JP2016130654A - レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法 - Google Patents

レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】個々のレーダ観測時間を増加することなく多方向の観測を実施可能とする。【解決手段】送信アンテナの開口面をN分割して互いに異なる中心周波数をもつ変調信号によるパルス信号を送信し、受信アンテナの開口面をM分割して送信のN通りの中心周波数を変えた変調信号に対応した復調信号により復調してN×M個の出力を得て、受信レーダから観測して、所定のAZ及びEL角度の範囲を複数ビームで覆うための複数種類の送受信ビーム形成用のウェイトを乗算して合成する。ここで、MIMOにおいて、中心周波数を変えた変調信号により変復調した送受信素子の信号を用いることで、送信信号の分離度を高め、帯域内の変調によりレンジ分解能を高める。さらに、MIMO送受信信号の相互の影響を除いた信号により送受信ビームを形成することで、角度軸及びレンジ軸の高品質なビームを形成する。【選択図】図1

Description

本実施形態は、レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法に関する。
従来のレ−ダ装置では、基本的に送信ビームを向けた方向に受信ビームを向ける。このため、システム利得を向上させるためにペンシルビームを用いる場合には、覆域に対して多数の送受信ビームを用いて多方向に送受信することになる。しかしながら、このような手法では観測時間の制約により観測範囲が限定されたり、観測時間が増加する課題があった。
MIMO処理、JIAN LI,PETER STOICA, ‘MIMO RADAR SIGNAL PROCESSING’,WILEY,pp.1-5(2009) 符号コード(M系列)発生方式、M.I.Skolnik, Introduction to radar systems,pp.429-430,McGRAW-HILL(1980) 位相モノパルス(位相比較モノパルス)方式、吉田、‘改定レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.262-264(1996) テーラー分布、吉田、‘改定レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.134-135(1996) パルス圧縮、吉田、‘改定レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.278-280(1996) 振幅及び位相によるヌルビーム形成、菊間、アレーアンテナによる適応信号処理、科学技術出版、p.71(1999) 位相のみによるヌルビーム形成、Yasuo SUZUKI,‘Side Lobe Suppression with Phase Weight Only’,The Transactions of the IEICE, VOL.E73, No.2, Feb.(1990) MUSIC、菊間、‘アダプティブアンテナ技術’、Ohmsha、pp.137-164(2003) CFAR(Constant False Alarm Rate)処理、吉田、‘改定レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.87-89(1996)
特開2014−001620号公報 特開2014−117837号公報
以上述べたように、従来のレーダ装置では、多方向の観測を要求される場合に、観測範囲が限定される、観測時間が増加するといった課題があった。
本実施形態は上記課題に鑑みなされたもので、観測時間を増加することなく多方向の観測を実施することのできるレーダ装置とそのレーダ信号処理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本実施形態に係るレーダ装置は、送信系統と受信系統とを備え、前記送信系統は、アンテナ開口面をN(Nは2以上の自然数)個の送信アンテナ(1素子以上)に分割し、送信周波数帯域内をN個に分割し、N通りの中心周波数に応じた帯域の分割周波数毎に所定の変調信号により変調した信号を送信し、前記受信系統は、アンテナ開口面をM(Mは2以上の自然数)個の受信アンテナ(1素子以上)に分割し、前記受信アンテナ毎の受信信号を、送信のN通りの中心周波数に応じた帯域に分割し、各々の分割帯域において送信側の対応した変調信号により復調してN×M個の復調信号を取得し、取得された各々の帯域の復調信号に送信ビーム形成用ウェイト、受信ビーム形成用ウェイトを乗算してビ−ム合成してMIMO(Multiple Input Multiple Output)ビームを形成し、ビーム形成方向の目標を検出する送信系統と受信系統とを備え、送信系統では互いに異なる中心周波数をもつ複数の変調信号から生成される複数のパルス信号を送信し、受信系統では前記送信系統から送信された複数のパルス信号を受信し、それぞれの受信信号を送信時の中心周波数の異なる複数の変調信号に対応した復調信号により復調し、所定の角度範囲を複数ビームで覆うための複数種類の送受信ビーム形成用のウェイトを乗算して合成する。
