JP2006121513A - 分散開口アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 空間内で同一方向に向けて、互いの間隔が半波長以上の不規則な間隔で分散配置した素子アンテナの受信信号を合成して等価的な大開口アンテナを形成する場合、素子アンテナ間隔が半波長より長いためにグレーティングローブが発生して、開口アンテナとしての性能が低下する。
【解決手段】 各素子アンテナ1の受信信号の共分散行列を求める共分散行列計算機6と、ビーム方向ステアリングベクトル計算機7を設ける。共分散行列とビーム方向ステアリングベクトルとから方向拘束付きで出力電力を最小化するような複素ウェイトを計算する(複素ウェイト計算機8)。この複素ウェイトを各受信信号に乗じ(複素乗算器4)、その結果の総和をとる(総和計算5)ことにより、ビーム形成方向とグレーティングローブ方向のステアリングベクトルの差を利用してグレーティングローブのみを抑圧する。
【選択図】図1

Description

本発明は、到来する電波や音波の波源方向や電力を測定するために用いるレーダー用、ソナー用または電波通信/音波通信用の分散開口アンテナ装置に関するものである。
一般に、開口アンテナ(素子アンテナを多数配列して狭ビームとしたアンテナであるが、ここでは広義のアンテナをいい、電波アンテナだけでなく素子マイクロホンを配列した音波アンテナも含む)は指向性の鋭い、利得の高いアンテナとして利用されている。そして、アンテナ開口径を大きくすればするほど、よりビーム幅を狭く、利得を高くすることができることが知られている。
開口アンテナには多くの種類があるが、以下の説明ではアレイアンテナを用いたものを例として説明をおこなう。アレイアンテナもビーム幅を狭く、利得を高くするためにはアンテナ開口径を大きくする必要がある。アンテナ開口径を大きくするには、素子アンテナの数を増やさなければならない。このことはアンテナの重量やコストの増加を招く。
比較的少ない素子数で、開口径を大きくする一手法として、非特許文献1には、間隔をおいて分散配置した複数の小型アンテナの受信信号を合成すれば、等価的に大開口の受信アンテナで受信したのと同様の狭いビーム幅及び高利得が得られることが示されている。しかし、素子アンテナの間隔を半波長よりも長くすると、アンテナの指向性パターン内にグレーティングローブ(指向性の最大値が複数方向に現れる)と呼ばれるゲインの高いサイドローブが発生してしまい、ビームアンテナとしての特性が悪くなるという課題があった。このため、一般には、アレーアンテナの素子間隔の上限は半波長程度とされ、非特許文献1に開示された技術、即ち、少ない数の素子アンテナを分散配置して大開口アンテナを構成するという技術は容易には適用できないものと考えられている。
一方、アダプティブアンテナ(複数の素子アンテナの位相制御に加えて、それぞれの電力も制御するもの)の分野では、不要干渉波を抑圧しつつ(即ち無用のサイドローブの発生を押さえながら)所望方向にビームパターン又は感度極小パターン(以下ナル点とも言う)を形成するためのアルゴリズムとして,非特許文献2に示すCaponビームフォーマ(または、方向拘束付電力最小化法とも呼ぶ)が知られている。
後に詳細に説明するが、上記Caponビームフォーマには、素子の取り付け位置の誤差や、信号予測方向の誤差に対して敏感で特性が劣化しやすいという課題があり、このようなCaponビームフォーマの特性劣化を改善するためのアルゴリズムとして、非特許文献3や4に示すロバストアルゴリズムが報告されている。
R.C.Heimiller, J.E. Belyea and P.G. Tomlinsonr, "Distributed array radar", IEEE Transactionson Aerospace and Electronic Systems, Vol.19, No.6, pp.831-839, Nov. 1983. J.Capon, "High-resolution frequency-wavenumber spectrumanalysis", Proceedings of the IEEE, Vol.57, No.8,pp.1408-1418, Aug. 1969. B.D.Carlson, "Covariance matrix estimation errors anddiagonal loading in adaptive arrays", IEEETransactions on Aerospace and Electronic Systems, Vol.24, No.4, pp.397-401,July 1988. J.Li, P. Stoica and Z. Wang, "On robust Caponbeamforming and diagonal loading", IEEE Transactionson Signal Processing, Vol.51, No.7, pp.1702-1715, July 2003.
