JP2001124846A - レーダ装置,調整方法,調整システム - Google Patents

レーダ装置,調整方法,調整システム

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JP2001124846A
JP2001124846A JP30683899A JP30683899A JP2001124846A JP 2001124846 A JP2001124846 A JP 2001124846A JP 30683899 A JP30683899 A JP 30683899A JP 30683899 A JP30683899 A JP 30683899A JP 2001124846 A JP2001124846 A JP 2001124846A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さな計算負荷にてアンテナを含む高周波回
路内でのチャネル間の相互結合を総合的に補償すること
が可能なレーダ装置、及びその調整方法、更に車両に搭
載されたレーダ装置の調整に好適な調整システムを提供
する。 【解決手段】 外部から調整用コマンドを受信すると、
一変動周期分のビート信号を受信チャネル毎に周波数解
析して、各受信チャネルからの出力信号の強度及び位相
を表す受信信号ベクトルVCを生成すると共に、調整用
コマンドと共に取得したレーダ波の照射角度αに基づい
て、各受信チャネルへの入力信号の強度及び位相を表す
参照信号ベクトルUCを求める(S210〜S240)。到来方向
の異なる複数のレーダ波に基づく複数対の受信信号ベク
トルVC及び参照信号ベクトルUCから受信信号行列V
及び参照信号行列Uを生成し、両行列V,Uの行列演算
により、受信チャネル間の相互干渉を補償する相互干渉
補償行列Dを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波を受信する複
数のアンテナを用いて物体を検出し、受信チャネル間の
相互干渉による方位検出能力の低下を防止するレーダ装
置、その調整方法、及び特に車両に搭載されたレーダ装
置の調整を車両走行中に可能とする調整システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年レーダ装置を自動車に搭載し、衝突
防止などの安全装置として応用する試みがなされてい
る。特に、最近、電気的に広範囲の物体を検出する電子
スキャンレーダに関して様々な方式が検討されている。
【0003】これらの電子スキャンレーダの一つとし
て、複数の受信アンテナを備えたものが知られている。
この電子スキャンレーダでは、装置を小型化する等のシ
ステム上の制約から受信アンテナを近接配置することが
多い。しかし、近接配置された受信アンテナ間には素子
間相互結合が生じてしまい、各受信アンテナの受信信号
間の相関が大きくなるため、結果的にレーダ装置の方位
検出精度や分解能が低下してしまうという問題があっ
た。
【0004】これに対して、例えば、特開平9−148
836号公報には、曲面又は平面上に複数のアンテナ素
子を配列するアレーアンテナにおいて、各アンテナ素子
の指向性(以下「単体素子指向性」という)fn(θ)
と、アレーアンテナとして動作する時に素子間相互結合
の影響を受けた各アンテナ素子の指向性(以下「アレー
素子指向性」という)gi(θ)に基づいて、素子間相
互結合の影響を補償するレーダ装置(以下「従来装置」
とも呼ぶ)が開示されている。
【0005】なお、単体素子指向性fn(θ)とアレー
素子指向性gi(θ)との関係は(1)式にて表され、
式中の正方行列(これを「相互干渉行列」という)の係
数c ij(i,j=1〜N)は、アレーアンテナの各アン
テナ素子を、その配列に従ってA1〜ANで表すものと
して、素子間相互結合によりアンテナ素子Ajがアンテ
ナ素子Aiに与える影響を表している。
【0006】
【数1】
【0007】従って、相互干渉行列の逆行列を求め、こ
れを補償行列として各アンテナ素子の送受信信号に乗算
すれば、素子間相互結合の影響が補償され、アレーアン
テナとしての特性の低下、即ちサイドローブの上昇や利
得の低下を抑制できるのである。
【0008】但し、干渉行列の係数cijは、次の(2)
式における平均二乗誤差を最小にする係数として算出可
能であり、具体的には(3)〜(5)式を用いて算出さ
れる。なお、(4)(5)式において、θ1,θ2はそ
れぞれアンテナ指向性の計測開始角度と計測終了角度を
表している。
【0009】
【数2】
【0010】
【数3】
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
自動車用レーダ装置として、雨、雪、霧などの劣悪な気
象環境に対する耐性があるという点において有利なミリ
波帯の電波を用いたミリ波レーダ装置が注目されてい
る。
【0012】但し、このミリ波レーダ装置では、アンテ
ナ素子間の相互結合だけでなく、ミリ波帯の受信信号を
処理する高周波回路内においても各アンテナ素子に対応
したチャネル間の相互干渉の影響が大きくなり、レーダ
装置の性能を著しく劣化させる原因となっている。
【0013】しかし、上述の従来装置の補償行列では、
アンテナ素子間の相互結合の影響しか考慮されていない
ため、ミリ波レーダ装置に適用した場合、アンテナ及び
高周波回路を含めたチャネル間の相互干渉を十分に補償
することができないという問題があった。
【0014】また、アンテナ素子の指向性を個々に測定
することは非常に困難であり、また、その結果を用いた
係数cijの算出にも、上述の(4)(5)式に示されて
いるように、積分等の複雑な計算を行わなければならな
いため、従来装置においては、補償行列の算出に膨大な
手間を要するという問題があった。
【0015】なお、レーダ装置を大量に製造する場合、
アンテナ素子の加工精度や組付精度が高い場合には、各
製品の特性を同一とみなすことができるため、全ての製
品についてアンテナ素子の指向性を測定するのではな
く、任意に抽出したサンプル品でのみ測定を行い、この
測定結果を用いて求めた補償行列を、他の製品にも適用
することにより、補償行列を求めるための手間を大幅に
削減する手法が考えられる。
【0016】ところが、レーダ波の波長が回路素子や伝
送線路の大きさと同程度となるミリ波レーダ装置では、
ミリ波を扱うアンテナや高周波回路の特性を各製品間で
同一にするには、極めて高度な微細加工技術が必要とな
るため、これを実現しようとすると、製造コストが膨大
なものとなり実用的ではない。従って、通常は、加工精
度に余裕を持たせており、製品毎にチャネルの特性がば
らつくことになるため、結局、ミリ波レーダ装置では、
各製品毎に個別に補償行列を求めなければならず、上記
手法を用いることができなかった。
【0017】そこで本発明は、上記問題点を解決するた
めに、小さな計算負荷にてアンテナを含む高周波回路内
でのチャネル間の相互結合を総合的に補償することが可
能なレーダ装置、及びその調整方法、更に車両に搭載さ
れたレーダ装置の調整に好適な調整システムを提供する
ことを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の発明である請求項1記載のレーダ装置では、送受信手
段が、連続波(CW)からなるレーダ波を送出すると共
に、このレーダ波を反射した目標物体からの反射波を複
数のアンテナにて受信し、各アンテナからの受信信号に
ローカル信号を混合することにより、各アンテナに対応
した受信チャネル毎のビート信号を生成する。すると、
受信データ生成手段が、このビート信号を周波数分析し
て、受信チャネル毎にビート信号の信号強度及び位相を
表す受信データを生成し、補償演算実行手段が、相互干
渉補償行列を用いて、受信データに対する補償演算を実
行する。そして、この補償演算が施された受信データを
用いて目標物体の検出を行う。
【0019】特に、本発明のレーダ装置では、到来方向
特定手段が、送受信手段にて受信されたレーダ波の到来
方向を特定すると、ベクトル生成手段が、この特定され
た到来方向に基づき、各アンテナに入射されたレーダ波
の信号強度及び位相を表す方位データを求めると共に、
この方位データを要素とする参照信号ベクトル、及び受
信データ生成手段にて生成された受信データを要素とす
る受信信号ベクトルを対にして生成する。
【0020】そして、到来方向の異なる複数のレーダ波
が送受信手段にて順次受信されることにより、ベクトル
生成手段にて複数対の受信信号ベクトル及び参照信号ベ
クトルが生成されると、信号行列生成手段が、これらの
うち受信信号ベクトルを配列してなる受信信号行列、及
びこの受信信号行列に対応させて参照信号ベクトルを配
列してなる参照信号行列を生成する。
【0021】更に、補償行列生成手段が、受信信号行列
及び参照信号行列の行列演算により、各受信チャネル間
に生じる相互干渉を補償するための相互干渉補償行列を
求め、この相互干渉補償行列が、前述の補償演算実行手
段にて用いられることになる。
【0022】即ち、受信チャネルchiにおける受信デ
ータをνi、方位データをuiとし、受信チャネルch
kが受信チャネルchiに与える影響(相互干渉量)を
cikとすると、受信データνiを配列してなる受信信号
ベクトル[ν1,ν2,…,νN],参照信号ベクトル
[u1,u2,…,uN]と、係数cijを配列してなる
相互干渉行列Cとの関係は、(6)式にて表すことがで
きる。
【0023】
【数4】
【0024】また、j回目(但し、j=1,2,…,
N)の測定により得られた受信信号ベクトルを[ν1j,
ν2j,…,νNj]、参照信号ベクトルをUC[u1j,u
2j,…,uNj]とすると、N個の受信信号ベクトル及び
参照信号ベクトルを配列してなる受信信号行列V及び参
照信号行列Uは、(7)(8)にて表される。
【0025】
【数5】
【0026】そして、これら受信信号行列V及び参照信
号行列Xと、相互干渉行列Cとの関係は、(9)式にて
表すことができる。 V=C・U (9) 相互干渉補償行列Dは相互干渉行列の逆行列C-1(=
D)であるため、(9)式を変形した式を用いて、受信
信号行列Vと参照信号行列Uとの行列演算を行うことに
より、相互干渉補償行列Dが求められるのである。
【0027】このように、本発明のレーダ装置では、ア
ンテナに入射されたレーダ波を表す方位データ(参照信
号ベクトル)及びレーダ波を受信することにより実際に
高周波回路にて生成されたビート信号に基づく受信デー
タ(受信信号ベクトル)を用いると共に、これらの方位
データ及び受信データに基づいて生成された参照信号行
列及び受信信号行列の行列演算のみを用いて相互干渉補
償行列を作成している。従って、従来装置のようにアン
テナの指向性を測定したり、複雑な積分計算等をする必
要がないため、相互干渉補償行列を求めるための手間
