JP2017018097A - 加工食品の物性改変剤、ならびにそれを用いた加工食品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑かつ長期間を要することなく、加工食品の物性を改変するために有効な加工食品の物性改変剤、物性が改変された加工食品及びその製造方法の提供。【解決手段】燻煙処理されたグルテンを含有する、加工食品の物性改変剤、それを用いた加工食品、及び粉末グルテンを10〜140℃の燻煙を10分〜5時間接触させる燻煙処理工程を包含する、物性改変剤の製造方法。【効果】加工食品の保水性、保油性、強度等の物性を改変し、それにより加工食品に対し新たな食感を提供できる。【選択図】なし
Description
本発明は、加工食品の物性改変剤、ならびにそれを用いた加工食品およびその製造方法に関する。
グルテンは、穀物特有の粘質性のタンパク質であり、古くから焼麸、生麸、水産練り製品、パン類、麺類などの食品の原料として用いられている。
グルテンは、例えば、小麦粉から小麦澱粉を製造する際の副産物として得ることができる。すなわち、小麦粉に水を加えて練り、得られた混練物を水洗することによって、水中に小麦澱粉が懸濁する。他方、水に懸濁せずに、残留した固形の塊がグルテン(生グルテン)であり、懸濁液から分離回収することによって得ることができる。このような生グルテンは、約60質量%〜約70質量%の水分を含む。グルテンは、生グルテンの冷凍物、あるいは生グルテンを乾燥粉末化してグルテン粉末として流通され、加工食品の素材の1つとして利用されている。
一方、加工食品の製造において食感や品質の向上のために、加工食品の物性を改変するための種々の取り組みが行われている。その1つとして、近年では、上記グルテンを用いて加工食品の食感を改良することが検討されている。
例えば、特許文献1は、生グルテンとグルコース(還元糖)とを水溶液に分散させた小麦タンパク質分散液を得、この小麦タンパク質分散液を加熱処理した後、未反応の低分子量成分を除去して水溶性画分を回収し、凍結乾燥して食品品質改良剤を得る方法を記載している。しかし、この方法は、小麦タンパク質分散液調製工程、加熱工程(2時間〜30日間)、低分子量成分除去工程、および凍結乾燥工程の4工程を必須とするものである。この方法は、製造工程が複雑であり、長期間を要する点で、工業的生産性に優れているとは言い難い。
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、複雑かつ長期間を要することなく、加工食品の物性を改変するために有効な加工食品の物性改変剤を提供し、かつ物性が改変された加工食品およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、燻煙処理されたグルテンを含有する、加工食品の物性改変剤である。
1つの実施形態では、上記物性は、強度、保水性および保油性からなる群から選択される少なくとも1種の性質である。
本発明はまた、加工食品の物性改変剤の製造方法であって、粉末グルテンを燻煙処理する工程を包含する、方法である。
1つの実施形態では、上記燻煙処理する工程は、上記粉末グルテンに対し、10℃から140℃の燻煙を10分から5時間接触させることにより行われる。
本発明はまた、食品素材と上記物性改変剤とを含有する、加工食品である。
本発明はまた、加工食品の製造方法であって、
食品素材に、上記物性改変剤を添加して食品素材混合物を得る工程;および
該食品素材混合物を加熱する工程;
を包含する、方法である。
食品素材に、上記物性改変剤を添加して食品素材混合物を得る工程;および
該食品素材混合物を加熱する工程;
を包含する、方法である。
本発明によれば、強度、保水性、保油性などの加工食品の物理的性質を改変することができる。これにより、得られた加工食品は、例えば、適度な強度を有することによる新たな食感、および/または適度な水分または油分を保持することによるジューシーな感覚を提供することができる。
(加工食品の物性改変剤)
本発明の加工食品の物性改変剤は、燻煙処理されたグルテンを含有する。
本発明の加工食品の物性改変剤は、燻煙処理されたグルテンを含有する。
ここで、本明細書において用いられる用語「加工食品の物性改変」とは、加工食品が有する物理的性質(例えば、強度、吸水性、吸油性、保水性、保油性)が変化すること、およびこれに伴う当該加工食品自体の食感等(例えば、柔らかさ、硬さ、弾力性、口溶け、衣の結着性を包含する)が変化することを包含して言い、当該用語は、味覚や嗅覚によって感知される味や香り等の「風味」の改変とは区別されるものである。
本発明を構成する燻煙処理されたグルテンは、例えば、粉末グルテンを燻煙処理することにより得られたものである。
