JP5093298B2 - 方位検出装置 - Google Patents
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Description
また、実機での応用を考えた場合、ビームの指向性が互いに異なる複数のアンテナの代わりに、アンテナ素子が同一平面に配置されるアレイアンテナを使用して、アレイアンテナを構成する各アンテナ素子に供給する送信信号の位相などを変化させることによって、送信ビームの向きを変化させる電子スキャン方式を用いることも考えられている。
しかし、これら位相制御器は、性能、コスト面で実現が困難であるという問題があった。
そして、分析手段が、信号取得手段にて取得した受信信号を用いて、選択チャンネル群を構成するチャンネル群毎に行う空間周波数分析である第1の空間周波数分析を実行すると共に、該第1の周波数分析の結果を用いて周波数ビン毎に行う空間周波数分析である第2の空間周波数分析(つまり、二次元的な周波数分析)を実行し、その分析結果に従って、方位算出手段が、探査波を反射した物標の方位を求める。
なお、受信側アンテナ素子の素子配列に沿った空間周波数分析では、受信側アンテナ素子の配置によって決まる特性で電波の到来方向の検出が行われ、送信側アンテナ素子の素子配列に沿った空間周波数分析では、送信側アンテナ素子の配置によって決まる特性で電波の到来方向の検出が行われる。
これらアンテナ素子を不等間隔に配置した場合は、アンテナ素子の組合せ毎に、位相差が360°だけ変化させるのに要する方位幅が異なったものとなるため、グレーティングローブの発生、ひいては折り返し現象の発生を抑制することができる。
この場合、アンテナに要するサイズが1/2になり、更なる構成の簡略化を実現することができる。
但し、この場合、送信側アンテナ素子の切替後も、しばらくの間は、切替前の送信側アンテナ素子から送信された探査波に基づく、反射波が受信側アンテナ素子で受信される可能性がある。
[第1実施形態]
<全体構成>
図1は、本発明が適用された車載用のレーダ装置1の概略的な構成を示すブロック図である。
送信アレイアンテナ2および受信アレイアンテナ5は、いずれも、車幅方向(水平方向)を配列軸として、この配列軸に沿ってアンテナ素子が配置される。
送信器3は、ミリ波帯の高周波信号を発生させ、変調信号MDの信号レベルに応じて発振周波数が変化する高周波発振器31と、高周波発振器31の出力を送信信号STとローカル信号Lとに電力分配する分配器32と、信号処理部8からの選択信号SEに従って、送信側アンテナ素子AT1 〜ATM のいずれかに送信信号STを供給する選択器33とを備えている。
受信器6は、受信側アンテナ素子AR1 〜ARN からの受信信号SR1 〜SRN のそれぞれにローカル信号Lを混合し、これらの信号の差の周波数成分であるビート信号B1 〜BN を生成する高周波用ミキサMX1 〜MXN 、および生成されたビート信号B1 〜BN のそれぞれを増幅する増幅器AMP1 〜AMPN からなる。
<信号処理部以外の動作>
このように構成されたレーダ装置1では、選択信号SEによって選択されたいずれか一つの送信側アンテナ素子ATm からレーダ波が送信され、その反射波が各受信側アンテナ素子AR1 〜ARN によって受信される。また、レーダ装置1では、各アンテナ素子AR1 〜ARN から出力されるN個の受信信号SR1 〜SRN に基づいて、送信側のアンテナ素子をATm に固定した送信側固定チャンネル群CHm1〜CHmNについてのデジタルデータDm1〜DmNが得られる。
次に、信号処理部8は、CPU,ROM,RAM等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、AD変換部7からデータを入力する入力ポートや高速フーリエ変換(FFT)処理を実行するためのデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等を備えている。
次に、本発明の主要部に関わる方位検出処理を、図4に示すフローチャートに沿って説明する。
本処理が起動すると、まず、S110では、送信側アンテナ素子ATを指定するパラメータmを1に初期化し、S120では、一定レベルの変調信号MDが出力されるような変調指令CMをDA変換器4に出力することで、連続波(CW)となる送信信号の生成を開始する。
S210では、S200にて得られた受信強度分布から、物標が存在する方位(受信強度が予め設定された閾値以上の方位)を抽出して、本処理を終了する。
以上説明したように、レーダ装置1では、M個の送信側アンテナ素子AT1 〜ATM からなる送信アレイアンテナ2、およびN個の受信側アンテナ素子AR1 〜ARN からなる受信アレイアンテナ5を用い、送信側アンテナ素子ATm と受信側アンテナ素子ARn とを組合せた全てのチャンネルCH11〜CHMNについてデジタルデータD11〜DMNを取得している。更に、そのデジタルデータD11〜DMNに対して、送信側アンテナ素子の配列方向、及び受信側アンテナ素子の配列方向について二次元的に空間周波数分析(ビームフォーミング)を行うことで、受信強度分布を生成し、その受信強度分布からレーダ波を反射した物標が存在する方位を求めるようにされている。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
