JP7006490B2 - レーダ装置 - Google Patents

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この発明は、複数の送信アンテナから目標を探査する領域に送信電波を送信し、探査する領域内の目標物から反射した反射電波を複数の受信アンテナにより受信し、受信した電波をもとに目標物を探知するレーダ装置に関する。
レーダ装置は、目標物に向けて送信電波を送信し、送信電波が目標物から反射した反射電波を受信し分析することにより目標物を探知し、探知した目標物の位置の特定をする。レーダ装置により、微小な目標の探知や、目標物の位置の正確な特定を行なおうとすると、送信電波の送信及び反射電波の受信に、電力を集中させた細いビームを生成し、その細いビームを目標物に指向させることが必要になる。細いビームを生成する為には、電波の送信、受信に使用するアンテナを大型化させる必要がある。しかし、アンテナの大型化には限界が有る。このため、微小な目標の探知や、目標物の位置の正確な特定に関する性能向上は、アンテナの大型化の限界により制限されている。
そこで、送信アンテナや受信アンテナを大型化させずに微小な目標の探知や、目標物の位置の正確な特定を行なうため、送信アンテナや受信アンテナを、設置位置を広範囲に分散させた複数の分散アンテナにより構成する技術として、MIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)が知られている。この技術では、例えば、分散させて配置した複数の送信アンテナから、互いに直交する送信信号を送信し、目標からの反射信号を、分散させて配置した複数の受信アンテナで受信する。複数の受信アンテナのそれぞれの受信信号と各送信信号との相関計算を行なうことにより、それぞれの受信信号から、各送信信号由来の成分を分離し、分離した成分を基に信号処理により送信ビームや受信ビームを合成して、この送信ビームと受信ビームにより目標の探知を行なう。この様にして、アンテナの分散配置に該当する細い送信ビームや受信ビームを合成し、分散配置させたアンテナの範囲に該当する広大なアンテナを使用した場合と同様の効果を得る(たとえば、特許文献1参照)。
ところで、このような複数の送信アンテナまたは複数の受信アンテナを用いて構成されるレーダ装置においては、それら複数の送信アンテナまたは受信アンテナの間隔、およびそれらのアンテナが送受信する電波波長に依存してグレーティングローブなどの不要ローブが発生する。このようなメインローブ以外の不要ローブは、レーダ装置が探知目標からの反射波の到来方向を誤って検出する原因となる。
このような不要ローブの抑圧方法として、特許文献2に記載のレーダ装置においては、各送信アンテナが送信する電波の位相を調整し、それら複数の送信アンテナにより形成されるビームパターンのヌル点の角度を、受信アンテナ側のビームパターンに生じるグレーティングローブの角度に一致させることにより、位相調整でグレーティングローブを抑圧している。
また、送受信ビーム形成時にサイドローブが低減するように設定したウェイトをかけることで、サイドローブが低減された送受信合成ビームを得るレーダ装置もある。(例えば、特許文献3を参照)
特開2012-194043号公報(図1) 特開2003-110335号公報(図1) 特開2006-90432号公報
しかしながら、上記のようなMIMOのレーダ装置、即ち、複数の送信アンテナから互いに直交する送信信号を送信し、受信側でそれぞれの送信信号との相関計算を行なうことにより、受信信号から、各送信信号由来の成分を分離するレーダ装置の構成においては、特許文献2に記載されるような位相調整の手段を設けない、もしくは位相調整が難しいなど、グレーティングローブなどの不要ローブを抑圧することは困難であった。
また、特許文献3に記載のレーダ装置は、送受信ビーム形成時にMIMOビーム全体において、あらかじめ用意された所定のウェイトをかけているので、不要ローブが発生する角度に対して不要ローブが抑圧されるように合成するものではない。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、複数の送信アンテナから互いに直交する送信信号を送信し、複数の受信アンテナのそれぞれの受信信号から、各送信信号由来の成分を分離するレーダ装置の構成において、グレーティングローブなどの不要ローブによる誤検出を簡単な構成で抑圧し得るレーダ装置を得ることを目的とする。
