JP2001099918A - ホログラフィックレーダ装置 - Google Patents

ホログラフィックレーダ装置

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JP2001099918A
JP2001099918A JP28112099A JP28112099A JP2001099918A JP 2001099918 A JP2001099918 A JP 2001099918A JP 28112099 A JP28112099 A JP 28112099A JP 28112099 A JP28112099 A JP 28112099A JP 2001099918 A JP2001099918 A JP 2001099918A
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JP
Japan
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antennas
antenna
receiving
transmitting
sub
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Pending
Application number
JP28112099A
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English (en)
Inventor
Koichi Asano
孔一 浅野
Shigeki Oshima
繁樹 大島
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、ターゲットを効果的に検出す
る。 【解決手段】 互いに直交する縦長の送信アンテナ14
a〜14cと、横長の受信アンテナ16a〜16cを設
ける。送信アンテナ14a〜14cを順次切り換え、1
つの送信アンテナ14a〜14cが選択されているとき
に受信アンテナ16a〜16cを順次切り換える。これ
によって、送信アンテナ14a〜14cと受信アンテナ
16a〜16cの組み合わせ分の受信信号が得られる。
また、受信アンテナ16a〜16cの切り換え周期を送
信アンテナ14a〜14cの切り換え周期の整数倍にす
ることで、不要信号の発生周波数を一定周期とすること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】複数の受信アンテナを有する
ホログラフィックレーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、仰角および方位角について所
望の範囲内でのターゲットを検出するために、2次元配
列された受信アンテナを有するホログラフィクレーダが
利用されている。
【0003】このホログラフィックレーダにおいては、
n×m個の受信アンテナを2次元配列し、各受信アンテ
ナで、ターゲットからの反射波を受信する。そして、各
受信アンテナの受信信号について、複素数の重み乗算し
て合成することによりビーム形成し、ターゲットを検出
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなホログラフ
ィックアンテナにおいては、受信アンテナの数だけ受信
機を必要として、装置が大型化し、またコストが高くな
ってしまう。また、このような2次元のホログラフィッ
クアンテナでは、複数の受信アンテナを互いに直交する
2方向に、最大の検出方向範囲に基づいて定まる間隔で
配列する必要がある。このためには、広い検出方向範囲
の実現のためには、配列間隔を狭くしなければならな
い。そこで、各受信アンテナの開口は狭くなり、利得の
高いアンテナを用いることができず、感度が低下してし
まう。
【0005】また、複数の受信アンテナからの受信信号
を1つの受信機に時分割で供給して受信することも提案
されている。しかし、FMCWレーダなど連続波を用い
る場合、送受信アンテナ間や送受信回路間の結合によ
り、きわめて近距離に存在する物体からの反射波と同様
の送信波がアンテナ切り換え周期の逆数に対応する周波
数で変調されて混入する。そして、このような不要信号
が、高調波がその周波数の間隔で高域の周波数帯域まで
繰り返し現れるようになる。
【0006】また、複数の受信アンテナを利用する場
合、各アンテナ系(アンテナやそこに接続される線路や
回路を含んだモジュール)の特性は、一般的に同一では
ない。従って、これらの相違をなくすために、初期状態
での各アンテナ系の特性が等しくなるように、受信信号
の振幅、位相についての補正係数が設定される。しか
し、レーダの使用される状態によって、各アンテナ系の
