JP2009002909A - 信号処理装置、測角装置、信号処理方法及び測角方法 - Google Patents

信号処理装置、測角装置、信号処理方法及び測角方法 Download PDF

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晋一 森田
Atsushi Okamura
敦 岡村
Rokuzo Hara
六蔵 原
Chikafusa Nonaka
親房 野中
Katsuya Kusaba
克也 草場
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Abstract

【課題】自己が電波を放射することなく、高精度に電波の到来方向を測角することができる測角装置及び測角方法を得ることを目的とする。
【解決手段】電波放射源より放射される電波の到来方向に起因する変動成分を抽出する時刻補正部8と、時刻補正部8により抽出された変動成分から受信信号共分散行列R’を生成する共分散行列生成部9とを設け、測角処理部11が共分散行列生成部9により生成された受信信号共分散行列R’を用いて、電波放射源から放射された電波の到来方向θハットを推定する。
【選択図】図7

Description

この発明は、電波放射源から放射された電波の到来方向を推定する測角装置及び測角方法と、その測角装置及び測角方法に適用する信号処理装置及び信号処理方法とに関するものである。
通常の受信機は一般的に、アレーアンテナを構成している複数の素子アンテナが電波を受信すると、低雑音増幅器(Low Noise Amplifier:LNA)が各素子アンテナの受信信号を増幅し、ダウンコンバーターが低雑音増幅器により増幅された受信信号の周波数を中間周波数に変換する。
また、受信機のフィルターが、ダウンコンバーターにより中間周波数に変換された受信信号に含まれている不要周波数帯域信号を抑圧したのち、A/D変換器が当該受信信号をデジタル信号に変換する。
なお、以降の説明は、LNAによる低雑音増幅、ダウンコンバーターによる中間周波数への変換、フィルターによる不要波数帯域信号の抑圧のすべての動作を行うものとして説明するが、これらの一部またはすべての動作を行わず、直接A/D変換器によりデジタル信号に変換する受信機でも成立する。
従来の測角装置では、素子アンテナ数と同じ台数の受信機を設置し、信号処理部が各素子アンテナにより受信された各観測時間の信号をデジタル信号に変換する。
測角装置の信号処理部は、同じ観測時間における複数のデジタル信号を用いて、例えば、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法などの超分解能測角法を実施することにより、電波の到来方向を推定している。
ただし、測角装置の測角性能は、一般的に、アレーアンテナを構成する素子アンテナの数が多いほど良好である。
例えば、素子アンテナの数が多ければ、独立な受信信号の情報量が増加するため、より高精度な測角処理を採用することができる。また、ノイズや不要信号による影響を抑圧して、測角誤差を減少させることも可能となる。
一方、上記の超分解能測角法により分離や測角が可能な電波放射源(波源数)の最大数(以下、「アレー自由度」と称する)は、一般的に、「素子アンテナ数−1」となるため、素子アンテナの数が少ない場合には、所望の信号を検出して分離することができない場合がある(例えば、非特許文献1を参照)。
様々な信号が混在する近年の複雑な電波環境下では、同時に分離や検出が必要な電波放射源の数が増えているのが実情である。
測角装置としての性能を考慮すると、アレーアンテナを構成する素子アンテナの数が多い方が好ましいが、素子アンテナの後段に設置される受信機の台数も同時に増えることになり、測角装置全体としてのコストや規模の増加、また、製造、試験期間の長期化などの問題を生じる。
ここで、以下の特許文献1,2に開示されているダイバーシティ型受信機では、複数の素子アンテナの受信信号の中から、その時点の受信状態が良好な受信信号、または、受信電波強度が大きい受信信号を選択するようにすることにより、受信機の台数を素子アンテナの数より少なくして、少ない台数の受信機により得られた受信信号を信号処理部に出力するようにしている。
しかし、ダイバーシティ型受信機の場合、受信機から信号処理部に出力される受信信号は、選択された受信信号であるため、1〜数素子アンテナ分の情報に限られる。つまり、測角装置が実装している全ての素子アンテナの受信信号ではない。
このため、上述した「使用する素子アンテナの数が多いほど測角性能が良好」というメリットが得られないことになる。
素子アンテナの数を維持したまま、受信機の台数を削減する方策として、RF(Radio Frequency)スイッチなどの高周波信号選択スイッチを用いて、ある時間には1個の素子アンテナのみを選択し、その素子アンテナの受信信号を1台の受信機に与えるようにする。
そして、RFスイッチの切換回数を素子アンテナの数と同じにして、すべての素子アンテナを選択終了した後、各時点での受信信号を信号処理によって合成することにより、すべての素子アンテナで同時に受信した場合と等価な受信信号を得る方策(時分割信号合成法)が考えられる。
ただし、時分割信号合成法の場合、各素子アンテナによる受信信号の観測時刻が異なるため、素子アンテナの位置により生成される伝搬経路差の他に、電波の受信時刻の相違に起因する変動成分が受信信号に含まれるため、そのまま受信信号を合成しても、アレー信号処理による測角を行うことができない。
自己が電波を照射して、目標で生成される反射信号を受信した後、信号処理によって目標の距離や存在方向を測るアクティブ型電波センサにおいては、自己の照射した信号をリファレンスとして用いて、反射信号との相関(比較)を行うことにより、各素子アンテナにより受信された観測時刻が違う受信信号を、同一時刻に受信したように補正することが可能である(例えば、特許文献3を参照)。
