JP5679406B2 - 目標物速度特定装置、目標物速度特定プログラム及び目標物速度特定方法 - Google Patents
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Description
この発明は、アジマス圧縮後のSAR画像から高精度に目標物の速度を特定することを目的とする。
SAR(Synthetic Aperture Radar)により観測された目標物の速度を特定する目標物速度特定装置であり、
SARが観測した目標物のデータについてレンジ圧縮したレンジ圧縮後データを入力して記憶装置に記憶するデータ入力部と、
SARを搭載したSAR搭載機の速度を入力して記憶装置に記憶するSAR速度入力部と、
合成開口時間の開始時刻と終了時刻とを示す合成開口時間情報を入力して記憶装置に記憶する合成開口時間情報入力部と、
目標物の複数の予測速度を入力して記憶装置に記憶する予測速度入力部と、
前記SAR速度入力部が入力したSAR搭載機の速度と、前記合成開口時間情報入力部が入力した合成開口時間情報が示す合成開口時間と、前記予測速度入力部が入力した複数の予測速度とに基づき、前記予測速度入力部が入力した予測速度毎に、前記SAR搭載機の速度と目標物の速度とに基づき表される前記SARと前記目標物との相対距離と、合成開口時間とから得られる参照関数を処理装置により生成することで、複数の参照関数を生成する参照関数生成部であって、所定の場合には前記予測速度に応じて前記合成開口時間の開始時刻と終了時刻とを変化させて参照関数を生成する参照関数生成部と、
前記参照関数生成部が生成した複数の参照関数の各参照関数に基づき、前記レンジ圧縮後データをアジマス圧縮し複数のアジマス圧縮後データを処理装置により生成するアジマス圧縮処理部と、
前記アジマス圧縮処理部が生成した複数のアジマス圧縮後データの各アジマス圧縮後データが示す目標物の画像の鮮明度を処理装置により算出する鮮明度算出部と、
前記鮮明度算出部が算出した前記目標物の画像の鮮明度が高いアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数を生成する場合に、前記参照関数生成部が使用した予測速度を目標物の速度として処理装置により特定する速度特定部と
を備えることを特徴とする。
前記速度特定部は、その次数の多項式で表した場合の目標物の速度を特定することで、その多項式のその次数の係数を特定し、
前記予測速度入力部は、その多項式のその次数の係数以外の係数は、前記速度特定部により既に特定されている場合には特定された値とし、特定されていない場合には所定の値とする
ことを特徴とする。
ことを特徴とする。
目標物のアジマス方向の予測速度を表す多項式の0次の係数を変化させて生成された予測速度と、目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式の1次の係数を変化させて生成された予測速度とのいずれかが入力された場合には、前記SARと前記目標物との相対距離を表す数1を数2に基づき展開して2次の項までに限定した式に基づき、数3を計算して参照関数を生成し、
目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式の0次の係数を変化させて生成された予測速度が入力された場合には、数1を展開して2次の項までに限定した式に基づくとともに、数4に基づき合成開口時間の開始時刻と終了時刻とを変化させて数3を計算して参照関数を生成する
ことを特徴とする。
他の係数を変化させて生成された予測速度が入力された場合には、前記SARと前記目標物との相対距離を表す数1を所定の次数まで展開した式に基づき、数2を計算して参照関数を生成する
ことを特徴とする。
ことを特徴とする。
ことを特徴とする。
SAR(Synthetic Aperture Radar)により観測された目標物の速度を特定する目標物速度特定プログラムであり、
SARが観測した目標物のデータについてレンジ圧縮したレンジ圧縮後データを入力するデータ入力処理と、
SARを搭載したSAR搭載機の速度を入力するSAR速度入力処理と、
合成開口時間の開始時刻と終了時刻とを示す合成開口時間情報を入力する合成開口時間情報入力処理と、
目標物の複数の予測速度を入力する予測速度入力処理と、
前記SAR速度入力処理で入力したSAR搭載機の速度と、前記合成開口時間情報入力処理で入力した合成開口時間情報が示す合成開口時間と、前記予測速度入力処理で入力した複数の予測速度とに基づき、前記予測速度入力処理で入力した予測速度毎に、前記SAR搭載機の速度と目標物の速度とに基づき表される前記SARと前記目標物との相対距離と、合成開口時間とから得られる参照関数を生成することで、複数の参照関数を生成する参照関数生成処理であって、所定の場合には前記予測速度に応じて前記合成開口時間の開始時刻と終了時刻とを変化させて参照関数を生成する参照関数生成処理と、
前記参照関数生成処理で生成した複数の参照関数の各参照関数に基づき、前記レンジ圧縮後データをアジマス圧縮し複数のアジマス圧縮後データを生成するアジマス圧縮処理と、
前記アジマス圧縮処理で生成した複数のアジマス圧縮後データの各アジマス圧縮後データが示す目標物の画像の鮮明度を算出する鮮明度算出処理と、
前記鮮明度算出処理で算出した前記目標物の画像の鮮明度が高いアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数を生成する場合に、前記参照関数生成処理で使用した予測速度を目標物の速度として特定する速度特定処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
前記速度特定処理では、その次数の多項式で表した場合の目標物の速度を特定することで、その多項式のその次数の係数を特定し、
前記予測速度入力処理では、その多項式のその次数の係数以外の係数は、前記速度特定処理で既に特定されている場合には特定された値とし、特定されていない場合には所定の値とする
ことを特徴とする。
ことを特徴とする。
