JP6629180B2 - レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法 - Google Patents

レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法 Download PDF

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本実施形態は、拡張アレイ処理を適用したレーダ装置及びそのレーダ信号処理方法に関する。
従来のRF(高周波数)のアナログ合成器を用いたアレイアンテナやDBF(Digital Beam Forming、非特許文献1参照)では、角度分解能は開口長で決まる。このため、角度分解能を向上させるためには、アンテナの開口を大きくするしかない。また、規模に制約がある場合に角度分解能を向上させる手法として、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)やESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational)(非特許文献5参照)があるが、これらの手法を用いると、信号処理規模が増大してしまう。また、相関のある目標を識別して検出する場合には、空間平均処理(非特許文献6参照)が必要であるが、この処理を適用するためにはDBFの素子数を増やす必要がある。
上記の対策のために、従来では、KR積アレイ(非特許文献7参照)等による拡張アレイ処理が適用されている。しかしながら、レーダ目標の場合には、反射点間で相関があるため、拡張アレイ処理の実行によって偽目標が発生することがあった。
DBF(Digital Beam Forming)、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.289-291(1996) テーラー分布、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.134-135(1996) マルチビ−ム、電子情報通信学会編、アンテナ工学ハンドブック第2版、Ohmsha、pp.419-424(2008) 位相によるパターン成形、Robert C.Voges,‘Phase Optimization of Antenna Array Gain with Constrained Amplitude Excitation’, IEEE Trans. Antennas & Propagation, AP-20, No.4, pp.432-436(1972) MUSIC、ESPRIT、菊間、アダプティブアンテナ技術、Ohmsha、pp.137-164(2003) 空間平均法、菊間、アレーアンテナによる適応信号処理、科学技術出版、pp.163-170(1999) 拡張アレイ(KR積アレイ)、Wing-Kin Ma, ‘DOA Estimation of Quasi-Stationary Signals With Less Sensors Than Sources and Unkown Spatial Noise Covariance: A Khatri-Rao Subspace Approach’,IEEE Trans. Signal Process., vol.58, no.4, pp.2168-2180, April(2010) パルス圧縮、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.278-280(1996) CFAR処理、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.87-89(1996) FMCW方式(アップチャープとダウンチャープ)、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.274-275(1996) FMICW, FRED E.Nathanson, 'RADAR DESIGN PRINCIPLES second edition', Scitech, pp452-454(1999)