この発明に係るレーダ装置は、互いに異なる直交信号により変調された送信電波をそれぞれ送信する複数の送信アンテナと、複数の送信アンテナが送信した送信電波が目標探査領域に存在する目標物から反射した反射電波を受信する複数の受信アンテナと、複数の受信アンテナのそれぞれが受信した反射電波から、複数の受信アンテナのそれぞれの受信信号を復調する受信部と、複数の受信アンテナのそれぞれの受信信号について、受信信号と複数の送信アンテナのそれぞれが変調に用いた直交信号との相関計算を行ない、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナの互いに異なる複数の組み合わせのそれぞれに対応する送信信号分離成分を算出する信号分離処理部と、信号分離処理部が算出する複数の送信信号分離成分に対して送受信ビーム形成用係数を乗算することで送信ビームおよび受信ビームを形成し、それら送信ビームおよび受信ビームを合成した合成ビームを算出するビーム合成処理部と、ビーム合成処理部が算出する合成ビームに基づき、目標物を検出する目標検出処理部と、ビーム合成処理部が乗算に用いる送受信ビーム形成用係数として、送信ビームと受信ビームを互いに直交させる送受信ビーム形成用係数を、ビーム合成処理部に対して出力する不要ローブ制御部とを備える。
本発明によれば、複数の送信アンテナから互いに直交する送信信号を送信し、受信信号から、各送信信号由来の成分を分離する構成のレーダ装置において、送信ビームと受信ビームが互いに直交するようにそれらを合成するビーム合成処理部を有するので、簡易な構成で不要ローブによる誤検出を抑制することが可能である。
この発明の実施の形態に係るレーダ装置の構成例を示すブロック図である。
図1は、本発明の実施の形態に係るレーダ装置の構成例を表すブロック図である。図1において、レーダ装置は、送受信制御装置1、分散して配置された複数の送信ユニット2-1~2-M、分散して配置された複数の受信ユニット3-1~3-N、ビーム合成処理部4、目標検出処理部5を備える。送信ユニットの数Mおよび受信ユニットの数Nは、2以上の自然数である。MとNは、それぞれ同じである必要は無く、独立に決めて良い。
送受信制御装置1は、互いに直交する複数の直交信号s(m=1~M)を予め記憶し、送信ユニット2-1~2-Mのそれぞれに互いに異なる直交信号sを指示する。複数の送信ユニット2-1~2-Mのそれぞれが、それぞれの直交信号sを予め記憶してもよい。それら各送信ユニット2-m(m=1~M)に指示された直交信号sは、後述する信号処理部33―n(n=1~N)にも通知される。複数の送信ユニット2-1~2-Mのそれぞれは、送受信制御装置1から指示された直交信号sを用いて変調を行った送信電波Sを、探査領域6に送信する。
複数の受信ユニット3-1~3-Nのそれぞれは、複数の送信ユニット2-1~2-Mのそれぞれが送信した送信電波Sが、探査領域6に存在する目標物7から反射した反射波Rn(n=1~N)を受信する。複数の受信ユニット3-1~3-Nのそれぞれは、受信した反射波Rnからそれぞれの受信信号rを復調し、その受信信号をもとに、複数の送信ユニット2-1~2-Mからそれぞれの受信ユニット3-nまで伝搬する送信信号分離成分yn,1~yn,Mを算出する。
ビーム合成処理部4は、探査領域6を分割した複数の分割探査領域8毎に、複数の受信ユニット3-1~3-Nが算出した、複数の送信ユニット2-1~2-Mと複数の受信ユニット3-1~3-Nの全ての組み合わせについての送信信号分離成分y1,1~yN,Mを基に、合成ビームを算出する。目標検出処理部5は、分割探査領域8毎の合成ビームの振幅と所定の基準に基づき目標物7を検出する。
送信ユニット2-1は、送信信号生成部21-1、送信部22-1、および送信アンテナ23-1を有する。この構成は、全ての送信ユニット2-m(m=1~M)において共通であり、送信ユニット2-mは送信信号生成部21-m、送信部22-m、および送信アンテナ23-mを有する。送信アンテナ23-mは、複数の素子アンテナより構成されるアレーアンテナであってもよい。送信信号生成部21-m、送信部22-m、および送信アンテナ23-mは、全ての送信ユニット2-1~2―Mにおいて、同等の機能を実現する。
送信信号生成部21-mは、送受信制御装置1がその送信ユニット2-mに指示した直交信号sを生成する。送信部22-mは、送信信号生成部21-mが生成した直交信号sで変調した送信電波を生成する。送信アンテナ23-mは、送信部22-mが生成した送信電波を探査領域6に送信する。
