JP7154494B2 - 到来方向推定装置及び到来方向推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電波の到来方向を推定する技術に関する。
レーダ装置は、電波を照射し、物標から反射してきた電波(反射波)を受信することで、反射波の到来方向を推定する。到来方向の推定方法は、反射波を受信する複数の受信アンテナで得られた受信信号の位相差や振幅差の情報から到来方向(角度)を算出する方法である。
特開2012-103132号公報
ESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)法やDoA-matrix法等のようにサブアレー間の位相差から角度を算出する場合、角度精度と位相折り返しとはトレードオフの関係になる。具体的には、サブアレー間の移動量が大きいほど物標の角度精度は良くなるのに対し、到来電波の半波長以下であれば位相折り返しが発生せず、逆にサブアレー間の移動量が到来電波の半波長より大きければ位相折り返しが発生する。
したがって、例えば特許文献1で開示されている到来方向推定技術では、位相折り返しを発生させずに物標の角度を高精度にすることができなかった。
本発明は、上記課題に鑑みて、位相折り返しを発生させずに物標の角度精度を向上できる到来方向推定技術を提供することを目的とする。
本発明に係る到来方向推定装置は、複数の受信アンテナの組み合わせである第1のサブアレーで得られた受信信号と、前記第1のサブアレーと同一形状であって前記第1のサブアレーとの間に第1の位相差が生じる第2のサブアレーで得られた受信信号とから、第1の位相シフト行列を算出する第1の算出部と、前記第1のサブアレーと同一形状である第3のサブアレーで得られた受信信号と、前記第3のサブアレーと同一形状であって前記第3のサブアレーとの間に前記第1の位相差と異なる第2の位相差が生じる第4のサブアレーで得られた受信信号とから、第2の位相シフト行列を生成する第2の算出部と、前記第1の位相シフト行列及び前記第2の位相シフト行列を線形結合した線形結合行列の固有ベクトルを算出する第3の算出部と、同一の前記固有ベクトルにおける前記第1の位相シフト行列の固有値と前記第2の位相シフト行列の固有値との組み合わせから、電波の到来方向を推定する推定部と、を備える構成(第1の構成)である。
上記第1の構成の到来方向推定装置において、前記線形結合における前記第1の位相シフト行列の係数及び前記第2の位相シフト行列の係数がともに零でない構成(第2の構成)であってもよい。
上記第2の構成の到来方向推定装置において、前記線形結合における前記第1の位相シフト行列の係数及び前記第2の位相シフト行列の係数の少なくとも一方が可変する構成(第3の構成)であってもよい。
上記第1~第3いずれかの構成の到来方向推定装置において、前記第1のサブアレーと前記第3のサブアレーとが同一のサブアレーである構成(第4の構成)であってもよい。
上記第1~第3いずれかの構成の到来方向推定装置において、前記第1のサブアレーと前記第3のサブアレーとが互いに異なるサブアレーである構成(第5の構成)であってもよい。
本発明に係る到来方向推定方法は、複数の受信アンテナの組み合わせである第1のサブアレーで得られた受信信号と、前記第1のサブアレーと同一形状であって前記第1のサブアレーとの間に第1の位相差が生じる第2のサブアレーで得られた受信信号とから、第1の位相シフト行列を算出する第1の算出工程と、前記第1のサブアレーと同一形状である第3のサブアレーで得られた受信信号と、前記第3のサブアレーと同一形状であって前記第3のサブアレーとの間に前記第1の位相差と異なる第2の位相差が生じる第4のサブアレーで得られた受信信号とから、第2の位相シフト行列を生成する第2の算出工程と、前記第1の位相シフト行列及び前記第2の位相シフト行列を線形結合した線形結合行列の固有ベクトルを算出する第3の算出工程と、同一の前記固有ベクトルにおける前記第1の位相シフト行列の固有値と前記第2の位相シフト行列の固有値との組み合わせから、電波の到来方向を推定する推定工程と、を備える構成(第6の構成)である。