実施形態に係るレーダ装置において、送受信系統が一体の場合の構成を示すブロック図。 実施形態に係るレーダ装置において、送信レーダと受信レーダとが連携している場合の送信系統と受信系統の構成を示すブロック図。 第1の実施例に係る変調器の構成を示すブロック図。 第1の実施例に係る変調器の他の構成を示すブロック図。 第1の実施例、第4の実施例に係るMIMO処理器及び観測信号処理器の構成を示すブロック図。 第1の実施例、第4の実施例に係るMIMO処理器及び観測信号処理器の他の構成を示すブロック図。 第1の実施例に係る送信アンテナ及び受信アンテナのアンテナ素子それぞれの行配列の場合の位置ベクトルと観測ベクトルの座標系を示す図。 第1の実施例に係る送信アンテナ及び受信アンテナのアンテナ素子それぞれの列配置の場合の位置ベクトルと観測ベクトルの座標系を示す図。 第1の実施例に係るビ−ム形成手法を説明するための概念図。 第2の実施例に係る変調器の構成を示すブロック図。 第2の実施例に係る変調器の他の構成を示すブロック図。 第2の実施例に係る変調器による変調処理を説明するための図。 第3の実施例に係る変調器の構成を示すブロック図。 第3の実施例に係る変調器の他の構成を示すブロック図。 第3の実施例に係る変調器による変調処理を説明するための図。 第5の実施例に係る観測信号処理器として、レンジ軸モノパルスを用いる場合の構成を示すブロック図。 第5の実施例に係る観測信号処理器の処理内容を説明するための特性図。 第6の実施例に係る観測信号処理器として、レンジ軸MUSICを用いる場合の構成を示すブロック図。 第6の実施例に係る観測信号処理器の処理内容を説明するための波形図。 第7の実施例に係るレーダ装置において、送信疑似ランダム位相ビームを生成する様子を示す概念図。 第8の実施例に係るレーダ装置において、送信ヌルビームを生成する様子を示す概念図。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るレーダ装置は、送信機能と受信機能を併せ持つ送受信レーダのシステム構成の場合と、送信機能のみを搭載する送信レーダ及び受信機能のみを搭載する受信レーダが互いに連携するシステム構成の場合がある。
図1は送受信レーダによるシステム構成の場合の系統を示すブロック図である。また、図2は送信レーダと受信レーダによるシステム構成の場合の系統を示すブロック図で、(a)は送信レーダの場合、(b)は受信レーダの場合を示している。図1及び図2において、同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
図1において、1は送受信器、2は制御器、3はMIMO(Multiple Input Multiple Output)処理器、4は送信位相制御器、5は観測信号処理器である。
送受信器1は、N(N≧2)系統の送信回路とM(M≧2)系統(以下、説明を簡単にするため、受信回路はN系統のうち、M系統を使用するものとする)の受信回路を備え、それぞれ変調器111〜11N、送信用周波数変換器121〜12N、ローカル信号発生器131〜13N、送信移相器141〜14N、送信増幅器151〜15N、サーキュレータ161〜16N、アンテナ素子171〜17N、受信増幅器181〜18N、受信用周波数変換器191〜19N、AD(アナログ・デジタル)変換器1A1〜1ANを備える。
上記変調器111〜11Nは、制御器2の制御のもとに各アンテナ素子171〜17Nの系統において周波数帯を変えた同一の変調(チャープ、符号化コード等)による信号を発生する。
上記変調器111〜11Nでパルス変調されたN系統の送信パルスは、周波数変換器121〜12Nにおいて、ローカル信号発生器131〜13Nからのローカル信号によりRF信号に変換され、送信移相器141〜14Nにおいて制御器2の制御のもとに位相制御を施されてビーム形成される。このようにしてビーム形成された送信パルスは送信増幅器151〜15Nにより増幅され、サーキュレータ161〜16Nを経由してアンテナ素子171〜17Nから送信される。
目標から反射した信号は、N系統のアンテナ素子171〜17Nで受信される。各系統の受信信号は、サーキュレータ161〜16Nを経由して受信増幅器181〜18Nで低雑音増幅され、周波数変換器191〜19Nでローカル信号発生器131〜13Nで発生されるローカル信号により周波数変換されて、AD変換器1A1〜1ANによりディジタル信号に変換される。その後、制御器2の制御のもと、MIMO処理器3に送られてMINOビームによる観測信号が取得され、観測信号処理器5において、復調と所定の信号処理が行われる。
(第1の実施例)
上記構成において、以下に第1の実施例を説明する。
まず、変調器111〜11Nの具体的な構成について、111を代表して説明する。
図3において、変調器111は、参照信号発生部A1を備える。この参照信号発生部A1はパルス内を変調する参照信号を発生する。この参照信号はN(N≧2)系統に分配され、各系統において、周波数設定部A2i(iは1〜N)に供給される。各系統の周波数設定部A2iは、入力した参照信号を互いに予め決められた分割周波数帯に設定する。各系統で設定された分割周波数帯の参照信号は変調信号出力部A3iに供給される。各系統の変調信号出力部A3iは、周波数設定部A2iで所定の分割周波数帯に設定された参照信号の帯域、利得を調整して送信パルスを変調して出力する。
尚、変調信号の分離度を高めるために、各分割周波数帯毎に変調信号を変える場合は、図4に示すように、N系統それぞれに互いに異なる参照信号を発生する参照信号発生部A1iを用いるとよい。
図5は上記MIMO処理器3及び観測信号処理器5の具体的な構成を示すブロック図である。図5に示すMIMO処理器3において、#1〜#Mの系統の受信信号はそれぞれレンジ軸FFT処理部311〜31Mにより周波数軸に変換され、周波数抽出部321〜32Nにおいて、N個の送信信号に対応した周波数帯が抽出される。M系統それぞれの各周波数帯の受信信号は、MIMOΣウェイト設定部33とMIMOΔウェイト設定部34それぞれに入力されてMIMOビーム用の複素ウェイトが設定され、MIMOΣビーム形成部35、MIMOΔビーム形成部36において、モノパルス測角(非特許文献3参照)のためのΣビームとΔビームが形成される。Σビーム、Δビームそれぞれで観測された信号は観測信号処理器5に送られる。