これに対して、自己が電波を照射せずに、未知の入力信号に対して測角を行うパッシブ型電波センサでは、この補正が容易ではない。
アクティブ型センサは、自己が電波を放射するため、観測対象としている周囲環境に自己の存在を知らせることになり、特に秘匿性を要する状況では運用が難しい。
その反面、パッシブ型センサは、電波を放射しないため、秘匿性に優れており、また、送信設備が不要であるため、装置全体の小型化、軽量化、低消費電力などのメリットを有している。
リファレンス信号を用いずに、入射電波の諸元(到来方向、電力、距離など)を推定するパッシブ型電波センサは、素子アンテナ数と同じ数、または、素子アンテナ数以上の遅延素子(ディレイライン)を必要とする(例えば、特許文献4,5を参照)。
しかし、各ディレイラインの遅延量には少なからずばらつきがあり、このばらつきを制御して抑圧することは実用上困難である。つまり、測角装置の測角性能は、このディレイラインの遅延量のばらつきから甚大な影響を受けると言える。
このディレイラインの遅延量のばらつきによる影響を低減する手法は、複数のタップ(ディレイラインの遅延量を選択する制御信号)における受信信号での平均値を用いているため、平均回数が少ない場合には誤差が残余してしまうことになる(例えば、特許文献5を参照)。
一方、平均回数を多くすることは、タップを切り換える回数が増加することになり、結果を出力するまでの観測時間が長期化し、測角装置としてのリアクションタイム(反応速度)の低下につながる。
特開平6−303218号公報 特開2001−345779号公報 特開平11−160423号公報 特開2002−171209号公報 特開2002−214318号公報 菊間信良著「アレーアンテナによる適応信号処理」科学技術出版、1999年発行、199ページ
従来の測角装置は以上のように構成されているので、自己が電波を放射するアクティブ型センサを使用すれば、観測対象としている周囲環境に自己の存在が知られて、秘匿性を確保することが困難になる。自己が電波を放射しないパッシブ型センサを使用すれば、秘匿性を確保することができるが、観測時間の相違による補正が困難であり、電波の到来方向の測角精度が低下することがあるなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、自己が電波を放射することなく、高精度に電波の到来方向を測角することができる測角装置及び測角方法を得ることを目的とする。
また、この発明は、上記の測角装置及び測角方法に適用することができる信号処理装置及び信号処理方法を得ることを目的とする。
この発明に係る測角装置は、電波切換手段によって電波選択手段により選択される電波の組み合わせが切り換えられる毎に、アンテナの個数より少ない個数の受信機により復調されたデジタル信号を取得して、そのデジタル信号から電波放射源より放射される電波の到来方向に起因する変動成分を抽出する変動成分抽出手段と、変動成分抽出手段により抽出された変動成分から受信信号共分散行列を生成する共分散行列生成手段とを設け、到来方向推定手段が共分散行列生成手段により生成された受信信号共分散行列を用いて、電波放射源から放射された電波の到来方向を推定するようにしたものである。
この発明によれば、電波切換手段によって電波選択手段により選択される電波の組み合わせが切り換えられる毎に、アンテナの個数より少ない個数の受信機により復調されたデジタル信号を取得して、そのデジタル信号から電波放射源より放射される電波の到来方向に起因する変動成分を抽出する変動成分抽出手段と、変動成分抽出手段により抽出された変動成分から受信信号共分散行列を生成する共分散行列生成手段とを設け、到来方向推定手段が共分散行列生成手段により生成された受信信号共分散行列を用いて、電波放射源から放射された電波の到来方向を推定するように構成したので、自己が電波を放射することなく、高精度に電波の到来方向を測角することができる効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による信号処理装置を示す構成図であり、図において、素子アンテナ1a,1b,1cはアレーアンテナを構成しており、電波放射源から放射された電波を受信する。
図1では、アレーアンテナが3個の素子アンテナ1a,1b,1cから構成されている例を示しているが、これは一例であり、4個以上の素子アンテナから構成されていてもよい。
受信素子選択部2はタイミング制御部7から出力される選択信号c(t)にしたがって素子アンテナ1a,1b,1cの中から、ポート(1)(2)と接続する素子アンテナを選択して、即ち、素子アンテナ1a,1b,1cにより受信された電波の中から、2個の電波(素子アンテナ1a,1b,1cの個数より少ない個数の電波)を選択して、ポート(1)から素子番号iの素子アンテナの受信信号ri(tqn)を出力し、ポート(2)から素子番号kの素子アンテナの受信信号rk(tqn)を出力する。なお、受信素子選択部2は電波選択手段を構成している。
受信機3aは受信素子選択部2のポート(1)と接続されており、ポート(1)から出力された素子番号iの素子アンテナの受信信号ri(tqn)からデジタル信号であるデジタル受信データxi(tqn)を復調する処理を実施する。
受信機3bは受信素子選択部2のポート(2)と接続されており、ポート(2)から出力された素子番号kの素子アンテナの受信信号rk(tqn)からデジタル信号であるデジタル受信データxk(tqn)を復調する処理を実施する。
ここで、tqnは受信信号の観測時刻を表しており、tqnにおける「qn」は、第q回目の観測周期(図5の全観測が一巡する回数)のn番目の観測時刻を表している。
図1では、アレーアンテナが3個の素子アンテナ1a,1b,1cから構成されているので、n=1,2,3の値をとることになる。以降の説明では、ある特定の第q観測周期の内容を示すが、すべての観測周期qにおいて同様の動作である。
