JP6415392B2 - 信号処理装置 - Google Patents

信号処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6415392B2
JP6415392B2 JP2015115989A JP2015115989A JP6415392B2 JP 6415392 B2 JP6415392 B2 JP 6415392B2 JP 2015115989 A JP2015115989 A JP 2015115989A JP 2015115989 A JP2015115989 A JP 2015115989A JP 6415392 B2 JP6415392 B2 JP 6415392B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
load data
load
interference
radio wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015115989A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017003361A (ja
Inventor
聡宏 伊藤
聡宏 伊藤
若山 俊夫
俊夫 若山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2015115989A priority Critical patent/JP6415392B2/ja
Publication of JP2017003361A publication Critical patent/JP2017003361A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6415392B2 publication Critical patent/JP6415392B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Description

この発明は、フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーの受信信号をDBF(Digital Beam Forming)方式で合成する信号処理装置に関するものである。
近年、DBF方式を利用する信号処理装置がよく用いられている。
DBF方式は、フェーズドアレーアンテナを構成しているサブアレー毎にAD変換器を設けて、複数のサブアレーの受信信号をデジタル信号に変換し、複数のデジタル信号をデジタル信号処理でアレー信号合成を行う方式である。
DBF方式では、アレー信号合成を行うことで、所望信号の利得を高めることができるほか、不要信号の利得を0に近づける処理であるNull形成の処理も可能である。
以下の非特許文献1には、複数のサブアレーの受信信号に応じてNullの形成を行うアダプティブアレー処理が開示されている。アダプティブアレー処理を実施することで、不要波の状態が変化しても、その変化に追従してNullの形成を行うことができる。
このアダプティブアレー処理は、複数のサブアレーの受信信号からDBF方式で用いる荷重ベクトルを計算し、その荷重ベクトルが示す荷重を複数のサブアレーの受信信号に乗算することが実現される。
この荷重ベクトルの計算は、複数のサブアレーの受信信号における相関行列の生成や逆行列演算などによって行われる。
「アダプティブアンテナ技術」 菊間信良著 2003年 オーム社発行
従来の信号処理装置は以上のように構成されているので、不要波の状態が変化しても、その変化に追従してNullの形成を行うことができる。しかし、複数のサブアレーの受信信号に応じてNullの形成を行うアダプティブアレー処理を実施する際、複数のサブアレーの受信信号からDBF方式で用いる荷重ベクトルを計算する必要があり、この荷重ベクトルの計算を行うには、相関行列の生成や逆行列演算などの負荷が高い演算を行う必要がある課題があった。
また、所望信号の到来方位や電力と、不要波の到来方位、到来数や電力の関係によっては、アダプティブアレー処理によって得られるアンテナパターンにおけるメインローブの利得の低下や方位がずれてしまうことがあるという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、負荷が低い演算でアダプティブアレー処理を実施することができるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の低下や方位ずれを防止することができる信号処理装置を得ることを目的とする。
この発明に係る信号処理装置は、1つ以上の素子アンテナからなるサブアレーが複数配置されているフェーズドアレーアンテナと、サブアレーの受信信号の中に、既知の干渉源から放射された干渉電波が含まれているか否かを判定する干渉電波入射有無判定部と、干渉電波の入射の有無とフェーズドアレーアンテナのビーム方位との組み合わせ毎に、フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーの受信信号に乗算する荷重を示す荷重データを記憶している荷重データ記憶部と、荷重データ記憶部に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部の判定結果及びフェーズドアレーアンテナのビーム方位に対応する荷重データを取得する荷重データ取得部と荷重データ取得部により取得された荷重データが示す荷重を複数のサブアレーの受信信号に乗算するデジタルビームフォーミング処理部を備え、干渉電波入射有無判定部が、既知の干渉源の方位に対応する荷重ベクトルを記憶している荷重ベクトル記憶部と、サブアレーの受信信号と荷重ベクトル記憶部に記憶されている荷重ベクトルから、干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数を算出する評価関数算出部と、評価関数算出部により算出された判定用評価関数を用いて、干渉電波の入射の有無を判定する判定処理部を有するものである。
この発明によれば、荷重データ記憶部に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部の判定結果及びフェーズドアレーアンテナのビーム方位に対応する荷重データを取得する荷重データ取得部を設け、デジタルビームフォーミング処理部が、荷重データ取得部により取得された荷重データが示す荷重を複数のサブアレーの受信信号に乗算するように構成したので、負荷が低い演算でアダプティブアレー処理を実施することができるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の低下や方位ずれを防止することができる効果がある。
この発明の実施の形態1による信号処理装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。 デジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合のハードウェア構成図である。 この発明の実施の形態1による信号処理装置の処理内容を示すフローチャートである。 デジタル信号処理部2の干渉電波入射有無判定部21を示す構成図である。 この発明の実施の形態2による信号処理装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態2による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。 デジタル信号処理部2の干渉電波入射有無判定部60を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による信号処理装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。 デジタル信号処理部2の干渉電波入射有無判定部80を示す構成図である。 この発明の実施の形態4による信号処理装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。 この発明の実施の形態5による信号処理装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態5による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。 この発明の実施の形態6による信号処理装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態6による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面にしたがって説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による信号処理装置を示す構成図であり、図2はこの発明の実施の形態1による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
この信号処理装置は、レーダ装置として使用されるものを想定しており、この信号処理装置に入射される不要波として、他のレーダ装置、あるいは、電波塔などの既知の固定の電波源から放射される信号と、自身が放射している送信信号が建造物や山などに反射された信号であるグランドクラッタとを想定している。
図1の信号処理装置では、信号の受信系統のみを示しているが、この信号処理装置は信号の送信系統も実装しており、信号の送信処理も実施する。ただし、この信号処理装置においては、信号の送信処理は必須の処理ではなく、別の信号処理装置が実施するものであってもよい。
図1及び図2において、信号処理装置はアンテナ装置1とデジタル信号処理部2から構成されている。
アンテナ装置1はサブアレー11−1〜11−MとRF部12−1〜12−MとAD変換器13−1〜13−Mから構成されている。Mは1以上の整数である。
サブアレー11−1〜11−Mは少なくとも1つ以上の素子アンテナから構成されており、各々の素子アンテナにより受信された信号の合成信号がサブアレー11−1〜11−Mの受信信号として出力される。
図1の例では、M個のサブアレー11−1〜11−Mが1次元に配置されており、M個のサブアレー11−1〜11−Mがフェーズドアレーアンテナを構成している。
図1では、M個のサブアレー11−1〜11−Mが1次元に配置されている例を示しているが、M個のサブアレー11−1〜11−Mが2次元又は3次元に配置されているものであってもよい。
RF部12−1〜12−Mはサブアレー11−1〜11−Mの受信信号の周波数をベースバンド信号の周波数に変換する。
AD変換器13−1〜13−MはRF部12−1〜12−Mにより周波数が変換された受信信号をデジタル信号に変換して、そのデジタル信号をデジタル信号処理部2に出力するアナログディジタル変換器である。