受信ユニット3-1は、受信アンテナ31-1、受信部32-1、信号分離処理部33-1を有する。この構成は、全ての受信ユニット3-n(n=1~N)に共通であり、受信ユニット3-nは、受信アンテナ31-n、受信部32-n、信号分離処理部33-nを有する。受信アンテナ31-nは、複数の素子アンテナより構成されるアレーアンテナであってもよい。受信アンテナ31-n、受信部32-n、および信号分離処理部33-nは、全ての受信ユニット3-1~3―Nにおいて、同等の機能を実現する。
ここでは、受信部32が受信ユニット3-nごとの受信部32-nを有するが、1つの受信部32がこれら複数の受信部32-1~32~Nの機能を有してもよい。同様に、1つの信号分離処理部33が複数の信号分離処理部33-1~33―Nの機能を有してもよい。
受信アンテナ31-nは、探査領域6に存在する目標物7からの反射電波Rnを受信する。受信部32-nは、受信アンテナ31-nが受信した反射電波Rnから受信信号rを復調する。信号分離処理部33-nは、送受信制御装置1が全ての送信ユニット2-1~2-Mのそれぞれに指示した直交信号s~sと、受信部32-1が復調した受信信号rとの相関計算を行ない、受信信号rに含まれる直交信号s~sのそれぞれの成分である送信信号分離成分yn,1~yn,mを算出し、その送信信号分離成分yn,1~yn,mを、直交信号s~sの順に並べた送信信号分離ベクトルy(n=1~N)を算出する。各受信ユニット3-n(n=1~N)のそれぞれにおいて同様の算出が行われる。
次に、動作の詳細について説明する。送受信制御装置1は、互いに直交する複数の直交信号s(m=1~M)を選択し、複数の送信ユニット2-m(m=1~M)のそれぞれに、互いに異なる直交信号sを指示する。また、送受信制御装置1は、全ての送信ユニット2-m(m=1~M)のそれぞれに指示した直交信号s(m=1~M)を、全ての受信ユニット3-n(n=1~N)に通知する。具体的には、送受信制御装置1は、全ての送信ユニット2-m(m=1~M)のそれぞれの識別記号に、各送信ユニット2-mに指示した直交信号sを対応づけたテーブルを作成し、そのテーブルを全ての受信ユニット3-n(n=1~N)のそれぞれに通知する。
送受信制御装置1が選択する直交信号s~sは、2値または多値の直交符号を信号としたもの、直交関数系をアナログ信号とした信号、同一の信号に時間差をつけた信号や、異なる周波数の信号、これ等の2つ以上を組み合わせた信号など、何れでもよい。
送受信制御装置1が選択する直交信号s~sは、互いの相関が0になるのが理想であるが、レーダ装置の送信信号は有限の時間によるものでなければならないため、互いの相関が0となる信号の一部を有限時間で切り出した擬似的な直交信号を使用してもよい。擬似的な直交信号の場合は、式(1)の様に、自己相関の値は、規格化された値sとなり、相互相関の値は、自己相関に比べて小さな、0に近い値s・ρi,jとなる。なお、式(1)中の*は、複素共役を表す。
Figure 0007006490000001
送信ユニット2-m(m=1~M)のそれぞれにおいて、送信信号生成部21-mは、送受信制御装置1から指示された直交信号sを送信信号として生成する。送信部22-mは、送信信号である直交信号sにより搬送波を変調、増幅して送信電波Sを生成する。送信アンテナ23-mは、送信電波Sを空中に送信する。
送信アンテナ23-m(m=1~M)のそれぞれは、互いに同じ周波数で各々の送信電波S(m=1~M)を送信する。送信アンテナ23-m(m=1~M)のそれぞれが送信した送信電波S~Sは、レーダ装置が目標物を探査する範囲としている探査領域6にある目標物7まで伝搬し、反射する。送信アンテナ23-mから、目標物7までの距離をDt,mとすると、送信電波Sは、距離Dt,mを伝搬する間に、その位相が2πDt,m/λ(λは、送信電波の波長)遅れる。このため、送信アンテナ23-mから目標物7に届く電波qは、式(2)の様に表される。
Figure 0007006490000002
目標物7には、全ての送信ユニット2-1~2-Mから送信電波が届く。このため、全ての送信ユニット2-1~2-Mから目標物7に届く電波Qは、式(3)の様に表される。
Figure 0007006490000003
目標物7の反射断面積をσとすると、目標物7からの反射波は、式(4)の通りとなる。
Figure 0007006490000004
目標物7からそれぞれの受信ユニット3-n(n=1~N)の受信アンテナ31-nまでの距離をDr,nとすると、送信電波は、距離Dr,nを伝搬する間に、その位相が2πDr,n/λ(λは、送信電波の波長)遅れる。このため、目標物7から受信アンテナ31-n(n=1~N)のそれぞれに届く反射電波Rは、式(5)の様に表される。