(測定及び計算)を大幅に削減できる。
【0028】また、本発明のレーダ装置では、相互干渉
補償行列により、アンテナにてレーダ波が受信されてか
ら受信データが生成されるまでの過程に含まれるあらゆ
る影響が総合的に補償されるため、アンテナ間の相互結
合や高周波回路内での相互干渉等はもちろん、それ以外
の原因不明の要因も含めて補償することができる。
【0029】ところで、送受信手段は、アンテナのそれ
ぞれにビート信号を生成するためのミキサを設けるよう
に構成してもよいが、例えば、請求項2記載のように、
複数のアンテナのうち、いずれかからの受信信号を選択
して供給する切替スイッチを用いることでミキサを共用
し、ミキサの数を削減した構成を採用してもよい。
【0030】この場合、高価なミキサの数が削減され装
置を安価に構成できるだけでなく、ミキサに供給するロ
ーカル信号の電力量も削減されるため、装置の消費電力
を低減することができる。但し、切替スイッチを設けた
場合には、この切替スイッチ内で生じる相互干渉、振幅
変動、位相回転の影響が大きくなり、レーダ装置の性能
を著しく劣化させることがある。
【0031】しかし、本発明のレーダ装置では、このよ
うな切替スイッチの挿入により生じる影響も相互干渉補
償行列に反映されるため、その影響も合わせて補償する
ことができる。また、請求項3記載のように、送受信手
段には、切替スイッチとミキサとの間に、レーダ波の送
信信号を切替スイッチに供給すると共に、切替スイッチ
からの受信信号を前記ミキサに供給する信号分離器が設
けられ、アンテナ及び切替スイッチが送受信に兼用され
るように構成してもよい。
【0032】この場合、ミリ波レーダ装置全体の容積の
中で最大の面積を有するアンテナを、有効利用すること
ができる。ところで、一般に、切替スイッチの分岐数が
増えると、切替周期が長くなるだけでなく、切替スイッ
チにおける相互干渉量も大きくなる。また、切替スイッ
チを順番に切り替えて各チャネルの受信信号を時分割で
処理する場合、各チャネルの検出信号は、同時に検出さ
れたものではなく、切替スイッチの動作に従って、少し
ずつずれたタイミングで検出されたものとなっている。
つまり各検出信号の位相は、この時間差に応じた誤差が
含まれているため、位相情報を用いて目標物体の方位を
検出する場合、誤検出を招く可能性がある。
【0033】そこで、受信アンテナの数が多い場合に
は、請求項4記載のように、送受信手段は、アンテナを
複数の受信グループに分割して該受信グループ毎に、切
替スイッチ及びミキサを設けることが望ましく、この場
合には、相互干渉補償行列を、受信グループ毎に設定す
ることができる。
【0034】このように構成された本発明のレーダ装置
では、同一受信グループ内の受信チャネル間の検出タイ
ミングのずれを無くすことは不可能であるが、異なる受
信グループの受信チャネル間では検出タイミングを同時
とすることが可能である。従って、このように同時受信
された信号を比較すれば、両信号間には検出タイミング
のずれに基づく位相誤差が含まれないため、方位検出を
精度よく行うことができる。
【0035】また、本発明のレーダ装置では、受信グル
ープ毎に異なる切替スイッチを用いており、異なる受信
グループに属する受信チャネル間の相互干渉量は大幅に
減少するため、アンテナ間の相互干渉が切替スイッチ内
での相互干渉と比較して十分に小さければ、相互干渉補
償行列を受信グループ毎に設定しても、十分に補償効果
を得ることができる。
【0036】しかも、受信グループ毎に相互干渉補償行
列を設定した場合、各行列が扱う信号数が少なくなるた
め、相互干渉補償行列を生成する演算、及び相互干渉補
償行列を用いて受信データを補償する演算のいずれも、
演算量を大幅に削減できる。次に、送受信手段は、請求
項5記載のように、時間と共に周波数が変動する周波数
変調連続波(FMCW)をレーダ波の送信信号として生
成するようにしてもよい。この場合、受信データ生成手
段が受信データを生成する際に特定されるビート信号の
周波数から、目標物体との距離と相対速度を求めること
ができ、また、補償演算実行手段にて生成された補償演
算後の受信データに基づき、各受信データの信号強度や
位相を比較することにより、目標物体の方位情報を精度
よく求めることができる。
【0037】即ち、例えば、方位情報を、受信データに
対してFFTを行うことにより求めた場合には、受信チ
ャネル間の相互干渉が大きいと、目標物体が存在する位
置を中心として角度方向の広い範囲に渡って誤ったレー
ダ反応(サイドローブ)が発生する。特に、近接した距
離、或いは同一距離に複数の目標物体が存在する場合に
は各々のサイドローブが重複し合うためレーダ装置の分
解能が劣化する。しかし本発明では、補償演算により受
信チャネル間の相互干渉を補償した受信データを用いる
ため、サイドローブの発生を抑えることができ、複数の
目標物標の方向を確実に識別することができるのであ
る。
【0038】また、受信データ生成手段は、請求項6記
載のように、ビート信号の周波数分析を複素フーリエ変
換によって行うことが望ましい。この場合、比較的少な
い計算量にて効率良く受信データを生成することができ
る。ところで、ベクトル生成手段は、具体的には、請求
項7記載のように、位相差算出手段が、到来方向特定手
段にて特定されたレーダ波の到来方向と各アンテナの配
置とに基づいて、各アンテナに入射されたレーダ波の伝
搬距離差を求め、この伝搬距離差から各アンテナに入射
されたレーダ波の位相差を求めると共に、振幅算出手段
が、受信データ生成手段にて生成された受信データに基
づいて、各アンテナに入射されたレーダ波の推定振幅を
求め、これら位相差算出手段及び振幅算出手段にて求め
られた位相差及び推定振幅の情報を複素数にて表現した
ものを方位データとするよう構成すればよい。
【0039】なお、振幅推定手段は、請求項8記載のよ
うに、受信データ生成手段にて生成された受信データが
表す振幅の平均値を推定振幅とすることが望ましい。こ
のように設定することで、計算によって得られる相互干
渉補償行列の各要素の大きさがほぼ一定値となるため、
相互干渉補償行列生成後に、各要素の大きさを揃えるた
めの正規化計算を行う必要がなく、相互干渉補償行列の
生成に必要な演算量を削減できる。
【0040】即ち、図17に示すように、各アンテナが
一定間隔dwで配置され、電波の到来方向がアンテナの
正面方向に対して角度αである場合、隣接する一対のア
ンテナが受信するレーダ波の伝搬距離差dlは、(1
0)式にて表すことができる。 dl=dw・sinα (10) この伝搬距離差dlが長い方のアンテナでは、隣接する
アンテナの受信信号に対して受信信号の位相が遅れるこ
とになり、具体的には、伝搬距離差dlをレーダ波の波
長で除した余りが、両受信信号の位相差ζに比例する。
【0041】また、各アンテナが十分に接近して配置さ
れている場合、各アンテナでの受信強度はほぼ等しくな
るため、これを一定としても大きな誤差を生じることが
ない。このように、各アンテナに入射されたレーダ波の
信号強度及び位相(即ち、方位データ)を実際に測定で
きなくても、レーダ波の到来方向と、アンテナの位置情
報とを用いれば、ほぼ同じ特性を持った信号を求めるこ
とができるのである。
【0042】ところで、補償行列生成手段が生成する相
互干渉補償行列は、請求項9記載のように、この相互干
渉報償行列の補償対象となる受信データの数がN個であ
る場合、N行×N列の正方行列からなることが望まし
い。この場合、相互干渉補償行列は、受信データが補償
対象となる全ての受信チャネルについて、互いの他の全
ての受信チャネルとの相互干渉の影響を補償することが
できるため、どの受信チャネルも同等な精度にて補償を
行うことができる。また、正方行列であれば、逆行列を
求める等の行列演算を行うことができ、相互干渉補償行
列を効率よく求めることができる。
【0043】ここで補償行列生成手段にて相互干渉補償
行列を求める具体的な手順としては、請求項10記載の
ように、まず、受信信号行列Vの逆行列である受信信号
逆行列V-1を求め、その後、この受信信号逆行列V-1
参照信号行列Uを乗算することにより、つまり、上述の
(9)式を変形して得られる次の(11)式に従って、
相互干渉補償行列D(=C-1)を求める方法を用いるこ
とができる。
【0044】 D=C-1=U・V-1 (11) この場合、簡単な演算によって、相互干渉補償行列を直
接生成することができる。但し、受信信号行列Vを構成
する受信信号ベクトルの組合せ方によっては、受信信号
行列の逆行列V-1が存在しないことがあるため、この方
法では、相互干渉補償行列Dを求めることができない場
合がある。
【0045】そこで、請求項11記載のように、まず、
参照信号行列Uの逆行列である参照信号逆行列U-1を求
め、次に、この参照信号逆行列U-1と受信信号行列Vと
を乗算することにより相互干渉行列Cを求め、更に、こ
の相互干渉行列Cの逆行列を求めることにより、つま
り、上述の(9)式を変形して得られる次の(12)式
に従って、相互干渉補償行列Dを求める方法を用いても
よい。
【0046】 D=C-1={V・U-1-1 (12) 即ち、参照信号行列を構成する参照信号ベクトルの各要
素は、計算によって求められるものであるため、予め逆
行列をもつように設定することが可能であり、しかも、
切替スイッチの特性は、いくら相互干渉が大きいといっ
ても、他チャネルへの漏洩成分よりも正常に通過する成
分の方が十分に大きいため、相互干渉行列は、対角要素
が十分に大きく行列の正則性が保たれたものとなる。つ
まり、参照信号行列の逆行列であれば確実に求めること
ができ、ひいては、相互干渉補償行列を確実に求めるこ
とができるのである。
【0047】次に、到来方向特定手段は、レーダ波の到
来方向を、請求項12記載のように、受信データ生成手
段が生成する受信データに基づいて算出された目標物体
の方位情報から特定してもよいし、請求項14記載のよ
うに、当該装置の外部よりレーダ波の到来方向に関する
情報を取得することにより特定してもよい。
【0048】なお、前者(請求項12)の場合、請求項
13記載のように、起動手段が、所定条件に従って到来
方向特定手段を起動することにより、相互干渉補償行列
の生成を行わせる必要がある。所定条件とは、外部から
の指令に基づくものであってもよいし、周期的なもので
あってもよい。
【0049】一方、後者(請求項14)の場合、レーダ
装置に相互干渉補償行列の生成を行わせるためには、外
部からレーダ波の到来方向に関する情報を提供しなけれ
ばならないため、次のような調整方法を用いる必要があ
る。即ち、請求項15記載の調整方法では、レーダ装置
の各アンテナに対して測定用レーダー波を照射する第1
の手順と、アンテナに対する測定用レーダ波の照射角度
を到来方向特定手段を介してレーダ装置に取得させる第
2の手順とを、測定用レーダ波の照射角度を変更しなが