デジタル信号処理部2は干渉電波入射有無判定部21、ビーム方位情報受信部22、荷重データ記憶部23、荷重データ取得部24、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26から構成されている。
干渉電波入射有無判定部21は例えばCPU(Central Processing Unit)を実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されている判定処理回路31で実現されるものであり、m番目のAD変換器13−mから出力されたデジタル信号の中に、既知の干渉源から放射された干渉電波が含まれているか否かを判定する処理を実施する。
図1では、干渉電波入射有無判定部21が、m番目のAD変換器13−mから出力されたデジタル信号を受ける例を示しているが、AD変換器13−1〜13−Mのうち、いずれかの1つのAD変換器13から出力されたデジタル信号を受けることができればよく、m番目のAD変換器13−mから出力されたデジタル信号を受けるものに限るものではない。
ビーム方位情報受信部22は例えばインターネットやLAN(Local Area Network)などの伝送路に対するインタフェースであるネットワーク機器32で実現されるものであり、例えば、外部装置から伝送路を介してビーム方位を示すビーム方位情報を受信すると、そのビーム方位情報を荷重データ取得部24に出力する処理を実施する。
荷重データ記憶部23は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置33で実現されるものであり、既知の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無と、DBF処理部25により電子的に切り換えられるビーム方位との組み合わせ毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタル信号に乗算する荷重を示す荷重データを記憶している。
荷重データ取得部24は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されているデータ取得処理回路34で実現されるものであり、荷重データ記憶部23に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部21の判定結果及びビーム方位情報受信部22から出力されたビーム方位情報が示すビーム方位に対応する荷重データを取得する処理を実施する。
DBF処理部(デジタルビームフォーミング処理部)25は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されているDBF処理回路35で実現されるものであり、荷重データ取得部24により取得された荷重データが示す荷重をAD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタル信号に乗算するDBF処理を実施する。
レーダ信号処理部26は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されているレーダ信号処理回路36で実現されるものであり、DBF処理部25によるDBF処理後のデジタル信号を用いて、一般的なレーダ信号処理として、目標の検出処理、目標までの距離や測角の処理などを実施する。
図1の例では、デジタル信号処理部2の構成要素である干渉電波入射有無判定部21、ビーム方位情報受信部22、荷重データ記憶部23、荷重データ取得部24、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、デジタル信号処理部2がコンピュータで構成されていてもよい。
図3はデジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合のハードウェア構成図である。
デジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合、荷重データ記憶部23をコンピュータのメモリ41上に構成するとともに、干渉電波入射有無判定部21、ビーム方位情報受信部22、荷重データ取得部24、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26の処理内容を記述しているプログラムをメモリ41に格納し、コンピュータのプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図4はこの発明の実施の形態1による信号処理装置の処理内容を示すフローチャートである。
図5はデジタル信号処理部2の干渉電波入射有無判定部21を示す構成図である。
図5において、周波数スペクトル算出部51はm番目のAD変換器13−mから出力されたデジタル信号をフーリエ変換することで、サブアレー11−mの受信信号の周波数スペクトルを算出する処理を実施する。
干渉電波周波数スペクトル記憶部52は既知の干渉源から放射された干渉電波がサブアレー11−mにより受信された場合のサブアレー11−mの受信信号の周波数スペクトルを記憶している。
評価関数算出部53は周波数スペクトル算出部51により算出された周波数スペクトルと干渉電波周波数スペクトル記憶部52に記憶されている周波数スペクトルから、干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数を算出する処理を実施する。
判定処理部54は評価関数算出部53により算出された判定用評価関数を用いて、干渉電波の入射の有無を判定する処理を実施する。
次に動作について説明する。
この実施の形態1では、既知の干渉源から干渉電波が放射された場合、その干渉電波が放射されてくる方位に、DBF方式でNullを形成することを想定しているが、既知の干渉源がレーダである場合、その干渉源から放射される電波の方位が時々刻々と変動し、その電波が本信号処理装置のフェーズドアレーアンテナに入射されないこともある。
DBF方式でNullを形成する場合、観測目標がNullの形成方位に存在していると、観測目標からの到来信号である所望信号が抑圧されてしまう。そのため、干渉源から放射される電波がフェーズドアレーアンテナに入射されない状況下では、Nullの形成を行わないことが望ましい。
この実施の形態1では、既知のN(Nは1以上の整数)個の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無と、DBF処理部25により電子的に切り換えられるビーム方位との組み合わせ毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタル信号に乗算するDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを示す荷重データが事前に計算されており、その組み合わせ毎の荷重データを示すDBF荷重テーブルがデジタル信号処理部2の荷重データ記憶部23に記憶されているものとする(図4のステップST1)。
ここでは、既知の干渉源の個数がN個であるとしているので、DBF処理部25により電子的に切り換えられるビーム方位の切換数がPであるとすれば、N×P個の荷重データが計算されて、N×P個の荷重データがテーブル化される。
DBF荷重テーブルの生成方法は特に問わないが、例えば、以下に示すような方法がある。
(1)1つ目の生成方法
既知の干渉源の設置位置の情報と、グランドクラッタ源の位置を示す地形データとを用いて、サブアレー11−1〜11−Mで受信される信号、即ち、干渉波とグランドクラッタが混在している受信信号x’(t)〜x’(t)を模擬計算し、その受信信号x’(t)〜x’(t)に含まれている干渉波とグランドクラッタが十分に抑圧されるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得が十分に高くて、メインローブの方位が所望の方位と一致するDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算する。
各々のDBFビーム方位と、各々の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無との全ての組み合わせについて、DBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mの計算を行うことで、DBF荷重テーブルを生成する。
なお、模擬計算した受信信号x’(t)〜x’(t)からDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算する処理として、既存のアダプティブアレー処理のアルゴリズムを用いることができる。例えば、上記の非特許文献1に記載されているDCMP(Directionally Constrained Minimization of Power)や、以下の非特許文献2に記載されている射影法などを用いることができる。
[非特許文献2]
紀平一成他,“信号部分空間ブラインド抽出によるレーダ用アダプティブアレーアンテナ,”信学論 B, Vol.J88-B,°No.9,pp.1752-1759,2005.
(2)2つ目の生成方法
既知の干渉源から放射された干渉波とグランドクラッタが混在している受信信号x’(t)〜x’(t)を実際に受信し、その受信信号x’(t)〜x’(t)からDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算する。
ただし、干渉波とグランドクラッタが混在している受信信号x’(t)〜x’(t)の受信処理は、観測目標がレーダの観測領域に存在しない状況で行う必要がある。
各々のDBFビーム方位と、各々の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無との全ての組み合わせについて、DBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mの計算を行うことで、DBF荷重テーブルを生成する。
1つ目の生成方法と2つ目の生成方法を組み合わせた方法を用いることもできる。
例えば、グランドクラッタのみが受信される状況で受信信号を受信し、また、既知の干渉源の設置位置の情報から受信信号を模擬計算し、双方の受信信号を合成して、その合成信号からDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算するものがある。
本信号処理装置又は別の信号処理装置がレーダ信号を送信すると、観測目標等に反射されたレーダ信号の反射波が、フェーズドアレーアンテナを構成しているサブアレー11−1〜11−Mに受信される(ステップST2)。
また、干渉源から放射される干渉電波が入射されていれば、その干渉電波がレーダ信号の反射波と一緒にサブアレー11−1〜11−Mに受信される(ステップST2)。
サブアレー11−1〜11−Mの受信信号x(t)〜x(t)は、下記の式(1)のように表される。