Σビームの観測信号は、複数のPRI(パルス繰り返し周波数:Pulse Repetition Interval)信号を送受信する場合は、PRI−FFT処理部51でドップラー周波数軸に変換された後に乗算部52に送られ、参照信号発生部53で発生される参照信号をレンジ軸FFT処理部54で周波数軸に変換した信号との乗算によって相関処理される。この相関処理結果は、レンジ逆FFT処理部55により時間軸の信号に変換され、CFAR処理部56で所定のスレショルドを超える極大値が求められ、検出セル抽出部57で極大値となる検出セルが目標位置として抽出され、測角部58に送られる。
Δビームの観測信号も、観測信号処理器5においてΣビームと同様の処理が施され、PRI−FFT処理部59でドップラー周波数軸に変換された後に乗算部5Aに送られ、参照信号発生部5Bで発生される参照信号をレンジ軸FFT処理部5Cで周波数軸に変換した信号との乗算によって相関処理される。この相関処理結果は、レンジ逆FFT処理部5Dにより時間軸の信号に変換され、検出セル抽出部5EでΣ系で検出したセルが抽出されて、測角部58に送られる。測角部58では、Σ信号とΔ信号により測角演算されて、検出セルの時間から求められる距離と合わせて、目標の距離と角度が出力される。
ここで、MIMO処理器3では、変調信号の分離度を高めるために、分割周波数帯毎に変調信号を変える場合は、図6に示す系統の構成となる。尚、図6において、図5と同一部分には同一符号を付して示す。
図6に示すMIMO処理器3において、#1〜#Mの系統の受信信号はそれぞれレンジ軸FFT処理部311〜31Mにより周波数軸に変換され、周波数抽出部321〜32Nにおいて、N個の送信信号に対応した周波数帯が抽出される。各周波数帯の受信信号は、MIMOΣウェイト設定部331〜33NとMIMOΔウェイト設定部341〜34Nそれぞれに入力されてMIMOビーム用の複素ウェイトが設定され、MIMOΣビーム形成部351〜35N、MIMOΔビーム形成部361〜36Nにおいて、モノパルス測角(非特許文献3参照)のためのΣビームとΔビームが形成される。
Σビーム系から出力される観測信号は、複数のPRI(パルス繰り返し周波数:Pulse Repetition Interval)信号を送受信する場合は、PRI−FFT処理部511〜51Nでドップラー周波数軸に変換された後に乗算部521〜52Nに送られ、参照信号発生部531〜53Nで発生される参照信号をレンジ軸FFT処理部541〜54Nで周波数軸に変換した信号との乗算によって相関処理される。この相関処理結果は、レンジ逆FFT処理部551〜55Nにより時間軸の信号に変換された後、DBF(ディジタルビーム形成:Digital Beam Forming)処理部(Nチャンネル分)5FでNチャンネル分のΣビームによる合成ビームが形成される。この合成ビームの受信信号はCFAR処理部56で所定のスレショルドを超える極大値が求められ、検出セル抽出部57で極大値となる検出セルが目標位置として抽出され、測角部58に送られる。
Δビーム系から出力される観測信号も、観測信号処理器5においてΣビームと同様の処理が施され、PRI−FFT処理部591〜59Nでドップラー周波数軸に変換された後に乗算部5A1〜5ANに送られ、参照信号発生部5B1〜5BNで発生される参照信号をレンジ軸FFT処理部5C1〜5CNで周波数軸に変換した信号との乗算によって相関処理される。この相関処理結果は、レンジ逆FFT処理部5D1〜5DNにより時間軸の信号に変換された後、DBF(ディジタルビーム形成:Digital Beam Forming)処理部(Nチャンネル分)5GでNチャンネル分のΔビームによる合成ビームが形成される。この合成ビームの受信信号は検出セル抽出部5EでΣ系で検出したセルが抽出されて、測角部58に送られる。測角部58では、Σ信号とΔ信号により測角演算されて、検出セルの時間から求められる距離と合わせて、目標の距離と角度が出力される。
図7に第1の実施例の送信アンテナ及び受信アンテナのアンテナ素子それぞれの位置ベクトルと観測ベクトルの座標系を示す。送信アンテナと受信アンテナは、一体型でもよいし、別々に配置するようにしてもよい。また、図7では、送信及び受信アンテナのアンテナ素子を面状に配置する場合を示したが、図8のように、送信及び受信アンテナのアンテナ素子を列形状に配置するようにしてもよいことは勿論である。
以上、本実施例のMIMO処理について述べたが、ここで定式化を行う。MIMOでは、送信レーダにおいて、アンテナ毎に異なるN通りの変調信号で変調して送信し、受信ではM系統のアンテナ毎に受信した信号を周波数変換後にAD変換し、N通りのM系列(非特許文献2参照)で復調してN×Mの信号を得る。これを以下に定式化する。送信アンテナと受信アンテナの複素ウェイトをそれぞれA,Bと表すと次式となる。
Figure 2016130654
Figure 2016130654
これより、各要素は次式となる。
Figure 2016130654
次に、各送受信素子信号を行列の要素で表現すると、次式となる。
Figure 2016130654
送受信ビーム出力は、(4)式の要素にサイドローブ低減用のウェイトと、サイドローブ低減用のウェイトを乗算後加算となり、次式となる。
Figure 2016130654
以上のビ−ム形成手法により、観測範囲全体をペンシルビームで順次捜索する場合に比べて、図9に示すように、MIMOビーム形成器でディジタル信号により広い送受信ビームを形成できるため、送受信で広いビームを用いて捜索し、目標らしき物体を検出した段階でその方向にペンシルビームを使用することができる。これにより、全体の捜索時間を短縮できる効果が得られる。
