JP6178244B2 - 合成開口レーダ装置及びその画像処理方法 - Google Patents

合成開口レーダ装置及びその画像処理方法 Download PDF

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Description

本実施形態は、合成開口レーダ装置及びその画像処理方法に係り、特に固定目標と移動目標が混在する環境下において、固定目標と移動目標を識別出力する技術に関する。
従来の合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)装置では、SAR処理において、固定目標の場合は合成開口時間内で一定の位置にあるため、合成開口長Lの大開口アレイとして、固定目標に対して位相を合わせて最大ベクトルとなるように合成することが可能であり、正しい位置に画像化が可能である(非特許文献1,2,3参照)。
一方、移動目標の場合は、合成開口時間内でその位置が変化するため、位相が変化して大開口アレイの波面ずれが生じてしまい、正しい位置からシフトした位置に画像が生成される。これが画像シフトと呼ばれる現象であり、固定目標に移動目標を重畳すると、固定目標と移動目標の相対位置関係に大きな誤差が生じる課題があった(非特許文献4参照)。また、処理規模の制約等の理由で画像化範囲が狭い場合には、画像シフトの影響で移動目標が画像化できず、検出できない場合があった。
SAR方式(レンジ圧縮):大内、"リモートセンシングのための合成開口レーダの基礎"、東京電機大学出版局、pp.131-149(2003) SAR方式(Az圧縮):大内、"リモートセンシングのための合成開口レーダの基礎"、東京電機大学出版局、pp.171-178(2003) SAR方式(大開口アレイ合成、スポットライトSAR):吉田、‘改定レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.280-283(1996) SAR方式(移動体の画像シフト):大内、"リモートセンシングのための合成開口レーダの基礎"、東京電機大学出版局、pp.218-223(2003) SAR処理方式(ポーラフォーマット変換再構成処理):MEHRDAD SOUMEKH,"Synthetic Aperture Radar Signal Processing", JOHN WILEY & SONS,INC.,pp.319-325(1999)
以上述べたように、従来の合成開口レーダ装置では、固定目標に移動目標を重畳すると、固定目標と移動目標の相対位置関係に大きな誤差が生じる課題があった。また、画像化範囲が狭い場合には、画像シフトの影響で移動目標を画像化することができず、検出できない場合があった。
本実施形態は上記課題に鑑みなされたもので、画像化範囲の広さにかかわらず、移動目標を画像化して検出し、正しい位置に表示することのできる合成開口レーダ装置とその画像処理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本実施形態に係る合成開口レーダ装置は、被搭載移動体の移動に伴ってレーダ波のビーム方向を電子的に走査制御しながら合成開口処理する合成開口レーダ装置において、前記被搭載移動体の移動軸に従って、合成開口の受信サイクル毎に、レーダ波の受信信号をレンジ方向、アジマス角方向に、それぞれパルス圧縮用の参照信号とAz圧縮用の参照信号を用いて、レンジ圧縮及びAz圧縮する圧縮手段と、前記レンジ圧縮及びAz圧縮されたレンジ−周波数軸の出力画像(FFT画像)の振幅の最大から2以上の自然数であるN番目までの極値を算出する極値算出手段と、前記最大からN番目までの極値付近それぞれについて、前記レンジ−周波数軸に対応するレンジ−クロスレンジ軸上で画像中心のオフセット値を設定して、前記Az圧縮用の参照信号にオフセット補正を施す補正手段と、前記最大からN番目までの極値について、前記オフセット補正が施された参照信号を用いて、ポーラフォーマット変換によりSAR(Synthetic Aperture Radar)処理して移動目標の画像化と検出を行う移動目標処理手段とを具備する態様とする。