Figure 0006415392

式(1)において、x(t)はm番目のサブサレー11−mの受信信号を示しており、添字のTは転置を表している。
RF部12−1〜12−Mは、サブアレー11−1〜11−Mの受信信号x(t)〜x(t)を受けると、その受信信号x(t)〜x(t)の周波数をベースバンド信号の周波数に変換し、周波数変換後の受信信号x(t)〜x(t)をAD変換器13−1〜13−Mに出力する。
AD変換器13−1〜13−Mは、RF部12−1〜12−Mから周波数変換後の受信信号x(t)〜x(t)を受けると、その受信信号x(t)〜x(t)をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号をデジタル信号処理部2に出力する。
デジタル信号処理部2の干渉電波入射有無判定部21は、m番目のAD変換器13−mから出力されたデジタルの受信信号x(t)を受けると、その受信信号x(t)の中に、既知の干渉源から放射された干渉電波が含まれているか否かを判定する。即ち、既知の干渉源から放射された干渉電波がフェーズドアレーアンテナに入射されているか否かを判定する(ステップST3)。
以下、干渉電波入射有無判定部21の判定処理を具体的に説明する。
この実施の形態1では、既知の干渉源の数がN個として、n番目の干渉源から放射された干渉電波がフェーズドアレーアンテナに入射されているか否かの判定処理について説明する。
干渉電波入射有無判定部21の周波数スペクトル算出部51は、m番目のAD変換器13−mからデジタルの受信信号x(t)を受けると、そのデジタルの受信信号x(t)をフーリエ変換することで、そのデジタルの受信信号x(t)の周波数スペクトルX(f)を算出する。

Figure 0006415392

式(2)において、FT[]はフーリエ変換を表している。
この実施の形態1では、干渉電波周波数スペクトル記憶部52には、n番目の干渉源から放射された干渉電波がサブアレー11−mにより受信された場合のサブアレー11−mの受信信号の周波数スペクトルR(f)が記憶されているものとする。
周波数スペクトルR(f)は、干渉源から放射される干渉電波の波形や周波数等の情報から数値計算によって生成することが可能である。また、干渉源から放射される干渉電波を受信すれば、その干渉電波の受信信号から生成することも可能である。
評価関数算出部53は、周波数スペクトル算出部51が受信信号x(t)の周波数スペクトルX(f)を算出すると、その周波数スペクトルX(f)と干渉電波周波数スペクトル記憶部52に記憶されている周波数スペクトルR(f)から、下記の式(3)に示すように、n番目の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数gm,n(t)を算出する。

Figure 0006415392

式(3)において、FT−1[]は逆フーリエ変換、添字の*は複素共役を表している。
判定処理部54は、評価関数算出部53が判定用評価関数gm,n(t)を算出すると、その判定用評価関数gm,n(t)の信号強度(あるいは電力)を算出し、下記の式(4)に示すように、判定用評価関数gm,n(t)の信号強度が事前に設定された閾値α以上であれば、n番目の干渉源から放射された干渉電波が入射されていると判定する。一方、判定用評価関数gm,n(t)の信号強度が閾値α未満であれば、n番目の干渉源から放射された干渉電波が入射されていないと判定する。

Figure 0006415392

式(4)において、E[]は判定用評価関数gm,n(t)の信号強度である。
上記の式(3)及び式(4)を用いた処理は、干渉源が既知の電波源であることを利用して、干渉源から放射される干渉電波に対する整合フィルタを形成しており、その整合フィルタの出力信号の強度あるいは電力で、干渉源から放射される干渉電波の入射の有無を判定する処理となっている。
式(3)及び式(4)を用いた処理は、複素フーリエ変換と複素積和演算程度の計算であり、例えば、高速フーリエ変換であるFFT(Fast Fourier Transform)を利用すれば、高速に処理可能である。従来のアダプティブアレー処理で行われる複数のサブアレーの受信信号における相関行列の生成や逆行列演算などと比較して、演算負荷が小さいものとなっている。
ここでは、整合フィルタを用いて、n番目の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無を判定する例を示しているが、例えば、干渉波源から放射された干渉電波の信号帯域を通過するバンドパスフィルタであるBPF(Band Pass Filter)を生成し、そのBPFの出力電力を用いて、n番目の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無を判定する簡易な構成であってもよい。
デジタル信号処理部2のビーム方位情報受信部22は、例えば、外部装置から伝送路を介してビーム方位を示すビーム方位情報を受信すると、そのビーム方位情報を荷重データ取得部24に出力する(ステップST4)。
デジタル信号処理部2の荷重データ取得部24は、荷重データ記憶部23に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部21の判定結果及びビーム方位情報受信部22から出力されたビーム方位情報が示すビーム方位に対応する荷重データを取得する(ステップST5)。
例えば、干渉電波入射有無判定部21の判定結果が、N個の干渉源から放射された干渉電波のうち、2番目と5番目の干渉源から放射された干渉電波だけが入射されている旨を示しており、また、ビーム方位情報が示すビーム方位がθであれば、荷重データ記憶部23に記憶されている2×P個の荷重データの中から、2番目と5番目の干渉源から放射された干渉電波が入射(他の干渉源から放射された干渉電波が非入射)で、かつ、ビーム方位θに対応している荷重データを取得する。
デジタル信号処理部2のDBF処理部25は、荷重データ取得部24が荷重データを取得すると、その荷重データが示すDBF荷重wNULL,1〜wNULL,MをAD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x(t)〜x(t)、即ち、式(1)によって表される受信信号x(t)に乗算するDBF処理を実施する(ステップST6)。
このDBF処理が実施されることで、下記の式(5)に示すように、不要波が抑圧されたDBF処理後の信号y(t)が生成される。

