JP4294665B2 - ミリ波レーダ装置 - Google Patents
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また、サブアレー構成にした大規模アレーアンテナを用い、比較的遠方を捜索対象として全素子アンテナから送信する艦載用レーダや航空管制レーダなどがある。この大規模アレーアンテナでは、各素子アンテナは、個別に移相器を持ち、サブアレー合成ビームを形成するため送信位相あるいは受信位相を制御できるようにしている。しかし、多くの大規模アレーアンテナは、受信系数を低減し装置規模を削減するために、RF段で幾つかのサブアレーに合成する合成器を持つ構成が採用されている。このようなレーダにおいても運用状況によっては、電力的には十分であるが、より狭ビームが必要とされ、また、アレーアンテナの空間方向の自由度を要求されることが課題として考えられる。
図1はこの発明の実施の形態1によるミリ波レーダ装置の構成を示すブロック図である。図において、第1の送信機1はアレーアンテナ2から送出するレーダ送信波のための送信信号を一定間隔で生成し出力する。複数の素子アンテナを所定の間隔dで配列したアレーアンテナ2は、アレー配列の一端に位置し空間に電波を送出する送信素子アンテナT1、他端に位置し電波の送信と受信を行う送受信素子アンテナTR2およびT1とTR2の間に位置し目標から反射した電波を受信する4個の受信素子アンテナR1〜R4を形成している。送信スイッチ6は、送信素子アンテナT1と送受信素子アンテナTR2へ供給する第1の送信機1の送信信号を振分ける切り替え動作を行う。サーキュレータ7は、送信信号を送受信素子アンテナTR2へ与え、また、この送受信素子アンテナTR2で受信した受信信号を、受信スイッチ3を介して受信機4へ与えるように設けられている。この受信スイッチ3は、受信素子アンテナR1〜R4と送受信素子アンテナTR2で順次に受信した受信信号を受信機4へ入力する動作を行う。送信スイッチ6と受信スイッチ3は、アレーアンテナ2による送受信の組み合わせ動作を時分割で制御するよう互いに連動して動作する。受信機4は、受信信号を増幅、周波数変換して信号処理器5に出力し、信号処理器5は得られた信号から合成開口アレー信号を生成し、例えば、後段で車間距離、相対速度、障害物等のデータを算出させるために出力する。
まず、送信スイッチ6が、第1の送信機1からの送信信号を送信素子アンテナT1に供給するように切り替えられているとする。また、目標で反射して戻ってきた反射電波を受信素子アンテナR1が受信して、その受信信号を受信機4に与えられるよう受信スイッチ3を切り替えておくものとする。ここで、送信素子アンテナT1で送信し、受信素子アンテナR1で受信する場合の動作を、便宜上(T1,R1)のように表現することにし、他の素子アンテナについても同様とする。
前述の従来の方法では、各送信の位相中心は送信素子アンテナT1で一定であった。しかし、素子の送信アンテナ機能をもう一つ増やして送受信を切り替えることで、送信の位相中心を含めた受信アレーに入力する信号の信号位相が決まることを利用して、実開口より大きな等価開口を得ることが可能となる。
この実施の形態2では、パルス変調レーダを想定しており、レーダ捜索対象とする目標の距離が比較的遠方であり、送信と受信を同一の素子アンテナで時分割制御できる状況を想定している。
図4はこの発明の実施の形態2によるミリ波レーダ装置の構成を示すブロック図である。図において、図1と異なる構成は、送信素子アンテナT1の代わりに送受信素子アンテナTR1とサーキュレータ7’を設けた点である。すなわち、この実施の形態2は、アレーアンテナの配列の一端だけではなく、両端にサーキュレータ7’,7を接続した送受信素子アンテナTR1、TR2を備える構成としたものである。
実施の形態1および実施の形態2では、アレーアンテナの素子数が比較的小さい場合を想定して説明してきたが、この実施の形態3では、大規模アレーアンテナをサブアレー構成にし、サブアレー間に実施の形態2で述べたような合成開口アレー構成を適用する場合について示す。