目標物のアジマス方向の予測速度を表す多項式の0次の係数を変化させて生成された予測速度と、目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式の1次の係数を変化させて生成された予測速度とのいずれかが入力された場合には、前記SARと前記目標物との相対距離を表す数7を数8に基づき展開して2次の項までに限定した式に基づき、数9を計算して参照関数を生成し、
目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式の0次の係数を変化させて生成された予測速度が入力された場合には、数7を展開して2次の項までに限定した式に基づくとともに、数10に基づき合成開口時間の開始時刻と終了時刻とを変化させて数9を計算して参照関数を生成する
ことを特徴とする。
他の係数を変化させて生成された予測速度が入力された場合には、前記SARと前記目標物との相対距離を表す数7を所定の次数まで展開した式に基づき、数8を計算して参照関数を生成する
ことを特徴とする。
ことを特徴とする。
ことを特徴とする。
SAR(Synthetic Aperture Radar)により観測された目標物の速度を特定する目標物速度特定方法であり、
SARが観測した目標物のデータについてレンジ圧縮したレンジ圧縮後データを入力するデータ入力工程と、
SARを搭載したSAR搭載機の速度を入力するSAR速度入力工程と、
合成開口時間の開始時刻と終了時刻とを示す合成開口時間情報を入力する合成開口時間情報入力工程と、
目標物の複数の予測速度を入力する予測速度入力工程と、
前記SAR速度入力工程で入力したSAR搭載機の速度と、前記合成開口時間情報入力工程で入力した合成開口時間情報が示す合成開口時間と、前記予測速度入力工程で入力した複数の予測速度とに基づき、前記予測速度入力工程で入力した予測速度毎に、前記SAR搭載機の速度と目標物の速度とに基づき表される前記SARと前記目標物との相対距離と、合成開口時間とから得られる参照関数を生成することで、複数の参照関数を生成する参照関数生成工程であって、所定の場合には前記予測速度に応じて前記合成開口時間の開始時刻と終了時刻とを変化させて参照関数を生成する参照関数生成工程と、
前記参照関数生成工程で生成した複数の参照関数の各参照関数に基づき、前記レンジ圧縮後データをアジマス圧縮し複数のアジマス圧縮後データを生成するアジマス圧縮処理工程と、
前記アジマス圧縮処理工程で生成した複数のアジマス圧縮後データの各アジマス圧縮後データが示す目標物の画像の鮮明度を算出する鮮明度算出工程と、
前記鮮明度算出工程で算出した前記目標物の画像の鮮明度が高いアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数を生成する場合に、前記参照関数生成工程で使用した予測速度を目標物の速度として特定する速度特定工程と
を備えることを特徴とする。
なお、以下の説明において、処理装置は後述するCPU911等である。記憶装置は後述するROM913、RAM914、磁気ディスク920あるいはCPU911が有するキャッシュメモリやレジスタ等である。入力装置は後述するキーボード902、通信ボード915等である。つまり、処理装置、記憶装置、入力装置はハードウェアである。
SAR画像再生処理では、一般に、SARによって得られた信号を、レンジ圧縮し、レンジマイグレーション補正をし、アジマス圧縮して画像データを生成する。
アジマス圧縮とは、レンジ圧縮後のデータと参照関数fref(t)(アジマス圧縮参照関数)との相関処理である。参照関数fref(t)は、SARと目標物との相対距離(相対運動)から求められる関数であり、数13のように表される。また、アジマス圧縮では、参照関数fref(t)を基にドップラ周波数が計算され、通常ゼロドップラに結像させて画像データを得る。
図1に示すように、SARと移動する目標物との相対距離は、数14のように表せる。
なお、数14では、地球の自転がレンジ方向にだけ影響する場合を示している。しかし、地球の自転がレンジ方向だけでなく、アジマス方向にも影響する場合も考えられ、この場合には、数14は数15のように書き換えられる。
VP(t)=aP_0+aP_1t+aP_2t2+・・・+aP_ntn
vrT(t)=arT_0+arT_1t+arT_2t2+・・・+arT_ktk
vaT(t)=aaT_0+aaT_1t+aaT_2t2+・・・+aaT_ltl
すると、rPTを展開して数17のように表すことができる。
なお、目標物が静止しているとは、目標物自身の移動がないだけでなく、地球の自転により目標物が移動することもない場合である。そのため、目標物が静止している場合には、数18のvrE,arT_0,arT_1,vaE,aaT_0に0を代入することで、目標物が静止している場合におけるrPTを数22のように表すことができる。
上述したように、SAR画像再生処理では、通常、ゼロドップラに結像させて画像データを得る。ゼロドップラは、時間軸における2次関数の頂点位置である。つまり、目標物が静止している場合であれば、合成開口中心の位置である図2の(0,a0)に画像が結像される。したがって、目標物が静止している場合には、目標物の本来の位置に目標物が表示される。
しかし、目標物が移動している場合、図2の(−a1/2a2,a0−a1 2/4a2)の位置に画像が結像される。つまり、目標物が移動している場合、アジマス圧縮後データでは、目標物が本来表示されるべき合成開口中心での位置(0,a0)とは異なる位置(−a1/2a2,a0−a1 2/4a2)に目標物の画像が結像され目標物が表示されてしまう。
なお、アジマス圧縮後データを見ても、目標物が本来表示されるべき位置(0,a0)はわからない。
しかし、通常、時間軸における2次関数の頂点位置が合成開口中心であるとして、合成開口中心の前後所定の時間を合成開口時間として生成された参照関数fref(t)を用いてアジマス圧縮される。つまり、図2では、開始時刻−T/2−a1/2a2から終了時刻T/2−a1/2a2までの合成開口時間T’に基づき生成された参照関数fref(t)を用いてアジマス圧縮される。