第1の実施形態に係る合成開口レーダ装置の構成を示すブロック図。 図1に示す装置において、信号処理部の処理の流れを示すフローチャート。 図1に示す装置において、合成開口処理における画像化範囲を説明するための概念図。 図1に示す装置において、機体フライト軸(飛翔経路)と画像化範囲との位置関係を示す概念図。 図1に示す装置において、オフセット前後のFFT画像を示す図。 図1に示す装置において、FFT画像を生成するための処理の流れを示すフローチャート。 図1に示す装置において、ポーラフォーマット変換による画像処理の流れを示すフローチャート。 図1に示す装置において、ポーラフォーマット変換の処理内容を説明するための概念図。 図1に示す装置において、移動目標の振幅の極値を算出する方法を説明するための概念図。 第2の実施形態に係る合成開口レーダ装置の構成を示すブロック図。 図10に示す装置において、信号処理部の処理の流れを示すフローチャート。 図10に示す装置において、サイクル間の画像による速度算出の手法を説明するための概念図。 図10に示す装置において、サイクル間の画像による速度算出の手法を説明するための概念図。 図10に示す装置において、速度ベクトルの定義を説明するための図。 第3の実施形態に係る合成開口レーダ装置の構成を示すブロック図。 図15に示す装置において、信号処理部の処理の流れを示すフローチャート。 図15に示す装置において、補正前の画像と補正後の移動目標の位置での画像またはシンボルと固定目標の画像の重畳表示を示す図。 図15に示す装置において、移動目標のシンボル表示に移動目標の画像を重ねた様子を示す図。 第4の実施形態に係る合成開口レーダ装置の構成を示すブロック図。 図19に示す装置において、信号処理部の処理の流れを示すフローチャート。 図19に示す装置において、移動目標の画像またはシンボル表示に固定目標画像を重ねた様子を示す図。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1乃至図9を参照して、第1の実施形態に係る航空機搭載の合成開口レーダ装置を説明する。
図1はその系統構成を示すブロック図である。図1において、アンテナ1は複数のアンテナ素子を配列して大開口アレイを形成してなるフェーズドアレイアンテナであり、送受信器2の送受信部21から繰り返し供給される特定周波数の送信パルス信号(以下、PRF(Pulse Repetition Frequency)信号)を指定方向に送出してその反射波を受信する。送受信部21はアンテナ1の複数のアンテナ素子でそれぞれ受信された信号をビーム制御部22からの指示に従って位相制御を施し合成することで、画像化したい範囲に受信ビームを形成する。受信ビームで得られた受信信号は信号処理器3に送られる。
この信号処理器3は、AD(Analog-Digital)変換部31、レンジ圧縮部32、Az圧縮部33、第1の極大値抽出部34、オフセット量設定部35、オフセット補正Az圧縮部36、画像化部37、第2の極大値抽出部38、目標判定部39及び移動目標出力部40を備える。
上記AD変換部31は、送受信器2から供給されるPRF受信信号をディジタル信号に変換するもので、その変換結果はレンジ圧縮部32及びAz圧縮部33によるSAR処理部に送られる。
SAR処理部において、レンジ圧縮部32及びAz圧縮部33は、それぞれ合成開口の受信サイクル毎に、ディジタル化された開口アレイのPRF受信信号をレンジ(距離)方向、アジマス角方向に圧縮処理する。圧縮処理は、入力信号と圧縮用の参照信号との相関処理であり、これを周波数軸で行う(引用文献1参照)。具体的には、周波数軸上において、入力信号のFFT(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transform)結果と参照信号のFFT結果との乗算を行い、FFT画像を得る。
上記第1の極大値抽出部34は、SAR処理部で得られたFFT画像から受信サイクル毎に受信強度が極大値となるN点のセルを抽出する。オフセット量設定部35は、受信サイクル毎に抽出されたN点のセルそれぞれの周囲に、レンジ−周波数に対応するオフセット量を設定する。オフセット補正Az圧縮部36は、上記N点のセルに対して、設定されたオフセット量でオフセット補正を行った後、再度アジマス角方向に圧縮処理し、FFT画像を補正する。画像化部37は、オフセット補正されたFFT画像をポーラフォーマット変換によって位置補正し、SAR画像として出力する。
上記第2の極大値抽出部38は、SAR画像から再度極大値をとるセルを抽出する。目標判定部39は、抽出されたセルについて、極大値が最大となるセルを判定する。移動目標出力部41は、最大となる極大値をもつセルを移動目標と判定してその検出結果を出力する。
