JP6178222B2 - 合成開口レーダ装置及びその画像処理方法 - Google Patents

合成開口レーダ装置及びその画像処理方法 Download PDF

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Description

本実施形態は、移動体に搭載され、移動目標を画像化する合成開口レーダ装置及びその画像処理方法に係り、特に固定目標と移動目標が混在する環境下において、合成開口処理を用いて固定目標と移動目標を識別出力する技術に関する。
従来の合成開口レーダ装置では、SAR(Synthetic Aperture Radar)処理において、固定目標の場合は合成開口時間内で一定の位置にあるため、合成開口長Lの大開口アレイとして、固定目標に対して位相を合わせて最大ベクトルとなるように合成することが可能であり、正しい位置に画像化が可能である(非特許文献1,2,3参照)。
一方、移動目標の場合は、合成開口時間内で位置が変化するため、位相が変化して大開口アレイの波面ずれが生じてしまい、正しい位置からシフトした位置に画像が生成される。これが画像シフトと呼ばれる現象であり、固定目標に移動目標を重畳すると、固定目標と移動目標の相対位置関係に大きな誤差が生じる課題があった(非特許文献4参照)。また、複数の移動目標がある場合には、前の航跡との相関処理の際に、航跡と観測値の対応を誤り、追跡をロストする場合もあった。
SAR方式(レンジ圧縮):大内、"リモートセンシングのための合成開口レーダの基礎"、東京電機大学出版局、pp.131-149(2003) SAR方式(Az圧縮):大内、"リモートセンシングのための合成開口レーダの基礎"、東京電機大学出版局、pp.171-178(2003) SAR方式(大開口アレイ合成、スポットライトSAR):吉田、‘改定レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.280-283(1996) SAR方式(移動体の画像シフト):大内、"リモートセンシングのための合成開口レーダの基礎"、東京電機大学出版局、pp.218-223(2003) SAR処理方式(ポーラフォーマット変換再構成処理):MEHRDAD SOUMEKH,"Synthetic Aperture Radar Signal Processing", JOHN WILEY & SONS,INC.,pp.319-325(1999) 追尾フィルタ(αβ等):吉田、‘改定レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.264-267(1996) 追尾フィルタ(αβフィルタ、αβγフィルタ):Samuel S.Blackman, "Multiple-Target Tracking with Radar Applications",ARTECH HOUSE,pp.21-23(1986) 追尾フィルタ(カルマンフィルタ):K.V.Ramachandra,"Kalman filtering Techniques for Radar Tracking", Marcel Dekker, Inc., pp.19-25(2000)
以上述べたように、従来の合成開口レーダ装置では、固定目標に移動目標を重畳すると、固定目標と移動目標の相対位置関係に大きな誤差が生じる課題があった。また、複数の移動目標がある場合には、前の航跡との相関処理の際に、航跡と観測値の対応を誤り、追跡をロストする場合もあった。