移動する目標物についての信号値は、時刻−T/2から時刻T/2までにのみ存在しており、時刻T/2から時刻T/2−a1/2a2までには存在しない。したがって、開始時刻−T/2から終了時刻T/2までの合成開口時間Tに基づき生成される参照関数fref(t)を用いてアジマス圧縮する場合と比べて、開始時刻−T/2−a1/2a2から終了時刻T/2−a1/2a2までの合成開口時間T’に基づき生成された参照関数fref(t)を用いてアジマス圧縮する場合、移動する目標物についての信号値と参照関数fref(t)との相関が低くなる。つまり、アジマス圧縮後データにおける目標物の画素の輝度は低く、不鮮明なボケた状態になる。
通常、目標物が静止していることを前提とした参照関数fref(t)を用いてアジマス圧縮される。目標物が静止していることを前提とした参照関数fref(t)の曲線の形状(曲率)と、移動する目標物についての信号値の曲線の形状(曲率)とは異なる。そのため、移動する目標物についての信号値と参照関数fref(t)との相関をとると、相関が低い。つまり、アジマス圧縮後データにおける目標物の画素の輝度は低く、不鮮明なボケた状態になる。
一方、数21から分かるように、a1は時刻tの2次関数の頂点(x,y)の位置に影響する。つまり、目標物のレンジ方向速度の定数成分arT_0は、時刻tの2次関数の頂点(x,y)の位置に影響する。
なお、数17に示すように、高次成分にも目標物のレンジ方向速度の定数成分arT_0は含まれている。したがって、特許文献1で目標物のレンジ方向速度の定数成分arT_0を特定することは理論上可能である。
しかし、車両等の移動する目標物の速度は、低次成分の影響が強く、高次成分の影響は弱い。そのため、車両等の移動する目標物の速度を特許文献1の方法で特定した場合、レンジ方向速度の定数成分arT_0に誤差が含まれる可能性がある。
そこで、この実施の形態に係る目標物速度特定装置100は、2次関数の頂点位置のずれを利用して、目標物のレンジ方向速度の定数成分arT_0を特定する。これにより、特許文献1の方法よりも高精度に目標物のレンジ方向速度を特定することができる。
図3は、この実施の形態における目標物速度特定装置100の機能を示す機能ブロック図である。
目標物速度特定装置100は、入力部110、処理部120を備える。
入力部110は、データ入力部111、予測速度入力部112、合成開口時間情報入力部113、SAR速度入力部114を備える。
処理部120は、参照関数生成部121、画像再生部122、鮮明度算出部123、速度特定部124を備える。また、画像再生部122は、レンジマイグレーション補正部125、ゼロ詰め処理部126、FFT処理部127、アジマス圧縮処理部128、IFFT処理部129を備える。
(S1:入力ステップ)
データ入力部111は、アジマス圧縮後データ(SLC(シングルルックコンプレックス)画像)から目標物を1箇所選び、目標物を含む範囲を処理装置により切り出し、切り出した範囲の画像のアジマス圧縮を解凍して生成したレンジ圧縮後データを処理装置により生成する。そして、データ入力部111は、レンジ圧縮後データを入力して記憶装置に記憶する。なお、アジマス圧縮を解凍するとは、アジマス圧縮時に使用した参照関数fref(t)を用いて、アジマス圧縮の逆処理を行うことである。
また、合成開口時間情報入力部113は、合成開口時間tsの開始時刻αs startと終了時刻αs endとを示す合成開口時間情報を入力して記憶装置に記憶する。なお、目標物についての合成開口時間は、目標物が結像された位置から特定される。
また、SAR速度入力部114は、SAR搭載機の速度VPを入力して記憶装置に記憶する。なお、前提として、SAR搭載機の速度VPは既知であるとする。
目標物のアジマス方向速度の定数成分aaT_0とレンジ方向速度の1次成分arT_1とを所定の順に特定する。ここでは、まず、目標物のアジマス方向速度の定数成分aaT_0を特定し、次に、レンジ方向速度の1次成分arT_1を特定するものとして説明する。
なお、ここでは、曲線の形状(曲率)の違いに基づく画像のボケを利用して、目標物のアジマス方向速度の定数成分aaT_0とレンジ方向速度の1次成分arT_1とを特定する。
まず、目標物のアジマス方向速度の定数成分aaT_0を特定する。
(S21:速度入力ステップ)
予測速度入力部112は、様々な目標物のアジマス方向速度の定数成分aaT_0を予測速度として入力して記憶装置に記憶する。また、予測速度入力部112は、レンジ方向速度の1次成分arT_1として0あるいは所定の値を入力して記憶装置に記憶する。
(S22:参照関数生成ステップ)
参照関数生成部121は、SARと目標物との相対運動を示す式として、数18における目標物のレンジ方向速度の定数成分arT_0を0とした数24を用い数13を計算することにより、処理装置により参照関数fref(t)を生成する。
図6は、(S22)で生成される複数の参照関数fref(t)の説明図である。図6では、目標物の信号値を実線で示し、生成される参照関数fref(t)のいくつかの例を破線で示す。図6に示すように、参照関数生成部121は、目標物のアジマス方向速度の定数成分aaT_0に応じて、tの2次関数の曲線の形状(曲率)を様々に変化させた複数の参照関数fref(t)を生成する。
なお、(S1)で入力された合成開口時間は図6に示す合成開口時間T’である。
(S23:画像再生ステップ)
画像再生部122は、(S22)で生成した各参照関数fref(t)に基づき(S1)で入力されたレンジ圧縮後データをアジマス圧縮して、アジマス圧縮後データを処理装置により生成する。なお、画像再生ステップについて、詳しくは後述する。
(S24:鮮明度算出ステップ)
鮮明度算出部123は、(S23)で生成したアジマス圧縮後データが示す目標物の画像の鮮明度を処理装置により算出する。ここで、鮮明度とは、画像の画素の輝度であり、言い替えれば、画像再生処理で実行されたアジマス圧縮において、参照関数fref(t)と信号値との相関の高さを表す。
つまり、鮮明度算出部123は、図6において、合成開口時間T’が示す範囲における目標物の信号値を示す実線と、各参照関数fref(t)を示す破線との相関(一致の程度)を計算する。図6から分かるように、目標物の信号値を示す実線の曲率と、参照関数fref(t)を示す破線の曲率とが近いほど、相関は高くなる。