本発明に係る到来方向推定技術によると、位相折り返しを発生させずに物標の角度精度を向上できる。
レーダ装置の構成例を示す図 第1~第3の算出処理及び推定処理の流れを示すフローチャート 第1の物標の角度候補を示す図 受信アンテナの配置例を示す図
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<1.レーダ装置の構成>
図1は本実施形態に係るレーダ装置1の構成を示す図である。レーダ装置1は、例えば自動車などの車両に搭載されている。レーダ装置1が自車両の前端に搭載されている場合、レーダ装置1は、送信波を用いて、自車両の前方に存在する物標に係る物標データを取得する。物標データは、物標までの距離、レーダ装置1に対する物標の相対速度等を含む。しかしながら、本実施形態に係るレーダ装置1を到来方向推定装置の一例として説明するため、以下の説明においては到来方向推定に関する部分についてのみ説明を行う。
図1に示すように、レーダ装置1は、送信部2と、受信部3と、信号処理装置4と、を主に備えている。
送信部2は、信号生成部21と発信器22とを備えている。発信器22は、信号生成部21で生成された信号を変調して送信信号を生成する。送信アンテナ23は、送信信号を送信波TWに変換して出力する。
受信部3は、複数の受信アンテナ31と、その複数の受信アンテナ31に接続された複数の個別受信部32とを備えている。本実施形態では、受信部3は、例えば、4個の受信アンテナ31と4個の個別受信部32とを備えている。4つの受信アンテナ31はそれぞれ受信チャンネルch1~ch4に対応している。4つの受信アンテナ31は、自車両の左右方向に沿って配置され、隣接するアンテナ間の距離は所定距離dである。なお、3つの所定距離dは、厳密に同一でなくてもよく、設計上の誤差やばらつきなどを考慮した上で3つの所定距離dが同一とみなすことができればよい。位相折り返しが発生しないサブアレー間の移動量を確保できるように、所定距離dは受信アンテナ31で得られる受信信号の半波長以下であることが好ましい。ただし、位相折り返しが発生する場合でもレーダ装置1のFOVの設定によってはFOV内で位相折り返しが発生しないようにすることも可能であるため、所定距離dは受信アンテナ31で得られる受信信号の半波長より大きくてもよい。本実施例では、所定距離dは受信アンテナ31で得られる受信信号の半波長以下にする。4個の個別受信部32は、4個の受信アンテナ31にそれぞれ対応している。各受信アンテナ31は物体からの反射波RWを受信して受信信号を取得し、各個別受信部32は対応する受信アンテナ31で得られた受信信号を処理する。
各個別受信部32は、ミキサ33とA/D変換器34とを備えている。受信アンテナ31で得られた受信信号は、ローノイズアンプ(図示省略)で増幅された後にミキサ33に送られる。ミキサ33には送信部2の発信器22からの送信信号が入力され、ミキサ33において送信信号と受信信号とがミキシングされる。これにより、送信信号の周波数と受信信号の周波数との差となるビート周波数を有するビート信号が生成される。ミキサ33で生成されたビート信号は、A/D変換器34でデジタルの信号に変換された後に、信号処理装置4に出力される。
信号処理装置4は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ41などを含むマイクロコンピュータを備えている。信号処理装置4は、演算の対象とする各種のデータを、記憶装置であるメモリ41に記憶する。メモリ41は、例えばRAM(Random Access Memory)などである。信号処理装置4は、マイクロコンピュータでソフトウェア的に実現される機能として、送信制御部42、フーリエ変換部43、及び、データ処理部44を備えている。送信制御部42は、送信部2の信号生成部21を制御する。データ処理部44は、ピーク抽出部45、第1~第3の算出部46~48、及び推定部49を備えている。