以上述べたように、従来のレーダ装置において、角度分解能を向上させるには、アンテナを大開口にする必要があり、DBFの場合でも空間平均処理を適用するために素子数を増やす必要があり、ハードウェア規模が増える問題があった。この対策のために拡張アレイ処理を適用すると、レーダ目標の場合には、反射点間で相関があるため、偽目標が発生する場合があった。
本実施形態は上記課題に鑑みなされたもので、ハードウェア規模を増大を抑えつつ、偽目標を発生させることなく、拡張アレイ処理によって高い角度軸分解能が得られるレーダ装置及びそのレーダ信号処理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本実施形態に係るレーダ装置は、第1軸に沿ってアンテナ素子を配置し、前記第1軸とは異なる第2軸に沿ってアンテナ素子を配置してなる平面アレイによるアンテナと、前記第1軸、前記第2軸それぞれのアンテナ素子の出力をアナログ合成するアナログ合成手段と、前記アナログ合成された前記第1軸、第2軸それぞれのアンテナ素子の出力を周波数変換してディジタル信号に変換し、少なくともいずれか一方の信号を、所定のウェイトを乗算して合成してビーム出力を得て、レンジ(fast-time)軸とドップラ(slow-time)軸の少なくともいずれか一方の軸で目標反射点を検出し、その目標反射点レンジ(fast-time)軸及びドップラ(slow-time)軸のレンジ−ドップラセルに対応するセルを抽出し、前記第1軸及び前記第2軸の各々において拡張アレイ処理を実施し、これによって得られた素子信号を用いて観測範囲を覆うようにビーム走査を含む所定の複素ウェイトを乗算して前記第1軸及び前記第2軸のマルチビームを形成し、または両者を乗算して観測範囲に狭ビーム幅のマルチビームを形成し、振幅加算して画像を得る信号処理手段とを具備する。
すなわち、異なる2軸信号の各々において、レンジ−ドップラ軸で目標反射点を分離した後、各々で拡張アレイ処理することにより、レーダ目標のように相関のある場合でも、偽目標を発生させずに、角度軸高分解化を図ることができる。
第1の実施形態に係るレーダ装置の概略構成を示すブロック図。 第1の実施形態において、アンテナの細部系統を示すブロック図。 第1の実施形態において、仮想アレイ処理の処理系統を示すブロック図。 第1の実施形態において、複数反射点を分離する処理の流れを示す概念図。 第1の実施形態において、ビーム形成を説明するための座標系を示す概念図。 第1の実施形態において、拡張アレイが形成される様子を示す概念図。 第1の実施形態において、拡張アレイによるビーム形成を説明するための概念図。 第1の実施形態において、高分解能マルチビームが形成される様子を示す概念図。 第2の実施形態に係るレーダ装置の概略構成を示すブロック図。 第2の実施形態において、アンテナの細部系統を示すブロック図。 第2の実施形態において、仮想アレイの概略構成を示す概念図。 第3の実施形態に係るレーダ装置において、仮想アレイ処理の処理系統を示すブロック図。 第4の実施形態に係るレーダ装置のアンテナの細部系統を示すブロック図。 第4の実施形態において、仮想アレイ処理の処理系統を示すブロック図。 第4の実施形態において、送信信号に用いる連続波スイープ信号を示す波形図。 第4の実施形態において、複数反射点を分離する処理の流れを示す概念図。 第5の実施形態に係るレーダ装置の仮想アレイ処理の処理系統を示すブロック図。 第5の実施形態において、近距離〜遠距離まで目標を観測する場合の分割処理を説明するためのタイミング波形図。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各実施形態の説明において、同一部分には同一符号を付して示し、重複する説明を省略する。
(第1の実施形態)RD軸分離後、拡張アレイ処理
図1乃至図8を参照して、第1の実施形態に係るレーダ装置を説明する。
図1は本実施形態に係るレーダ装置の概略構成を示すブロック図、図2はアンテナの細部系統を示すブロック図、図3は仮想アレイ処理器の具体的な処理系統を示すブロック図、図4は複数反射点を分離する処理の流れを示す概念図である。