図7はこの発明の実施の形態4によるミリ波レーダ装置の構成を示すブロック図である。図において、図1と異なる部分について説明すると、第1の送信機1で発生する符合信号と直交する符号信号を発生する第2の送信機10が設けられ、その出力が送信素子アンテナT1に供給されるようになっている。また、ここでは図1の送信スイッチ6を用いず第1の送信機1の出力がサーキュレータ7を介して送受信素子アンテナTR2に与えられるように構成されている。加えて、受信機4で検波された直交する符号信号をそれぞれ復調する第1の復調器11と第2復調器12が設けられている。
まず、アレーアンテナ2の配列の両端にある送信素子アンテナT1と送受信素子アンテナTR2から符号変調された直交信号によるレーダ送信波がそれぞれ同じタイミングで順次に送信され、反射波を受信素子アンテナR1,R2,R3,R4で受信する。次に、サーキュレータ7の切り替えタイミングにより、送信素子アンテナT1だけのレーダ送信波に対する反射波を送受信素子アンテナTR2だけが受信する。したがって、送受信動作は、(T1+TR2,R1),(T1+TR2,R2),(T1+TR2,R3),(T1+TR2,R4),(T1,TR2)の順になり、この送受信動作のサイクルを繰り返す。
図9はこの発明の実施の形態5によるミリ波レーダ装置の構成を示すブロック図である。図において、図1と異なる部分は、送受信素子アンテナTR2とサーキュレータ7を用いず、代わりに送信素子アンテナT2を設け、また受信素子アンテナR5を設けていることである。すなわち、この実施の形態5は、アレーアンテナ2の両端に送信専用の素子アンテナT1,T2を設ける構成を持つ。
Claims (3)
- 複数の素子アンテナを所定の間隔で配列したアレーアンテナを用いて、レーダ送信波を送信し、先行車両または障害物からの反射電波を受信し、受信した受信信号を合成して合成開口アレー信号として処理する車載用のミリ波レーダ装置において、
2つの送信素子アンテナと、
2つの前記送信素子アンテナの間に所定の間隔で一列に配列された複数の受信素子アンテナと、
送信信号を出力する送信機との接続を、いずれか一方の前記送信素子アンテナに順次切換える送信スイッチと、
前記受信素子アンテナの受信信号を合成して合成開口アレー信号として処理する信号処理器と、
を備え、
前記信号処理器は、いずれか一方の前記送信素子アンテナと前記送信機の接続時間内に、各隣接する前記受信素子アンテナで受信した信号位相の位相差φをそれぞれ等しくし、 かつ送信する送信素子アンテナを、一方の前記送信素子アンテナから他方の前記送信素子アンテナに切換えるときに、当該切り換え前に一方端の前記受信素子アンテナで受信した信号位相と当該切り換え後に他方端の前記受信素子アンテナで受信した信号位相との位相差を、2φとするように、前記各受信素子アンテナの受信信号を合成処理する、
ことを特徴とするミリ波レーダ装置。 - 複数の素子アンテナを所定の間隔で配列したアレーアンテナを用いて、レーダ送信波を送信し、先行車両または障害物からの反射電波を受信し、受信した受信信号を合成して合成開口アレー信号として処理する車載用のミリ波レーダ装置において、
2つの送信素子アンテナと、
2つの前記送信素子アンテナの間に所定の間隔で一列に配列された複数の受信素子アンテナと、
送信信号を出力する送信機との接続を、一定間隔でいずれか一方の前記送信素子アンテナに時分割で切換える送信スイッチと、
前記受信素子アンテナの受信信号を合成して合成開口アレー信号として処理する信号処理器と、
を備え、
前記信号処理器は、いずれか一方の前記送信素子アンテナと前記送信機の接続時間内に、各隣接する前記受信素子アンテナで受信した信号位相の位相差φをそれぞれ等しくし、 かつ送信する送信素子アンテナを、一方の前記送信素子アンテナから他方の前記送信素子アンテナに切換えるときに、当該切り換え前に一方端の前記受信素子アンテナで受信した信号位相と当該切り換え後に他方端の前記受信素子アンテナで受信した信号位相との位相差を、2φとするように、前記各受信素子アンテナの受信信号を合成処理する、
ことを特徴とするミリ波レーダ装置。 - 前記受信素子アンテナにおける実開口の約2倍の等価開口を得るように受信信号を合成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のミリ波レーダ装置。
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