フーリエ変換部43は、複数の物標からの反射波が重なり合った状態で受信アンテナ31において受信されるため、受信信号に基づいて生成されたビート信号から、各物標の反射波に基づく周波数成分を分離する処理(例えば、FFT(Fast Fourier Transfer)処理)を行う。FFT処理では、所定の周波数間隔で設定された周波数ポイント(周波数ビンという場合がある)ごとに受信レベルや位相情報が算出される。
ピーク抽出部45は、フーリエ変換部43によるFFT処理等の結果からピークを検出する。
第1の算出部46は、1chの受信アンテナ31と2chの受信アンテナ31の組み合わせである第1のサブアレーで得られた受信信号と、2chの受信アンテナ31と3chの受信アンテナ31の組み合わせである第2のサブアレーで得られた受信信号とから、第1の位相シフト行列Rαを算出する。第2のサブアレーは、第1のサブアレーと同一形状であって第1のサブアレーとの間に第1の位相差Φαが生じる。
第2の算出部47は、1chの受信アンテナ31と2chの受信アンテナ31の組み合わせである第3のサブアレーで得られた受信信号と、3chの受信アンテナ31と4chの受信アンテナ31の組み合わせである第4のサブアレーで得られた受信信号とから、第2の位相シフト行列Rβを生成する。本実施例では、第1のサブアレーと第3のサブアレーとが同一のサブアレーである。第4のサブアレーは、第3のサブアレーと同一形状であって第3のサブアレーとの間に第1の位相差Φαと異なる第2の位相差Φβが生じる。
第3の算出部48は、第1の位相シフト行列Rα及び第2の位相シフト行列Rβを線形結合した線形結合行列Rγ(=pRα+qRβ)の固有ベクトルを算出する。なお、p及びqはそれぞれ実数であり、p及びqの少なくとも一方は零でない。
推定部49は、同一の固有ベクトルにおける第1の位相シフト行列Rαの固有値と第2の位相シフト行列Rβの固有値との組み合わせから、電波の到来方向を推定する。推定部49は、推定した物標の存在する方位(角度)をメモリ41や車両制御ECU5等に出力する。
<2.算出処理及び推定処理の詳細>
図2は、第1~第3の算出部46~48によって実行される第1~第3の算出処理及び推定部49によって実行される推定処理の流れを示すフローチャートである。
第1の算出部46は、第1のサブアレーの入力ベクトルx(t)及び第2のサブアレーの入力ベクトルx(t)を用いた算出を行う。入力ベクトルx(t)及び入力ベクトルx(t)はそれぞれ2次元列ベクトルである。入力ベクトルx(t)の1行目要素は、1chの受信アンテナ31で得られる受信信号に対応するピーク抽出部45で抽出されたピーク値である。入力ベクトルx(t)の2行目要素は、2chの受信アンテナ31で得られる受信信号に対応するピーク抽出部45で抽出されたピーク値である。入力ベクトルx(t)の1行目要素は、2chの受信アンテナ31で得られる受信信号に対応するピーク抽出部45で抽出されたピーク値である。入力ベクトルx(t)の2行目要素は、3chの受信アンテナ31で得られる受信信号に対応するピーク抽出部45で抽出されたピーク値である。
まず第1の算出部46は、第1のサブアレーの自己相関行列R11を算出する(ステップS1)。自己相関行列R11は下記の(1)式により算出することができる。ここで、E[・]は時間平均処理を表しており、[・]は複素共役転置を表している。
11=E[x(t)x (t)] ・・・(1)
次に第1の算出部46は、第1のサブアレーと第2のサブアレーとの間の相互相関行列R21を算出する(ステップS2)。相互相関行列R21は下記の(2)式により算出することができる。