アレーアンテナでは素子アンテナの数を増やさないでアンテナ開口面積を大きくするために、素子アンテナの間隔(素子アンテナの位相中心間の距離)を広げて配置するものが知られている。しかし、素子アンテナの間隔を半波長よりも長くすると、本来のビーム方向以外にグレーティングローブ(指向性の最大値が複数方向に現れる)と呼ばれるゲインの高いサイドローブが多数発生するという課題があった。グレーティングローブは目標方向の観測誤差や不要干渉波の抑圧性能の劣化を生じさせるため有害で、開口アンテナの特性としては低下する。このため、一般には、アレーアンテナの素子間隔の上限は半波長程度しかとれず、開口面積もそれなりのものしか形成できないと言う課題があった。
また、同様の課題は空間的に分散して配置した複数の小型アンテナの受信信号を合成する場合にも存在する。即ち、非特許文献1には、このようにして合成した等価的な大開口アンテナにより、少ない素子数で狭いビーム幅と高いアンテナ利得が得られることが示されている。しかし、この場合でも小型アンテナの間隔が半波長よりも長い場合には、上記と同様のグレーティングローブが発生する。非特許文献1には、小型アンテナの数を非常に多くし、かつそれらを完全に不規則に配置すればグレーティングローブが少なくなることが示されている。しかし理論的にはそうであっても、実際にアンテナを製作/設置する面から考えると、このようにすることは簡単ではないので、実用に供し得ないという課題があった。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、背景技術の項で説明したアダプティブアンテナの一種であるCaponビームフォーマ(方向拘束付電力最小化法)のビーム形成法をグレーティングローブの抑圧に応用して、少ない素子数を分散配置しグレーティングローブの少ない、分散開口アンテナ装置を実現することを目的とする。
この発明の分散開口アンテナ装置は、空間内に同一方向に向けて、互いの間隔が1/2波長以上で、全て異なる間隔となるように配列した複数の素子アンテナ、
前記複数の素子アンテナの受信信号をそれぞれ増幅しディジタル信号に変換する複数の受信機、
前記複数の受信機の出力から全受信機出力の共分散行列を計算する第1共分散行列計算機、
任意のビーム方向のステアリングベクトルを計算するステアリングベクトル計算機、
前記共分散行列とビーム方向ステアリングベクトルから方向拘束条件の下で出力電力を最小化する複素ウェイトを計算する複素ウェイト計算機、
前記複数の受信機の出力信号のそれぞれに前記複素ウェイトを乗ずる複数の複素乗算器、
前記複素乗算器の出力信号の総和を計算して前記任意のビーム方向の受信信号出力を得る総和計算手段を備えたものである。
本発明の分散開口アンテナ装置は、直線上、または平面上または立体的に、お互いが半波長以上の不規則な間隔で任意の位置に分散配置(互いの向きは同じ)された素子アンテナの受信信号を合成して、等価的な大開口の受信アンテナに相当する狭ビーム幅で高利得の受信ビームを形成するとともに、素子アンテナの間隔が半波長より長いために生じるグレーティングローブを効果的に抑圧できる。従って、同じ開口面積のアンテナに比して素子アンテナ数が少なく、重量が軽く安価とすることができ、グレーティングローブがある場合に生じる電波到来方向の推定の曖昧さや不要干渉波の抑圧性能の劣化を防止できるという効果がある。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1の分散開口アンテナ装置について説明する。図1は実施の形態1の分散開口アンテナ装置の構成を示す系統図である。図示しない線上または面上または立体空間内に互いが半波長以上の不規則な間隔で、任意の位置に分散配置した複数個の素子アンテナ1が設けられている。各素子アンテナ1の向きは、もしそれらが指向性を有するならば、その指向方向を、分散開口アンテナの指向させたい方向に揃えて配置されている方が好ましい。各素子アンテナ1には各素子アンテナ1からの信号を受信しディジタル信号に変換する受信機2が接続されている。各受信機2の出力は全て1つのCaponビームフォーマ3に入力されている。Caponビームフォーマ3は各受信機2の出力を用いてCaponアルゴリズムによりビームを形成する制御装置の一種であり、その内部構成は、各受信機2の出力の共分散行列を計算する共分散行列計算機6、ビーム形成方向のステアリングベクトル計算機7、第1の共分散行列計算機6とビーム形成方向のステアリングベクトル計算機7の結果とを用いて後述するCaponウェイト(複素ウェイトとも言う)計算を行うCaponウェイト計算機8(複素ウェイト計算機ともいう)、各受信器2の出力に前記複素ウェイトを乗ずる複素乗算器4、複素乗算の結果の総和を求める総和計算器5を含んでいる。
図1の分散開口アンテナ装置の動作について説明する。