図2は上記構成によるレーダ装置における信号処理部3の具体的な処理の流れを示すフローチャートである。まず、送受信器2のPRF送受信により開口アレイのPRF受信信号を受けて(ステップS1)、AD変換部31によりディジタル信号に変換する(ステップS2)。続いて、レンジ圧縮部33及びAz圧縮部34によりレンジ圧縮及びAz圧縮を実施することでFFT画像を取得する(ステップS3,S4)。
その後、第1の極大値抽出部35により、SAR受信サイクル毎にFFT画像から強度振幅が極大値をとるセルをN点抽出してその周辺を0埋めし(ステップS5)、抽出されたNセルそれぞれの極大値を比較して最大値を抽出する(ステップS6)。このとき、極大値付近のレンジ−周波数に対応する画像中心のオフセット値(X、Y)を保存しておく(ステップS7)。
次に、最大値が振幅スレショルドを超えるか否かを判断し(ステップS8)、超えない場合には(NO)、ステップS5〜S7の処理を繰り返す。ステップS8で最大値が振幅スレッショルドを超えたと判断された場合(YES)には、オフセット量設定部35において、その最大値をとるセルに保存しておいたオフセット量を設定し(ステップS9)、オフセット補正Az圧縮部36にて、設定されたオフセット量でオフセット補正を行った後、再度アジマス角方向に圧縮処理し、FFT画像を補正する(ステップS10)。そして、画像化部37において、オフセット補正されたFFT画像をポーラフォーマット変換によって位置補正し、SAR画像として出力する(ステップS11)。
ここで、上記第2の極大値抽出部38により、SAR画像から強度振幅が極大値をとるセルをN点抽出してその周辺を0埋めし(ステップS12)、抽出されたNセルそれぞれの極大値を比較して最大値を抽出する(ステップS13)。このとき、最大値を示す極値を保存しておく(ステップS14)。
次に、最大値が振幅スレショルドを超えるか否かを判断し(ステップS15)、超えない場合には(NO)、ステップS12〜S14の処理を繰り返す。ステップS15で最大値が振幅スレッショルドを超えたと判断された場合(YES)には、目標判定部39において、最大値となった極値を持つセルを移動目標と判定し保存する(ステップS16)。ここでオフセット数が規定値に達したか否かを判定し(ステップS17)、既定値に達するまでは(NO)ステップS9〜S16の処理を繰り返し、オフセット数が規定値に達した場合には(YES)、移動目標と判定してその検出結果を出力し(ステップS18)、次のサイクルの処理に移行する。
上記構成及び処理内容について、さらに具体的に説明する。
まず、上記航空機搭載の合成開口レーダ装置におけるSAR処理について説明する。スポットライトSAR(非特許文献3参照)の場合、図3に示すように、飛翔経路上の航空機において、搭載レーダ装置では、実開口ビームを画像化範囲に常に向けて照射し、合成開口時間(1サイクル)内で、PRI間隔で送信したパルス毎に、PRI内のレンジセル単位でデータを取得する。この取得データを用いてSAR処理を実施してSAR画像を得る。なお、図3はスポットライトSARの場合の図であるが、SAR画像を得られれば、側方を観測するストリップマップSAR等の他の方式でもよい。図4に座標系の定義を示す。
次に、本実施形態の特徴とするFFT画像の生成方法とFFT画像における移動目標の値を抽出する方法について述べる。
まず、パルス圧縮によるレンジ圧縮を行う。パルス圧縮は、入力信号とパルス圧縮用の参照信号の相関処理であり、これを周波数軸で行う(引用文献1)。この場合、周波数軸上において、入力信号のFFT結果と参照信号のFFT結果の乗算を行う。
Figure 0006178244
時間軸上の信号に戻すには、パルス圧縮後の信号sを逆フーリエ変換すればよいが、このあとAz圧縮部33(クロスレンジ圧縮、引用文献2)を行うために、信号sは(ω,u )軸のままとする。
次にクロスレンジの参照信号fs0を生成する。
Figure 0006178244
前述の信号sとクロスレンジ圧縮用のfs0を乗算して、信号csを得る。
Figure 0006178244
これを用いて、u軸でFFTして信号fcs(ω、ku)を得る。
Figure 0006178244
FFT画像出力は、信号fcsのω軸に関する逆FFTにより算出できる。
Figure 0006178244