グルテンは、S−S結合を含むため弾力性に富むことが知られており、種々の食品の食感に重要な役割を果たしている。特に穀物には、タンパク質であるグルテンが豊富に含有される。
本発明において、粉末グルテンとは、例えば、穀物から直接、洗浄法、抽出法などの当業者が通常行う方法によって得られる生グルテンを、当該分野において周知の方法で乾燥し、粉末化したものを指して言う。
生グルテンは、例えば、小麦、大麦、ライ麦などの穀物から得ることができる。本発明においては、汎用性に富み、入手が容易である等の理由から、好ましくは小麦由来の生グルテンが使用され得る。
上記穀物から洗浄法により生グルテンを得る場合、生グルテンは、例えば、小麦粉などの穀粉に少量の溶媒(例えば、水、食塩水、希リン酸ナトリウム水溶液)を加えて練った生地(ドウ)を作製し、その後当該記事を上記溶媒で洗浄すること、あるいは多量の溶媒中でさらに練ることによって得ることができる。この方法によれば、上記穀物に含まれる不要な澱粉が溶媒中に懸濁して除去されるため、所望のグルテンが粘弾性の塊として得ることができる。
上記穀物から抽出法により生グルテンを得る場合、生グルテンは、例えば、上記洗浄法と同様にして得たドウに希酢酸−エタノール混合液などの溶媒を加えて、グルテンを一旦溶解させ、残渣の澱粉を不溶物として分別し、その後溶媒を除去することによって得ることができる。
さらに、このようにして得られた生グルテンを、例えば、50℃〜80℃で乾燥し、粉末化することにより、粉末グルテンを得ることができる。粉末グルテンの平均粒径は必ずしも限定されないが、例えば、50μm〜500μmである。
粉末グルテンの燻煙処理は、例えば燻煙を充満させた空間にこのような粉末グルテンを一定時間配置することにより行われる。
燻煙は、例えば、燻煙材を高温下で加熱することにより発生する煙であって、燻煙材に含まれる種々の化学的成分から構成されるものである。燻煙の発生は、粉末グルテンを処理する閉鎖空間と同じ空間内で行われてもよく、あるいは燻煙を発生させる空間は燻煙を充満させる空間とは異なる空間で行われてもよい。この場合、燻煙は燻煙を発生させる空間から燻煙を充満させる空間に配管などを介して導入される。
燻煙を充満させる空間の大きさは、特に限定されない。燻煙処理は、例えば、閉鎖空間で行われ得るが、燻煙の排気口を備えた空間(例えば燻製装置内)で行われてもよい。
粉末グルテンの燻製処理は、例えば、回転式ドラムに粉末グルテンを仕込んだ燻製装置においてドラムを回転しながら(すなわち適度に撹拌された環境下で)行われてもよい。撹拌すると、より均一に燻煙処理されたグルテンを一度に多く得ることができる。さらに、燻煙を充満させる空間の省スペース化を図ることもできる。撹拌手段としては、必ずしも上記に限定されず、例えば、当業者に公知の機械式撹拌手段、送風式撹拌手段が用いられてもよい。
燻煙材としては、特に限定されず、例えば、オーク、ヒッコリー、サクラ、ナラ、リンゴ、ブナ、クヌギ、クルミ、ならびにこれらの組合せのような木材が挙げられる。燻煙材の種類および/または組合せは、当業者によって適宜選択することができる。なお、燻煙材には、上記木材の樹皮を除いた木質部を粉砕し、得られた粉末を棒状に固めたスモークウッド、および/または木質部を粒状に細かくしたスモークチップを用いてもよい。
燻煙を充満させた空間の燻煙の濃度は特に限定されない。
燻煙を充満させた空間の温度は、特に限定されず、例えば、10℃〜140℃であり、好ましくは20℃〜90℃である。10℃未満の場合、燻煙が液化して木酢液を生じ、生グルテンと一緒になってペースト状になることがあり、140℃を超えると、燻煙量が多くなりすぎて、得られたグルテンに所望でない風味を与えることがある。
燻煙を充満させた空間で粉末グルテンを処理する時間(燻煙時間)は、一度に処理する粉末グルテンの量、燻煙濃度、処理する空間容積等によって変動するため、必ずしも限定されないが、例えば、10分〜5時間であり、好ましくは10分〜3時間であり、より好ましくは20分〜2時間30分である。燻煙時間がこのような時間内に設定されることにより、製造効率を良好に保持したまま、本発明の物性加工剤の成分として有用な燻煙処理されたグルテンを得ることができる。
このようにして、粉末グルテンを用いて、本発明を構成する燻煙処理されたグルテンを得ることができる。
本発明の加工食品の物性改変剤は、上記燻煙処理されたグルテン以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて他の成分を含有していてもよい。
本発明の加工食品の物性改変剤は、加工食品の食感等に影響する種々の物性(例えば、強度、保水性、保油性)を改変し、当該加工食品に対して新たな食感等を提供することができる。本発明の加工食品の物性改変剤はまた、水への分散が可能である。これにより、本発明の物性改変剤は、例えば、ピックル液のような液体中に添加し、後述する食品素材の浸漬を通じて加工食品の物性改変を行うこともできる。本発明の加工食品の物性改変剤を、このような水等への液体に分散させて使用することは、従来のグルテンでは到底なしえなかった新たな使用方法の1つである。