ら繰り返すようにしている。
【0050】この場合、測定用レーダ波の照射角度は、
請求項16記載のように、レーダ装置の検出角度範囲内
をN等分した各領域の中心方向のいずれかと一致するよ
う設定されていることが望ましい。即ち、到来方向の設
定が接近し過ぎると、各受信データの独立性が弱くな
り、この受信データに基づいて生成される受信信号行列
が正則ではなくなり、受信信号行列の逆行列が求められ
ない可能性が高くなってしまうため、各到来方向はでき
るだけ離して設定する方が好ましいのである。そして、
上述のように設定することで、効率良く測定できるだけ
でなく、測定結果に基づいて生成される相互干渉補償行
列の補償精度を最大限に引き出すことができる。
【0051】なお、測定用レーダ波としては、レーダ装
置外のレーダ波発生源にて発生させたものを用いてもよ
いが、請求項17記載のように、レーダ装置が送出した
レーダ波を反射する反射物体からの反射波を用いてもよ
い。この場合、調整対象となるレーダ装置以外に、レー
ダ波を発生させるための装置を必要とせず、反射物体と
いった簡易な設備のみを用いて調整を行うことができ
る。
【0052】また、この時、レーダ波の到来方向に基づ
いて算出される方位データと、実際にアンテナに入射さ
れたレーダ波との誤差を小さくして、生成する相互干渉
補償行列の精度を向上させるには、請求項18記載のよ
うに、反射物体を、反射物体にて反射しレーダ装置に到
達する反射波が平面波と見なされる距離以上、レーダ装
置から離して設置することが望ましい。
【0053】ところで、このような反射物体を用いた調
整方法では、測定用の設備は簡易なものとなるが、測定
のために広い空間が必要となってしまう。これに対し
て、測定用レーダ波の発生源として、請求項19記載の
ように、レーダ装置の各アンテナに個別に入射され、互
いの位相差を任意に設定可能な複数のレーダ波を発生さ
せることができ、各レーダ波の位相差を適宜設定するこ
とにより、任意の照射角度を有する測定用レーダ波を模
擬可能な送信装置を用いれば、測定のために大きな空間
を必要とすることなく、極めて短時間にて効率良く調整
を行うことができる。
【0054】ここで、上述の調整方法では、主として、
レーダ装置の製造過程等において調整を行うことを想定
しているが、レーダ装置の特性が年月によって変化する
場合は、定期的に調整を行う必要がある。特にレーダ装
置が車両に搭載されている場合には、この調整を、車両
の定期点検の際に行ってもよいが、より信頼性を向上さ
せるためには、走行中に得た受信データを用いて行って
いもよい。
【0055】このように、車両に搭載されたレーダ装置
の調整を行う場合、受信データや方位データを生成する
ための測定用レーダ波として、請求項20記載のよう
に、レーダ装置の検出角度範囲内に存在し、レーダ装置
から送出されたレーダ波を反射する他車両からの反射波
を用いてもよいし、請求項21記載のように、直線道路
の路側付近に設置され、レーダ装置から送出されたレー
ダ波を反射する反射物体からの反射波を用いてもよい。
【0056】特に前者(請求項20)の調整方法では、
例えば、カーブ状の道路を走行している時に、前方を走
行する他車両(以下「対象車両」という)からの反射波
を利用すれば、様々な方向から到来するレーダ波につい
ての受信データを連続的に獲得することができる。
【0057】そして、この測定の間、自車両と対象車両
のいずれもが、同一レーンを走行し続けていれば、自車
両の走行情報から走行軌跡を求めることにより、道路形
状(カーブ具合)についての情報を得ることができると
共に、レーダ装置の本来の機能により対象車両までの距
離を求めることができるため、これら道路形状と対象車
両までの距離とからレーダ波の到来方向、即ち、相互干
渉補償行列の作成に必要な方位データも得ることができ
るのである。
【0058】このように本発明の調整方法は、対象車両
からの反射波を測定用レーダ波として用いており、道路
側に特別な設備を用意する必要がないため、簡単且つ低
コストで実現することができる。なお、本発明の調整方
法では、自車両及び対象車両のいずれもが同一レーンを
走行し続けているか否かを確認する必要がある。この確
認は、例えば、車両の搭乗者に行わせればよく、いずれ
かの車両がレーンを外れた場合には、獲得した受信デー
タや到来方向のデータを無効にする旨の指令を、レーダ
装置に入力するようにすればよい。
【0059】また、道路近傍に設けられた路上局と車両
に搭載された車上局との間での無線通信(路車間通信)
が可能である場合には、道路側に走行車両の位置を検知
する装置を設け、その検知結果を路車間通信によって各
車両に伝達するように構成し、該検知結果に従って方位
データを求めるようにしてもよい。
【0060】更に、車両間の無線通信(車車間通信)が
可能な場合には、車車間通信によって獲得した対象車両
の走行情報も考慮して方位データを求めるようにしても
よい。これらの場合、自車両及び対象車両が同一レーン
を走行し続ける必要がなく、より柔軟にレーダ装置の調
整を行うことができる。
【0061】一方、後者(請求項21)の場合、直線道
路を走行する車両と、この直線道路の近傍に設置された
反射物体との位置関係が連続的に変化するため、この反
射物体からの反射波を利用することにより、様々な方向
から到来するレーダ波についての受信データを獲得する
ことができる。
【0062】例えば、走行車線中央から10mだけ横に
離して配置した反射物体が車両から見える角度は、車両
が150mから50mへ近づく間に、約2〜10度まで
変化する。現在、一般に、自動車用レーダの検出可能距
離は百数十m程度、また検出角度範囲は±10度以下程
度に設定されているため、補償計算に用いる受信信号行
列を生成するには十分な受信データを得ることができ
る。
【0063】この調整方法では、反射物体の位置が固定
されており、道路形状も直線であるため、カーブ状の道
路にて対象車両の反射波を測定用レーダ波として利用す
る場合と比較して、安定した受信データを得ることがで
き、精度のよい相互干渉補償行列を生成することができ
る。
【0064】次に、車両に搭載された上述のレーダ装置
の調整を行う調整システムについて説明する。請求項2
2記載の調整システムでは、直線道路の路側付近に設置
された反射物体が、直線道路を走行する車両に搭載され
たレーダ装置からのレーダ波を反射し、これと共に路上
局が、反射物体とレーダ装置を搭載した車両との位置関
係を特定するための位置特定情報を無線通信により送信
する。
【0065】この路上局が送信した位置特定情報を、車
両に搭載された車上局が受信すると、同じ車両に搭載さ
れたレーダ装置では、この位置特定情報に基づいて、到
来方向特定手段が、反射物体の位置する方向を求めるこ
とにより、レーダ波の到来方向を特定する。
【0066】つまり、レーダ装置は、反射物体からの反
射波を繰り返し受信することにより、様々な方向から到
来するレーダ波についての受信データを獲得できると共
に、位置特定情報に基づいて特定される反射物体と当該
レーダ装置を搭載した車両との位置関係から、受信デー
タ獲得時のレーダ波の到来方向、即ち方位データを求め
ることができ、その結果、これらの受信データと方位デ
ータとに基づいて相互干渉補償行列を生成できるのであ
る。
【0067】なお、反射物体は、反射効率を良くするた
めに、ある角度範囲から到来するレーダ波をほぼ同じ方
向へ反射する構造であることが望ましい。しかし、レー
ダ装置を搭載した車両は、レーダ波が車両と反射物体と
の間を往復する間に移動してしまう。このため、反射物
体は、請求項23記載のように、レーダ装置から送出さ
れたレーダ波が、レーダ装置を搭載した車両と反射物体
との間を往復する間に、車両が移動する可能性のある角
度範囲内のすべてに向けて反射するものを用いる必要が
ある。
【0068】次に、請求項24記載の調整システムで
は、路上局は、位置特定情報として、反射物体から該反
射物体の手前に位置する計測開始地点までの道路区間の
長さを表す固定距離情報、計測開始地点を通過した車両
の通過タイミング、及び車両が走行中の走行レーンの中
央から反射物体までの最短距離を表す第一距離情報を通
知する。
【0069】一方、レーダ装置では、走行状態検出手段
が、当該レーダ装置を搭載した自車両の走行状態を検出
し、この検出した車両の走行状態、及び車上局を介して
路上局から取得した位置特定情報に基づき、推定手段
が、自車両と反射物体との位置関係を推定する。この推
定された位置関係から、到来方向特定手段がレーダ波の
到来方向を特定する。
【0070】このように本発明の調整システムでは、位
置特定情報として計測開始地点の通過タイミングをレー
ダ装置に通知しているため、このタイミングを利用して
レーダ装置が自動的に調整を開始するよう構成すれば、
運転者や同乗者に負担をかけることなく調整を行うこと
ができる。
【0071】なお、走行状態検出手段が、少なくとも自
車両の走行距離を算出可能な情報を検出している場合、
推定手段は、請求項25記載のように、固定距離情報及
び通過タイミング後の自車両の走行距離に基づいて自車
両から反射物体までの道路区間の長さ表す第二距離情報
を求め、第一距離情報と第二距離情報とにより、自車両
と前記反射物体との位置関係を推定すればよい。
【0072】また、レーダ装置が、受信データに基づい
て自車両から反射物体までの直線距離を表す第三距離情
報を求める直線距離算出手段を備えている場合には、請
求項26記載のように、推定手段は、固定距離情報及び
通過タイミング後の自車両の走行距離に基づいて自車両
から反射物体までの道路区間の長さを表す第二距離情報
を求め、第一距離情報及び第二距離情報のうち少なくと
もいずれか一方と、直線距離算出手段にて算出された第
三距離情報とにより、自車両と反射物体との位置関係を
推定するようにしてもよい。
【0073】即ち、第一距離情報,第二距離情報,第三
距離情報の3つの情報は、自車両の位置及び反射物体の
位置を2頂点(但し、直角ではない)とする直角三角形
の各辺の長さを表しているため(図15参照,但し、各
距離情報をL1,L2,L3とする)、これらのうち少
なくともいずれか2つの情報から、自車両の位置に対応
する頂点の角度を求めれば、これが車両の正面方向に対
して反射物体が見える角度、つまり反射波の到来方向を
表しているため、ひいては方位データを生成することが
できるのである。
【0074】そして、特に、レーダ波の到来方向の特定
に直線距離情報を用いる場合、直線距離情報はビート信
号の周波数に基づいて算出され、受信チャネル間の相互
干渉による影響を受けないため、受信チャネル間の相互
干渉の有無に関わらず正確に求めることができ、その結
果、方位データの算出精度を向上させることができる。
【0075】また、レーダ波の到来方向の特定に第二距
離情報を用いる場合、路上局の通信エリアは、できるだ
け小さく設定することが望ましい。即ち、路上局の通信
