JP6133569B2 - Mimoレーダシステム、及び信号処理装置 - Google Patents
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(2)また、本発明の一態様に係るMIMOレーダシステムにおいて、前記信号処理装置は、前記構成した仮想アレイにおいて、同じ位置に配置される前記仮想アンテナがある場合、同じ位置に配置される前記仮想アレイに対して重み付けを行った後、前記同じ位置に配置される複数の前記仮想アンテナによる前記受信信号を走査角度毎に統合するようにしてもよい。
(3)また、本発明の一態様に係るMIMOレーダシステムにおいて、前記隣り合う前記送信装置の前記送信アンテナに対応するそれぞれの仮想アンテナ群の間隔は、前記仮想アンテナを構成する素子のうち隣接する素子の間隔以内であることを特徴としている。
(4)また、本発明の一態様に係るMIMOレーダシステムにおいて、前記送信アンテナの間隔は、前記複数の受信装置の受信アンテナのうち隣り合う受信アンテナの間隔の整数倍であることを特徴としている。
(5)上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る信号処理装置は、目標の走査角度に対応する方向に指向性ビームを形成するMIMOレーダシステムであり、送信アンテナを有する複数の送信装置と、受信アンテナを備える複数の受信装置と、前記送信アンテナ間の間隔及び前記受信アンテナ間の間隔に基づいて複数の仮想アンテナによる仮想アレイを構成し、前記複数の受信装置により受信された受信信号を処理する信号処理装置とを有し、隣り合う前記送信装置の全ての組み合わせにおいて前記送信アンテナ間の間隔が、全て異なるように配置され、隣り合う前記複数の受信装置の受信アンテナ間の間隔は、全て等間隔で配置され、前記送信アンテナの最大素子間隔は、前記複数の受信アンテナのうち最も距離が離れた受信アンテナ間の距離に基づくアレイ長以下であるMIMOレーダシステムにおける信号処理装置であって、前記信号処理装置は、前記構成した仮想アレイにおいて、同じ位置に配置される前記仮想アンテナがある場合、前記同じ位置に配置される複数の前記仮想アンテナによる前記受信信号を走査角度毎に統合することを特徴としている。
図1は、MIMOレーダシステム1の機能構成を示すブロック図である。図1に示すMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)レーダシステム1は、n個の送信装置10−1〜10−n(nは1以上の整数)、m個の受信装置20−1〜20−m(mは1以上の整数)、及び信号処理装置30を備える。
送信装置10−i(iは1〜n)は、各々、送信アンテナ11−i(iは1〜n)を備える。送信装置10−i(iは1〜n)は、各々、送信アンテナ11−i(iは1〜n)から、送信信号s1−i(iは1〜n)を送信する。受信装置20−j(jは1〜m)は、各々、受信アンテナ21−j(jは1〜m)を備える。
受信装置20−j(jは1〜m)は、各々、対象物40に送信信号s1−i(iは1〜n)が反射、散乱、または回折(以下、これら全てを含めて反射という)した信号である受信信号s2−j(jは1〜m)を、受信アンテナ21−j(jは1〜m)を介して受信する。各受信装置20−j(jは1〜m)は、受信した受信信号を信号処理装置30に出力する。
対象物40は、MIMOレーダシステム1が測定する対象物である。
図2に示すように、送信アンテナ11−1と11−2とは、間隔が2dで配置され、送信アンテナ11−2と11−3とは、間隔がdで配置され、送信アンテナ11−3と11−4とは、間隔が3dで配置されている。
このように、本発明では、隣り合う送信アンテナ11−1と11−2間の間隔2dと、隣り合う送信アンテナ11−2と11−3間の間隔dと、隣り合う送信アンテナ11−3と11−4間の間隔3dとが全て異なっている。すなわち、本発明では、各送信装置10−i(iは1〜n)の隣り合う送信アンテナ11−i(iは1〜n)間の間隔が、全て異なるように配置される。
なお、送信アンテナが5本以上配置されている場合、隣り合う送信アンテナ11−i(iは1〜n)間の間隔が、全て異なるように配置されるようにしてもよい。
また、図2に示すように、受信アンテナ21−1と21−2とは、間隔dで配置され、受信アンテナ21−2と21−3とは、間隔dで配置されている。すなわち、隣り合う受信アンテナ21−1〜21−3が、全て同じ間隔で配置されている。