21=E[x(t)x (t)] ・・・(2)
そして第1の算出部46は、第1の位相シフト行列Rαを算出する(ステップS3)。第1の位相シフト行列Rαは下記の(3)式により算出することができる。ここで、[・]-1は逆行列を表している。
α=R21[R11]-1 ・・・(3)
第2の算出部47は、第3のサブアレーの入力ベクトルx(t)及び第4のサブアレーの入力ベクトルx(t)を用いた算出を行う。入力ベクトルx(t)及び入力ベクトルx(t)はそれぞれ2次元列ベクトルである。入力ベクトルx(t)の1行目要素は、1chの受信アンテナ31で得られる受信信号に対応するピーク抽出部45で抽出されたピーク値である。入力ベクトルx(t)の2行目要素は、2chの受信アンテナ31で得られる受信信号に対応するピーク抽出部45で抽出されたピーク値である。入力ベクトルx(t)の1行目要素は、3chの受信アンテナ31で得られる受信信号に対応するピーク抽出部45で抽出されたピーク値である。入力ベクトルx(t)の2行目要素は、4chの受信アンテナ31で得られる受信信号に対応するピーク抽出部45で抽出されたピーク値である。
ステップS3に続くステップS4において、第2の算出部47は、第3のサブアレーの自己相関行列R33を算出する。自己相関行列R33は下記の(4)式により算出することができる。
33=E[x(t)x (t)] ・・・(4)
次に第2の算出部47は、第3のサブアレーと第4のサブアレーとの間の相互相関行列R43を算出する(ステップS5)。相互相関行列R43は下記の(5)式により算出することができる。
43=E[x(t)x (t)] ・・・(5)
そして第2の算出部47は、第2の位相シフト行列Rβを算出する(ステップS6)。第2の位相シフト行列Rβは下記の(6)式により算出することができる。
β=R43[R33]-1 ・・・(6)
図2のフローチャートでは、ステップS1~S3の処理が終了してからステップS4~S6の処理を実行しているが、ステップS1~S3の処理とステップS4~S6の処理とを並列に実行してもよい。また、本実施例では第1のサブアレーと第3のサブアレーとが同一のサブアレーであるので、ステップS4の処理を省略し第2の算出部47がステップS1の処理結果を用いるようにしてもよい。
ステップS1~S6の処理が終了した後、第3の算出部48は、線形結合行列Rγを算出する(ステップS7)。線形結合行列Rγは下記の(7)式により算出することができる。なお、p及びqはそれぞれ実数であり、p及びqの少なくとも一方は零でない。
γ=pRα+qRαβ ・・・(7)
そして第3の算出部48は、線形結合行列Rγの固有値展開を行い、線形結合行列Rγの固有ベクトルを算出する(ステップS8)。すなわち、第3の算出部48は、線形結合行列Rγの固有値展開を行い、下記の(8)式を満たす固有ベクトルAを算出する。なお、Φγは線形結合行列Rγの固有値である。線形結合行列Rγは2行2列の行列であるため、固有ベクトルAは2つ求まる。そこで、以下の説明では、一方の固有ベクトルAを固有ベクトルA1と表記し、他方の固有ベクトルAを固有ベクトルA2と表記する。
γA=AΦγ ・・・(8)
ステップS8に続くステップS9において、推定部49は、固有ベクトルA1を用いて第1の位相シフト行列Rαの一方の固有値Φα1及び第2の位相シフト行列Rβの一方の固有値Φβ1を算出し、固有ベクトルA2を用いて第1の位相シフト行列Rαの他方の固有値Φα2及び第2の位相シフト行列Rβの他方の固有値Φβ2を算出する。各固有値は下記の(9)~(12)式により算出することができる。
αA1=A1Φα1 ・・・(9)
βA1=A1Φβ1 ・・・(10)
αA2=A2Φα2 ・・・(11)
βA2=A2Φβ2 ・・・(12)