このFFT画像のオフセット補正について、図5及び図6を参照して説明する。図5において、(a)はFFT補正前、(b)はFFT補正後の表示内容を示している。図6は、FFT画像を生成する処理フロー示している。
FFT画像では、X軸がパルス圧縮によるレンジ(目標までの往復時間tに比例、t軸)、Y軸がFFTによるクロスレンジ(ドップラー成分に比例、ku軸)に対応する。固定目標の画像中心を(Xc,Yc)とすると、固定目標の画像化範囲は(Xc±X0,Yc±Y0)である。
一方、移動目標は、速度によるクロスレンジ軸の成分が発生するため、固定目標の範囲からはずれた位置にある。この移動目標の位置を抽出するため、振幅の大きい極値から順に抽出する。この極値を(t,ku)軸で(Xoff0,Yoff0)とする。
具体的には、図6に示すように、サンプリング時間t、合成開口軸のサンプルポイントuのデータを取得してsig(t,u)を求め(ステップS21)、t軸に対するフーリエ変換FFTxを求めてSin(ω,u)を算出する(ステップS22)。次に、レンジ圧縮して参照信号を求め、入力信号のFFT結果と参照信号のFFT結果を乗算する(ステップS23)。
続いて、オフセット補正及びAz圧縮処理を行って、再度、レンジ圧縮によりパルス圧縮後の信号sとクロスレンジ圧縮用の参照信号fs0 とを乗算することで、信号csを取得する(ステップS24)。この信号csについてフーリエ変換FFTy(ω,u)を行って周波数軸上の信号fcsを求め(ステップS25)、さらにω軸の逆フーリエ変換IFFTx(t,ku)を行うことでFFT画像出力fpを得る(ステップS26)。
次にポーラフォーマット変換によるSAR画像処理手法について、図7に示す処理フローを参照して説明する(引用文献5参照)。パルス圧縮後の信号sを得る処理(ステップS31〜S33)までは、図6に示した処理(S21〜S23)と同様である。ここでは、信号sを用いて、u軸に関してフーリエ変換し、fs(ω,ku)を求める(ステップS34)。
Figure 0006178244
次に、前述のFFT画像により抽出された移動目標の極値の座標(Xoff0,Yoff0)をもとに線形変換した値(Xcal,Ycal)を用いて、固定目標の画像中心をずらして移動目標の画像を中心に画像生成するためにオフセット補正を行う(ステップS35)。
Figure 0006178244
また、kx,kyは次式により求めることができる。
Figure 0006178244
ここで、線形変換の係数Ax,Ay,Bx,Byは、予め基準となる(Xoff0,Yoff0)を複数決めておき、その基準から所定の(X,Y)の範囲内(グループ)の場合に、オフセット補正した(Xcal,Ycal)を用いてFFT画像を生成した場合に、移動目標の画像が図5のポーラフォーマット変換領域の中心付近になるように決めてテーブル化しておく。実データでFFTした画像の(Xoff0,Yoff0)を抽出した場合に、予め決めたグループに対応するテーブルの係数を抽出すればよい。
このクロスレンジ参照信号を用いて、次式によりfsmを算出する。
Figure 0006178244
続いて、fsmを用いて、図8に示すポーラフォーマット変換を行い、kx−ky軸上の格子点のデータF(kx,ky)を生成する(ステップS36)。ポーラフォーマット変換は、取得データを用いて、(kx,ky)軸の格子点のデータを、内挿手法等を用いて算出する手法であり、細部については引用文献5の通りであり割愛する。このfsmを用いて、2次元逆FFTにより画像を出力する(ステップS37)。
Figure 0006178244
以上により、移動目標に関する高精度なSAR画像が得られる。このSAR画像を用いて移動目標の位置を抽出する。これには次に述べる極値抽出を行う。
N通りのSAR画像は、振幅強度の配列であり、I(n)(x,y)と表現する。ここで、xはレンジ、yはクロスレンジである。また、参照信号毎に形成した画像の様子を図9に示す。オフセット補正された参照信号毎に、対応する移動目標の振幅が大きくなる。
次に、I(n)(x,y)より、極大値を抽出する。この方式としては、例えば、次の手順とする。
(1) I(n)(x,y)画像の強度をIamp(n)(x,y)として、Iamp(n)の最大値を算出し最大値となるx,yを抽出する。
(2) このx,yの周囲の所定の範囲の強度をゼロとする。
