JP2016017843A - レーダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の送信アンテナの送信信号が目標物から反射した受信信号から、ビーム合成に用いる、各送信信号由来の成分を正しく求めるレーダ装置を得る
【解決手段】 擬似直交信号により変調を行なった送信電波を送信する複数の送信アンテナと、前記送信電波が目標物から反射した反射電波を受信する受信アンテナと、前記受信アンテナが受信した反射電波から受信信号を復調する受信部と、前記擬似直交信号のそれぞれと前記受信信号との相関計算を行ない、送信信号分離ベクトルを算出する信号分離処理部と、前記擬似直交信号の相関行列の逆行列を、前記送信信号分離ベクトルと乗算し、送受信伝搬ベクトルを算出する相互相関補償部と、前記送受信伝搬ベクトルをもとに合成ビームを算出するビーム合成処理部と、前記合成ビームの振幅と所定の基準に基づき前記目標物を検出する目標検出処理部とを備えるようにする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、複数の送信アンテナから目標を探査する領域に送信電波を送信し、探査する領域内の目標物から反射した反射電波を受信アンテナにより受信し、受信した電波をもとに目標物を探知するレーダ装置に関する。
レーダ装置は、目標物に向けて送信電波を送信し、送信電波が目標物から反射した反射電波を受信し分析することにより目標物を探知し、探知した目標物の位置の特定をする。レーダ装置により、微小な目標の探知や、目標物の位置の正確な特定を行なおうとすると、送信電波の送信及び反射電波の受信に、電力を集中させた細いビームを生成し、その細いビームを目標物に指向させることが必要になる。細いビームを生成する為には、電波の送信、受信に使用するアンテナを大型化させる必要がある。しかし、アンテナの大型化には限界が有る。このため、微小な目標の探知や、目標物の位置の正確な特定に関する性能向上は、アンテナの大型化の限界により制限されている。
そこで、送信アンテナや受信アンテナを大型化させずに微小な目標の探知や、目標物の位置の正確な特定を行なうため、送信アンテナや受信アンテナを、それぞれ、設置位置を広範囲に分散させた複数の分散アンテナにより構成する技術がある。この技術では、分散させて配置した複数の送信アンテナから、互いに直交する送信信号を送信し、目標からの反射信号を、分散させて配置した複数の受信アンテナで受信する。複数の受信アンテナで受信した受信信号とそれぞれの送信信号との相関を行なうことにより、受信信号から、各送信信号由来の成分を分離し、分離した成分を基に、信号処理により送信ビームや受信ビームを合成して、この送信ビームと受信ビームにより目標の探知を行なう。この様にして、アンテナの分散させた範囲に該当する細い送信ビームや受信ビームを合成し、分散配置させたアンテナの範囲に該当する広大なアンテナを使用した場合と同様の効果を得る(たとえば、特許文献1および非特許文献1参照)。
特開2012−194043号公報(図1)
平田他、「MIMOレーダの基礎実験評価」、信学技報、社団法人電子情報通信学会、2009年4月、SANE2009−1
従来のレーダ装置は、上記のように構成されているため、信号処理により受信ビームと送信ビームの合成を行う為には、受信信号から、各送信信号由来の成分が正しく求められることが必要である。そのためには、送信信号は、互いに直交することが必要であり、レーダ装置は、互いに直交する送信信号のそれぞれと受信信号との相関を行なうことにより、受信信号から、各送信信号由来の成分を分離できることが必要である。互いの相互相関が0となる直交信号は、一般に、無限時間における相互相関を0にする。しかし、レーダの送信信号として使用される信号は、有限時間の信号でなければならない。このため、実際には、直交信号を有限時間で切り出した擬似直交信号が送信信号に使用される。この様な擬似直交関数相互の相互相関は、0に近い小さい値であるが、0ではない。