特性は変化する。そこで、精度の高い計測状態を維持す
るためには、これら補正係数を修正したいという要求が
ある。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、比較的簡単な構成で適切な受信が行える複数の受
信アンテナを用いたホログラフィックレーダ装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の送信ア
ンテナを順次切り換えて送信した電波の反射波を複数の
受信アンテナを順次切り換えて受信し、送信アンテナお
よび受信アンテナの各組で得られるレーダ信号を時分割
で得るホログラフィックレーダ装置において、送信アン
テナの配列方向と受信アンテナの配列方向の配列方向と
が直交するように設定されていることを特徴とする。
【0009】この構成により、送受信機を各1つにでき
る。そして、例えば1つの送信アンテナと、9つの受信
アンテナを有するホログラフィックレーダと同様の受信
信号を送信アンテナ3つと、受信アンテナ3つで構成で
きる。また、受信アンテナも一方向に配列するだけであ
り、他の方向においては、隣接する受信アンテナが存在
せず、従ってアンテナの開口を大きくとることができ、
アンテナの利得を高くして感度を高くすることができ
る。
【0010】また、本発明は、互いに直交する2軸方向
にそれぞれ同一間隔に配置した複数の送信アンテナと、
互いに直交する2軸方向のそれぞれ軸方向で同一間隔に
配置した複数の受信アンテナを有し、前記複数の送信ア
ンテナを順次切り換えて送信した電波の反射波を前記受
信アンテナを順次切り換えて受信し、送信アンテナおよ
び受信アンテナの各組で得られるレーダ信号を時分割で
得る。
【0011】これによって、1つの送信アンテナから電
波の反射波を複数の受信アンテナで受信する。これによ
って、送信アンテナを1つにし、送信アンテナ数×受信
アンテナ数分の受信アンテナを設けたのと同様のレーダ
を構成することができる。
【0012】また、送信アンテナの2つの軸方向におけ
るそれぞれの間隔を受信アンテナの対応する軸方向に受
信アンテナの間隔とその軸方向の受信アンテナ数の積に
等しく設定することが好適である。これによって、例え
ば、送信アンテナを一方向間隔2Δxで配置し、受信ア
ンテナをその方向で、Δxで配置する。また、他の方向
では、送信アンテナを間隔2Δy、受信アンテナを間隔
Δyで配置する。これによって、送信アンテナを1つに
し、送信アンテナ数×受信アンテナ数分の受信アンテナ
を各方向において等間隔で設けたのと同様のレーダを構
成することができる。
【0013】また、送信アンテナおよび受信アンテナは
同一平面に配置されていることが好適である。これによ
って、ビーム形成などの信号処理が容易となる。
【0014】また、送信アンテナおよび受信アンテナは
互いに重なるように配置された別の平面にそれぞれ配置
され、送信アンテナと受信アンテナの偏波が互いに直交
する方向に設定されていることが好適である。これによ
って、アンテナの開口を小さくでき、また受信信号中に
混入した送信波の干渉を容易に排除できる。
【0015】また、複数の送信アンテナを順次切り換え
て送信した電波の反射波を複数の受信アンテナを順次切
り換えて受信し、送信アンテナおよび受信アンテナの各
組で得られるレーダ信号を時分割で得るホログラフィッ
クレーダ装置において、前記複数の送信アンテナを前記
受信アンテナの切り換え周期の倍数の周期をもって順次
切り換えて電波を送信することを特徴とする。
【0016】この構成により、受信アンテナの切り換え
周期で変調された不要信号の周波数が送信アンテナ切り
換え周期で変調された不要信号に重なる。そこで、不要
信号をコムフィルタなどにより容易に除去することがで
きる。
【0017】また、前記受信アンテナの切り換え周期
を、送信電波が最大検出距離の往復に要する時間の整数
倍に設定することが好適である。これによって、最大検
出距離以内のターゲットからの反射波を確実に受信する
ことができる。
【0018】また、本発明は、複数の受信アンテナでレ
ーダ信号を得るホログラフィックレーダ装置において、
複数のアンテナの中から中心対称に位置する複数個を選
んで、複数のサブアレーを構成し、そのサブアレーの中
心に対してどちらか一方のアンテナで得られたレーダ信
号の位相をπだけ回転させ、さらに検出されている目標
物の方向を中心とする所定の角度範囲内でサブアレーに
よって形成されるビームを走査するようにサブアレーの
各信号に複素重みを乗じて合成信号を求め、走査した角
度範囲内での合成信号の落ち込みを各サブアレーについ
て求め、その落ち込みがレベルを越えないサブアレーに
基づいて、予め設定されている振幅または位相の補正係