エリアが小さいほど、車上局が位置特定情報を受信する
位置のばらつきが小さくなるため、計測開始地点の通過
タイミングがより正確に伝達されることになり、第二距
離情報の推定精度、ひいては方位データの算出精度を向
上させることができる。
【0076】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。 [第1実施形態]図1は、本発明が適用された第1実施
形態の車載用レーダ装置の全体構成を表すブロック図で
ある。
【0077】図1に示すように、本実施例のレーダ装置
2は、ミリ波帯のレーダ波を送信する送信部4と、送信
部4から送出され先行車両や路側物等といった目標物体
(障害物)に反射したレーダ波(以下、反射波という)
を受信し、後述するビート信号Bを生成する受信部6
と、受信部6が生成するビート信号Bに基づいて目標物
体との距離,相対速度,及び方位等を検出する信号処理
部8と、外部装置との間でデータの入出力を行うインタ
フェース部9とを備えている。
【0078】このうち送信部4は、時間に対して周波数
が直線的に漸増,漸減を繰り返すよう変調されたミリ波
帯の高周波信号を生成する送信器10と、送信器10の
出力を送信信号Ssとローカル信号Lとに電力分配する
分配器12と、送信信号Ssに応じたレーダ波を放射す
る送信アンテナ14とを備えている。
【0079】なお、送信器10が生成する高周波信号の
周波数は、(具体的には、図2(a)に実線で示すよう
に)三角波状に変化し、本実施形態では、中心周波数F
o=76.5GHz,周波数変動幅ΔF=100MH
z,変動周期T=1.024msに設定されている。ま
た、送信アンテナ14のビーム幅は、当該レーダ装置2
の検出領域をすべてカバーするように設定されている。
【0080】一方、受信部6は、レーダ波を受信する複
数(本実施形態では8個)のアンテナ素子からなる受信
アンテナ20と、いずれかのアンテナ素子からの受信信
号Srにローカル信号Lを混合し、これら信号の差の周
波数成分であるビート信号Bを生成する高周波用ミキサ
を備えた受信器22と、アンテナ素子からの受信信号S
rのいずれかを選択信号Xrに従って択一的に選択し、
受信器22へ供給する切替スイッチ24と、切替スイッ
チ24を制御するための選択信号Xrを生成する選択信
号生成器26とを備えている。つまり、受信部6は、各
アンテナ素子に対応して8つの受信チャネルch1〜8
を有しており、すべての受信チャネルch1〜8が、単
一の受信器22を時分割で共用するように構成されてい
る。
【0081】なお、各アンテナ素子が形成するビームに
おいて、正面方向に対する利得の低下が3dB以内の角
度範囲をビーム幅と規定し、各受信チャネルch1〜c
h8のアンテナ素子は、そのビーム幅が、いずれも、送
信アンテナ14のビーム幅(本実施例ではφ=20°)
全体を含むように設定されている。
【0082】また、選択信号生成器26は、受信信号が
受信器22に供給されるアンテナ素子が、配列順、即ち
受信チャネルch1〜ch8の番号順に従って順番に切
り替わるような選択信号Xrを生成するように構成され
ている。なお、この選択信号Xrは、信号処理部8へも
供給されている。
【0083】次に、信号処理部8は、CPU,ROM,
RAMからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構
成され、更に、選択信号Xrに同期して動作し、受信部
6が生成するビート信号Bをデジタルデータに変換する
A/D変換器、及びA/D変換器を介して取り込んだデ
ータについて、高速フーリエ変換(FFT)処理を実行
するための演算処理装置等を備えている。
【0084】このように構成された本実施例のレーダ装
置2では、送信器10が生成した高周波信号を分配器1
2が電力分配することにより送信信号Ss及びローカル
信号Lが生成され、このうち送信信号Ssは、送信アン
テナ14を介してレーダ波として送出される。
【0085】この送信アンテナ14から送出されたレー
ダ波の反射波は、受信アンテナ20を構成する全てのア
ンテナ素子にて受信されるが、切替スイッチ24によっ
て選択されている受信チャネルchi(i=1〜8)の
受信信号Srのみが受信器22へ供給される。すると、
受信器22では、この受信信号Srに分配器12からの
ローカル信号Lを混合することによりビート信号B(図
2(b)参照)を生成し信号処理部8へ供給する。そし
て、信号処理部8では、ビート信号Bを、選択信号Xr
のタイミングに従ってサンプリングした後、後述する障
害物情報検出処理を実行する。
【0086】なお、切替スイッチ24では、選択信号X
rに従って受信チャネルchiを順次切り替えているた
め、受信器22には、各受信チャネルch1〜8の受信
信号Srが時分割多重されて供給されることになる。そ
の結果、受信器22が生成するビート信号Bも、図3
(a)に示すように、各受信チャネルch1〜8の受信
信号Srに基づくビート信号B1〜B8が時分割多重さ
れたものとなる。
【0087】そして、切替スイッチ24が一回の接続を
保持する期間tdはいずれも一定(本実施例では0.2
5μs)であり、従って、全ての受信チャネルch1〜
ch8が切替スイッチ24によって一度ずつ選択される
切替周期Txは、Tx=8×td(=2μs)となる。
このため、信号処理部8は、変動周期T毎に、全ての受
信チャネルch1〜ch8のビート信号B1〜B8を、
T/Tx(=512)回ずつサンプリングすることにな
る。但し、各受信チャネルch1〜8のサンプリングタ
イミングは、期間Tdずつずれたものとなっている。
【0088】ここで、信号処理部8が実行する障害物情
報検出処理を、図4に示すフローチャートに沿って説明
する。なお、本処理は、送信信号Ssの一変動周期T分
のサンプリングデータが蓄積される毎に起動される。本
処理が起動されると、まずS110では、蓄積されたサ
ンプリングデータを、各受信チャネルch1〜8毎、即
ち、同じビート信号B1〜B8に基づくもの(図3
(b)参照)毎に分離し、この分離されたサンプリング
データ毎に、複素フーリエ変換(特に、ここでは高速フ
ーリエ変換のアルゴリズムを適用した複素FFT,以下
「時間軸方向の複素FFT」ともいう)を実行すること
により周波数分析を行う。
【0089】但し、この複素FFTは、サンプリングデ
ータの前半(上り変調時のデータ)と後半(下り変調時
のデータ)とに分けてそれぞれ行う。そして、この複素
FFTの演算結果として、各受信チャネル毎かつ各変調
時毎に、各周波数成分毎の信号強度、及び位相を表す複
素数からなるデータが得られる。
【0090】続くS120では、各変調時毎に、信号強
度がピーク(図2(c)参照)となる周波数成分(以下
「ピーク周波数成分」という)についてのデータを抽出
して、これを受信データとし、各受信チャネルchi
(i=1〜8)から集めた受信データν1〜ν8を要素
とする受信信号ベクトルVC=[ν1,ν2,…,ν
8]を生成する。
【0091】そして、S130では、S120にて抽出
されたピーク周波数成分の周波数fu,fdを用い、F
MCWレーダ装置において周知の算出式に基づいて、目
標物体との距離や相対速度を算出する。次にS140で
は、後述する相互干渉補償行列Dを用いて、先のS12
0にて生成した受信信号ベクトルVCに対する補償演算
を行い、続くS150では、この補償演算後の受信信号
ベクトルVC’の各要素を用いて、複素FFT(以下
「空間軸方向の複素FFT」ともいう)を実行すること
により、受信アンテナ20が受信したレーダ波の到来方
向、即ち目標物体の方位を算出して本処理を終了する。
【0092】ここで、先のS140にて使用される相互
干渉補償行列Dを生成する際の調整方法について説明す
る。まず、調整の際には、図5に示すように、レーダ装
置2に、そのインタフェース部9を介してデータ端末5
0を接続すると共に、レーダ装置2の検出範囲内に、レ
ーダ装置2から送信されたレーダ波を反射する反射板5
2を設置する。
【0093】このうち、反射板52は、レーダ装置2の
受信アンテナ20に到達した反射板52からの反射波を
平面波と見なすことができる程度に、レーダ装置2から
離れた位置に設置されている。具体的には、レーダ装置
2が送信するレーダ波の波長をλ、反射板52の最大径
をWとして、(10)式を満たすようにレーダ装置2と
反射板52との間隔Rを設定すればよい。この場合、受
信アンテナ20を構成するアンテナ素子間での利得の測
定誤差が0.05dB以下に抑えられることになる。
【0094】 R≧2×W2/λ (10) また、レーダ装置2及び反射板52の設置場所では、レ
ーダ装置2から送信されたレーダ波が、反射板52以外
の場所で反射してレーダ装置2に戻ってくることのない
ようにされている。
【0095】更に、反射板52は、レーダ装置2が生成
する相互干渉補償行列Dの次数をN(本実施形態では
8)とし、レーダ装置2の検出範囲をN等分した各領域
の中心方向のいずれかに設置される。一方、データ端末
50は、反射板52の設置場所に応じて、反射板52か
らの反射波がレーダ装置2の受信アンテナ20に照射さ
れる時の照射角度α(但し、レーダ装置2の正面方向を
0°とする)を、レーダ波の到来方向を示す情報とし
て、後述する補償行列生成処理を起動するための調整用
コマンドと共にレーダ装置2に供給したり、レーダ装置
2からの指令を表示画面に表示することができるように
構成されている。
【0096】ここで、レーダ装置2の信号処理部8が実
行する補償行列生成処理を図6に示すフローチャートに
沿って説明する。本処理は、データ端末50から調整用
コマンドが入力されると起動し、本処理が起動すると、
図6に示すように、まずS210では、送信器10を起
動してレーダ波を送出させると共に、受信部6にて生成
されるビート信号Bを、選択信号Xrのタイミングに従
ってサンプリングすることにより、一変動周期T分のサ
ンプリングデータを収集する。
【0097】続くS220及びS230では、先に説明
したS110及びS120での処理と全く同様に、サン
プリングデータを各受信チャネルch1〜8毎に分離
し、この分離されたサンプリングデータ毎に複素FFT
による周波数分析を行って、その分析結果よりピーク周
波数成分、即ち受信データν1〜ν8を抽出すると共
に、この受信データを要素とする受信信号ベクトルVC
を生成する。
【0098】続くS240では、調整用コマンドと共に
データ端末50から取得した照射角度αに基づいて方位
データu1〜u8を求め、この方位データu1〜u8を
要素とする参照信号ベクトルUC=[u1,u2,…,
u8]を生成し、これを先のS230にて生成した受信
信号ベクトルVCと対応付けてメモりに記憶する。
【0099】なお、方位データu1〜u8は、照射角度
α及び予め記憶されているアンテナ素子の配置間隔dw