複数の素子アンテナ1に到来した電波は、それぞれ受信機2で受信されディジタル信号へ変換される。これらの受信信号はCaponビームフォーマ3で合成され特定の方向からの信号が強くなるように合成、即ちビーム形成される。Caponビームフォーマ3では、複素乗算機4で各受信機2の出力に複素ウェイトが乗算された後、総和計算5でこれらの総和がとられてビームが形成される。この時用いる複素ウェイトは各受信機機出力の共分散行列を求める第1の共分散行列計算機6とビーム形成方向ステアリングベクトル計算7のステアリングベクトル算出結果を用いてCaponウェイト計算8で計算される。
次にCaponビームフォーマ3の動作について詳細に説明する。
ここで述べるCaponビームフォーマ3はアダプティブアンテナを形成するために用いられるアルゴリズムの一種であるということもでき、その動作は、素子アンテナ1への到来入力信号を、所望方向にビームを形成しつつ、任意の方向からの不要干渉波を抑圧できるように合成計算するものである。
今、素子アンテナ1の数をN個、n番目の素子アンテナ1の受信信号をx(t)(tは時間、n=1,2・・・・・N)とし、信号成分をs(t)、M個の干渉成分をuni(t)(i=1,2・・・・・M)、雑音成分をn(t)で表すと、x(t)は式(1)で表される。
この時、各受信信号x(t)に対して、それぞれ複素ウェイトwを乗じた後、総和をとればビーム形成した結果の出力が得られる。ここで、x(t)を要素とする入力ベクトルX、及びwを要素とするウェイトベクトルWを(2),(3)式で定義する。但し、記号は転置行列を表す。
従って、合成されたビーム出力y(t)は(4)のように書くことができる。
また、各素子アンテナ1の出力の共分散行列Rxxを式(5)で定義する。ここで、記号E[・・]は時間平均を示すものとする。式(5)を用いて、出力電力Poutは式(6)のようになる。
ここで、図2に示すように座標系を仮定し、電波到来方向のZ軸からの角度をθ、X軸からの水平角度をφと定義する(図に示している)。また、各素子アンテナの指向方向や方向に対する振幅・位相特性は同一であるものとする。このとき、n番目の素子アンテナの位置座標を(x,y,z)とおくと、この素子と基準点0との伝搬経路差dは(7)式となる。(7)式を用いて、ビーム方向θ、φのステアリングベクトルVを(8)式で定義する。なお、λは波長である。
ここで、信号方向のステアリングベクトルをVとすると、この方向の利得はWになる。従って、信号の方向が既知である場合、観測されたRxxを用いて、信号方向の利得を拘束しつつ、式(6)の出力電力が最小になるようにウェイトベクトルWを決めれば、信号は同じ感度で受信しつつ干渉波のみを抑圧することができる。即ち、この問題は式(9)の最適化式で記述することができる。式(9)を満たす最適ウェイトベクトルWoptは式(10)で表すことができることが知られている。
これが標準的なCaponビームフォーマのアルゴリズムであり、移動体通信やソナーにおける不要干渉波の抑圧や信号方向の推定、あるいは音響イメージングにおける不要干渉波の抑圧や信号電力推定などに用いられる。なお、上記説明で、各素子アンテナの指向方向は同一であるとしたが、もしこれらに誤差がある場合には、予めこれらの誤差を測定しておき、式(10)のウェイトベクトルから減算すれば較正できる。
ここで、式(7)及び式(8)をみると、個々の素子位置に対する制約条件がない。従って、ここで取り扱うような半波長以上の間隔で分散配置した素子アンテナに対して、このアルゴリズムを適用することができる。また、素子間距離が全くの等間隔とならぬよう多少の不規則性をもって配置すれば、信号方向とグレーティングローブ方向のステアリングベクトルに差が生じるようにできるので、グレーティングローブに対して式(9)の制約条件が満足されなくなりグレーティングローブの抑圧が可能となる。
実施例1.
素子アンテナを立体的に互いの間隔の最小のものが、半波長以上の間隔となるように不規則(ここで言う不規則とは、互いの間隔に同じものがないという意味であるが、一部に同じ間隔のものが混在していても良い。また各素子アンテナの指向方向は分散開口アンテナ装置の指向方向に合わせてそろえてあるものとする)に配置した場合に、Caponビームフォーマと同様のビーム形成法で得られるアンテナパターンの計算例を図3に示し、この発明の効果について説明する。
図3(a)は計算に使用した素子アンテナ1の配置を示し、半径1000λの半球上に10個の素子を不規則に配置した例である。各軸の目盛り単位は1波長であり、各素子間の距離は少なくとも100λ程度とってある。
図3(b)は図3(a)の配置のアンテナにおいて、従来のフーリエ変換によるビーム形成法を用いた場合の、方位及び仰角に対する出力の信号対(干渉+雑音)電力比(以下、SINRという)のパターンを示す。図3(b)で、入力の信号対雑音電力比は10dB、干渉波対雑音電力比は20dBであり、ビーム形成方向は方位=仰角=0°である。従来のビーム形成法では、ビーム形成方向(図の中央)以外に多数のゲインの高い(0〜−10dB)グレーティングローブが生じており、有効なビームが形成できていない。
図3(c)には、図3(a)の配置のアンテナで、図1の構成によって得られたアンテナパターンを示す。全体にわたってグレーティングローブが抑圧(−20〜−25dB)され所望のビーム100が形成されている。また、干渉方向にナル96が形成され(2つの小さなピークの間)ており、干渉波が抑圧されてビーム指向方向で高いSINRが得られている。
