JP2012112712A - 送受信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のアンテナからアンテナ毎に波形の異る信号を送信し、目標からの受信信号を送信時の異る波形に分離手段で分離、伝搬行列を生成し、伝搬行列を介し、受信荷重計算手段と送信荷重計算手段で荷重ベクトルを算出し、送信ビーム合成手段で伝搬行列との積で仮想送信ビームを合成し、送信ビーム合成時の新たな受信ステアリングベクトルから、受信加重計算手段で荷重ベクトルを算出し、以降、受信荷重計算手段、送信荷重計算手段、送信ビーム合成手段の処理を反復し、荷重ベクトルのゲインが所定値になったら受信ビーム合成手段で受信ビーム合成処理し出力する。
【選択図】図1
Description
また、従来送信素子毎に変調し、受信信号を送信素子毎に復調分離するMIMO(Multi Input Multi Output)レーダ(F. C. Robey他,MIMO Radar Theory and Experimental Results, 2004 Asilomar Conference, vol.1, pp300-304.に記載)がある。MIMOレーダでは、送信時に異なる信号を送信することにより、他のビーム形成装置に比較して送信ビーム利得が得られず、より低S/N環境となるため受信信号からビーム形成荷重を算出する適応ビーム形成が困難であると共に、レーダ検出においては低S/Nであるため、多くの積分処理が必要となり演算量が多くなる課題があった。
複数のアンテナからアンテナ毎に波形の異なる符号化された送信信号を放射する複数の送信器と、
複数の送信器にアンテナ毎に波形の異なる符号化された送信信号を生成し送信する波形生成手段と、
目標で反射された受信信号を複数のアンテナの各々から受信し入力する複数の受信器と、
各受信器に対応して設けられ、受信信号を送信時の異なる波形に分離する複数の分離手段と、
複数の分離手段で分離された信号をもとに伝搬行列を生成する伝搬行列生成手段と、
伝搬行列生成手段の伝搬行列を介して受信ステアリングベクトルから受信荷重ベクトルを算出する受信荷重計算手段と、
受信荷重計算手段から伝搬行列生成手段の伝搬行列を介して送信ステアリングベクトルから送信荷重ベクトルを算出する送信荷重計算手段と、
送信荷重ベクトルと伝搬行列から送信ビームを合成する送信ビーム合成手段と、
送信ビーム合成手段で得られる送信ビームの合成ベクトルと受信荷重計算手段からの受信荷重ベクトルから仮想的な受信ビーム合成処理を行い出力する受信ビーム合成手段とを備え、
上記送信ビーム合成手段は送信ビーム合成による新たな受信ステアリングベクトルを上記受信荷重計算手段に送り、受信荷重計算手段はこの新たな受信ステアリングベクトルから新たな受信荷重ベクトルを算出し、送信荷重計算手段は新たな受信荷重ベクトルから、新たな送信荷重ベクトルを算出し、送信ビーム合成手段は新たな送信荷重ベクトルから新たな送信ビームを合成する処理を送信荷重ベクトルのゲインが理想の値に収束する近くの所定値になるまで反復実行するものである。
図1はこの発明の送受信装置の実施の形態1を示す構成図である。図において、1は送信アンテナ毎に異なる信号波形を生成する波形生成手段、4は複数のアンテナ、2は複数のアンテナ4にそれぞれ対応して設けられた複数の送信器、5は同じく複数のアンテナ4にそれぞれ対応して設けられた複数の受信器、3はそれぞれのアンテナ4をそれぞれの送信器2またはそれぞれの受信器5に切り替えて接続するための複数の切替手段、6はそれぞれの受信器5からの受信信号を送信波形ごとに分離する複数の分離手段、7は分離手段6からの送信波形ごとに分離された信号の合成処理を行う信号処理手段である。8は分離手段6の結果得られる分離信号ベクトルを並べ替えて伝搬行列を生成する伝搬行列生成手段、9は伝搬行列を構成するベクトルの内積演算により仮想的な荷重合成のための受信荷重ベクトルを求める受信荷重計算手段、10は受信荷重計算手段9による受信荷重ベクトルから仮想的な送信荷重ベクトルを求める送信荷重計算手段、11は送信荷重ベクトルを用いて仮想的な送信ビーム合成処理を行う送信ビーム合成手段、12は、送信ビーム合成手段11で得られる仮想的な合成送信ビームの合成ベクトルと受信荷重計算手段9からの受信荷重ベクトルから仮想的な受信ビーム合成処理を行う受信ビーム合成手段である。