受信機3a,3bのフロントエンド部(図中、「F/E」と表記)4は受信素子選択部2のポート(1)(2)から出力された受信信号を増幅するとともに、増幅後の受信信号の周波数を中間周波数に変換して、その受信信号に含まれている不要周波数帯域信号を抑圧する処理を実施する。
受信機3a,3bのA/D変換器(図中、「A/D」と表記)5はフロントエンド部4から出力された受信信号をデジタル信号に変換する処理を実施する。
なお、受信機3a,3bは、フロントエンド部(F/E)4a,4bを省き、受信信号ri(tqn),rk(tqn)を直接A/D変換器5a,5bによりデジタル信号xi(tqn),xk(tqn)に変換する構成でも良い。
信号処理部6はタイミング制御部7、時刻補正部8及び共分散行列生成部9から構成されており、受信信号共分散行列R’(3個の素子アンテナ1a,1b,1cにより同時に電波が受信された場合のデジタル受信データから生成可能な受信信号共分散行列と同等の受信信号共分散行列)を生成する処理を実施する。
タイミング制御部7は受信素子選択部2により選択される電波の組み合わせを切り換えるため、選択する電波(素子アンテナ)の組み合わせを示す選択信号c(t)を受信素子選択部2に出力する処理を実施する。なお、タイミング制御部7は電波切換手段を構成している。
時刻補正部8はタイミング制御部7によって受信素子選択部2により選択される電波の組み合わせが切り換えられる毎に、受信機3a,3bにより復調されたデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)を取得し、そのデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)に含まれている電波の観測時刻(受信時刻)の相違に起因する変動成分を補償(変動成分の補償は、変動成分の抑圧だけでなく、変動成分のキャンセルを含む概念である)して、そのデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)から電波の到来方向に起因する変動成分を抽出する処理を実施する。なお、時刻補正部8は変動成分抽出手段を構成している。
共分散行列生成部9は時刻補正部8により抽出された電波の到来方向に起因する変動成分から受信信号共分散行列R’を生成する処理を実施する。なお、共分散行列生成部9は共分散行列生成手段を構成している。
図2はこの発明の実施の形態1による信号処理装置の受信素子選択部2の内部を示す構成図である。
図2の例では、素子アンテナ1aは常にポート(1)と接続されており、タイミング制御部7から出力される選択信号c(t)にしたがって素子アンテナ1b又は素子アンテナ1cがポート(2)と接続されるものを示している。
図6はこの発明の実施の形態1による信号処理方法を示すフローチャートである。
次に動作について説明する。
この実施の形態1の信号処理装置では、図2に示すように、素子アンテナ1aが常に受信素子選択部2のポート(1)と接続されており、タイミング制御部7から出力される選択信号c(t)にしたがって素子アンテナ1b又は素子アンテナ1cが受信素子選択部2のポート(2)と接続される。
この場合、図4に示すように、素子アンテナ1aと素子アンテナ1bの組み合わせと、素子アンテナ1aと素子アンテナ1cの組み合わせは存在するが、素子アンテナ1bと素子アンテナ1cの組み合わせは存在しない。
これに対して、図3に示すように、タイミング制御部7から出力される選択信号c(t)にしたがって素子アンテナ1a又は素子アンテナ1bを受信素子選択部2のポート(1)と接続し、素子アンテナ1b又は素子アンテナ1cを受信素子選択部2のポート(2)と接続するようにすれば、図5に示すように、素子アンテナ1bと素子アンテナ1cの組み合わせについても取り入れることができる。
この場合、受信素子選択部2のポート(1)(2)から出力される各観測時刻tq1,tq2,tq3の受信信号を信号処理によって合成すれば、すべての素子アンテナ1a,1b,1cで同時に受信した場合と等価な受信信号を得ることができるように考えられる。
しかし、このような時分割信号合成法の場合、上述したように、各素子アンテナ1a,1b,1cによる受信信号の観測時刻が異なるため、素子アンテナ1a,1b,1cの位置により生成される伝搬経路差の他に、電波の受信時刻の相違に起因する変動成分が受信信号に含まれるため、そのまま受信信号を合成しても、アレー信号処理による測角を行うことができない。
この実施の形態1の信号処理装置は、電波の受信時刻の相違に起因する変動成分を補償して、アレー信号処理による測角を行うことを可能にする受信信号共分散行列R’を生成するものである。
Figure 2009002909
ただし、右肩の*は、複素共役を表している。
上記の式(3)の詳細については後述するが、この実施の形態1では、素子アンテナ1bと素子アンテナ1cの組み合わせを用いていないので、各観測時刻tq1,tq2のデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)を単に信号処理によって合成しても、式(3)の2行3列目と、3行2列目に相当する相互相関項が得られない。
そこで、この実施の形態1では、式(3)の2行3列目と、3行2列目に相当する相互相関項が得られるようにするための工夫を施している。
以下、図1の信号処理装置の処理内容を具体的に説明する。
ここでは、素子アンテナ1aの素子番号が“1”、素子アンテナ1bの素子番号が“2”、素子アンテナ1cの素子番号が“3”であるとして説明する。
信号処理部6のタイミング制御部7は、図4に示すように、観測時刻tq1では、素子アンテナ1aの受信信号r1(tq1)と素子アンテナ1bの受信信号r2(tq1)とを選択して、その受信信号r1(tq1)を受信素子選択部2のポート(1)に出力し、その受信信号r2(tq1)を受信素子選択部2のポート(2)に出力する選択信号C(t1)を受信素子選択部2に出力する。