本実施形態は上記課題に鑑みなされたもので、移動目標がある場合でも正しい位置に表示し、また複数の移動目標がある場合でも相関追跡を高精度に行うことのできる合成開口レーダ装置とその画像処理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本実施形態に係る合成開口レーダ装置とその画像処理方法は、被搭載移動体の移動軸に従って受信ビームを走査制御しながら受信サイクル毎にSAR(Synthetic Aperture Radar)処理を行う場合に、前記受信サイクル毎に、前記受信ビームによる受信信号を取得し、想定される観測目標の移動速度及び加速度の範囲内で速度及び加速度を示すN(Nは自然数)通りの参照信号を生成し、前記N通りの参照信号を用いて前記受信信号を補正し、前記補正されたN通りのSAR処理出力それぞれから所定の振幅スレショルドを超える極大値を抽出し、前記N通りのSAR処理出力の中で前記極大値の振幅が最大となる参照信号を検索し、前記極大値の振幅が最大となる参照信号に対する目標のレンジ−クロスレンジの値と当該参照信号の速度及び加速度の少なくとも1つを前記目標の観測値とするものとし、前記極大値の振幅が最大となる参照信号を中心として、次の受信チャンネルで想定される範囲内の速度及び加速度の参照信号を生成し、前記目標の観測値を前記速度及び加速度の少なくとも1つの参照信号毎にグルーピングし、グルーピング毎の目標の観測値を用いて前記目標を相関追跡して、航跡値として位置、速度、加速度の少なくとも1つを取得し、前記目標の観測値とともに出力する態様とする。
第1の実施形態に係る合成開口レーダ装置の構成を示すブロック図。 図1に示す装置の信号処理部の処理の流れを示すフローチャート。 図1に示す装置の合成開口処理を説明するための機体フライト軸(飛翔経路)と画像化範囲との位置関係を示す概念図。 図1に示す装置において、移動目標の速度ベクトルと移動目標に向かうラジアル方向に対する速度ベクトルの成分を示す概念図。 図1に示す装置において、参照信号毎に形成されるSAR画像を示す図。 図1に示す装置において、速度Vで飛翔中のX−Y座標系で移動目標が抽出された場合の補正処理を説明するための図。 は、図6に示したX−Y座標系において、画像シフト補正を行わない場合と補正を行う場合を比較して示す図。 第2の実施形態に係る合成開口レーダ装置の構成を示すブロック図。 図8に示す装置の信号処理部の処理の流れを示すフローチャート。 第3の実施形態に係る合成開口レーダ装置の構成を示すブロック図。 図10に示す装置の信号処理部の処理の流れを示すフローチャート。 図10に示す装置において、各受信サイクルにおける参照信号それぞれの観測値の様子を示す図。 図10に示す装置において、図12に示す観測結果に対する相関追跡処理を説明するための図。 第4の実施形態に係る合成開口レーダ装置の構成を示すブロック図。 図14に示す装置の信号処理部の処理の流れを示すフローチャート。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1乃至図7を参照して、第1の実施形態に係る航空機搭載の合成開口レーダ装置を説明する。
図1はその系統構成を示すブロック図である。図1において、アンテナ1は複数のアンテナ素子を配列して大開口アレイを形成してなるフェーズドアレイアンテナであり、送受信器2の送受信部21から繰り返し供給される特定周波数の送信パルス信号(以下、PRF(Pulse Repetition Frequency)信号)を指定方向に送出してその反射波を受信する。送受信部21はアンテナ1の複数のアンテナ素子でそれぞれ受信された信号をビーム制御部22からの指示に従って位相制御を施し合成することで、画像化したい範囲に受信ビームを形成する。受信ビームで得られた受信信号は信号処理器3に送られる。
この信号処理器3は、AD(Analog-Digital)変換部31、参照信号補正部32、レンジ圧縮部33、Az圧縮部34、極大値抽出部35、観測値算出部36及び移動目標出力部38を備える。
上記AD変換部31は、送受信器2から供給されるPRF受信信号をディジタル信号に変換するもので、その変換結果は参照信号補正部32、レンジ圧縮部33及びAz圧縮部34によるSAR処理部に送られる。
SAR処理部において、参照信号補正部32は、想定される目標の速度、加速度の範囲内の速度、加速度によるN通りの参照信号を生成しておき、各々の参照信号により入力信号を補正する。レンジ圧縮部33は、合成開口の受信サイクル毎に、ディジタル化された開口アレイのPRF受信信号をレンジ(距離)方向にパルス圧縮する。Az圧縮部34はアジマス角方向にパルス圧縮する。これにより、レンジ方向の分解能、及びクロスレンジ方向の分解能が向上する。