以上のように、実施の形態1では、半波長以上の不規則な間隔で同一方向に向けて分散配置した少数の素子アンテナ1の受信信号をCaponビームフォーマ3で合成することにより、通常の方法でヒームを形成したときに多数発生するグレーティングローブを抑圧することができ、その結果として、到来方向推定の曖昧さなしに、等価的な大開口のアンテナに相当する狭ビーム幅で高利得の受信ビームを形成できるという効果がある。また、一般のアダプティブアンテナと同様、到来方向が不明な不要干渉波を効果的に抑圧できるという効果もある。
なお、全ての素子アンテナが完全に不規則な間隔で配置されていなければならないと言うわけではなく、一部に間隔が同じである配置が混ざっていても、グレーティングローブの抑圧程度がそれなりに弱くなるということはあっても全体として分散開口アンテナを構成できることに変わりはない。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2の分散開口アンテナ装置について説明する。この実施形態は、実施の形態1のビーム形成アルゴリズムの変化形態と言うことができる。実施の形態2の分散開口アンテナ装置の構成を示す系統図を図4に示す。図において、実施の形態1の図1中の符号と同符号は同一または相当部分を示すので、その詳細な説明は省略する。各受信機2には、各受信機の出力を用いてロバストCaponアルゴリズムによりビームを形成するロバストCaponビームフォーマ9が接続されている。ロバストCaponビームフォーマ9には各受信機2の出力から共分散行列を求める第1共分散行列計算機6と、ビーム方向ステアリングベクトルを出力するビーム方向ステアリングベクトル計算機7とがあり、また上記共分散行列とビーム方向ステアリングベクトルとから方向拘束条件の下で出力電力を最小化するための複素ウェイトを計算するロバスト複素ウェイト計算手段10を備えている。また、各受信器2の出力に前記複素ウェイトを乗ずる複素乗算器4、複素乗算の結果の総和を求める総和計算器5を含んでいる。
次に図4のものの動作について説明する。受信機2の出力はロバストCaponビームフォーマ9で合成されビーム形成される。ロバストCaponビームフォーマ9では、各受信機2の出力から共分散行列を計算する第1共分散行列計算機6とビーム形成方向ステアリングベクトル計算機7の結果を用いてロバストCaponウェイト計算10で複素ウェイトが計算される。複素乗算機4で各受信機2の出力に前記求めた複素ウェイトが乗算された後、総和計算5でこれらの総和がとられてビームが形成される。
その他の回路の動作及び作用は実施の形態1の図1と同様である。
実施の形態1の図1に示したCaponビームフォーマ3では、信号方向のステアリングベクトルを計算する時に使用する素子位置や信号方向と、実際の素子位置や信号方向との間に誤差がある場合に、その結果生じたステアリングベクトル誤差により、出力のSINRが急激に劣化するという特性がある。実施の形態2のロバストCaponビームフォーマ9はステアリングベクトルに対する感度を下げることにより、このようなステアリングベクトル誤差に対する脆弱性を改善するものである。
ロバストCaponビームフォーマとして公知の手法には、
1)共分散行列に対角加重を付加してステアリングベクトルの感度を下げる方法(例えば、非特許文献3参照)、
2)はじめに予測したステアリングベクトルとのノルム差を制約したベクトルのうち、出力が最大となるようなステアリングベクトルに置き換える方法(例えば、非特許文献4参照)がある。
この他にも、ウェイトベクトルのノルムを制約する方法、共分散行列を部分空間に展開して最適ウェイトを求める方法、置き換えるステアリングベクトルをミニマックス法を用いて求める方法などがあるが、いずれも信号ステアリングベクトルに対する感度を下げて素子位置誤差や信号方向推定誤差に対する出力SINRの減少を防止するという点で同様である。
しかし、本実施の形態では、以下に述べるように、上記とは別の目的でロバストCaponビームフォーマを使用する。即ち、図3(c)で示したように、実施の形態1で得られるアンテナパターンはビーム100の幅が非常に狭くなるという性質を持つ。この性質は、この分散開口アンテナ装置を電波到来方向の測定に使用した場合には、高い角度精度が得られるため都合が良いが、例えばレーダへ適用した場合には、ビーム幅が狭すぎて空間の捜索効率が低下するという欠点となる。ところで、図1のCaponビームフォーマの上記の性質は、信号ステアリングベクトルのずれに対する過敏性によることは明らかである。即ち、ビーム形成方向(つまり、ビーム中心方向)から少しでもずれた方向の信号SINRが急激に低下するという特性は、形成されるビーム幅が非常に狭いということと等価である。従って、ロバストCaponビームフォーマと同様のビーム形成方法を適用し、信号ステアリングベクトルに対する感度を下げればビームの鋭さが改善される。
実施例2.