(S25:速度特定ステップ)
速度特定部124は、(S24)で算出した目標物の画像の鮮明度が最も高いアジマス圧縮後データを処理装置により特定する。速度特定部124は、特定したアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数fref(t)を処理装置により特定する。つまり、図6において、目標物の信号値を示す実線と、参照関数fref(t)を示す破線との一致の程度が最も大きい参照関数fref(t)を特定する。
そして、速度特定部124は、特定した参照関数fref(t)を(S22)で生成する場合に使用した目標物のアジマス方向速度の定数成分aaT_0を処理装置により特定する。これにより、目標物のアジマス方向速度の定数成分aaT_0を特定することができる。
(S21:速度入力ステップ)
予測速度入力部112は、様々な目標物のレンジ方向速度の1次成分arT_1を入力して記憶装置に記憶する。また、予測速度入力部112は、上述した処理により特定した目標物のアジマス方向速度の定数成分aaT_0を入力して記憶装置に記憶する。
(S22:参照関数生成ステップ)
参照関数生成部121は、(S1)で入力されたSAR搭載機の速度VP(ここでは、VPの定数成分aP_0)と、(S21)で入力された目標物のアジマス方向速度の定数成分aaT_0とを数24に示す式に代入する。さらに、参照関数生成部121は、(S21)で入力された目標物のレンジ方向速度の1次成分arT_1を、数24に示す式に代入して、目標物のレンジ方向速度の1次成分arT_1毎にrPT(t)を計算する。そして、参照関数生成部121は、計算されたrPT(t)を用いて、数13を計算することにより、(S21)で入力された目標物のレンジ方向速度の1次成分arT_1毎に参照関数fref(t)を処理装置により生成する。
つまり、参照関数生成部121は、目標物のレンジ方向速度の1次成分arT_1に応じて、tの2次関数の曲線の形状(曲率)を様々に変化させた複数の参照関数fref(t)を生成する。
(S23:画像再生ステップ)
画像再生部122は、(S22)で生成した各参照関数fref(t)に基づき(S1)で入力されたレンジ圧縮後データをアジマス圧縮して、アジマス圧縮後データを処理装置により生成する。
(S24:鮮明度算出ステップ)
鮮明度算出部123は、(S23)で生成したアジマス圧縮後データが示す目標物の画像の鮮明度を処理装置により算出する。
(S25:速度特定ステップ)
速度特定部124は、(S24)で算出した目標物の画像の鮮明度が最も高いアジマス圧縮後データを処理装置により特定する。速度特定部124は、特定したアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数fref(t)を生成する場合に、(S22)で使用した目標物のレンジ方向速度の1次成分arT_1を処理装置により特定する。これにより、目標物のレンジ方向速度の1次成分arT_1を特定することができる。
以上により、目標物のアジマス方向速度の定数成分aaT_0とレンジ方向速度の1次成分arT_1とを特定できたので、(S2)の処理を終了して(S3)の処理へ進む。
目標物のレンジ方向速度の定数成分arT_0を特定する。
なお、上述したように、目標物のレンジ方向速度の定数成分arT_0は、時刻tの2次関数によって表される曲線の形状には影響しない。そこで、ここでは、2次関数の頂点位置のずれを利用して、目標物のレンジ方向速度の定数成分arT_0を特定する。
(S31:速度入力ステップ)
予測速度入力部112は、様々な目標物のレンジ方向速度の定数成分arT_0を、予測速度として入力して記憶装置に記憶する。また、(S2)で特定した目標物のアジマス方向速度の定数成分aaT_0とレンジ方向速度の1次成分arT_1とを入力して記憶装置に記憶する。
(S32:参照関数生成ステップ)
参照関数生成部121は、数24を用い数13を計算することにより、処理装置により参照関数fref(t)を生成する。
まず、参照関数生成部121は、(S1)で入力されたSAR搭載機の速度VP(ここでは、VPの定数成分aP_0)と、(S31)で入力された目標物のアジマス方向速度の定数成分aaT_0とレンジ方向速度の1次成分arT_1とを、数24に示す式に代入する。これにより、rPT(t)が1つ計算される。
また、参照関数生成部121は、(S1)で入力された合成開口時間tsの開始時刻αs startと終了時刻αs endとを、それぞれ開始時刻αs start+a1/2a2と終了時刻αs end+a1/2a2とする。つまり、参照関数生成部121は、静止した目標物を再生する場合における合成開口時間tsが、合成開口開始時刻αs startと終了時刻αs endとから「αs start≦ts<αs end」で表される場合、ここでの合成開口時間tTを「αs start+a1/2a2≦tT<αs end+a1/2a2」とする。
そして、これに基づき、参照関数生成部121は、数13を計算して参照関数fref(t)を生成する。なお、a1,a2は、数19に示した通りであり、a1にはレンジ方向速度の1次成分arT_0が含まれる。したがって、(S31)で入力されたレンジ方向速度の1次成分arT_0毎に参照関数fref(t)が生成される。
図8は、(S32)で生成される複数の参照関数fref(t)の説明図である。なお、図8では、目標物の信号値を実線で示し、生成される参照関数fref(t)を破線で示す。図8に示すように、(S2)で目標物のアジマス方向の定数成分aaT_0とレンジ方向速度の1次成分arT_1とが特定されているため、2次関数の曲線の形状(曲率)は1つに特定されている。ここでは、参照関数生成部121は、特定された曲線の形状(曲率)の2次関数の切り出す範囲を、合成開口時間(1)(2)(3)のように時間軸方向にずらした複数の参照関数fref(t)を生成する。なお、切り出す範囲の時間軸方向の幅は固定であり、どの合成開口時間も合成開口時間(1)に示すαs end−αs startと等しい。
(S33:画像再生ステップ)