以降、極大値が所定の振幅以下になるまで(1)、(2) を繰り返して、極大値となるIamp(n)(x,y)を抽出する。本処理により、N通りのオフセット信号に対する極大値による移動目標の位置P0(X,Y)が得られる。
(第2の実施形態)
図10乃至図13を参照して、第2の実施形態に係る航空機搭載の合成開口レーダ装置を説明する。
第1の実施形態は、移動目標の画像を生成し検出するものであるが、本実施形態ではさらに移動目標の画像ずれを補正することを考える。このためには移動目標の速度を算出する必要がある。
図10はその系統構成を示すブロック図、図11は図10に示す信号処理部の処理の流れを示すフローチャートである。尚、図10及び図11において、図1及び図2と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
本実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、信号処理部3において、目標判定部39、移動目標出力部40に代わり、速度算出部41及び画像補正部42を追加した点にある。速度算出部41は、第2の極大値抽出部38の抽出結果について、前サイクルの極大値の位置を入力し(図11のステップS41)、今回の極大値の位置との差分を速度換算して移動目標の速度を算出する(図11のステップS42)。画像補正部42は、速度算出部41で得られた速度に基づいて移動目標の位置を補正し(図11のステップS43)、その補正結果を図11に示したステップS16の移動目標の位置として保存する。
上記移動目標の速度算出については、図12に示すように、サイクル毎(1〜N)について同様の処理を行い、画像化範囲におけるサイクル毎の移動目標の位置座標(X,Y)を得て、サイクル間の時間差を用いて算出する。この様子を図13に示す。図13(a)は、サイクル1〜Nについてオフセット補正されたSAR画像毎の移動目標の位置を示し、同図(b)は、各サイクル1〜NのSAR画像から移動目標の座標位置を取得し、時間差と極値の座標位置の差分により、移動目標の速度を算出する様子を示している。以下に算出式を示す。
Figure 0006178244
上式から求めた速度を用いて、画像シフトした移動目標の位置座標を補正する。このために、基準速度Vrefを定義する。Vrefは、基準速度Vref0を中心に、ΔVref毎に区切った速度とする。
Figure 0006178244
なお、基準速度は、等間隔に区切らなくてもよい。
(13)式により算出した速度Vx, Vyを用いて、ラジアル速度Vrを次式により算出する(図14参照)。
Figure 0006178244
このラジアル速度と(14)式の基準速度を比較し、Vr(n)に最も近い基準速度Vref(m)を選定する。この基準速度を用いて、次式により移動目標の位置を補正する。
Figure 0006178244
各数値の係数の算出方法は次の手順による。
(手順1)
基準位置(Prefx(m),Prefy(m))、基準速度(Vref(m))の移動目標を発生させ、(12)式の出力の移動目標の位置を真の位置に補正するように(Pbiasx(m),Pbiasy(m))を決める。また、このときの(9)式で算出できる(Xcal(n),Ycal(n))を(Xref(m),Yref(m))とし、また(15)式で算出できるVr(n)をVref(n)として保存する。また、(12)式の出力の位置(Px(n),Py(n))を(Prefx(m),Prefy(m))として保存する。
(手順2)
移動目標のラジアル速度をΔVずらせた場合に、スクイント角θsの場合に(Vx,Vy)=(ΔV・sinθc、ΔV・cosθc)として、(12)式の出力の移動目標の位置を真の位置に補正するように、(Vcalx(m),Vcaly(m)),(Voffx(m),Voffy(m))を決める。
(手順3)
移動目標の位置を(ΔPx,ΔPy)ずらせた場合に、(12)式の出力位置を真の位置に補正するように、(Pcalx(m),Pcaly(m))を決める。
以上により、
基準速度Vref(m)毎の係数(Vref(m),Xref(m),Prefx(m),Yref(m),Prefy(m),)、
補正係数(Vcalx(m),Voffx(m),Pcalx(m),Vcaly(m),Voffy(m),Pcaly(m))
を決め、(16)式を用いれば、補正後の移動目標の位置を算出することができる。