Figure 0006415392

式(5)において、添字のHは複素共役転置を表している。
なお、実際のDBF処理では、複数の方位に並列処理的にDBMビームを形成することもある。その場合には、各ビーム方位に対応するDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを取得することで、並列処理で複数のDBF処理後の信号y(t)を生成することも可能である。
なお、図4においては、既知の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無の判定処理からDBF処理までの一連の処理をセミアダプティブアレー処理と呼んでいる。
レーダ信号処理部26は、DBF処理部25がDBF処理後の信号y(t)を生成すると、DBF処理後の信号y(t)を用いて、一般的なレーダ信号処理として、目標の検出処理、目標までの距離や測角の処理などを実施する(ステップST7)。
このレーダ信号処理の内容は、本装置を用いるレーダ装置自体の運用目的によって異なるものである。
以降、信号処理装置では、ステップST2〜ST7の処理が繰り返し実施される。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、荷重データ記憶部23に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部21の判定結果及びビーム方位情報受信部22から出力されたビーム方位情報が示すビーム方位に対応する荷重データを取得する荷重データ取得部24を設け、DBF処理部25が、荷重データ取得部24により取得された荷重データが示すDBF荷重wNULL,1〜wNULL,MをAD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x(t)〜x(t)に乗算するように構成したので、負荷が低い演算でアダプティブアレー処理を実施することができるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の低下や方位ずれを防止することができる効果を奏する。
即ち、荷重データ記憶部23に記憶されている荷重データは、受信信号x(t)〜x(t)に含まれている干渉波とグランドクラッタが十分に抑圧されるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得が十分に高くて、メインローブの方位が所望の方位と一致するDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを事前に計算しているものであるため、所望信号や不要波が変化しても、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の低下や方位ずれが発生することはない。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、干渉電波入射有無判定部21が、サブアレー11−mの受信信号の周波数スペクトルに着目して、干渉電波の入射の有無を判定するものを示したが、既知の干渉源の方位に着目して、干渉電波の入射の有無を判定するようにしてもよい。
図6はこの発明の実施の形態2による信号処理装置を示す構成図であり、図7はこの発明の実施の形態2による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
図6及び図7において、図1及び図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
干渉電波入射有無判定部60は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されている判定処理回路71で実現されるものであり、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタル信号の中に、既知の干渉源から放射された干渉電波が含まれているか否かを判定する処理を実施する。
図6の例では、デジタル信号処理部2の構成要素である干渉電波入射有無判定部60、ビーム方位情報受信部22、荷重データ記憶部23、荷重データ取得部24、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、デジタル信号処理部2がコンピュータで構成されていてもよい。
デジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合、荷重データ記憶部23を図3に示すコンピュータのメモリ41上に構成するとともに、干渉電波入射有無判定部60、ビーム方位情報受信部22、荷重データ取得部24、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26の処理内容を記述しているプログラムをメモリ41に格納し、コンピュータのプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図8はデジタル信号処理部2の干渉電波入射有無判定部60を示す構成図である。
図8において、荷重ベクトル記憶部61はN個の既知の干渉源の方位に対応する荷重ベクトルw〜wを記憶している。
評価関数算出部62はAD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x(t)〜x(t)と荷重ベクトル記憶部61に記憶されている荷重ベクトルw〜wから、既知の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数f(t)〜f(t)を算出する処理を実施する。
判定処理部63は評価関数算出部62により算出された判定用評価関数f(t)〜f(t)を用いて、干渉電波の入射の有無を判定する処理を実施する。
次に動作について説明する。
ただし、干渉電波入射有無判定部60以外は、上記実施の形態1と同様であるため、干渉電波入射有無判定部60の処理内容についてのみ説明する。
ここでは、説明の便宜、n番目の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無の判定処理について説明する。
干渉電波入射有無判定部60の荷重ベクトル記憶部61には、下記の式(6)に示すようなn番目の干渉源の方位に対応する荷重ベクトルwが事前に記憶されている。

Figure 0006415392

式(6)において、d〜dはサブアレー11−1〜11−Mの位置ベクトル、λは波長である。
また、uはn番目の干渉源から放射される干渉電波の方位ベクトルであり、n番目の干渉源は既知の電波源であるため、干渉電波の方位ベクトルuも既知である。
評価関数算出部62は、AD変換器13−1〜13−Mからデジタルの受信信号x(t)〜x(t)を受けると、即ち、式(1)によって表される受信信号x(t)を受けると、その受信信号x(t)と荷重ベクトル記憶部61に記憶されているn番目の干渉源の方位に対応する荷重ベクトルwから、n番目の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数f(t)を算出する。

Figure 0006415392
判定処理部63は、評価関数算出部62が判定用評価関数f(t)を算出すると、その判定用評価関数f(t)の信号強度(あるいは電力)を算出し、下記の式(8)に示すように、判定用評価関数f(t)の信号強度が事前に設定された閾値β以上であれば、n番目の干渉源から放射された干渉電波が入射されていると判定する。一方、判定用評価関数f(t)の信号強度が閾値β未満であれば、n番目の干渉源から放射された干渉電波が入射されていないと判定する。

Figure 0006415392

式(8)において、E[]は判定用評価関数f(t)の信号強度である。
実施の形態3.
上記実施の形態1では、干渉電波入射有無判定部21が、サブアレー11−mの受信信号の周波数スペクトルに着目して、干渉電波の入射の有無を判定し、上記実施の形態2では、干渉電波入射有無判定部60が、既知の干渉源の方位に着目して、干渉電波の入射の有無を判定するものを示したが、周波数スペクトルと干渉源の方位の両方に着目して、干渉電波の入射の有無を判定するようにしてもよい。
図9はこの発明の実施の形態3による信号処理装置を示す構成図であり、図10はこの発明の実施の形態3による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
図9及び図10において、図1及び図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
干渉電波入射有無判定部80は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されている判定処理回路72で実現されるものであり、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x(t)〜x(t)の中に、既知の干渉源から放射された干渉電波が含まれているか否かを判定する処理を実施する。
図9の例では、デジタル信号処理部2の構成要素である干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ記憶部23、荷重データ取得部24、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、デジタル信号処理部2がコンピュータで構成されていてもよい。
デジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合、荷重データ記憶部23を図3に示すコンピュータのメモリ41上に構成するとともに、干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ取得部24、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26の処理内容を記述しているプログラムをメモリ41に格納し、コンピュータのプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図11はデジタル信号処理部2の干渉電波入射有無判定部80を示す構成図である。
図11において、図5及び図8と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
判定処理部81は評価関数算出部53により算出された判定用評価関数と評価関数算出部62により算出された判定用評価関数を用いて、干渉電波の入射の有無を判定する処理を実施する。
この実施の形態3では、評価関数算出部53が第1の評価関数算出部を構成し、評価関数算出部62が第2の評価関数算出部を構成している。
次に動作について説明する。
干渉電波入射有無判定部80の周波数スペクトル算出部51は、AD変換器13−1〜13−Mからデジタルの受信信号x(t)〜x(t)を受けると、そのデジタルの受信信号x(t)〜x(t)をフーリエ変換することで、そのデジタルの受信信号x(t)〜x(t)の周波数スペクトルX(f)〜X(f)を算出する。
上記実施の形態1では、m番目の受信信号xの周波数スペクトルX(f)だけを算出しているが、この実施の形態3では、M個の受信信号x(t)〜x(t)の周波数スペクトルX(f)〜X(f)を算出している点で相違している。
この実施の形態3では、干渉電波周波数スペクトル記憶部52には、n番目の干渉源から放射された干渉電波がサブアレー11−mにより受信された場合のサブアレー11−mの受信信号の周波数スペクトルR(f)が記憶されるだけでなく、M個のサブアレー11−1〜11−Mにより受信された場合のサブアレー11−1〜11−Mの受信信号の周波数スペクトルR(f)が記憶されているものとする。
評価関数算出部53は、周波数スペクトル算出部51が受信信号x(t)〜x(t)の周波数スペクトルX(f)〜X(f)を算出すると、その周波数スペクトルX(f)〜X(f)と干渉電波周波数スペクトル記憶部52に記憶されている周波数スペクトルR(f)から、n番目の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数g1,n(t)〜gM,n(t)を算出する。この判定用評価関数g1,n(t)〜gM,n(t)の算出処理自体は、上記実施の形態1と同様であり、式(3)を用いて算出する。
評価関数算出部53は、M個の判定用評価関数g1,n(t)〜gM,n(t)を算出すると、下記の式(9)に示すように、M個の判定用評価関数g1,n(t)〜gM,n(t)から判定用評価関数g(t)を算出する。