このため、レーダ装置が受信信号から各送信信号との相関により分離した信号は、擬似直交関数の相互相関による、分離対象以外の擬似直交関数の成分が混入しており、正しく各送信信号由来の成分が抽出されたものではない。この擬似直交関数の相互相関による分離対象以外の擬似直交関数の成分の混入により、合成するビームの形状が変形し、レーダ装置の、微小な目標の探知や目標物の位置を正確に特定する性能が、劣化することがあるという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、複数の送信アンテナの送信信号が目標物から反射した受信信号から、ビーム合成に用いる、各送信信号由来の成分を正しく求めることができるレーダ装置を得ることを目的とする。
この発明に係るレーダ装置は、互いに直交する複数の直交信号を有限時間で切り出した擬似直交信号のそれぞれに対応して設けられ、前記擬似直交信号により変調を行なった送信電波を送信する複数の送信アンテナと、前記複数の送信アンテナから送信された前記送信電波が前記目標探査領域に存在する目標物から反射した反射電波を受信する受信アンテナと、前記受信アンテナが受信した反射電波から受信信号を復調する受信部と、前記擬似直交信号のそれぞれと前記受信信号との相関計算を行ない、算出された送信信号分離成分を順番に並べた、送信信号分離ベクトルを算出する信号分離処理部と、前記擬似直交信号を前記送信信号分離ベクトルと対応する順番に並べた擬似直交信号ベクトルの相関行列の逆行列を、前記送信信号分離ベクトルと乗算し、前記擬似直交信号に対応する送信アンテナからの送受信伝搬成分が前記送信信号分離ベクトルと対応する順番に並んだ、送受信伝搬ベクトルを算出する相互相関補償部と、前記目標探査領域を複数の分割探査領域に分割し、前記分割探査領域毎に、前記送受信伝搬ベクトルに含まれる複数の送受信伝搬成分をもとに合成ビームを算出するビーム合成処理部と、前記分割探査領域毎に、前記合成ビームの振幅と所定の基準に基づき前記目標物を検出する目標検出処理部とを備えるようにしたものである。
本発明によれば、レーダ装置は、送信信号を変調する擬似直交信号と受信信号との相関により受信信号に含まれるそれぞれの送信信号の成分を分離し送信信号分離成分を求め、さらに、擬似直交信号ベクトルどうしの相関関数からなる相関行列の逆行列を用い、送信信号分離成分から分離対象以外の送信信号由来の成分の混入を除くため、ビーム合成に用いる各送信信号由来の成分を、分離対象以外の送信信号由来の成分の混入なく求めることができる。
この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の構成例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の相互相関補償部の構成例を示すブロック図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るレーダ装置の構成例を表すブロック図である。図1において、レーダ装置は、送受信制御装置1、分散して配置された複数の送信ユニット2−1〜2−M、分散して配置された複数の受信ユニット3−1〜3−N、ビーム合成処理部4、目標検出処理部5を備える。送信ユニットの数Mは、2以上の自然数であり、受信ユニットの数Nは、1以上の自然数である。MとNは、それぞれ同じである必要は無く、独立に決めて良い。
送受信制御装置1は、互いに直交する複数の直交信号を有限時間で切り出した擬似直交信号とそれぞれの送信ユニット2−1〜2−Mの対応付けを行う。複数の送信ユニット2−1〜2−Mは、送受信制御装置1が対応付けを行なった擬似直交信号により変調を行った送信電波を、探査領域6に送信する。複数の受信ユニット3−1〜3−Nは、複数の複数の送信ユニット2−1〜2−Mが送信した送信電波が、探査領域6に存在する目標から反射した反射波を受信する。複数の受信ユニット3−1〜3−Nは、受信した反射波から受信信号を復調し、受信信号をもとに、複数の送信ユニット2−1〜2−Mからそれぞれの受信ユニットまで伝搬する伝搬成分を算出する。ビーム合成処理部4は、探査領域6を分割した複数の分割探査領域8毎に、複数の受信ユニット3−1〜3−Nが算出した、複数の送信ユニット2−1〜2−Mと複数の受信ユニット3−1〜3−Nの全ての組み合わせについての伝搬成分を基に、合成ビームを算出する。目標検出処理部5は、分割探査領域8毎に、合成ビームの振幅と所定の基準に基づき目標物7を検出する。