本実施形態の処理は、移動目標の場合は、ドップラー成分によってずれた位置に画像が生成されることを利用して、移動目標の画像を抽出して、サイクル間の位置ずれから速度を算出し、移動目標の位置を補正する手法である。FFT画像の移動目標の位置から速度を算出することもできるが、ポーラフォーマット変換を用いる場合のようにデータ補間を行っていないため、レンジマイグレーションの影響を受けてしまい、画像の精度が低く、高精度に速度を算出することができない。
この対策として、本実施形態では、FFT画像で抽出した移動目標のオフセット量による補正後の値を用いて、ポーラフォーマット変換とFFTを用いて、高精度に画像生成しているので、算出速度の精度を向上し、高精度に位置補正が可能である。
(第3の実施形態)
以上の実施形態によれば、画像シフトを補正した移動目標の位置を出力することができる。そこで、本実施形態では、画像表示する方式について述べる。
図15はその系統構成を示すブロック図、図16は図15に示す信号処理部の処理の流れを示すフローチャートである。尚、図15及び図16において、図10及び図11と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
本実施形態において、第2の実施形態と異なる点は、信号処理部3において、速度算出部43として、図10に示した第2の実施形態の速度算出部41に移動目標画像の抽出機能(図16のステップS44)を追加した点にある。本実施形態では、オフセット補正した画像の中で移動目標を示す画像の位置がわかるため、その位置を中心に所定の範囲の画像を抽出し、算出した補正位置に表示する。
図17に、抽出した移動目標の画像を表示する場合の例を示す。図17(a)はオフセット補正前に抽出された移動目標画像及び固定目標画像の表示例、図17(b)はオフセット補正前の画像から補正後の位置を算出した場合の移動目標補正位置を示すシンボルと固定目標画像の表示例、図17(c)は補正後の移動目標画像と固定目標画像の表示例を示している。
尚、図17では固定目標を同時に表示する場合を示したが、移動目標のシンボルのみでもよい。図18にその表示例を示す。図18(a)は移動目標をシンボルで表示する場合、図18(b)は移動目標を画像及びシンボルで表示する場合を示している。
(第4の実施形態)
第3の実施形態では、移動目標に着目して移動目標の画像またはシンボルを表示する手法について示した。本実施形態では、さらに固定目標を表示する手法について述べる。図19はその系統構成を示すブロック図、図20は図19に示す信号処理部の処理の流れを示すフローチャートである。尚、図19及び図20において、図15及び図16と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
本実施形態では、信号処理部3において、速度算出部43における移動目標画像の抽出(図20のステップS41〜S44)及び移動目標の保存処理(図20のステップS16)と並行して、レンジ圧縮部32のレンジ圧縮結果についてAz圧縮を行い(図20のステップS51)、ポーラフォーマット変換により画像化して(図20のステップS52)、固定目標として保存する(図20のステップS53)。そして、固定・移動目標処理部44において、固定目標と移動目標の統合処理を行い(図20のステップS54)、固定・移動目標出力部45において、固定目標(画像)と移動目標(シンボルまたは画像)を共に表示する画像を出力する(ステップS55)。
すなわち、固定目標は、オフセット補正しない場合のレンジ圧縮及びAz圧縮により画像生成する。その画像とオフセット補正した移動目標の画像を重畳表示すれば、固定目標及び移動目標を正しい位置関係で表示することができる。
図21にその表示例を示す。図21(a)は固定目標を画像で表示し、移動目標をシンボルで表示する場合を示している。また、図21(b)は固定目標を画像で表示し、移動目標を画像及びシンボルで合わせて表示する場合を示している。
なお、合成開口処理方式については、ポーラフォーマット変換画像再構成処理(引用文献5)について説明したが、他の合成開口処理方式でよいのは言うまでもない。
また、スポットライトSARの場合について述べたが、側方監視のストリップマップSAR(サイドルッキングマッピングに同じ、非特許3)の場合でも本実施形態を適用できるのは言うまでもない。