図3(a)の素子アンテナ配列で、実施の形態2の対角加重とノルム差制約を組み合わせたロバストCaponビームフォーマ9を適用した場合のアンテナパターンの計算例を図5に示す。Caponビームフォーマ3を用いた場合のビーム100に比べて、グレーティングローブがやや高いが、ビーム101の幅が大きく拡大している。即ち、実施の形態2の分散開口アンテナ装置によれば、実施の形態1の分散開口アンテナ装置と同様の効果を有するとともに、そのビーム幅を任意に制御することができ、例えばレーダでの空間捜索効率の低下等に影響するビーム幅の減少を防ぐことができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3の分散開口アンテナ装置について説明する。実施の形態1の図1のものも、実施の形態2の図4のものも、共分散行列の計算6を行うのに受信機2の出力を用いていたのに対して、実施の形態3の分散開口アンテナ装置は仮想干渉方向のステアリングベクトルを用いる。図6は、実施の形態2の図4のものに本実施の形態を適用した場合の構成を示す系統図である。仮想の干渉方向のステアリングベクトルを計算する仮想干渉方向ステアリングベクトル計算機11が設けてある。第2の共分散行列計算機61はビーム方向ステアリングベクトルと仮想干渉方向ステアリングベクトルとから共分散行列を求めるものである。なお、図中のその他の符号は図4と同様である。
次に図6を用いて実施の形態3の分散開口アンテナ装置の動作について説明する。ロバストCaponウェイト計算10では、実施の形態1、2で説明したような受信機2の出力を用いる方法の代りに、仮想干渉方向ステアリングベクトル計算機11の出力結果を用いて複素ウェイトを計算し、各受信機2の出力に対する複素乗算機4に供給する。その他の回路の動作及び作用は実施の形態2と同様である。
図4の分散開口アンテナ装置は、アダプティブな干渉波抑圧が不要である場合、実施の形態1及び実施の形態2と同様のグレーティングローブ抑圧性能を、より少ない計算量で達成できるという効果を有する。つまり、実施の形態1の図1及び実施の形態2の図4の共分散行列計算機6は、未知の方向からの干渉波をアダプティブに抑圧するため、各受信機2の出力を用いてリアルタイムに共分散行列を計算する。しかし、干渉波が少ない、またはその方向が既知であるなどの理由でアダプティブな干渉抑圧が不要であり、グレーティングローブの抑圧のみが必要である場合には、以下に示す方法で、共分散行列の計算を簡素化することができる。即ち、式(5)の共分散行列Rxxは、信号方向と干渉波方向のステアリングベクトルを用いて以下のように書くことができる。
ここで、Vは信号方向のステアリングベクトル、Vuiはi番目の干渉波方向のステアリングベクトル、Iは単位行列であり、P、Pui、Pはそれぞれ信号、i番目の干渉波、雑音の受信電力推定値である。従って、干渉方向が既知であれば、あらかじめ式(11)を用いて共分散行列を計算することができる。また、干渉抑圧が不要である場合には、適切な方向、電力及び数の仮想的な干渉波を仮定し、式(11)を用いて共分散行列を計算することができる。いずれの場合も、受信機2の出力からリアルタイムに共分散行列を計算する必要がないため、ビームフォーマ9の計算量が大幅に減少する効果がある。
なお、図6では、本発明の実施の形態2の図4に示した分散開口アンテナ装置に対して仮想干渉方向ステアリングベクトル計算11を付加した例を示しているが、実施の形態1の図1のものに対して仮想干渉方向ステアリングベクトル計算11を付加し、図7のようにしても同様の効果があることは言うまでもない。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4の分散開口アンテナ装置について説明する。この実施の形態では、本実施の形態を分散配置した小型アレーアンテナの合成に適用した場合を例として説明する。即ち、実施の形態1〜実施の形態3の素子アンテナ1を分散配置する代りに、指向性を有する受信サブアレーを分散配置し、これらの受信信号を合成することで素子アンテナ1を用いた場合よりも更に狭いビーム幅で、高利得のビームを合成するものである。図8に実施の形態4の分散開口アンテナ装置の系統図を示す。図中、直線上または平面上または立体的に半波長以上の不規則な間隔で、複数個の受信サブアレー12をその指向方向をそろえて分散配置する。各受信サブアレーのゲインは同一である。各受信サブアレー12にはその受信ビームを形成し、その受信信号をディジタル信号で出力するサブアレー受信機13を接続する。サブアレー受信機13には、受信サブアレー12のビーム指向方向を制御するビーム制御器14と、受信サブアレーの受信信号から受信ビームを形成し受信ディジタル信号を出力するサブビームフォーマ15とを含む。各サブアレー受信機13の出力は、実施の形態2及び実施の形態3で示したものと同様のロバストCaponビームフォーマ9に接続されている。
次に、図8を用いて実施の形態4の分散開口アンテナ装置の動作について説明する。受信サブアレー12で受信された信号は、サブアレー受信機13の中のサブビームフォーマ15でサブアレー毎に受信ビームが形成され、その受信信号はディジタル信号として出力される。この時、ビーム制御器14は、各受信サブアレー12の指向方向が同一方向となるよう、もし受信サブアレー2が機械走査型のアンテナならば受信サブアレー12を、もし電子走査型のアンテナならばサブビームフォーマ15を、それぞれ制御する。なお、上記説明で、各受信サブアレーの指向方向はゲインは同一であるとしたが、もしこれらに誤差がある場合には、予めこれらの誤差を測定しておき、式(10)のウェイトベクトルから減算すれば較正できる。