受信素子選択部2は、タイミング制御部7から選択信号C(t1)を受けると、素子アンテナ1aの受信信号r1(tq1)を受信素子選択部2のポート(1)に出力し、素子アンテナ1bの受信信号r2(tq1)を受信素子選択部2のポート(2)に出力する(ステップST1)。
受信機3aは、受信素子選択部2のポート(1)から観測時刻tq1における素子アンテナ1aの受信信号r1(tq1)を受けると、下記の式(4)に示すように、その受信信号r1(tq1)からデジタル受信データx1(tq1)を復調する(ステップST2)。
受信機3bは、受信素子選択部2のポート(2)から観測時刻tq1における素子アンテナ1bの受信信号r2(tq1)を受けると、下記の式(4)に示すように、その受信信号r2(tq1)からデジタル受信データx2(tq1)を復調する(ステップST2)。
Figure 2009002909
ただし、s(tq1)は観測時刻tq1における電波(入射信号)の複素信号、θは入射信号の到来方向、gi(θ)は到来方向θに対する素子アンテナiの複素アンテナゲインである。
また、diは素子アンテナiの基準位置からの距離、ni(tq1)は素子アンテナiの受信時に発生するノイズ信号、jは虚数単位である。
ここでは、入射信号の数(到来波数)は“1”であると仮定している。入射信号s(tq1)やノイズ信号ni(tq1)は未知であり、一般的に観測時刻tq1に対する振る舞いは予想できない。
タイミング制御部7は、図4に示すように、観測時刻tq2では、素子アンテナ1aの受信信号r1(tq2)と素子アンテナ1cの受信信号r3(tq2)とを選択して、その受信信号r1(tq2)を受信素子選択部2のポート(1)に出力し、その受信信号r3(tq2)を受信素子選択部2のポート(2)に出力する選択信号C(t2)を受信素子選択部2に出力する。
受信素子選択部2は、タイミング制御部7から選択信号C(t2)を受けると、素子アンテナ1aの受信信号r1(tq2)を受信素子選択部2のポート(1)に出力し、素子アンテナ1cの受信信号r3(tq2)を受信素子選択部2のポート(2)に出力する(ステップST3)。
受信機3aは、受信素子選択部2のポート(1)から観測時刻tq2における素子アンテナ1aの受信信号r1(tq2)を受けると、下記の式(5)に示すように、その受信信号r1(tq2)からデジタル受信データx1(tq2)を復調する(ステップST4)。
受信機3bは、受信素子選択部2のポート(2)から観測時刻tq2における素子アンテナ1cの受信信号r3(tq2)を受けると、下記の式(5)に示すように、その受信信号r3(tq2)からデジタル受信データx3(tq2)を復調する(ステップST4)。
Figure 2009002909
ただし、s(tq2)は観測時刻tq2における電波(入射信号)の複素信号、θは入射信号の到来方向、gk(θ)は到来方向θに対する素子アンテナkの複素アンテナゲインである。
また、dkは素子アンテナkの基準位置からの距離、nk(tq2)は素子アンテナkの受信時に発生するノイズ信号、jは虚数単位である。
ここでは、入射信号の数(到来波数)は“1”であると仮定している。入射信号s(tq2)やノイズ信号nk(tq2)は未知であり、一般的に観測時刻tq2に対する振る舞いは予想できない。
信号処理部6の時刻補正部8は、タイミング制御部7によって受信素子選択部2により選択される電波の組み合わせが切り換えられる毎に、受信機3a,3bにより復調されたデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)を取得し、そのデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)に含まれている電波の観測時刻(受信時刻)の相違に起因する変動成分を補償して、そのデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)から電波の到来方向に起因する変動成分を抽出する(ステップST5)。
以下、時刻補正部8の処理内容を具体的に説明する。
まず、時刻補正部8は、下記の式(6)に示すように、観測時刻tq1における素子アンテナ1aに係るデジタル受信データx1(tq1)で、同じ観測時刻tq1における素子アンテナ1bに係るデジタル受信データx2(tq1)を除算し、その除算信号を観測周期Qに渡って時間平均を算出する。
Figure 2009002909
また、時刻補正部8は、式(6)において、素子アンテナ1a,1bの受信時に発生するノイズ信号ni(tq1)は、長時間観測では平均が“0”と見なせるため、式(6)は下記の式(7)として得られる。
Figure 2009002909
時刻補正部8は、下記の式(8)に示すように、観測時刻tq2における素子アンテナ1aに係るデジタル受信データx1(tq2)で、同じ観測時刻tq2における素子アンテナ1cに係るデジタル受信データx3(tq2)を除算し、その除算信号を観測周期Qに渡って時間平均を算出する。
Figure 2009002909
また、時刻補正部8は、式(8)において、素子アンテナ1a,1cの受信時に発生するノイズ信号nk(tq2)は、長時間観測では平均が“0”と見なせるため、式(8)は下記の式(9)として得られる。
Figure 2009002909
式(7)と式(9)では、観測時刻tq1,tq2により変動する成分が消去されており、素子アンテナ1a,1b,1cの配置位置に起因する位相成分(電波の到来方向に起因する変動成分)のみが抽出されている。
時刻補正部8は、上記のようにして、式(7)と式(9)を算出すると、式(7)と式(9)の算出結果を共分散行列生成部9に出力する。
共分散行列生成部9は、時刻補正部8から式(7)と式(9)の算出結果を受けると、下記の式(10)に示すように、式(7)と式(9)の算出結果から、式(3)の受信信号共分散行列R’に相当する受信信号共分散行列を生成する(ステップST6)。
Figure 2009002909