Figure 0006415392
評価関数算出部62は、AD変換器13−1〜13−Mからデジタルの受信信号x(t)〜x(t)を受けると、即ち、式(1)によって表される受信信号x(t)を受けると、上記実施の形態2と同様に、式(7)を用いて、その受信信号x(t)と荷重ベクトル記憶部61に記憶されているn番目の干渉源の方位に対応する荷重ベクトルwから、n番目の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数f(t)を算出する。
判定処理部81は、評価関数算出部53が判定用評価関数g(t)を算出し、評価関数算出部62が判定用評価関数f(t)を算出すると、下記の式(10)に示すように、その判定用評価関数g(t)と判定用評価関数f(t)から最終的な判定用評価関数h(t)を算出する。

Figure 0006415392
判定処理部81は、最終的な判定用評価関数h(t)を算出すると、その判定用評価関数h(t)の信号強度(あるいは電力)を算出し、下記の式(11)に示すように、判定用評価関数h(t)の信号強度が事前に設定された閾値γ以上であれば、n番目の干渉源から放射された干渉電波が入射されていると判定する。一方、判定用評価関数h(t)の信号強度が閾値γ未満であれば、n番目の干渉源から放射された干渉電波が入射されていないと判定する。

Figure 0006415392

式(11)において、E[]は判定用評価関数h(t)の信号強度である。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、周波数スペクトルと干渉源の方位の両方に着目して、干渉電波の入射の有無を判定するようにしているので、上記実施の形態1,2よりも、干渉電波の入射の有無の判定精度を高めることができる効果を奏する。
実施の形態4.
上記実施の形態1〜3では、DBF処理部25がDBF荷重wNULL,1〜wNULL,MをAD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x(t)〜x(t)に乗算するDBF処理を実施することで、フェーズドアレーアンテナのビーム方位を電子的に制御するものを示したが、ビーム方位を電子的に制御するものに加えて、フェーズドアレーアンテナのアンテナ開口を物理的に制御する機構が実装されているものであってもよい。
図12はこの発明の実施の形態4による信号処理装置を示す構成図であり、図13はこの発明の実施の形態4による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
図12及び図13において、図9及び図10と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
開口方位制御部90はフェーズドアレーアンテナを機械的に駆動するモータなどの駆動機構を備えており、そのフェーズドアレーアンテナの開口方位を制御する。
開口方位制御部90が備える駆動機構としては、例えば、方位角方向に対する1次元の回転機構や、2次元的な駆動機構などが考えられる。
荷重データ記憶部91は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置73で実現されるものであり、既知の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無と、DBF処理部25により電子的に切り換えられるビーム方位と、フェーズドアレーアンテナの開口方位との組み合わせ毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x(t)〜x(t)に乗算する荷重を示す荷重データを記憶している。
荷重データ取得部92は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されているデータ取得処理回路74で実現されるものであり、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部80の判定結果、ビーム方位情報受信部22から出力されたビーム方位情報が示すビーム方位及び開口方位制御部90により制御された開口方位に対応する荷重データを取得する処理を実施する。
図12の信号処理装置は、図9の信号処理装置に対して、開口方位制御部90、荷重データ記憶部91及び荷重データ取得部92を適用している例を示しているが、図1又は図6の信号処理装置に対して、開口方位制御部90、荷重データ記憶部91及び荷重データ取得部92を適用してもよい。
図12の例では、デジタル信号処理部2の構成要素である干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ記憶部91、荷重データ取得部92、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、デジタル信号処理部2がコンピュータで構成されていてもよい。
デジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合、荷重データ記憶部91を図3に示すコンピュータのメモリ41上に構成するとともに、干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ取得部92、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26の処理内容を記述しているプログラムをメモリ41に格納し、コンピュータのプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
開口方位制御部90は、フェーズドアレーアンテナを機械的に駆動するモータなどの駆動機構を備えており、そのフェーズドアレーアンテナの開口方位を制御する。
開口方位制御部90がフェーズドアレーアンテナの開口方位を制御することで、フェーズドアレーアンテナのビーム方位が変化する。
したがって、この実施の形態4では、DBF処理部25によるDBF処理の実施によって、フェーズドアレーアンテナのビーム方位が電子的に変化するとともに、開口方位制御部90によるフェーズドアレーアンテナの開口方位の物理的な制御によって、フェーズドアレーアンテナのビーム方位が変化する。
このため、既知のN個の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無と、DBF処理部25により電子的に切り換えられるビーム方位と、フェーズドアレーアンテナの開口方位との組み合わせ毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x(t)〜x(t)に乗算するDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを示す荷重データが事前に計算されており、その組み合わせ毎の荷重データを示すDBF荷重テーブルがデジタル信号処理部2の荷重データ記憶部91に記憶されているものとする。
ここでは、既知の干渉源の個数がN個であるとしているので、DBF処理部25により電子的に切り換えられるビーム方位の切換数がPであり、開口方位制御部90により切り換えられる開口方位の切換数がQであるとすれば、2×P×Q個の荷重データが計算されて、2×P×Q個の荷重データがテーブル化される。
デジタル信号処理部2の荷重データ取得部92は、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部80の判定結果、ビーム方位情報受信部22から出力されたビーム方位情報が示すビーム方位及び開口方位制御部90により制御された開口方位に対応する荷重データを取得する。
例えば、干渉電波入射有無判定部80の判定結果が、N個の干渉源から放射された干渉電波のうち、3番目の干渉源から放射された干渉電波だけが入射されている旨を示しており、また、ビーム方位情報が示すビーム方位がθであって、開口方位制御部90により制御された開口方位がφであるとすれば、荷重データ記憶部91に記憶されているN×P×Q個の荷重データの中から、3番目の干渉源から放射された干渉電波が入射(他の干渉源から放射された干渉電波が非入射)で、ビーム方位θ及び開口方位φに対応している荷重データを取得する。
その他の処理は、上記実施の形態1〜3と同様であるため詳細な説明を省略する。