とから(10)式にて求められる伝搬距離差dlに基づ
き、この伝搬距離差dlをレーダ波の波長にて除算した
余りから得た位相情報、及び受信信号ベクトルVCを構
成する受信データν1〜ν8の絶対値を平均することに
より得た振幅情報を用い、これらの位相情報及び振幅情
報を複素数にて表現するようにされている。
【0100】次のS250では、S240の処理によ
り、メモリに記憶された受信信号ベクトルVC及び参照
信号ベクトルUCが、所望数(ここでは8個)に達した
か否かを判断する。そして、所望数に達していなければ
S260に移行し、データ端末50に対してレーダ波の
到来方向の設定、即ち反射板52の設置場所を変更させ
るための変更コマンドを出力して、本処理を終了する。
【0101】この時、レーダ装置2から変更コマンドを
受信したデータ端末50は、その旨を表示パネルに表示
する等して、調整作業を行っている作業者に報知する。
その後、作業者により反射板52の設置場所が変更さ
れ、変更された設置場所に対応して決まる照射角度αが
作業者によって入力されると、データ端末50は、この
照射角度αを調整用コマンドと共にレーダ装置2に送信
する。これにより、本処理が再起動され上述の処理が繰
り返されることになる。なお、反射板52の移動や照射
角度α及び調整用コマンドの送信は、作業者の手作業に
よらず、変更コマンドに従って動作する外部装置によっ
て自動的に行ってもよい。
【0102】一方、先のS250にて、メモリに記憶さ
れた受信信号ベクトルVCが所望数に達していると判定
された場合には、S270に移行し、メモリに記憶され
た受信信号ベクトルVCに基づいて受信信号行列Vを作
成すると共に、受信信号ベクトルVCに対応させて記憶
した参照信号ベクトルUCに基づいて参照信号行列Uを
作成する((7)(8)式参照)。
【0103】続くS280では、S270にて生成され
た受信信号行列Vと参照信号行列Uとに基づき、(1
1)又は(12)式に示した所定の行列演算を行うこと
により、相互干渉補償行列Dを生成し、これをメモリに
記憶して、本処理を終了する。つまり、本処理では、到
来方向が互いに異なったN(ここではN=8)種類の測
定用レーダ波を順次受信することによりN個の受信信号
ベクトルVCを生成すると共に、測定時にデータ端末5
0から供給される測定用レーダ波の到来方向αに基づい
て受信アンテナ20の各アンテナ素子に入射する信号の
強度及び位相を表す参照信号ベクトルUCを生成してい
る。そして、これらN個の受信信号ベクトルVC及び参
照信号ベクトルUCをそれぞれ対応させて配列すること
により生成したN行N列の受信信号行列V,及び参照信
号行列Uの行列演算により、相互干渉補償行列Dを生成
している。
【0104】ここで、図7及び図8は、上述の補償行列
生成処理にて生成された相互干渉補償行列Dによる補償
演算の効果を表すグラフである。なお、図7は、当該レ
ーダ装置2を搭載した車両(以下「自車両」という)M
1の50m先かつ該車両の正面方向に対して−3度の方
位に反射物体Mxが存在する場合、図8は、同じく自車
両の50m先かつ自車両M1の正面方向に対して−3度
及び5度の方位にそれぞれ反射物体Mx,Myが存在す
る場合に、ピーク周波数成分の受信データ(受信信号ベ
クトルの各要素)に対して空間軸方向の複素FFTを実
行することにより得られた方位情報のグラフである。
【0105】但し、方位情報の角度は、自車両の正面方
向を0度とし、右回り方向をプラス方向、左回り方向を
マイナス方向とした。また、図中「▲」のポイントを結
ぶグラフは、上述の補償行列生成処理により生成された
相互干渉補償行列Dによる補償演算を行った場合、
「□」のポイントを結ぶグラフは、補償演算を行わなか
った場合を示している。
【0106】図7及び図8に示すどちらの場合も、補償
演算を行うことによってサイドローブが抑圧され、目標
物体の有無がより明確になっている様子が示されてい
る。特に、図7では、5度の位置には反射物体が存在し
ないにも関わらず出力のピークが表れており、補償演算
を行わない場合、これを反射物が存在によるものとして
誤認する可能性が高いが、補償演算を行うことにより、
このような事態を防止することができる。
【0107】以上説明したように、本実施形態のレーダ
装置2においては、ビート信号Bをサンプリングして各
受信チャネルch1〜ch8毎に分離し、複素FFT処
理を行った後の受信データν1〜ν8に対して、相互干
渉補償行列Dによる補償演算を行うようにされているた
め、単に受信アンテナ20のアンテナ素子間の相互結合
だけでなく、切替スイッチ24内での相互干渉、ビート
信号Bのサンプリングタイミングの同期ずれや、サンプ
リングデータから各受信チャネル毎の受信データν1〜
ν8を得るまでの処理過程における様々な影響を一括し
て補償することができる。
【0108】また、本実施形態のレーダ装置2では、補
償演算を行うための相互干渉補償行列Dが、測定の難し
いアンテナ指向性を必要せず、レーダ波の到来角度αか
ら算出される方位データu1〜u8と、そのレーダ波を
実際に受信することにより得られる受信データν1〜ν
8とに基づいて生成されているため、従来装置と比較し
て、相互干渉補償行列Dを生成するための手間を大幅に
削減することができる。
【0109】更に、本実施形態のレーダ装置2では、ビ
ート信号Bのサンプリングデータからピーク周波数成分
を求めるための周波数解析、及び受信信号ベクトルVC
の各要素に基づき目標物体についての方位情報を求める
計算を、複素FFTを用いて行っているため、信号処理
部8での演算量が比較的少なく、簡素なハードウエアに
て必要な信号処理を行うことができる。
【0110】なお、本実施形態において、受信アンテナ
20構成するアンテナ素子の数は必ずしも8個に限定さ
れるものではなく、複数であれば同様の効果を得ること
ができるため、2個以上であれば何個であってもよい。
また、本実施形態では、レーダ装置2から送出され、反
射板52にて反射させたレーダ波を測定用レーダ波とし
て用いているが、レーダ装置2外部のレーダ波放射源を
用い、レーダ波放射源からのレーダ波を反射板52を介
することなくレーダ装置2に直接照射するようにして調
整を行ってもよい。
【0111】特に、図9に示すように、受信アンテナ2
0の各アンテナ素子に対して、任意の位相を有する複数
のレーダ波を同時に生成可能な送信装置54と、送信装
置54にて生成された各レーダ波を、それぞれ個別に互
いに干渉することなく各アンテナ素子に入射させるガイ
ド装置56とを用いれば、レーダ装置2とレーダ波の発
生源(即ち送信装置54)との間を広くする必要がない
ため、狭い場所であっても調整を行うことができる。
【0112】また、この場合、送信装置54では、レー
ダ波を生成する際に、方位データと全く同じ情報を用い
るため、この情報を、レーダ波の到来角度αの代わり
に、レーダ装置2に対して送信するようにすればよい。
本実施形態において、送信部4及び受信部6が送受信手
段、S240が到来方向特定手段、S230,S240
がベクトル生成手段、S270が信号行列生成手段、S
280が補償行列生成手段、S140が補償演算手段に
相当する。 [第2実施形態]次に、第2実施形態について説明す
る。
【0113】図10は、第2の実施形態のレーダ装置の
全体構成を表すブロック図である。本実施形態のレーダ
装置2aは、送信部4a及び受信部6aの構成が、第1
実施形態のレーダ装置2とは一部異なっているだけであ
るため、この相違する部分を中心に説明する。
【0114】即ち、図10に示すように、本実施形態の
レーダ装置2aでは、送信部4aから送信アンテナ14
が省略されていると共に、受信部6aには、切替スイッ
チ24と受信器22との間に、送信信号Ssを切替スイ
ッチ24側にのみ通過させると共に、切替スイッチ24
からの受信信号Srを、受信器22側にのみ通過させる
よう信号を分離する信号分離器としてのサーキュレータ
28が設けられている。
【0115】このように構成された本実施形態のレーダ
装置2aによれば、アンテナ20及び切替スイッチ24
が送受兼用とされる以外は、第1実施形態と同様に動作
するため、第1実施形態のレーダ装置2と同様の効果を
得ることができる。また、本実施形態のレーダ装置2a
では、ミリ波高周波回路において、最もスペースを必要
とするアンテナのスペースを有効利用することができ
る。 [第3実施形態]次に、第3実施形態について説明す
る。
【0116】図11は、本実施形態のレーダ装置の全体
構成を表すブロック図である。本実施形態のレーダ装置
2bは、受信部6bの構成、及び信号処理部8での処理
内容が、第1実施形態のレーダ装置2とは一部異なって
いるだけであるため、この相違する部分を中心に説明す
る。
【0117】図11に示すように、本実施形態のレーダ
装置2bは、受信部6bが、受信チャネルch1〜ch
4に属する4つの受信アンテナ20a、及び受信チャネ
ルch5〜ch8に属する4つの受信アンテナ20b
と、各受信アンテナ20a,20bからの受信信号Sr
を、それぞれローカル信号Lと混合してビート信号B
a,Bbを生成する一対の受信器22a,22bと、受
信アンテナ20aのいずれかの受信信号Srを選択信号
Xrに従って受信器22aに供給する切替スイッチ24
aと、受信アンテナ20bのいずれかの受信信号Srを
選択信号Xrに従って受信器22bに供給する切替スイ
ッチ24bとを備えている。
【0118】なお、以下では、受信チャネルch1〜
4、即ち受信アンテナ20a,切替スイッチ24a,受
信器22aを、第1の受信グループと呼び、受信チャネ
ルch5〜8、即ち受信アンテナ20b,切替スイッチ
24b,受信器22bを第2の受信グループと呼ぶ。
【0119】また、本実施形態のレーダ装置2bでは、
同じ受信グループに属する受信チャネル間での相互干渉
が、異なる受信グループの受信チャネル間との相互干渉
と比較して、これを無視できる程度に大きいものとす
る。そして、信号処理部8には、各受信グループ毎のビ
ート信号Ba,Bbが供給されるため、これらをサンプ
リングするために、一対のA/D変換器が備えられてお
り、選択信号Xrと同期して同時に動作するように構成
されている。
【0120】また、本実施例において、選択信号Xr
は、各受信グループに属する受信アンテナ20a,20
bを、それぞれ配列順に順番に選択するようにされてお
り、即ち、ch1とch5,ch2とch6,ch3と
ch7,ch4とch8が、それぞれ対になって同時に
動作するようにされている。
【0121】このように構成された本実施例のレーダ装
置2bでは、第1の受信グループからは、受信チャネル
ch1〜4のビート信号が時分割多重されたビート信号
Baが、第2の受信グループからは、受信チャネルch
5〜8のビート信号が時分割多重されたビート信号Bb
が、信号処理部8に供給される。
【0122】なお、信号処理部8にて実行される障害物