数を変更する必要があるアンテナを特定することを特徴
とする。
【0019】一般的に、ビーム形成して得たターゲット
からのピークをそのまま検出するのに比べ、落ち込みを
検出した場合の方が精度が高い。そこで、サブアレー毎
の落ち込みを検出し、どのサブアレーにおいて、十分な
落ち込みが検出されないかにより、特性の変化したアン
テナ系を精度よく検出することができる。
【0020】また、前記レーダ信号は、複数の受信アン
テナを順次切り換え、時分割で得られたものであること
が好適である。
【0021】また、特定された振幅または位相の補正係
数を変更する必要があるアンテナを含むサブアレーにお
いて、補正係数の振幅、位相を変化させ、そのときの落
ち込みレベルの変化に基づいて補正係数を修正すること
が好適である。これによって、自動的に補正係数を修正
して、常に良好な状態でのターゲットの検出を行うこと
ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0023】図1は、本実施形態に係るホログラフィッ
クレーダの一例を示す図であり、送信機10には、高周
波スイッチ12を介し、3つの送信アンテナ14a、1
4b、14cが接続されている。また、送信アンテナ1
4a、14b、14cの横には、送信アンテナ14a、
14b、14cから送信された電波のターゲットによる
反射波を受信する3つの受信アンテナ16a、16b、
16cが設けられ、この受信アンテナ16a、16b、
16cには、高周波スイッチ18を介し、受信機20が
接続されている。
【0024】さらに、送信機10、高周波スイッチ12
および受信機20には、制御部22が接続されている。
この制御部22は、物体検出のための各種の信号処理を
行うほか、高周波スイッチ12のスイッチングのタイミ
ングおよび受信機20からの受信信号のサンプルタイミ
ングを制御する。
【0025】そして、送信アンテナ14a、14b、1
4cは、同一平面上に形成され、同一形状をしている。
この例では、各送信アンテナ14a、14b、14c
は、縦長で、横方向に間隔Δxをおいて平行に等間隔で
配置されている。また、受信アンテナ16a、16b、
16cも送信アンテナ14a、14b、14cと同一平
面上に配置されており、受信アンテナ16a、16b、
16cは、横長で、縦方向に間隔Δyをおいて平行に等
間隔で配置されている。
【0026】本実施形態の装置においては、FMCW方
式を用いており、周波数が所定の周期で変化する連続波
を送信する。そして、反射波と送信波の周波数差に基づ
いて、ターゲットとの相対距離、相対速度を検出する。
また、各送信アンテナ14a、14b、14cと受信ア
ンテナ16a、16b、16cの組み合わせによって得
られる受信信号について、ビーム形成を行い、振幅を調
べることによって、方位を検出する。
【0027】ここで、送信アンテナ14a、14b、1
4cと受信アンテナ16a、16b、16cの切換は、
図2に示すような順序で行う。すなわち、1つの送信ア
ンテナ14a、14b、14cが送信している1度の期
間中の後半において受信アンテナ16a、16b、16
cを順次切り換えて、それぞれの受信アンテナ16a、
16b、16cからの受信信号を時分割で得る。そし
て、送信アンテナ14a、14b、14cを切り換えて
同様に3つの受信信号を得、これを繰り返す。
【0028】従って、3つの送信アンテナ14a、14
b、14cからの送信が終わった段階で、9つの種類の
受信信号が得られる。従来のホログラフィックレーダ装
置においては、1つの送信アンテナに対し、受信信号を
得たいだけの数の受信アンテナおよび受信機を設けてい
た。従って、従来の構成によれば、9種類の受信信号を
得るために、9つの受信アンテナおよび受信機を必要と
した。
【0029】本実施形態の構成においては、3つの送信
アンテナ14a、14b、14c、3つの受信アンテナ
16a、16b、16c、1つの送信機、1つの受信機
により、9種類の受信信号を得ることができる。従っ
て、構成が簡単になり、装置の小型化、低コスト化を図
ることができる。
【0030】また、図1のような構成では、横方向のア
ンテナ配列間隔Δxは、方位方向の最大検出範囲に基づ
いて決定され、縦方向のアンテナ配列間隔Δyは、仰角
方向の最大検出範囲に基づいてそれぞれ決定される。従
って、配列間隔を規定されない方向については、アンテ
ナの開口を広げることができる。すなわち、送信アンテ
ナ14a、14b、14cにおいては、縦方向の開口を
十分大きくでき、また受信アンテナ16a、16b、1
6cについては横方向の開口を十分大きなものとして
も、各アンテナ間の相互結合などの問題が生じない。そ
こで、本実施形態の装置においては、各アンテナに高利