すなわち、本実施例では、送信アンテナの開口面をN分割して互いに異なる中心周波数をもつ変調信号によるパルス信号を送信し、受信アンテナの開口面をM分割して送信のN通りの中心周波数を変えた変調信号に対応した復調信号により復調してN×M個の出力を得て、受信レーダから観測して、所定のAZ及びEL角度の範囲をNb本の複数ビームで覆うためのNb種類の送受信ビーム形成用のウェイトを乗算して合成する。
ここで、MIMOにおいて、中心周波数を変えた変調信号により変復調した送受信素子の信号を用いるようにしているので、送信信号の分離度を高めることができると共に、帯域内の変調によりレンジ分解能を高めることができる。さらに、MIMO送受信信号の相互の影響を除いた信号により送受信ビームを形成できるため、角度軸及びレンジ軸の高品質なビームを形成することができる。
(第2の実施例)
第1の実施例では、変調器の構成を、中心周波数を分割する方式とした。本実施例では、中心周波数を設定する方式として、位相勾配を設定する手法を採用した場合について述べる。
図10は第2の実施例に係る変調器の構成を示すブロック図である。図10において、図3に示した第1の実施例の変調器と異なる点は、周波数設定部A21〜A2Nに代わって、位相勾配設定部A41〜A4Nを備えることにある。
尚、変調信号の分離度を高めるために、各分割周波数帯毎に変調信号を変える場合は、図11に示すように、N系統それぞれに互いに異なる参照信号を発生する参照信号発生部A1i(iは1〜Nのいずれか)を用いるとよい。
すなわち、本実施例では、参照信号発生部A1またはA1iにおいて、図12(a)に示すパルス波形の変調を加えた参照信号を発生してN系統の位相勾配設定部A41〜A4Nに入力し、図12(b)に示すように、設定位相が所定の割合で増加する位相勾配を参照信号に与えた上で、図12(c)に示すパルス波形の送信パルスを生成し、変調信号出力部A31〜A3Nから変調信号として出力する。
以下、第2の実施例に係る変調器の処理について詳述する。
参照信号Rn(n=1〜N)によりパルス信号を変調し、次式の位相勾配をもつ信号を各変調信号に乗算する。
Figure 2016130654
この信号は、図12(d)に示すように、FFT処理すると周波数帯をN分割した帯域(ΔB1〜ΔBN)に変調信号が含まれることになる。この送信波形を変調信号としている。
以上のように、第2の実施例によれば、パルス内を所定の変調信号により変調した波形に、N通りの位相勾配を与えることにより、変調信号の中心周波数を変える。すなわち、パルス内変調信号に位相勾配を与えることで、N個の変調信号の中心周波数をずらせて、所定の帯域内をN分割した周波数帯に配置することができる。この周波数の分離は基本にFFTを演算することができ、MIMOビームを形成後に符号等の変調信号の相関演算を行えばよいため、処理規模を削減することができる。
(第3の実施例)
第2の実施例では、変調等により所定の周波数分割範囲外に周波数スペクトルが広がる場合もあり、送信チャンネル間で結合が生じて分離度が劣化する。第3の実施例は、分離度の劣化を低減する対策を実現する。
図13及び図14はそれぞれ第3の実施例に係る変調器の構成を示すブロック図である。図13、図14において、図10、図11に示した第2の実施例の変調器と異なる点は、位相勾配設定部A41〜A4Nと共に、レンジ軸FFT処理部A51〜A5N、周波数フィルタA61〜A6N、レンジ軸逆FFT処理部A71〜A7Nを備えることにある。
すなわち、本実施例では、参照信号発生部A1またはA1iにおいて、図15(a)に示すパルス変調した参照信号を発生し、この参照信号をN系統の位相勾配設定部A41〜A4Nに入力して、図15(b)に示すように、設定位相が所定の割合で増加する位相勾配を参照信号に与える。
また、位相勾配が設定された参照信号をレンジ軸FFT処理部A51〜A5Nでレンジ軸方向にFFT処理することで、図15(c)に示すN個の周波数バンクΔB1〜ΔBNを形成し、周波数フィルタA61〜A6Nで図15(d)に示すように系統ごとに割り当てられた周波数バンクΔBnを選定する。そして、レンジ軸逆FFT処理部A71〜A7Nで図15(e)に示すように時間領域における送信波形の変調信号に戻して変調信号出力部A31〜A3Nから出力する。
すなわち、第3の実施例では、パルス内を所定の変調信号により変調した波形に、N通りの位相勾配を与えることにより、変調信号の中心周波数を変えて、さらに時間軸をFFTして周波数軸にし、変調信号付近を所定の周波数フィルタを通した後に、逆FFTして、変調信号を得る。
このように、パルス内変調信号に位相勾配を与えることで、N個の変調信号の中心周波数をずらせて、さらにN分割した帯域外に広がった周波数成分を抑圧して、所定の帯域内をN分割した周波数帯に配置することができる。
(第4の実施例)
第4の実施例は、第1の実施例等に示したように、パルス幅内の変調信号PSMにより変調後、中心周波数を変化させて変調信号を生成する。この信号を復調するには、一般的にはM個の受信チャンネル毎にNチャンネルの送信変調信号との相関処理(パルス圧縮処理)が必要になり、処理規模の大きなパルス圧縮(非特許文献5参照)処理をM×N回実施することになる。本実施例では、これを改善する手法について述べる。
この手法については、既に図5に示した通り、受信Mチャンネルの各々において、レンジFFTを行い、送信変調に対応したNチャンネルの帯域に分割し、N×Mチャンネルのパルス圧縮前のMIMO信号を得る。このパルス圧縮前のMIMO信号に、ビーム形成用の複素ウェイトを乗算し、MIMOビームを形成する。このMIMOビーム出力に対して、パルス内の変調信号PSMによりパルス圧縮処理をする。これにより、処理規模の大きいパルス圧縮処理の回数が減り、処理規模が削減される。