なお、信号処理手段7は、伝搬行列生成手段8、受信荷重計算手段9、送信荷重計算手段10、送信ビーム合成手段11、受信ビーム合成手段12で構成される。
また、波形生成手段1は、符号または時間または周波数の何れかが異なることで異なる信号波形を生成し、分離手段6は波形生成手段の生成する異なる波形情報に基づいて信号を分離する構成とされる。
j番目のアンテナから送信された信号波形は目標に到達するまでにそれぞれ距離やマルチパスの影響で位相と振幅が変動する。この変動量をatjとする。また、目標に当接し反射してからi番目のアンテナに到達する受信信号の位相と振幅の変動量を同様にariとする。これらの変動量atjおよびariを要素として持つベクトルを送信ステアリングベクトルおよび受信ステアリングベクトルとよび、次式(2)、(3)に示すようにそれぞれat、arとして定義する。
次にj番目のアンテナから送信されて目標に当接し反射してi番目のアンテナで受信されるまでの位相振幅の変化量hyを要素とする伝搬行列Hを次の式(4)のように定義する。このとき伝搬行列は送信ステアリングベクトルおよび受信ステアリングベクトルat、arを用いて式(5)のように表すことができる。
例えば、従来の構成で全てのアンテナから同一の信号波形s(t)を式(11)で定義される送信ビーム形成荷重ベクトルWtでビーム形成して送信し、式(12)に示す受信ビーム形成荷重ベクトルWrで受信信号の受信ビーム形成を行う場合の出力信号so(t)は、式(13)で与えられる。
また、ここでは、参照ベクトルを伝搬行列に乗じる場合を示したが、第1回目の処理として乗じるベクトルは任意であり、例えば要素が全て1となるようなベクトルを用いてもよい。
なお、受信の荷重ベクトルの算出は、HHHの最大固有値に対応する固有ベクトルから求めても良いが、ここで説明した方法がより簡易である。ここに肩文字のHは複素共役転置を示す。
送信ビーム合成手段11における送信合成処理ステップS4は、次式(20)に示すように送信の最適荷重ベクトルWtを伝搬行列Hに乗じることで、送信のビーム合成と等価な処理がなされる。この結果、新たに受信のステアリングベクトルを得るので、受信荷重計算手段9での受信荷重の計算処理ステップS2ではこの複素共役ベクトルを受信の最適荷重ベクトルとして反復して用い、以降受信の最適荷重ベクトルを送信の最適荷重ベクトルとして仮想的な送信のビーム合成処理という一連の処理を反復して行う。
受信荷重計算手段9での受信荷重の計算処理ステップS2の処理と、送信ビーム合成手段11における送信合成処理ステップS4の処理では同様に受信の荷重ベクトルを算出するがこれらは独立な処理であるので、次第に荷重ベクトルの精度を改善することができる。
受信合成処理ステップS5では、受信ビーム合成手段12により、さらに式(20)で得られる受信のステアリングベクトルと受信荷重計算手段9における受信荷重の計算処理ステップS2で得られる受信の荷重ベクトルの内積演算を行って出力信号を得る。
このように、低SNR環境であっても反復処理によって正確な荷重ベクトルが得られることがわかる。
図4は、マルチビーム形成処理を用いた別の実施の形態を示した処理フロー図である。全体の構成は図1と同じであり、信号処理の部分だけが異なっている。
図4において、S6は伝搬行列生成手段6で分離手段6の出力をベクトルの要素として並べて式(21)に示すような分離ベクトルavを生成する処理ステップである。式(21)は受信ステアリングベクトルを送信素子数分並べたものとなっており、MIMOレーダにおける仮想的なアレーのステアリングベクトルを表すものである。S7は受信荷重計算手段9で分離ベクトルavに対して固定の複数のビーム形成荷重ベクトルWvとの内積処理によりマルチビーム形成処理を行う処理ステップである。この処理はMIMOレーダにおける仮想的なアレーが等間隔アレーとなっている場合にはフーリエ変換により処理することができる。