本実施形態に係るレーダ装置は、図1に示すように、アンテナ100の出力のA軸(Nach)とB軸(Nbch)の信号を用いて、それぞれ仮想アレイ処理器200で仮想アレイ処理(200a,200b)を実行してマルチビームを形成し、A軸とB軸のマルチビームを乗算器300で乗算することで、ペンシルビームによる全体マルチビームを形成し、出力処理器400で高分解能角度軸データを生成し出力する。
上記アンテナ100において、送信系では、図2に示すように、送信信号生成器11でパルス変調した信号を生成し、送信分配器12でNb系統の送信分配器131〜13Nbに分配し、各送信分配器131〜13NbでNa系統の送信移相器1411〜14NaNbに分配して、ビ−ム制御器15でビーム指向方向に対応する移相量を設定した後、送信増幅器1611〜16NaNbで電力増幅し、サーキュレータ1711〜17NaNbを経由して、アンテナ素子1811〜18NaNbから送信する。また、受信系では、目標からの反射信号をアンテナ素子1811〜18NaNbで捕捉し、サーキュレータ1711〜17NaNbを経由して、受信増幅器1911〜19NaNbで低雑音増幅し、受信移相器1A11〜1ANaNbで受信ビームに対応する移相量を与え、A軸用の受信合成器1B1〜1BNbで縦合成、B軸用の受信合成器1C1〜1CNaで横合成して、仮想アレイ処理器200(A軸は200a、B軸は200b)に送る。
上記仮想アレイ処理器200では、図3に示すように、受信合成器1B1〜1BNb,1C1〜1CNaからの受信合成信号をタイミング制御器208によるタイミング制御に従って周波数変換器201に取り込んでIF帯に周波数変換し、AD変換器202でディジタル信号に変換し、レンジ圧縮器203によるレンジ圧縮とFFT処理器204によるslow-time軸(PRI間)のFFT処理を実施して、レンジ−ドップラデータ(RDデータ)としてデータ保存器205に保存する。ここで、FFT処理結果からビーム形成器209でビーム形成を行い、セル抽出器210で抽出されるセルのRDデータをデータ保存器205から出力させる。続いて、データ保存器205から出力されるデータについて、拡張アレイ処理器206で拡張アレイ処理を行い、その処理結果についてビーム形成器207でビーム形成を行ってマルチビーム出力を得る。
以下に定式化する。まずレンジ圧縮(203)について述べる(非特許文献9参照)。レンジ圧縮は、入力信号とレンジ圧縮用信号の相関処理であり、これを周波数領域で行う場合について定式化すると次の通りである。
Figure 0006629180
Figure 0006629180
Figure 0006629180
また、参照信号sref(線形チャープ信号)は次式で表現できる。
Figure 0006629180
この参照信号sref(t)を、そのサンプル長を入力信号に合わせて0埋めした信号に置き換える。
Figure 0006629180
時間軸上にするには、このsを逆フーリエ変換すればよい。
Figure 0006629180
次にクロスレンジ圧縮を行うために、FFT処理(204)でslow-time軸のフーリエ変換を行う。
Figure 0006629180
このレンジ−ドップラ軸のデータ(RDデータ)には、図4(a)に示すように、複数の目標反射点がある場合がある。このまま、以下に述べる拡張アレイ処理を実行すると、複数反射点間における相関のため、偽目標が発生する。その対策のために、図4(b),(c)に示すように、複数反射点を分離する処理を行う。
具体的には、まずRDデータにおいて、SN(信号対雑音電力)を向上するために、図5に示すように、ビーム形成器209で所定のビーム方向に指向するビームを生成して、ビーム出力におけるRDデータを得る。次に、CFAR等(非特許文献10参照)による所定の振幅スレショルドを超えるセル(P個)をセル抽出(210)し、抽出セルに対応したセルのデータをデータ保存器205から抽出する。このデータを用いて拡張アレイ処理(206)した素子データを用いてビーム形成(207)することにより、角度軸で高分解能化したデータが得られる。この処理をA軸及びB軸に適用すれば、図6に示すように仮想の拡張アレイを形成し、Na(Nb)素子(サブアレイ)列を2Na−1(2Nb−1)列に拡張することができる。