推定部49は、固有値Φα1を第1の物標の角度θα1に変換し、固有値Φβ1を第1の物標の角度θβ1に変換する。角度θα1の精度は悪いが角度θα1では位相折り返しは発生しておらず、角度θβ1の精度は良いが角度θβ1では位相折り返しは発生している。そこで、推定部49は、角度θβ1と角度θβ1の各位相折り返し角度のうち最も角度θα1に近い角度を第1の物標の角度として推定する(ステップS10)。例えば、角度θα1と、角度θβ1と角度θβ1の各位相折り返し角度θβ1’、θβ1”とが図3に示す関係である場合には、推定部49は、角度θβ1’を第1の物標の角度として推定する。これにより、位相折り返しを発生させずに第1の物標の角度精度を向上できる。
なお、固有値Φα1の絶対値が所定値以下であれば、推定部49は第1の物標が存在しないと判定し、第1の物標の角度推定を行わないようにすることが好ましい。これにより、推定部49がゴースト物標の角度推定を行うことを防止できる。固有値Φα1の絶対値の代わりに固有値Φβ1の絶対値又は固有値Φα1と固有値Φβ1との平均の絶対値を用いてもよい。
推定部49は、固有値Φα2を第2の物標の角度θα2に変換し、固有値Φβ2を第2の物標の角度θβ2に変換する。角度θα2の精度は悪いが角度θα2では位相折り返しは発生しておらず、角度θβ2の精度は良いが角度θβ2では位相折り返しは発生している。そこで、推定部49は、角度θβ2と角度θβ2の各位相折り返し角度のうち最も角度θα2に近い角度を第2の物標の角度として推定する(ステップS11)。これにより、位相折り返しを発生させずに第2の物標の角度精度を向上できる。
なお、固有値Φα2の絶対値が所定値以下であれば、推定部49は第2の物標が存在しないと判定し、第2の物標の角度推定を行わないようにすることが好ましい。これにより、推定部49がゴースト物標の角度推定を行うことを防止できる。固有値Φα2の絶対値の代わりに固有値Φβ2の絶対値又は固有値Φα2と固有値Φβ2との平均の絶対値を用いてもよい。
図2のフローチャートでは、ステップS10の処理が終了してからステップS11の処理を実行しているが、ステップS10の処理とステップS11の処理とを並列に実行してもよい。
上述した第1~第3の算出処理及び推定処理によると、線形結合行列Rγのみの固有値展開、すなわち1回のみの固有値展開で位相折り返しを発生させずに物標の角度精度を向上できる。したがって、少ない計算量で位相折り返しを発生させずに物標の角度精度を向上できる。
上記の(7)式において、p及びqがともに零でないことが好ましい。理想的な受信信号では、「第1の位相シフト行列Rαのみで求めた固有ベクトル」と「第2の位相シフト行列Rβのみで固有ベクトル」とが一致する。しかしながら、実際の受信信号では、各受信アンテナ31の誤差やノイズが微妙に異なるため、「第1の位相シフト行列Rαのみで求めた固有ベクトル」と「第2の位相シフト行列Rβのみで固有ベクトル」とは一致しない。
そのため、p及びqをともに零とせずに、「第1の位相シフト行列Rα及び第2の位相シフト行列Rβで求めた固有ベクトル」を用いる方が、「第1の位相シフト行列Rαのみで求めた固有ベクトル」又は「第2の位相シフト行列Rβのみで固有ベクトル」を用いるよりも、物標の角度精度が高まる。「第1の位相シフト行列Rαのみで求めた固有ベクトル」と「第2の位相シフト行列Rβのみで固有ベクトル」との差よりも、「第1の位相シフト行列Rαのみで求めた固有ベクトル」と「第1の位相シフト行列Rα及び第2の位相シフト行列Rβで求めた固有ベクトル」との差の方が小さく、同様に、「第1の位相シフト行列Rαのみで求めた固有ベクトル」と「第2の位相シフト行列Rβのみで固有ベクトル」との差よりも、「第2の位相シフト行列Rβのみで固有ベクトル」と「第1の位相シフト行列Rα及び第2の位相シフト行列Rβで求めた固有ベクトル」との差の方が小さいからである。