送信ユニット2−1は、送信信号生成部21−1、送信部22−1、および送信アンテナ23−1を有する。この構成は、全ての送信ユニットに共通であり、送信ユニット2−m(m=1〜M)はそれぞれ、送信信号生成部21−m、送信部22−m、および送信アンテナ23−mを有する。送信信号生成部21−m、送信部22−m、および送信アンテナ23−mは、それぞれの送信ユニットにおいて、同等の機能を実現する。
送信ユニット2−m(m=1〜M)において、送信信号生成部21−mは、送受信制御装置1が当該の送信ユニットとの対応付けを行なった擬似直交信号を生成する。送信部22−mは、送信信号生成部21−mが生成した擬似直交信号で変調した送信電波を生成する。送信アンテナ23−mは、送信部22−mが生成した送信電波を探査領域6に送信する。
受信ユニット3−1は、受信アンテナ31−1、受信部32−1、信号分離処理部33−1、および相互相関補償部34−1を有する。この構成は、全ての受信ユニットに共通であり、受信ユニット3−n(n=1〜N)はそれぞれ、受信アンテナ31−n、受信部32−n、信号分離処理部33−nおよび相互相関補償部34−nを有する。
受信ユニット3−n(n=1〜N)において、受信アンテナ31−n(n=1〜N)は、探査領域6に存在する目標物7からの反射電波を受信する。受信部32−nは、受信アンテナ31−nが受信した反射電波から受信信号を復調する。信号分離処理部33−nは、送受信制御装置1が複数の送信ユニット2−1〜2−Mとの対応付けを行なった擬似直交信号を並べた擬似直交信号ベクトルと、受信部32−1が復調を行なった受信信号との相関を行ない、それぞれの擬似直交信号の成分である送信信号分離成分を算出し、送信信号分離成分を擬似直交信号ベクトルと対応する順に並べた送信信号分離ベクトルを算出する。相互相関補償部34−nは、それぞれの送信信号分離ベクトルから、送受信伝搬ベクトルを算出する。
次に、動作について説明する。送受信制御装置1は、互いの相関が0となり直交する複数の直交信号を選択する。送受信制御装置1は、選択した複数の直交信号のそれぞれを有限な時間で切り出した擬似直交信号の一つ一つに対し、対応する送信ユニット2−1〜2−Mを選択し、擬似直交信号と送信ユニットとの間の対応付けを行なう。送受信制御装置1は、送信ユニット2−1〜2−Mに、それぞれ対応する擬似直交信号s〜sを指示する。また、送受信制御装置1は、受信ユニット31−1〜31−Nに、擬似直交信号s〜sと送信ユニット2−1〜2−Mの対応を通知する。
送受信制御装置1が擬似直交信号を選択する上で使用する直交信号は、2値または多値の直交符号を信号としたもの、直交関数系をアナログ信号とした信号、同一の信号に時間差をつけた信号や、異なる周波数の信号、これ等の2つ以上を組み合わせた信号など、何れでもよい。
直交信号は、無限の時間における互いの相互相関が0になる。レーダ装置の送信信号は有限の時間によるもので無ければならないため、送信信号s〜sは、直交信号を有限時間で切り出した擬似直交信号を使用している。擬似直交信号は、有限時間で切り出した信号であるため、式(1)の様に、自己相関の値は、規格化された値sとなり、相互相関の値は、自己相関に比べて小さな、0に近い値s・ρi,jとなる。なお、式(1)中の*は、複素共役を表す。
Figure 2016017843
送信ユニット2−m(m=1〜M)のそれぞれにおいて、送信信号生成部21−mは、送信制御装置1から指示された、対応する擬似直交信号sを送信信号として生成する。送信部22−mは、擬似直交信号sにより搬送波を変調、増幅して送信電波Sを生成し、送信アンテナ23−mは、送信電波Sを空中に送信する。