P個の信号の各々について、A軸とB軸のアレイ信号(XaとXb)を抽出し、拡張アレイ処理を行う部分を定式化する。まず、観測方向(AZ,EL)を含めた2軸の入力信号を、それぞれXa、Xbと表すと、図5の座標系により次式となる。なお、位相中心は、A軸とB軸で一致する。
Figure 0006629180
Figure 0006629180
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以上より、仮想平面アレイの位相中心に入力される信号をXinとすると、2軸の信号XaとXbは次式となる。
Figure 0006629180
次にこの信号(Xa,Xb)を用いて、拡張アレイ処理としてKR積アレイ処理を行う。
Figure 0006629180
Figure 0006629180
この左端と上端の要素をベクトル化すると、次式となる。
Figure 0006629180
このXkra,Xkrbを新しい拡張アレイの素子信号(Xa,Xb)として、受信ビームを形成すればよい。この拡張アレイのデータの様子を図7に示す。ここで、図7(a)はA軸仮想アレイ(EL-DBF)、図7(b)はB軸仮想アレイ(AZ-DBF)を示し、図7(c)は高分解能マルチビーム(乗算による)を示している。
受信ビーム出力は、ビーム形成器(209)において、(14)式の要素にサイドローブ低減用のウェイトとして、テーラーウェイト(非特許文献2参照)等を乗算し、ビーム指向方向制御用の複素ウェイトを乗算した後、DBF(Digital Beam Forming、非特許文献1参照)による加算を行う。この結果、次式となる。
Figure 0006629180
ビーム指向方向制御用のウェイトWapnm,Wbpnmは次式で表現できる。
Figure 0006629180
Figure 0006629180
A軸及びB軸の仮想アレイによるビームは、それぞれ図7(a),(b)に示すようになり、図8の座標系に示すように、高分解能マルチビーム(非特許文献3参照)が形成される。このA軸とB軸のマルチビームを乗算することにより、図7(c)に示すようなペンシルビームが得られる。この際、A軸とB軸の乗算前のビーム幅を広げる必要がある場合には、移相器により、位相成形ビーム(非特許文献4参照)を形成するための移相量を設定すればよい。
本手法は、ビーム出力Ya(Yb)は、AZ面(EL面)はアナログ合成で、EL面(AZ面)は自由度が高いDBFである。本実施形態では、アナログ合成とDBFによる2軸(A軸とB軸)のビーム形成を組み合わせることで、2次元のフルDBF相当の機能性能を発揮することに特徴がある。
なお、本実施形態では2軸の仮想アレイによるマルチビームを乗算する構成について述べたが、乗算せずにそのまま出力する場合でもよい。乗算しない場合は、例えば図7(a),(b)に示すビームがそのまま出力されることになる。
以上のように、本実施形態に係るレーダ装置は、所定の1軸(A軸)はNa素子(Na段)、それと異なる1軸(B軸)におけるNb素子(Nb列)のNa×Nb素子の平面アレイにおいて、A軸の各々の段において、必要に応じて移相器Pam(m=1〜Nb)により位相を制御した後、アナログ合成(合成数≧1)し、B軸の各々の列において、必要に応じてA軸と同じか、異なる移相器Pbn(n=1〜Na)により位相を制御した後、アナログ合成(合成数≧1)した出力を、それぞれA軸のN素子受信アレイXA(Xan、n=1〜Na)と、B軸の一次元に配列したM素子受信アレイXB(Xbm、m=1〜Nb)とする。そして、周波数変換及びAD変換によりアレイディジタル信号に変換し、XAとXBの少なくともいずれか一方の信号を、所定のウェイトを乗算した後合成してビーム出力を得る。続いて、fast-time軸とslow-time軸の少なくともいずれか一方の軸で目標を検出し、その反射点Tp(p=1〜Np)のfast-time軸及びslow-time軸のレンジ−ドップラセル(Np点)に対応するXAとXBのセルを抽出し、A軸及びB軸の各々において拡張アレイ処理をして得た(2Na−1)と(2Nb−1)の素子信号を用いて、観測範囲を覆うようにビーム走査を含む所定の複素ウェイトを乗算して得たA軸及びB軸のマルチビームをそのまま出力するか、必要に応じて乗算して、観測範囲に狭ビーム幅のマルチビームを形成し、Np点分、振幅加算して画像を得る。
