JP6612728B2 - レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法 - Google Patents

レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法 Download PDF

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Description

本実施形態は、拡張アレイ処理を適用したレーダ装置及びそのレーダ信号処理方法に関する。
従来のレーダ装置にあっては、レンジ分解能、ドップラ分解能の向上が要求されている。レンジ分解能を向上させるためには、送信周波数帯域を広くしたパルス圧縮等の処理が有効であるが、広帯域化が必要となる。一方、ドップラ分解能を向上させるためには、観測時間を長くする(ヒット数を増やす)必要があるが、その分、捜索フレームタイムが低下してしまう。
上記の対策のために、従来では、KR積アレイ(非特許文献1参照)等による拡張アレイ処理が適用されている。しかしながら、レーダ目標の場合には、反射点間で相関があるため、拡張アレイ処理の実行によって偽目標が発生することがあった。
KR積アレイ, Wing-Kin Ma, ‘DOA Estimation of Quasi-Stationary Signals With Less Sensors Than Sources and Unkown Spatial Noise Covariance: A Khatri-Rao Subspace Approach’, IEEE Trans. Signal Process., vol.58, no.4, pp.2168-2180, April(2010) SAR方式(ISAR)、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.280-283(1996) SAR方式(レンジ圧縮)、大内、‘リモートセンシングのための合成開口レーダの基礎’、東京電機大学出版局、pp.131-149(2003) SAR方式(Az圧縮)、大内、‘リモートセンシングのための合成開口レーダの基礎’、東京電機大学出版局、pp.171-178(2003) CFAR処理、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.87-89(1996) FMCW方式(アップチャープとダウンチャープ)、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.274-275(1996) FMICW, FRED E.Nathanson, 'RADAR DESIGN PRINCIPLES second edition', Scitech, pp452-454(1999)
以上述べたように、従来のレーダ装置において、レンジ分解能を向上させるためには、送信周波数帯域を広くしたパルス圧縮等が必要となるため、広帯域化が必要であった。一方、ドップラ分解能を向上させるためには、観測時間を長く(ヒット数を増やす)する必要があり、捜索フレームタイムが低下する問題があった。上記の対策のために、拡張アレイ処理が適用されているが、レーダ目標の場合に反射点間で相関があるため、拡張アレイ処理によって偽目標が発生する場合があった。
本実施形態は上記課題に鑑みなされたもので、周波数帯域が比較的狭い場合や、観測時間が比較的短い場合でも、レンジ分解能またはドップラ分解能の少なくともいずれかを高分解能化することのできるレーダ装置及びそのレーダ信号処理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本実施形態に係るレーダ装置は、レーダ受信信号からレンジ−ドップラ画像を生成し、前記レンジ−ドップラ画像から振幅スレショルドにより反射点Nallを抽出し、抽出された反射点Nallを近傍の点のN(N≦Nall)グループ毎に分離して、グループ毎にレンジ−ドップラ軸(fast-slow-time軸)に配置し、レンジ軸(Nr点)及びドップラ軸(Nd点)の各々で逆フーリエ変換して得たレンジ軸及びドップラ軸の少なくともいずれか一方について拡張アレイ処理を適用して、2Nr−1点または2Nd−1点とし、前記拡張アレイ処理を適用した軸についてはフーリエ変換して再度画像化し、前記N点についての画像結果を振幅重畳して高分解能画像を出力する。