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、荷重データ取得部92が、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部80の判定結果、ビーム方位情報受信部22から出力されたビーム方位情報が示すビーム方位及び開口方位制御部90により制御された開口方位に対応する荷重データを取得するように構成したので、フェーズドアレーアンテナの開口方位が物理的に制御される場合でも、上記実施の形態1〜3と同様に、負荷が低い演算でアダプティブアレー処理を実施することができるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の低下や方位ずれを防止することができる効果を奏する。
実施の形態5.
上記実施の形態1〜4では、事前に荷重データが荷重データ記憶部23,91に記憶されているものを示したが、荷重データ記憶部23,91に記憶されている荷重データが修正されるようにしてもよい。
図14はこの発明の実施の形態5による信号処理装置を示す構成図であり、図15はこの発明の実施の形態5による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
図14及び図15において、図12及び図13と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
クラッタマップ生成部93は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されているマップ生成処理回路75で実現されるものであり、DBF処理部25又は開口方位制御部90によりフェーズドアレーアンテナのビーム方位が切り換えられる毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x(t)〜x(t)を取得し、複数のビーム方位に係る受信信号x(t)〜x(t)からクラッタマップを生成する処理を実施する。
荷重データ修正部94は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されているデータ修正処理回路76で実現されるものであり、クラッタマップ生成部93により生成されたクラッタマップの電力分布から複数のサブアレーの受信信号x’(t)〜x’(t)を模擬し、その模擬した受信信号x’(t)〜x’(t)を用いて、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データを修正する処理を実施する。
図14の信号処理装置は、図12の信号処理装置に対して、クラッタマップ生成部93及び荷重データ修正部94を適用している例を示しているが、図1、図6又は図9の信号処理装置に対して、クラッタマップ生成部93及び荷重データ修正部94を適用してもよい。
図14の例では、デジタル信号処理部2の構成要素である干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ記憶部91、荷重データ取得部92、DBF処理部25、レーダ信号処理部26、クラッタマップ生成部93及び荷重データ修正部94のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、デジタル信号処理部2がコンピュータで構成されていてもよい。
デジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合、荷重データ記憶部91を図3に示すコンピュータのメモリ41上に構成するとともに、干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ取得部92、DBF処理部25、レーダ信号処理部26、クラッタマップ生成部93及び荷重データ修正部94の処理内容を記述しているプログラムをメモリ41に格納し、コンピュータのプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
クラッタマップ生成部93及び荷重データ修正部94を実装している点以外は、上記実施の形態4と同様であるため、クラッタマップ生成部93及び荷重データ修正部94の処理内容だけを説明する。
クラッタマップ生成部93は、DBF処理部25又は開口方位制御部90によりフェーズドアレーアンテナのビーム方位が切り換えられる毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x(t)〜x(t)を取得し、複数のビーム方位に係る受信信号x(t)〜x(t)からクラッタマップを生成する。
複数のビーム方位に係る受信信号x(t)〜x(t)からクラッタマップを生成する処理自体は公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
ここでは、クラッタマップ生成部93が、フェーズドアレーアンテナのビーム方位が切り換えられる毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x(t)〜x(t)を取得して、複数のビーム方位に係る受信信号x(t)〜x(t)からクラッタマップを生成する例を示しているが、フェーズドアレーアンテナのビーム方位が切り換えられる毎に、DBF処理部25によるDBF処理後の信号y(t)を取得して、複数のビーム方位に係るDBF処理後の信号y(t)からクラッタマップを生成するようにしてもよい。
ただし、複数のビーム方位に係るDBF処理後の信号y(t)からクラッタマップを生成する場合、DBF処理によって、アンテナパターンにおけるメインローブの利得が高められていても、Null形成の処理は行われていないものとする。即ち、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データを修正する処理を行う際には、DBF処理部25によってNull形成の処理が行われていないものとする。
荷重データ修正部94は、クラッタマップ生成部93がクラッタマップを生成すると、そのクラッタマップの電力分布から複数のサブアレーの受信信号x’(t)〜x’(t)を模擬する。
このクラッタマップから、既知の干渉源の設置位置とグランドクラッタ源の位置とが分かるので、既知の干渉源から放射される干渉波とグランドクラッタが混在している受信信号x’(t)〜x’(t)を模擬計算することができる。
荷重データ修正部94は、受信信号x’(t)〜x’(t)を模擬計算すると、その受信信号x’(t)〜x’(t)に含まれている干渉波とグランドクラッタが十分に抑圧されるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得が十分に高くて、メインローブの方位が所望の方位と一致するDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算する。
各々のDBFビーム方位と、各々の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無との全ての組み合わせについて、DBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mの計算を行うことで、DBF荷重テーブルを生成する。
荷重データ修正部94は、DBF荷重テーブルを生成すると、そのDBF荷重テーブルを荷重データ記憶部91に上書き保存する。
なお、模擬計算した受信信号x(t)〜x(t)からDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算する処理として、既存のアダプティブアレー処理のアルゴリズムを用いることができる。例えば、上記の非特許文献1に記載されているDCMPや、上記の非特許文献2に記載されている射影法などを用いることができる。
以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、DBF処理部25又は開口方位制御部90によりフェーズドアレーアンテナのビーム方位が切り換えられる毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x(t)〜x(t)を取得し、複数のビーム方位に係る受信信号x(t)〜x(t)からクラッタマップを生成するクラッタマップ生成部93を設け、荷重データ修正部94が、クラッタマップ生成部93により生成されたクラッタマップの電力分布から複数のサブアレーの受信信号x’(t)〜x’(t)を模擬し、その模擬した受信信号x’(t)〜x’(t)を用いて、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データを修正するように構成したので、上記実施の形態4よりも、高精度な荷重データを用いて、DFB処理を実施することができる効果を奏する。したがって、更に干渉波とグランドクラッタを抑圧して、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の向上等を図ることができる。
