時間方向、周波数方向の演算を済ませた状態で仮想アレイビームを形成するようにしている。仮想アレイビームの計算に係わる処理は、いわば拡張アレイ形成処理であり、二乗項を用いることから位相情報が失われる。しかし第1の実施形態では、仮想アレイビームの形成前に位相情報を用いる処理を行うようにしているので、位相情報が失われる虞が無い。
すなわち、仮想アレイ演算を行うと結果が絶対値になる。そこで、位相情報を必要とする処理を仮想アレイ演算前に実施することで、レーダのレンジ分解能、クラッタ抑圧、検出等の処理に仮想アレイ演算が影響することを防止できる。
これらのことから、第1の実施形態によれば、サイドローブ上昇を抑圧し規模縮小を図ったアンテナ装置およびレーダ装置を提供することが可能となる。
<2>第2の実施形態(二次元サブアレイのシンニング)
第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、二次元サブアレイ(平面アレイ)を用いた受信アンテナのシンニングについて説明する。
<2−1>原理的な説明
図9は、第2の実施形態における部分開口Aの一例を示す模式図である。部分開口B,C,Dも同様の構成とする。部分開口Aは、AZ方向およびEL方向に二次元状に配列される、複数の二次元サブアレイ(アンテナアレイ)を備える。図9は、正方形状の二次元サブアレイが縦横に並べて配列された状態を示す。
図9において、二次元サブアレイのそれぞれにインデックス[#1,1、#2,1、…、#H,1]、[#1,2、#2,2、…、#H,2]、…、[#1,L、#2,L、…、#H,L]を付して区別する。見やすくするために、列ごとのまとまりを[ ]で囲って示す。
第2の実施形態では、L×Hの二次元サブアレイにより形成されるビームと等価なビームを、N×Hの二次元サブアレイを用いて形成することを考える。つまりL×H列の二次元サブアレイからM列の二次元サブアレイをシンニングして、N列×H行の二次元サブアレイにより、シンニング前の二次元サブアレイと等価なビームを形成する。
図9に示すように、シンニング前は二次元サブアレイをL×H個配置する。次にM×H個の二次元サブアレイをシンニングするものとする。また、図10に示すようにシンニング範囲の側から(M+1)×H個の二次元サブアレイ(斜線部分)を使用して、仮想アレイ演算によるビーム形成を行う。また、二次元サブアレイ(N−(M+1))×H個までを使用して実アレイビーム形成を行う。
図10は、シンニング後の部分開口Aの一例を示す模式図である。シンニングによりN列×H行の二次元サブアレイが残る。このうち左からの{#1〜#N−(M+1)}×Hの二次元サブアレイで実アレイビームを形成する。一方、残りの{#N−M〜#N}×Hの二次元サブアレイで仮想アレイビームが形成される。つまり、シンニング範囲の側から(M+1)×H個の二次元サブアレイを使用して、仮想アレイ演算によるビーム形成を行う。仮想アレイ演算に際しては、右端の二次元サブアレイ(#1,N〜#H,N)を軸中心とし、さらにその右側に、あたかも#1,N〜#H,N、#1,N+1〜#H,N+1、…、#1,L〜#H,Lの二次元サブアレイが存在するような仮想アレイビームが計算される。
<2−2>一般化
一般的に説明すれば、以下のとおりである。
(1) シンニング前のアレイをL×H個(L,H≧2)の二次元配列サブアレイからなるものとする。
(2) このL×H個(L,H≧2)の二次元サブアレイからM×H個(M≧1)の二次元サブアレイをシンニングして、N×H個の二次元サブアレイとする。
(3) N×H個の二次元サブアレイから(M+1)×H個の二次元サブアレイを分割して、(N−(M+1))×H個のサブアレイ配列と(M+1)×Hのサブアレイ配列とする。
(4) 分割したサブアレイ配列のうち、(N−(M+1))×H個の二次元サブアレイから実アレイビームをディジタル形成する。また、(M+1)×H個の二次元サブアレイから仮想アレイビームをディジタル形成する。得られる仮想アレイビームの数は、(2M+1)×H個となる。最後に、実アレイビームと仮想アレイビームとをディジタルビーム合成する。
(5) 以上により、L×H個の二次元サブアレイからM×H個の二次元サブアレイをシンニングし、シンニングの前後でビーム幅(分解能)およびサイドローブが等価な合成ビームを得る。
(6) サブアレイ単位でシンニングすることで生じるグレーティングアレイは、仮想アレイの形成にかかるウェイト演算により抑圧することができる。従って、シンニング後のビーム幅(分解能)とサイドローブを、シンニング前と等価にすることが可能になる。
<2−3>構成
図11は、第2の実施形態に係わるアンテナ装置を備えるレーダ装置の一例を示す系統図である。図11において図4と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