情報検出処理は、S110〜S140の処理が受信グル
ープ毎に行われ、S150にて、両受信グループから、
同じ検出タイミングで動作する受信チャネル同士の受信
データを比較することにより方位情報を算出する以外
は、第1実施例の場合と全く同様である。
【0123】また、補償行列生成処理も、受信グループ
毎に個別に実行されるだけで、その内容は、扱うベクト
ルや行列の次数が異なる以外は、第1実施例の場合と全
く同様である。以上説明したように、本実施形態のレー
ダ装置2bでは、切替スイッチ24a,24b及び受信
器22a,22bを2つずつ設け、それぞれが互いに異
なった受信グループに属する2つのアンテナ素子からの
受信信号を同時に処理できるように構成されている。こ
れら同時に検出された受信データ間では、切替スイッチ
24a,24bでの切替タイミングに基づく位相誤差が
発生しないため、これらの受信データを用いることによ
り、目標物体の方位情報を精度よく求めることができ
る。
【0124】また、本実施形態のレーダ装置2bでは、
受信グループ毎に別個の相互干渉補償行列Dを用いてお
り、相互干渉補償行列の補償対象となる受信データの数
が少ないため、相互干渉補償行列Dを用いた受信データ
の補償計算、及び相互干渉補償行列Dを生成するための
計算のいずれも、その計算量を大幅に削減することがで
きる。
【0125】なお、本実施形態では、相互干渉補償行列
Dによる補償演算を、受信グループch1〜ch4及び
ch5〜ch8毎に行っているが、第1及び第2実施形
態と同様に、受信グループに分けることなく、全ての受
信チャネルch1〜ch8について一括して行ってもよ
い。
【0126】また、本実施形態のレーダ装置2bでは、
各受信グループに同数の受信チャネルを割り当てている
が、両受信グループに割り当てられる受信チャネル数は
互いに異なっていてもよい。 [第4実施形態]次に第4実施形態について説明する。
【0127】なお、本実施形態のレーダ装置2cは、車
両に搭載して使用するものであり、第1実施形態のレー
ダ装置2とは、補償行列生成処理の内容と、該処理を用
いて行うレーダ装置の調整方法が異なるだけであるた
め、この相違する部分を中心に説明する。
【0128】但し、図12に示すように、レーダ装置2
cのインタフェース部9には、車両の走行状態を制御す
るECU30と、道路近傍に設置された路上局との無線
通信を行う無線通信装置32と、レーダ装置2cに対し
て各種指令を入力するためのキースイッチ、及びレーダ
装置2cの動作状態等を表示する表示画面等を備えた操
作パネル34とが接続されている。
【0129】そして、ECU30は、車速を検出する車
速センサ30a,ステアリング角を検出するステアリン
グセンサ30b、ヨーレートを検出するヨーレートセン
サ30c等からの検出信号に基づいて各種車両制御を行
うものであり、これら車速,ステアリング角,ヨーレー
ト(以下総称する場合「走行状態情報」という)の検出
信号を、レーダ装置2cに転送するよう構成されてい
る。
【0130】ここでは、信号処理部8とECU30とが
別々に構成されているが、ECU30が信号処理部8を
兼ね、信号処理部8での処理も実行するように構成して
もよい。なお、本実施形態のレーダ装置2cは、道路の
カーブ部分では、当該レーダ装置を搭載した車両(以下
「自車両」という)と、前方を走行する他車両(以下
「対象車両」という)との位置関係が様々に変化するこ
とを利用して、車両の走行中に、相互干渉補償行列Dを
生成するための調整を行うものである。
【0131】即ち、図13に示すように、自車両M1と
対象車両M2とが同一レーンを走行しているものとし
て、両車両M1,M2とも直線部分を走行している時
(図中参照)には、対象車両M2からの反射波は、常
に一定の到来角度(α=0)となるが、対象車両M2が
力ーブ部分に差し掛かかると(図中参照)、自車両M
1から対象車両M2を見る角度、即ち反射波の到来角度
αが除々に増加する。そして、両車両M1,M2ともカ
ーブ部分を走行している時(図中参照)には、カーブ
部分の曲率半径および両車両M1,M2間の相対速度が
ほぼ一定であれば、反射波の到来角度αもほぼ一定とな
り、その後、対象車両M2がカーブ部分を通過すると
(図中参照)、反射波の到来角度αが除々減少する。
このように道路のカーブ部分では、対象車両M2からの
反射波の到来角度が連続的に変化するのである。
【0132】以下、この調整の際にレーダ装置2の信号
処理部8が実行する補償行列生成処理を、図14に示す
フローチャートに沿って説明する。なお、本処理は、障
害物情報検出処理(図4参照)が繰り返し実行さている
時にのみ実行可能であり、車両の搭乗者が、操作パネル
34に設けられた所定のキースイッチを操作することに
より起動,停止、或いは強制終了(キャンセル)をでき
るようにされている。
【0133】即ち、本処理は、見通しの良い力ーブ部分
が存在する道路区間にて、前方に自車両と同一レーンを
走行する対象車両が存在し、しかも、この対象車両以外
の車両がレーダ装置2cの検知範囲内に存在しない場合
に実行する必要があるため、その点を確認して車両の搭
乗者が本処理の起動,停止を行い、また、自車両或いは
他車両が走行するレーンを変更したり、レーダ装置2c
の検知範囲内に別の車両が進入してきた場合には、精度
のよい相互干渉補償行列を生成することが期待できなく
なるため、このような場合に、搭乗者が本処理をキャン
セルできるようにされている。
【0134】図14に示すように、本処理が起動される
と、まずS310では、障害物情報検出処理にて生成さ
れた最新の受信データ(S120参照)及び距離情報
(S130参照)を取得し、取得した受信データを要素
とする受信信号ベクトルVCを生成すると共に、S32
0にて、ECU30から走行状態情報を取得する。
【0135】続くS330では、操作パネル34に設け
られた本処理の起動/停止用のキースイッチが操作され
たか否かを判断し、操作されていなければ、S340に
移行し、今度は、キャンセル用のキースイッチが操作さ
れたか否かを判断する。そして、これも操作されていな
ければ、S310に戻って、いずれかのキースイッチが
操作されるまでの間、受信データ(受信信号ベクト
ル),距離情報,走行状態情報の取得を繰り返す。
【0136】そして、キャンセル用のキースイッチが操
作され、S340にて肯定判定された場合には、S41
0に移行し、S310,S320にて取得した情報を削
除して本処理を終了する。一方、起動/停止用のキース
イッチが操作され、S330にて肯定判定された場合に
は、S350に移行し、先のS320にて取得された走
行状態情報に基づき、自車両の走行軌跡を求めることに
より、自車両と対象車両とが走行したレーンの道路形状
を推定する。
【0137】続くS360では、先のS310にて取得
した距離情報と、S350にて推定された道路形状とに
基づいて、S310にて取得した各受信信号ベクトルV
C毎に電波の到来方向(到来角度α)を求め、続くS3
70では、この到来角度αに基づいて、各アンテナ素子
毎の方位データu1〜u8を算出して、この方位データ
を要素とする参照信号ベクトルUCを生成し、これを対
応する信号ベクトルVCと対にして記憶する。
【0138】そして、S380にて記憶されたベクトル
対(受信信号ベクトルVC,参照信号ベクトルUC)の
中から、相互干渉補償行列Dの作成に適した到来方向か
らのものを、相互干渉補償行列Dが補償対象とする受信
チャネルと同数だけ選択する。但し、相互干渉補償行列
Dの作成に適した到来方向とは、各到来方向の間隔がほ
ぼ均等となり、且つできるだけ広い角度範囲がカバーさ
れるものをいう。
【0139】以下、S390,S400では、S380
にて選択されたベクトル対に基づき、先のS270,S
280での処理と全く同様に、受信信号行列V及び参照
信号行列Uを生成(S390)し、この生成した両行列
V,Uの行列演算を行うことにより、相互干渉補償行列
Dを生成しメモリの所定エリアに記憶(S400)し
て、本処理を終了する。
【0140】以上説明したように、本実施形態のレーダ
装置2cでは、自車両M1の前方を走行する他車両を対
象車両M2として、この対象車両M2からの反射波を利
用して調整を行っているので、車両の走行中であっても
適宜調整を行うことができる。その結果、レーダ装置2
cの経年変化などによって受信チャネルch1〜ch8
間の相互干渉の状態が変化したとしても、その変化を相
互干渉補償行列Dに簡単に反映させることができ、常に
精度よく目標物体の検出を行うことができる。
【0141】また、本実施形態のレーダ装置2cでは、
車速,ステアリング角だけでなく、車両の挙動が反映さ
れるヨーレートも監視も考慮して車両の走行軌跡を求め
ているため、精度よく走行軌跡を求めることっができ、
ひいては方位データu1〜u8や相互干渉補償行列Dの
算出精度を向上させることができる。
【0142】なお、本実施形態では、補償行列生成処理
の起動,停止やキャンセルを、搭乗者が行うようにされ
ているが、例えば、道路のカーブ部分の入口部分と出口
部分とに、路車間通信を行うための路上局を設け、無線
通信装置32を介してこれら路上局からの信号を受けて
本処理を自動的に起動,停止したり、また、障害物情報
検出処理にて複数の目標物体が検出されたり、走行状態
情報に基づいて自車両のレーン変更が検出された場合
に、本処理を自動的にキャンセルするよう構成してもよ
い。
【0143】また、無線通信装置32を介した路車間通
信により、自車両M1及び対象車両M2に関する位置情
報の提供を受けるように構成し、この位置情報に基づい
て反射波の到来方向を求めるようにしてもよい。更に、
無線通信装置32を介して車車間通信を行うよう構成
し、この車車間通信を介して対象車両の走行情報を獲得
して、反射波の到来方向の算出に反映させるようにして
もよい。 [第5実施形態]次に第5実施形態について説明する。
【0144】なお、本実施形態のレーダ装置は、第4実
施形態の場合と同様に、車両に搭載して使用するもので
あり、第1実施形態のレーダ装置2とは、補償行列生成
処理の内容と、該処理を用いて行うレーダ装置の調整方
法が異なるだけであるため、この相違する部分を中心に
説明する。
【0145】なお、本実施形態のレーダ装置2dは、相
互干渉補償行列Dを生成するための調整を、車両の走行
中に行うものであり、ここでは、直線道路において、道
路の路側付近に設置した物体を、走行車線を走行する自
車両から見た角度が、物体に近づくに従って連続的に変
化することを利用している。
【0146】そして、レーダ装置2dのインタフェース
部9には、第4実施形態の場合と同様に、ECU30と
無線通信装置32と操作パネル34とがインタフェース
部9を介して接続されている(図12参照)。また、直
線道路の路側付近には、図15に示すように、レーダ装
置2dからのレーダ波を再帰反射する反射板M3が設置