すなわち、異なる2軸(A軸とB軸)信号の各々において、レンジ−ドップラ軸で目標反射点を分離した後、各々で拡張アレイ処理することにより、レーダ目標のように相関のある場合でも、偽目標を発生させずに、レンジ−ドップラ軸の高分解能化を図る。
第1の実施形態に係るレーダ装置の送受信系統の概略構成を示すブロック図。 第1の実施形態に係るレーダ装置において、拡張アレイ処理を適用した場合のレンジ−ドップラ高分解能処理の流れを示すブロック図。 第1の実施形態に係るレーダ装置の搭載レーダによるISAR処理を説明するための概念図。 第1の実施形態に係るレーダ装置において、ISAR画像から高分解能なレンジ−ドップラデータを得る処理の流れを示す概念図。 第2の実施形態に係るレーダ装置の送受信系統の概略構成を示すブロック図。 第2の実施形態に係るレーダ装置において、ISAR画像から高分解能なレンジ−ドップラデータを得る処理の流れを示す概念図。 第3の実施形態に係るレーダ装置の送受信系統の概略構成を示すブロック図。 第3の実施形態に係るレーダ装置において、ISAR画像から高分解能なレンジ−ドップラデータを得る処理の流れを示す概念図。 第4の実施形態に係るレーダ装置の送受信系統の概略構成を示すブロック図。 第5の実施形態に係るレーダ装置の送受信系統の概略構成を示すブロック図。 第5の実施形態に係るレーダ装置において、送信信号として生成される連続波スイープの信号波形を示す波形図。 第5の実施形態に係るレーダ装置において、ISAR画像から高分解能なレンジ−ドップラデータを得る処理の流れを示す概念図。 第6の実施形態に係るレーダ装置の送受信系統の概略構成を示すブロック図。 第6の実施形態に係るレーダ装置において、パルス送受信の場合と連続波送受信の場合を比較して示す波形図。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各実施形態の説明において、同一部分には同一符号を付して示し、重複する説明を省略する。
(第1の実施形態)RD軸分離後、拡張アレイ処理
図1乃至図4を参照して、第1の実施形態に係るレーダ装置を説明する。ここでは、飛翔体搭載用のレーダ装置(以下、搭載レーダ)を想定して説明する。
図1は本実施形態に係るレーダ装置の送受信系統の概略構成を示すブロック図、図2はレンジ−ドップラ高分解能化の具体的な処理の流れを示すブロック図、図3は搭載レーダによるISAR処理を説明するための概念図、図4はISAR画像から高分解能なレンジ−ドップラデータを得る処理の流れを示す概念図である。
このレーダ装置は、実開口ビームが目標に常に照射されるようにビームを向けて、合成開口時間(1サイクル)内でPRI(Pulse Repetition Interval)間隔で送信したパルス毎に、PRI内のレンジセル単位でデータを取得する。この取得データを用いてISAR(Inverse Synthetic Aperture Radar)処理(非特許文献2参照)を実施してISAR画像を得る。
図1において、送信信号生成器11はパルス変調した送信信号を生成するもので、この送信信号は送信分配器12でN系統に分配された後、ビ−ム制御器13によって送信ビームの指向方向に対応する移相量を設定された送信移相器141〜14Nで移相され、送信増幅器151〜15Nで電力増幅されて、サーキュレータ161〜16Nを経由してアンテナ素子171〜17Nから送出される。
目標からの反射信号は、アンテナ素子171〜17Nで捕捉され、サーキュレータ161〜16Nを経由して受信増幅器181〜18Nで低雑音増幅された後、ビーム制御器13によって受信ビームに対応する移相量を設定された受信移相器191〜19Nで移相され、受信合成器20で合成される。この合成受信信号は、受信器21で周波数変換及びAD変換されてディジタルの受信信号として出力され、レンジ圧縮器22でパルス圧縮によるレンジ圧縮が実施され、クロスレンジ圧縮器23でslow-time軸(PRI間)のFFT処理によるクロスレンジ圧縮が実施され、反射点抽出器24でCFAR(非特許文献5参照)等による反射点の抽出が実施される。
抽出された反射点は、近傍の点のN(N≦Nall)グループ毎にレンジ−ドップラ軸(fast-slow-time軸)に配置され、IFFT処理器25でレンジ軸(Na点)及びドップラ軸(Nb点)の各々で逆FFT処理される。これにより、レンジ軸及びドップラ軸において、目標信号の位相勾配に対応する信号を得る。この信号は、拡張アレイ処理器26の入力ベクトルXa(レンジ軸)とXb(ドップラ軸)となる。