画像再生部122は、(S32)で生成した各参照関数fref(t)に基づき(S1)で入力されたレンジ圧縮後データをアジマス圧縮して、アジマス圧縮後データを処理装置により生成する。
(S34:鮮明度算出ステップ)
鮮明度算出部123は、(S33)で生成したアジマス圧縮後データが示す目標物の画像の鮮明度を処理装置により算出する。
つまり、鮮明度算出部123は、図8において、目標物の信号値を示す実線と、各合成開口時間における破線との相関(一致の程度)を計算する。目標物の信号値を示す実線の時間軸方向の範囲と、合成開口時間の範囲とが近いほど、相関は高くなる。
(S35:速度特定ステップ)
速度特定部124は、(S34)で算出した目標物の画像の鮮明度が最も高いアジマス圧縮後データを処理装置により特定する。速度特定部124は、特定したアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数fref(t)を生成する場合に、(S32)で使用した目標物のレンジ方向速度の1次成分arT_1を処理装置により特定する。これにより、目標物のレンジ方向速度の1次成分arT_1を特定することができる。
目標物の残りの速度成分を特定する。つまり、目標物のアジマス方向の1次成分以上の成分と、レンジ方向の2次成分以上の成分とを所定の順に特定する。例えば、目標物のアジマス方向の1次成分、目標物のレンジ方向の2次成分、目標物のアジマス方向の2次成分、目標物のレンジ方向の3次成分・・・の順に次数の低い成分から特定する。
なお、ここでは、曲線の形状の違いに基づく画像のボケを利用して、目標物の残りの速度成分を特定する。
(S41:速度入力ステップ)
予測速度入力部112は、特定しようとする速度成分を様々に変化させて、予測速度として入力して記憶装置に記憶する。また、予測速度入力部112は、(S2)、(S3)で特定した目標物のアジマス方向速度の定数成分aaT_0と、レンジ方向速度の定数成分arT_0及び1次成分arT_1とを入力して記憶装置に記憶する。また、予測速度入力部112は、その他の速度成分については、0あるいは所定の値を入力して記憶装置に記憶する。
例えば、目標物のアジマス方向の1次成分を特定する場合、予測速度入力部112は、目標物のアジマス方向の1次成分aaT_1を様々に変化させて、予測速度として入力する。また、予測速度入力部112は、(S2)及び(S3)で特定したアジマス方向速度の定数成分aaT_0と、レンジ方向速度の定数成分arT_0及び1次成分arT_1とを入力する。また、予測速度入力部112は、他の速度成分(目標物のアジマス方向の2次成分以上の成分、及び、目標物のレンジ方向の2次成分以上の成分)として、0又は所定の値を入力する。
(S42:参照関数生成ステップ)
参照関数生成部121は、(S1)で入力されたSAR搭載機の速度VPと、(S41)で入力された各速度成分を数17に示す式に代入する。これにより、(S41)で入力された特定しようとする速度成分(ここでは、目標物のアジマス方向速度の1次成分aaT_1)毎に、rPT(t)が計算される。そして、参照関数生成部121は、計算されたrPT(t)を用いて、数13を計算することにより、(S31)で入力された特定しようとする速度成分毎に参照関数fref(t)を処理装置により生成する。つまり、参照関数生成部121は、特定しようとする速度成分に応じて、tの2次関数の曲線の形状を様々に変化させた複数の参照関数fref(t)を生成する。
(S43:画像再生ステップ)
画像再生部122は、(S42)で生成した各参照関数fref(t)に基づき(S1)で入力されたレンジ圧縮後データをアジマス圧縮して、アジマス圧縮後データを処理装置により生成する。
(S44:鮮明度算出ステップ)
鮮明度算出部123は、(S43)で生成したアジマス圧縮後データが示す目標物の画像の鮮明度を処理装置により算出する。
(S45:速度特定ステップ)
速度特定部124は、(S44)で算出した目標物の画像の鮮明度が最も高いアジマス圧縮後データを処理装置により特定する。速度特定部124は、特定したアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数fref(t)を生成する場合に、(S42)で使用した速度成分(ここでは、目標物のアジマス方向速度の1次成分aaT_1)を処理装置により特定する。これにより、その速度成分(ここでは、目標物のアジマス方向速度の1次成分aaT_1)を特定することができる。
全ての速度成分が特定されていない場合、再び処理を(S41)へ戻して、他の速度成分を特定する。これを繰り返すことで、全ての速度成分を特定することができる。
また、アジマス圧縮後のSAR画像における各画素についての速度を求め、所定の速度以上の速度の画素を抽出することにより、アジマス圧縮後のSAR画像に含まれる移動体を検出することができる。つまり、移動体検出(MTI:Moving Target Indicator)技術に応用することができる。
図10は、画像再生ステップの処理を示すフローチャートである。
レンジマイグレーション補正部125は、相対距離rPT(t)に応じて、補正量Crを算出する。なお、補正量Crの算出方法は、例えば特許文献1に記載された方法等である。レンジマイグレーション補正部125は、算出された補正量Crに基づいて、(S1)でデータ入力部111が入力したレンジ圧縮後データについてレンジマイグレーション補正し補正後データを生成する。
ゼロ詰め処理部126は、(S51)で生成した補正後データに0を詰めることにより、補正後データの画素数を2のべき乗としたゼロ詰めデータを処理装置により生成する。
FFT処理部127は、(S52)で生成したゼロ詰めデータをFFT(高速フーリエ変換)しFFT後データを処理装置により生成する。
また、FFT処理部127は、参照関数生成部121が生成した参照関数fref(t)をFFTしFFT後参照関数を処理装置により生成する。
アジマス圧縮処理部128は、(S53)でFFT処理部127が生成したFFT後参照関数に基づき、FFT後データをアジマス圧縮しアジマス圧縮後データを処理装置により生成する。
IFFT処理部129は、(S54)でアジマス圧縮したアジマス圧縮後データをIFFT(逆高速フーリエ変換)し、IFFT後データを処理装置により生成する。これにより、アジマス圧縮したSAR画像データが生成される。