得のアンテナを使用することができ、検出感度を向上す
ることができる。
【0031】なお、1つの送信アンテナ14a、14
b、14cの送信期間における受信期間の開始時点は、
その時選択されている送信アンテナ14a、14b、1
4cからの送信波が最大検出距離に位置するターゲット
により反射して受信されるまでの時間に応じて設定され
ている。
【0032】図3の構成は、送信アンテナ14a、14
b、14cと受信アンテナ16a、16b、16cを同
一平面ではなく前後方向に重ねて配置したものである。
すなわち、この例では、送信アンテナ14a、14b、
14cの背面側に受信アンテナ16a、16b、16c
が配置されている。これによって、両方のアンテナの開
口を重ねることができ、並列して配置する場合に比べ開
口の面積を1/2にできる。
【0033】この場合、送受信信号の干渉をさける必要
がある。このためには、送信波の偏波と受信波の偏波を
直交させることなどが考えられる。すなわち、反射波
は、送信波に対しその位相が反転するため、送信波とし
て円偏波を用いることで、受信波の円偏波は送信波の偏
波と直交することになる。従って、受信信号において送
信波の干渉を容易に排除することができる。
【0034】図4は、それぞれ2次元配列された4つの
送信アンテナ14a〜14dと、受信アンテナ16a〜
16dとをそれぞれ順次切り換えることで、縦4つ×横
4つ=16個の正方配列された受信アンテナを利用する
場合と同様のレーダを実現するものである。
【0035】この場合には、送信アンテナ14a〜14
dの横方向の配列間隔は、受信アンテナ16a〜16d
の間隔Δxの2倍=2Δxに設定され、縦方向について
も同様に設定されている。なお、受信アンテナの個数が
一方2つでない場合には、送信アンテナの間隔は、受信
アンテナ間隔×受信アンテナの個数倍とする。
【0036】このレーダ装置についても、送信アンテナ
14a〜14dを順次切り換え、1つの送信アンテナが
選択されている時に4つの受信アンテナを順次切り換え
る。これによって、4つの送信アンテナの選択が終わっ
たときに、4×4=16の送受信アンテナの組み合わせ
についての受信信号を得ることができる。
【0037】この実施形態によれば、従来の送信アンテ
ナを1つ、受信アンテナを16個の構成と同様の受信信
号を送信アンテナ4つ、受信アンテナ4つの合計8つで
得ることができる。従って、装置の小型化低コスト化を
図ることができる。
【0038】「アンテナ切り換えタイミング」図5は、
送信アンテナ14a、14b、14cおよび受信アンテ
ナ16a、16b、16cの切り換えタイミングを示す
図である。図2においては、受信アンテナ16a、16
b、16cを必要な期間だけ選択したが、この図5にお
いては、連続的に切り換えて使用している。
【0039】そして、1つの受信アンテナ16a、16
b、16cを選択してから次にその受信アンテナ16
a、16b、16cを選択するまでの期間である受信ア
ンテナ16a、16b、16cの切り換え周期Trは、
送信電波がこのレーダ装置の最大検出距離の往復に要す
る時間ΔTに等しく定めてある。また、1つの送信アン
テナ14a、14b、14cを選択してから次にその送
信アンテナ14a、14b、14cを選択するまでの期
間である送信アンテナ14a、14b、14cの切り換
え周期Ttは、受信アンテナ16a、16b、16cの
切り換え周期Trの6倍に設定してある。
【0040】これにより、受信アンテナ16a、16
b、16c間や送受信回路間の結合により、受信信号中
に漏洩してくる、きわめて近距離に存在する物体からの
反射波と同様の不要なレーダ信号は、アンテナ切り換え
周期の逆数、すなわち、周波数1/Ttおよび1/Tr
で変調される。そこで、不要信号は、その周波数の間隔
で、高域の周波数帯域まで繰り返し現れるようになる。
【0041】図5の例では、Tt=6×1/Tであり、
送信切り換えに関わる不要信号は、ft=1/Tt、受
信切り換えに関わる不要信号は、周波数fr=1/Tr
の周波数間隔で、周期的に高域の周波数帯域まで現れ
る。そして、fr=6×ftであり、受信に関わる不要
信号が送信に関わる不要信号に重なる。
【0042】これによって、図6に示すように、送信側
から漏洩してくる信号がアンテナのスイッチングにより
変調されて生じる不要信号は、周波数ftの間隔で周期
的に現れるものだけに限定できる。そして、このような
周期的な不要信号は、コムフィルタなどを用いて容易に
除去することができる。例えば、本出願人の出願に係る
特願平11−208098号(平成11年7月22日出
願)には、減算型コムフィルタを用いて、周期的に現れ
る不要信号を除去することを提案している。このような
コムフィルタを用いることが好適である。