拡張アレイ処理器26(図3の26a,26b)は、入力ベクトルXa(レンジ軸)とXb(ドップラ軸)をKR積アレイ処理し、その処理結果(Xkra,Xkrb)を新しい拡張アレイの信号(Xa,Xb)とする。この拡張アレイ処理された信号は、FFT処理器27(図3の27a,27b)でレンジ軸とドップラ軸についてFFT処理することで高分解能のレンジ−ドップラデータを得る。以上は、抽出した1点についての処理であり、これを全抽出点に対応してN回繰り返して、N通りのレンジ−ドップラデータを得る。これを振幅重畳器28(図3の28a,28b)で加算処理することでレンジ−ドップラ高分解能データが得られる。
上記構成において、以下に処理の流れを具体的に説明する。
まずレンジ圧縮について述べる(非特許文献3参照)。レンジ圧縮は、入力信号とレンジ圧縮用信号の相関処理であり、これを周波数領域で行う場合について定式化すると次の通りである。
Figure 0006612728
Figure 0006612728
Figure 0006612728
また、参照信号sref(線形チャープ信号)は次式で表現できる。
Figure 0006612728
この参照信号sref(t)のサンプル長を入力信号に合わせて0埋めした信号に置き換える。
Figure 0006612728
時間軸上に置き換えるには、このsを逆フーリエ変換すればよいが、この後のクロスレンジ圧縮(23)(Az圧縮、非特許文献4参照)を行うために、信号sの(ω,u)軸のままとする。次に、クロスレンジ圧縮を行うが、その参照信号は図3を参照して、次式で表現できる。
Figure 0006612728
Figure 0006612728
(3)式と(6)式を乗算して信号csを得る。
Figure 0006612728
これを用いて、u軸でFFT処理して信号fcs(ω,ku)を得る。
Figure 0006612728
FFT画像出力は、fcsのω軸に関する逆FFTにより算出できる。
Figure 0006612728
次に、CFAR(非特許文献5参照)等による反射点抽出(24)により、Σ系の画像出力を用いて、X−Y軸(レンジ−ドップラ軸に対応)画像の中で、振幅が所定のスレショルドを超えるセル(Nall個)を抽出する。
この抽出した信号を近傍の点のN(N≦Nall)グループ毎にレンジ−ドップラ軸(fast-slow-time軸)に配置する。次に、配置した抽出点をレンジ軸(Na点)及びドップラ軸(Nb点)の各々で逆FFT処理(25)を行う。これにより、レンジ軸及びドップラ軸において、目標信号の位相勾配に対応する信号を得ることができる。この信号が、拡張アレイ処理(26(図3の26a,26b))のための入力ベクトルXa(レンジ軸)とXb(ドップラ軸)となる。
Figure 0006612728
次に上記入力ベクトルの信号(Xa,Xb)を用いて、拡張アレイ処理として、KR積アレイ処理(非特許文献1参照)を行う。まず、相関行列は次式で表現できる。
Figure 0006612728
Figure 0006612728
この左端と上端の要素をベクトル化すると、次式となる。
Figure 0006612728
このXkra,Xkrbを新しい拡張アレイの信号(Xa,Xb)として、レンジ軸とドップラ軸について、FFT処理(27(図3の27a,27b))を行えば、高分解能のレンジ−ドップラデータを得ることができる。
以上は、抽出した1点についての処理であり、これを全抽出点に対応してN回繰り返すことで、N通りのレンジ−ドップラデータが得られるので、これを振幅重畳(28)する。以上の処理の概要を図4に示す。図4において、(a)はレンジ−ドップラ面におけるISAR画像、(b)は抽出点(A〜E)毎の分離画像、(c)はレンジ軸IFFT、拡張アレイ処理、レンジ軸FFTによる拡張アレイ処理+画像化の処理結果、(d)は各抽出点の画像を重畳したISAR画像を示している。