ここで、上記の式(10)に示す結果に着目すると、受信素子選択部2により選択されない素子アンテナ1bと素子アンテナ1cの組み合わせに対応する受信信号共分散行列R’の要素についても、測角に用いる位相成分(素子アンテナ1bと素子アンテナ1cの位置の違いに起因する伝搬経路差)に時間によらない定数が掛かった形で得られる。
したがって、観測時刻が違うデジタル受信データから受信信号共分散行列R’の全要素を得ることができるため、その受信信号共分散行列R’から入射信号の到来方向の測角を行うことが可能になる。
ただし、受信信号共分散行列R’の取り扱いを容易にするために、受信素子選択部2により選択される組み合わせ(素子アンテナ1aと素子アンテナ1bの組み合わせ、素子アンテナ1aと素子アンテナ1cの組み合わせ)に対応する受信信号共分散行列R’の要素についても、式(4)〜式(10)による手順(素子アンテナ1aに係るデジタル受信データx1(tqn)で除算する処理)を行うようにしてもよい。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、タイミング制御部7によって受信素子選択部2により選択される電波の組み合わせが切り換えられる毎に、素子アンテナ1a,1b,1cの個数より少ない2個の受信機3a,3bにより復調されたデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)を取得して、そのデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)から電波放射源より放射される電波の到来方向に起因する変動成分を抽出する時刻補正部8を設け、共分散行列生成部9が時刻補正部8により抽出された変動成分から受信信号共分散行列R’を生成するように構成したので、自己が電波を放射することなく、高精度に電波の到来方向を測角することが可能な受信信号共分散行列R’を得ることができる効果を奏する。
即ち、この実施の形態1によれば、測角性能を維持するために素子アンテナの個数を減らさずに、実装する受信機の台数のみを削減することができるため、製造コストの低減、製作期間の短縮、小型軽量化などの利点を享受することができる。
また、受信素子選択部2の制約により、受信信号共分散行列の全相関要素に相当する素子アンテナの組み合わせが得られない場合にも、常時、観測可能な素子アンテナ1aの受信信号に基づいて、観測時刻の違いに起因する変動成分を補償する時刻補正部8の作用により、すべての素子アンテナで同時に観測した場合と同様の受信信号共分散行列R’を得ることが可能となる。
なお、この実施の形態1では、入射信号の数(到来波数)が“1”であるものとして説明したが、入射信号間の相関係数が時間によらない定数(時不変)と見なせる場合には、複数の入射信号に対して、同時に分離・測角が可能である。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、時刻補正部8が受信機3aにより復調されたデジタル受信データxi(tqn)で、受信機3bにより復調されたデジタル受信データxk(tqn)を除算して、電波の観測時刻の相違に起因する変動成分を補償するものについて示したが、受信機3aにより復調されたデジタル受信データxi(tqn)の複素共役を受信機3bにより復調されたデジタル受信データxk(tqn)に乗算して、電波の観測時刻の相違に起因する変動成分を補償するようにしてもよい。
具体的には、以下の通りである。
時刻補正部8は、下記の式(11)に示すように、観測時刻tq1における素子アンテナ1aに係るデジタル受信データx1(tq1)の複素共役x1 *(tq1)を、同じ観測時刻tq1における素子アンテナ1bに係るデジタル受信データx2(tq1)に乗算し、その乗算信号を観測周期Qに渡って時間平均を算出する。
Figure 2009002909
また、時刻補正部8は、式(11)において、入射信号とノイズ信号間、及び素子アンテナ1a,1bの受信時に発生するノイズ信号ni(tq1)間は互いに無相関であり、時間平均をとると無視することができるため、式(11)は下記の式(12)として得られる。
Figure 2009002909
ただし、Pは入射信号の電力である。
時刻補正部8は、下記の式(14)に示すように、観測時刻tq2における素子アンテナ1aに係るデジタル受信データx1(tq2)の複素共役x1 *(tq2)を、同じ観測時刻tq2における素子アンテナ1cに係るデジタル受信データx3(tq2)に乗算し、その乗算信号を観測周期Qに渡って時間平均を算出する。
Figure 2009002909
また、時刻補正部8は、式(14)において、入射信号とノイズ信号間、及び素子アンテナ1a,1cの受信時に発生するノイズ信号nk(tq2)間は互いに無相関であり、時間平均をとると無視することができるため、式(14)は下記の式(15)として得られる。
Figure 2009002909
共分散行列生成部9は、時刻補正部8から式(12)と式(15)の算出結果を受けると、下記の式(16)に示すように、式(12)と式(15)の算出結果から、式(3)の受信信号共分散行列R’に相当する受信信号共分散行列を生成する。
Figure 2009002909
ここで、上記の式(16)に示す結果に着目すると、受信素子選択部2により選択されない素子アンテナ1bと素子アンテナ1cの組み合わせに対応する受信信号共分散行列R’の要素についても、測角に用いる位相成分(素子アンテナ1bと素子アンテナ1cの位置の違いに起因する伝搬経路差)に時間によらない定数が掛かった形で得られる。
したがって、観測時刻が違うデジタル受信データから受信信号共分散行列R’の全要素を得ることができるため、その受信信号共分散行列R’から入射信号の到来方向の測角を行うことが可能になる。
ただし、受信信号共分散行列R’の取り扱いを容易にするために、受信素子選択部2により選択される組み合わせ(素子アンテナ1aと素子アンテナ1bの組み合わせ、素子アンテナ1aと素子アンテナ1cの組み合わせ)に対応する受信信号共分散行列R’の要素についても、式(11)〜式(16)による手順(素子アンテナ1aに係るデジタル受信データx1(tqn)の複素共役を乗算する処理)を行うようにしてもよい。