実施の形態2では、ドップラ周波数の帯域制限がされた場合について説明する。
なお、ドップラ周波数領域における目標距離の軌跡と時間領域における目標距離の軌跡とは、同等に扱うことができる。図12は、ドップラ周波数領域と時間領域との対応関係を示す図である。図12では、目標が静止している場合を例として示す。ドップラ周波数領域における相対距離の変化とそれに対応する時刻が既知であるため、時間軸と周波数軸とをユニークに対応付けることができる。図12では、周波数領域における領域S1と時間領域における領域S1’とが対応しており、周波数領域における領域S2と時間領域における領域S2’とが対応している。ここで、ドップラ周波数領域で高周波成分をカットするということは、時間軸で2次関数の頂点位置から遠い部分をカットすることに対応する。
図13に示すように、ドップラ周波数領域が制限されている場合、(S34)で計算される鮮明度が最も高くなるピークが1点ではなく、所定の範囲を持つことになる。つまり、レンジ方向速度の定数成分がarT_01からarT_02までの範囲で、鮮明度が最も高くなる。
図14では、本来の合成開口時間は合成開口時間Tであり、この範囲においては信号値を有するが、このうち領域Sの信号(二点破線部分)がカットされている。この場合、参照関数fref(t)を生成する際に用いる合成開口時間T’が合成開口時間Tと一致する場合(図14の合成開口時間tT(1)となる場合)の速度arT_0が本来求めるべき速度である。
しかし、(S1)で丹生慮臆された合成開口時間tsを徐々に図14の左側へずらしていくと、開始時刻αs startが信号がカットされた領域Sと重なる合成開口時間tT(2)になった時点で、合成開口時間tT(1)となる場合と、目標物の信号値を示す実線と、各合成開口時間における破線との相関(一致の程度)が同一になる。そのまま、合成開口時間tsを徐々に図14の左側へずらしていくと、開始時刻αs startが信号がカットされた領域Sと重なっている間は、ずっと合成開口時間tT(1)となる場合と、目標物の信号値を示す実線と、各合成開口時間における破線との相関(一致の程度)が同一になる。そして、開始時刻αs startが信号がカットされた領域Sを越えると、目標物の信号値を示す実線と、各合成開口時間における破線との相関(一致の程度)が低くなる。
つまり、図14において開始時刻αs startが信号がカットされた領域Sと重なる状態となるレンジ方向速度の定数成分arT_0の範囲が、図13で示すarT_01からarT_02までの範囲であり、鮮明度が最も高くなる。そして、鮮明度が最も高くなる範囲において、本来求めるべき速度は、(S1)で入力された合成開口時間tsから最も大きくずらした合成開口時間となる場合の速度である。
ここで、レンジ方向速度の定数成分arT_0が大きいほど、生成される参照関数fref(t)における合成開口時間tTと、(S1)で入力された合成開口時間tsとの間のずれが大きい。したがって、鮮明度が最も高くなる速度範囲で、最も速い速度を特定することで、本来求めるべき速度を特定することができる。したがって、図14では、arT_02をレンジ方向速度の定数成分として特定すればよい。
図15は、目標物速度特定装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図15に示すように、目標物速度特定装置100は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、LCD901(Liquid Crystal Display)、キーボード902(K/B)、通信ボード915、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920(固定ディスク装置)の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。磁気ディスク装置920は、所定の固定ディスクインタフェースを介して接続される。
ファイル群924には、上記の説明において被覆情報記憶装置34が記憶する情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「ファイル」や「データベース」の各項目として記憶される。「ファイル」や「データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPU911の動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPU911の動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、上記の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。また、「〜装置」として説明するものは、「〜回路」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。さらに、「〜処理」として説明するものは「〜ステップ」であっても構わない。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、ROM913等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、上記で述べた「〜部」としてコンピュータ等を機能させるものである。あるいは、上記で述べた「〜部」の手順や方法をコンピュータ等に実行させるものである。
Claims (13)
- SAR(Synthetic Aperture Radar)により観測された目標物の速度を特定する目標物速度特定装置であり、
SARが観測した目標物のデータについてレンジ圧縮したレンジ圧縮後データを入力して記憶装置に記憶するデータ入力部と、
SARを搭載したSAR搭載機の速度を入力して記憶装置に記憶するSAR速度入力部と、
合成開口時間の開始時刻と終了時刻とを示す合成開口時間情報を入力して記憶装置に記憶する合成開口時間情報入力部と、
目標物の複数の予測速度を入力して記憶装置に記憶する予測速度入力部と、