すなわち、異なる2軸(A軸とB軸)信号の各々において、レンジ−ドップラ軸で目標反射点を分離した後、各々で拡張アレイ処理することにより、レーダ目標のように相関のある場合でも、偽目標を発生させずに、角度軸高分解化を図ることができる。
(第2の実施形態)
図9乃至図11を参照して、第2の実施形態に係るレーダ装置を説明する。
第1の実施形態では、A軸とB軸アレイを用いた拡張アレイ処理について述べた。本実施形態では、部分開口を使った場合の2軸のリニアアレイを用いた受信による方式について述べる。本実施形態において、全体の概略系統を図9に示し、アンテナの細部系統を図10に示し、仮想アレイの概略構成を図11に示す。
本実施形態のレーダ装置は、第1の実施形態と異なり、図9に示すようにアンテナ100の開口は部分開口を用いている。
図10に示すアンテナ100の系統では、A軸の信号XA1〜XANaとB軸の信号XB1〜XBNbが出力され、これらは、A軸とB軸のそれぞれ、図3の系統に入力され、それ以降は第1の実施形態と同様である。なお、図10では、A軸アレイは横1列、B軸アレイは縦1列の場合で、受信移相器が不要な場合について述べた。SNを向上させるために、A軸は横Ma列、B軸は縦Mb列のサブアレイの場合は、受信移相器を用いてサブアレイ合成してもよい。拡張アレイによる仮想アレイの様子を図11に示す。
以上のように、本実施形態に係るレーダ装置は、アンテナ部分開口を用いて、A軸とB軸のアレイを形成する。すなわち、異なる2軸(A軸とB軸)のアナログ合成後のSN(信号対雑音電力比)の高いアレイディジタル信号を用いて、2軸の拡張アレイ処理により、角度軸高分解能化を図ることができる。
(第3の実施形態)
図12を参照して、第3の実施形態に係るレーダ装置を説明する。
第1及び第2の実施形態の拡張アレイ処理では、1回KR積処理を実施している。KR積アレイでは、(12)、(13)式に示すように、1回の処理で波源信号Xinが実数(振幅)になるため、複数回繰り返しても波源信号は実数のままであり、SN以外の影響はない。このため、所定のSN以上であれば、KR積アレイ処理を複数回繰り返すと、さらに角度軸高分解能化を図ることができる。この仮想アレイ処理の処理系統を図12に示す。拡張アレイ処理の部分の回数が増えるための変更である。初期アレイ長をNとすると、1回のKR積アレイ処理により、アレイ長(素子数)は2N−1になるため、例えば、3回繰り返すと、アレイ長(素子数)は、次のようになる。
Figure 0006629180
素子数が増えると角度軸の高分解能化が図られるのと等価である。
以上のように、本実施形態に係るレーダ装置では、拡張アレイ処理を、必要に応じて振幅規格化を含めてNkr回実施する。すなわち、拡張アレイ処理を複数繰り返すことにより、角度軸分解能をさらに向上させることができる。
(第4の実施形態)
図13乃至図16を参照して、第4の実施形態に係るレーダ装置を説明する。
図13は第4の実施形態に係るレーダ装置のアンテナの細部系統を示すブロック図、図14は仮想アレイの概略構成を示すブロック図、図15は送信信号に用いる連続波スイープ信号を示す波形図、図16は、複数反射点を分離する処理の流れを示す概念図である。
複数反射点による拡張アレイ処理では、複数反射点の相関を極力低減することが重要となる。このための手法には、広帯域信号を送受信して、レンジ分解能を向上させる手法がある。ただし、広帯域信号に対応するには、レンジサンプリング速度を高くする必要があり、処理規模が増える。
この対策のために、図15に示す連続波スイープ信号(非特許文献10参照)か、パルス変調したステップ周波数(非特許文献11参照)を送信し、受信はローカル信号をスイープして、ビート周波数による観測にする手法がある。送信信号生成器11aにおいてスイープ信号を生成する。ビート周波数fbは、次式で与えられる。