以上のように、本実施形態に係るレーダ装置によれば、レンジ−ドップラ画像を生成した後、振幅スレショルドにより抽出したNall点を近傍の点のN(N≦Nall)グループ毎に分離して、グループ毎にレンジ−ドップラ軸(fast-slow-time軸)に配置し、レンジ軸(Nr点)及びドップラ軸(Nd点)の各々で逆FFTして得たレンジ軸及びドップラ軸の少なくともいずれか一方の拡張アレイ処理を適用して、2Nr−1(2Nd−1)点として、拡張アレイ処理をした軸についてはFFTして再度画像化し、N点についての画像結果を振幅重畳して、高分解能な画像を得る。すなわち、異なる2軸(A軸とB軸)信号の各々において、レンジ−ドップラ軸で目標反射点を分離した後、各々で拡張アレイ処理することにより、レーダ目標のように相関のある場合でも、偽目標を発生させずに、レンジ−ドップラ軸の高分解能化を図ることができる。
なお、図3は搭載レーダの場合の図であるが、レンジ−ドップラデータ(RDデータ)が得られればよく、さらに高分解能化を図る場合にはISAR画像を取得することになる。またレーダ装置は搭載レーダのように移動する場合のみでなく、固定レーダの場合(目標は移動)でもよい。また、図4では、レンジ軸に拡張アレイ処理を適用する場合であるが、ドップラ軸についても同様の手法を適用できる。また、本実施形態ではレンジ軸とドップラ軸の両者について、各々独立に処理する場合について述べたが、必要に応じていずれか一方の軸の処理のみでもよい。
また、本実施形態では、拡張アレイ処理前のRDデータの分解能を向上するために、ISAR(逆合成開口レーダ)処理の内容で述べたが、通常のレンジ圧縮−クロスレンジ圧縮(FFT)のみを用いて、RDデータを生成して、所定の振幅スレショルド以上の点を抽出して拡張アレイの処理を実施するようにしてもよい。
(第2の実施形態)RD軸の拡張アレイ処理、並列処理
図5及び図6を参照して、第2の実施形態に係るレーダ装置を説明する。
第1の実施形態では、レンジ軸またはドップラ軸のいずれか一方の軸の高分解能化を図る手法について述べた。本実施形態では、両軸について高分解能化を図る例について述べる。
図5は第2の実施形態に係るレーダ装置の送受信系統の概略構成を示すブロック図、図6は第2の実施形態に係るレーダ装置において、ISAR画像から高分解能なレンジ−ドップラデータを得る処理の流れを示す概念図である。
図5において、レンジ−ドップラ画像生成後(〜23)に、Nall点の反射点抽出(24)を行い、近傍の点のN(N≦Nall)グループ毎にレンジ軸のKR処理(25R,26R,29R,27R)を行い、N枚のRDデータ(1〜N)を得る。一方、Nグループ毎に、ドップラ軸の拡張アレイ処理(25D,26D,29D,27D)を行う。この際、レンジ軸とドプラ軸の分解能を合わせるために、レンジ軸(ドップラ軸)のゼロ埋め(29R,29D)の後、FFT処理(27R,27D)を行う。レンジ軸とドップラ軸のKR処理をした結果の画像を重畳(振幅加算)(28)して、全体の高分解能なRDデータ(画像)を得る。以上の処理の概要を図6に示す。
図6において、(a)はレンジ−ドップラ面におけるISAR画像、(b)は抽出点(A〜E)毎の分離画像、(c)はレンジ軸拡張アレイ処理、(d)はドップラ軸拡張アレイ処理、(e)は各抽出点の画像を重畳したISAR画像を示している。
以上のように、本実施形態に係るレーダ装置によれば、レンジ−ドップラ画像を生成した後、振幅スレショルドにより抽出したNall点を近傍の点のN(N≦Nall)グループ毎に分離して、グループ毎にレンジ−ドップラ軸に配置し、レンジ軸及びドップラ軸についてIFFT処理した後、拡張アレイ処理を適用した結果より、レンジ軸及びドップラ軸について、分解能を合わせるためのゼロ埋めをした後、レンジ軸及びドップラ軸についてFFT処理して再度画像化し、N点についての画像結果を振幅重畳して、高分解能な画像を得る。すなわち、レンジ軸とドップラ軸の両者に拡張アレイ処理を適用することにより、両軸同時に高分解能化を図ることができる。
(第3の実施形態)RD軸の拡張アレイ処理、縦続処理
図7及び図8を参照して、第3の実施形態に係るレーダ装置を説明する。
第2の実施形態では、レンジ軸またはドップラ軸の両者を並行して高分解能化を図り、振幅加算することにより高分解能化を図る手法について述べた。本実施形態では、両軸について高分解能化を図る場合に、各々の軸を順に処理する例について述べる。
図7は第3の実施形態に係るレーダ装置の送受信系統の概略構成を示すブロック図、図8は第3の実施形態に係るレーダ装置において、ISAR画像から高分解能なレンジ−ドップラデータを得る処理の流れを示す概念図である。