Figure 0007006490000005
受信ユニット3-n(n=1~N)のそれぞれの受信部32-nは、その受信ユニットの受信アンテナ31-nで受信した、式(5)で表される反射電波Rを増幅し、周波数変換、AD変換を行い、受信信号rを復調する。このため、受信信号rは、反射波Rと同様に、直交信号s~sの成分を含み、式(6)のとおりになる。
Figure 0007006490000006
受信ユニット3-n(n=1~N)のそれぞれの信号分離処理部33-nは、式(6)で表される受信信号rから、式(1)の関係を用いて、直交信号s~sの成分を分離する。直交信号sの成分を分離する場合、式(7)のように、受信信号rと直交信号sとの相関計算を行い、送信信号分離成分yn,mを算出する。このようにして、信号分離処理部33-nは全ての直交信号s(m=1~M)のそれぞれについて送信信号分離成分yn,mを分離し、分離された複数の送信信号分離成分yn,mを、直交信号s~sの順番に並べた、式(8)で示す送信信号分離ベクトルyを算出する。
Figure 0007006490000007
Figure 0007006490000008
また、信号分離処理部33-nが出力する、式(8)で示す送信信号分離ベクトルyは、式(9)の様に行列の形式で表現することができる。行列Cは、直交信号s~sを並べた直交信号ベクトル[s,s・・・,sの相関行列である。直交信号ベクトルの直交信号s~sの順番と、送信信号分離ベクトルyの送信信号分離成分yn,1~yn,Mの順番は対応している。
Figure 0007006490000009
式(7)ないし式(9)において、直交信号の自己相関sに対して、相互相関s・ρi,jの値は小さい。このため、信号分離処理部33-nが算出する送信信号分離成分yn,mにおいては、受信部32-nが復調した受信信号rから、直交信号sの成分であるσar,n・at,m・sが抽出され、ほぼ分離される。
次にビーム合成部処理部4は、信号分離処理部33-n(n=1~N)のそれぞれが算出した送信信号分離成分yn,mを、式(10)に示す送受信ビーム形成用係数であるWm,nで重みづけして合成ビームBpを計算する。
Figure 0007006490000010
Figure 0007006490000011
Figure 0007006490000012
Figure 0007006490000013
Figure 0007006490000014
式(10)のw , は送信ビーム形成用係数であり、式(11)により演算されるベクトルw の各要素(m=1~M)である。式(10)のw , は受信ビーム形成用係数であり、式(12)により演算されるベクトルw (n=1~N)の各要素である。式(13)のa は送信ビームのステアリングベクトル、式(14)のa は受信ビームのステアリングベクトルである。式(11)および式(12)のHは、複素共役転置を示す。
送受信制御装置1の不要ローブ制御部10は、式(10)~式(14)により演算される送受信ビーム形成用係数Wm,nを演算し、ビーム合成処理部4へ出力する。このように、不要ローブ制御部10が出力する送受信ビーム形成用係数Wm,nは、受信ビームのステアリングベクトルa および受信ビームのステアリングベクトルa の複素共役転置に基づき演算される送信ビーム形成用係数w , と、送信ビームのステアリングベクトルa および送信ビームのステアリングベクトルa の複素共役転置基づき演算される受信ビーム形成用係数w ,n の乗算値として演算され、このような送受信ビーム形成用係数Wm,nを用いて合成ビームBpを演算する。
このようにビーム合成部処理部4は、信号分離処理部33-n(n=1~N)のそれぞれが算出した送信信号分離成分yn,mを、この送受信ビーム形成用係数Wm,nで重みづけすることで、送信ビームと受信ビームを互いに直交させるので、合成ビームBpにおける不要ローブの影響を抑圧することが可能となる。
目標検出処理部5は、式(10)で得られる合成ビームBpの振幅(絶対値)を予め定めた閾値と比較し、目標物7を検出する。当該閾値は、それぞれの受信ユニット3-1~3-Nで受信する空間雑音や、受信ユニット3-1~3-Nの内部雑音を合成して得られる合成雑音を算出し、その合成雑音による目標の誤検出確率がレーダ装置の要求を満足するよう設定する。