以上のように、第4の実施例によれば、受信はレンジ軸FFTにより周波数軸にして、変調信号に対応した周波数帯に分割後、N×MのMIMO信号を得て、ビーム形成するための所定の複素ウェイトを乗算後、ビーム形成し、パルス内を変調したPMSによりパルス圧縮処理をするようにしているので、復調において、レンジFFTして周波数分割したN×Mchの信号によりMIMOビーム形成後、パルス圧縮することにより、パルス圧縮処理の回数が減り、処理規模を削減することができる。
なお、第4の実施例において、PMS信号としては1種でよいが、送信分離度を高めるためにN種を用いる場合には、既に図6に示した通り、レンジFFT311後にN種の変調毎に、1種の場合と同様のMIMO複素ウェイトを設定してN通りのビームを合成し、N通りのパルス圧縮後に、N通りの信号を加算して、全体のMIMOアンテナのビーム出力を得ることができる。周波数帯毎に変調信号の種類が異なるが、MIMOΣビームとMIMOΔビ−ムの形成後、参照信号を用いてパルス圧縮処理するため、MIMOビーム形成前にパルス圧縮処理する場合に比べて、パルス圧縮の規模が1/Mになり、処理規模が削減される。
すなわち、第4の実施例において、N種のPMS信号を用いる場合には、受信はレンジ軸FFTにより周波数軸にして、変調信号に対応した周波数帯に分割後、N×MのMIMO信号を得て、ビーム形成するための所定の複素ウェイトを乗算する。そして、分割周波数帯毎にビーム形成し、パルス内を変調した分割周波数帯毎のPMSによりパルス圧縮処理した後、分割周波数のチャンネル数分のビームを形成する。
この構成によれば、復調において、レンジ軸に沿ってFFT処理して周波数分割した各々の分割周波数毎のMチャンネルの信号によりMIMOビームを形成してパルス圧縮した後、Nチャンネル分のビーム形成するようにしているので、パルス圧縮の規模を低減し、処理規模を削減することができる。
(第5の実施例)
第5の実施例は、周波数帯を送信素子数NによりN分割するため、レンジ分解能が1/Nに低下し、レンジ精度もその分低下する。この対策として、レンジ精度を向上させるために、レンジ軸位相モノパルス(特許文献1参照)を用いる手法について簡単に述べる。
図16は第5の実施例に係る観測信号処理器5の構成を示すブロック図である。図16において、MIMO信号出力は、図5または図6に示したMIMOΣビーム形成部の出力であり、検出セル近傍抽出部5Hに送られる。なお、SN(信号/雑音電力)が低い場合には、MIMOΣビーム形成部の後のPRI−FFT処理後の出力における最大バンクの信号を用いる。この検出セル近傍抽出部5Hは、MIMOビーム出力にCFAR(Constant False Alarm Rate)処理を施して検出したセル付近の信号を抽出する。抽出された信号は、パルス圧縮処理のため、レンジ軸FFT処理部5Iによってレンジ軸方向にFFT処理されて乗算部5Jに送られる。
また、パルス圧縮(非特許文献5参照)用の参照信号を参照信号生成部5Kで生成し、更に参照信号FFT処理部5Lで参照信号をFFT処理して周波数軸上の信号に変換する。この参照信号と入力信号のFFT処理結果を乗算部5Jで乗算することでパルス圧縮を行う。一連の処理について、以下に示す。
まず、入力信号sigをFFT処理する。
Figure 2016130654
次に後述するレンジ軸位相モノパルスで用いるΣの参照信号(線形チャープ信号の場合)を表現すると、次式となる。
Figure 2016130654
また、レンジ軸位相モノパルスのΔ信号用の参照信号は次式となる。
Figure 2016130654
この参照信号SrefΣ(t)とSrefΔ(t)のサンプル長を入力信号に合わせて0埋めした信号に置き換える。
Figure 2016130654
これをFFT処理して、参照信号の周波数軸の信号を得る。
Figure 2016130654
これにより、周波数領域の乗算後の信号は、次式となる。
Figure 2016130654
次に、Σ・Δ用ウェイト乗算部5Mにおいて、パルス圧縮後のレンジサイドローブを低減するためのΣ・Δ用ウェイトを算出する。ウェイトは、レンジサイドローブの設定に応じて、テイラーウェイト(非特許文献4参照)等を選定すればよい。
Figure 2016130654
これらを逆FFT処理部5Nで逆FFT処理して次式を得る。
Figure 2016130654
尚、(14)式において、SΔの指数関数の項は、ΣとΔの位相ずれを揃えている。なお、図6の場合には、MIMOΣビーム出力がNch分あるため、SNが不足する場合には、Nch分について、(14)式の出力を得て、Nch分を加算合成した信号をSΣとSΔに置き換える。
次に、レンジ軸モノパルス演算部5Oでは、時間軸tをレンジ軸Rに変換して、レンジ軸におけるモノパルス演算を行う。時間軸tをレンジ軸Rに変換するには、次式の関係により行う。
Figure 2016130654
(14)式のΣの結果より、振幅が所定のスレショルドを超えた検出セル(時間サンプル)q(q=1〜Q)を抽出し、各々の検出セルについてモノパルス演算を行うには次式を用いる。
Figure 2016130654
誤差電圧εとレンジRについては、図17(a)に示すレンジ−振幅特性から、予め図17(b)に示すレンジRに対する誤差電圧εの特性をテーブル化しておき、誤差電圧テーブルを作成しておく。
レンジ算出部5Pでは、(16)式により算出したεにより、テーブルを用いてレンジRを算出する。この手法は、測角手法としての位相モノパルス手法(非特許文献3参照)をレンジ軸(時間軸)に置き換えた手法と言える。
上記の説明では位相モノパルス処理について述べたが、本実施例ではMIMOビームの検出セル近傍の信号を用いて高精度化手法を適用するのが主旨であるので、振幅モノパルス等の他の処理を適用してもよいのは言うまでもない。