(加工食品)
本発明の加工食品は、食品素材と上記本発明の物性改変剤を含有する。
本発明の加工食品は、食品素材と上記本発明の物性改変剤を含有する。
食品素材としては、必ずしも限定されないが、例えば、畜肉、魚介、卵、穀粉、および野菜類、ならびにこれらの組合せが挙げられる。これらの食品素材は、複数の種類のものが組み合わせて使用されてもよい。
本発明の加工食品はまた、上記本発明の効果を損なわない範囲において、食品加工分野において一般的に使用され得る、他の食品構成成分を含有していてもよい。当該他の食品構成成分の例としては、特に限定されないが、調味料、香料、香味料、着色用、保存料、安定化剤、酸化防止剤、およびpH調整剤、ならびにそれらの組合せが挙げられる。他の食品構成成分の含有量は、当業者によって任意の量が適切に選択され得る。
本発明の加工食品を製造するにあたっては、まず、食品素材に、本発明の上記物性改変剤を添加することにより、食品素材混合物が作製される。
本発明において、上記物性改変剤の含有量(または添加量)は、必ずしも限定されないが、例えば、上記食品素材(未加熱品または未調理品)の合計質量を100質量部とした場合、好ましくは0.5質量部〜10質量部、より好ましくは0.8質量部〜3質量部である。加工食品における物性改変剤の含有量が0.5質量部を下回ると、得られる加工食品に対して物性改変に基づく食感の変化を充分に提供することができない場合がある。加工食品における物性改変剤の含有量が10質量部を上回ると、得られる加工食品の燻製臭が強くなる場合がある。
食品素材に対し、上記物性改変剤は一度に添加されてもよく、あるいは複数に分けて添加されてもよい。上記他の食品構成成分もまた必要に応じて添加され得る。各成分の添加後、必要に応じて混合が行われてもよい。このようにして食品素材混合物を得ることができる。食品素材混合物は、必要に応じて成型や切断、および/または別の食品素材とのさらなる混合や積層等が行われてもよい。
次いで、食品素材混合物は加熱される。
この加熱には、加工食品の製造において調理として行われる際の熱が用いられてもよい。具体的には、焼成、揚げ、茹で、蒸しなどの調理行為の他、電子レンジによる加熱などが挙げられる。これらの加熱は必要に応じて複数種類が組合わされてもよい。この加熱に要する時間、温度は製造する加工食品の種類や量に応じて変動するため特に限定されず、当業者によって任意の時間および温度が選択され得る。
このようにして本発明の加工食品が製造される。
本発明の加工食品は、例えば、ハンバーグ、餃子、焼売、中華饅頭、ミートボール、つくね、ソーセージ、ハム、ベーコン、チキンナゲット、鶏唐揚げ、とんかつ(ピックル液)、卵焼き、だし巻き卵、厚焼き卵、薄焼き卵、炒り卵、オムレツ、スクランブルエッグ、かに玉、茶碗蒸し、麺(そば、うどん、中華麺など)、餃子の皮、ピザ、中華饅頭、饅頭、どら焼、パン、スポンジケーキ、ホットケーキ、クッキー、マフィン、ブッセ、シュー皮が挙げられる。製造された加工食品は、必要に応じて、例えば、所定の大きさへの切断や包装容器への収納が行われてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1:グルテン試料(E1)の製造)
回転ドラム式燻製装置(300L容量)を用いて、40kgの小麦粉由来の粉末グルテン(水分含量:10質量%以下、タンパク質含量;75質量%以上)を、25℃で60分間燻煙した。なお、燻煙材としては、オークのスモークチップ1kgを用いた。これにより、燻煙処理されたグルテンを得た。この燻煙処理されたグルテンに対し、他の成分を添加することなく、そのままグルテン試料(E1)として使用した。
回転ドラム式燻製装置(300L容量)を用いて、40kgの小麦粉由来の粉末グルテン(水分含量:10質量%以下、タンパク質含量;75質量%以上)を、25℃で60分間燻煙した。なお、燻煙材としては、オークのスモークチップ1kgを用いた。これにより、燻煙処理されたグルテンを得た。この燻煙処理されたグルテンに対し、他の成分を添加することなく、そのままグルテン試料(E1)として使用した。
(実施例2〜4:グルテン試料(E2)〜(E4)の製造)
燻煙時間を60分間の代わりに、それぞれ120分間、240分間および360分間としたこと以外は実施例1と同様にして燻煙処理されたグルテンを得、これをそのままグルテン試料(E2)〜(E4)とした。
燻煙時間を60分間の代わりに、それぞれ120分間、240分間および360分間としたこと以外は実施例1と同様にして燻煙処理されたグルテンを得、これをそのままグルテン試料(E2)〜(E4)とした。