Figure 0006629180
ビート周波数は、目標距離成分と目標速度成分から決まる。受信ロ−カル信号もスイープすることにより、受信信号の周波数は差分となる。このことから、目標距離や目標速度が所定の値以下であれば、スイープ周波数帯域よりもビート周波数の方が小さくなるため、受信器は小型になる。
ビート周波数による観測の場合、図15に示すように、スイープ時間軸をfast-time、スイープ間の軸をslow-timeとすると、図14の系統で示すように、Fast-time FFT処理器203aでFast-time FFT処理し、さらにSlow-time FFT処理器204aでSlow-time FFT処理して、ビーム形成器209、セル抽出器210によりレンジ(Fast-time)軸−ドップラ(Slow-time)軸でN点の反射点を抽出することができる(図16(a),(b))。この抽出した反射点の各々について、拡張アレイ処理器206で拡張アレイ処理し、ビーム形成器207で高分解能のビーム形成をすることができる(図16(c))。
以上のように、第4の実施形態に係るレーダ装置は、連続波スイープ信号、またはパルス変調したステップ周波数信号を送受信して、ビート周波数を観測する。すなわち、連続スイープ信号を用いてビート周波数を観測にするようにしているので、レンジ分解能を向上させるために広帯域信号を用いる場合でも、ビ−ト周波数は低いため、HW規模を増やさずに、拡張アレイ処理による角度軸高分解能化を図ることができる。
(第5の実施形態)
図17及び図18を参照して、第5の実施形態に係るレーダ装置を説明する。
図17は第5の実施形態に係るレーダ装置の仮想アレイ処理の処理系統を示すブロック図、図18は第5の実施形態において、近距離〜遠距離まで目標を観測する場合の分割処理を説明するためのタイミング波形図である。
第4の実施形態では、ビート周波数による観測手法について述べた。この場合、目標距離による遅延時間により、遠距離の場合には、ビート周波数が高くなり、連続波を使うことによる受信周波数帯域の低減の効果が小さくなる。
この対策のため、本実施形態では、図17に示すように、タイミング制御器208aにおいて、ローカル周波数の開始時間を時間方向にずらす。ずらす時間Tdとしては、目標観測距離範囲を決めて、ビート周波数幅が所定値以下になるようにすればよい。目標距離の算出の際には、時間Td分の距離を補正して目標周波数を算出する。
図18は、近距離〜遠距離まで目標を観測する場合である。目標の観測距離範囲が広い場合には、観測ビート周波数幅が所定の値以下になるように、目標の観測距離範囲を分割し、受信系を分割数分用意して、ローカル周波数の時間遅延を設定すればよい。分割したローカル信号の重複期間については、重複したローカル信号の各々で処理した目標受信振幅のうち、最も大きい振幅について目標の距離を算出すればよい。
また、目標距離が遠距離のみ等に限定できる場合は、時間Tdを調整してその観測時間範囲のみにローカル信号を設定してもよい。
以上のように、第5の実施形態に係るレーダ装置では、ビート周波数の観測時に、スイープ毎に受信する近距離目標と、時間遅延(Td)後の各スイープ毎に受信する遠距離目標を分離し、遠距離目標については、Td分に相当するビ−ト周波数ずれを含めてビ−ト周波数を算出して、狭帯域受信器でも、遠距離目標を観測する。すなわち、遠距離目標の場合には、距離に対する時間遅延後のスイープにおいて受信されるが、スイープ毎に受信される近距離目標と分離して、時間遅延分ビート周波数を補正する。これにより、遠距離目標のビート周波数を正しく算出できるため、ビート周波数を低くして狭帯域受信器を用いる場合でも、HW規模を増やさずに、拡張アレイ処理による角度軸高分解能化を図ることができる。
なお、本発明は上記実施形態をそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
100…アンテナ、200(200a,200b)…仮想アレイ処理器、300…乗算器、400…出力処理器、