前記SAR速度入力部が入力したSAR搭載機の速度と、前記合成開口時間情報入力部が入力した合成開口時間情報が示す合成開口時間と、前記予測速度入力部が入力した複数の予測速度とに基づき、前記予測速度入力部が入力した予測速度毎に、前記SAR搭載機の速度と目標物の速度とに基づき表される前記SARと前記目標物との相対距離と、合成開口時間とから得られる参照関数を処理装置により生成することで、複数の参照関数を生成する参照関数生成部であって、前記予測速度に応じてSARと目標物との相対距離を表す2次関数の時間軸における頂点位置の合成開口中心からのずれに相当する時間tだけ前記合成開口時間の開始時刻と終了時刻との両方をずらすことにより変化させて参照関数を生成する参照関数生成部と、
前記参照関数生成部が生成した複数の参照関数の各参照関数に基づき、前記レンジ圧縮後データをアジマス圧縮し複数のアジマス圧縮後データを処理装置により生成するアジマス圧縮処理部と、
前記アジマス圧縮処理部が生成した複数のアジマス圧縮後データの各アジマス圧縮後データが示す目標物の画像の鮮明度を処理装置により算出する鮮明度算出部と、
前記鮮明度算出部が算出した前記目標物の画像の鮮明度が高いアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数を生成する場合に、前記参照関数生成部が使用した予測速度を目標物の速度として処理装置により特定する速度特定部と
を備えることを特徴とする目標物速度特定装置。 - 前記予測速度入力部は、目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式と、目標物のアジマス方向の予測速度を表す多項式とについて、所定の多項式の所定の次数から順に、その多項式のその次数の係数を変化させることにより生成した目標物の複数の予測速度を入力し、
前記速度特定部は、その次数の多項式で表した場合の目標物の速度を特定することで、その多項式のその次数の係数を特定し、
前記予測速度入力部は、その多項式のその次数係数の以外の係数は、前記速度特定部により既に特定されている場合には特定された値とし、特定されていない場合には所定の値とする
ことを特徴とする請求項1記載の目標物速度特定装置。 - 前記参照関数生成部は、
目標物のアジマス方向の予測速度を表す多項式の0次の係数を変化させて生成された予測速度と、目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式の1次の係数を変化させて生成された予測速度とのいずれかが入力された場合には、前記SARと前記目標物との相対距離を表す数1を数2に基づき展開して2次の項までに限定した式に基づき、数3を計算して参照関数を生成し、
目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式の0次の係数を変化させて生成された予測速度が入力された場合には、数1を展開して2次の項までに限定した式に基づくとともに、数4に基づき合成開口時間の開始時刻と終了時刻とを変化させて数3を計算して参照関数を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の目標物速度特定装置。
- 前記参照関数生成部は、
他の係数を変化させて生成された予測速度が入力された場合には、前記SARと前記目標物との相対距離を表す数1を所定の次数まで展開した式に基づき、数2を計算して参照関数を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の目標物速度特定装置。 - 前記予測速度入力部は、目標物のアジマス方向の予測速度を表す多項式の0次の係数を変化させて生成された予測速度と、目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式の1次の係数を変化させて生成された予測速度とを所定の順に入力し、次に目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式の0次の係数を変化させて生成された予測速度を入力し、その後他の係数を変化させて生成された予測速度を所定の順に入力する
ことを特徴とする請求項4に記載の目標物速度特定装置。 - 前記速度特定部は、目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式の0次の係数を変化させて生成された予測速度が入力された場合において、前記目標物の画像の鮮明度が高いアジマス圧縮後データが複数存在する場合には、前記目標物の画像の鮮明度が高い複数のアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数を生成する場合に、前記参照関数生成部が使用した予測速度のうちで最も速い予測速度を目標物の速度として特定する
ことを特徴とする請求項3から5までのいずれかに記載の目標物速度特定装置。 - SAR(Synthetic Aperture Radar)により観測された目標物の速度を特定する目標物速度特定プログラムであり、
SARが観測した目標物のデータについてレンジ圧縮したレンジ圧縮後データを入力するデータ入力処理と、
SARを搭載したSAR搭載機の速度を入力するSAR速度入力処理と、
合成開口時間の開始時刻と終了時刻とを示す合成開口時間情報を入力する合成開口時間情報入力処理と、
目標物の複数の予測速度を入力する予測速度入力処理と、
前記SAR速度入力処理で入力したSAR搭載機の速度と、前記合成開口時間情報入力処理で入力した合成開口時間情報が示す合成開口時間と、前記予測速度入力処理で入力した複数の予測速度とに基づき、前記予測速度入力処理で入力した予測速度毎に、前記SAR搭載機の速度と目標物の速度とに基づき表される前記SARと前記目標物との相対距離と、合成開口時間とから得られる参照関数を生成することで、複数の参照関数を生成する参照関数生成処理であって、前記予測速度に応じてSARと目標物との相対距離を表す2次関数の時間軸における頂点位置の合成開口中心からのずれに相当する時間tだけ前記合成開口時間の開始時刻と終了時刻との両方をずらすことにより変化させて参照関数を生成する参照関数生成処理と、