受信アンテナ21−1は、送信アンテナ11−1が送信した送信信号s1−1、送信アンテナ11−2が送信した送信信号s1−2、送信アンテナ11−3送信した送信信号s1−3、及び送信アンテナ11−4が送信した送信信号s1−4が、各々、対象物40に反射した信号を受信信号s2−1として受信する。受信アンテナ21−2は、送信信号s1−1、送信信号s1−2、送信信号s1−3、及び送信信号s1−4が、各々、対象物40に反射した信号を受信信号s2−2として受信する。受信アンテナ21−3は、送信信号s1−1、送信信号s1−2、送信信号s1−3、及び送信信号s1−4が、各々、対象物40に反射した信号を受信信号s2−3として受信する。
具体的には、仮想アンテナ201−1は、受信アンテナ21−1により送信信号s1−1が対象物40に反射した信号を受信したアンテナを表している。仮想アンテナ201−2は、受信アンテナ21−2により送信信号s1−1が対象物40に反射した信号を受信したアンテナを表している。仮想アンテナ201−3は、受信アンテナ21−3により送信信号s1−1が対象物40に反射した信号を受信したアンテナを表している。
同様に、仮想アンテナ202−1は、受信アンテナ21−1により送信信号s1−2が対象物40に反射した信号を受信したアンテナを表している。仮想アンテナ202−2は、受信アンテナ21−2により送信信号s1−2が対象物40に反射した信号を受信したアンテナを表している。仮想アンテナ202−3は、受信アンテナ21−3により送信信号s1−2が対象物40に反射した信号を受信したアンテナを表している。
同様に、仮想アンテナ203−1は、受信アンテナ21−1により送信信号s1−3が対象物40に反射した信号を受信したアンテナを表している。仮想アンテナ203−2は、受信アンテナ21−2により送信信号s1−3が対象物40に反射した信号を受信したアンテナを表している。仮想アンテナ203−3は、受信アンテナ21−3により送信信号s1−3が対象物40に反射した信号を受信したアンテナを表している。
同様に、仮想アンテナ204−1は、受信アンテナ21−1により送信信号s1−4が対象物40に反射した信号を受信したアンテナを表している。仮想アンテナ203−2は、受信アンテナ21−2により送信信号s1−4が対象物40に反射した信号を受信したアンテナを表している。仮想アンテナ203−3は、受信アンテナ21−3により送信信号s1−4が対象物40に反射した信号を受信したアンテナを表している。
この結果、破線211で囲んだように、仮想アレイにおいて仮想アンテナ201−3と、仮想アンテナ202−1とが、同一の位置である。また、破線212で囲んだように、仮想アレイにおいて仮想アンテナ202−2と、仮想アンテナ203−1とが、同一の位置である。さらに、破線213で囲んだように、仮想アレイにおいて仮想アンテナ202−3と、仮想アンテナ203−2とが、同一の位置である。
本発明では、信号処理装置30は、このような同一の位置に対応する複数の信号を統合する。統合は、例えばベクトル平均を算出することで行う。
ここで、最大素子間隔とは、図2に示した例では、送信アンテナ11−3と11−4との間隔であり3(×d)である。複数の受信アンテナ21−j(jは1〜m)により構成されるアレイ長とは、図2に示した例では、受信アンテナ21−1〜21−3により構成されるアレイの長さであり3である。このアレイ長より送信アンテナ11−i(iは1〜n)との最大素子間隔が長い場合、例えば、仮想アンテナ群203と仮想アンテナ群204との間隔がdより長くなり、仮想アンテナ群間に隙間ができる。このため、本実施形態では、図2に示すように、送信アンテナ11−i(iは1〜n)との最大素子間隔は、複数の受信アンテナ21−j(jは1〜m)により構成されるアレイ長以下に構成する。
信号処理装置30は、送信アンテナ11−i(iは1〜n)×受信アンテナ21−j(jは1〜m)に対応する仮想アンテナ分のデータを生成する。
次に、信号処理装置30は、図2に示したように同じ位置に重複する仮想アンテナが存在する場合(例えば、仮想アンテナ201−3と202−1)、重複している仮想アンテナのデータに対してベクトル平均処理を行う。信号処理装置30は、重複している仮想アンテナを1つのアンテナと見なし、このアンテナに対して平均処理したデータをアンテナデータとして割り当てる。このように、重複したアンテナを1つのアンテナとしてみなした場合、図2に示した仮想アレイは9素子の仮想アンテナで構成され、この9素子の仮想アンテナには、各々、信号処理装置30が平均処理したアンテナデータが割り当てられる。