それぞれの送信ユニット2−1〜2−Mの送信アンテナ23−1〜23−Mから送信された送信電波S〜Sは、レーダ装置が目標物を探査する範囲としている探査領域6にある目標物7まで伝搬し、反射する。送信ユニット2−m(m=1〜M)の送信アンテナ23−mから、目標物7までの距離をDt,mとすると、送信電波は、距離Dt,mを伝搬する間に、その位相が2πDt,m/λ(λは、送信電波の波長)遅れる。このため、送信アンテナ23−mから目標物7に届く電波qは、式(2)の様に表される。
Figure 2016017843
目標物7には、全ての送信ユニット2−1〜2−Mから送信電波が届く。このため、全ての送信ユニット2−1〜2−Mから目標物7に届く電波Qは、式(3)の様に表される。
Figure 2016017843
目標物7の反射断面積をσとすると、目標物7からの反射波は、式(4)の通りとなる。
Figure 2016017843
目標物7からそれぞれの受信ユニット3−n(n=1〜N)の受信アンテナ31−nまでの距離をDr,nとすると、送信電波は、距離Dr,nを伝搬する間に、その位相が2πDr,n/λ(λは、送信電波の波長)遅れる。このため、目標物7から受信アンテナ31−n(n=1〜N)のそれぞれに届く反射電波Rは、式(5)の様に表される。
Figure 2016017843
それぞれの受信ユニット3−n(n=1〜N)の受信部32−nは、受信アンテナ31−nで受信した、式(5)で表される反射電波Rを増幅し、周波数変換、AD変換を行い、受信信号rを復調する。このため、受信信号rは、反射波Rと同様に、擬似直交信号s〜sの成分を含み、(6)のとおりになる。
Figure 2016017843
それぞれの受信ユニット3−n(n=1〜N)の信号分離処理部33−nは、式(6)で表される受信信号rから、式(1)の関係を用いて、擬似直交信号s〜sの成分を分離する。いずれかの擬似直交信号s(m=1〜M)の成分を分離する場合、式(7)のように、受信信号rと擬似直交信号sとの相関計算を行い、送信信号分離成分yn,mを算出する。信号分離処理部33−nは、擬似直交信号s〜sの成分をそれぞれ分離し、複数の送信信号送信信号分離成分yn,mを、擬似直交信号s〜sの順番に並べた、式(8)で示す送信信号分離ベクトルyを算出する。
Figure 2016017843
Figure 2016017843
また、信号分離処理部33−n(n=1〜N)が出力する、式(8)で示す送信信号分離ベクトルyは、式(9)の様に行列の形式で表現することができる。行列Cは、擬似直交信号s〜sを並べた擬似直交信号ベクトル[s,s・・・,sの相関行列である。擬似直交信号ベクトルの擬似直交信号s〜sの順番と、送信信号分離ベクトルyの送信信号分離成分yn,1〜yn,Mの順番は対応している。
Figure 2016017843
式(7)ないし式(9)において、擬似直交信号の自己相関sに対して、相互相関s・ρi,jの値は小さい。このため、信号分離処理部33−n(n=1〜N)が算出する送信信号分離成分yn,mにおいては、受信部32−nが復調した受信信号から、擬似直交信号sの成分であるσar,n・at,m・sが抽出され、ほぼ分離される。
しかし、式(1)で示したように、擬似直交信号は、直交信号を有限の時間で切り出した信号であるため、直交信号ではない。式(7)ないし式(9)における相互相関ρi,jは、値が小さくはあるが、0ではない。このため、ビーム合成処理部4で信号処理により合成ビームを算出する際に、信号分離処理部33−n(n=1〜N)が算出する送信信号分離成分yn,mに基づき合成ビームを生成する場合、分離されずに残ったρi,jの項が、ビーム形成を行なう上で誤差として影響し、ビームが形成される位置のずれ、ビーム幅の広がり、ビーム尖頭での利得の低下といったビーム形状の変形の原因となる。