図11において、走査制御器50は、受信アレイの二次元サブアレイの各素子アンテナの移相器に、ビーム指向方向に対応する受信移相値を設定する。
部分開口Aは、複数の二次元サブアレイ80、受信機20、AD変換器30を備える。二次元サブアレイ80ごとに一つの受信機20が接続され、さらに、受信機20ごとに一つのAD変換器30が接続される。二次元サブアレイ80は、実アレイビームを形成する二次元サブアレイ{#1〜#N−(M+1)}×Hと、仮想アレイビーム演算に係わる二次元サブアレイ{#N−M〜#N}×Hとに分割される。受信機20およびAD変換器30にもこれに対応するインデックスを付して示す。
受信機20は、二次元サブアレイ80からの無線周波数帯(RF)信号をフィルタリングして不要波を除去し、局発信号とミキシングして中間周波数帯(IF)信号に変換する。AD変換器30は、IF信号をベースバンドにディジタル変換し、I,Q直交検波を行う。AD変換器30からのI,Q信号はプロセッサ40に入力され、信号処理(信号検出)およびビーム形成などの演算処理が実施される。
図12は、二次元サブアレイ80における素子配置の一例を示す図である。二次元サブアレイ80は、二次元状に配列される、複数の素子アンテナ11を備える。
図13は、二次元サブアレイ80の系統の一例を示す図である。素子アンテナ11で捕捉されたRF信号はアイソレータ12を介して増幅器13に入力され、低雑音増幅される。増幅されたRF信号は、移相器14を経てサブアレイ合成回路15に入力され、1系統に合成された出力が受信機20に出力される。
素子アンテナ11ごとの移相器14の移相量は、移相設定回路16により個別に制御される。その制御量は、走査制御器50から与えられる受信位相値に基づいて設定される。これにより、二次元サブアレイ80内でのビーム形成が制御される。
図14は、プロセッサ40の一例を示す機能ブロック図である。図14において図7と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。プロセッサ40は、第2の実施形態に係わる機能として、ビーム形成処理機能43、Σ/Δ演算機能107、検出処理機能108、および、追跡処理機能109を備える。ビーム形成処理機能43は、部分開口A〜D毎に受信ビームを形成する。検出処理機能108および追跡処理機能109の出力は、例えば表示器90に渡されて視覚的に表示される。
ビーム形成処理機能43のMTI処理機能101は、二次元サブアレイ80からそれぞれ出力された各I,Q信号のクラッタ成分を抑圧する。クラッタ抑圧されたI,Q信号は、PC処理機能102によりパルス圧縮処理され、信号相関がとられる。その出力に、PD処理機能103によりFFT処理が施され、ビーム形成演算処理機能104、または仮想アレイビーム形成演算処理機能105に入力される。
#1,1〜#H,N−(M+1)の信号は実アレイビーム形成のためのビーム形成演算処理機能104に入力される。#1,(N−M)〜#H,Nの信号は、仮想アレイビーム形成のための仮想アレイビーム形成演算処理機能105に入力される。以上の各機能は、プロセッサ43により実行されるプログラムとして実現可能である。次に、上記構成における作用を説明する。
<2−4>作用
<2−4−1>ビーム形成演算処理機能104による実アレイビーム形成演算について
サブアレイ配列#1,1〜#H,N−(M+1)の信号を用いて実アレイビームを形成する処理について説明する。
アンテナ受信信号は、式(16)で示される。
ここで、Sは時間軸の信号であり、式(17)で示される。
式(16)のAはステアリングベクトルと称され、素子アンテナの配列をλ/2配列とすると式(18)で表される。
ステアリングベクトルのθAZとθELに指向角を代入し、ビーム指向方向を制御するための複素ウェイトとする。このとき、同時にP種類の指向方向(θ,θ・・・・,θ)を与えることで、P種類の方向への同時ビーム形成に対応する。さらに、サイドローブ低減用のテーラウェイト等を乗算する。
次に、(N−(M+1))×H個(列×行)の二次元サブアレイを使用し、列(1からH)ごとに加算して一次元サブアレイとする。
一列目を式(19)で置換する。
二列目を式(20)で置換する。
一次元サブアレイに関する第1の実施形態と同様に考えて、式(21)の相関行列を計算する。
式(21)は、具体的には式(22)となる。
式(22)の枠で囲まれた部分を抽出して次式(23)が得られる。
二乗項である式(23)の平方根をとり、式(24)が得られる。
すなわち、実アレイビームは式(24)により表される。これが、ビーム形成演算処理機能104の出力となる。
<2−4−2>仮想アレイビーム形成演算処理機能105による仮想アレイビーム形成演算について