図7において、高分解能化の処理は、レンジ軸、ドップラ軸の順で説明するが、逆の場合でもよい。図7において、レンジ−ドップラ画像生成後(21〜23)に、Nall点の反射点抽出(241)を行い、近傍の点のN(N≦Nall)グループ毎にレンジ軸のKR処理(25R,26R,27R)を行い、N枚のRDデータ(1〜N)を得る。次に、N枚のRDデータ毎に、N2all点の反射点抽出(242)を行う。N枚の各々で反射点数が異なる場合もあるが、簡単のため、例えば所定の数N2all以下の点数を抽出することとする。この近傍の点のN2(N2≦N2all)グループ毎に、ドップラ軸の拡張アレイ処理を行う(25D,26D,27D)。以上の処理により、N×N2枚の加算した高分解能なRDデータが得られるため、これを重畳(振幅加算)(28)して、全体の高分解能なRDデータ(画像)を得る。以上の処理の概要を図8に示す。
図8において、(a)はレンジ−ドップラ面におけるISAR画像、(b)は抽出点(A〜E)毎の分離画像、(c)はレンジ軸拡張アレイ処理、(d)はドップラ軸拡張アレイ処理、(e)は各抽出点の画像を重畳したISAR画像を示している。
以上のように、本実施形態に係るレーダ装置によれば、レンジ−ドップラ画像を生成した後、振幅スレショルドにより抽出したNall点を近傍の点のN(N≦Nall)グループ毎に分離して、グループ毎にレンジ−ドップラ軸に配置し、レンジ軸(ドップラ軸)について、拡張アレイ処理を適用した結果より、振幅スレショルドにより抽出したN2点を各々分離し、抽出した各点毎にレンジ−ドップラ軸に配置し、ドップラ軸(レンジ軸)について拡張アレイ処理を行い、ドップラ軸(レンジ軸)についてはFFT処理して再度画像化し、N2点についての画像結果を振幅重畳して、高分解能な画像を得る。すなわち、レンジ軸とドップラ軸の両者に拡張アレイ処理を適用することにより、両軸同時に高分解能化を図ることができる。
(第4の実施形態)複数回KR積
図9を参照して、第4の実施形態に係るレーダ装置を説明する。
第1乃至第3の実施形態における拡張アレイ処理では、1回だけKR積処理を行う場合について説明したが、KR積アレイでは、(12)及び(13)式に示すように、1回の処理で波源信号XinとXinの乗算により実数(振幅)になるため、複数回繰り返しても波源信号は実数のままであり、SN(信号対雑音電力比)以外の影響はない。このため、所定のSN以上であれば、KR積アレイ処理を複数回繰り返すと、さらに角度軸高分解能化を図ることができる。
図9は第4の実施形態に係るレーダ装置の送受信系統の概略構成を示すブロック図である。この場合、拡張アレイ処理を複数回行う構成(26a)に特徴がある。すなわち、初期アレイ長をMとすると、1回の拡張アレイ処理により、アレイ長は2M―1になるため、例えば、3回繰り返すと、レンジ軸(ドップラ軸)の信号アレイ長は次のようになる。
Figure 0006612728
信号アレイ長が増えると、レンジ軸(ドップラ軸)の高分解能化が図られることになるのと等価である。KR積処理が複数回(26a)になっている点が第1乃至第3の実施形態と異なる点である。
(第5の実施形態)ビート周波数
図10乃至図12を参照して、第5の実施形態に係るレーダ装置を説明する。
図10は第5の実施形態に係るレーダ装置の送受信系統の概略構成を示すブロック図、図11は第5の実施形態に係るレーダ装置において、送信信号として生成される連続波スイープの信号波形を示す波形図、図12は第5の実施形態に係るレーダ装置において、ISAR画像から高分解能なレンジ−ドップラデータを得る処理の流れを示す概念図である。
複数反射点による拡張アレイ処理では、複数反射点の相関を極力低減することが肝要となる。このための手法として、広帯域信号を送受信して、レンジ分解能を向上させる手法がある。ただし、広帯域信号に対応するには、レンジサンプリング速度を高くする必要があり、処理規模が増大してしまう。この対策のために、連続波スイープ信号(非特許文献6参照)か、パルス変調したステップ周波数(非特許文献7参照)を送信し、受信はローカル信号をスイープして、ビート周波数による観測にする手法がある。図10に示すレーダ装置では、送信信号生成器11aにおいて、図11に示すスイープ信号を生成し、FFT処理器30,31において、受信側で受信出力にFast-time FFT(30)、Slow-time FFT(31)の処理を行う。