さらに、実施の形態1の効果に加え、マルチビーム形成処理を行うことにより、少ない反復回数で最適な荷重ベクトルを得ることができる効果がある。
図5は、実施の形態3を示す構成図である。図1に示した実施の形態1と異なる点は、送信と受信にそれぞれ別のアンテナを持つように構成したもので、それ以外は図1と同じ構成である。
まず、アレー配置が同じアンテナAとアンテナA’が変位ベクトルδで配置されている場合を考える。これらアンテナに直接波とマルチパス波が到来するものとし、波源からアンテナAまでの直接波のベクトルをb1、図7の反射面に対する波源の鏡像からアンテナAまでのマルチパス波のベクトルをb2とする。また、波源からアンテナA’までの直接波のベクトルをb1’、図7の反射面に対する波源の鏡像からアンテナA’までのマルチパス波ベクトルをb2’とする。アンテナAとアンテナA’はアレー配置が等しいことから、波源が十分遠方にあるとすると、同一波に対するステアリングベクトルは等しいと考えられる。そこで、直接波のステアリングベクトルをad、マルチパス波のステアリングベクトルをamとする。このときアンテナAの直接波とマルチパス波の合成ステアリングベクトルをas、アンテナA’の直接波とマルチパス波の合成ステアリングベクトルをas’とするとアンテナAの合成ステアリングベクトルasと、アンテナA’の合成ステアリングベクトルas’は波源を基準として次式(23)、(24)で与えられる。
本実施の形態では、以上の性質を利用して、想定される直接波とマルチパス波の方向単位ベクトルの差分ベクトルと直交する方向に送信と受信のアンテナをずらして配置したことを特徴とする。このように配置したことにより、実施の形態1と同様に受信の最適荷重ベクトルを送信の最適荷重ベクトルとして反復して求めることができ、マルチパス環境で、低S/Nにおいても正確な送信と受信のビーム形成を低い演算コストで求めることができる効果がある。
図8は、実施の形態4の処理フローを示したものである。実施の形態4は、送信と受信のアンテナのステアリングベクトルが異なる場合においても有効な反復処理の方法であり、全体の構成は図5と同じである。なお、本実施の形態では、送信の素子アンテナ数と受信の素子アンテナ数が異なってもよい。
ステップS4において、送信ビーム合成手段11は送信荷重ベクトルのゲインが理想の値に収束する近くの所定値になると反復処理を終了し、受信のステアリングベクトルを受信ビーム合成手段12に出力する。
ステップS8では、受信ビーム合成手段12によりステップS4で得られる受信のステアリングベクトルとステップS2で得られる受信の最適荷重ベクトルの内積から出力値を得る。
さらに、波形生成手段1は所定の間隔で波形を生成し、分離手段6は波形生成手段の生成する波形情報に基づいて信号を分離する構成としてもよい。
Claims (7)
- 複数のアンテナからアンテナ毎に波形の異なる符号化された送信信号を放射する複数の送信器と、
複数の送信器にアンテナ毎に波形の異なる符号化された送信信号を生成し送信する波形生成手段と、
目標で反射された受信信号を複数のアンテナの各々から受信し入力する複数の受信器と、
各受信器に対応して設けられ、受信信号を送信時の異なる波形に分離する複数の分離手段と、
複数の分離手段で分離された信号をもとに伝搬行列を生成する伝搬行列生成手段と、
伝搬行列生成手段の伝搬行列を介して受信ステアリングベクトルから受信荷重ベクトルを算出する受信荷重計算手段と、
受信荷重計算手段から伝搬行列生成手段の伝搬行列を介して送信ステアリングベクトルから送信荷重ベクトルを算出する送信荷重計算手段と、
送信荷重ベクトルと伝搬行列から送信ビームを合成する送信ビーム合成手段と、
送信ビーム合成手段で得られる送信ビームの合成ベクトルと受信荷重計算手段からの受信荷重ベクトルから仮想的な受信ビーム合成処理を行い出力する受信ビーム合成手段とを備え、