上記極大値抽出部35は、SAR処理出力から受信サイクル毎に受信強度の極大値を抽出する。観測値算出部36は、極大値抽出部35で得られた極大値から、最大値となる参照信号の画像を選択して、極大値の位置を観測値とする。この観測値としては、位置の他に、参照信号の速度、加速度があり、これらを含めて観測値として出力する。移動目標出力部37は、観測値算出結果をスレッショルドと比較し、スレッショルドに満たない場合には固定目標と判断して抑圧し、スレッショルドを超えた場合には、移動目標と判定し、移動目標情報として出力する。
図2は上記構成によるレーダ装置における信号処理器3の具体的な処理の流れを示すフローチャートである。まず、送受信器2のPRF送受信により開口アレイのPRF受信信号を受けて(ステップS1)、AD変換部31によりディジタル信号に変換する(ステップS2)。ここで、参照信号補正部32では、想定される目標の速度、加速度の範囲内の速度、加速度に基づいてN通りの参照信号を生成し、各々の参照信号により、入力信号を補正する(ステップS3)。続いて、レンジ圧縮部33及びAz圧縮部34によりレンジ圧縮及びAz圧縮を実施することでSAR処理を施す(ステップS4,S5)。
その後、極大値抽出部35により、SAR受信サイクル毎に強度の極大値をとるセルを抽出してその周辺を0埋めし(ステップS6)、各極大値を比較して最大値をとるセルを抽出する(ステップS7)。ここで、最大値が振幅スレショルドを超えるか否かを判断し(ステップS8)、超えない場合には(NO)、ステップS6〜S8の処理を繰り返す。ステップS8で最大値が振幅スレッショルドを超えた場合(YES)には、その最大値が得られる参照信号の画像を選択して、極大値の位置、速度、加速度を観測値として取得し、速度毎の目標として保存する(ステップS9)。
ここで、N通りの参照信号全ての速度、加速度について処理が完了したか判断し、未処理の参照信号がある場合には(NO)、ステップS3に戻って上記の処理を繰り返し行う(ステップS10)。N通りの参照信号全てについて処理が完了した場合には、参照信号を選定して観測値を算出した後(ステップS11)、保存した速度毎の目標の中から速度スレッショルドを超える速度の目標を移動目標として抽出し(ステップS12)、次のサイクルの処理に移行する。
上記構成及び処理内容について、さらに具体的に説明する。
まず、上記航空機搭載の合成開口レーダ装置におけるSAR処理について説明する。スポットライトSAR(非特許文献3参照)の場合、図3に示すように、飛翔経路上の航空機において、搭載レーダ装置では、実開口ビームを画像化範囲に常に向けて照射し、合成開口時間(1サイクル)内で、PRI間隔で送信したパルス毎に、PRI内のレンジセル単位でデータを取得する。この取得データを用いてSAR処理を実施してSAR画像を得る。なお、図3はスポットライトSARの場合の図であるが、SAR画像を得られれば、側方を観測するストリップマップSAR等の他の方式でもよい。
図1に示すレーダ装置の系統にあっては、アンテナ1による送受信信号において、ビーム制御部22により画像化したい範囲にビームを指向させ、その受信信号をAD変換部31によりディジタル信号に変換し、参照信号補正部32に入力する。参照信号補正部32では、想定される目標の速度、加速度の範囲内の速度、加速度によるN通りの参照信号を生成し、各々の参照信号によって入力信号を補正する。このN通りの参照信号としては、速度及び加速度の範囲を等間隔に設定しても、重み付けにより不等間隔に設定してもよい。以下に、参照信号の式を示す。
Figure 0006178222
入力信号をSinとすると、補正された入力信号は次式で表現できる。
Figure 0006178222
図4(a)に座標系の定義を示す。また、図4(b)に移動目標の速度ベクトルと、レーダから移動目標に向かうラジアル方向に対する速度ベクトルの成分を表す。参照信号として速度ベクトルを扱う場合は、このラジアル方向の成分に対する距離変化を位相変化で表現したものが(1)式に相当し、この位相成分の逆成分(負の符号)を入力信号に乗算すれば、(2)式の補正した入力信号となる。