各受信アンテナ31の誤差やノイズの状況に応じて、物標の角度精度が最も高まるpの値及びqの値は変化する。p及びqを常に最適値に設定することは現実的ではないが、例えばレーダ装置1を搭載する車両の車種やレーダ装置1を搭載する車両の周辺環境等に応じて、第3の算出部48がp及びqを可変することが好ましい。例えば、第3の算出部48はp及びqを標準値(例えば1)に設定しておき、レーダ装置1がレーダ装置1を搭載する車両の車種やレーダ装置1を搭載する車両の周辺環境等に関する情報を取得し、その取得した情報に基づき第3の算出部48が必要に応じてp及びqを可変するようにすればよい。
<3.その他>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
上述した実施形態では、2つの受信アンテナの組み合わせで各サブアレーを構成したが、3つ以上の受信アンテナの組み合わせで各サブアレーを構成してもよい。サブアレーを構成する受信アンテナの個数を増やすことで、物標の角度算出可能数を増やすことができる。なお、各サブアレーは同一形状であればよく、その形状(サブアレー内での受信アンテナ配置)は限定されない。
上述した実施形態では、第1のサブアレーと第3のサブアレーとが同一のサブアレーである構成を採用している。これにより、第1~第4のサブアレーを含む受信アンテナ群の占有スペースを小さくすることができ、レーダ装置1の小型化を図ることができる。
しかしながら、例えばレーダ装置1の形状に関する制約等により第1~第4のサブアレーを含む受信アンテナ群を一箇所に纏めることができない場合も考えられる。このような場合には第1のサブアレーと第3のサブアレーとが互いに異なるサブアレーである構成を採用してもよい。つまり、第1のサブアレーと第3のサブアレーとが互いに異なるサブアレーである構成を採用することで、レーダ装置1の形状に関する自由度を高めることができる。第1のサブアレーと第3のサブアレーとが互いに異なるサブアレーである構成の一例としては、図4に示す受信アンテナの配置を挙げることができる。
また上述した実施形態では車載レーダ装置について説明したが、本発明は、道路等に設置されるインフラレーダ装置、航空機監視レーダ装置等にも適用可能である。
1 レーダ装置
2 送信部
3 受信部
31 受信アンテナ
4 信号処理装置
46~48 第1~第3の算出部
49 推定部

Claims (6)

  1. 複数の受信アンテナの組み合わせである第1のサブアレーで得られた受信信号と、前記第1のサブアレーと同一形状であって前記第1のサブアレーとの間に第1の位相差が生じる第2のサブアレーで得られた受信信号とから、第1の位相シフト行列を算出する第1の算出部と、
    前記第1のサブアレーと同一形状である第3のサブアレーで得られた受信信号と、前記第3のサブアレーと同一形状であって前記第3のサブアレーとの間に前記第1の位相差と異なる第2の位相差が生じる第4のサブアレーで得られた受信信号とから、第2の位相シフト行列を生成する第2の算出部と、
    前記第1の位相シフト行列及び前記第2の位相シフト行列を線形結合した線形結合行列の固有ベクトルを算出する第3の算出部と、
    同一の前記固有ベクトルにおける前記第1の位相シフト行列の固有値と前記第2の位相シフト行列の固有値との組み合わせから、電波の到来方向を推定する推定部と、
    を備え、
    前記第1-4のサブアレーの各アンテナの間隔はすべて所定距離dであり、
    前記所定距離dは、到来波の半波長以下、又はFOV内で位相折り返しが発生しないような距離であり、
    前記第1の位相差は、前記所定距離dに相当する位相差であって、
    前記第2の位相前記第1の位相差より大きく、
    前記第1の算出部は、(1)式を用いて前記第1の位相シフト行列である行列Rαを算出するように構成され、
    Rα=R21[R11-1(1)
    11は、前記第1のサブアレーの入力ベクトルx1(t)の自己相関行列であり、R21は、前記第1のサブアレーの入力ベクトルx1(t)と前記第2のサブアレーの入力ベクトルx2(t)との間の相互相関行列であり、