(比較例1:グルテン試料(C1)の製造)
燻煙処理を行うことなく粉末グルテン自体を、実施例1〜4の物性改変剤との比較のために用い、これをグルテン試料(C1)とした。
燻煙処理を行うことなく粉末グルテン自体を、実施例1〜4の物性改変剤との比較のために用い、これをグルテン試料(C1)とした。
(評価1:加熱ゲルの破断強度の測定)
実施例1で得られたグルテン試料(E1)および水を1:2の質量比となるように混合し、この混合物を、50mlの遠沈管に詰め、90℃にて40分間加熱してゲル化させた。得られた加熱ゲルから直径25mmおよび厚さ10mmのサンプル片を作製し、この加熱ゲルの破断強度を、レオメーター(株式会社島津製作所製;Ez−test)により測定した(測定条件:貫入速度100mm/分、直径5mm球型治具を使用)。得られた破断強度曲線を図1に示す。
実施例1で得られたグルテン試料(E1)および水を1:2の質量比となるように混合し、この混合物を、50mlの遠沈管に詰め、90℃にて40分間加熱してゲル化させた。得られた加熱ゲルから直径25mmおよび厚さ10mmのサンプル片を作製し、この加熱ゲルの破断強度を、レオメーター(株式会社島津製作所製;Ez−test)により測定した(測定条件:貫入速度100mm/分、直径5mm球型治具を使用)。得られた破断強度曲線を図1に示す。
同様に、実施例2〜4で得られたグルテン試料(E2)〜(E4)および比較例1のグルテン試料(C1)について、実施例1と同様にして加熱ゲルのサンプル片を作製し、それらの破断強度を測定した。得られた破断強度曲線をそれぞれ図1に示す。
図1に示すように、実施例1および2のグルテン試料から得られた加熱ゲルは、他と比較して柔らかく伸展性に富むゲルであった。また、実施例3および4のグルテン試料から得られた加熱ゲルは、他と比較して比較的脆いものであった。さらに、比較例1の結果を比較して、実施例1〜4の各グルテン試料から得られたゲルは、燻製処理によって全く異なる破断強度曲線を示していたことがわかる。
(評価2:グルテン試料の保水性)
植物性たん白の日本農林規格(昭和五十一年九月十一日 農林省告第八百三十八号)に準拠して、グルテン試料の保水性(吸水性)を以下のようにして測定した。
植物性たん白の日本農林規格(昭和五十一年九月十一日 農林省告第八百三十八号)に準拠して、グルテン試料の保水性(吸水性)を以下のようにして測定した。
実施例1〜4および比較例1のグルテン試料(E1)〜(E4)および(C1)のそれぞれを、10gずつ採取し、これらをそれぞれ100mlの熱水に添加し、10秒間撹拌し、その後室温になるまで放冷した。次いで、これらを1000Gにて5分間遠心分離し、そして分離した水を取り除いて、内容物の質量を測定した。これにより、吸水前の質量(10g)に対する吸水後の質量(g;測定値)の比を算出し、これを保水量とした。実施例1〜4および比較例1のグルテン試料(E1)〜(E4)および(C1)のそれぞれについて、得られた結果を図2に示す。
図2に示すように、実施例1〜4で得られたグルテン試料(E1)〜(E4)は、いずれも比較例1のグルテン試料(C1)と比較して、1.4倍以上の優れた保水性を示していた。特に、燻煙処理の時間が240分間までの実施例1〜3のグルテン試料(E1)〜(E3)については、燻煙時間に応じて保水性も上昇する傾向にあったことがわかる。
(評価3:グルテン試料の保油性)
グルテン試料の保油性(吸油性)を以下のようにして測定した。
グルテン試料の保油性(吸油性)を以下のようにして測定した。
実施例1〜4および比較例1のグルテン試料(E1)〜(E4)および(C1)のそれぞれを、サラダ油と1:1の質量比となるように混合し、これらの混合物を、50mlの遠沈管にそれぞれ30gずつ分注し、85℃にて60分間加熱し、その後一晩静置して油層とグルテン層とを分離させた。分離した油層を取り除き、グルテン層側の内容物の質量を測定した。これにより、加熱前の質量(30g)に対する加熱かつ油層除去後の質量(g;測定値)の比を算出し、これを保油量とした。実施例1〜4および比較例1のグルテン試料(E1)〜(E4)および(C1)のそれぞれについて、得られた結果を図3に示す。
図3に示すように、実施例1〜4で得られたグルテン試料(E1)〜(E4)は、いずれも比較例1のグルテン試料(C1)と比較して優れた保油性を示していた。特に、実施例1〜4で得られたグルテン試料(E1)〜(E4)の保油性は、燻煙処理に要した時間が長いほど、上昇する傾向にあったことがわかる。
(評価4:グルテン試料の遠心分離後の保油保水性)
グルテン試料の遠心分離後の保油保水性(吸油吸水性)を以下のようにして測定した。
グルテン試料の遠心分離後の保油保水性(吸油吸水性)を以下のようにして測定した。