11,11a…送信信号生成器、12,131〜13Nb…送信分配器、1411〜14NaNb…送信移相器、15…ビ−ム制御器、1611〜16NaNb…送信増幅器、1711〜17NaNb…サーキュレータ、1811〜18NaNb…アンテナ素子、1911〜19NaNb…受信増幅器、1A11〜1ANaNb…受信移相器、1B1〜1BNb,1C1〜1CNa…受信合成器、
201…周波数変換器、202…AD変換器、203…レンジ圧縮器、203a…Fast-time FFT処理器、204…FFT処理器、204a…Slow-time FFT処理器、205…データ保存器、206…拡張アレイ処理器、207…ビーム形成器、208,208a…タイミング制御器、209…ビーム形成器、210…セル抽出器、

Claims (6)

  1. 第1軸に沿ってアンテナ素子を配置し、前記第1軸とは異なる第2軸に沿ってアンテナ素子を配置してなる平面アレイによるアンテナと、
    前記第1軸、前記第2軸それぞれのアンテナ素子の出力をアナログ合成するアナログ合成手段と、
    前記アナログ合成された前記第1軸、第2軸それぞれのアンテナ素子の出力を周波数変換してディジタル信号に変換し、少なくともいずれか一方の信号を、所定のウェイトを乗算して合成してビーム出力を得て、レンジ(fast-time)軸とドップラ(slow-time)軸の少なくともいずれか一方の軸で目標反射点を検出し、その目標反射点レンジ(fast-time)軸及びドップラ(slow-time)軸のレンジ−ドップラセルに対応するセルを抽出し、前記第1軸及び前記第2軸の各々において拡張アレイ処理を実施し、これによって得られた素子信号を用いて観測範囲を覆うようにビーム走査を含む所定の複素ウェイトを乗算して前記第1軸及び前記第2軸のマルチビームを形成し、または両者を乗算して観測範囲に狭ビーム幅のマルチビームを形成し、振幅加算して画像を得る信号処理手段とを具備するレーダ装置。
  2. 前記アンテナは、部分アンテナ開口を用いて前記第1軸と前記第2軸のアレイを形成する請求項1記載のレーダ装置。
  3. 前記信号処理手段は、前記拡張アレイ処理で、必要に応じて振幅規格化を含めて複数回実施する請求項1または2に記載のレーダ装置。
  4. 前記信号処理手段は、前記拡張アレイ処理で、連続スイープ信号またはパルス変調したステップ周波数信号を送受信して、ビート周波数で目標を観測する請求項1乃至3いずれか記載のレーダ装置。
  5. 前記信号処理手段は、前記ビート周波数観測時に、スイープ毎に受信する近距離目標と、所定時間遅延後のスイープ毎に受信する遠距離目標とを分離し、遠距離目標については、遅延時間分に相当するビ−ト周波数ずれを含めてビ−ト周波数を算出して、狭帯域受信器でも、遠距離目標を観測する請求項4記載のレーダ装置。
  6. 第1軸に沿ってアンテナ素子を配置し、前記第1軸とは異なる第2軸に沿ってアンテナ素子を配置して平面アレイによるアンテナを形成し、
    前記第1軸、前記第2軸それぞれのアンテナ素子の出力をアナログ合成し、
    前記アナログ合成された前記第1軸、第2軸それぞれのアンテナ素子の出力を周波数変換してディジタル信号に変換し、
    少なくともいずれか一方の信号を、所定のウェイトを乗算して合成してビーム出力を得て、レンジ(fast-time)軸とドップラ(slow-time)軸の少なくともいずれか一方の軸で目標反射点を検出し、
    その目標反射点レンジ(fast-time)軸及びドップラ(slow-time)軸のレンジ−ドップラセルに対応するセルを抽出し、
    前記第1軸及び前記第2軸の各々において拡張アレイ処理を実施し、
    これによって得られた素子信号を用いて観測範囲を覆うようにビーム走査を含む所定の複素ウェイトを乗算して前記第1軸及び前記第2軸のマルチビームを形成し、または両者を乗算して観測範囲に狭ビーム幅のマルチビームを形成し、
    振幅加算して画像を得るレーダ装置のレーダ信号処理方法。
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