以上のように、本実施形態は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…アンテナ、2…送受信器、21…送受信部、22…ビーム制御部、3…信号処理器、31…AD(Analog-Digital)変換部、32…レンジ圧縮部、33…Az圧縮部、34…第1の極大値抽出部、35…オフセット量設定部、36…オフセット補正Az圧縮部、37…画像化部、38…第2の極大値抽出部、39…目標判定部、40…移動目標出力部、41…速度算出部、42…画像補正部、43…速度算出部、44…固定・移動目標処理部、45…固定・移動目標出力部。

Claims (8)

  1. 被搭載移動体の移動に伴ってレーダ波のビーム方向を電子的に走査制御しながら合成開口処理する合成開口レーダ装置において、
    前記被搭載移動体の移動軸に従って、合成開口の受信サイクル毎に、レーダ波の受信信号をレンジ方向、アジマス角方向に、それぞれパルス圧縮用の参照信号とAz圧縮用の参照信号を用いて、レンジ圧縮及びAz圧縮する圧縮手段と、
    前記レンジ圧縮及びAz圧縮により生成したレンジ−周波数軸の出力画像の振幅の最大から2以上の自然数であるN番目までの極値を算出する極値算出手段と、
    前記最大からN番目までの極値付近それぞれについて、前記レンジ−周波数軸に対応するレンジ−クロスレンジ軸上で画像中心のオフセット値を設定して、前記Az圧縮用の参照信号にオフセット補正を施す補正手段と、
    前記最大からN番目までの極値について、前記オフセット補正が施された参照信号を用いて、ポーラフォーマット変換によりSAR(Synthetic Aperture Radar)処理して移動目標の画像化と検出を行う移動目標処理手段と
    を具備する合成開口レーダ装置。
  2. 前記移動目標処理手段は、前記SAR処理を時間の異なる少なくとも2回以上の複数サイクルで繰り返し、SAR画像位置の差分と時間差により速度を算出し、その速度を用いて前記移動目標の位置を補正する請求項1記載の合成開口レーダ装置。
  3. さらに、前記SAR画像位置を補正して得られる前記移動目標の位置に前記移動目標の画像またはシンボルを表示させる表示制御手段を備える請求項2記載の合成開口レーダ装置。
  4. さらに、前記レンジ圧縮及びAz圧縮された信号からオフセットを設定しない固定目標の画像を取得する固定目標画像取得手段を備え、
    前記表示制御手段は、前記固定目標の画像を前記移動目標の画像またはシンボルと重畳表示する請求項3記載の合成開口レーダ装置。
  5. 被搭載移動体の移動に伴ってレーダ波のビーム方向を電子的に走査制御しながら合成開口処理する合成開口レーダ装置の画像処理方法において、
    前記被搭載移動体の移動軸に従って、合成開口の受信サイクル毎に、レーダ波の受信信号をレンジ方向、アジマス角方向に、それぞれパルス圧縮用の参照信号とAz圧縮用の参照信号を用いて、レンジ圧縮及びAz圧縮を行い、
    前記レンジ圧縮及びAz圧縮により生成したレンジ−周波数軸の出力画像の振幅の最大から2以上の自然数であるN番目までの極値を算出し、
    前記最大からN番目までの極値付近それぞれについて、前記レンジ−周波数軸に対応するレンジ−クロスレンジ軸上で画像中心のオフセット値を設定して、前記Az圧縮用の参照信号にオフセット補正を施し
    前記最大からN番目までの極値について、前記オフセット補正が施された参照信号を用いて、ポーラフォーマット変換によりSAR(Synthetic Aperture Radar)処理して移動目標の画像化と検出を行う合成開口レーダ装置の画像処理方法。
  6. 前記移動目標の処理は、前記SAR処理を時間の異なる少なくとも2回以上の複数サイクルで繰り返し、SAR画像位置の差分と時間差により速度を算出し、その速度を用いて前記移動目標の位置を補正する請求項5記載の合成開口レーダ装置の画像処理方法。
  7. さらに、前記SAR画像位置を補正して得られる前記移動目標の位置に前記移動目標の画像またはシンボルを表示させる請求項6記載の合成開口レーダ装置の画像処理方法。
  8. さらに、前記レンジ圧縮及びAz圧縮された信号からオフセットを設定しない固定目標の画像を取得し、
    前記固定目標の画像を前記移動目標の画像またはシンボルと重畳表示する請求項7記載の合成開口レーダ装置の画像処理方法。
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