次に、サブアレイ配列#1,(N−M)〜#H,Nの信号を用いて仮想アレイビームを形成する処理について説明する。
図9に示したように、シンニング範囲はL個からM番目であるとすれば、(M+1)番目の一次元サブアレイを軸中心として、対称に一次元サブアレイを想定することができる。仮想アレイ演算に用いる実アレイのアンテナ受信信号は、式(25)で示される。
ここで、Sは時間軸の信号であり、式(26)で示される。
式(25)のAはステアリングベクトルと称され、素子アンテナの配列をλ/2配列とすると式(27)で表される。
ステアリングベクトルのθAZとθELに指向角を代入し、ビーム指向方向を制御するための複素ウェイトとする。このとき、同時にP種類の指向方向(θ,θ・・・・,θ)を与えることで、P種類の方向への同時ビーム形成に対応する。さらに、サイドローブ低減用のテーラウェイト等を乗算する。
次に、二次元サブアレイ配列(M+1)×H個(行×列)の信号を用いて、列(1からH)毎に加算して一次元サブアレイとして取り扱えるようにしてから、仮想アレイビーム形成演算を実施する。
一列目を式(28)のように置換する。
二列目を式(29)のように置換する。
そして、(M+1)番目のサブアレイを軸中心として、実アレイの共役成分の乗算により、式(30)の相関行列を計算する。
式(30)は、具体的には式(31)となる。
式(31)に示される相関行列の、枠で囲まれた部分を全て足し算することで、実アレイ配置の信号から、仮想アレイ配置の信号を推定し、仮想アレイビームを計算することができる。その結果が式(32)に示される。
二乗項である式(32)の平方根をとり、式(33)が得られる。
すなわち、仮想アレイビームは式(33)により表される。これが、仮想アレイビーム形成演算処理機能105の出力となる。
<2−4−3>ビーム合成について
ビーム合成処理機能106によるビーム合成処理について説明する。ビーム合成処理機能106は、式(24)の実アレイビームと式(33)の仮想アレイビームとを、式(34)に示されるように合成する。
次に、ビーム合成にて、上記で求めた実アレイのビームと仮想アレイのビームを次式のように合成する。
次に測角のためのΣ/Δ演算を行う。全開口に対するΣ、ΔAZ、ΔELを図9のように求める。
その後、Σビームを用いてCFAR等の信号検出処理で信号を検出し、そのときのΔAZ、ΔELから測角値を算出し、測距、測角値を基に追跡処理等を実施する。
<2−5>効果
以上説明したように第2の実施形態では、本来、L列×H行の二次元サブアレイであったフェーズドアレイアンテナの開口をシンニングし、N(=L−M)列×H行の二次元サブアレイとして構成する。そして、N×H(N,H≧2)個の二次元サブアレイにより実アレイビームを形成し、(M+1)×H個の二次元サブアレイにより仮想アレイビームを形成する。そして、実アレイビームと仮想アレイビームとをディジタル合成し、DBF処理により、L列×H行の二次元サブアレイと等価なアンテナ開口を、N列×H行の二次元サブアレイにより得られるようにした。
これらのことから、第2の実施形態によれば、サイドローブ上昇を抑圧し規模縮小を図ったアンテナ装置およびレーダ装置を提供することが可能になる。
<3>第3の実施形態(アナログ/ディジタル混合(ハイブリッド)ビーム形成)
第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では再び一次元サブアレイを用いた受信アンテナのシンニングについて説明するが、二次元サブアレイを用いた受信アンテナのシンニングについても同様の説明が成り立つ。
<3−1>構成
図15は、第3の実施形態に係わるアンテナ装置を備えるレーダ装置の一例を示す系統図である。図15において図4と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
部分開口Aは、複数の一次元サブアレイ10、受信機20、AD変換器30、および、アナログ合成器81と複数の等化器100を備える。複数の一次元サブアレイ10は、実アレイビームを形成する一次元サブアレイ#1〜#N−(M+1)と、仮想アレイビーム演算に係わる一次元サブアレイ#N−M〜#Nとに分割される。このうち、前者の一次元サブアレイ#1〜#N−(M+1)の各々の出力がアナログ合成器81によりアナログ合成される。これにより実アレイビームがアナログ的に形成される。アナログ合成器81の出力は一つの受信機20により受信処理され、一つのAD変換器30によりディジタル化されてプロセッサ40に入力される。
図4との比較から分かるように、アナログ合成器81により実アレイビームを形成してこれをディジタル化することで、受信機20およびAD変換器30の数を格段に減らすことができる。