すなわち、ビート周波数fbは、次式で与えられる。
Figure 0006612728
ビート周波数fbは、目標距離成分と目標速度成分から決まる。受信ロ−カル信号もスイープすることにより、受信信号の周波数は差分となり、目標距離や目標速度が所定の値以下であれば、スイープ周波数帯域よりもビート周波数は小さくなるため、受信器21は小型になる。
ビート周波数による観測の場合、図11に示すように、スイープ時間軸をfast-time、スイープ間の軸をslow-timeとすると、Fast-time FFT処理(30)を行い、さらにSlow-time FFT処理(31)を行って、レンジ(Fast-time)軸−ドップラ(Slow-time)軸でN点の反射点を抽出(24)することができる。この抽出した反射点の各々について、図12((a)はレンジ−ドップラ面におけるISAR画像、(b)は抽出点(A〜E)毎の分離画像、(c)はレンジ軸IFFT、拡張アレイ処理、レンジ軸FFTによる拡張アレイ処理+画像化の処理結果、(d)は各抽出点の画像を重畳したISAR画像を示している。)に示すように、第1乃至第4の実施形態と同様に、レンジ軸(ドップラ軸)でIFFT処理(25)を行えば、位相勾配に対応するアレイ信号fp(slow,fast)信号を得ることができる。これを、第1の実施形態の(10)式のfp(t,ku)と置き換えれば、第1の実施形態と同様の手法の(11)式〜(14)式の手順で拡張アレイ信号のレンジ軸Xkra、ドップラ軸Xkrbを得ることができる。また、レンジ軸及びドップラ軸でFFT処理(27)を行って重畳(28)を行うようにすれば、高分解能のレンジ−ドップラデータ(fast time-slow timeデータ)を得ることができる。
以上のように、第5の実施形態に係るレーダ装置によれば、連続スイープ信号、またはパルス変調したステップ周波数信号を送受信して、ビート周波数を観測する。すなわち、連続スイープ信号を用いてビート周波数を観測することにより、レンジ分解能を向上させるために広帯域信号を用いる場合でも、ビ−ト周波数は低いため、ハードウェア規模を増やさずに、拡張アレイ処理によるレンジ−ドップラ軸の高分解能化を図ることができる。
(第6の実施形態)遠距離ビート周波数
図13及び図14を参照して、第6の実施形態に係るレーダ装置を説明する。
図13は第6の実施形態に係るレーダ装置の送受信系統の概略構成を示すブロック図、図14は第6の実施形態に係るレーダ装置において、パルス送受信の場合と連続波送受信の場合を比較して示す波形図である。
第5の実施形態では、ビート周波数による観測手法について述べた。この場合、目標距離による遅延時間により、遠距離の場合にはビート周波数が高くなり、連続波を使うことによる受信周波数帯域の低減の効果が小さくなる。この対策のため、本実施形態では、図13に示すように、受信器32でローカル周波数の開始時間を時間方向にずらす。ずらす時間Tdとしては、目標観測距離範囲を決めて、ビート周波数幅が所定値以下になるようにすればよい。受信信号は、レンジ補正器33にて、時間Tdだけずらせたローカル信号毎に目標信号のビート周波数を補正する。以降の処理は、第5の実施形態と同様である。
なお、目標観測距離範囲が広い場合には、観測ビート周波数幅が所定の値以下になるように目標観測距離範囲を分割し、受信系を分割数分用意して、ローカル周波数の時間遅延を設定すればよい。分割したローカル信号の重複期間については、重複したローカル信号の各々で処理した目標受信振幅のうち、最も大きい振幅について目標の距離を算出すればよい。目標距離が遠距離のみ等に限定できる場合は、時間Tdを調整して、その観測時間範囲のみにローカル信号を設定してもよい。
以上のように、第6の実施形態に係るレーダ装置によれば、ビート周波数観測時に、スイープ毎に受信する近距離目標と、時間遅延(Td)後のスイープ毎に受信する遠距離目標を分離し、遠距離目標については、Td分に相当するビ−ト周波数ずれを含めてビ−ト周波数を算出して、狭帯域受信器でも遠距離目標を観測するようにした。すなわち、遠距離目標の場合には、距離に対する時間遅延後のスイープにおいて受信されるが、スイープ毎に受信される近距離目標と分離して、時間遅延分ビート周波数を補正することにより、遠距離目標のビート周波数を正しく算出できるため、ビート周波数を低くして、狭帯域受信器でもハードウェア規模を増やさずに、拡張アレイ処理によるレンジ−ドップラ軸の高分解能化を図ることができる。