実施例1〜4および比較例1のグルテン試料(E1)〜(E4)および(C1)のそれぞれを、水およびサラダ油と1:2:1の質量比となるように、まずはグルテン試料と水とを混合して充分撹拌した後に、当該油を添加して混合し、これらの混合物を1000Gで5分間遠心分離した。次いで、分離した油層および水層を除去し、残留するグルテン層側の内容物の質量を測定した。これにより、遠心分離前のグルテン試料の質量に対する遠心分離後の質量(g;測定値)の比を算出し、これを遠心分離後の保油保水量とした。実施例1〜4および比較例1のグルテン試料(E1)〜(E4)および(C1)のそれぞれについて、得られた結果を図4に示す。
図4に示すように、実施例1〜4で得られたグルテン試料(E1)〜(E4)は、燻煙処理に要した時間の多少に関わらず、いずれも比較例1のグルテン試料(C1)と比較して優れた保油保水性を示していたことがわかる。
(評価5:グルテン試料の焼成後の保油保水性)
グルテン試料の焼成後の保油保水性(吸油吸水性)を以下のようにして測定した。
グルテン試料の焼成後の保油保水性(吸油吸水性)を以下のようにして測定した。
実施例1〜4および比較例1のグルテン試料(E1)〜(E4)および(C1)のそれぞれを、水およびサラダ油と1:2:1の質量比となるように、まずはグルテン試料と水とを混合して充分撹拌した後に、当該油を添加して混合した。これらの混合物を小判形に成形し、それぞれコンベクションオーブンで180℃にて20分間焼成した後、直ちに分離した油層および水層を除去し、残留する焼成グルテンの質量を測定した。これにより、焼成前のグルテン試料の質量に対する焼成後の質量(g;測定値)の比を算出し、これを焼成後の保油保水量とした。実施例1〜4および比較例1のグルテン試料(E1)〜(E4)および(C1)のそれぞれについて、得られた結果を図5に示す。
図5に示すように、実施例1〜4で得られたグルテン試料(E1)〜(E4)は、燻煙処理に要した時間の多少に関わらず、いずれも比較例1のグルテン試料(C1)と比較して優れた保油保水性を示していたことがわかる。
(実施例5:加工食品(ハンバーグ)の製造(1))
以下の表1に示す食品素材に対し、比較例1、実施例1および実施例2で得られたグルテン試料(C1)、(E1)および(E2)を1.5質量部の割合で添加し、1個あたり50gのハンバーグタネに分け、これらをコンベクションオーブン(180℃、20分間)で通常の焼き加減になるまで焼成してハンバーグを得た。さらに、これらのグルテン試料を添加していない食品素材のみからなるハンバーグ(無添加)も得た。
以下の表1に示す食品素材に対し、比較例1、実施例1および実施例2で得られたグルテン試料(C1)、(E1)および(E2)を1.5質量部の割合で添加し、1個あたり50gのハンバーグタネに分け、これらをコンベクションオーブン(180℃、20分間)で通常の焼き加減になるまで焼成してハンバーグを得た。さらに、これらのグルテン試料を添加していない食品素材のみからなるハンバーグ(無添加)も得た。
次いで、得られた各ハンバーグの質量を測定し、これにより、焼成前の質量に対する焼成後の質量(g;測定値)の比を百分率([焼成後(g)/焼成前(g)]×100(%))で算出し、これらを焼成後の歩留まりとした。さらに、得られたハンバーグを一旦急速冷凍し、その後電子レンジ(1000W)で1分30秒かけてレンジアップした。このハンバーグについて、当該技術分野における専門家パネル5名が食し、「肉粒感」、「ジューシー感」および「穀物臭」の3項目について、JIS Z9080:2004(官能評価分析−方法)に準拠して、マグニチュード推定(ISO 11056)により、以下表2〜4に記載のように各5段階尺度の基準に従って評価し、各評価結果を集計して、これらを当該専門家全員の合意による最終結果の点数として調整かつ決定した。また、円卓法により、各グルテン試料を添加した際の特徴を記録した。
さらに、上記レンジアップ後のハンバーグの質量を測定し、これにより、レンジアップ前の質量に対するレンジアップ後の質量(g;測定値)の比を百分率([レンジアップ後(g)/レンジアップ前(g)]×100(%))で算出し、これらをレンジアップ後の歩留まりとした。得られた評価を表5に示す。
表5に示すように、実施例1および2で得られたグルテン試料(E1)および(E2)を添加したハンバーグは、無添加および比較例1のものと比較して歩留まりが高く、かつ肉粒感およびジューシー感が高得点を示して優れており、その一方で穀物臭は低く懸念すべきものではなかったことがわかる。特に、燻煙処理に要した時間がより長い実施例2のグルテン試料を用いた場合は、ハンバーグのジューシー感が最も高かったと評価されており、当該グルテン試料がハンバーグの食感向上に大きな影響を及ぼしていたことがわかる。
(実施例6:加工食品(粒状大豆タンパク質入りハンバーグ)の製造(2))