上記送信ビーム合成手段は送信ビーム合成による新たな受信ステアリングベクトルを上記受信荷重計算手段に送り、受信荷重計算手段はこの新たな受信ステアリングベクトルから新たな受信荷重ベクトルを算出し、送信荷重計算手段は新たな受信荷重ベクトルから、新たな送信荷重ベクトルを算出し、送信ビーム合成手段は新たな送信荷重ベクトルから新たな送信ビームを合成する処理を送信荷重ベクトルのゲインが理想の値に収束する近くの所定値になるまで反復実行することを特徴とする送受信装置。 - 送信アンテナと受信アンテナを同一のアンテナとし、アンテナと送信器または受信器との切り替え接続を行う切り替え手段を備え、
送信荷重計算手段は算出する送信荷重ベクトルに受信荷重計算手段からの受信荷重ベクトルをそのまま用いることを特徴とする請求項1記載の送受信装置。 - 送信アンテナと受信アンテナは同数であり、かつ、想定される目標からの到来方向に対して送信アンテナと受信アンテナのステアリングベクトルが一致するように、目標からの直接波とマルチパス波の方向単位ベクトルの差分ベクトルと直交する方向に送信と受信のアンテナがずらして配置されたことを特徴とする請求項1記載の送受信装置。
- 複数のアンテナからアンテナ毎に波形の異なる符号化された送信信号を放射する複数の送信器と、
複数の送信器にアンテナ毎に波形の異なる符号化された送信信号を生成し送信する波形生成手段と、
目標で反射された受信信号を複数のアンテナの各々から受信し入力する複数の受信器と、
各受信器に対応して設けられ、受信信号を送信時の異なる波形に分離する複数の分離手段と、
複数の分離手段で分離された信号をもとに伝搬行列を生成する伝搬行列生成手段と、
伝搬行列生成手段の伝搬行列を介して受信ステアリングベクトルから受信最適荷重ベクトルを求め、さらに受信最適荷重ベクトルを伝播行列に乗じて、仮想的な受信合成を行う受信荷重計算手段と、
仮想的な受信合成結果から送信の最適荷重ベクトルを算出する送信荷重計算手段と、
送信の最適荷重ベクトルを用いて、仮想的な送信合成を行い、この仮想的な送信合成処理により新たな受信ステアリングベクトルを得る送信ビーム合成手段と、
受信荷重計算手段により、この新たな受信ステアリングベクトルから新たな受信の最適荷重ベクトルを得、以後、送信荷重計算手段と送信ビーム合成手段および受信荷重計算手段により、送信ビーム合成手段における送信荷重ベクトルのゲインが理想の値に収束する近くの所定値になるまで、反復して最適な荷重ベクトルの計算を行い、反復処理が終了したら、受信のステアリングベクトルを出力し、
送信ビーム合成手段で得られる送信ビームの合成ベクトルと受信荷重計算手段からの受信荷重ベクトルから仮想的な受信ビーム合成処理を行い出力する受信ビーム合成手段とを備えることを特徴とする送受信装置。 - 波形生成手段は、符号または時間または周波数の何れかが異なることで異なる信号波形を生成し、分離手段は波形生成手段の生成する異なる波形情報に基づいて信号を分離することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の送受信装置。
- 伝搬行列生成手段は、伝搬行列を生成するとともに、分離手段の出力をベクトルの要素として並べ分離ベクトルを生成する構成にされ、
受信荷重計算手段は初回の受信荷重ベクトルに伝搬行列生成手段の分離ベクトルに対して固定の複数のビーム形成荷重ベクトルによりマルチビームを形成し、このマルチビームから最も受信電力の大きなビーム形成荷重ベクトルを選択して、固定のビーム形成荷重ベクトルを得て、得られる受信荷重ベクトルを用いる構成にされたことを
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の送受信装置。 - 波形生成手段は所定の間隔で波形を生成し、分離手段は波形生成手段の生成する波形情報に基づいて信号を分離することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の送受信装置。
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