それぞれの受信ユニット3−n(n=1〜N)の相互相関補償部34−nは、信号分離処理部33−nの出力である、送信信号分離ベクトルyを構成する送信信号分離成分yn,mから、各要素から相互相関s・ρi,jの影響を除き、送受信伝搬成分zn,mで構成される、送受信伝搬ベクトルzを算出する。送受信伝搬ベクトルzは、送受信伝搬成分zn,mが、送信信号分離ベクトルyに対応する順に並んだベクトルである。ビーム合成処理部4は、相互相関s・ρi,jの影響により分離対象以外の擬似直交関数の成分が混入している送信信号分離成分yn,mではなく、相互相関補償部34−nが算出する、相互相関s・ρi,jの影響を除いた送受信伝搬成分zn,mを基にビーム合成を行なうことにより、正確なビーム合成を行なうことができる。
相互相関補償部34−nでは、送受信制御装置1により通知された、擬似直交信号s〜sと送信ユニット2−1〜2−Mとの対応を基に、式(9)で示される擬似直交信号の相関行列Cを算出する。さらに、相互相関補償部34−nでは、相関行列Cの逆行列C−1を算出する。
相互相関補償部34−nは、算出した逆行列C−1と送信信号分離ベクトルyとの積を計算し、式(10)の様に、送受信伝搬成分zn,mで構成される、送受信伝搬ベクトルzを算出する。
Figure 2016017843
さらに、式(10)は、式(1)および式(9)により式(11)のように変形される。
Figure 2016017843
また、式(11)の送受信伝搬ベクトルzを構成するそれぞれの送受信伝搬成分zn,m(m=1〜M)は、式(12)の様に表される。式(12)のat,m、σ、ar,nは、それぞれ、送信アンテナ23−mから目標物7までの距離による位相変化、目標物7の反射断面積、目標物7から受信アンテナ31−nまでの距離による位相変化であることから、zn,mは、送信ユニット2−mから送信され、目標物7で反射し、受信ユニット3−nに到達する信号成分であることがわかる。
Figure 2016017843
式(12)の結果から明らかなように、送受信伝搬ベクトルzを構成するそれぞれの送受信伝搬成分zn,m(m=1〜M)は、式(7)で表される送信信号分離成分yn,mから相互相関s・ρi,jの項を除去し、擬似直交信号sの自己相関<s,s>の成分のみとしたものに他ならない。このように、相互相関補償部34−n(n=1〜N)は、擬似直交信号s〜sの相関行列Cの逆行列C−1と送信信号分離ベクトルyとの積を計算し、受信信号rから、それぞれの擬似直交信号s〜sの成分のみを分離した、送受信伝搬成分zn,1〜zn,Mで構成される、送受信伝搬ベクトルzを算出する。
図2は、相互相関補償部34−n(n=1〜N)の構成例を表す図である。図2(a)で示すように、相互相関補償部34−nは、相関逆行列算出処理部341−n、メモリ342−n、および行列演算処理部343−nにより構成することができる。相関逆行列算出処理部341−nは、送受信制御装置1が受信ユニットに通知した擬似直交信号s〜sを基に、相関行列Cの逆行列C−1を算出し、メモリ342−nに記憶させる。行列演算処理部343−nは、信号分離処理部33−nが算出した送信信号分離成分yn,1〜yn,Mを取得すると、取得した送信信号分離成分yn,1〜yn,Mとメモリ342−nが記憶する逆行列C−1との乗算を行い、送受信伝搬成分zn,1〜zn,Mで構成される、送受信伝搬ベクトルzを算出する。このように、予め算出した逆行列C−1を記憶しておき、記憶した逆行列を利用して行列乗算処理を行うことで、相互相関補償部34−nは、送受信伝搬ベクトルzを効率的に算出することができる。