以下の表6に示す食品素材を用いたこと以外は、実施例5と同様にしてハンバーグタネを作製し(グルテン試料は実施例5と同様にして1.5質量部添加した)、かつ実施例5と同様にして焼成およびレンジアップした。
以下の表6に示す食品素材を用いたこと以外は、実施例5と同様にしてハンバーグタネを作製し(グルテン試料は実施例5と同様にして1.5質量部添加した)、かつ実施例5と同様にして焼成およびレンジアップした。
得られたハンバーグについて、当該技術分野における専門家パネル5名が食し、「肉粒感」、「ジューシー感」および「穀物臭」の3項目について、実施例5と同様の基準に従って評価し、各評価結果を集計して、これらを当該専門家全員の合意による最終結果の点数として調整かつ決定した。また、円卓法により、各グルテン試料を添加した際の特徴を記録した。
得られた評価を表7に示す。
表7に示すように、実施例1および2で得られたグルテン試料(E1)および(E2)を添加した、粒状大豆タンパク質入りハンバーグは、無添加および比較例1のものと比較して歩留まりが高く、かつ肉粒感、ジューシー感および穀物臭の全てにおいて優れたものであったことがわかる。
(実施例7:加工食品(中華饅頭)の製造(3))
以下の表8に示す食品素材に対し、比較例1、実施例1および実施例2で得られたグルテン試料(C1)、(E1)および(E2)を2質量部の割合で添加し、1個あたり40gの中種に分け、これらを50gの中華饅頭の皮で包み、ホイロ(温度40℃、湿度60%)内に40分間配置し、その後15分間かけて蒸し上げる(温度100℃)ことにより中華饅頭を得た。
以下の表8に示す食品素材に対し、比較例1、実施例1および実施例2で得られたグルテン試料(C1)、(E1)および(E2)を2質量部の割合で添加し、1個あたり40gの中種に分け、これらを50gの中華饅頭の皮で包み、ホイロ(温度40℃、湿度60%)内に40分間配置し、その後15分間かけて蒸し上げる(温度100℃)ことにより中華饅頭を得た。
次いで、得られた中華饅頭について、当該技術分野における専門家パネル5名が食し、「空洞」(皮と中種との間の空間)および「肉汁」の2項目について、JIS Z9080:2004(官能評価分析−方法)に準拠して、マグニチュード推定(ISO 11056)により、それぞれ表9および10に記載のように各5段階尺度の基準に従って評価し、各評価結果を集計して、これらを当該専門家全員の合意による最終結果の点数として調整かつ決定した。また、円卓法により、各グルテン試料を添加した際の特徴を記録した。
得られた評価を表11に示す。
表11に示すように、実施例1および2で得られたグルテン試料(E1)および(E2)を添加した中華饅頭は、比較例1のものと比較して空洞および肉汁の両方において優れたものであったことがわかる。特に、燻煙処理に要した時間がより長い実施例2のグルテン試料を用いた場合は、中華饅頭の肉汁が非常に多いと感じられており、当該グルテン試料が中華饅頭の物性改変に大きな影響を及ぼしていたことがわかる。
(実施例8:加工食品(鶏肉団子)の製造(4))
以下の表12に示す食品素材に対し、比較例1、実施例1、実施例2および実施例3で得られたグルテン試料(C1)および(E1)〜(E3)を1質量部の割合で添加し、1個あたり30gの鶏肉団子タネに分け、これらを蒸し器(温度:90℃)で9分間蒸し上げて鶏肉団子を得た。
以下の表12に示す食品素材に対し、比較例1、実施例1、実施例2および実施例3で得られたグルテン試料(C1)および(E1)〜(E3)を1質量部の割合で添加し、1個あたり30gの鶏肉団子タネに分け、これらを蒸し器(温度:90℃)で9分間蒸し上げて鶏肉団子を得た。
次いで、得られた各鶏肉団子の質量を測定し、これにより、蒸し上げ前の質量に対する蒸し上げ後の質量(g;測定値)の比を百分率([蒸し上げ後(g)/蒸し上げ前(g)]×100(%))で算出し、これらを蒸し後の歩留まりとした。さらに、得られた鶏肉団子を一旦急速冷凍し、その後4分間ボイルした。この鶏肉団子について、当該技術分野における専門家パネル5名が食し、JIS Z9080:2004(官能評価分析−方法)に準拠して、マグニチュード推定(ISO 11056)により、表13に示す「柔らかさ」および表2に示す「肉粒感」の2項目について、各5段階尺度の基準に従って評価し、各評価結果を集計して、これらを当該専門家全員の合意による最終結果の点数として調整かつ決定した。また、円卓法により、各グルテン試料を添加した際の特徴を記録した。
さらに、上記ボイル後の鶏肉団子の質量を測定し、これにより、ボイル前の質量に対するボイル後の質量(g;測定値)の比を百分率([ボイル後(g)/ボイル前(g)]×100(%))で算出し、これらをボイル後の歩留まりとした。得られた評価を表14に示す。