このように、本実施の形態においては、複数の送信アンテナから互いに直交する送信信号を送信し、複数の受信アンテナのそれぞれの受信信号から、各送信信号由来の送信信号分離成分を分離するレーダ装置の構成において、信号分離処理部が算出する複数の送信信号分離成分に対して送受信ビーム形成用係数を乗算することで送信ビームおよび受信ビームを形成し、それら送信ビームおよび受信ビームを合成した合成ビームを算出するビーム合成処理部を備え、そのビーム合成処理部が当該乗算に用いる送受信ビーム形成用係数として、送信ビームと受信ビームを互いに直交させる送受信ビーム形成用係数を用いるので、簡易な構成で不要ローブによる誤検出を抑制することが可能である。
1 送受信制御装置、
10 不要ローブ制御部、
2-1~2-M 送信ユニット、
21-1~21-M 送信信号生成部、
22-1~22-M 送信部、
23-1~23-M 送信アンテナ、
3-1~3-N 受信ユニット、
31-1~31-N 受信アンテナ、
32-1~32-N 受信部、
33-1~33-N 信号分離処理部、
4 ビーム合成処理部、
5 目標検出処理部、
6 探査領域、
7 目標物、
8 分割探査領域。

Claims (8)

  1. 互いに異なる直交信号により変調された送信電波をそれぞれ送信する複数の送信アンテナと、
    前記複数の送信アンテナが送信した前記送信電波が目標探査領域に存在する目標物から反射した反射電波を受信する複数の受信アンテナと、
    前記複数の受信アンテナのそれぞれが受信した前記反射電波から、前記複数の受信アンテナのそれぞれの受信信号を復調する受信部と、
    前記複数の受信アンテナのそれぞれの前記受信信号について、前記受信信号と前記複数の送信アンテナのそれぞれが前記変調に用いた前記直交信号との相関計算を行ない、前記複数の送信アンテナと前記複数の受信アンテナの互いに異なる複数の組み合わせのそれぞれに対応する送信信号分離成分を算出する信号分離処理部と、
    前記信号分離処理部が算出する前記複数の送信信号分離成分に対して送受信ビーム形成用係数を乗算することで送信ビームおよび受信ビームを形成し、それら送信ビームおよび受信ビームを合成した合成ビームを算出するビーム合成処理部と、
    前記ビーム合成処理部が算出する前記合成ビームに基づき、前記目標物を検出する目標検出処理部と、
    前記ビーム合成処理部が前記乗算に用いる前記送受信ビーム形成用係数として、前記送信ビームと前記受信ビームを互いに直交させる前記送受信ビーム形成用係数を、前記ビーム合成処理部に対して出力する不要ローブ制御部とを備える
    レーダ装置。
  2. 前記不要ローブ制御部が出力する前記送受信ビーム形成用係数は、前記送信ビームのステアリングベクトルおよび前記受信ビームのステアリングベクトルに基づき演算される請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記不要ローブ制御部が出力する前記送受信ビーム形成用係数は、前記受信ビームのステアリングベクトルに前記受信ビームのステアリングベクトルに基づく係数を乗じて演算される送信ビーム形成用係数と、前記送信ビームのステアリングベクトルに前記送信ビームのステアリングベクトルに基づく係数を乗じて演算される受信ビーム形成用係数とを乗じて演算される請求項2に記載のレーダ装置。
  4. 前記送信ビーム形成用係数は、前記受信ビームのステアリングベクトルの複素共役転置に基づき演算される請求項3に記載のレーダ装置。
  5. 前記受信ビーム形成用係数は、前記送信ビームのステアリングベクトルの複素共役転置に基づき演算される請求項3または4に記載のレーダ装置。
  6. 前記送信ビーム形成用係数w は、前記受信ビームのステアリングベクトルa と前記受信ビームのステアリングベクトルa の複素共役転置とに基づき、
    Figure 0007006490000015
    により演算される請求項4に記載のレーダ装置。
  7. 前記受信ビーム形成用係数w は、前記送信ビームのステアリングベクトルa と前記送信ビームのステアリングベクトルa の複素共役転置とに基づき、
    Figure 0007006490000016
    により演算される請求項5に記載のレーダ装置。
  8. 前記複数の送信アンテナは互いに同一の周波数でそれぞれの前記送信電波を送信し、前記送信ビームは、前記複数の送信アンテナの互いの間隔に依存して発生するグレーティングローブを含み、前記受信ビーム形成用係数は前記ビーム合成処理部が算出する前記合成ビームにおける前記グレーティングローブの影響を抑圧する請求項3~7のいずれか1項に記載のレーダ装置。
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