このN通りの参照信号の各々について、補正後の入力信号を用いて、SAR処理を実施する。SAR処理は、パルス圧縮等によるレンジ分解能を上げるレンジ圧縮部33(非特許文献1参照)と大開口アレイの合成によりクロスレンジ方向の分解能をあげるAz圧縮部34(非特許文献2参照)による。この基本処理の簡易化、高速化等のために種々の手法があり、代表的な処理として、ポーラフォーマット変換再構成処理(非特許文献5参照)がある。処理方法の細部については文献に記述があるため、本記述では割愛する。
N通りのSAR画像は、振幅強度の配列であり、I(n)(x,y)と表現する。ここで、xはレンジ、yはクロスレンジである。また、参照信号1(V1,A1)、2(V2,A2)、3(V3,A3)それぞれにより形成した画像の様子は、例えば図5(a),(b),(c)に示すようになる。このように、参照信号の整合のとれた速度、加速度をもつ目標の振幅は、参照信号毎に大きくなる。
次に、I(n)(x,y)より、極大値抽出部35にて極大値を抽出する。この方式としては、例えば、次の手順とする。
(1)I(n)(x,y)画像の強度をIamp(n)(x,y)として、Iamp(n)の最大値を算出し、最大値となるx,yを抽出する。
(2)このx,yの周囲の所定の範囲の強度をゼロとする。
以降、極大値が所定の振幅以下になるまで(1)、(2)を繰り返して、極大値となるIamp(n)(x,y)を抽出する。
この処理では、図2に示したように、N通りの参照信号に対する極大値を得て、最大値となる参照信号の画像を選択して、極大値の位置を観測値とする。この観測値としては、位置の他に、参照信号の速度、加速度があり、これを含めて観測値として出力する。
本処理は、参照信号を用いて入力信号を補正してSAR処理しているが、これは移動目標の場合の位相面ずれを参照信号により補正していることと等価である。参照信号による補正が無い場合には、画像シフトが生じるが、参照信号を用いて位相面ずれを補正するようにしているので、参照信号と整合がとれた目標については、画像シフトのない画像を出力することができる。また、この画像を用いて、前述の極大値処理により観測値を抽出することができる。
上記画像シフト補正の処理内容を図6及び図7を参照して説明する。
図6は、速度Vで飛翔する航空機に搭載の合成開口レーダ装置において、レンジX−クロスレンジYの座標系で観測ビームのビーム指向方向(スクイント角)で所定の速度ベクトルを持つ移動目標が抽出された場合の補正処理を示している。今、図6(a)に示すように所定の速度ベクトルを持つ移動目標が抽出されたとすると、図6(b)に示すように、観測画像は速度ベクトルによる位相面のずれの影響を受けて画像シフトが生じてしまう。そこで、目標が固定の場合の位相面と目標の速度ベクトルによる位相面のずれとの関係から観測位相が決定されることを考慮して、観測画像の画像シフト補正を行う。
図7は、図6に示したX−Y座標系において、画像シフト補正を行わない場合(a1),(a2)と補正を行う場合(b1),(b2)を比較して示している。まず、補正を行わない場合には、図7(a1)に示すように、目標固定の場合の位相面(1)と目標の速度ベクトルによる位相面のずれ(2) を考慮すると、観測位相は(1)+(2)となり、合成開口レーダビームは、図7(a2)に示すようにシフトしてしまう。そこで、図7(b1)に示すように、目標の速度ベクトルによる位相面のずれを位相補正する。これにより、本実施形態によれば、図7(b2)に示すように合成開口ビームを本来の方向にシフト補正することができる。
尚、図7では、目標の観測位相を曲線で記述しているが、SAR画像処理を実施する際には、この曲線(目標位置と機体飛翔による位相の曲線)と逆特性をもつ参照信号を用いて、Az圧縮処理を実施する。
補正前では、移動目標の速度ベクトルにより、大開口アレイの波面がずれてSARビームの指向方向にシフトが生じるため、このシフト量を算出すれば、正規の位置に移動目標の画像を生成できる。