前記参照関数生成処理で生成した複数の参照関数の各参照関数に基づき、前記レンジ圧縮後データをアジマス圧縮し複数のアジマス圧縮後データを生成するアジマス圧縮処理と、
前記アジマス圧縮処理で生成した複数のアジマス圧縮後データの各アジマス圧縮後データが示す目標物の画像の鮮明度を算出する鮮明度算出処理と、
前記鮮明度算出処理で算出した前記目標物の画像の鮮明度が高いアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数を生成する場合に、前記参照関数生成処理で使用した予測速度を目標物の速度として特定する速度特定処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする目標物速度特定プログラム。 - 前記予測速度入力処理では、目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式と、目標物のアジマス方向の予測速度を表す多項式とについて、所定の多項式の所定の次数から順に、その多項式のその次数の係数を変化させることにより生成した目標物の複数の予測速度を入力し、
前記速度特定処理では、その次数の多項式で表した場合の目標物の速度を特定することで、その多項式のその次数の係数を特定し、
前記予測速度入力処理では、その多項式のその次数の係数以外の係数は、前記速度特定処理で既に特定されている場合には特定された値とし、特定されていない場合には所定の値とする
ことを特徴とする請求項7記載の目標物速度特定プログラム。 - 前記参照関数生成処理では、
目標物のアジマス方向の予測速度を表す多項式の0次の係数を変化させて生成された予測速度と、目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式の1次の係数を変化させて生成された予測速度とのいずれかが入力された場合には、前記SARと前記目標物との相対距離を表す数7を数8に基づき展開して2次の項までに限定した式に基づき、数9を計算して参照関数を生成し、
目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式の0次の係数を変化させて生成された予測速度が入力された場合には、数7を展開して2次の項までに限定した式に基づくとともに、数10に基づき合成開口時間の開始時刻と終了時刻とを変化させて数9を計算して参照関数を生成する
ことを特徴とする請求項8に記載の目標物速度特定プログラム。
- 前記参照関数生成処理では、
他の係数を変化させて生成された予測速度が入力された場合には、前記SARと前記目標物との相対距離を表す数7を所定の次数まで展開した式に基づき、数8を計算して参照関数を生成する
ことを特徴とする請求項9に記載の目標物速度特定プログラム。 - 前記予測速度入力処理では、目標物のアジマス方向の予測速度を表す多項式の0次の係数を変化させて生成された予測速度と、目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式の1次の係数を変化させて生成された予測速度とを所定の順に入力し、次に目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式の0次の係数を変化させて生成された予測速度を入力し、その後他の係数を変化させて生成された予測速度を所定の順に入力する
ことを特徴とする請求項10に記載の目標物速度特定プログラム。 - 前記速度特定処理では、目標物のレンジ方向の予測速度を表す多項式の0次の係数を変化させて生成された予測速度が入力された場合において、前記目標物の画像の鮮明度が高いアジマス圧縮後データが複数存在する場合には、前記目標物の画像の鮮明度が高い複数のアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数を生成する場合に、前記参照関数生成処理で使用した予測速度のうちで最も速い予測速度を目標物の速度として特定する
ことを特徴とする請求項9から11までのいずれかに記載の目標物速度特定プログラム。 - SAR(Synthetic Aperture Radar)により観測された目標物の速度を特定する目標物速度特定方法であり、
SARが観測した目標物のデータについてレンジ圧縮したレンジ圧縮後データを入力するデータ入力工程と、
SARを搭載したSAR搭載機の速度を入力するSAR速度入力工程と、
合成開口時間の開始時刻と終了時刻とを示す合成開口時間情報を入力する合成開口時間情報入力工程と、
目標物の複数の予測速度を入力する予測速度入力工程と、
前記SAR速度入力工程で入力したSAR搭載機の速度と、前記合成開口時間情報入力工程で入力した合成開口時間情報が示す合成開口時間と、前記予測速度入力工程で入力した複数の予測速度とに基づき、前記予測速度入力工程で入力した予測速度毎に、前記SAR搭載機の速度と目標物の速度とに基づき表される前記SARと前記目標物との相対距離と、合成開口時間とから得られる参照関数を生成することで、複数の参照関数を生成する参照関数生成工程であって、前記予測速度に応じてSARと目標物との相対距離を表す2次関数の時間軸における頂点位置の合成開口中心からのずれに相当する時間tだけ前記合成開口時間の開始時刻と終了時刻との両方をずらすことにより変化させて参照関数を生成する参照関数生成工程と、
前記参照関数生成工程で生成した複数の参照関数の各参照関数に基づき、前記レンジ圧縮後データをアジマス圧縮し複数のアジマス圧縮後データを生成するアジマス圧縮処理工程と、
前記アジマス圧縮処理工程で生成した複数のアジマス圧縮後データの各アジマス圧縮後データが示す目標物の画像の鮮明度を算出する鮮明度算出工程と、
前記鮮明度算出工程で算出した前記目標物の画像の鮮明度が高いアジマス圧縮後データを生成するために使用した参照関数を生成する場合に、前記参照関数生成工程で使用した予測速度を目標物の速度として特定する速度特定工程と
を備えることを特徴とする目標物速度特定方法。
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