上述したように、各実施形態のレーダ装置は、レンジ−ドップラ軸に拡張アレイ処理を適用することで、周波数帯域が比較的狭い場合や、観測時間が比較的短い場合でも、レンジ分解能またはドップラ分解能の少なくともいずれか一方を高分解能化することができる。
なお、本発明は上記実施形態をそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11,11a…送信信号生成器、12…送信分配器、13…ビ−ム制御器、141〜14N…送信移相器、151〜15N…送信増幅器、161〜16N…サーキュレータ、171〜17N…アンテナ素子、181〜18N…受信増幅器、191〜19N…受信移相器、20…受信合成器、21…受信器、22…レンジ圧縮器、23…クロスレンジ圧縮器、24,241,242…反射点抽出器、25,25R,25D…IFFT処理器、26,26a,26b,26R,26D…拡張アレイ処理器、27,27a,27b,27R,27D…FFT処理器、28,28a,28b…振幅重畳器、29R,29D…ゼロ埋め処理器、30…Fast-time FFT処理器、31…Slow-time FFT処理器、32…受信器、33…レンジ補正器。

Claims (7)

  1. レーダ受信信号からレンジ−ドップラ画像を生成する画像生成手段と、
    前記レンジ−ドップラ画像から振幅スレショルドにより反射点Nallを抽出する抽出手段と、
    前記抽出された反射点Nallを近傍の点のN(N≦Nall)グループ毎に分離して、グループ毎にレンジ−ドップラ軸(fast-slow-time軸)に配置し、レンジ軸(Nr点)及びドップラ軸(Nd点)の各々で逆フーリエ変換して得たレンジ軸及びドップラ軸の少なくともいずれか一方について拡張アレイ処理を適用して、2Nr−1点または2Nd−1点とする拡張アレイ処理手段と、
    前記拡張アレイ処理を適用した軸についてはフーリエ変換して再度画像化する再画像化手段と、
    前記N点についての画像結果を振幅重畳して高分解能画像を出力する重畳手段と
    を具備するレーダ装置。
  2. 前記拡張アレイ処理手段は、前記レンジ軸及びドップラ軸について逆フーリエ変換した後、拡張アレイ処理を適用した結果より、レンジ軸及びドップラ軸について、分解能を合わせるためのゼロ埋めを行う請求項1記載のレーダ装置。
  3. 前記拡張アレイ処理手段は、前記レンジ軸またはドップラ軸について、拡張アレイ処理を適用した結果より、振幅スレショルドにより抽出したN2点を各々分離し、抽出した各点毎にレンジ−ドップラ軸に配置し、ドップラ軸またはレンジ軸について、拡張アレイ処理を行い、
    前記重畳手段は、前記N2点についての画像結果を振幅重畳して高分解能画像を出力する請求項1記載のレーダ装置。
  4. 前記拡張アレイ処理手段は、前記拡張アレイ処理を必要に応じて振幅規格化を含めてNkr回実施する請求項1乃至3のいずれか記載のレーダ装置。
  5. 前記画像生成手段は、連続スイープ信号、またはパルス変調したステップ周波数信号を送受信して、ビート周波数観測してレンジ−ドップラ画像を生成する請求項1乃至4のいずれか記載のレーダ装置。
  6. 前記画像生成手段は、ビート周波数観測時に、各スイープ毎に受信する近距離目標と、時間遅延(Td)後のスイープ毎に受信する遠距離目標を分離し、遠距離目標については、Td分に相当するビ−ト周波数ずれを含めてビ−ト周波数を算出して遠距離目標を観測する請求項5記載のレーダ装置。
  7. レーダ受信信号からレンジ−ドップラ画像を生成し、前記レンジ−ドップラ画像から振幅スレショルドにより反射点Nallを抽出し、抽出された反射点Nallを近傍の点のN(N≦Nall)グループ毎に分離して、グループ毎にレンジ−ドップラ軸(fast-slow-time軸)に配置し、レンジ軸(Nr点)及びドップラ軸(Nd点)の各々で逆フーリエ変換して得たレンジ軸及びドップラ軸の少なくともいずれか一方について拡張アレイ処理を適用して、2Nr−1点または2Nd−1点とし、前記拡張アレイ処理を適用した軸についてはフーリエ変換して再度画像化し、前記N点についての画像結果を振幅重畳して高分解能画像を出力するレーダ装置のレーダ信号処理方法。
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