また、相互相関補償部34−n(n=1〜N)は、図2(b)に示すように、相関行列算出処理部344−n、メモリ345−n、逆行列算出部346−n、および行列演算処理部343−nにより構成しても良い。図2(b)の構成では、相関行列算出処理部344−nは、送受信制御装置1が受信ユニットに通知した擬似直交信号s〜sを基に相関行列Cを算出し、メモリ345−nに記憶させる。行列演算処理部343−nは、信号分離処理部33−nが算出した送信信号分離成分yn,1〜yn,Mを取得すると、メモリ345−nが記憶する相関行列Cを基に逆行列算出部346−nが算出した逆行列C−1と送信信号分離ベクトルyとの積を計算し、送受信伝搬成分zn,1〜zn,Mで構成される、送受信伝搬ベクトルzを算出する。このように、予め算出した相関行列Cを記憶しておき、記憶した相関行列Cを基に算出した逆行列C−1を利用して行列乗算処理を行うことで、相互相関補償部34−nは、毎回相関行列Cを算出する場合に比べて、送受信伝搬ベクトルzを効率的に算出することができる。
ビーム合成部処理部4は、探査領域6を分割した複数の分割探査領域8毎に、複数の受信ユニット3−1〜3−Nが算出した、複数の送信ユニット2−1〜2−Mと複数の受信ユニット3−1〜3−Nの全ての組み合わせについての送受信伝搬成分zn,mを基に、合成ビームにおける目標からの反射信号を算出する。
ここで、探査領域6を分割した複数の分割探査領域8の、p番目の領域を、分割探査領域8pとする。また、それぞれの送信ユニット2−m(m=1〜M)の送信アンテナ23−mからの分割探査領域8pまでの距離をLpt,m、分割探査領域8pから、それぞれの受信ユニット3−n(n=1〜N)の受信アンテナ31−nまでの距離をLpr,nとする。
ビーム合成処理部4は、それぞれの受信ユニット3−n(n=1〜N)で受信した受信信号から算出した送受信伝搬成分zn,mを基に分割探査領域8のp番目の領域の方向に指向する受信ビームBpr,mを合成し、受信ビームにおける目標物からの反射信号を算出する。具体的には、式(13)で示すとおり、ある同一の送信ユニット2−mと全ての受信ユニット3−1〜3−Nとの間の送受信伝搬成分z1,m〜zN,mを、分割探査領域8のp番目の領域と受信ユニット3−nとの距離Lpr,nに伴う電波の位相ずれを補償しながら合成する。
Figure 2016017843
また、さらに、ビーム合成部4は、送信ビームBpt,mを合成し、送信ビームを指向させたときの分割探査領域8のp番目の領域からの反射信号を算出する。具体的には、式(14)で示すとおり、全ての送信ユニット2−1〜2−Mに関する受信ビームBpr,mを、分割探査領域8のp番目の領域と送信ユニット2−mとの間の距離をLpt,mに伴う電波の位相ずれを補償しながら合成する。
Figure 2016017843
式(13)および(14)は、送受信伝搬成分zn,mが式(6)の様に、擬似直交信号sの自己相関の成分のみに分離されているとき、式(15)の様に変形される。
Figure 2016017843
式(15)は、アレイアンテナにおけるビーム合成と同等であり、mについての総和の部分の絶対値(信号の振幅)は、Dt,m−Lpt,mがそれぞれのmに関して同じ値のとき、すなわち、合成した送信ビームが目標物7の方向に指向したときに最大値Mとなる。同様にnについての総和の部分の絶対値は、Dr,n−Lpr,nがそれぞれのnに関して同じ値のとき、すなわち、合成した受信ビームが目標物7の方向に指向したときに最大値Nとなる。このため、式(15)の絶対値は、合成された送信ビームおよび受信ビームが目標物7に指向したとき、最大値σ・s・M・Nとなる。なお、受信ユニットの数Nは、1であっても上記の議論は成立し、このことは、受信ユニットが1であっても、送信ビームを目標物7に指向する効果は得られることを示す。
なお、式(13)および、(14)から式(15)が導出される為には、送受信伝搬成分zn,mが式(6)の様に、擬似直交信号sの自己相関の成分のみに分離されていることが必要であり、式(9)のように、相互相関s・ρi,jの項が残っている送信信号分離成分yn,mを基に式(16)のように、ビーム合成(B1pt、B1pr、m)を行なった場合、ρi,jの値によっては、相互相関s・ρi,jの項が干渉するため、正確にビーム合成を行なうことはできないことがある。
Figure 2016017843