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3による測角装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
信号処理部10はタイミング制御部7、時刻補正部8、共分散行列生成部9及び測角処理部11から構成されており、受信信号共分散行列R’を用いて、電波放射源から放射された電波の到来方向θハットを推定する処理を実施する。
信号処理部10の測角処理部11は共分散行列生成部9により生成された受信信号共分散行列R’を用いて、電波放射源から放射された電波の到来方向θハットを推定する処理を実施する。なお、測角処理部11は到来方向推定手段を構成している。
次に動作について説明する。
測角処理部11を信号処理部10に実装している点以外は、上記実施の形態1,2と同様であるため、測角処理部11の動作のみを説明する。
測角処理部11は、共分散行列生成部9が上記実施の形態1,2と同様にして、受信信号共分散行列R’を生成すると、その受信信号共分散行列R’を用いて、電波放射源から放射された電波の到来方向θハットを推定する。
到来方向の推定アルゴリズムとしては、例えば、Capon法、線形予測(LP)法などがよく知られている。
3個の素子アンテナ1a,1b,1cをすべて用いた場合と同等な受信信号共分散行列R’を用いることにより、電波の到来方向θハットの推定精度やアレー自由度Lmax(分離可能な最大入射信号数)を損なうことがない。
特に、アレー自由度に関しては、次の式(17)に示す関係が存在する。
max=M−1 (17)
ただし、Mは素子アンテナの個数を示し、M=3である場合(図7の測角装置)のアレー自由度は2であり、同時に最大で2つの入射波の分離が可能である。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、タイミング制御部7によって受信素子選択部2により選択される電波の組み合わせが切り換えられる毎に、素子アンテナ1a,1b,1cの個数より少ない2個の受信機3a,3bにより復調されたデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)を取得して、そのデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)から電波放射源より放射される電波の到来方向に起因する変動成分を抽出する時刻補正部8と、時刻補正部8により抽出された変動成分から受信信号共分散行列R’を生成する共分散行列生成部9とを設け、測角処理部11が共分散行列生成部9により生成された受信信号共分散行列R’を用いて、電波放射源から放射された電波の到来方向θハットを推定するように構成したので、自己が電波を放射することなく、高精度に電波の到来方向を測角することができる効果を奏する。
即ち、この実施の形態3によれば、測角性能を維持するために素子アンテナの個数を減らさずに、実装する受信機の台数のみを削減することができるため、製造コストの低減、製作期間の短縮、小型軽量化などの利点を享受することができる。
また、受信素子選択部2の制約により、受信信号共分散行列の全相関要素に相当する素子アンテナの組み合わせが得られない場合にも、常時、観測可能な素子アンテナ1aの受信信号に基づいて、観測時刻の違いに起因する変動成分を補償する時刻補正部8の作用により、すべての素子アンテナで同時に観測した場合と同様の受信信号共分散行列R’を得ることが可能となり、その受信信号共分散行列R’から電波の到来方向θハットを高精度に推定することが可能となる。
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4による測角装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
信号処理部10はタイミング制御部7、時刻補正部8、共分散行列生成部9及び超分解能測角処理部12から構成されており、受信信号共分散行列R’を用いて、電波放射源から放射された電波の到来方向θハットを推定する処理を実施する。
信号処理部10の超分解能測角処理部12は共分散行列生成部9により生成された受信信号共分散行列R’を用いて、電波放射源から放射された電波の到来方向θハットを推定する際、超分解能測角法を利用して、電波の到来方向θハットを推定する。なお、超分解能測角処理部12は到来方向推定手段を構成している。
上記実施の形態3では、測角処理部11が共分散行列生成部9により生成された受信信号共分散行列R’を用いて、電波放射源から放射された電波の到来方向θハットを推定するものについて示したが、測角処理部11の代わりに、超分解能測角処理部12を実装し、超分解能測角処理部12が超分解能測角法を利用して、電波の到来方向θハットを推定するようにしてもよい。
超分解能測角法としては、例えば、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法、ESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)アルゴリズムなどがよく知られている。
ここでは、超分解能測角法の説明を省略するが、超分解能測角法を利用する場合も、上記の式(17)に示すようなアレー自由度Lmaxを維持することができる。
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、電波放射源から放射された電波の到来方向θハットを推定する際、超分解能測角法を利用して、電波の到来方向θハットを推定するように構成したので、上記実施の形態3よりも、電波の到来方向の推定精度を高めることができる効果を奏する。
実施の形態5.