各サブアレー受信機13の出力は、実施の形態2または実施の形態3と同様のロバストCaponビームフォーマ9で合成され、実施の形態2または実施の形態3の場合よりも更に狭いビーム幅で高利得の受信ビームを合成する。このように構成し動作させることにより、全てを素子アンテナで構成するのに比べて、ビームフォーマの演算量が大幅に少なくて済むので、実施の形態1〜3と同様の効果を有する大規模な分散開口アンテナ装置を比較的簡単な器材構成で実現することができる。
なお、図8では、本発明の実施の形態2または実施の形態3の構成のものに対して素子アンテナ1を受信サブアレー12で置き換えた例を示しているが、実施の形態1の図1のものの素子アンテナ1を受信サブアレー12で置き換えて図9に示すようにしても同様の効果があることは言うまでもない。
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5の分散開口アンテナ装置について説明する。本実施の形態5のものは、分散開口アンテナが特に大開口である場合に、素子アンテナ間または受信サブアレー間の距離が極めて大きく、その間の信号の時間差が大きくなるために、使用可能な周波数帯域に制限が生じるという課題、また、各素子アンテナ1又は各受信サブアレー12とロバストCaponビームフォーマ9との間の信号伝送遅延時間差が大きくなるので、ビーム形成誤差を補正する必要があるという課題の解決を図ったものである。即ち、実施の形態1〜4のものに対して、各素子アンテナ1間または各受信サブアレー12間の電波の到来時間差及び信号伝送時間差を補正するような複数の遅延回路及び遅延位相補正回路を設けて上記課題を解消しようとするものである。図10は、素子アンテナとして受信サブアレーを用いた場合の本発明の実施の形態5の分散開口アンテナ装置の系統図であり、図中で、上述の到来時間差及び信号伝送時間差を補正する遅延回路16、同様の目的の遅延位相補正回路17を備えている。なお、図中のその他の符号は図7と同様であるので詳細な説明を省略する。
次に、図10を用いて実施の形態5の分散開口アンテナ装置の動作について説明する。遅延回路16及び遅延位相補正回路17は、それぞれビーム制御器14から得られるビーム指向方向を参照しつつ、受信サブアレー12間の電波の到来時間差及び信号伝送時間差を補正するような遅延時間補正及び遅延位相補正を行う。これらの補正を行った後、ロバストCaponビームフォーマ9で実施の形態4の図7の分散開口アンテナ装置と同様のビーム形成処理が行われる。
実施の形態4の図9のものにおいて、分散配置された複数の受信サブアレー12の内、互いの距離が最も長いものを2つとり、その間の距離が波長に比べて非常に長い場合、この2つの受信サブアレー12での受信時刻の差により、例えば、短パルスのような広帯域の信号を受信した時には合成後の受信パルス波形が崩れてS/Nが低下する。また、それぞれの受信サブアレー12とロバストCaponビームフォーマ9との間で信号伝送の遅延時間に差がある(各受信サブアレーからロバストCaponビームフォーマ9までの距離も差がある可能性が高い)と、ロバストCaponビームフォーマ9におけるビーム形成の誤差が生じるという課題がある。
これらを防ぐためには、各サブアレー受信機13の出力に対して式(12)で示す時間遅延Tを与えて補正すれば良い。
なお、式(12)において、dは式(7)で示したn番目の受信サブアレーの伝搬経路差、cは光速、τはn番目の受信サブアレーの信号伝送時間である。ここで、dは電波到来方向で変化するので、遅延回路16ではビーム制御器14から得られるビーム指向方向を参照して式(12)に基づいて遅延時間を決定する。但し、一般に、遅延回路が与える時間遅延は離散的な値をとることが多い。このような場合、遅延位相補正回路17で、式(13)で表される位相回転Φを与えると、遅延回路16の時間量子化による位相変化を補正できる。
なお、式(13)において、Tn‘は、遅延回路16がn番目の受信サブアレー12に与えた遅延時間で、時間量子化単位の整数倍、fは周波数である。このような遅延時間及び位相の補正を行うことにより、大規模な分散開口アンテナにおいて、使用する周波数帯域の制約なしに、また、伝送遅延時間差によるビーム形成誤差なしに、実施の形態4と同様の効果が得られる。また、上記ではビーム形成方向をビーム形成方向を用いても、当然のことながら同様の効果が得られる。なお、図10では、本発明の実施の形態4に対して遅延回路16及び遅延位相補正回路17を付加した例を示しているが、前述の実施の形態1〜3に対してこれらの回路を付加し、図11に示すようにビーム形成方向ステアリングベクトル計算機7で使用するビーム形成方向を用いて同様の遅延時間補正及び遅延位相補正を行っても同様の効果があることは言うまでもない。
この発明による分散開口アンテナ装置は、レーダやソナー、電波/音波通信への適用にとどまらず、電波天文学に用いる電波望遠鏡や、通信傍受用アンテナにも用いることができる。