<構成>
図8に示すように、レーダ装置10は、送信アレイアンテナ2および受信アレイアンテナ5の代わりに、一列に配置されたM個(本実施形態ではM=4)のアンテナ素子A1 〜AM からなる送受信共用のアレイアンテナ12を備えている。
このように構成されたレーダ装置10では、レーダ装置1と比較して、アンテナに要するサイズが1/2になり、更なる構成の簡略化を実現することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実施することが可能である。
上記実施形態では、空間周波数分析にビームフォーマを用いているが、MUSIC(Multiple Signal Classification)法等の高分解能処理を用いてもよい。
上記実施形態では、受信側アンテナ素子を固定した受信側固定チャンネル群毎に、1回目の空間周波数分析を行った後、その結果を用いて、周波数ビン毎の2回目の空間周波数分析を行っているが、送信側アンテナ素子を固定した送信側固定チャンネル群毎に1回目の空間周波数分析を行った後、その結果を用いて、周波数ビン毎の2回目の空間周波数分析を行ってもよい。
Claims (10)
- 予め設定された配列軸に沿って配置されたM個(Mは2以上の自然数)の送信側アンテナ素子からなる送信アレイアンテナおよび前記配列軸に沿って配置されたN個(Nは2以上の自然数)の受信側アンテナ素子からなる受信アレイアンテナを備え、前記送信側アンテナ素子と前記受信側アンテナ素子との任意の組合せをチャンネルとして、該チャンネルを使用して探査波を送受信することにより、前記チャンネル毎に受信信号を取得する信号取得手段と、
前記送信側アンテナ素子が同じであるN個のチャンネルからなるM個のチャンネル群を送信側固定チャンネル群、前記受信側アンテナ素子が同じであるM個のチャンネルからなるN個のチャンネル群を受信側固定チャンネル群、前記送信側固定チャンネル群及び前記受信側固定チャンネル群のうちいずれか一方を選択チャンネル群として、前記信号取得手段にて取得した受信信号を用いて、前記選択チャンネル群を構成するチャンネル群毎に行う空間周波数分析である第1の空間周波数分析を実行すると共に、該第1の周波数分析の結果を用いて周波数ビン毎に行う空間周波数分析である第2の空間周波数分析を実行する分析手段と、
前記分析手段の分析結果に従って、前記探査波を反射した物標の方位を求める方位算出手段と、
を備えることを特徴とする方位検出装置。 - 前記複数の送信側アンテナ素子および前記複数の受信側アンテナ素子は、それぞれ等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の方位検出装置。
- 当該装置にて方位の検出を可能とする方位幅を検出範囲とし、
前記送信アレイアンテナのメインローブとグレーティングローブとの方位差が、前記検出範囲以上となるように、前記送信アレイアンテナを構成するアンテナ素子の配置間隔および前記受信アレイアンテナを構成するアンテナ素子の配置間隔が設定されていることを特徴とする請求項2に記載の方位検出装置。 - 前記検出範囲は、前記受信アレイアンテナを構成する隣接したアンテナ素子から得られる受信信号の位相差が360°だけ変化する方位幅である単位方位幅の整数倍に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の方位検出装置。
- 前記検出範囲は、前記受信アレイアンテナを構成する隣接したアンテナ素子から得られる受信信号の位相差が360°だけ変化する方位幅より狭く設定されていることを特徴とする請求項3に記載の方位検出装置。
- 前記複数の送信側アンテナ素子および前記複数の受信側アンテナ素子は、不等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の方位検出装置。
- 前記送信アレイアンテナと前記受信アレイアンテナとは単一のアレイアンテナによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の方位検出装置。
- 前記信号取得手段は、前記複数の送信側アンテナ素子を、時分割で動作させることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の方位検出装置。
- 前記信号取得手段は、前記送信側アンテナ素子の切替を伴う前記チャンネルの切替を行った場合、予め設定された最大検出距離を前記探査波が往復するのに要する時間より長く設定された待機時間だけ待機した後、切替後の前記チャンネルについての前記受信信号の取得を開始することを特徴とする請求項8に記載の方位検出装置。
- 前記分析手段が実行する空間周波数分析は、ビームフォーマ又は高分解能処理であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の方位検出装置。
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