されていると共に、車両進行方向に対して反射板M3の
手前側には、車両に搭載された無線通信装置32との通
信を行う路上局M4が設置されている。
【0147】なお、路上局M4の通信エリアは、道路の
各レーン毎に設定されており、この通信エリアに進入し
た車両M1に対して、路上局M4の設置位置を測定開始
地点とし、この測定開始地点から反射板M3に到る道路
区間の長さを表す固定距離情報Lx、及び反射板M3の
設置位置から測定開始地点を通過した車両M1が走行す
るレーン中央までの最短距離を表す第一距離情報L1を
送信する。
【0148】つまり、車両M1に搭載されたレーダ装置
2dでは、路上局M4から固定距離情報Lx及び第一距
離情報L1を受信することにより、測定開始地点の通過
タイミングを検出できるようにされている。以下、レー
ダ装置2dの信号処理部8にて実行される補償行列生成
処理を、図16に示すフローチャートに沿って説明す
る。
【0149】なお、本処理は、無線通信装置32を介し
た路上局M4との通信にて測定開始地点の通過が検出さ
れると起動する。図16に示すように、本処理が起動す
ると、まずS510,S520では、先に説明したS3
10,S320と全く同様に、障害物情報検出処理にて
生成された最新の受信データ及び距離情報を取得し、取
得した受信データを要素とする受信信号ベクトルVCを
生成する(S510)と共に、ECU30から走行状態
情報を取得する(S520)。
【0150】続くS530では、本処理の起動時に路上
局M4から取得した固定距離情報Lx,第一距離情報L
1、及びS520にて取得した走行状態情報に基づい
て、レーダ波の到来方向を求める。即ち、走行状態情報
(特に車速情報)に基づいて測定開始地点からの走行距
離Lrを算出し、この算出した走行距離Lrを固定距離
情報Lxから減じることにより、車両M1の現在位置か
ら反射板M3に到る道路区間の長さを表す第二距離情報
L2(=Lx−Lr)を求める。そして、この第二距離
情報L2と第一距離情報L1とに基づき、(13)式か
ら、反射板M3から戻ってくるレーダ波の到来角度αを
算出する。但し、角度αは、車両M1の正面方向を0°
として表す。
【0151】 α=tan-1(L1/L2) (13) 続くS540では、S530にて算出された到来角度α
に基づいて、先のS240と全く同様に、各アンテナ素
子毎の方位データu1〜u8を算出して、この方位デー
タu1〜u8を要素とする参照信号ベクトルUCを生成
し、これを対応する受信信号ベクトルVCと対にして記
憶する。
【0152】続くS550では、現在、自車両M1は測
定区間内に存在するか否かを判断し、測定区間内であれ
ば、S510に戻って、同様に、受信信号ベクトルVC
及び参照信号ベクトルUCからなるベクトル対を求める
処理を繰り返し実行する。なお、自車両M1が測定区間
内に存在するか否かの判断は、測定開始地点からの走行
距離Lrにより判断してもよいし、レーダ装置2dによ
り反射板M3を検出できているか否か(即ち、レーダ装
置2dの検出角度範囲2αmax 内に反射板M3が存在す
るか否か)により判定してもよい。更には、測定開始地
点の路上局M4以外に、別途、測定区間の終了を通知す
る路上局を設け、この路上局との無線通信を行うことに
より判定してもよい。
【0153】そして、車両M1が測定区間を通過するこ
とにより、S550にて否定判定されると、S560に
移行して、S510〜S550の処理が繰り返されるこ
とにより蓄積されたベクトル対VC,UCの中から、相
互干渉補償行列Dを求めるのに適したものを抽出し、以
下、S570,S580では、S560にて選択された
ベクトル対VC,UCに基づき、先のS270,S28
0での処理と全く同様に、受信信号行列V及び参照信号
行列Uを生成(S570)し、この生成した両行列V,
Uの行列演算を行うことにより、相互干渉補償行列Dを
生成し、メモリの所定エリアに記憶(S580)して、
本処理を終了する。
【0154】以上説明したように、本実施形態のレーダ
装置2dでは、調整を開始するタイミングを路上局M4
からの無線通信により得ているので、車両M1の搭乗者
に負担をかけることなく自動的に調整を行うことができ
る。なお、本実施形態では、第一及び第二距離情報L
1,L2を用いて、反射板M3からの反射波の到来方向
(到来角度α)を求めているが、S510にて受信デー
タと共に獲得した反射板M3との直線距離を表す第三距
離情報L3と、第一及び第二距離情報L1,L2のいず
れか一方とを用いて(14)又は(15)式から到来角
度αを求めてもよい。
【0155】 α=sin-1(L1/L3) (14) α=cos-1(L2/L3) (15) 特に、第一及び第三距離情報L1,L3を用いた場合、
固定距離情報Lxや走行状態情報を必要としないため、
処理を簡易化できるだけでなく、車両M1の走行に依存
した不確定な要素が減るため、到来角度αの算出精度を
向上させ、ひいては相互干渉補償行列Dによる補償精度
を向上させることができる。
【0156】なお、本実施形態では、路上局M4との無
線通信により、補償行列生成処理を起動するタイミン
グ、即ちレーダ装置2dが調整を開始するタイミングを
得ているが、何等かの方法によって車両の搭乗者に対し
て調整区間であることを報知することにより、第4実施
形態の場合と同様に、搭乗者による操作パネル34の操
作に従って、補償行列生成処理を起動するようにしても
よい。
【0157】本実施形態において、S520が走行状態
検出手段、S530が推定手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のレーダ装置の構成を表すブロ
ック図である。
【図2】 FMCWレーダ装置の動作についての説明図
である。
【図3】 切替スイッチを用いることで生成されるビー
ト信号の波形図である。
【図4】 障害物情報検出処理の内容を表すフローチャ
ートである。
【図5】 レーダ装置の調整方法などを表す説明図であ
る。
【図6】 調整時に実行される補償行列生成処理の内容
を表すフローチャートである。
【図7】 相互干渉補償行列を用いて補償演算を行った
場合の効果を表すグラフである。
【図8】 相互干渉補償行列を用いて補償演算を行った
場合の効果を表すグラフである。
【図9】 レーダ装置の他の調整方法を表す説明図であ
る。
【図10】 第2実施形態のレーダ装置の構成を表すブ
ロック図である。
【図11】 第3実施形態のレーダ装置の構成を表すブ
ロック図である。
【図12】 第4実施形態のレーダ装置を車両に搭載し
た場合の他の装置との接続関係を表すブロック図であ
る。
【図13】 道路のカーブ部分を利用したレーダ装置の
調整方法を表す説明図である。
【図14】 第4実施形態における補償行列生成処理の
内容を表すフローチャートである。
【図15】 直線道路の近傍に設置された反射板を利用
したレーダ装置の調整方法を表す説明図である。
【図16】 第5実施形態における補償行列生成処理の
内容を表すフローチャートである。
【図17】 レーダ波の到来方向に基づいて、各アンテ
ナ素子の受信信号間に生じる位相差を求める原理を示す
説明図である。
【符号の説明】
2,2a〜2d…レーダ装置 4,4a…送信部 6,6a,6b…受信部 8…信号処理部 9…イ
ンタフェース部 10…送信器 12…分配器 14…送信アンテナ 20,20a,20b…受信アンテナ 22…ミキサ 22,22a,22b…受信器 24,24a,24
b…切替スイッチ 26…選択信号生成器 28…サーキュレータ 3
0…ECU 32…無線通信装置 34…操作パネル 50…デ
ータ端末 52…反射板 54…送信装置 56…ガイド装置
M1…自車両 M2…対象車両 M3…反射板 M4…路上局
Mx,My…反射物体

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続波からなるレーダ波を送出すると共
    に、該レーダ波を反射した目標物体からの反射波を複数
    のアンテナにて受信し、各アンテナからの受信信号にロ
    ーカル信号を混合してビート信号を生成する送受信手段
    と、 該送受信手段にて生成されたビート信号を周波数分析
    し、各アンテナに対応した受信チャネル毎に前記ビート
    信号の信号強度及び位相を表す受信データを生成する受
    信データ生成手段と、 を備え、該信号処理手段が生成する受信データに基づい
    て、前記目標物体の検出を行うレーダ装置において、 前記送受信手段にて受信されたレーダ波の到来方向を特
    定する到来方向特定手段と、 該到来方向特定手段にて特定された到来方向に基づき、
    各アンテナに入射されたレーダ波の信号強度及び位相を
    表す方位データを求めると共に、該方位データを要素と
    する参照信号ベクトル、及び前記レーダ波の受信により
    前記受信データ生成手段にて生成された前記受信データ
    を要素とする受信信号ベクトルを対にして生成するベク
    トル生成手段と、 到来方向の異なる複数のレーダ波が前記送受信手段にて
    順次受信されることにより、前記ベクトル生成手段にて
    生成される複数対の受信信号ベクトル及び参照信号ベク
    トルに基づき、前記受信信号ベクトルを配列してなる受
    信信号行列、及び該受信信号行列に対応させて前記参照
    信号ベクトルを配列してなる参照信号行列を生成する信
    号行列生成手段と、 該信号行列生成手段にて生成された受信信号行列及び参
    照信号行列の行列演算により、各受信チャネル間に生じ
    る相互干渉を補償するための相互干渉補償行列を生成す
    る補償行列生成手段と、 該補償行列生成手段にて生成された相互干渉補償行列を
    用いて、前記信号処理手段にて生成された受信データに
    対する補償演算を実行する補償演算実行手段と、 を設け、該補償演算実行手段により補償演算が施された
    受信データを用いて、前記目標物体の検出を行うことを
    特徴とするレーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記送受信手段は、 前記複数のアンテナのうち、いずれかからの受信信号を
    選択して供給する切替スイッチと、 該切替スイッチから供給される受信信号と前記ローカル
    信号とを混合してビート信号を生成するミキサと、 を備えることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  3. 【請求項3】 前記送受信手段は、レーダ波の送信信号
    を前記切替スイッチに供給すると共に、前記切替スイッ
    チからの受信信号を前記ミキサに供給する信号分離器を
    備え、 前記アンテナ及び切替スイッチを送受信で兼用すること
    を特徴とする請求項2記載のレーダ装置。