はこの発明の実施の形態1の分散開口アンテナ装置の系統図である。 は素子アンテナ位置と電波到来方向の座標系の説明図である。 (a)図は図1のものの素子アンテナの配置例を示す図である。(b)図は(a)の配置で従来の方法によった場合のアンテナパターンである。(c)図は(a)の配置で図1の方法による場合のアンテナパターンである。 本発明の実施の形態2の分散開口アンテナ装置の系統図である。 図4のものの効果を示すアンテナパターンの計算例である。 本発明の実施の形態3の分散開口アンテナ装置の系統図である。 実施の形態3の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態4の分散開口アンテナ装置の系統図である。 実施の形態4の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態5の分散開口アンテナ装置の系統図である。 実施の形態5の変形例を示す図である。
符号の説明
1 素子アンテナ、 2 受信機、 3 Caponビームフォーマ、
4 複素乗算機、 5 総和計算機、 6 第1共分散行列計算機、
7 ビーム方向ステアリングベクトル計算機、 8 Caponウェイト計算機、
9 ロバストCaponビームフォーマ、
10 ロバストCaponウェイト計算機、
11 仮想干渉方向ステアリングベクトル計算機、 12 受信サブアレー、
13 サブアレー受信機、 14 ビーム制御器、 15サブビームフォーマ、
16 遅延回路、 17 遅延位相補正回路 61 第2の共分散行列計算機。

Claims (12)

  1. 空間内に同一方向に向けて、互いの間隔が1/2波長以上で、全て異なる間隔となるように配列した複数の素子アンテナ、
    前記複数の素子アンテナのそれぞれに接続され前記素子アンテナの受信信号を増幅しディジタル信号に変換する複数の受信機、
    前記複数の受信機の出力から全受信機出力の共分散行列を計算する第1共分散行列計算機、
    任意のビーム方向のステアリングベクトルを算出するステアリングベクトル計算機、
    前記共分散行列と前記ビーム方向ステアリングベクトルとから方向拘束条件の下で出力電力を最小化する複素ウェイトを計算する複素ウェイト計算機、
    前記複数の受信機の出力信号のそれぞれに前記複素ウェイトを乗ずる複数の複素乗算器、
    前記複素乗算器の出力信号の総和を計算して任意のビーム方向の受信信号出力を得る総和計算手段を備えたことを特徴とする分散開口アンテナ装置。
  2. 空間内に同一方向に向けて、互いの間隔が1/2波長以上で、全て異なる間隔となるように配列した複数の素子アンテナ、
    前記複数の素子アンテナのそれぞれに接続され前記素子アンテナの受信信号を増幅しディジタル信号に変換する複数の受信機、
    前記複数の受信機の出力から全受信機出力の共分散行列を計算する第1共分散行列計算機、
    任意のビーム方向のステアリングベクトルを計算するステアリングベクトル計算機、
    前記共分散行列とビーム方向ステアリングベクトルから方向拘束条件の下で、前記ビーム方向ステアリングベクトルに対する感度を下げつつ出力電力を最小化するロバスト複素ウェイトを計算するロバスト複素ウェイト計算手段、
    前記複数の受信機の出力信号のそれぞれに前記ロバスト複素ウェイトを乗ずる複数の複素乗算器、
    前記複素乗算器の出力信号の総和を計算して前記任意のビーム方向の受信信号出力を得る総和計算手段を備えたことを特徴とする分散開口アンテナ装置。
  3. 空間内に同一方向に向けて、互いの間隔が1/2波長以上で、全て異なる間隔となるように配列した複数の素子アンテナ、
    前記複数の素子アンテナのそれぞれに接続され前記素子アンテナの受信信号を増幅しディジタル信号に変換する複数の受信機、
    仮想の干渉方向のステアリングベクトルを計算する仮想干渉方向ステアリングベクトル計算機、
    任意のビーム方向のステアリングベクトルを計算するステアリングベクトル計算機 、
    前記仮想方向ステアリングベクトルと前記ビーム方向ステアリングベクトルの共分散行列を計算する第2の共分散行列計算機、
    前記共分散行列と前記ビーム方向ステアリングベクトルから方向拘束条件の下で出力電力を最小化する複素ウェイトを計算する複素ウェイト計算手段、
    前記複数の受信機の出力信号のそれぞれに前記複素ウェイトを乗ずる複数の複素乗算器、
    前記複素乗算器の出力信号の総和を計算して前記任意のビーム方向の受信信号出力を得る総和計算手段を備えたことを特徴とする分散開口アンテナ装置。
  4. 空間内に同一方向に向けて、互いの間隔が1/2波長以上で、全て異なる間隔となるように配列した複数の素子アンテナ、
    前記複数の素子アンテナのそれぞれに接続され前記素子アンテナの受信信号を増幅しディジタル信号に変換する複数の受信機、
    仮想の干渉方向のステアリングベクトルを計算する仮想干渉方向ステアリングベクトル計算機、
    任意のビーム方向のステアリングベクトルを計算するステアリングベクトル計算機、
    前記仮想方向ステアリングベクトルと前記ビーム方向ステアリングベクトルの共分散行列を計算する第2の共分散行列計算機、
    前記共分散行列と前記ビーム方向ステアリングベクトルから方向拘束条件の下で前記ビーム方向ステアリングベクトルに対する感度を下げつつ出力電力を最小化するロバスト複素ウェイトを計算するロバスト複素ウェイト計算手段、
    前記複数の受信機の出力信号のそれぞれに前記ロバスト複素ウェイトを乗ずる複数の複素乗算器、
    前記複素乗算器の出力信号の総和を計算して前記任意のビーム方向の受信信号出力を得る総和計算手段を備えたことを特徴とする分散開口アンテナ装置。
  5. 空間内に同一方向に向けて、互いの間隔が1/2波長以上で、全て異なる間隔となるように配列した複数の受信サブアレー、