なお、本実施形態では、レンジ圧縮、Az圧縮を含めているが、一般的なパルスレーダの場合として、レンジ圧縮、Az圧縮が無い場合も、参照信号を用いて入力信号を補正する本実施形態の手法が適用できるのは言うまでもない。
(第2の実施形態)
図8乃至図9を参照して、第2の実施形態に係る航空機搭載の合成開口レーダ装置を説明する。
第1の実施形態では、N通りの参照信号による補正方法を示したが、目標の速度及び加速度の範囲が広い場合には、Nの値が大きくなり、処理規模が増大する。そこで、第2の実施形態では、これを避けるために処理規模の削減を目的とする。
図8は第2の実施形態の系統構成を示すブロック図、図9は図8に示す信号処理器3の処理の流れを示すフローチャートである。尚、図8及び図9において、図1及び図2と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、図8に示すように、参照信号選定部38を設け、観測値算出部36で得られた前サイクルの観測値に基づいて参照信号補正部32の現サイクルにおける参照信号を選択することにある。具体的には、第2の実施形態では、1CPI(Coherent Pulse Interval)の合成開口長内の処理を1サイクルとし、前サイクル(p−1)の処理において、目標を抽出したNprv通りの参照信号を基準とし、基準参照信号の速度V0、加速度A0を中心に、速度±ΔV、加速度±ΔAのセットである±ΔN通りの参照信号を選定し(図9のステップS13)、現サイクル(p)の処理を実施する。
このように本実施形態によれば、もともとのN通りの参照信号に対して、前サイクルの参照信号による絞込みを行うことで、N通りより少ない参照信号による処理となるため、処理規模を軽減することができる。
(第3の実施形態)
図10乃至図13を参照して、第3の実施形態に係る航空機搭載の合成開口レーダ装置を説明する。
図10は第3の実施形態の系統構成を示すブロック図、図11は図10に示す信号処理器3の処理の流れを示すフローチャートである。尚、図10及び図11において、図1及び図2と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
本実施形態は、第1の実施形態または第2の実施形態の目標の観測値の位置、速度、加速度精度を向上するため、サイクル間の観測値を用いて相関追跡を実施するものである。
すなわち、図10において、レンジ圧縮部33及びAz圧縮部34の圧縮処理によって得られた、あるサイクルkのSAR画像に対して、極大値抽出部35で極大値となる(xi,yi)(i=1〜Q)を抽出した後、観測値算出部36で算出した(xi,yi)の観測点毎に、相関追跡部39にてサイクル間の相関追跡処理を行い、移動目標出力部37にて移動目標を判別する。
また、図11において、ステップS11で参照信号を選定し、観測値を算出した場合に、参照信号毎のグルーピング(Gr)を行い(ステップS14)、グルーピングされた参照信号毎の相関追跡処理を実行して(ステップS15)、ステップS12の移動目標出力処理に移行する。
相関追跡手法としては、相関処理と追跡処理(αβフィルタ、カルマンフィルタ等)として、種々の組み合わせが考えられるが、ここでは説明を簡単にするために、相関処理はNN(Nearest Neighbor)処理、追跡処理はαβフィルタ(非特許文献6参照)を採用するものとする。
図12に、各受信サイクルにおける参照信号それぞれの観測値の様子を示し、図13に相関追跡の説明を示す。相関追跡は、図12の参照信号毎に実施する。図12において、(a),(b),(c)はそれぞれサイクルKにおける参照信号1,2,3の観測結果、(d),(e),(f)はそれぞれサイクルK+1における参照信号1,2,3の観測結果を示している。
相関追跡の座標については、簡単のために1次元(X軸、またはY軸のみ)で表現するが、2次元に拡張するのは容易である。また、簡単のため、位置と速度の2ステート場合について説明し、位置、速度、加速度の3ステートの場合については、非特許文献7等に記述があるため、その説明を割愛する。
Figure 0006178222
とすると、次式で表現できる。