表14に示すように、実施例1〜3で得られたグルテン試料(E1)〜(E3)を添加した鶏肉団子は、蒸し上げまたはボイルのいずれの調理方法を用いた場合であっても、比較例1のものと比較して歩留まりが高く、かつ柔らかさおよび肉粒感の両方において優れたものであったことがわかる。特に、燻煙処理に要した時間がより長い実施例2や3のグルテン試料を用いた場合は、鶏肉団子の柔らかさが向上し、当該グルテン試料が鶏肉団子の食感向上に大きな影響を及ぼしていたことがわかる。
(実施例9:加工食品(多加水食パン)の製造(5))
対照区およびグルテン添加区について、以下の表15に示す食品素材を計量し、混合した。なお、グルテン添加区については3種類のサンプルを準備し、各サンプルに、グルテンとして比較例1、実施例1または実施例2で得られたグルテン試料を使用した。
対照区およびグルテン添加区について、以下の表15に示す食品素材を計量し、混合した。なお、グルテン添加区については3種類のサンプルを準備し、各サンプルに、グルテンとして比較例1、実施例1または実施例2で得られたグルテン試料を使用した。
次いで、この混合物を、ホームベーカリー(三洋電機株式会社製SPM−KP1)に入れ、小麦食パンコースを選択して焼き上げることにより、多加水食パンを得た。
得られた多加水食パンについて、当該技術分野における専門家パネル5名が食し、JIS Z9080:2004(官能評価分析−方法)に準拠して、マグニチュード推定(ISO 11056)により、表16に示す「弾力」、表17に示す「口溶け」、および上記表4に示す「穀物臭」の3項目について、各5段階尺度の基準に従って評価し、各評価結果を集計して、これらを当該専門家全員の合意による最終結果の点数として調整かつ決定した。また、円卓法により、各グルテン試料を添加した際の特徴を記録した。
得られた評価を表18に示す。
表18に示すように、実施例1および2で得られたグルテン試料(E1)および(E2)を添加した多加水食パンは、弾力、口溶けおよび穀物臭のすべてにおいて比較例1の試料を添加したものやグルテン無添加(対照区)のものと比較して優れた結果を示していた。特に所定時間をかけて燻煙処理したグルテンを用いることにより(実施例1および2)、多加水食パンの口溶けが向上し、明らかに当該食パンの物理的性質が改変されていたことがわかる。
(実施例10:加工食品(鶏唐揚げ)の製造(6))
以下の表19に示す成分をそれぞれ混合することにより、実施例1のグルテン試料(E1)を分散させた複数のピックル液P1〜P5を調製した。また、実施例1のグルテン試料(E1)を分散させることなく、表19に示す成分で構成される、ピックル液PC1(対照区用)を調製した。さらに、実施例1のグルテン試料(E1)の代わりに比較例1のグルテン試料(C1)を添加した、表19に示す成分で構成されるピックル液PC2(対照区用)を調製した。
以下の表19に示す成分をそれぞれ混合することにより、実施例1のグルテン試料(E1)を分散させた複数のピックル液P1〜P5を調製した。また、実施例1のグルテン試料(E1)を分散させることなく、表19に示す成分で構成される、ピックル液PC1(対照区用)を調製した。さらに、実施例1のグルテン試料(E1)の代わりに比較例1のグルテン試料(C1)を添加した、表19に示す成分で構成されるピックル液PC2(対照区用)を調製した。
次いで、鶏のムネ肉を40gの大きさにカットし、上記で得られたピックル液P1〜P5のそれぞれに9℃で1.5時間かけてタンブリング(ムネ肉:ピックル液=100:25(質量比))し、液切りを行った。タンブリング前後の各試験区のムネ肉の質量を測定し、これにより、タンブリング前の質量に対するタンブリング後の質量(g;測定値)の比を百分率([タンブリング後(g)/タンブリング前(g)]×100(%))で算出し、これらをタンブリング後の歩留りとした。そして、タンブリングを終えたムネ肉を、表20に示すバッター配合を用いてバッターリングを行い、それぞれ175℃で4.5分間フライして鶏唐揚げを作製した。さらに、上記ピックル液P1〜P5の代わりにピックル液PC1またはPC2を用いたこと以外は上記と同様にして、ムネ肉から鶏唐揚げ(無添加)を作製した。
得られた鶏唐揚げを急速冷凍し、その後電子レンジ(1000W、50秒間を2回)でレンジアップした。この鶏唐揚げについて、当該技術分野における専門家パネル5名が食し、JIS Z9080:2004(官能評価分析−方法)に準拠して、マグニチュード推定(ISO 11056)により、表21に示す「衣の結着性」について、各5段階尺度の基準に従って評価し、各評価結果を集計して、これらを当該専門家全員の合意による最終結果の点数として調整かつ決定した。得られた結果を表22に示す。