図9はこの発明の実施の形態5による測角装置を示す構成図であり、図において、図8と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
電力推定部13は超分解能測角処理部12により推定された電波の到来方向θハットに対するアレーモードベクトルA(θ1ハット,θ2ハット)と共分散行列生成部9により生成された受信信号共分散行列R’から電波の電力(P1ハット,P2ハット)を推定する処理を実施する。なお、電力推定部13は電力推定手段を構成している。
次に動作について説明する。
超分解能測角処理部12は、電波の到来方向θハットを推定する際、電波の到来方向θハットに対するアレーモードベクトルA(θ1ハット,θ2ハット)を求め、そのアレーモードベクトルA(θ1ハット,θ2ハット)を電力推定部13に出力する。
電力推定部13は、超分解能測角処理部12から電波の到来方向θハットに対するアレーモードベクトルA(θ1ハット,θ2ハット)を受け、共分散行列生成部9から受信信号共分散行列R’を受けると、下記の式(18)、式(19)に示す演算を実施して、電波の電力(P1ハット,P2ハット)を推定する。ただし、ここでは、入射信号数(到来波数)が2であるとしている。
Figure 2009002909
ただし、行列Iは単位行列、σn2はノイズ電力、<>は時間平均を行う処理を示している。
また、行列Sは入射信号の相関行列であり、行列Sの対角成分には2つの入射信号の電力が現れ、非対角項には2つの入射信号間の複素相関係数が現れている。
なお、ここでは、入射信号間の相関Γは一定である。
以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、電力推定部13が超分解能測角処理部12により推定された電波の到来方向θハットに対するアレーモードベクトルA(θ1ハット,θ2ハット)と共分散行列生成部9により生成された受信信号共分散行列R’から電波の電力(P1ハット,P2ハット)を推定するように構成したので、電波の到来方向だけでなく、電波の信号電力を高精度に推定することができる効果を奏する。
実施の形態6.
図10はこの発明の実施の形態6による測角装置を示す構成図であり、図において、図9と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
振幅・位相補正部14は受信機3a,3bにより復調されたデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)間の振幅及び位相のばらつきを補正し、補正後のデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)を時刻補正部8に出力する処理を実施する。なお、振幅・位相補正部14はばらつき補正手段を構成している。
次に動作について説明する。
受信素子選択部2におけるポート(1)とポート(2)間の特性上の差異(振幅・位相のばらつき)や、2台の受信機3a,3b間の特性上の差異(振幅・位相のばらつき)などが原因で、受信機3a,3bから出力されるデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)には誤差が含まれることがある。
この誤差は、後段の超分解能測角処理部12により推定される電波の到来方向θハットに測角誤差を与え、測角装置としての性能の劣化要因となる。
そこで、この実施の形態6では、受信素子選択部2におけるポート(1)とポート(2)間の特性上の差異(振幅・位相のばらつき)や、2台の受信機3a,3b間の特性上の差異(振幅・位相のばらつき)などは、部品レベル又は製造段階において、事前に測定することが可能であるため、これらの事前測定値を元に補正情報を生成する。
振幅・位相補正部14は、事前に生成された補正情報を記憶する。ただし、補正情報は、観測周波数や観測周囲条件(温度、湿度など)に応じて複数用意しておくことが望ましい。
振幅・位相補正部14は、実際の運用段階では、事前に用意している補正情報を用いて、受信機3a,3bにより復調されたデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)間の振幅及び位相のばらつきを補正し、補正後のデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)を時刻補正部8に出力する。
これにより、測角装置としての性能劣化を抑制することが可能である。
なお、補正対象は、上記部品などのばらつきのみに限定するものではない。
例えば、電波放射源が移動目標又は測角装置が車載などの移動プラットフォームに搭載されている場合に、観測時間中に観測周波数がドップラーシフトの影響を受けて変化することが予想される。
これらの影響による振幅・位相変動が定常状態の場合、振幅・位相補正部14の働きにより補正することが可能である。
ただし、図10には記載していないが、振幅・位相補正値を生成するための情報を他の装置から入力する必要がある。あるいは、長時間観測により推定した上で補正値を生成するなどの措置が必要である。
以上で明らかなように、この実施の形態6によれば、受信機3a,3bにより復調されたデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)間の振幅及び位相のばらつきを補正し、補正後のデジタル受信データxi(tqn),xk(tqn)を時刻補正部8に出力するように構成したので、上記実施の形態5よりも、更に電波の到来方向θの測角精度を高めることができる効果を奏する。
この発明の実施の形態1による信号処理装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による信号処理装置の受信素子選択部2の内部を示す構成図である。 従来の信号処理装置の受信素子選択部2の内部を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による信号処理装置の受信素子選択部2の選択内容を示す説明図である。 従来の信号処理装置の受信素子選択部2の選択内容を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による信号処理方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3による測角装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4による測角装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態5による測角装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態6による測角装置を示す構成図である。