Figure 0006178222
次に、図13を参照して相関追跡処理について説明する。
まず、初期値(前回の予測サイクルの平滑値)を、
Figure 0006178222
とする。この初期値で予測される次のサイクルにおいて、検出目標(観測値:速度グルーピングによる重心によって求められる)が多数ある場合(jが複数)には、S/N(Signal to Noise ratio)の高い目標から順にP個までを、相関追跡の対象とする。このうち、相関にNN処理を採用する場合には、前のサイクルの予測値を用いてNN観測値を選択し、予測値とNN観測値より平滑値を求め、さらに平滑値を用いて次のサイクル予測値を算出する。以後、この処理を繰り返し実行することで、検出目標の相関追跡が実現される。
以上の相関追跡処理により、参照信号のグループ毎に相関追跡の結果として位置、速度、加速度の平滑値、予測値による航跡を出力できる。観測値のS/N値が低く、観測値の精度が低い場合には、航跡の平滑値または予測値を用いることで、精度を向上させることができる。また、この相関追跡処理では、参照信号毎に実施するため、速度、加速度による観測値のグルーピングを行わない場合に比べて、誤相関、誤追跡を抑圧することができる。
(第4の実施形態)
図14及び図15を参照して、第4の実施形態に係る航空機搭載の合成開口レーダ装置を説明する。
図14は第4の実施形態の系統構成を示すブロック図、図15は図14に示す信号処理器3の処理の流れを示すフローチャートである。尚、図14及び図15において、図1及び図2、図8及び図9、図10及び図11と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
まず、第3の実施形態では、相関追跡を用いた航跡の算出手法について述べた。航跡については、α−β−γフィルタ(非特許文献7参照)や、3ステート(位置、速度、加速度)のカルマンフィルタ(非特許文献8参照)を用いることにより、速度及び加速度を算出することができる。そこで、本実施形態では、図14に示すように、参照信号選定部40において、相関追跡部39の処理結果に基づいて、その速度及び加速度のNprv通りの参照信号を基準として、基準参照信号の速度V0、加速度A0を中心に、速度±ΔV、加速度±ΔAのセットである±ΔN通りの参照信号を選定し(図15のステップS16)、現サイクル(p)の処理を実施すものである。
本実施形態によれば、もともとのN通りの参照信号に対して、前サイクルの参照信号による絞込みを行うことで、N通りより少ない参照信号による処理となるため、処理規模を軽減することができる。
なお、上記の実施形態では、合成開口処理方式としてポーラフォーマット変換画像再構成処理(非特許文献5参照)を採用する場合について説明したが、他の合成開口処理方式でも同様に実施可能である。
また、上記の実施形態では、スポットライトSARの場合について述べたが、側方監視のストリップマップSAR(サイドルッキングマッピングに同じ、非特許文献3参照)の場合でも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、合成開口レーダ装置の場合について述べたが、多数のパルスを用いてCPI内のおけるFFT等のコヒーレント処理を行うレーダにおいて、固定〜高速までの種々の速度における目標を弁別する場合においても、本方式は入力信号と複数の参照信号の乗算の探索法により、最も整合した速度及び加速度の目標を抽出する手法であり、有効である。
また、参照信号として、主に速度及び加速度を用いる場合について述べたが、速度、加速度の少なくとも1つの場合でもよい。
また、観測値または航跡値を出力すると述べたが、速度0に相当する固定地形のSAR画像に、観測値または航跡値の位置にシンボル等を重畳表示することもでき、必要に応じてシンボルに速度、加速度等を表示することができる。