表22に示すように、上記実施例1のグルテン試料(E1)を含有するピックル液P1〜P5のいずれを用いた場合も、鶏唐揚げの衣の結着性が、無添加および比較例1のものと比較して大幅に向上していたことがわかる。また、比較例1の試料を添加したピックル液は、調製時にグルテンが分散することなくダマを形成していた。さらに、タンブリング後もダマ状のままで鶏肉表面に付着しており、グルテンが均一に分散せず、かつ鶏肉に浸透していなかった。このことは、タンブリング前後の歩留りの結果にも現れており、実施例1の試料を添加したピックル液でタンブリングしたムネ肉は、溶解したグルテンと水が浸潤し歩留りが向上することが示された。
(実施例11:加工食品(うどん)の製造(7))
以下の表23に示す食品素材に対し、比較例1、実施例1および実施例2で得られたグルテン試料(C1)、(E1)および(E2)を2質量部の割合で添加し、麺の切刃は麺厚2.5mmとし、No.9角型を用いて製麺することにより、うどんを作製した。さらに、これらのグルテン試料を添加していない食品素材のみからなるうどん(無添加)も得た。
以下の表23に示す食品素材に対し、比較例1、実施例1および実施例2で得られたグルテン試料(C1)、(E1)および(E2)を2質量部の割合で添加し、麺の切刃は麺厚2.5mmとし、No.9角型を用いて製麺することにより、うどんを作製した。さらに、これらのグルテン試料を添加していない食品素材のみからなるうどん(無添加)も得た。
次いで、得られたうどんを、それぞれ沸騰水の中で14分間茹で、充分に湯切りした後、冷水で洗浄し、氷水で1分間しめて、茹でうどんを作製した。この茹でうどんについて、当該技術分野における専門家パネル5名が食し、「硬さ」および「弾力」の2項目について、JIS Z9080:2004(官能評価分析−方法)に準拠して、マグニチュード推定(ISO 11056)により、以下表24および25に記載のように各5段階尺度の基準に従って評価し、各評価結果を集計して、これらを当該専門家全員の合意による最終結果の点数として調整かつ決定した。また、円卓法により、各グルテン試料を添加した際の特徴を記録した。得られた結果を表26に示す。
表26に示すように、実施例1および2で得られたグルテン試料(E1)および(E2)を添加したうどんは、硬さおよび弾力の両方において比較例1の試料を添加したものやグルテン無添加(対照区)のものと比較して優れた結果を示していた。また、実施例1のグルテン試料(E1)と比較して、燻煙時間を延長して得られた実施例2のグルテン試料(E2)を用いた場合、うどんの硬さおよび弾力がさらに向上していたことがわかる。
一方、上記で得られた各茹でうどんの物性について、株式会社島津製作所製Ez−testにより楔形治具を使用し、貫入速度100mm/分で測定した。結果を図6に示す(なお、図6中、実施例1の試料を用いて得た茹でうどんを「実施例1」として表し、実施例2の試料を用いて得た茹でうどんを「実施例2」として表し、比較例1の試料を用いて得た茹でうどんを「比較例1」として表し、そしてグルテン無添加(対照区)の茹でうどんを「無添加」として表す)。
図6に示すように、無添加および比較例1の結果に比べて、実施例1および2の結果は、うどんに治具を押し込んだ場合に得られる荷重(N)が増加する傾向を示した。このことは、実施例2の試料を用いた茹でうどんが最も硬く、次いで、実施例1の試料を用いた茹でうどん、比較例1の試料を用いた茹でうどん、およびグルテン無添加(対照区)の茹でうどんの順に硬さが低下していたことがわかる。
本発明の加工食品の物性改変剤は、簡易に製造することができ、得られる加工食品の風味を損なうことなく、当該加工食品の食感や構造的特徴を改変することができる。本発明の物性改変剤は、例えば、畜肉、卵、穀物粉を主成分とするグルテン含有食品に有用である。
Claims (6)
- 燻煙処理されたグルテンを含有する、加工食品の物性改変剤。
- 前記物性が、強度、保水性および保油性からなる群から選択される少なくとも1種の性質である、請求項1に記載の加工食品の物性改変剤。
- 加工食品の物性改変剤の製造方法であって、粉末グルテンを燻煙処理する工程を包含する、方法。
- 前記燻煙処理する工程が、前記粉末グルテンに対し、10℃から140℃の燻煙を10分から5時間接触させることにより行われる、請求項3に記載の方法。
- 食品素材と請求項1に記載の物性改変剤とを含有する、加工食品。
- 加工食品の製造方法であって、
食品素材に、請求項1に記載の物性改変剤を添加して食品素材混合物を得る工程;および
該食品素材混合物を加熱する工程;
を包含する、方法。
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-
2016
- 2016-07-05 JP JP2016133701A patent/JP2017018097A/ja active Pending
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