    前記第2の算出部は、(2)式を用いて前記第2の位相シフト行列である行列Rβを算出するように構成され、
    Rβ=R43[R33-1(2)
    33は、前記第3のサブアレーの入力ベクトルx(t)の自己相関行列であり、R43
    は、前記第3のサブアレーの入力ベクトルx(t)と前記第4のサブアレーの入力ベクトルx4(t)との間の相互相関行列であり、
    前記入力ベクトルxi (t)は、iで特定されるサブアレーを構成する各アンテナで得られる受信信号に基づいて生成されたビート信号のフーリエ変換の結果から得られるピーク値を要素とするベクトルである、
    到来方向推定装置。
  2. 前記線形結合における前記第1の位相シフト行列の係数及び前記第2の位相シフト行列の係数がともに零でない、請求項1に記載の到来方向推定装置。
  3. 前記線形結合における前記第1の位相シフト行列の係数及び前記第2の位相シフト行列の係数の少なくとも一方が可変する、請求項2に記載の到来方向推定装置。
  4. 前記第1のサブアレーと前記第3のサブアレーとが同一のサブアレーである、請求項1~3のいずれか一項に記載の到来方向推定装置。
  5. 前記第1のサブアレーと前記第3のサブアレーとが互いに異なるサブアレーである、請求項1~3のいずれか一項に記載の到来方向推定装置。
  6. 複数の受信アンテナの組み合わせである第1のサブアレーで得られた受信信号と、前記第1のサブアレーと同一形状であって前記第1のサブアレーとの間に第1の位相差が生じる第2のサブアレーで得られた受信信号とから、第1の位相シフト行列を算出する第1の算出工程と、
    前記第1のサブアレーと同一形状である第3のサブアレーで得られた受信信号と、前記第3のサブアレーと同一形状であって前記第3のサブアレーとの間に前記第1の位相差と異なる第2の位相差が生じる第4のサブアレーで得られた受信信号とから、第2の位相シフト行列を生成する第2の算出工程と、
    前記第1の位相シフト行列及び前記第2の位相シフト行列を線形結合した線形結合行列の固有ベクトルを算出する第3の算出工程と、
    同一の前記固有ベクトルにおける前記第1の位相シフト行列の固有値と前記第2の位相シフト行列の固有値との組み合わせから、電波の到来方向を推定する推定工程と、
    を備え、
    前記第1-4のサブアレーの各アンテナの間隔はすべて所定距離dであり、
    前記所定距離dは、到来波の半波長以下、又はFOV内で位相折り返しが発生しないような距離であり、
    前記第1の位相差は、前記所定距離dに相当する位相差であって、
    前記第2の位相前記第1の位相差より大きく、
    前記第1の算出工程は、(1)式を用いて前記第1の位相シフト行列である行列Rαを算出するように構成され、
    Rα=R21[R11-1 (1)
    11は、前記第1のサブアレーの入力ベクトルx1(t)の自己相関行列であり、R21は、第1のサブアレーの入力ベクトルx1(t)と前記第2のサブアレーの入力ベクトルx2(t)との間の相互相関行列であり、
    前記第2の算出工程は、(2)式を用いて前記第2の位相シフト行列である行列Rβを算出するように構成され、
    Rβ=R43[R33-1 (2)
    33は、前記第3のサブアレーの入力ベクトルx3(t)の自己相関行列であり、R43は、前記第3のサブアレーの入力ベクトルx3(t)と前記第4のサブアレーの入力ベクトルx4(t)との間の相互相関行列であり、
    前記入力ベクトルxi(t)は、iで特定されるサブアレーを構成する各アンテナで得られる受信信号に基づいて生成されたビート信号のフーリエ変換の結果から得られるピーク値を要素とするベクトルである、
    到来方向推定方法。
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