以上のように、第5の実施例によれば、検出した目標に対して、レンジ軸モノパルス等の処理により、レンジ軸の精度を高めるようにしている。すなわち、周波数帯域を分割した信号によりレンジ分解能が低下するため、レンジ精度が低下するが、レンジ軸の位相モノパルス処理を行うことで、レンジ精度を高めることができる。
(第6の実施例)
第4の実施例では、レンジ軸の精度を向上する手法について述べた。第6の実施例では、レンジ軸分解能を向上する手法(特許文献2参照)を適用する場合について述べる。
図18は第6の実施例に係るMIMO処理器3の構成を示すブロック図である。尚、図18において、図16と同一部分には同一符号を付して示す。
図18において、MIMO信号出力は、図5または図6に示したMIMOΣビーム形成部の出力であり、検出セル近傍抽出部5Hに送られる。なお、SN(信号/雑音電力)が低い場合には、MIMOΣビーム形成部の後のPRI−FFT処理後の出力における最大バンクの信号を用いる。この検出セル近傍抽出部5Hは、MIMOビーム出力にCFAR処理を施して検出したセル付近の信号が抽出される。この抽出された信号は、MUSIC(Multiple Signal Classification)処理のためレンジ軸FFT処理部5Iによってレンジ軸方向にFFT処理されて乗算部5Jに送られ、参照信号生成部5K、参照信号FFT処理部5Lで得られるFFT処理された参照信号と乗算部5Jで乗算され、パルス圧縮が行われる。
ここまでの一連の処理について、以下に示す。
まず、入力信号sig(t)をFFTする。
Figure 2016130654
次に参照信号(線形チャープ信号の場合)を表現すると、次式となる。
Figure 2016130654
この参照信号としては、非線形チャープ信号、符号変調等、他の変調方式でもよい(非特許文献2参照)。この参照信号Sref(t)のサンプル長を入力信号に合わせて0埋めした信号に置き換える。
Figure 2016130654
これをFFT処理して、参照信号の周波数軸の信号を得る。
Figure 2016130654
これにより、周波数領域の乗算後のパルス圧縮信号S(ω)は、次式となる。
Figure 2016130654
次に、平均相関行列算出部5Qにおいて、パルス圧縮後のレンジサイドローブを低減するための平均相関行列(ウェイト)を算出する。ウェイトは、レンジサイドローブの設定に応じて、一様ウェイト、テイラーウェイト(非特許文献4参照)等を選定すればよい。このウェイトを与えられたパルス圧縮信号は次式のように表される。
Figure 2016130654
次に、MUSIC処理部5Rにおいて、上記パルス圧縮信号Sw(ω)(信号Xに対応、周波数軸)を用いて、MUSIC処理(非特許文献8参照)する。レーダの送受信による複数の目標信号は、互いに相関をもつため、ウェイトSwの相関行列Rxxの相関成分を抑圧するために、パルス圧縮信号Swの信号長のうち、順にNrセルずつ抽出し、そのたびに相関行列Rxxの算出を行う。
Figure 2016130654
次に、平均相関行列Rxx(n,ω)を忘却係数を用いた平均処理により算出する。
Figure 2016130654
MUSIC処理部5Rでは、この平均相関行列Rxx(n,w)を用いて、MUSICスペクトルを算出する(非特許文献8参照)。
Figure 2016130654
なお、図6の場合には、MIMOΣビーム出力がNch分あるため、SNが不足する場合には、Nch分について、(25)の出力を得て、Nch分を加算合成した信号をSmusicに置き換える。
以上の処理の流れを図19に示す。図19(a)は入力信号(MIMO信号出力)の熱雑音の位相特性を示しており、同図(b)は入力信号をレンジFFT処理した位相−周波数特性を示している。同図(c)は参照信号の位相特性を示しており、同図(d)は参照信号をレンジFFT処理した位相−周波数特性を示している。同図(e)は(b)に示した周波数領域の入力信号と(d)に示した周波数領域の参照信号とを乗算し、相関行列Rxxの平均値によるMUSIC処理を行う様子を示している。同図(f)は相関行列Rxxの平均値によるMUSIC処理で得られたMUSICスペクトルから目標1〜nが観測される様子を示す時間−振幅波形を示している。
図19(f)に示すMUSICスペクトルSmusicを取得した後、例えばCFAR検出部5Sにおいて、CFAR処理(非特許文献9参照)によりスレショルドを超える信号の極大値ωtを抽出し、レンジ算出部5Tにおいて、次式の換算により目標レンジRtを算出することができる。
Figure 2016130654
以上は、MUSIC処理について述べたが、本発明のMIMOビームの検出セル近傍の信号を用いて高分解能化手法を適用するのが主旨であるので、ESPRIT等(非特許文献8参照)の他の高分解能手法を用いてもよいのは言うまでもない。
以上のように、第6の実施例では、検出した目標に対して、レンジ軸MUSIC等の処理により、レンジ分解能を高める。すなわち、周波数帯域を分割した信号によりレンジ分解能が低下するが、レンジ軸のMUSIC(ESPRIT等)の高分解能処理を行うことで、レンジ分解能を高めることができる。
(第7の実施例)
MIMOビーム形成においては、(5)式で示すようにビーム形成用の複素ウェイトWnmにより、送信振幅・位相を含めて、送受信ビ−ムを制御することができる。第7の実施例では、図20を参照して、MIMOが送信位相を任意に制御できることを利用して、送信位相を疑似ランダムとし、特定の方向に送信ビームを形成できない方式について述べる。