  4. 【請求項4】 前記送受信手段は、前記アンテナが複数
    の受信グループに分割され、該受信グループ毎に前記切
    替スイッチ及びミキサを備え、 前記相互干渉補償行列は、前記受信グループ毎に設定さ
    れていることを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。
  5. 【請求項5】 前記送受信手段は、前記レーダ波とし
    て、時間と共に周波数が変動する周波数変調連続波を用
    いることを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか
    記載のレーダ装置。
  6. 【請求項6】 前記受信データ生成手段は、前記ビート
    信号の周波数分析を複素フーリエ変換により行うことを
    特徴とする請求項1ないし請求項5いずれか記載のレー
    ダ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6いずれか記載の
    レーダ装置において、 前記ベクトル生成手段は、 前記到来方向特定手段にて特定されたレーダ波の到来方
    向と各アンテナの配置とに基づいて、各アンテナに入射
    されたレーダ波の伝搬距離差を求め、該伝搬距離差から
    各アンテナに入射されたレーダ波の位相差を求める位相
    差算出手段と、 前記受信データ生成手段にて生成された受信データに基
    づいて、各アンテナに入射されたレーダ波の推定振幅を
    求める振幅算出手段と、 を備え、前記位相差算出手段及び振幅算出手段にて求め
    られた位相差及び推定振幅の情報を複素数にて表現した
    ものを前記方位データとすることを特徴とするレーダ装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のレーダ装置において、 前記振幅推定手段は、前記受信データ生成手段にて生成
    された受信データが表す振幅の平均値を前記推定振幅と
    することを特徴とするレーダ装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8いずれか記載の
    レーダ装置において、 前記補償行列生成手段が生成する相互干渉補償行列は、
    該相互干渉補償行列の補償対象となる受信データの数が
    N個の場合、N行×N列の正方行列からなることを特徴
    とするレーダ装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のレーダ装置において、 前記補償行列生成手段は、 前記受信信号行列の逆行列である受信信号逆行列を求
    め、 該受信信号逆行列に前記参照信号行列を乗算することに
    より相互干渉補償行列を求めることを特徴とするレーダ
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項9記載のレーダ装置において、 前記補償行列生成手段は、 前記参照信号行列の逆行列である参照信号逆行列を求
    め、 該参照信号逆行列に前記受信信号行列を乗算することに
    より相互干渉行列を求め、 該相互干渉行列の逆行列を求めることにより相互干渉補
    償行列を求めることを特徴とするレーダ装置。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項11いずれか記
    載のレーダ装置において、 前記到来方向特定手段は、前記送受信手段が受信したレ
    ーダ波の到来方向を、前記受信データ生成手段が生成す
    る受信データに基づいて算出された目標物体の方位情報
    から特定することを特徴とするレーダ装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のレーダ装置におい
    て、 前記到来方向特定手段は、予め設定された所定条件に従
    って起動することを特徴とするレーダ装置。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし請求項11いずれか記
    載のレーダ装置において、 前記到来方向特定手段は、レーダ波の到来方向に関する
    情報を、当該装置の外部より取得することを特徴とする
    レーダ装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のレーダ装置に対する
    調整方法であって、 前記レーダ装置の各アンテナに対して測定用レーダ波を
    照射する第1の手順と、 前記アンテナに対する前記測
    定用レーダ波の照射角度を前記レーダ装置の到来方向特
    定手段に取得させる第2の手順と、 からなり、上記第1及び第2の手順を、前記測定用レー
    ダ波の照射角度を変更しながら繰り返すことにより、前
    記レーダ装置に前記相互干渉補償行列を生成させること
    を特徴とする調整方法。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の調整方法において、 前記測定用レーダ波の照射角度は、前記レーダ装置の検
    出角度範囲内をN等分した各領域の中心方向のいずれか
    と一致するよう設定することを特徴とする調整方法。
  17. 【請求項17】 請求項15又は請求項16記載の調整
    方法において、 前記レーダ装置が送出したレーダ波を反射する反射物体
    からの反射波を、前記測定用レーダ波として用いること
    を特徴とする調整方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の調整方法において、 前記反射物体を、該反射物体にて反射し前記レーダ装置
    に到達する反射波が平面波と見なされる距離以上、前記
    レーダ装置から離して設置することを特徴とする調整方
    法。
  19. 【請求項19】 請求項15又は請求項16記載の調整
    方法において、 前記レーダ装置の各アンテナに個別に入射され、互いの
    位相差を任意に設定可能な複数のレーダ波を発生させる
    ことができ、各レーダ波の位相差を適宜設定することに
    より、任意の照射角度を有する測定用レーダ波を模擬可
    能な送信装置を、前記測定用レーダ波の発生源として用
    いることを特徴とする調整方法。
  20. 【請求項20】 車両に搭載された請求項1ないし請求
    項14いずれか記載のレーダ装置に対する調整方法であ
    って、 前記レーダ装置の検出角度範囲内に存在し、該レーダ装
    置から送出されたレーダ波を反射する他車両からの反射
    波を用いて、前記相互干渉補償行列の生成を行わせるこ
    とを特徴とする調整方法。
  21. 【請求項21】 車両に搭載された請求項1ないし請求
    項14いずれか記載のレーダ装置に対する調整方法であ
    って、 直線道路の路側付近に設置され、前記レーダ装置から送
    出されたレーダ波を反射する反射物体からの反射波を用
    いて、前記相互干渉補償行列の生成を行わせることを特
    徴とする調整方法。
  22. 【請求項22】 車両に搭載された請求項1ないし請求
    項11いずれか記載のレーダ装置に、相互干渉補償行列
    を生成させるための調整システムであって、 直線道路の路側付近に設置され、前記直線道路を走行す
    る車両に搭載された前記レーダ装置からのレーダ波を反
    射する反射物体と、 該反射物体と前記レーダ装置を搭載した車両との位置関
    係を特定するための位置特定情報を無線通信により送信
    する路上局と、 前記車両に搭載され、前記路上局からの位置特定情報を
    受信する車上局と、 を備え、 前記レーダ装置の到来方向特定手段は、前記車上局にて
    受信された位置特定情報に基づいて、前記反射物体が位
    置する方向を求めることにより、レーダ波の到来方向を
    特定することを特徴とする調整システム。
  23. 【請求項23】 請求項22記載の調整システムにおい
    て、 前記反射物体は、前記レーダ装置から送出されたレーダ
    波が、該レーダ装置を搭載した車両と反射物体との間を
    往復する間に、該車両が移動している可能性のある角度
    範囲内のすべてに向けて反射することを特徴とする調整
    システム。
  24. 【請求項24】 請求項22又は請求項23記載の調整
    システムにおいて、 前記路上局は、前記反射物体から該反射物体の手前に位
    置する計測開始地点までの道路区間の長さを表す固定距
    離情報、前記計測開始地点を通過した車両の通過タイミ
    ング、及び該車両が走行中の走行レーンの中央から前記
    反射物体までの最短距離を表す第一距離情報を前記位置
    特定情報として通知し、 前記レーダ装置の到来方向特定手段は、 当該レーダ装置を搭載した自車両の走行状態を検出する
    走行状態検出手段と、 該走行状態検出手段にて検出される車両の走行状態、及
    び前記車上局を介して取得した位置特定情報に基づき、
    自車両と前記反射物体との位置関係を推定する推定手段
    と、 を備え、該推定手段にて推定された位置関係からレーダ
    波の到来方向を特定することを特徴とする調整システ
    ム。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の調整システムにおい
    て、 前記走行状態検出手段は、少なくとも自車両の走行距離
    を算出可能な情報を検出し、 前記推定手段は、前記固定距離情報及び前記通過タイミ
    ング後の自車両の走行距離に基づいて自車両から前記反
    射物体までの道路区間の長さ表す第二距離情報を求め、
    前記第一距離情報と第二距離情報とにより、自車両と前
    記反射物体との位置関係を推定することを特徴とする調
    整システム。
  26. 【請求項26】 請求項24記載の調整システムにおい
    て、 前記レーダ装置は、 前記受信データに基づいて、自車両から前記反射物体ま
    での直線距離を表す第三距離情報を求める直線距離算出
    手段を備え、 前記推定手段は、前記固定距離情報及び前記通過タイミ
    ング後の自車両の走行距離に基づいて自車両から前記反
    射物体までの道路区間の長さを表す第二距離情報を求
    め、前記第一距離情報及び第二距離情報のうち少なくと
    もいずれか一方と、前記直線距離算出手段にて算出され
    た第三距離情報とにより、自車両と前記反射物体との位
    置関係を推定することを特徴とする調整システム。
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