実施の形態6.
上記実施の形態5では、クラッタマップの電力分布から複数のサブアレーの受信信号x’(t)〜x’(t)を模擬するものを示したが、レーダ信号処理部26により生成された測角スペクトルである到来信号電力の方位分布を取得し、その方位分布から複数のサブアレーの受信信号x’(t)〜x’(t)を模擬するようにしてもよい。
図16はこの発明の実施の形態6による信号処理装置を示す構成図であり、図17はこの発明の実施の形態6による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
図16及び図17において、図12及び図13と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
方位分布取得部95は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されている方位分布取得処理回路77で実現されるものであり、レーダ信号処理部26により観測目標の測角処理が実施される際に生成された測角スペクトルである到来信号電力の方位分布を取得する処理を実施する。
荷重データ修正部96は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されているデータ修正処理回路78で実現されるものであり、方位分布取得部95により取得された到来信号電力の方位分布から複数のサブアレーの受信信号x’(t)〜x’(t)を模擬し、その模擬した受信信号x’(t)〜x’(t)を用いて、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データを修正する処理を実施する。
図16の信号処理装置は、図12の信号処理装置に対して、方位分布取得部95及び荷重データ修正部96を適用している例を示しているが、図1、図6又は図9の信号処理装置に対して、方位分布取得部95及び荷重データ修正部96を適用してもよい。
図16の例では、デジタル信号処理部2の構成要素である干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ記憶部91、荷重データ取得部92、DBF処理部25、レーダ信号処理部26、方位分布取得部95及び荷重データ修正部96のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、デジタル信号処理部2がコンピュータで構成されていてもよい。
デジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合、荷重データ記憶部91を図3に示すコンピュータのメモリ41上に構成するとともに、干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ取得部92、DBF処理部25、レーダ信号処理部26、方位分布取得部95及び荷重データ修正部96の処理内容を記述しているプログラムをメモリ41に格納し、コンピュータのプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
方位分布取得部95及び荷重データ修正部96を実装している点以外は、上記実施の形態4と同様であるため、方位分布取得部95及び荷重データ修正部96の処理内容だけを説明する。
方位分布取得部95は、レーダ信号処理部26により観測目標の測角処理が実施される際に生成された測角スペクトルである到来信号電力の方位分布を取得する。
観測目標の測角処理が実施される際に測角スペクトルが生成されることは、レーダ信号処理において、一般的なことであるため、測角スペクトルの生成処理については詳細な説明を省略する。
測角スペクトルは、各ビーム方位から到来する信号の信号強度や電力を示す方位分布である。
なお、この実施の形態6では、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データを修正する処理を行う際には、DBF処理部25によってNull形成の処理が行われていないものとする。したがって、レーダ信号処理部26では、Null形成の処理が行われていないDBF処理後の信号y(t)を用いて、観測目標の測角処理を実施して測角スペクトルを生成している。
荷重データ修正部96は、方位分布取得部95が測角スペクトルである到来信号電力の方位分布を取得すると、その方位分布から複数のサブアレーの受信信号x’(t)〜x’(t)を模擬し、その模擬した受信信号x’(t)〜x’(t)を模擬する。
この到来信号電力の方位分布から、既知の干渉源の設置位置とグランドクラッタ源の位置とが分かるので、既知の干渉源から放射される干渉波とグランドクラッタが混在している受信信号x’(t)〜x’(t)を模擬計算することができる。
荷重データ修正部96は、受信信号x’(t)〜x’(t)を模擬計算すると、その受信信号x’(t)〜x’(t)に含まれている干渉波とグランドクラッタが十分に抑圧されるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得が十分に高くて、メインローブの方位が所望の方位と一致するDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算する。
各々のDBFビーム方位と、各々の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無との全ての組み合わせについて、DBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mの計算を行うことで、DBF荷重テーブルを生成する。
荷重データ修正部96は、DBF荷重テーブルを生成すると、そのDBF荷重テーブルを荷重データ記憶部91に上書き保存する。
なお、模擬計算した受信信号x(t)〜x(t)からDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算する処理として、既存のアダプティブアレー処理のアルゴリズムを用いることができる。例えば、上記の非特許文献1に記載されているDCMPや、上記の非特許文献2に記載されている射影法などを用いることができる。
以上で明らかなように、この実施の形態6によれば、レーダ信号処理部26により観測目標の測角処理が実施される際に生成された測角スペクトルである到来信号電力の方位分布を取得する方位分布取得部95を設け、荷重データ修正部96が、方位分布取得部95により取得された到来信号電力の方位分布から複数のサブアレーの受信信号x’(t)〜x’(t)を模擬し、その模擬した受信信号x’(t)〜x’(t)を用いて、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データを修正するように構成したので、上記実施の形態4よりも、高精度な荷重データを用いて、DFB処理を実施することができる効果を奏する。したがって、更に干渉波とグランドクラッタを抑圧して、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の向上等を図ることができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 アンテナ装置、2 デジタル信号処理部、11−1〜11−M サブアレー、12−1〜12−M RF部、13−1〜13−M AD変換器、21 干渉電波入射有無判定部、22 ビーム方位情報受信部、23 荷重データ記憶部、24 荷重データ取得部、25 DBF処理部、26 レーダ信号処理部、31 判定処理回路、32 ネットワーク機器、33 記憶装置、34 データ取得処理回路、35 DBF処理回路、36 レーダ信号処理回路、41 メモリ、42 プロセッサ、51 周波数スペクトル算出部、52 干渉電波周波数スペクトル記憶部、53 評価関数算出部(第1の評価関数算出部)、54 判定処理部(第2の評価関数算出部)、60 干渉電波入射有無判定部、61 荷重ベクトル記憶部、62 評価関数算出部、63 判定処理部、71,72 判定処理回路、73 記憶装置、74 データ取得処理回路、75 マップ生成処理回路、76 データ修正処理回路、77 方位分布取得処理回路、78 データ修正処理回路、80 干渉電波入射有無判定部、81 判定処理部、90 開口方位制御部、91 荷重データ記憶部、92 荷重データ取得部、93 クラッタマップ生成部、94 荷重データ修正部、95 方位分布取得部、96 荷重データ修正部。