次に、信号処理装置30は、仮想アレイの各仮想アンテナに対応する正面方向のアンテナデータに対して、振幅データ及び位相データを揃えるように各方位角度での振幅データ及び位相データを調整することで重み付けを行う。
あるいは、信号処理装置30は、仮想アレイの各アンテナデータの振幅データ及び位相データに対して、テイラー分布を有する重み付けを行う。この重み付けにより、信号処理装置30は、所望の指向性を得る。
MIMOレーダシステム1の設計者は、例えば、まず送信アンテナの中から任意の2素子の送信アンテナ11−2と11−3とを選択し(手順1)、選択した送信アンテナ11−2と11−3間の間隔をdに決定する(手順2)。次に、設計者は、送信アンテナ11−2及び11−3以外の送信アンテナとして、送信アンテナ11−1を選択する(手順3)。次に、設計者は、手順1で選択した一方の送信アンテナ11−2と、手順3で選択した送信アンテナ11−1との間隔を2dに決定する(手順4)。次に、設計者は、手順1〜手順3で選択した以外の送信アンテナとして、送信アンテナ11−4を選択する(手順5)。次に、設計者は、手順1で選択した他方の送信アンテナ11−3と、手順5で選択した送信アンテナ11−4との間隔を3dに決定する(手順6)。以下同様に、MIMOレーダシステム1の設計者は、各送信アンテナ間の間隔が、互いに異なるように配置を決定していく(手順7)。なお、このような送信アンテナの選択と、送信アンテナ間の決定は、例えば、信号処理装置30が備える不図示の演算部が行うようにしてもよい。
なお、上記では、送信アンテナ間の間隔を、順次、d、2d、3d・・と決定する例を説明したが、間隔を決定する順番はこれに限られない。例えば、2d、d、3d・・・等であってもよく、ランダムであってもよい。
また、上述した例では、送信アンテナ11−i(iは1〜n)のうち、中心に配置されるアンテナを基準にして、アンテナ間隔を決定する例を説明したが、これに限られない。例えば、紙面の左端に配置されている送信アンテナ11−1、または右端に配置されている送信アンテナ11−4を基準に、他の送信アンテナ11−i(iは1〜n)の間隔を決定するようにしてもよい。
この構成により、本発明に係るMIMOレーダシステムは、隣り合う送信アンテナを全て等間隔に配置するより不等間隔に配置したのでサイドローブの信号レベルを低減でき、受信信号のCN比を向上することができる。
図3に示すように、送信アンテナ11−1と送信アンテナ11−2とは、間隔が3dで配置され、送信アンテナ11−2と送信アンテナ11−3とは、間隔が3dで配置されている。このため、仮想アレイは、各仮想アンテナ群201a〜203a同士の間隔が3dずつ離れているため、全ての仮想アンテナ(201a−1〜201a−3、202a−1〜202a−3、203a−1〜203a−3)は、全て異なる位置に配置される。
図4は、送信アンテナ11−i(iは1〜n)が3素子(n=3)、受信アンテナ21−j(jは1〜m)が3素子(m=3)の場合の送信アンテナの指向性の一例である。図5は、送信アンテナ11−i(iは1〜n)が3素子、受信アンテナ21−j(jは1〜m)が3素子の場合の受信アンテナの指向性の一例である。図4及び図5において、横軸は角度を表し、縦軸は信号レベルを表している。図4において、3つの信号のピークのうち角度0[度]のピークS1は、送信アンテナ11−1〜11−3によるメインローブであり、その両側に現れているピークS2及びS3は、グレーティングローブである。このグレーティングローブの大きさ及び位置は、送信アンテナ11−1〜11−3の間隔による。なお、グレーティングローブとは、アンテナの素子間隔等の条件によって発生する不要な信号のピークである。このような、グレーティングローブは、メインビーム方向以外の方向から見て位相が完全に揃う角度で発生する。図4に示した例では、メインローブS1の信号レベルのピーク値で正規化した場合、グレーティングローブS2及びS3のピークレベルは、約0[dB]である。
図5に示した例の受信アンテナは、約−30度〜+30度の範囲が、受信感度が高いことを示している。図5に示した例では、メインローブの信号レベルのピーク値で正規化した場合、メインローブの両側のグレーティングローブのピークレベルは、約−10[dB]である。
図6において、波形301は、送信アンテナおよび受信アンテナが理想的な特性の場合における角度対信号レベルの指向性である。波形302は、隣り合う送信アンテナが全て等間隔の場合(図3参照)における角度対信号レベルの特性である。波形303は、隣り合う送信アンテナが全て異なる間隔の場合(図2参照)における角度対信号レベルの特性である。