    前記複数の受信サブアレービーム方向を制御するビーム制御器とサブビームフォーマとを有し、前記複数の受信サブアレーの受信信号をそれぞれディジタル信号に変換する複数のサブアレー受信機、
    前記複数のサブアレー受信機の出力から全サブアレー受信機出力の共分散行列を計算する第1共分散行列計算機、
    任意のビーム方向のステアリングベクトルを計算するステアリングベクトル計算機、
    前記共分散行列とビーム方向ステアリングベクトルから方向拘束条件の下で出力電力を最小化する複素ウェイトを計算する複素ウェイト計算手段、
    前記複数のサブアレー受信機の出力信号のそれぞれに前記複素ウェイトを乗ずる複数の複素乗算器、
    前記複素乗算器の出力信号の総和を計算して前記任意のビーム方向の受信信号出力を得る総和計算手段を備えたことを特徴とする分散開口アンテナ装置。
  6. 空間内に同一方向に向けて、互いの間隔が1/2波長以上で、全て異なる間隔となるように配列した複数の受信サブアレー、
    前記複数の受信サブアレーのビーム方向を制御するビーム制御器とサブビームフォーマとを有し、前記複数の受信サブアレーの受信信号をそれぞれディジタル信号に変換する複数のサブアレー受信機、
    前記複数のサブアレー受信機の出力から全サブアレー受信機出力の共分散行列を計算する第1共分散行列計算機、
    任意のビーム方向のステアリングベクトルを計算するステアリングベクトル計算機、
    前記共分散行列とビーム方向ステアリングベクトルから方向拘束条件の下で、前記ビーム方向ステアリングベクトルに対する感度を下げつつ出力電力を最小化するロバスト複素ウェイトを計算するロバスト複素ウェイト計算手段、
    前記複数のサブアレー受信機の出力信号のそれぞれに前記ロバスト複素ウェイトを乗ずる複数の複素乗算器、
    前記複素乗算器の出力信号の総和を計算して前記任意のビーム方向の受信信号出力を得る総和計算手段を備えたことを特徴とする分散開口アンテナ装置。
  7. 空間内に同一方向に向けて、互いの間隔が1/2波長以上で、全て異なる間隔となるように配列した複数の受信サブアレー、
    前記複数の受信サブアレーのビーム方向を制御するビーム制御器とサブビームフォーマとを有し、前記複数の受信サブアレーの受信信号をそれぞれディジタル信号に変換する複数のサブアレー受信機、
    仮想の干渉方向のステアリングベクトルを計算する仮想干渉方向ステアリングベクトル計算機、
    任意のビーム方向のステアリングベクトルを計算するステアリングベクトル計算機、
    前記仮想方向ステアリングベクトルと前記ビーム方向ステアリングベクトルの共分散行列を計算する第2の共分散行列計算機、
    前記共分散行列と前記ビーム方向ステアリングベクトルから方向拘束条件の下で出力電力を最小化する複素ウェイトを計算する複素ウェイト計算手段、
    前記複数のサブアレー受信機の出力信号のそれぞれに前記複素ウェイトを乗ずる複数の複素乗算器、
    前記複素乗算器の出力信号の総和を計算して前記任意のビーム方向の受信信号出力を得る総和計算手段を備えたことを特徴とする分散開口アンテナ装置。
  8. 空間内に同一方向に向けて、互いの間隔が1/2波長以上で、全て異なる間隔となるように配列した複数の受信サブアレー、
    前記複数の受信サブアレーのビーム方向を制御するビーム制御器とサブビームフォーマとを有し、前記複数の受信サブアレーの受信信号をそれぞれディジタル信号に変換する複数のサブアレー受信機、
    仮想の干渉方向のステアリングベクトルを計算する仮想干渉方向ステアリングベクトル計算機、
    任意のビーム方向のステアリングベクトルを計算するステアリングベクトル計算機、
    前記仮想方向ステアリングベクトルと前記ビーム方向ステアリングベクトルの共分散行列を計算する第2の共分散行列計算機、
    前記共分散行列とビーム方向ステアリングベクトルから方向拘束条件の下で、前記ビーム方向ステアリングベクトルに対する感度を下げつつ出力電力を最小化するロバスト複素ウェイトを計算するロバスト複素ウェイト計算手段、
    前記複数の受信機の出力信号のそれぞれに前記ロバスト複素ウェイトを乗ずる複数の複素乗算器、
    前記複素乗算器の出力信号の総和を計算して前記任意のビーム方向の受信信号出力を得る総和計算手段を備えたことを特徴とする分散開口アンテナ装置。
  9. 各受信機の後段に遅延回路及び遅延位相回路を設け、これにより各素子アンテナ間の到来時間差及び信号伝送遅延時間差を補正したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の分散開口アンテナ装置。
  10. 各サブアレー受信機の後段に遅延回路及び遅延位相回路を設け、これにより各受信サブアレー間の到来時間差及び信号伝送遅延時間差を補正したことを特徴とする請求項5から8のいずれか一項に記載の分散開口アンテナ装置。
  11. 前記複数の素子アンテナの互いの間隔は、1/2波長以上、1000波長以下であることを特徴とする請求項1、2,3,4、9のいずれか一項に記載の分散開口アンテナ装置。
  12. 前記複数の受信サブアレーの互いの間隔は、1/2波長以上、1000波長以下であることを特徴とする請求項5、6、7、8、10のいずれか一項に記載の分散開口アンテナ装置。
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