目標検出処理部5は、式(15)で得られる目標からの反射信号の振幅(絶対値)を予め定めた閾値と比較し、目標物7を検出する。閾値については、それぞれの受信ユニット3−1〜3−Nで受信する空間雑音や、受信ユニット3−1〜3−Nの内部雑音を式(13)および式(14)で合成して得られる合成雑音を算出し、合成雑音による目標の誤検出確率がレーダ装置の要求を満足するよう設定する。
以上のように、本実施の形態に係るレーダ装置によれば、送信信号と受信信号との相関により受信信号に含まれるそれぞれの送信信号の成分を分離し送信信号分離成分を求め、さらに、送信信号どうしの相関関数からなる相関行列の逆行列を用い、送信信号分離成分から分離対象以外の送信信号由来の成分の混入を除くため、送信信号どうしが完全に直交しない場合であっても、ビーム合成に用いる各送信信号由来の成分を、分離対象以外の送信信号由来の成分の混入なく求めることができる。
1 送受信制御装置
2−1 〜2−M 送信ユニット
21−1〜21−M 送信信号生成部
22−1〜22−M 送信部
23−1〜23−M 送信アンテナ
3−1 〜3−N 受信ユニット
31−1〜31−N 受信アンテナ
32−1〜32−N 受信部
33−1〜33−N 信号分離処理部
34−1〜34−N 相互相関補償部
4 ビーム合成処理部
5 目標検出処理部
6 探査領域
7 目標物
8 分割探査領域

Claims (2)

  1. 互いに直交する複数の直交信号を有限時間で切り出した擬似直交信号のそれぞれに対応して設けられ、前記擬似直交信号により変調を行なった送信電波を送信する複数の送信アンテナと、前記複数の送信アンテナから送信された前記送信電波が前記目標探査領域に存在する目標物から反射した反射電波を受信する受信アンテナと、前記受信アンテナが受信した反射電波から受信信号を復調する受信部と、前記擬似直交信号のそれぞれと前記受信信号との相関計算を行ない、算出された送信信号分離成分を順番に並べた、送信信号分離ベクトルを算出する信号分離処理部と、前記擬似直交信号を前記送信信号分離ベクトルと対応する順番に並べた擬似直交信号ベクトルの相関行列の逆行列を、前記送信信号分離ベクトルと乗算し、前記擬似直交信号に対応する送信アンテナからの送受信伝搬成分が前記送信信号分離ベクトルと対応する順番に並んだ、送受信伝搬ベクトルを算出する相互相関補償部と、前記目標探査領域を複数の分割探査領域に分割し、前記分割探査領域毎に、前記送受信伝搬ベクトルに含まれる複数の送受信伝搬成分をもとに合成ビームを算出するビーム合成処理部と、前記分割探査領域毎に、前記合成ビームの振幅と所定の基準に基づき前記目標物を検出する目標検出処理部とを備えたレーダ装置。
  2. 互いに直交する複数の直交信号を有限時間で切り出した擬似直交信号のそれぞれに対応して設けられ、前記擬似直交信号により変調を行なった送信電波を送信する複数の送信アンテナと、前記複数の送信アンテナから送信された前記送信電波が前記目標探査領域に存在する目標物から反射した反射電波を受信する受信アンテナと、前記受信アンテナが受信した反射電波から受信信号を復調する受信部、前記擬似直交信号のそれぞれと前記受信信号との相関計算を行ない、算出された送信信号分離成分を順番に並べた、送信信号分離ベクトルを算出する信号分離処理部、前記擬似直交信号を前記送信信号分離ベクトルと対応する順番に並べた擬似直交信号ベクトルの相関行列の逆行列を、前記送信信号分離ベクトルと乗算し、前記擬似直交信号に対応する送信アンテナからの送受信伝搬成分が前記送信信号分離ベクトルと対応する順番に並んだ、送受信伝搬ベクトルを算出する相互相関補償部を有する複数の受信ユニットと、前記目標探査領域を複数の分割探査領域に分割し、前記分割探査領域毎に、前記送受信伝搬ベクトルに含まれる複数の送受信伝搬成分をもとに合成ビームを算出するビーム合成処理部と、前記分割探査領域毎に、前記合成ビームの振幅と所定の基準に基づき前記目標物を検出する目標検出処理部とを備えたレーダ装置。
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