Claims (9)

  1. 1つ以上の素子アンテナからなるサブアレーが複数配置されているフェーズドアレーアンテナと、
    前記サブアレーの受信信号の中に、既知の干渉源から放射された干渉電波が含まれているか否かを判定する干渉電波入射有無判定部と、
    前記干渉電波の入射の有無と前記フェーズドアレーアンテナのビーム方位との組み合わせ毎に、前記フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーの受信信号に乗算する荷重を示す荷重データを記憶している荷重データ記憶部と、
    前記荷重データ記憶部に記憶されている荷重データの中から、前記干渉電波入射有無判定部の判定結果及び前記フェーズドアレーアンテナのビーム方位に対応する荷重データを取得する荷重データ取得部と、
    前記荷重データ取得部により取得された荷重データが示す荷重を前記複数のサブアレーの受信信号に乗算するデジタルビームフォーミング処理部とを備え
    前記干渉電波入射有無判定部は、
    既知の干渉源の方位に対応する荷重ベクトルを記憶している荷重ベクトル記憶部と、
    前記サブアレーの受信信号と前記荷重ベクトル記憶部に記憶されている荷重ベクトルから、前記干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数を算出する評価関数算出部と、
    前記評価関数算出部により算出された判定用評価関数を用いて、前記干渉電波の入射の有無を判定する判定処理部を有することを特徴とする信号処理装置。
  2. 1つ以上の素子アンテナからなるサブアレーが複数配置されているフェーズドアレーアンテナと、
    前記サブアレーの受信信号の中に、既知の干渉源から放射された干渉電波が含まれているか否かを判定する干渉電波入射有無判定部と、
    前記干渉電波の入射の有無と前記フェーズドアレーアンテナのビーム方位との組み合わせ毎に、前記フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーの受信信号に乗算する荷重を示す荷重データを記憶している荷重データ記憶部と、
    前記荷重データ記憶部に記憶されている荷重データの中から、前記干渉電波入射有無判定部の判定結果及び前記フェーズドアレーアンテナのビーム方位に対応する荷重データを取得する荷重データ取得部と、
    前記荷重データ取得部により取得された荷重データが示す荷重を前記複数のサブアレーの受信信号に乗算するデジタルビームフォーミング処理部とを備え
    前記干渉電波入射有無判定部は、
    前記サブアレーの受信信号の周波数スペクトルを算出する周波数スペクトル算出部と、
    既知の干渉源から放射された干渉電波が前記サブアレーにより受信された場合の前記サブアレーの受信信号の周波数スペクトルを記憶している干渉電波周波数スペクトル記憶部と、
    前記周波数スペクトル算出部により算出された周波数スペクトルと前記干渉電波周波数スペクトル記憶部に記憶されている周波数スペクトルから、前記干渉電波の入射の有無を判定するための第1の判定用評価関数を算出する第1の評価関数算出部と、
    既知の干渉源の方位に対応する荷重ベクトルを記憶している荷重ベクトル記憶部と、
    前記サブアレーの受信信号と前記荷重ベクトル記憶部に記憶されている荷重ベクトルから、前記干渉電波の入射の有無を判定するための第2の判定用評価関数を算出する第2の評価関数算出部と、
    前記第1及び第2の評価関数算出部により算出された第1及び第2の判定用評価関数を用いて、前記干渉電波の入射の有無を判定する判定処理部を有することを特徴とする信号処理装置。
  3. 前記フェーズドアレーアンテナの開口方位を制御する開口方位制御部を備え、
    前記荷重データ記憶部は、前記干渉電波の入射の有無と前記フェーズドアレーアンテナのビーム方位と前記フェーズドアレーアンテナの開口方位との組み合わせ毎に、前記フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーの受信信号に乗算する荷重を示す荷重データを記憶しており、
    前記荷重データ取得部は、前記荷重データ記憶部に記憶されている荷重データの中から、前記干渉電波入射有無判定部の判定結果、前記フェーズドアレーアンテナのビーム方位及び前記開口方位制御部により制御された開口方位に対応する荷重データを取得することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の信号処理装置。
  4. 前記フェーズドアレーアンテナのビーム方位が切り換えられる毎に、前記フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーの受信信号を取得し、複数のビーム方位に係る前記複数のサブアレーの受信信号からクラッタマップを生成するクラッタマップ生成部と、
    前記クラッタマップ生成部により生成されたクラッタマップの電力分布から前記複数のサブアレーの受信信号を模擬し、その模擬した受信信号を用いて、前記荷重データ記憶部に記憶されている荷重データを修正する荷重データ修正部と
    を備えたことを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項記載の信号処理装置。
  5. 前記デジタルビームフォーミング処理部によるデジタルビームフォーミング処理後のデジタル信号を用いて、観測目標の測角処理を実施する際に測角スペクトルを生成するレーダ信号処理部と、
    前記レーダ信号処理部により生成された測角スペクトルである到来信号電力の方位分布を取得する方位分布取得部と、
    前記方位分布取得部により取得された方位分布から前記複数のサブアレーの受信信号を模擬し、その模擬した受信信号を用いて、前記荷重データ記憶部に記憶されている荷重データを修正する荷重データ修正部と
    を備えたことを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項記載の信号処理装置。
  6. 前記サブアレーの受信信号をデジタル信号に変換する複数のアナログディジタル変換器を備えていることを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項記載の信号処理装置。
  7. 前記フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーが1次元に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項記載の信号処理装置。
  8. 前記フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーが2次元に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項記載の信号処理装置。
  9. 前記フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーが3次元に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項記載の信号処理装置。
JP2015115989A 2015-06-08 2015-06-08 信号処理装置 Active JP6415392B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015115989A JP6415392B2 (ja) 2015-06-08 2015-06-08 信号処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015115989A JP6415392B2 (ja) 2015-06-08 2015-06-08 信号処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017003361A JP2017003361A (ja) 2017-01-05
JP6415392B2 true JP6415392B2 (ja) 2018-10-31

Family

ID=57752668

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015115989A Active JP6415392B2 (ja) 2015-06-08 2015-06-08 信号処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6415392B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108037692B (zh) * 2017-11-22 2020-01-03 西南电子技术研究所(中国电子科技集团公司第十研究所) 大规模共形数字相控阵的波束控制方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1146112A (ja) * 1997-07-24 1999-02-16 Mitsubishi Electric Corp 干渉波抑圧装置
JP4166401B2 (ja) * 2000-02-17 2008-10-15 松下電器産業株式会社 受信の指向性制御方法及びアンテナ装置並びにこれを用いた移動体通信の基地局及び移動局
US6653973B2 (en) * 2001-09-07 2003-11-25 Lockheed Martin Corporation Adaptive digital beamforming radar method and system for maintaining multiple source angle super-resolution capability in jamming
JP4187985B2 (ja) * 2002-03-15 2008-11-26 三菱電機株式会社 測角装置、測角方法及びプログラム
JP2004354252A (ja) * 2003-05-29 2004-12-16 Toshiba Corp Dbfレーダ受信装置
JP2005151526A (ja) * 2003-10-22 2005-06-09 Mitsubishi Electric Corp 不要信号抑圧装置
JP2006270847A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Mitsubishi Electric Corp アンテナ装置
JP2007174206A (ja) * 2005-12-21 2007-07-05 Toshiba Corp 受信装置とその受信信号処理方法
JP4703512B2 (ja) * 2006-08-21 2011-06-15 株式会社東芝 レーダ装置
JP5347120B2 (ja) * 2010-05-12 2013-11-20 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 アンテナ装置およびそれを備えた受信機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017003361A (ja) 2017-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106546983B (zh) 雷达装置
US20180088224A1 (en) Radar apparatus
JP5617334B2 (ja) レーダ装置及び目標探知方法
JP2017058359A (ja) レーダ装置
JP6911861B2 (ja) 物体検知装置および物体検知方法
JP2016180720A (ja) レーダ装置
JP2013174498A (ja) モノパルス測角装置およびモノパルス測角方法
JP2010071889A (ja) 移動体搭載レーダ装置及びキャリブレーション方法
TW201212381A (en) Calibration apparatus and calibration method for array antenna
JP2010286403A (ja) 測角装置、モノパルス測角装置、モノパルスレーダ、マルチスタティックレーダ
JP6296907B2 (ja) レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法
KR101807499B1 (ko) 상호간섭효과를 보상한 원형 배열 안테나 기반의 도래각 추정 장치 및 추정 방법
WO2017159521A1 (ja) 物体検知装置および物体検知方法
JP6659400B2 (ja) 信号処理装置、レーダ装置、およびレーダ装置の設定方法
JP4909867B2 (ja) レーダ装置
JP2009002909A (ja) 信号処理装置、測角装置、信号処理方法及び測角方法
JP4187985B2 (ja) 測角装置、測角方法及びプログラム
JP6400494B2 (ja) レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法
JP2014115160A (ja) 探知装置、探知方法及び探知プログラム
JP6415392B2 (ja) 信号処理装置
Chen et al. Phased array system simulation
Le Marshall et al. MIMO radar array for termite detection and imaging
JP6939981B2 (ja) 物体検知装置、及び物体検知方法
Yan et al. The digital beam forming technique in AgileDARN high-frequency radar
JP2004361377A (ja) 電波到来方向探知方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170710

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180724

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181002

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6415392

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250