以上のように、本実施形態は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…アンテナ、2…送受信器、21…送受信部、22…ビーム制御部、3…信号処理器、31…AD(Analog-Digital)変換部、32…参照信号補正部、33…レンジ圧縮部、34…Az圧縮部、35…極大値抽出部、36…観測値算出部、37…移動目標抽出部、38…参照信号選定部、39…相関追跡処理部、40…参照信号選定部。

Claims (4)

  1. 被搭載移動体の移動軸に従って前記受信ビームを走査制御しながら受信サイクルでSAR(Synthetic Aperture Radar)処理を行う合成開口レーダ装置において、
    前記受信サイクル毎に前記受信ビームによる受信信号を取得する取得手段と、
    前記受信サイクル毎に想定される観測目標の移動速度及び加速度の範囲内で速度及び加速度を示すN(Nは自然数)通りの参照信号を生成する生成手段と、
    前記受信サイクル毎に前記N通りの参照信号を用いて前記受信信号を補正する補正手段と、
    前記受信サイクル毎に前記補正されたN通りの受信信号それぞれをSAR処理するSAR処理手段と、
    前記受信サイクル毎に前記N通りのSAR処理出力それぞれから所定の振幅スレショルドを超える極大値を抽出する抽出手段と、
    前記受信サイクル毎に前記N通りのSAR処理出力の中で前記極大値の振幅が最大となる参照信号を検索する検索手段と、
    前記受信サイクル毎に前記極大値の振幅が最大となる参照信号に対する目標のレンジ−クロスレンジの値と当該参照信号の速度及び加速度の少なくとも1つを前記目標の観測値とする観測手段と
    を具備し、
    前記生成手段は、前記極大値の振幅が最大となる参照信号を中心として、次の受信サイクルで前記想定される範囲内の速度及び加速度の参照信号を生成し、
    さらに、前記出力手段から出力される前記目標の観測値を前記速度及び加速度の少なくとも1つの参照信号毎にグルーピングし、グルーピング毎の目標の観測値を用いて前記目標を相関追跡して、航跡値として位置、速度、加速度の少なくとも1つを取得し、前記目標の観測値とともに出力する相関追跡手段を備える合成開口レーダ装置。
  2. 前記相関追跡手段は、前記受信サイクルまでの相関追跡による航跡の速度及び加速度を中心として、所定の範囲内の速度及び加速度の少なくとも1つの参照信号を用いて、前記目標の観測値と航跡値を出力する請求項1記載の合成開口レーダ装置。
  3. 被搭載移動体の移動軸に従って前記受信ビームを走査制御しながら受信サイクルでSAR(Synthetic Aperture Radar)処理を行う合成開口レーダ装置の画像処理方法において、
    前記受信サイクル毎に、
    前記受信ビームによる受信信号を取得し、
    想定される観測目標の移動速度及び加速度の範囲内で速度及び加速度を示すN(Nは自然数)通りの参照信号を生成し、
    前記N通りの参照信号を用いて前記受信信号を補正し、
    前記補正されたN通りのSAR処理出力それぞれから所定の振幅スレショルドを超える極大値を抽出し、
    前記N通りのSAR処理出力の中で前記極大値の振幅が最大となる参照信号を検索し、
    前記極大値の振幅が最大となる参照信号に対する目標のレンジ−クロスレンジの値と当該参照信号の速度及び加速度の少なくとも1つを前記目標の観測値とするものとし、
    前記極大値の振幅が最大となる参照信号を中心として、次の受信チャンネルで想定される範囲内の速度及び加速度の参照信号を生成し、
    前記目標の観測値を前記速度及び加速度の少なくとも1つの参照信号毎にグルーピングし、グルーピング毎の目標の観測値を用いて前記目標を相関追跡して、航跡値として位置、速度、加速度の少なくとも1つを取得し、前記目標の観測値とともに出力する合成開口レーダ装置の画像処理方法。
  4. 前記相関追跡は、前記受信サイクルまでの相関追跡による航跡の速度及び加速度を中心として、所定の範囲内の速度及び加速度の少なくとも1つの参照信号を用いて、前記目標の観測値と航跡値を出力する請求項3記載の合成開口レーダ装置の画像処理方法。
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