一方、一次元サブアレイ#N−M〜#Nについては図4と同様に、個別に受信機20およびAD変換器30が設けられる。さらに、それぞれのAD変換器30からのI,Q信号がプロセッサ40に入力されて、仮想アレイビームが形成される。
ここで、各AD変換器30からのI,Q信号は、等化器100を介してプロセッサ40に入力される。等化器100は、ディジタル化されたアナログ合成器81からの実アレイビームと、仮想アレイビームとの間の、線路長の差異を補償する。つまり、実アレイビームの形成に係わる系統では線路長が増大する。そこで、仮想アレイビームを形成する系統に等化器100を設け、アナログ合成の線路長と同等の遅延を加えることで全体系統の遅延を揃える。これにより、実アレイビームと、仮想アレイビームとの間のビーム間相関を保証することができる。
図16は、プロセッサ40の一例を示す機能ブロック図である。プロセッサ40は、第3の実施形態に係わる機能として、ビーム形成処理機能44、Σ/Δ演算機能107、検出処理機能108、および、追跡処理機能109を備える。ビーム形成処理機能41は、部分開口A〜D毎に受信ビームを形成する。Σ/Δ演算機能107は、目標の位置を測角する。検出処理機能108は、目標を検出する。追跡処理機能109は、目標を追跡する。検出処理機能108および追跡処理機能109の出力は、例えば表示器90に渡されて視覚的に表示される。
ビーム形成処理機能41は、MTI処理機能101、PC処理機能102、PD処理機能103、仮想アレイビーム形成演算処理機能105、およびビーム合成処理機能106、さらに、遅延処理機能110を備える。遅延処理機能110は、プロセッサ40により実行されるプログラムとして実現可能である。
ビーム形成処理機能41において、仮想アレイビームの生成に係わる処理は第1の実施形態と同様である。
一方、ディジタル化された実アレイビームは、MTI処理機能101に入力されて、クラッタ成分が抑圧される。クラッタ抑圧された実アレイビームは、PC処理機能102によりパルス圧縮処理され、信号相関がとられる。その出力に、PD処理機能103によりFFT処理が施され、遅延処理機能110に入力される。遅延処理機能110は、実アレイビームの演算遅延を、仮想アレイビーム形成にかかる演算と整合させる。次に、上記構成における作用を説明する。
<3−2>作用
実アレイビームは素子信号のアナログ合成により、アナログ的に形成される。よって以下では、仮想アレイビーム形成演算処理機能105による仮想アレイビーム形成演算について説明する。
<3−2−1>
サブアレイ配列#N−M〜#Nの信号を用いて仮想アレイビームを形成する処理について説明する。
仮想アレイ演算に用いる実アレイのアンテナ受信信号は、式(35)で示される。

ここで、Sは時間軸の信号であり、式(36)で示される。
式(36)のAはステアリングベクトルと称され、素子アンテナの配列をλ/2配列とすると次式(37)のように表される。
(M+1)番目のサブアレイを軸中心として、実アレイの共役成分の乗算により、式(38)の相関行列を計算する。
式(38)は、具体的には式(39)となる。
式(39)に示される相関行列の、枠で囲まれた部分(次式(40))が、実アレイ配置の信号から仮想アレイ配置の信号を推定し、ビーム形成を計算していることを示す。
式(40)の平方根をとって、仮想アレイビームは式(41)で表される。
ステアリングベクトルのθに指向角を代入し、ビーム指向方向を制御するための複素ウェイトとする。さらに、サイドローブ低減用のテーラウェイト等を乗算する。
<1−4−3>ビーム合成について
ビーム合成処理機能106によるビーム合成処理について説明する。ビーム合成処理機能106は、アナログ合成された実アレイビームと式(41)の仮想アレイビームとを、式(42)に示されるように合成する。
アナログビーム合成については、ビーム合成されたIAB+jQABから、その大きさを、式(42)により絶対値で求める。
そして、式(43)を用いて、アナログ合成ビーム(実アレイビーム)と仮想アレイビームとを加算する。
<3−4>効果
以上説明したようにこの実施形態では、アナログ合成器81により、実アレイビームの形成をアナログ領域で行うようにした。すなわち、ビーム形成処理を、アナログビーム形成とディジタルビーム形成のハイブリッドで行うようにした。これにより、受信機20およびAD変換器30の数を他の実施形態に比べて格段に少なくすることができ、よって装置規模の縮小、コストの削減においても大きな効果を得られる。
しかも、仮想アレイビームを形成する系統に等化器100を設け、実アレイビームをディジタル的に遅延する遅延処理機能110を設けるようにした。これにより、アナログ系のとディジタル系との遅延差を抑圧し、ビーム間相関を保証することができる。