符号の説明
1a,1b,1c 素子アンテナ(アンテナ)、2 受信素子選択部(電波選択手段)、3a,3b 受信機、4 フロントエンド部、5 A/D変換器、6 信号処理部、7 タイミング制御部(電波切換手段)、8 時刻補正部(変動成分抽出手段)、9 共分散行列生成部(共分散行列生成手段)、10 信号処理部、11 測角処理部(到来方向推定手段)、12 超分解能測角処理部(到来方向推定手段)、13 電力推定部(電力推定手段)、14 振幅・位相補正部(ばらつき補正手段)。

Claims (11)

  1. 電波放射源から放射された電波を受信する複数のアンテナと、上記複数のアンテナにより受信された電波の中から、上記アンテナの個数より少ない個数の電波を選択する電波選択手段と、上記電波選択手段により選択される電波の組み合わせを切り換える電波切換手段と、上記電波選択手段により選択される電波の個数分だけ設置され、上記電波選択手段により選択された電波からデジタル信号を復調する複数の受信機と、上記電波切換手段によって上記電波選択手段により選択される電波の組み合わせが切り換えられる毎に、上記複数の受信機により復調されたデジタル信号を取得して、上記デジタル信号から上記電波放射源より放射される電波の到来方向に起因する変動成分を抽出する変動成分抽出手段と、上記変動成分抽出手段により抽出された変動成分から受信信号共分散行列を生成する共分散行列生成手段とを備えた信号処理装置。
  2. 電波放射源から放射された電波を受信する複数のアンテナと、上記複数のアンテナにより受信された電波の中から、上記アンテナの個数より少ない個数の電波を選択する電波選択手段と、上記電波選択手段により選択される電波の組み合わせを切り換える電波切換手段と、上記電波選択手段により選択される電波の個数分だけ設置され、上記電波選択手段により選択された電波からデジタル信号を復調する複数の受信機と、上記電波切換手段によって上記電波選択手段により選択される電波の組み合わせが切り換えられる毎に、上記複数の受信機により復調されたデジタル信号を取得して、上記デジタル信号から上記電波放射源より放射される電波の到来方向に起因する変動成分を抽出する変動成分抽出手段と、上記変動成分抽出手段により抽出された変動成分から受信信号共分散行列を生成する共分散行列生成手段と、上記共分散行列生成手段により生成された受信信号共分散行列を用いて、上記電波放射源から放射された電波の到来方向を推定する到来方向推定手段とを備えた測角装置。
  3. 共分散行列生成手段は、すべてのアンテナにより同時に電波が受信された場合のデジタル信号から生成可能な受信信号共分散行列と同等の受信信号共分散行列を生成することを特徴とする請求項2記載の測角装置。
  4. 変動成分抽出手段は、複数の受信機により復調されたデジタル信号に含まれている電波の受信時刻の相違に起因する変動成分を補償して、上記デジタル信号から電波の到来方向に起因する変動成分を抽出することを特徴とする請求項2または請求項3記載の測角装置。
  5. 変動成分抽出手段は、電波切換手段が電波の組み合わせを切り換えても、電波選択手段により常に選択される電波がある場合、受信機により上記電波から復調されたデジタル信号で、上記電波と組となる他の電波から復調されたデジタル信号を除算して、電波の受信時刻の相違に起因する変動成分を補償することを特徴とする請求項4記載の測角装置。
  6. 変動成分抽出手段は、電波切換手段が電波の組み合わせを切り換えても、電波選択手段により常に選択される電波がある場合、受信機により上記電波から復調されたデジタル信号の複素共役を上記電波と組となる他の電波から復調されたデジタル信号に乗算して、電波の受信時刻の相違に起因する変動成分を補償することを特徴とする請求項4記載の測角装置。
  7. 到来方向推定手段は、電波放射源から放射された電波の到来方向を推定する際、超分解能測角法を利用して、電波の到来方向を推定することを特徴とする請求項2から請求項6のうちのいずれか1項記載の測角装置。
  8. 到来方向推定手段により推定された電波の到来方向に対するアレーモードベクトルと共分散行列生成手段により生成された受信信号共分散行列から電波の電力を推定する電力推定手段を設けたことを特徴とする請求項7記載の測角装置。
  9. 複数の受信機により復調されたデジタル信号間の振幅及び位相のばらつきを補正し、補正後のデジタル信号を変動成分抽出手段に出力するばらつき補正手段を設けたことを特徴とする請求項2から請求項8のうちのいずれか1項記載の測角装置。
  10. 複数のアンテナにより受信された電波放射源から放射された電波の中から、上記アンテナの個数より少ない個数の電波を選択する電波選択ステップと、上記電波選択ステップで選択される電波の組み合わせを切り換える電波切換ステップと、上記電波選択ステップで選択される電波の個数分だけ受信機が設置され、複数の受信機が上記電波選択ステップで選択された電波からデジタル信号を復調するデジタル信号復調ステップと、上記電波切換ステップによって上記電波選択ステップで選択される電波の組み合わせが切り換えられる毎に、上記複数の受信機により復調されたデジタル信号を取得して、上記デジタル信号から上記電波放射源より放射される電波の到来方向に起因する変動成分を抽出する変動成分抽出ステップと、上記変動成分抽出ステップで抽出された変動成分から受信信号共分散行列を生成する共分散行列生成ステップとを備えた信号処理方法。
  11. 複数のアンテナにより受信された電波放射源から放射された電波の中から、上記アンテナの個数より少ない個数の電波を選択する電波選択ステップと、上記電波選択ステップで選択される電波の組み合わせを切り換える電波切換ステップと、上記電波選択ステップで選択される電波の個数分だけ受信機が設置され、複数の受信機が上記電波選択ステップで選択された電波からデジタル信号を復調するデジタル信号復調ステップと、上記電波切換ステップによって上記電波選択ステップで選択される電波の組み合わせが切り換えられる毎に、上記複数の受信機により復調されたデジタル信号を取得して、上記デジタル信号から上記電波放射源より放射される電波の到来方向に起因する変動成分を抽出する変動成分抽出ステップと、上記変動成分抽出ステップで抽出された変動成分から受信信号共分散行列を生成する共分散行列生成ステップと、上記共分散行列生成ステップで生成された受信信号共分散行列を用いて、上記電波放射源から放射された電波の到来方向を推定する到来方向推定ステップとを備えた測角方法。
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