【0043】また、上述したように、受信アンテナ16
a、16b、16cの切り換え周期Trを、送信電波が
このレーダ装置における最大検出距離を往復するのに要
する時間と等しく設定している。従って、上述のような
コムフィルタによる不要信号の除去を行っても、図6に
示すように、最大検出距離範囲内に存在するターゲット
からの反射波(レーダ信号)を確実にとらえることがで
きる。
【0044】なお、図5のタイミングでは、新たな送信
アンテナ14a(表においてTaで示す)、14b(表
においてTbで示す)、14c(表においてTcで示
す)に切り換えてから1回目の受信アンテナ16a(表
においてRaで示す)、16b(表においてRbで示
す)、16c(表においてRcで示す)の信号を無視
し、その後の受信アンテナ16a、16b、16cの信
号をデータとして取り込む。これによって、送信アンテ
ナ14a、14b、14cから発せられた送信波が最大
検出距離内のターゲットで反射された反射波が各受信ア
ンテナ16a、16b、16cにおいてそれぞれ受信さ
れる。
【0045】なお、図1のような2次元のホログラフィ
ックレーダではなく、図7に示すような1次元のホログ
ラフィックレーダにおいても同様に送信側からの漏洩波
を除去することができる。
【0046】「振幅・位相補正係数の校正」図8に、本
実施形態の校正法が適用可能なホログラフィックレーダ
の構成を示す。この例では、高周波スイッチ12、18
を省略し、1つの送信アンテナ14を設けるとともに、
6つの受信アンテナ16a〜16fおよび6つの受信機
20a〜20fを設けている。
【0047】従って、送信機10から送信アンテナ14
を介し、前方の所定範囲に送信波が放射される。これに
より、その放射範囲内にあるターゲットによって反射さ
れた反射波が受信アンテナ16a〜16fで受信され、
受信機20a〜20fでそれぞれ受信信号が得られ、こ
れが制御部22において処理される。
【0048】ここで、この制御部22は、6つの受信ア
ンテナ16a〜16fについて、サブアレーを構成す
る。ここで、各サブアレーは中心対称の配置となるよう
に構成する。例えば、表1に示すように、受信アンテナ
16a、16b、16c、16dでサブアレーAa、受
信アンテナ16b、16c、16d、16eでサブアレ
ーAb、受信アンテナ16c、16d、16c、16f
でサブアレーAc、受信アンテナ16a、16b、16
e、16fでサブアレーAdを構成する。
【0049】
【表1】 ここで、ターゲットの方向を中心とする所定の角度範囲
内でサブアレーによってビームを構成するように、サブ
アレーの各受信信号に複素数の重みを乗じて合成信号を
求める。すなわち、サブアレーの中心において、位相の
ずれが0になり、左右の受信アンテナにおいて、中心か
らの距離およびビーム角度に応じた位相ずれを生じるよ
うに複素数の重みを乗じる。例えば、中心からの距離が
dで、波長λの電波を用い、ビーム角度がφの場合に
は、複素数の重みはe-j(2πdsinφ/λ)とする。このよ
うにして、各サブアレーについてビームが形成され、φ
を変更することでビームを走査することができる。
【0050】そして、このビームを検出範囲内で走査
し、ψの方向にターゲットがあった場合には、図9に示
すように、φの方向がψと一致した時に受信電力につい
てのピークが生じる。このようにして、各サブアレーに
おいて、ターゲットの方向において、ピークを検出する
ことができる。
【0051】そして、各受信系(受信アンテナ、線路、
受信機)の特性が同一であれば、ターゲットの方向ψ
と、ビーム方向φが一致したときに、すべてのサブアレ
ーにおいて、明らかなピークが得られる。ところが、各
アンテナ系特性に差異があると、十分なピークが生じな
くなる。そこで、レーダ動作の初期状態において、各ア
ンテナ系の振幅、位相についての補正係数を求める。
【0052】この場合、ピークを生じるφをそのまま検
出することもできるが、サブアレーの中心に対して、い
ずれか一方側のレーダ信号の位相をπだけ回転させる。
例えば、サブアレーAaであれば、受信アンテナ16
a、16bと16c、16dが対称の位置にあり、受信
アンテナ16c、16dについてのレーダ信号の位相を
πだけずらす。なお、1つの受信アンテナにおけるレー
ダ信号がE0j(sinωt/λ)であれば、位相をπずらす
ことで、上式の中のsin(ωt/λ)→sin(ωt
/λ+π)=−sin(ωt/λ)となり位相が反転さ
れる。
【0053】そして、このような処理を行った後、ビー
ム形成を行い、φを変化させて合成信号の電力変化を求
めると図10に示すように、ターゲット方向ψにおいて
落ち込み(ヌル)が発生する。
【0054】従って、初期の構成において、このヌルが