これらのことから、第3の実施形態によれば、サイドローブ上昇を抑圧し規模縮小を図ったアンテナ装置およびレーダ装置を提供することが可能となる。
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば実施形態では、送受分離フェーズドアレイを想定したが、このほか、送受共用フェーズドアレイアンテナの受信アンテナに、上記実施形態のシンニング手法を適用することも可能である。
また、上記の計算ではN≧2とし、M≧1としたが、これに限られるものではない。
コンピュータに関連して用いられる「プロセッサ」という用語は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路と理解され得る。
プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを読み出し実行することで、プログラムに基づく特有の機能を実現する。メモリに代えて、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成することも可能である。このケースでは、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することでその機能を実現する。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…一次元サブアレイ、11…素子アンテナ、12…アイソレータ、13…増幅器、14…移相器、15…サブアレイ合成回路、16…移相設定回路、20…受信機、30…AD変換器、40…プロセッサ、41…ビーム形成処理機能、42…表示器、43…ビーム形成処理機能、43…プロセッサ、44…ビーム形成処理機能、50…走査制御器、60…送信アレイ、70…送信機、80…二次元サブアレイ、81…アナログ合成器、90…表示器、100…等化器、101…MTI処理機能、102…PC処理機能、103…PD処理機能、104…ビーム形成演算処理機能、105…仮想アレイビーム形成演算処理機能、106…ビーム合成処理機能、107…Σ/Δ演算機能、108…検出処理機能、109…追跡処理機能、110…遅延処理機能、A〜D…部分開口。

Claims (10)

  1. 規則的に配列されるN列のアンテナアレイと(ただしN≧2)、
    前記アンテナアレイの各々の出力を受信処理する複数の受信機と、
    前記受信機の各々の出力をそれぞれディジタル変換する複数のアナログ/ディジタル変換器と、
    プロセッサとを具備し、
    前記プロセッサは、
    {N−(M+1)}個のアンテナアレイからのディジタル変換された信号により実アレイビームをディジタル形成する実アレイビーム形成機能と(ただしN>M≧1)、
    前記実アレイビームの形成に係わるアンテナアレイ以外のアンテナアレイからのディジタル変換された信号により、(2M+1)個の仮想アレイビームをディジタル形成する仮想アレイビーム形成機能と、
    前記実アレイビームと前記仮想アレイビームとをディジタル合成して、(N+M)個のアンテナアレイによるビームと等価な合成ビームを形成する合成機能とを備える、アンテナ装置。
  2. 規則的に配列されるN列のアンテナアレイと(ただしN≧2)、
    {N−(M+1)}個のアンテナアレイの各々の出力をアナログ合成して実アレイビームを形成する合成器と(ただしN>M≧1)、
    前記合成器の出力を受信処理する第1受信機と、
    前記第1受信機の出力をディジタル変換して前記実アレイビームをディジタル化する第1アナログ/ディジタル変換器と、
    前記実アレイビームの形成に係わるアンテナアレイ以外のアンテナアレイの各々の出力を受信処理する複数の第2受信機と、
    前記第2受信機の各々の出力をそれぞれディジタル変換する複数の第2アナログ/ディジタル変換器と、
    プロセッサとを具備し、
    前記プロセッサは、
    前記実アレイビームの形成に係わるアンテナアレイ以外のアンテナアレイからのディジタル変換された信号により、(2M+1)個の仮想アレイビームをディジタル形成する仮想アレイビーム形成機能と、
    前記ディジタル化された実アレイビームと前記仮想アレイビームとをディジタル合成して、(N+M)個のアンテナアレイによるビームと等価な合成ビームを形成する合成機能とを備える、アンテナ装置。
  3. 前記ディジタル化された実アレイビームと、前記仮想アレイビームとの間のビーム間相関を保証するディジタル等化器をさらに具備する、請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記アンテナアレイは、素子アンテナを一次元状に配列した直線アレイである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  5. 規則的に配列されるN列×H行のアンテナアレイと(ただしN≧2またはH≧2)、