図20は、第7の実施例に係る送信疑似ランダム位相ビームを形成した場合の様子を示す概念図である。この例では、N個の送信アンテナから送信アンテナ毎に送信素子パターンのビームを送信すると共に、任意の送信アンテナから送信疑似ランダムビームを送信し、M個の受信アンテナから受信アンテナ毎に受信素子パターンのビームを形成することで、送信位相を既知の擬似ランダム位相に設定し、MIMOビームを形成する際、その送信位相を補正して、MIMOペンシルビーム形成するようにしている。
すなわち、送信位相をΦとすると、受信系においてMIMOビームを形成する際の複素ウェイトWnmcalは次式とすればよい。
Figure 2016130654
送信位相を疑似ランダムとすることで、全方位に対して指向性を持たないため、目標に検知されにくい。したがって、例えば、RCS(レーダ反射断面積)の小さい目標に対して、相手に検知されにくい状態で長時間送受信することで、積分効果により高いSN(信号対雑音電力)で目標を検知しやすくできることになる。
他には、他の受信器に対してスプリアスの影響を与えにくい長所もある。
以上のように、第7の実施例では、送信位相を既知の擬似ランダム位相に設定し、MIMOビームを形成する際、その送信位相を補正して、ビーム形成するようにしている。すなわち、送信位相を擬似ランダム化することにより、送信レベルを低減することができ、電波干渉の低減、目標に対する低被探知性能の向上を図ることができる。さらに、アンテナ素子間の相互結合の影響を低減して、低サイドローブ等の品質の高いビームを形成することができる。
(第8の実施例)
第8の実施例として、MIMOが送信位相を任意に制御できることを利用して、送信ビームを目標方向等の所定の方向に向ける際に、その方向にヌルを形成する方式について述べる。所定の方向としては、目標側でレーダ送信波が向けられていることを検知できないようにする場合には目標方向である。この様子を図21に示す。他には電波干渉を抑圧したい方向等が考えられる。
送信出力と位相を制御できる場合には、例えば次式の最適ウェイトWoptを用いる(非特許文献6参照)。
Figure 2016130654
ステアリング方向(ビーム方向)は、MIMOビーム形成においては、送信ビーム方向に関わらず、任意の方向にビーム指向できるため、所定の方向にヌルを形成できれば、送信ビーム方向は任意に設定すればよい。
設定した振幅及び位相は、制御器2により、受信処理時に送信側の振幅及び位相として補正する。MIMO素子信号に対するウェイトは(5)式におけるWnmとして、次式の補正ウェイトWnmcalとなる。
Figure 2016130654
以上は振幅及び位相を制御する場合について述べたが、送信ビームの制御は、実現性の高い方式として移相器のみの場合を考えると、例えば次式の位相を設定すればよい(非特許文献7参照)。
Figure 2016130654
設定した位相は、制御器2により、受信処理時に送信側の位相として補正する。
Figure 2016130654
以上のように、第8の実施例では、送信位相を観測方向にヌルが形成されるように設定し、MIMOビームを形成する際、その送信位相を補正してビーム形成する。すなわち、所定の方向に送信ヌルを形成することにより、電波干渉の低減、目標に対する低被探知性能の向上等を図ることができる。
尚、上記の各実施例では、送信と受信が近接している場合について述べたが、マルチスタティックの場合として、送信装置と受信装置が大きく離隔した場合についても同様に実施可能であることは言うまでもない。
また、第7の実施例及び第8の実施例は、MIMO送受信の場合の送信ビームの制御についてであり、本実施形態のように周波数分割型のMIMO方式ではなく、例えば、同一周波数帯の異なる符号等による変調を用いたMIMOにも適用できることは言うまでもない。
その他、本実施形態は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…送受信器、111〜11N…変調器、121〜12N…送信用周波数変換器、131〜13N…ローカル信号発生器、141〜14N…送信移相器、151〜15N…送信増幅器、161〜16N…サーキュレータ、171〜17N…アンテナ素子、181〜18N…受信増幅器、191〜19N…受信用周波数変換器、1A1〜1AN…AD(アナログ・デジタル)変換器、
2…制御器、
3…MIMO処理器、311〜31M…レンジ軸FFT処理部、321〜32N…周波数抽出部、33,331〜33N…MIMOΣウェイト設定部、34,341〜34N…MIMOΔウェイト設定部、35,351〜35N…MIMOΣビーム形成部、36,361〜36N…MIMOΔビーム形成部、
4…送信位相制御器、
5…観測信号処理器、51,511〜51N…PRI−FFT処理部、52,521〜52N…乗算部、53,531〜53N…参照信号発生部、54,541〜54N…レンジ軸FFT処理部、55,551〜55N…レンジ逆FFT処理部、56…CFAR処理部、57…検出セル抽出部、58…測角部、59,591〜59N…PRI−FFT処理部、5A,5A1〜5AN…乗算部、5B,5B1〜5BN…参照信号発生部、5C,5C1〜5CN…レンジ軸FFT処理部、5D,5D1〜5DN…レンジ逆FFT処理部、5E…検出セル抽出部、5F…DBF処理部(Nチャンネル分)、5G…DBF処理部(Nチャンネル分)、5H…検出セル近傍抽出部、5I…レンジ軸FFT処理部、5J…乗算部、5K…参照信号生成部、5L…参照信号FFT処理部、5M…Σ・Δ用ウェイト乗算部、5N…逆FFT処理部、5O…レンジ軸モノパルス演算部、5P…レンジ算出部、5Q…平均相関行列算出部、5R…MUSIC処理部、5S…CFAR検出部、5T…レンジ算出部、
A1,A11〜A1N…参照信号発生部、A21〜A2N…周波数設定部、A31〜A3N…変調信号出力部、A41〜A4N…位相勾配設定部、A51〜A5N…レンジ軸FFT処理部、A61〜A6N…周波数フィルタ、A71〜A7N…レンジ軸逆FFT処理部。