所定の基準値以下になるようにすることで、各アンテナ
系における補正係数を求めることができる。なお、初期
の補正係数の決定は、別の方法を用いることもできる。
【0055】一方、時間経過とともにそれぞれのアンテ
ナ系の特性が徐々に変化すると、サブアレーの合成信号
により形成されるヌルが十分な落ち込みでなくなる。こ
れは、ビーム形成によるピークレベルの変化より一般的
に早期に現れる。そこで、設定した4つのサブアレーに
おけるヌルレベルを検出し、所定の基準値を満足しない
サブアレーを検出する。
【0056】いずれかの1つのアンテナ系の特性が初期
状態から変化した場合に、どのサブアレーにおいてヌル
レベルが基準値を超えるかは、サブアレーの設定によっ
て予め定まっている。図8の構成では、表2に示すよう
に、どのサブアレーにおけるヌルレベルが基準値を超え
たかにより、特性の変化した1つのアンテナ系を決定す
ることができる。
【0057】
【表2】 通常の場合、各受信系において、別々のタイミングで大
きく特性が変化し始める。そこで、上述の検出によっ
て、1つの受信系の特性が変化し始めた時点で、その受
信系を特定することができる。
【0058】そして、特性が変化した受信系について、
補正係数の振幅、位相を少し変化させた時のヌルレベル
の変化を求め、その変化に基づいてヌルレベルが向上す
る方向に補正係数を修正することができる。
【0059】さらに、図1や図7に示すような構成の送
信アンテナが複数あるホログラフィックレーダにおいて
も、同様にサブアレーを構成して好適な構成が行える。
【0060】例えば、図7に示すような送信アンテナ3
つ、受信アンテナ3つを順次切り換えてレーダ信号を得
る場合においても、同様の手法で、構成が行える。
【0061】例えば、表3に示す5つのサブアレーA
a、Ab、Ac、Ad、Aeを設定する。この場合、各
アンテナ系の特性が初期状態から変化すると、どのサブ
アレーにおいてヌルレベルが高くなるかは、表4に示す
ようになる。これにより、上述の場合と同様に、補正係
数を変更する必要があるアンテナ系を特定することがで
きる。そこで、同様にして補正係数を修正することが可
能になる。
【0062】
【表3】
【表4】
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、送信
アンテナおよび受信アンテナを複数設ける。そこで、1
つの送信アンテナと複数の受信アンテナを設けるのに比
べ、アンテナ本数を少なくできる。また、送信アンテナ
と受信アンテナを直交するように配列することで、受信
アンテナは一方向に配列するだけでよくなる。このた
め、他の方向においては、隣接する受信アンテナが存在
せず、従ってアンテナの開口を大きくとることができ、
アンテナの利得を高くして感度を高くすることができ
る。
【0064】また、複数の送信アンテナを前記受信アン
テナの切り換え周期の倍数の周期をもって順次切り換え
て電波を送信することにより、受信アンテナの切り換え
周期で変調された不要信号の周波数が送信アンテナ切り
換え周期で変調された不要信号に重なる。そこで、不要
信号をコムフィルタなどにより容易に除去することがで
きる。
【0065】さらに、サブアレー毎にヌルレベルを検出
し、どのサブアレーにおいて、十分な落ち込みが検出さ
れないかにより、特性の変化したアンテナ系を精度よく
検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係るホログラフィックレーダ装置
の構成を示す図である。
【図2】 アンテナ切り換えタイミングを示す図であ
る。
【図3】 実施形態に係るホログラフィックレーダ装置
の他の構成例を示す図である。
【図4】 実施形態に係るホログラフィックレーダ装置
のさらに他の構成例を示す図である。
【図5】 他のアンテナ切り換えタイミングを示す図で
ある。
【図6】 レーダ信号および不要信号の周波数特性を示
す図である。
【図7】 実施形態に係るホログラフィックレーダ装置
のさらに他の構成例を示す図である。
【図8】 実施形態に係るホログラフィックレーダ装置
のさらに他の構成例を示す図である。
【図9】 ビーム走査における相対電力を示す図であ
る。
【図10】 ビーム走査におけるヌルレベルを示す図で
ある。
【図11】 他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
10 送信機、12,18 高周波スイッチ、14a,
14b,14c 送信アンテナ、16a,16b,16