    前記アンテナアレイの各々からの信号をそれぞれディジタル信号に変換する複数のアナログ/ディジタル変換器と、
    プロセッサとを具備し、
    前記プロセッサは、
    {N−(M+1)}×H個のアンテナアレイからのディジタル信号により実アレイビームを形成する実アレイビーム形成機能と(ただしN>M≧1)、
    前記実アレイビームの形成に係わるアンテナアレイ以外のアンテナアレイからのディジタル信号により、(2M+1)×H個の仮想アレイビームを形成する仮想アレイビーム形成機能と、
    前記実アレイビームと前記仮想アレイビームとをディジタル合成して、(N+M)×H個のアンテナアレイによるビームと等価な合成ビームを形成する合成機能とを備える、アンテナ装置。
  6. 前記アンテナアレイは、素子アンテナを二次元状に配列した平面アレイである、請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 前記プロセッサは、前記仮想アレイビーム形成機能に入力される前のディジタル信号に対してパルス圧縮処理を施すパルス圧縮処理機能をさらに備える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  8. レーダ波を送信する送信機と、
    規則的に配列され前記レーダ波のエコーを捕捉するN列のアンテナアレイと(ただしN≧2)、
    前記アンテナアレイの各々の出力を受信処理する複数の受信機と、
    前記受信機の各々の出力をそれぞれディジタル変換する複数のアナログ/ディジタル変換器と、
    プロセッサとを具備し、
    前記プロセッサは、
    {N−(M+1)}個のアンテナアレイからのディジタル変換された信号により実アレイビームをディジタル形成する実アレイビーム形成機能と(ただしN>M≧1)、
    前記実アレイビームの形成に係わるアンテナアレイ以外のアンテナアレイからのディジタル変換された信号により、(2M+1)個の仮想アレイビームをディジタル形成する仮想アレイビーム形成機能と、
    前記実アレイビームと前記仮想アレイビームとをディジタル合成して、(N+M)個のアンテナアレイによるビームと等価な合成ビームを形成する合成機能とを備える、レーダ装置。
  9. レーダ波を送信する送信機と、
    規則的に配列され前記レーダ波のエコーを捕捉するN列のアンテナアレイと(ただしN≧2)、
    {N−(M+1)}個のアンテナアレイの各々の出力をアナログ合成して実アレイビームを形成する合成器と(ただしN>M≧1)、
    前記合成器の出力を受信処理する第1受信機と、
    前記第1受信機の出力をディジタル変換して前記実アレイビームをディジタル化する第1アナログ/ディジタル変換器と、
    前記実アレイビームの形成に係わるアンテナアレイ以外のアンテナアレイの各々の出力を受信処理する複数の第2受信機と、
    前記第2受信機の各々の出力をそれぞれディジタル変換する複数の第2アナログ/ディジタル変換器と、
    プロセッサとを具備し、
    前記プロセッサは、
    前記実アレイビームの形成に係わるアンテナアレイ以外のアンテナアレイからのディジタル変換された信号により、(2M+1)個の仮想アレイビームをディジタル形成する仮想アレイビーム形成機能と、
    前記ディジタル化された実アレイビームと前記仮想アレイビームとをディジタル合成して、(N+M)個のアンテナアレイによるビームと等価な合成ビームを形成する合成機能とを備える、レーダ装置。
  10. レーダ波を送信する送信機と、
    規則的に配列され前記レーダ波のエコーを捕捉するN列×H行のアンテナアレイと(ただしN≧2またはH≧2)、
    前記アンテナアレイの各々からの信号をそれぞれディジタル信号に変換する複数のアナログ/ディジタル変換器と、
    プロセッサとを具備し、
    前記プロセッサは、
    {N−(M+1)}×H個のアンテナアレイからのディジタル信号により実アレイビームを形成する実アレイビーム形成機能と(ただしN>M≧1)、
    前記実アレイビームの形成に係わるアンテナアレイ以外のアンテナアレイからのディジタル信号により、(2M+1)×H個の仮想アレイビームを形成する仮想アレイビーム形成機能と、
    前記実アレイビームと前記仮想アレイビームとをディジタル合成して、(N+M)×H個のアンテナアレイによるビームと等価な合成ビームを形成する合成機能とを備える、レーダ装置。
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