波形302と波形303との差異は、サイドローブの信号レベルである。メインローブの信号レベルのピーク値で正規化した場合、例えば、約−45度において、サイドローブの信号レベルは、波形302に対して波形303の方が約10[dB]抑えられている。また、メインローブの信号レベルのピーク値で正規化した場合、約+60度において、サイドローブの信号レベルは、波形302に対して波形303の方が約15[dB]抑えられている。
図7に示すように、走査角度45度の場合も、走査角度0度の場合と同様に、メインローブの信号レベルのピーク値で正規化した場合、サイドローブの信号レベルは、波形312に対して波形313の方が約10[dB]抑えられている。
このように、隣り合う送信アンテナを全て等間隔に配置するより、全て異なる間隔に配置した方が、サイドローブの信号レベルを低減できる理由は、隣り合う送信アンテナを全て異なる間隔に配置したことで、周期ローブを分散することができるからである。なお、周期ローブとは、メインローブの左右に周期的に発生するローブである。
例えば、各実施形態における図1に示した機能のうち、機能の全て、もしくは機能の一部を、図示しないCPU(中央演算装置)に接続されたROM(Read Only Memory)等に保存されているプログラムにより実行することも可能である。
Claims (5)
- 目標の走査角度に対応する方向に指向性ビームを形成するMIMOレーダシステムであって、
送信アンテナを有する複数の送信装置と、
受信アンテナを備える複数の受信装置と、
前記送信アンテナ間の間隔及び前記受信アンテナ間の間隔に基づいて複数の仮想アンテナによる仮想アレイを構成し、前記複数の受信装置により受信された受信信号を処理する信号処理装置
と、
を備え、
隣り合う前記送信装置の全ての組み合わせにおいて前記送信アンテナ間の間隔が、全て異なるように配置され、
隣り合う前記複数の受信装置の受信アンテナ間の間隔は、全て等間隔で配置され、
前記送信アンテナの最大素子間隔は、前記複数の受信アンテナにより構成されるアレイ長以下であり、
前記信号処理装置は、
前記構成した仮想アレイにおいて、同じ位置に配置される前記仮想アンテナがある場合、前記同じ位置に配置される複数の前記仮想アンテナによる前記受信信号を走査角度毎に統合する
ことを特徴とするMIMOレーダシステム。 - 前記信号処理装置は、
前記構成した仮想アレイにおいて、同じ位置に配置される前記仮想アンテナがある場合、
同じ位置に配置される前記仮想アレイに対して重み付けを行った後、前記同じ位置に配置される複数の前記仮想アンテナによる前記受信信号を走査角度毎に統合する
ことを特徴とする請求項1に記載のMIMOレーダシステム。 - 前記隣り合う前記送信装置の前記送信アンテナに対応するそれぞれの仮想アンテナ群の間隔は、前記仮想アンテナを構成する素子のうち隣接する素子の間隔以内である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のMIMOレーダシステム。 - 前記送信アンテナの間隔は、前記複数の受信装置の受信アンテナのうち隣り合う受信アンテナの間隔の整数倍である
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載のMIMOレーダシステム。 - 目標の走査角度に対応する方向に指向性ビームを形成するMIMOレーダシステムであり、
送信アンテナを有する複数の送信装置と、受信アンテナを備える複数の受信装置と、前記送信アンテナ間の間隔及び前記受信アンテナ間の間隔に基づいて複数の仮想アンテナによる仮想アレイを構成し、前記複数の受信装置により受信された受信信号を処理する信号処理装置とを有し、
隣り合う前記送信装置の全ての組み合わせにおいて前記送信アンテナ間の間隔が、全て異なるように配置され、
隣り合う前記複数の受信装置の受信アンテナ間の間隔は、全て等間隔で配置され、
前記送信アンテナの最大素子間隔は、前記複数の受信アンテナのうち最も距離が離れた受信アンテナ間の距離に基づくアレイ長以下である
MIMOレーダシステムにおける信号処理装置であって、
前記信号処理装置は、
前記構成した仮想アレイにおいて、同じ位置に配置される前記仮想アンテナがある場合、前記同じ位置に配置される複数の前記仮想アンテナによる前記受信信号を走査角度毎に統合する
ことを特徴とする信号処理装置。
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