c 受信アンテナ、20 受信機、22 制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J070 AB17 AC02 AC06 AC13 AD03 AD05 AD16 AG03 AH19 AH33 AH34 AK04 AK21 BA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の送信アンテナを順次切り換えて送
    信した電波の反射波を複数の受信アンテナを順次切り換
    えて受信し、 送信アンテナおよび受信アンテナの各組で得られるレー
    ダ信号を時分割で得るホログラフィックレーダ装置にお
    いて、 送信アンテナの配列方向と受信アンテナの配列方向とが
    直交するように設定されていることを特徴とするホログ
    ラフィックレーダ装置。
  2. 【請求項2】 互いに直交する2軸方向にそれぞれ同一
    間隔に配置した複数の送信アンテナと、互いに直交する
    2軸方向のそれぞれ軸方向で同一間隔に配置した複数の
    受信アンテナを有し、 前記複数の送信アンテナを順次切り換えて送信した電波
    の反射波を前記受信アンテナを順次切り換えて受信し、 送信アンテナおよび受信アンテナの各組で得られるレー
    ダ信号を時分割で得るホログラフィックレーダ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の装置において、 送信アンテナの2つの軸方向におけるそれぞれの間隔を
    受信アンテナの対応する軸方向に受信アンテナの間隔と
    その軸方向の受信アンテナ数の積に等しく設定すること
    を特徴とするホログラフィックレーダ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の装
    置において、 送信アンテナおよび受信アンテナは同一平面に配置され
    ていることを特徴とするホログラフィックレーダ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の装
    置において、 送信アンテナおよび受信アンテナは互いに重なるように
    配置された別の平面にそれぞれ配置され、送信アンテナ
    と受信アンテナの偏波が互いに直交する方向に設定され
    ていることを特徴とするホログラフィックレーダ装置。
  6. 【請求項6】 複数の送信アンテナを順次切り換えて送
    信した電波の反射波を複数の受信アンテナを順次切り換
    えて受信し、送信アンテナおよび受信アンテナの各組で
    得られるレーダ信号を時分割で得るホログラフィックレ
    ーダ装置において、 前記複数の送信アンテナを前記受信アンテナの切り換え
    周期の倍数の周期をもって順次切り換えて電波を送信す
    ることを特徴とするホログラフィックレーダ装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の装置において、 前記受信アンテナの切り換え周期を、送信電波が最大検
    出距離の往復に要する時間の整数倍に設定することを特
    徴とするホログラフィックレーダ装置。
  8. 【請求項8】 複数の受信アンテナでレーダ信号を得る
    ホログラフィックレーダ装置において、 複数のアンテナの中から中心対称に位置する複数個を選
    んで、複数のサブアレーを構成し、そのサブアレーの中
    心に対してどちらか一方のアンテナで得られたレーダ信
    号の位相をπだけ回転させ、 さらに検出されている目標物の方向を中心とする所定の
    角度範囲内でサブアレーによって形成されるビームを走
    査するようにサブアレーの各信号に複素重みを乗じて合
    成信号を求め、 走査した角度範囲内での合成信号の落ち込みを各サブア
    レーについて求め、 その落ち込みがレベルを越えないサブアレーに基づい
    て、 予め設定されている振幅または位相の補正係数を変更す
    る必要があるアンテナを特定することを特徴とするホロ
    グラフィックレーダ装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の装置において、 前記レーダ信号は、複数の受信アンテナを順次切り換
    え、時分割で得られたものであるホログラフィックレー
    ダ装置。
  10. 【請求項10】 請求項7または8に記載の装置におい
    て、 特定された振幅または位相の補正係数を変更する必要が
    あるアンテナを含むサブアレーにおいて、補正係数の振
    幅、位相を変化させ、そのときの落ち込みレベルの変化
    に基づいて補正係数を修正することを特徴とするホログ
    ラフィックレーダ装置。
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