Claims (18)

  1. 送信系統と受信系統とを備え、
    前記送信系統は、アンテナ開口面をN(Nは2以上の自然数)個の送信アンテナ(1素子以上)に分割し、送信周波数帯域内をN個に分割し、N通りの中心周波数に応じた帯域の分割周波数毎に所定の変調信号により変調した信号を送信し、
    前記受信系統は、アンテナ開口面をM(Mは2以上の自然数)個の受信アンテナ(1素子以上)に分割し、前記受信アンテナ毎の受信信号を、送信のN通りの中心周波数に応じた帯域に分割し、各々の分割帯域において送信側の対応した変調信号により復調してN×M個の復調信号を取得し、取得された各々の帯域の復調信号に送信ビーム形成用ウェイト、受信ビーム形成用ウェイトを乗算してビ−ム合成してMIMO(Multiple Input Multiple Output)ビームを形成し、ビーム形成方向の目標を検出するレーダ装置。
  2. 前記受信系統は、パルス内を前記所定の変調信号により変調し、N通りの位相勾配を与えて前記変調信号の中心周波数を変更する請求項1記載のレーダ装置。
  3. 前記受信系統は、パルス内を前記所定の変調信号により変調し、N通りの位相勾配を与えて前記変調信号の中心周波数を変更し、さらに時間軸を周波数軸に変換して、前記変調周波数付近を抽出した後に時間軸に戻して変調信号を取得する請求項1記載のレーダ装置。
  4. 前記受信系統は、前記受信アンテナ毎のレンジ軸の受信信号を周波数軸の信号に変換して、前記変調信号に対応した周波数帯に分割後、N×MのMIMO信号を取得し、所定の複素ウェイトを乗算してビーム形成し、パルス内を変調した変調信号によりパルス圧縮する請求項1記載のレーダ装置。
  5. 前記受信系統は、前記パルス内を変調した分割周波数帯毎の変調信号によりパルス圧縮して、分割周波数のチャンネル数分のビームを形成する請求項4記載のレーダ装置。
  6. 前記受信系統は、前記ビーム合成により検出した目標に対して、レンジ軸についてモノパルス処理する請求項1記載のレーダ装置。
  7. 前記受信系統は、前記ビーム合成により検出した目標に対して、レンジ軸について高分解能処理を行う請求項1記載のレーダ装置。
  8. 前記送信系統は、送信位相を既知の擬似ランダム位相に設定し、前記受信系統は、前記MIMOビームを形成する際に前記送信位相を補正してビーム形成する請求項4記載のレーダ装置。
  9. 前記送信系統は、送信位相を観測方向にヌルになるように設定し、前記受信系統は、前記MIMOビームを形成する際に前記送信位相を補正してビーム形成する請求項4記載のレーダ装置。
  10. 送信系統側で、アンテナ開口面をN(Nは2以上の自然数)個の送信アンテナ(1素子以上)に分割し、送信周波数帯域内をN個に分割し、N通りの中心周波数に応じた帯域の分割周波数毎に所定の変調信号により変調した信号を送信し、
    受信系統側で、アンテナ開口面をM(Mは2以上の自然数)個の受信アンテナ(1素子以上)に分割し、前記受信アンテナ毎の受信信号を、送信のN通りの中心周波数に応じた帯域に分割し、各々の分割帯域において送信側の対応した変調信号により復調してN×M個の復調信号を取得し、取得された各々の帯域の復調信号に送信ビーム形成用ウェイト、受信ビーム形成用ウェイトを乗算してビ−ム合成してMIMO(Multiple Input Multiple Output)ビームを形成し、ビーム形成方向の目標を検出するレーダ装置のレーダ信号処理方法。
  11. 前記受信系統側において、パルス内を前記所定の変調信号により変調し、N通りの位相勾配を与えて前記変調信号の中心周波数を変更する請求項10記載のレーダ装置のレーダ信号処理方法。
  12. 前記受信系統側において、パルス内を前記所定の変調信号により変調し、N通りの位相勾配を与えて前記変調信号の中心周波数を変更し、さらに時間軸を周波数軸に変換して、前記変調周波数付近を抽出した後に時間軸に戻して変調信号を取得する請求項10記載のレーダ装置のレーダ信号処理方法。
  13. 前記受信系統側において、前記受信アンテナ毎のレンジ軸の受信信号を周波数軸の信号に変換して、前記変調信号に対応した周波数帯に分割後、N×MのMIMO(Multiple Input Multiple Output)信号を取得し、所定の複素ウェイトを乗算してビーム形成し、パルス内を変調した変調信号によりパルス圧縮する請求項10記載のレーダ装置のレーダ信号処理方法。
  14. 前記受信系統側において、前記パルス内を変調した分割周波数帯毎の変調信号によりパルス圧縮して、分割周波数のチャンネル数分のビームを形成する請求項13記載のレーダ装置のレーダ信号処理方法。
  15. 前記受信系統側において、前記ビーム合成により検出した目標に対して、レンジ軸についてモノパルス処理する請求項10記載のレーダ装置のレーダ信号処理方法。
  16. 前記受信系統側において、前記ビーム合成により検出した目標に対して、レンジ軸について高分解能処理を行う請求項10記載のレーダ装置のレーダ信号処理方法。
  17. 前記送信系統側において、送信位相を既知の擬似ランダム位相に設定し、前記受信系統側において、前記MIMOビームを形成する際に前記送信位相を補正してビーム形成する請求項13記載のレーダ装置のレーダ信号処理方法。
  18. 前記送信系統側において、送信位相を観測方向にヌルになるように設定し、前記受信系統側において、前記MIMOビームを形成する際に前記送信位相を補正してビーム形成する請求項13記載のレーダ装置のレーダ信号処理方法。
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